JP2007119667A5 - - Google Patents

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粘着剤
本発明は、粘着剤及び該粘着剤を含む光学積層体に関するものである。
TFT、STNなどの液晶表示装置に一般に用いられている液晶セルは、液晶成分が二枚のガラス基材間に挟持された構造を有している。該ガラス基材の表面には、アクリル樹脂を主成分とする粘着剤を介して、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムが積層されている。そして、ガラス基板、粘着剤及び光学フィルムを順次積層してなる光学積層体は、まず、光学フィルムに粘着剤を積層して得られる粘着剤付光学フィルムを製造し、続いて、粘着剤の面にガラス基材を積層する方法が、一般に用いられている。
このような粘着剤付光学フィルムは、熱又は湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易く、得られる光学積層体の粘着剤層内で発泡したり、粘着剤層とガラス基材との間浮き、剥れ等が発生したりするという問題があった。さらに、熱又は湿熱条件下では粘着剤付光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学積層体の外周部に応力集中が生じる結果、TN液晶セル(TFT)では白抜け、STN液晶セルでは色ムラが起こるという問題があった。
かかる問題を解消するために、特許文献1には重量平均分子量 600,000〜2,000,000 の高分子量アクリル樹脂と、重量平均分子量 500,000以下の低分子量アクリル樹脂とを主成分とする粘着剤が提案されている。
特開2000−109771号公報[請求項1]
最近ではカーナビゲーションシステムなどの車載用として液晶表示装置用いることが試みられているが、車載用においては高温・高湿条件下でも発泡、浮き、剥れ、曇り等の外観変化が生じないという耐久性も必要となってきた。
本発明者らは、上記特許文献に記載の条件を充足する高分子量アクリル樹脂と低分子量アクリル樹脂との組成物を架橋剤で架橋してなる粘着剤に、光学フィルムを積層し、得られる光学積層体について検討したところ、白抜け防止、高湿条件下や高熱条件下における耐久性が必ずしも充分でない場合があることが明らかになった。
本発明の目的は、光学積層体の白抜けを抑制するとともに、高湿条件下や高熱条件下において、光学積層体におけるガラス基材と粘着剤層との間の浮き、剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し、しかも加熱・冷却を繰り返しても、白抜け、浮き、剥れ、発泡、曇りなどの外観変化がほとんど生じない耐久性に優れる粘着剤該粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルム、該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層してなる光学積層体を提供することである。
このような状況下、本発明者らは粘着剤について鋭意検討した結果、特定の粘着剤が、かかる課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記アクリル樹脂(1)及び(2)を架橋剤で架橋してなる粘着剤であって、粘着剤におけるテトラヒドロフラン不溶分の重量百分率Xと、式(III)
Y=B−(100−X)×C/100 (III)
(式中、Bはアクリル樹脂(1)及び(2)の混合物における分子量 300,000以上の成分の重量百分率を表し、Cは粘着剤のテトラヒドロフラン溶解分における分子量 300,000以上の成分の重量百分率を表す。)
で表される粘着剤のテトラヒドロフラン不溶分における高分子量成分の重量百分率Yとが、式(I)及び(II)
40≦X≦70 (I)
−0.15X+41<Y<0.45X+24 (II)
を充足することを特徴とする粘着剤である。
アクリル樹脂(1):下式(A):
Figure 2007119667
(式中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、R 2 は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表すが、R 2 のアルキル基の水素原子又はアラルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(a)を主成分とする重量平均分子量が 50,000〜250,000であるアクリル樹脂
アクリル樹脂(2):上記構造単位(a)を主成分とし、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体に由来する構造単位(b)を含有する重量平均分子量が 1,000,000〜1,500,000であるアクリル樹脂
本発明はまた、光学フィルムの両面又は片面に上記粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム、及び該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体をも提供する。
本発明の粘着剤は、粘着剤におけるテトラヒドロフラン(THF)に可溶な低分子量成分の量、すなわち、粘着剤中の未架橋成分の量を制御することにより、柔軟性に優れ、光学フィルムなどに対して優れた密着性を与える。また、光学フィルムと該粘着剤とを積層した粘着剤付光学フィルムは、例えば液晶セルのガラス基板に積層することで、本発明の光学積層体を与える。この光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルム及びガラス基板の寸法変化に起因する応力を粘着剤層が吸収・緩和するため、局部的な応力集中が軽減され、ガラス基板に対する粘着剤層の浮き剥れが抑制される。また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥が防止されることから、ガラス基板がTN液晶セル(TFT)である場合には、白ヌケが抑制される。
さらに、該粘着剤付き光学フィルムを貼り直すために光学積層体から該フィルムを剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生せず、いわゆるリワーク性に優れる。このことにより、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離しても、剥離後のガラス基板の表面に糊残りや曇りが抑制され、再びガラス基板として用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるアクリル樹脂(1)及び(2)において主成分となる構造単位(a)を与える単量体は、前記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。式(A)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表す。R2のアラルキル基の水素原子又はアルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。
式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシエチルアクリレート及びエトキシメチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
これらの(メタ)アクリル酸エステルは、異なる2種類以上を用いてもよい。
クリル樹脂(1)において、式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(a)の含有量は、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、通常、60重量部以上であり、好ましくは70重量部以上である。
また、アクリル樹脂(2)において、構造単位(a)の含有量は、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、通常、70〜99.9重量部程度であり、好ましくは90〜99.6重量部程度である。
前記した、少なくとも一つの極性官能基と一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体(以下、「極性官能基含有単量体」という場合がある)に由来する構造単位(b)は、アクリル樹脂(2)の必須成分であり、アクリル樹脂(1)には任意成分として含有されていてもよい。ここで、極性官能基含有単量体は、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体である。
極性官能基含有単量体の具体例としては、極性官能基がカルボキシル基である単量体として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられ、極性官能基が水酸基である単量体として、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、極性官能基がアミド基である単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンジアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
極性官能基がエポキシ基である単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等が挙げられる。ここで、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどのように酸素原子が3員環及び7員環を構成している単量体は、反応性の高いエポキシ基を有していることから、好ましい単量体である。
極性官能基がオキセタニル基である単量体として、例えば、オキセタニル(メタ)アクリレート、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、極性官能基がアミノ基である単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アリルアミン等が挙げられ、極性官能基がイソシアネート基である単量体としては、例えば、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート等が挙げられ、極性官能基がアルデヒド基である単量体としては、例えば、アクリルアルデヒド等が挙げられる。
これら極性官能基含有単量体としては、異なる2種以上を組み合わせて使用してもよいが、例えば、水酸基、アミノ基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性官能基を含有する単量体と、イソシアネート基を含有する単量体との組み合わせのように、反応し得る極性官能基を含有する単量体を同時に使用することは、アクリル樹脂の重合中にゲル化を生じさせることから、好ましくない。
極性官能基含有単量体としては、中でも、極性官能基が水酸基であるもの及び極性官能基がカルボキシル基であるものが好ましく、とりわけ、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好適である。
アクリル樹脂(1)に極性官能基含有単量体を用いる場合、アクリル樹脂(1)における構造単位(b)の含有量は、通常、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0.1〜20重量部程度である。構造単位(b)の含有量が20重量部以下であるとガラス基板と粘着剤層との間の浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(2)における構造単位(b)の含有量は、通常、アクリル樹脂100重量部に対し、0.1〜30重量部程度であり、好ましくは0.5〜10重量部程度である。構造単位(b)の含有量が0.1重量部以上であると、得られる樹脂の凝集力が向上する傾向にあることから好ましく、30重量部以下であると光学フィルムの寸法が変化してもその寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
なお、後述するYの値が−0.15X+41よりも大きくなるようにするためには、粘着剤中に存在する未架橋の成分を減少させればよい、すなわち、THFに溶解する低分子量成分を減少させればよい。具体的には、低分子量成分であるアクリル樹脂(1)における架橋剤と反応し得る構造単位(b)を増加させるか、あるいは、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の使用割合を調整すればよい。
また、Yの値が0.45X+24よりも小さくなるようにするためには、粘着剤中に存在する未架橋の成分を増加させればよい、すなわち、THFに溶解する低分子量成分を増加させればよい。具体的には、低分子量成分であるアクリル樹脂(1)において、架橋剤と反応し得る構造単位(b)を減少させるか、あるいは、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の使用割合を調整すればよい。
本発明の粘着剤に用いられるアクリル樹脂(1)及び(2)の重量比率(不揮発分)としては、粘着剤樹脂組成物100重量部に対し、アクリル樹脂(1)が、通常10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部程度である。アクリル樹脂(1)が10重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、アクリル樹脂(1)が50重量部以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び(2)を製造する際には、さらに、前記の(メタ)アクリル酸エステル及び極性官能基含有単量体とは異なる単量体であって、分子内に1つのオレフィン性二重結合と、5員環以上の環状構造を含有する単量体を共重合させてもよい。ここで、環状構造を含有する単量体としては、例えば、分子内に1つのオレフィン性二重結合と脂環式構造を含有する単量体(以下、脂環式単量体という場合がある);分子内に1つのオレフィン性二重結合と複素環式構造を含有する単量体(以下、複素環式単量体という場合がある)などが挙げられる。
脂環式単量体における脂環式構造とは、通常、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7程度のシクロパラフィン構造又はシクロオレフィン構造である。なお、シクロオレフィン構造では、脂環式構造の中にオレフィン性二重結合を含有する。
具体的な分子内に1つのオレフィン性二重結合と、脂環式構造を含有する単量体としては、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロドデシル、メチルシクロヘキシルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルαエトキシアクリレート、シクロヘキシルフェニルアクリレート等の脂環式構造を有するアクリル酸エステル;メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸シクロドデシル、メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルフェニルメタクリレート等の脂環式構造を有するメタクリル酸エステルなどが例示される。
脂環式単量体中でも、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニルは、入手が容易なことから好ましい。
また、脂環式構造を複数含有するアクリレートとして、ビスシクロヘキシルメチルイタコネート、ジシクロオクチルイタコネート、ジシクロドデシルメチルサクシネート等が挙げられ、ビニル基を含有するビニルシクロヘキシルアセテート等も脂環式単量体である。
複素環式単量体における複素環式構造とは、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7の脂環式炭化水素基内の少なくとも1つのメチレン基が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子などのヘテロ原子に置換されている複素環基である。
具体的には、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、テトラハイドロフルフリルアクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラハイドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。さらに、2,5−ジヒドロフランなどのように、オレフィン性二重結合が複素環基に含まれていてもよい。分子内に1つのオレフィン性二重結合と、複素環式構造を含有する単量体中でも、N−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリンが好適である。
環状構造を含有する単量体として、異なる単量体を用いてもよい。
クリル樹脂(1)又は(2)において、環状構造を含有する単量体に由来する構造単位(構造単位(c)」とする)の含有量は、アクリル樹脂100重量部に対し、通常、10重量部程度以下である。構造単位(c)を含有すると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される場合がある。
さらに、本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び(2)を製造する際には、ビニル系単量体を共重合させてもよい。ここでいうビニル系単量体とは、上記した(メタ)アクリル酸エステル、極性官能基含有単量体、及び環状構造を含有する単量体とは異なる単量体であって、分子内に少なくとも1つのビニル基を有するものであり、例えば、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、共役ジエン化合物、スチレン系単量体、含窒素芳香族ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
ここで、ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのモノビニルエステル;アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルなどのジビニルエステルが挙げられる。
ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニル臭化ビニル等が例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン等が例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。
共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
スチレン系単量体としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレンジビニルベンゼンなどが挙げられる。含窒素芳香族ビニルとしては、例えば、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
ビニル系単量体として異なる単量体を複数種用いてもよい。
アクリル樹脂(1)又は(2)において、ビニル系単量体に由来する構造単位は、通常、アクリル樹脂100重量部に対し、5重量部以下、好ましくは0.05重量部以下であるが、実質的に含有しないことがより好ましい。
さらに、本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び(2)を製造する際には、上記した(メタ)アクリル酸エステル、極性官能基含有単量体、環状構造を含有する単量体、及びビニル系単量体とは異なる単量体であって、分子内に複数のオレフィン性二重結合を含有する単量体を共重合させてもよい。分子内に複数のオレフィン性二重結合を含有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどの(メタ)アクリレート類;メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類;アリル(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、テトラアリルピロメリテート、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアンモニウム塩などが挙げられる。
分子内に複数のオレフィン性二重結合を含有する単量体として異なる単量体を複数種用いてもよい。
アクリル樹脂(1)又は(2)において、分子内に複数のオレフィン性二重結合を含有する単量体に由来する構造単位は、通常、アクリル樹脂100重量部に対し、5重量部以下、好ましくは0.05重量部以下であるが、実質的に含有しないことがより好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられる。
また、アクリル樹脂(1)の製造において、通常、重合開始剤が用いられる。重合開始剤はアクリル樹脂(1)の製造に用いられる全ての単量体の合計100重量部に対して0.1〜5重量部程度使用される。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤などが例示され、光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2′−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。また、熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
アクリル樹脂(1)の製造方法としては、中でも、溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合して単量体の濃度を20重量%以上、好ましくは30〜60重量%の混合液に調製したのち、窒素雰囲気下にて、重合開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは60〜80℃程度にて3〜10時間程度攪拌する方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いる単量体や重合開始剤を重合中に添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加したりしてもよい。
ここで、有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
かくして得られるアクリル樹脂(1)の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算重量平均分子量で、 50,000〜250,000の範囲である。重量平均分子量が 50,000 以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間の浮き、剥れが低下する傾向あり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましく、重量平均分子量が 250,000以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(2)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられ、中でも溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合して単量体の濃度を40重量%以上、好ましくは50〜60重量%の混合液に調製したのち、窒素雰囲気下にて、重合開始剤を0.001〜0.2重量部程度添加し、40〜90℃程度、好ましくは50〜70℃程度にて8時間以上、好ましく10〜12時間程度攪拌する方法などが挙げられる。
アクリル樹脂(2)の製造における重合開始剤は、アクリル樹脂(1)において例示したものと同様のものを用いることができる。また、有機溶媒、アクリル樹脂(1)において例示したものと同様のものを用いることができる
かくして得られるアクリル樹脂(2)の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)、1,000,000〜1,500,000 の範囲である。重量平均分子量が 1,000,000以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間の浮き、剥れが低下する傾向あり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。重量平均分子量が 1,500,000以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明の粘着剤に用いられる架橋剤は、アクリル樹脂(2)に含まれる極性官能基と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物アジリジン系化合物などが例示される。
ここで、イソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものも、架橋剤として使用できる。このなかでもとりわけトリレンジイソシアネートのアダクト体が好ましい。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N′−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートテトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
架橋剤として、2種類以上を使用してもよい。粘着剤における架橋剤(不揮発分)の使用量は、アクリル樹脂(1)及び(2)の合計100重量部(不揮発分)に対して、通0.8〜5重量部程度、好ましくは1〜3重量部程度である。特許文献1は具体的に、アクリル樹脂(1)及び(2)の合計100重量部(不揮発分)に対して、0.1重量部及び0.15重量部の架橋剤を使用しているが、架橋剤の量が0.8重量部以上であると、粘着剤中の未架橋成分が減少し、後述するYの値が−0.15X+41よりも大きくなる傾向があり、結果として、ガラス基板と粘着剤層との間の浮剥れ等の耐久性が良好となることから好ましい。また、5重量部以下であると、粘着剤中の未架橋成分が増加し、後述するYの値が0.45X+24よりも小さくなる傾向があり、結果として、光学フィルムの寸法変化に対して粘着剤層の追随性が優れることから、白抜け、色ムラが低下する傾向にあり、好ましい。
中でも、アクリル樹脂(1)に含有される極性官能基が水酸基であり、架橋剤がイソシアネート系化合物であると、該水酸基と架橋剤との反応性に優れることから、アクリル樹脂(1)における該水酸基の量と架橋剤の量を制御するだけで後述するYの値簡便に制御することができる。とりわけ、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートにグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールを反応せしめたアダクト体、トリレンジイソシアネートを2量体化したもの、及びトリレンジイソシアネートを3量体化したものからなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤が好ましい。
本発明の粘着剤は、上記したアクリル樹脂(1)及び(2)を架橋剤で架橋してなるものであって、粘着剤におけるTHF不溶分の重量百分率Xと、式(III)で表される粘着剤のテトラヒドロフラン不溶分における高分子量成分の重量百分率Yとが、式(I)及び(II)を充足するものである。
40≦X≦70 (I)
0.15X+41<Y<0.45X+24 (II)
Y=B−(100−X)×C/100 (III)
(式中、B及びCは先に定義したとおりである。)
粘着剤におけるテトラヒドロフラン不溶分の重量百分率Xは、具体的には、以下の方法で測定される
(i)約8cm×約8cmの面積の粘着層(厚さ25μm)とSUS304メッシュ(約10cm×約10cm、重量(Wm))の金属メッシュとを貼合する。
(ii)(i)で得られた貼合物の重量(Ws)を秤量し、粘着層を包み込むように4回折りたたんでホッチキスで留めたのち、秤量する(Wb)。
(iii)125mlのガラス容器に(ii)で得られたメッシュを入れ、THF10mlを加えて浸漬した後、このガラス容器を室温で6日間保管する。
(iv)ガラス容器からメッシュを取り出し、120℃で24時間乾燥した後、秤量し(Wa)、次式に基づいてゲル分率を計算する。
X(重量%)=[{Wa−(Wb−Ws)−Wm}/(Ws−Wm)]×100
Xが70重量%以下であると、架橋密度が低くなり、柔軟性に優れ、白抜け、色ムラ現象が抑制される傾向あることから好ましく、Xが40重量%以上であると凝集力が向上し、耐久性が向上する傾向にあることから好ましい。
式(III)中のBは、アクリル樹脂(1)及び(2)の混合物における分子量 300,000 以上の高分子量成分の重量百分率を表し、Cは、粘着剤のTHF溶解分における分子量 300,000以上の高分子量成分の重量百分率を表す。換言すれば、式(III)によって定義されるYは、粘着剤中のTHF不溶分、すなわち、架橋剤によって架橋された成分のうち、重量平均分子量 300,000以上の高分子量成分の重量百分率を表す。
なお、上記分子量及びその重量百分率は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の標準ポリスチレン換算によって測定される。
Yが0.45X+24未満であると架橋密度が低くなり、柔軟性に優れ、白抜け、色ムラ現象が抑制される傾向あることから好ましい。Yが−0.51X+41以上であると、凝集力が向上し、耐久性が向上する傾向にある。
本発明の粘着剤には、粘着剤層とガラス基板との密着性を向上させるためにシラン系化合物を含有させることが好ましい。シラン化合物は単量体及びオリゴマーどちらでもよい。シラン系化合物単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシランなどが挙げられる。シラン化合物のオリゴマーとしては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、ビニルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、テトラエトキシシランコポリマーなどが挙げられる。
本発明の粘着剤に、2種類以上のシラン系化合物を使用してもよい。
粘着剤におけるシラン系化合物の使用量、アクリル樹脂組成物100重量部(不揮発分)に対して、通常、0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の量で使用される。シラン系化合物の量が0.0001重量部以上であると粘着剤層とガラス基板との密着性が向上することから、好ましい。またシラン系化合物の量が10重量部以下であると、粘着剤層からシラン系化合物がブリードアウトすることを抑制する傾向にあることから、好ましい。
本発明の粘着剤は、上記のようにアクリル樹脂(1)、アクリル樹脂(2)及び架橋剤を含有し、好ましくはシラン系化合物を含有するが、さらに、架橋触媒、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料無機フィラー等を配合てもよい。
中でも、粘着剤に架橋触媒と架橋剤とを配合すると、粘着剤付光学フィルムを短時間の熟成で調製することができ、該フィルムを含む光学積層体は、光学フィルムと粘着剤層と間の浮き、剥れや、粘着剤層内での発泡抑制され、しかもリワーク性に優れる場合がある。
架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂メラミン樹脂などのアミン系化合物などが挙げられる。粘着剤に架橋触媒としてアミン化合物を用いる場合、架橋剤としてはイソシアネート系化合物が好適である。
本発明の粘着剤付光学フィルムは、上記粘着剤と光学フィルムとからなるものであり、その製造方法としては、例えば、剥離フィルムの上に有機溶剤に希釈させた粘着剤を塗布し、60〜120℃で0.5〜10分間程度加熱して有機溶媒を留去して、粘着剤層を得る。次いで、粘着剤層に光学フィルムを貼合したのち、温度23℃、湿度65%の雰囲気下であれば、5〜20日程度熟成させ、架橋剤が十分反応したのち、剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得る方法;前記と同様に粘着剤層を得たのち、得られた剥離フィルムと粘着剤層との2層の積層体を、剥離フィルムと粘着剤層とが交互になるように多層に組み合わせたのち、温度23℃、湿度65%の雰囲気下であれば、5〜20日程度熟成させ、架橋剤が十分反応したのち、剥離フィルムを剥離し、代わって光学フィルムを貼合し、さらに剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得る方法などが挙げられる。
ここで、剥離フィルムは、粘着剤層を形成する際の基材である。熟成中や粘着剤付光学フィルムとして保存する際に塵や埃などの異物から粘着剤層を保護する基材である場合もある。剥離フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
本発明の粘着剤付光学フィルムに用いられる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムとしては、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を吸収し、垂直面である振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を反射する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムの具体例としては、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものなどが挙げられる。
位相差フィルムとは、一軸又は二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸又は二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
位相差フィルムとしては、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、温度補償型位相差フィルム、LCフィルム(棒状液晶ねじれ配向)、WVフィルム(円盤状液晶傾斜配向)、NHフィルム(棒状液晶傾斜配向)、VACフィルム(完全二軸配向型位相差フィルム)、newVACフィルム(二軸配向型位相差フィルム)などが挙げられる。
さらに、これら光学フィルムの片面又は両面に基板フィルム(Protective Film)を貼合しているものも光学フィルムとして好適に用いられる。基板フィルムとしては、例えば、本発明のアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルム等が挙げられる。基板フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤配合されていてもよい。基板フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
本発明の光学積層体は、粘着剤付光学フィルムとガラス基板とからなるものである。
光学積層体は、通常、粘着剤付光学フィルムの粘着剤層とガラス基板と貼合して製造することができる。ここで、ガラス基板としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどが挙げられる。中でも、液晶セルの上部のガラス基板に粘着剤付光学フィルム(上板偏光板)の粘着剤層を貼合し、液晶セルの下部のガラス基板に別の粘着剤付光学フィルム(下板偏光板)の粘着剤層を貼合してなる光学積層体は液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
本発明の光学積層体は、それから粘着剤付き光学フィルムを剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基板の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生しないことから、剥離されたガラス基板に再び、粘着剤付光学フィルムを貼り直すことが容易に実施することができる、すなわち、リワーク性に優れている。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、例中、「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また不揮発分は、JIS K-5407に準じた方法で測定した。具体的には粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させた後の残留不揮発分重量を最初に測りとった溶液の重量に対する割合で表したものである。重量平均分子量測定は、GPC装置を用いて標準ポリスチレン換算より、試料濃度5mg/ml、試料導入量100μml、カラムとして東ソー(株)製:TSKgel G6000HXL2本、TSKgel G5000HXL2本を順次、直列に配置したものを用い、温度40℃、流速1ml/minの条件で、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて行った
<アクリル樹脂の製造例>
(重合例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を75℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリ0.5部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を74〜76℃に保ちながら、アクリル酸ブチル36部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温74〜76℃で5時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量 100,000であった。
(重合例2〜5)
表1に示すモノマー組成とし、重合例1とほぼ同様にして反応を完結し、表1に記載の重量平均分子量を有するアクリル樹脂を得た。以上の重合例1から5で得たアクリル樹脂は、本発明で規定する低分子量のアクリル樹脂(1)に相当する。
Figure 2007119667
(重合例6)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、アセトン81.8部、アクリル酸ブチル98.9部、アクリル1.1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を55℃に昇温したのち、アゾビスイソブチロニトリ0.14部をアセトン10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤添加1時間後、単量体を除くアクリル樹脂の濃度(以下、反応濃度という場合がある)が35になるようアセトン溶剤を添加速度17.3重量部/hr で連続的に反応器に添加しながら内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチル溶剤を添加して反応濃度が20%になるように調節した。得られたアクリル樹脂は、重量平均分子量 1,200,000、Mw/Mnが3.9であった。
(重合例7〜8)
表2に示すモノマー組成とし、重合例6とほぼ同様にして反応を完結した。
表2に重合例6から8のモノマー組成比及び分子量、分子量分布をまとめた。以上の重合例6から8で得たアクリル樹脂は、本発明で規定する高分子量のアクリル樹脂(2)又はその類似物に相当する。
Figure 2007119667
(実施例1)
<粘着剤の製造例>
アクリル樹脂(1)として重合例1で得たアクリル樹脂を不揮発分で30部、及びアクリル樹脂(2)として重合例6で得たアクリル樹脂を不揮発分で70部の重量比率で混合し、アクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。得られた溶液の不揮発分100部に、架橋剤であるトリレンジイソシアネートのアダクト体(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業製)2部(不揮発分)と、シラン化合物(商品名:Y11597、東レダウコーニング製)0.1部とを混合、本発明の粘着剤を得た。
<粘着剤付光学フィルム及び光学積層体の製造例>
このようにして得られた粘着剤を、型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、商品名:PET3811)の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、光学フィルムとして偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面トリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造フィルム)を用い、該光学フィルム上に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、温度23℃、湿度65%の条件で10日間熟成して、粘着剤層が設けられた粘着剤付き光学フィルムを得た。続いて、該粘着剤付光学フィルムを液晶セル用ガラス基板(コーニング社製、1737)の両面にクロスニコルになるように貼着し、光学積層体を得た。これを80℃、Dryで96時間保管した場合(耐熱性)と、60℃、90%RHで96時間保管した場合(耐湿熱性)、60℃に加熱後、−20℃に降温、さらに60℃に昇温する過程を1サイクル(1時間)とし、100サイクル保管した場合(耐ヒートショック性、表4中ではHS」と表記)のそれぞれについて、保管後の光学積層体における耐久性、及び耐熱条件時の白ヌケ発現状態を目視で観察した。結果を下記要領に分類し、表4に示した。
<光学積層体の白ヌケ発現状態
白ヌケの発現状態の評価は、以下の4段階で行った。
◎:白ヌケが全くみられない。
○:白ヌケがほとんど目立たない。
△:白ヌケがやや目立つ。
×:白ヌケが顕著にめられる。
<光学積層体の耐久性:耐熱、耐湿熱及びHS
耐久性の評価は、以下の4段階で行った。
◎:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
×:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にめられる。
<リワーク性>
まず、前記粘着剤付き光学フィルムを25mm×150mmの試験片に調製した。次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板(日本板硝子(株)製ソーダライムガラス)に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて50℃で2時間加熱処理を行い、さらに50℃のオーブン中にて48時間保管した後、23℃、相対湿度65%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/min の速度で180°方向に剥離し、ガラス板表面の状態を観察した結果、良好であった。
(実施例2〜16及び比較例1〜8)
実施例1に準じてアクリル樹脂(1)及び(2)を表3に示す重量比で混合し、アクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。得られた溶液の不揮発分100部に、架橋剤とシラン化合物とをそれぞれ混合し、粘着剤を得た。
表3にアクリル樹脂(1)及び(2)の混合比、架橋剤種及び量、シラン化合物種及び量、アクリル樹脂(1)及び(2)の混合物における分子量 300,000以上の成分の重量百分率Bをまとめた。
Figure 2007119667
表3に示した架橋剤及びシラン化合物の詳細は、以下のとおりである
コロネートL: 日本ポリウレタン工業(株)製トリレンジイソシアネートアダクト体「コロネートL」
D−140N: 三井武田ケミカル(株)製イソホロンジイソシアネートアダクト体「タケネートD−140N」
FL−2: 住化バイエルウレタン(株)製トリレンジイソシアネートイソシアヌレート体「スミジュールFL−2」
Y11597: 東レダウコーニング(株)製シラン剤「Y11597」
X−41−1805: 信越化学工業(株)シリコーンアルコキシオリゴマー「X−41−1805」
表4に粘着剤におけるテトラヒドロフラン不溶分の重量百分率X、粘着剤のテトラヒドロフラン溶解分における分子量 300,000以上の成分の重量百分率C粘着剤のテトラヒドロフラン不溶分における高分子量成分の重量百分率Y(=B−(100−X)×C/100)、及びヌケ、耐熱、耐湿、HS耐久性の結果を示した。
表4におけるXとYの相関を図1にまとめた。実施例を白抜きの印で、比較例を黒塗りの△印で示した。
リワーク性はいずれも良好であった。
Figure 2007119667
本発明の粘着剤は、例えば、TN液晶セル(TFT)などの光学積層体に好適な粘着剤として用いることができる。また、本発明の粘着剤付き光学フィルムをSTN液晶セルに用いると、得られる光学積層体の色ムラを抑制することができる。
表4のX及びYの相関を示すグラフであり、実施例を白抜きの印で、比較例を黒塗りの△印で示し、右下がりの直線はY=−0.15X+41を表し、右上がりの直線はY=0.45X+24を表す。

Claims (12)

  1. 式(A):
    Figure 2007119667
    (式中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、
    2 は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表すが、R 2 のアルキル基の水素原子又はアラルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
    で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(a)を主成分とする重量平均分子量が 50,000〜250,000であるアクリル樹脂(1)及び
    上記構造単位(a)を主成分とし、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体に由来する構造単位(b)を含有する重量平均分子量が 1,000,000〜1,500,000 であるアクリル樹脂(2)
    を架橋剤で架橋してなる粘着剤であって
    粘着剤におけるテトラヒドロフラン不溶分の重量百分率Xと、式(III)
    Y=B−(100−X)×C/100 (III)
    (式中、Bはアクリル樹脂(1)及び(2)の混合物における分子量 300,000以上の成分の重量百分率を表し、Cは粘着剤のテトラヒドロフラン溶解分における分子量 300,000以上の成分の重量百分率を表す。)
    で表される粘着剤のテトラヒドロフラン不溶分における高分子量成分の重量百分率Yとが、式(I)及び(II)
    40≦X≦70 (I)
    −0.15X+41<Y<0.45X+24 (II)
    を充足することを特徴とする粘着剤。
  2. アクリル樹脂(1)、さらにカルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体に由来する構造単位(b)を含有する請求項1に記載の粘着剤。
  3. アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(b)が、少なくとも一つの水酸基と一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体に由来する請求項に記載の粘着剤。
  4. 架橋剤がイソシアネート系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤。
  5. 架橋剤が、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートにポリオールを反応せしめたアダクト体、トリレンジイソシアネートを2量体化したもの、及びトリレンジイソシアネートを3量体化したものからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の粘着剤。
  6. さらに、シラン化合物を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤。
  7. 光学フィルムの両面又は片面に請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム。
  8. 光学フィルム、偏光フィルム及び/又は位相差フィルムである請求項7に記載の粘着剤付光学フィルム。
  9. 光学フィルム、さらにアセチルセルロース系フィルム保護フィルムとして貼着されている請求項7又は8に記載の粘着剤付光学フィルム。
  10. 着剤層に、さらに、剥離フィルム積層されている請求項7〜9のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルム。
  11. 請求項7〜のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材積層されている光学積層体。
  12. 式(A):
    Figure 2007119667
    (式中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、
    2 は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表すが、R 2 のアルキル基の水素原子又はアラルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
    で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(a)を主成分とする重量平均分子量が 50,000〜250,000であるアクリル樹脂(1)及び、
    上記構造単位(a)を主成分とし、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体に由来する構造単位(b)を含有する重量平均分子量が 1,000,000〜1,500,000 であるアクリル樹脂(2)
    を架橋剤で架橋して粘着剤を製造する方法であって、
    上記アクリル樹脂(1)及びアクリル樹脂(2)の合計100重量部(不揮発分)に対し、0.8〜5重量部の架橋剤を混合し、
    粘着剤におけるテトラヒドロフラン不溶分の重量百分率Xと、式(III):
    Y=B−(100−X)×C/100 (III)
    (式中、Bはアクリル樹脂(1)及び(2)の混合物における分子量 300,000以上の成分の重量百分率を表し、Cは粘着剤のテトラヒドロフラン溶解分における分子量 300,000以上の成分の重量百分率を表す。)
    で表される粘着剤のテトラヒドロフラン不溶分における高分子量成分の重量百分率Yとが、式(I)及び(II):
    40≦X≦70 (I)
    −0.15X+41<Y<0.45X+24 (II)
    を充足する粘着剤を得ることを特徴とする、粘着剤の製造方法。
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