JP2005263894A - アクリル樹脂組成物、該組成物を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層との間の浮き剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂系物質を提供する。
【解決手段】 アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物。
アクリル樹脂(1):構造単位(a)、構造単位(b)及び構造単位(c)を含有するアクリル樹脂。
アクリル樹脂(2):構造単位(a)が必須成分であり、任意成分である構造単位(c)の含有量が該アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下であるアクリル樹脂。
(a):(メタ)アクリル酸エステル
(b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と少なくとも1つの脂環式構造を含有する
モノマー
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有するモノマー
【選択図】 なし
【解決手段】 アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物。
アクリル樹脂(1):構造単位(a)、構造単位(b)及び構造単位(c)を含有するアクリル樹脂。
アクリル樹脂(2):構造単位(a)が必須成分であり、任意成分である構造単位(c)の含有量が該アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下であるアクリル樹脂。
(a):(メタ)アクリル酸エステル
(b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と少なくとも1つの脂環式構造を含有する
モノマー
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有するモノマー
【選択図】 なし
Description
本発明は、脂環式構造を有するアクリル樹脂組成物、該組成物を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体に関する。
TFT、STNなどの液晶表示装置に一般に用いられている液晶セルは、液晶成分が二枚のガラス基材間に挟持された構造を有している。そして、該ガラス基材の表面には、アクリル樹脂を主成分とする粘着剤を介して、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムが積層されている。そして、ガラス基板、粘着剤及び光学フィルムを順次積層してなる光学積層体は、まず、光学フィルムに粘着剤を積層して得られる粘着剤付光学フィルムを製造し、続いて、粘着剤の面にガラス基材を積層する方法が、一般に用いられている。
このような粘着剤付光学フィルムは、熱または湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易く、得られる光学積層体の粘着剤層内で発泡したり、粘着剤層とガラス基材との間の浮剥れ等が発生するという問題があった。さらに、熱または湿熱条件下では粘着剤付光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学積層体の外周部に応力集中が生じる結果、TN液晶セル(TFT)では白抜け、STN液晶セルでは色ムラが起こるという問題があった。かかる問題を解消するために、粘着剤として、分子内に複素環を有するモノマーの一種であるN−ビニルピロリドンに由来する構造単位を有するアクリル樹脂を主成分とする粘着剤(特許文献1)が提案されている。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、複素環基を含有するアクリル樹脂からなる粘着剤では、高湿度下で保存すると光学積層体における粘着剤層とガラス基材との間に浮き剥れが生じることが明らかになった。
本発明の目的は、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中に対して耐性を持ち、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層との間の浮き剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂系物質;該アクリル樹脂系物質を含有する粘着剤;該粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルム、該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層してなる光学積層体を提供することである。
本発明の目的は、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中に対して耐性を持ち、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層との間の浮き剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂系物質;該アクリル樹脂系物質を含有する粘着剤;該粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルム、該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層してなる光学積層体を提供することである。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、脂環式構造を含有する特定のアクリル樹脂を含む組成物を粘着剤として用いると、かかる課題を解決し得るとともに、該粘着剤付き光学フィルムを貼り直すために光学積層体から該フィルムを剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生しない、いわゆる、リワーク性に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物;該アクリル樹脂組成物と、硬化剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤;光学フィルムの両面または片面に該粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム;該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体である。
アクリル樹脂(1):下記単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))、下記単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))及び下記単量体(c)に由来する構造単位(構造単位(c))を含有するアクリル樹脂。
アクリル樹脂(2):構造単位(a)が必須成分であり、任意成分である構造単位(c)の含有量が該アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下であるアクリル樹脂。
(a):下記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステル
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。R2のアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数が1〜10のアルコキシ基に置換されていてもよい。)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。R2のアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数が1〜10のアルコキシ基に置換されていてもよい。)
(b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と少なくとも1つの脂環式構造を含有する
モノマー
((b)に含まれるオレフィン性二重結合は脂環式構造に含まれていてもよい。)
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有するモノマー
モノマー
((b)に含まれるオレフィン性二重結合は脂環式構造に含まれていてもよい。)
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有するモノマー
本発明のアクリル樹脂組成物は、耐久性に優れ、光学フィルムなどに優れた密着性を有する粘着剤を提供することができる。また、該アクリル樹脂組成物と架橋剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる組成物は粘着剤として好適である。光学フィルムと該粘着剤とを積層した粘着剤付光学フィルムは、例えば液晶セルのガラス基板に積層すると、本発明の光学積層体を与える。かかる光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルムおよびガラス基板の寸法変化に起因する応力に対する耐久性を有するため、ガラス基板に対する粘着剤層の浮剥れを抑制することができる。また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥を防止することから、ガラス基板がTN液晶セル(TFT)である場合、白ヌケを抑制したり、ガラス基板がSTN液晶セルである場合、色ムラを抑制することができる。さらに、リワーク性に優れることから、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離してもガラス基板の表面に糊残りや曇りを抑制することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のアクリル樹脂(1)及び(2)に用いられる単量体(a)は、式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。R2のアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数が1〜10のアルコキシ基に置換されていてもよい。)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。R2のアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数が1〜10のアルコキシ基に置換されていてもよい。)
ここで、単量体(a)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、iso-オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシエチルアクリレート及びエトキシメチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、iso-オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル等を挙げることができる。単量体(a)として、異なる2種類以上の単量体(a)を用いてもよい。
本発明のアクリル樹脂(1)に含有される単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))の含有量としては、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、通常、65〜99.85重量部程度であり、好ましくは70〜95重量部程度である。
また、アクリル樹脂(2)に含有される単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))の含有量としては、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、通常、65〜99.85重量部程度であり、好ましくは70〜95重量部程度である。
また、アクリル樹脂(2)に含有される単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))の含有量としては、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、通常、65〜99.85重量部程度であり、好ましくは70〜95重量部程度である。
本発明のアクリル樹脂(1)に用いられる単量体(b)とは、分子内に1つのオレフィン性二重結合と少なくとも1つの脂環式構造を含有するモノマーである。(b)に含まれるオレフィン性二重結合は脂環式構造に含まれていてもよい。
ここで、脂環式構造とはシクロパラフィン構造又はシクロオレフィン構造であり、シクロオレフィン構造では、脂環式構造の中にオレフィン性二重結合を有することになる。
なお、単量体(b)として、異なる2種類以上の単量体(b)を用いてもよい。
また、アクリル樹脂(2)には、単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b)を含有していてもよい。
ここで、脂環式構造とはシクロパラフィン構造又はシクロオレフィン構造であり、シクロオレフィン構造では、脂環式構造の中にオレフィン性二重結合を有することになる。
なお、単量体(b)として、異なる2種類以上の単量体(b)を用いてもよい。
また、アクリル樹脂(2)には、単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b)を含有していてもよい。
単量体(b)としては、例えば、脂環式構造を有するアクリレートとして、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、シクロドデシルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルαエトキシアクリレート、シクロヘキシルフェニルアクリレート等が挙げられ、脂環式構造を有するメタクリレートとしては、例えば、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、シクロドデシルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、tert-ブチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアルフαエトキシメタクリレート、シクロヘキシルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
その他の単量体(b)として、例えば、ビスシクロヘキシルメチルイタコネート、ジシクロオクチルイタコネート、ジシクロドデシルメチルサクシネート、ビニルシクロヘキシルアセテート等を挙げることができる。
単量体(b)としては、中でも、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートは、入手が容易なことから好ましい。
その他の単量体(b)として、例えば、ビスシクロヘキシルメチルイタコネート、ジシクロオクチルイタコネート、ジシクロドデシルメチルサクシネート、ビニルシクロヘキシルアセテート等を挙げることができる。
単量体(b)としては、中でも、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートは、入手が容易なことから好ましい。
本発明のアクリル樹脂(1)における単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))の含有量としては、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、通常、0.1〜30重量部程度であり、好ましくは0.1〜20重量部程度である。構造単位(b)の含有量が0.1重量部以上であると、液晶パネル加工時のガラス基板に対する粘着剤層の浮剥れを改良する効果が向上する傾向にあることから好ましい。
また、アクリル樹脂(2)に含有される単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))の含有量としては、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、通常、30重量部以下程度であり、好ましくは20重量部以下程度である。
また、アクリル樹脂(2)に含有される単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))の含有量としては、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、通常、30重量部以下程度であり、好ましくは20重量部以下程度である。
本発明のアクリル樹脂(1)に用いられる単量体(c)とは、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも2個含有するモノマーである。具体例としては、2官能性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルなどのジビニルエステル類、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また3官能性ビニルモノマーとしては、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、N,N−ジアリルアクリルアミドなどを、4官能性ビニルモノマーとしては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアンモニウム塩などが挙げられる。単量体(c)として、異なる2種類以上の単量体(c)を用いてもよい。
アクリル樹脂(1)における単量体(c)に由来する構造単位の含有量([c−1])としては、アクリル樹脂(1)100重量部に対し0.05〜5重量部であり、好ましくは0.1〜2重量部程度である。[c−1]が0.05重量部以上であると、液晶パネル加工時に発生する白抜け現象を改良する効果が向上する傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、アクリル樹脂を製造する際のゲルの生成が抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(2)は、構造単位(a)が必須成分であり、任意成分である構造単位(c)の含有量が該アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下であるアクリル樹脂である。換言すれば、アクリル樹脂(2)における構造単位(c)の含有量([c−2])と、アクリル樹脂組成物として同時に用いられるアクリル樹脂(1)における構造単位(c)の含有量([c−1])が、下記式で表されることを意味する。
[c−2]/[c−1]≦1/5
[c−2]/[c−1]≦1/5
とりわけ、実質的に構造単位(c)を含まないアクリル樹脂(2)が好適である。アクリル樹脂(2)における構造単位(c)の含有量([c−2])がアクリル樹脂(1)の含有量([c−1])よりも著しく低減せしめることにより、本発明のアクリル樹脂組成物を含有する粘着剤層と光学フィルムとの浮き剥がれが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び/又は(2)には、(a)、(b)及び(c)とは異なるモノマーであって、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、アルデヒド基、イソシアネート基などの極性官能基と、オレフィン性二重結合とを分子内に含有するモノマー(d)に由来する構造単位(構造単位(d))を含有することが推奨され、特に、アクリル樹脂(2)に構造単位(d)を含有することが好ましい。 モノマー(d)の具体例としては、極性官能基がカルボキシル基であるモノマー(d)として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸などが挙げられ、極性官能基が水酸基であるモノマー(d)として、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられる。また、極性官能基がアミド基であるモノマー(d)としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンジアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられ、極性官能基がエポキシ基であるモノマー(d)としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。さらに、極性官能基がアミノ基であるモノマー(d)としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アリルアミン等が挙げられ、極性官能基がイソシアネート基であるモノマー(d)としては、例えば、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート等が挙げられ、極性官能基がアルデヒド基であるモノマー(d)としては、例えば、アクリルアルデヒド等が挙げられる。これらモノマー(d)としては、異なる2種以上のモノマー(d)を組み合わせて使用してもよい。
モノマー(d)としては、中でもα,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、とりわけ、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、中でもとりわけ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好適である。
モノマー(d)としては、中でもα,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、とりわけ、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、中でもとりわけ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好適である。
アクリル樹脂(2)に含有される構造単位(d)の含有量としては、通常、アクリル樹脂100重量部に対し、0.05〜20重量部程度であり、好ましくは0.1〜15重量部程度である。構造単位(d)の含有量が0.05重量部以上であると、得られる樹脂の凝集力が向上する傾向にあることから好ましく、20重量部以下であると光学フィルムと粘着剤層との浮き剥がれが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(d)の含有量としては、通常、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0〜20重量部程度である。構造単位(d)の含有量が20重量部以下であると光学フィルムと粘着剤層との浮き剥がれが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(d)の含有量としては、通常、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0〜20重量部程度である。構造単位(d)の含有量が20重量部以下であると光学フィルムと粘着剤層との浮き剥がれが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び(2)を製造する際には、単量体(a)〜(d)のいずれとも異なるビニル系単量体(e)とともに重合させてもよい。該ビニル系単量体としては、例えば、脂肪酸ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、芳香族ビニル、(メタ)アクリロニトリル、共役ジエン化合物などが挙げられる。
ここで、脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、絡酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。
ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニルおよび臭化ビニル等が例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン等が例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。
共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
芳香族ビニルとは、ビニル基と芳香族基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン、シクロヘキシルスチレンなどのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾールなどの含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。これらビニル系単量体(e)としては、異なる2種以上の単量体(e)を組み合わせて使用してもよい。
ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニルおよび臭化ビニル等が例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン等が例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。
共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
芳香族ビニルとは、ビニル基と芳香族基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン、シクロヘキシルスチレンなどのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾールなどの含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。これらビニル系単量体(e)としては、異なる2種以上の単量体(e)を組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び(2)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられる。アクリル樹脂の製造において、通常、重合開始剤が用いられる。重合開始剤はアクリル樹脂の製造に用いられる全ての単量体の合計100重量部に対して0.001〜5重量部程度使用される。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤などが例示され、光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。また、熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
アクリル樹脂の製造方法としては、中でも、溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下にて、熱重合開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは60〜80℃程度にて3〜10時間程度攪拌する方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いる単量体や熱重合開始剤を重合中に添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。
ここで、有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
ここで、有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
かくして得られたアクリル樹脂(1)を酢酸エチルで不揮発分30%に希釈した溶液の粘度(25℃)としては、通常、10Pa・s以下であり、好ましくは、該粘度が5Pa・s以下である。アクリル樹脂の粘度が10Pa・s以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。アクリル樹脂(1)の分子量としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、5×105以上、好ましくは9×105以上である。重量平均分子量が5×105以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮き剥がれが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(2)の分子量としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、1×106以上であり、好ましくは2×106〜1×107である。重量平均分子量が1×106以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮き剥がれが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。重量平均分子量が1×107以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明のアクリル樹脂組成物は、かくして得られたアクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)を含有する樹脂組成物であり、その製造方法としては、通常、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)を別々に製造後、混合するが、アクリル樹脂(1)又はアクリル樹脂(2)のいずれかを製造後、製造されたアクリル樹脂存在下に異なるアクリル樹脂を製造してもよい。また、アクリル樹脂(1)及び(2)を混合した後、有機溶媒で希釈してもよい。
アクリル樹脂組成物における重量比率(不揮発分)としては、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の合計100重量部に対し、アクリル樹脂(1)が、通常5重量部以上、好ましくは10〜50重量部程度である。アクリル樹脂(1)が5重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂組成物を酢酸エチルで不揮発分30%に調整した溶液(25℃)の粘度は、10Pa・s以下、好ましくは1〜5Pa・sであることが好ましい。該粘度が10Pa・s以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮き剥がれが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明のアクリル樹脂組成物は、例えば、粘着剤、接着剤、塗料、増粘剤等にそのまま使用してもよい。
中でも、本発明のアクリル樹脂組成物に架橋剤及び/又はシラン系化合物を配合して得られる粘着剤が耐久性に優れ、光学フィルムなどに優れた密着性を有することから好ましく、とりわけ、本発明のアクリル樹脂組成物に架橋剤及びシラン系化合物を配合して得られる粘着剤が好適である。
ここで、架橋剤とは、極性官能基と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物およびアジリジン系化合物などが例示される。
中でも、本発明のアクリル樹脂組成物に架橋剤及び/又はシラン系化合物を配合して得られる粘着剤が耐久性に優れ、光学フィルムなどに優れた密着性を有することから好ましく、とりわけ、本発明のアクリル樹脂組成物に架橋剤及びシラン系化合物を配合して得られる粘着剤が好適である。
ここで、架橋剤とは、極性官能基と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物およびアジリジン系化合物などが例示される。
イソシアネート系化合物とは、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールとを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものについても用いることができる。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミンおよび1,3-ビス(N,N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキサイド)、N,N'-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリ-1-アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネートおよびテトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
本発明の粘着剤における架橋剤として、2種類以上の硬化剤を使用してもよい。粘着剤における硬化剤(不揮発分)の使用量としては、アクリル樹脂組成物100重量部(不揮発分)に対して、通常、0.005〜5重量部程度であり、好ましくは0.01〜3重量部程度である。硬化剤の量が0.005重量以上であると、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れ及びリワーク性が向上する傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、光学フィルムの寸法変化に対して粘着剤層の追随性が優れることから、白抜け、色ムラが低下する傾向にあり、好ましい。
本発明の粘着剤に用いられるシラン系化合物としては、通常、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。本発明の粘着剤に、2種類以上のシラン系化合物を使用してもよい。
粘着剤におけるシラン系化合物の使用量(溶液)としては、アクリル樹脂組成物100重量部(不揮発分)に対して、通常、0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の量で使用される。シラン系化合物の量が0.0001重量部以上であると粘着剤層とガラス基板との密着性が向上することから、好ましい。またシラン系化合物の量が10重量部以下であると、粘着剤層からシラン系化合物がブリードアウトすることを抑制し、粘着剤層の凝集破壊を抑制させる傾向にあることから、好ましい。
本発明のアクリル樹脂組成物に、硬化剤とともに触媒を配合させると、得られる粘着剤が比較的短時間に製造されることから好ましい。
触媒としては、例えば、アミン系化合物、金属キレート系化合物などが挙げられる。アミン系化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂などを挙げられ、金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
触媒としては、例えば、アミン系化合物、金属キレート系化合物などが挙げられる。アミン系化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂などを挙げられ、金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
本発明の粘着剤は、触媒の他に、さらに、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、および無機フィラー等を含有していてもよい。
本発明の粘着剤付光学フィルムとは、光学フィルムの両面または片面に前記粘着剤を有する積層体である。ここで、光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムとしては、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を吸収し、垂直面である振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を反射する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムの具体例としては、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものなどが挙げられる。
位相差フィルムとは、一軸または二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸、二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
位相差フィルムとしては、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、温度補償型位相差フィルム、LCフィルム(棒状液晶ねじれ配向)、WVフィルム(円盤状液晶傾斜配向)、NHフィルム(棒状液晶傾斜配向)、VACフィルム(完全二軸配向型位相差フィルム)、newVACフィルム(二軸配向型位相差フィルム)などが挙げられる。
さらに、これら光学フィルムに保護フィルムをさらに貼着しているものも光学フィルムとして本発明の粘着剤に積層してもよい。保護フィルムとしては、例えば、本発明のアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルム等が挙げられる。保護フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合されていてもよい。保護フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
本発明の光学積層体とは、粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなるものである。ここで、ガラス基材としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどが挙げられる。中でも、液晶セルの上部のガラス基板に粘着剤付光学フィルム(上板偏光板)を積層し、液晶セルの下部のガラス基板に別の粘着剤付光学フィルム(下板偏光板)を積層してなる光学積層体は液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。ガラス基材の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
粘着剤付光学フィルムおよび光学積層体の製造方法としては、例えば、剥離フィルムの上に粘着剤を積層し、得られた粘着剤層にさらに光学フィルムを積層したのち、剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得、続いて、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法;光学フィルムの上に粘着剤を積層し、剥離フィルムを貼り合わせて保護して粘着剤付光学フィルムを製造し、ガラス基板の面と積層する際に、該粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離し、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法などが挙げられる。
ここで、剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
ここで、剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また不揮発分は、JIS K-5407に準じた測定方法で行った。具体的には粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させた後の残留不揮発分重量を最初に測りとった溶液の重量に対して割合で表したものである。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計により測定した値である。GPCの光散乱法による重量平均分子量測定は、検出器として光散乱光度計と示差屈折計を備えたGPC装置を用い、試料濃度5mg/ml、試料導入量100μml,カラム温度40℃、流速1ml/minの条件で、溶出液としてテトラヒドロフランを用いた。ポリスチレン換算によるよる重量平均分子量の測定は、同じGPCの条件で試料と標準ポリスチレンを測定し、保持容量から分子量を換算して求めた。
<アクリル樹脂(1)の製造例>
(重合例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.65部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を69〜71℃に保ちながら、単量体(a)としてアクリル酸ブチル96.7部、単量体(b)としてアクリル酸イソボロニル1.6部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.7部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温69〜71℃で5時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は144mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1760000、ポリスチレン換算の重量平均分子量447000であった。
(重合例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.65部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を69〜71℃に保ちながら、単量体(a)としてアクリル酸ブチル96.7部、単量体(b)としてアクリル酸イソボロニル1.6部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.7部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温69〜71℃で5時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は144mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1760000、ポリスチレン換算の重量平均分子量447000であった。
(重合例2)
単量体(a)90.6部及び単量体(b)7.7部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は117mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1320000、ポリスチレン換算の重量平均分子量440000であった。
単量体(a)90.6部及び単量体(b)7.7部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は117mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1320000、ポリスチレン換算の重量平均分子量440000であった。
(重合例3)
単量体(a)95.9部及び単量体(b)としてシクロヘキシルアクリレート2.4部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は109mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約941000、ポリスチレン換算の重量平均分子量224000であった。
単量体(a)95.9部及び単量体(b)としてシクロヘキシルアクリレート2.4部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は109mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約941000、ポリスチレン換算の重量平均分子量224000であった。
(重合例4)
単量体(a)92.3部、単量体(b)としてジシクロペンタニルアクリレート3.1部及び単量体(c)1.8部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は126mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1480000、ポリスチレン換算の重量平均分子量364000であった。
単量体(a)92.3部、単量体(b)としてジシクロペンタニルアクリレート3.1部及び単量体(c)1.8部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は126mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1480000、ポリスチレン換算の重量平均分子量364000であった。
(重合例5)
単量体(a)98.2部及び単量体(c)1.8部を用い、単量体(b)を用いない以外には、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は251mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2250000、ポリスチレン換算の重量平均分子量559000であった。
単量体(a)98.2部及び単量体(c)1.8部を用い、単量体(b)を用いない以外には、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は251mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2250000、ポリスチレン換算の重量平均分子量559000であった。
<アクリル樹脂(2)の製造例>
(重合例6)
重合例1と同様の反応容器に、酢酸エチル96部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル98部及び単量体(d)として4−ヒドロキシブチルアクリレート1.1部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を55℃に昇温した。2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.018部を酢酸エチル4部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を54〜56℃に保ちながら3時間保温した。このとき、モノマーの濃度は50%であった。その後、仕込まれた単量体(a)及び(b)の合計濃度が5%づつ低下するように、3時間おきに酢酸エチルを添加し、単量体濃度が15%になった時点からさらに3時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分は15.4%であり、粘度は6350mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3740000、ポリスチレン換算の重量平均分子量1350000であった。
(重合例6)
重合例1と同様の反応容器に、酢酸エチル96部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル98部及び単量体(d)として4−ヒドロキシブチルアクリレート1.1部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を55℃に昇温した。2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.018部を酢酸エチル4部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を54〜56℃に保ちながら3時間保温した。このとき、モノマーの濃度は50%であった。その後、仕込まれた単量体(a)及び(b)の合計濃度が5%づつ低下するように、3時間おきに酢酸エチルを添加し、単量体濃度が15%になった時点からさらに3時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分は15.4%であり、粘度は6350mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3740000、ポリスチレン換算の重量平均分子量1350000であった。
(重合例7)
単量体(a)93.7部、単量体(d)として2.0部、単量体(b)に代わって複素環を有するモノマーであるN−ビニルピロリドン 4.3部を用いる以外は、重合例6とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分は19.6%であり、粘度は51600mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3768000、ポリスチレン換算の重量平均分子量1466000であった。
単量体(a)93.7部、単量体(d)として2.0部、単量体(b)に代わって複素環を有するモノマーであるN−ビニルピロリドン 4.3部を用いる以外は、重合例6とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分は19.6%であり、粘度は51600mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3768000、ポリスチレン換算の重量平均分子量1466000であった。
(実施例1)
<アクリル樹脂組成物及び該組成物を含有する接着剤の製造例>
重合例1で得られたアクリル樹脂溶液をアクリル樹脂(1)の溶液とし、重合例6で得られたアクリル樹脂溶液をアクリル樹脂(2)の溶液とし、アクリル樹脂(1)の不揮発分40部及びアクリル樹脂(2)の不揮発分60部となるように混合して、不揮発分19.5%のアクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。該溶液の粘度は3540mPa・sであった。得られた溶液の不揮発分100部あたりに、硬化剤であるポリイソシアネート系化合物(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)0.13部と、シラン系化合物(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)0.2部とを混合させ、本発明の粘着剤を得た。
<アクリル樹脂組成物及び該組成物を含有する接着剤の製造例>
重合例1で得られたアクリル樹脂溶液をアクリル樹脂(1)の溶液とし、重合例6で得られたアクリル樹脂溶液をアクリル樹脂(2)の溶液とし、アクリル樹脂(1)の不揮発分40部及びアクリル樹脂(2)の不揮発分60部となるように混合して、不揮発分19.5%のアクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。該溶液の粘度は3540mPa・sであった。得られた溶液の不揮発分100部あたりに、硬化剤であるポリイソシアネート系化合物(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)0.13部と、シラン系化合物(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)0.2部とを混合させ、本発明の粘着剤を得た。
<粘着剤付光学フィルム及び光学積層体の製造例>
このようにして得られた粘着剤を、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、商品名:PET3811)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、光学フィルムとして偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面にトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造にしたフィルム)を用い、該光学フィルム上に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、温度40℃、湿度50%の条件で14日間熟成させて粘着剤層が設けられた粘着剤付き光学フィルムを得た。続いて、該粘着剤付光学フィルムを液晶セル用ガラス基板(コーニング社製、1737)の両面にクロスニコルになるように添着した。これを80℃、Dryで96時間保管した場合(条件1)と、60℃、90%RHで96時間保管した場合(条件2)のそれぞれについて、保管後の光学積層体における耐久性および白ヌケの発現状態を目視で観察した。結果を下記要領に分類し、表1にまとめた。
このようにして得られた粘着剤を、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、商品名:PET3811)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、光学フィルムとして偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面にトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造にしたフィルム)を用い、該光学フィルム上に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、温度40℃、湿度50%の条件で14日間熟成させて粘着剤層が設けられた粘着剤付き光学フィルムを得た。続いて、該粘着剤付光学フィルムを液晶セル用ガラス基板(コーニング社製、1737)の両面にクロスニコルになるように添着した。これを80℃、Dryで96時間保管した場合(条件1)と、60℃、90%RHで96時間保管した場合(条件2)のそれぞれについて、保管後の光学積層体における耐久性および白ヌケの発現状態を目視で観察した。結果を下記要領に分類し、表1にまとめた。
<光学積層体の白ヌケ性>
白ヌケの発現状態の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :白ヌケが全くみられない。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
白ヌケの発現状態の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :白ヌケが全くみられない。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
<光学積層体の耐久性>
耐久性の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
耐久性の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
<リワーク性>
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記光学積層体を25mm×150mmの試験片に調製した。次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて50℃で2時間加熱処理を行なった後、50℃のオーブン中にて24時間保管した後、23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/minの速度で180°方向に剥離し、下記要領で分類したガラス板表面の状態を観察した結果を、表1に示した。
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記光学積層体を25mm×150mmの試験片に調製した。次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて50℃で2時間加熱処理を行なった後、50℃のオーブン中にて24時間保管した後、23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/minの速度で180°方向に剥離し、下記要領で分類したガラス板表面の状態を観察した結果を、表1に示した。
(実施例2〜5及び比較例1〜3)
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1の重量比率で、実施例1に準じて、アクリル樹脂組成物、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造した。得られた光学積層体の評価を実施例1と同様に実施し、結果を実施例1とともに表1に示した。尚、比較例1はアクリル樹脂(1)中に構造単位(b)を含有しないアクリル樹脂組成物からなる粘着剤を用いた結果であり、比較例2はアクリル樹脂(2)のみからなる粘着剤を用いた結果である。
ガラス板表面の状態によりリワーク性の評価を以下の4段階で行った。
◎ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられない。
○ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1の重量比率で、実施例1に準じて、アクリル樹脂組成物、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造した。得られた光学積層体の評価を実施例1と同様に実施し、結果を実施例1とともに表1に示した。尚、比較例1はアクリル樹脂(1)中に構造単位(b)を含有しないアクリル樹脂組成物からなる粘着剤を用いた結果であり、比較例2はアクリル樹脂(2)のみからなる粘着剤を用いた結果である。
ガラス板表面の状態によりリワーク性の評価を以下の4段階で行った。
◎ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられない。
○ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
(実施例2〜5及び比較例1〜3)
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1の重量比率で、実施例1に準じて、アクリル樹脂組成物、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造した。得られた光学積層体の評価を実施例1と同様に実施し、結果を実施例1とともに表1に示した。尚、比較例1はアクリル樹脂(1)中に構造単位(b)を含有しないアクリル樹脂組成物からなる粘着剤を用いた結果であり、比較例2及び3はアクリル樹脂(2)のみからなる粘着剤を用いた結果である。
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1の重量比率で、実施例1に準じて、アクリル樹脂組成物、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造した。得られた光学積層体の評価を実施例1と同様に実施し、結果を実施例1とともに表1に示した。尚、比較例1はアクリル樹脂(1)中に構造単位(b)を含有しないアクリル樹脂組成物からなる粘着剤を用いた結果であり、比較例2及び3はアクリル樹脂(2)のみからなる粘着剤を用いた結果である。
本発明のアクリル樹脂組成物は、例えば、粘着剤、接着剤、塗料、増粘剤等に用いることができる。また、本発明の粘着剤は、例えば、液晶セルなどの光学積層体に好適な粘着剤として用いることができる。
Claims (16)
- 下記アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物。
アクリル樹脂(1):下記単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))、下記単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))及び下記単量体(c)に由来する構造単位(構造単位(c))を含有するアクリル樹脂
アクリル樹脂(2):構造単位(a)が必須成分であり、任意成分である構造単位(c)の含有量が該アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下であるアクリル樹脂。
(a):下記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステル
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。R2のアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数が1〜10のアルコキシ基に置換されていてもよい。)
(b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と少なくとも1つの脂環式構造を含有する
モノマー
((b)に含まれるオレフィン性二重結合は脂環式構造に含まれていてもよい。)
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有するモノマー - アクリル樹脂(1)における構造単位(a)の含有量が、アクリル樹脂(1)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、65〜99.85重量部であることを特徴とする請求項1に記載のアクリル樹脂組成物。
- アクリル樹脂(1)における構造単位(b)の含有量が、アクリル樹脂(1)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、0.1〜30重量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクリル樹脂組成物。
- アクリル樹脂(1)における構造単位(b)がアクリル酸イソボルニル及び/又はアクリル酸シクロヘキシルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
- アクリル樹脂(1)における構造単位(c)の含有量が、アクリル樹脂(1)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、0.05〜5重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
- アクリル樹脂(1)及び/又は(2)が、さらに下記(d)に由来する構造単位を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
(d):前記単量体(a)〜(c)とは異なる単量体であって、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有するモノマー - アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の合計100重量部に対し、アクリル樹脂(2)が5〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物と、架橋剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤。
- 光学フィルムの両面または片面に請求項9に記載の粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム。
- 光学フィルムが、偏光フィルム及び/又は位相差フィルムであることを特徴とする請求項10に記載の粘着剤付光学フィルム。
- 光学フィルムが、さらにアセチルセルロース系フィルムを保護フィルムとして貼着してなる光学フィルムであることを特徴とする請求項10又は11に記載の粘着剤付光学フィルム。
- 粘着剤付光学フィルムの粘着剤層に、さらに、剥離フィルムを積層してなる請求項10〜12のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルム。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
- 請求項13に記載の粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離したのち、剥離して得られた粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
- 請求項14又は15に記載の光学積層体から粘着剤付光学フィルムを剥離したのち、剥離して得られたガラス基材に、請求項10〜12のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルムを再び積層してなる光学積層体。
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