JP5949014B2 - 粘着剤シート、粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体 - Google Patents
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Description
粘着剤組成物を構成するアクリル樹脂(A)は、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル(A−1)に由来する構造単位を主成分とし、さらに、水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体(A−2)に由来する構造単位を含むものである。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれでもよいことを意味し、その他、(メタ)アクリレートなどというときの「(メタ)」も同様の趣旨である。本明細書では、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル(A−1)を「単量体(A−1)」と、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体(A−2)を「単量体(A−2)」と、それぞれ呼ぶことがある。
本発明では、以上説明したアクリル樹脂(A)に、架橋剤(B)として、アクリル樹脂(A)中の極性官能基である水酸基やカルボキシル基と反応し、アクリル樹脂を架橋し得る官能基を分子内に少なくとも2個有する化合物を配合する。その具体例を挙げると、イソシアネート化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などが例示される。
本発明ではさらに、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)が、粘着剤組成物に配合される。このカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)は、前記式(II)で示され、炭素−炭素二重結合部位から所定原子数離れた位置にカルボキシル基を有するアクリル酸エステルである。この式(II)において、R3 は水素原子又はメチル基であり、Aは炭素数2〜4の2価の有機基である。Aで表される2価の有機基は、典型的にはアルキレンであり、それも直鎖のアルキレンであるのが好ましいが(メタ)アクリル酸部位CH2=C(R3)COO−と末端のカルボキシル基−COOHとをつなぐ炭素鎖が直列に少なくとも2となることを前提に、炭素数が3以上であれば分岐していてもよい。前記式(II)のなかでも、アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、アクリル酸2−カルボキシエチル、アクリル酸3−カルボキシプロピル、アクリル酸4−カルボキシブチルなどが例示される。もちろん、これらのアクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変更した化合物も、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)となりうる。
本発明の粘着剤シートは、シラン化合物(D)を含有することができる。その場合は、粘着剤シートを形成するための粘着剤組成物に、シラン化合物(D)を配合しておけばよい。これにより粘着剤付き光学フィルムとした後、その粘着剤シートとガラス基板との密着性を向上させることができる。シラン化合物(D)は、架橋剤を配合する前のアクリル樹脂に含有させておいてもよい。
粘着剤組成物は、さらに染料、顔料、無機フィラー、架橋触媒、帯電防止剤、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、アクリル樹脂(A)以外の樹脂などを含有してもよい。また、この粘着剤組成物に紫外線硬化性化合物を配合し、粘着剤シート形成後に紫外線を照射して硬化させ、より硬い粘着剤層とするのも有用である。
本発明の粘着剤シートは、以上説明した粘着剤組成物からシート状に形成されたものである。具体的には、上の溶液状態で調製された粘着剤組成物を適当な基材上に塗布し、乾燥させて、粘着剤シートが形成される。ここで用いる基材は、一般的にはプラスチックフィルムであり、その典型的な例として、離型処理が施された剥離フィルムを挙げることができる。剥離フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、及びポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムの粘着剤シートが形成される面に、シリコーン処理の如き離型処理が施されたものなどであることができる。剥離フィルム上に粘着剤シートを形成し、得られる粘着剤シートの露出面に別の剥離フィルムを貼着することもある。すなわち、本発明の粘着剤シートは、少なくとも一方の面に剥離フィルムが貼着されている形態をとることができる。
(1)約8cm×約8cmの面積の粘着剤シートと、約10cm×約10cmの SUS304 からなる金属メッシュ(その重量をWm とする)とを貼合する。
(2)上記(1)で得られた貼合物を秤量して、その重量をWs とし、次に粘着剤シートを包み込むように4回折りたたんでホッチキス(ステープラー)で留めた後秤量して、その重量をWb とする。
(3)上記(2)でホッチキス留めしたメッシュをガラス容器に入れ、酢酸エチル60mLを加えて浸漬した後、このガラス容器を室温で3日間保管する。
(4)ガラス容器からメッシュを取り出し、120℃で24時間乾燥した後秤量して、その重量をWa とし、次式に基づいてゲル分率を計算する。
ゲル分率(重量%)=〔{Wa−(Wb−Ws)−Wm}/(Ws−Wm)〕×100
本発明の粘着剤付き光学フィルムは、光学フィルムの少なくとも一方の面に、以上のような粘着剤組成物から形成される粘着剤シートを貼合したものである。こうして粘着剤シートが光学フィルムに貼合された状態の粘着剤付き光学フィルム、あるいはそれがさらにガラス基板に積層された状態の光学積層体において、上記した粘着剤シートの層を、本明細書では単に「粘着剤層」と呼ぶこともある。粘着剤付き光学フィルムに用いる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光板、位相差フィルムなどが挙げられる。
本発明の粘着剤付き光学フィルムは、その粘着剤層側をガラス基板に積層して、光学積層体とすることができる。粘着剤付き光学フィルムをガラス基板に積層して光学積層体とするには、例えば、上記のようにして得られる粘着剤付き光学フィルムから剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層面をガラス基板の表面に貼り合わせればよい。ガラス基板としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどを挙げることができる。中でも、液晶セルの前面側(視認側)のガラス基板に粘着剤付き光学フィルム(上偏光板)を積層し、液晶セルの背面側のガラス基板にもう一つの粘着剤付き光学フィルム(下偏光板)を積層してなる光学積層体は、液晶表示装置のためのパネル(液晶パネル)として使用できることから好ましい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどがあるが、液晶セルには無アルカリガラスが好適に用いられる。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、溶媒としての酢酸エチル81.8部、単量体(A−1)としてのアクリル酸ブチル71.0部及びアクリル酸メチル20.0部、単量体(A−2)としてのアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、並びに単量体(A−3)としてのアクリル酸2−(2−フェノキシエトキシ)エチル 8.0部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) 0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤の添加後1時間この温度で保持し、次に内温を54〜56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hr で反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えて、アクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが148万、Mw/Mnが4.3であった。これをアクリル樹脂Aとする。
単量体組成のうち、アクリル酸ブチルの量を67.0部、 アクリル酸2−ヒドロキシエチルの量を5.0部に変更した以外は、 重合例1と同様にして、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが138万、Mw/Mnが4.5であった。これをアクリル樹脂Bとする。
単量体組成を、単量体(A−1)としてアクリル酸ブチル70.4部 及びアクリル酸メチル20.0部、単量体(A−2)としてのアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、単量体(A−3)としてのアクリル酸2−フェノキシエチルを 8.0部、並びに単量体(A−4)としてのアクリル酸 0.6部にそれぞれに変更した以外は重合例1と同様にして、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が142万、Mw/Mnが5.2であった。これをアクリル樹脂Cとする。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、溶媒としての酢酸エチル120部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を75℃に上げた。アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) 0.05部を酢酸エチル5部に溶かした溶液を全量添加した後、内温を74〜76℃に保ちながら、重合例1と同様の単量体組成の混合溶液を、2時間かけて反応系内に滴下した。さらに、内温74〜76℃で5時間保温して、反応を完結した。最後に、酢酸エチルを添加して、アクリル樹脂の濃度が40%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが58万、 Mw/Mnが4.9であった。これをアクリル樹脂Dとする。
単量体組成のうち、アクリル酸ブチルの量を 70.8部に変更し、単量体(A−4)としてのアクリル酸を0.2部加えた以外は重合例4と同様にして、 アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが62万、Mw/Mnが4.8であった。これをアクリル樹脂Eとする。
単量体組成のうち、アクリル酸ブチルの量を 70.4部に変更し、単量体(A−4)としてのアクリル酸0.6部を加えた以外は重合例4と同様にして、 アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが63万、Mw/Mnが5.0であった。これをアクリル樹脂Fとする。
(A−1)
BA :アクリル酸ブチル、
MA :アクリル酸メチル、
(A−2)
HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(A−3)
PEA :アクリル酸2−フェノキシエチル、
PEA2 :アクリル酸2−(2−フェノキシエトキシ)エチル、
(A−4)
AA :アクリル酸。
コロネートL:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、日本ポリウレタン(株)から入手。後掲の表2においては「Cor-L」と略記する。
コロネートHXR:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、有効成分ほぼ100%の液体、日本ポリウレタン(株)より入手。後掲の表2においては 「HXR」と略記する。
タケネートD−160N:ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学(株)から入手。後掲の表2においては「D160N」と略記する。
タケネートD−110N:m−キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学(株)から入手。後掲の表2においては「D110N」と略記する。
タケネートD−120N:水添キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学(株)から入手。後掲の表2においては「D120N」と略記する。
タケネートD−140N:イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学(株)から入手。後掲の表2においては「D140N」と略記する。
タケネートD−204EA:トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の酢酸エチル溶液(固形分濃度50%)、三井化学(株)から入手。後掲の表2においては「D204EA」と略記する。
CEA:ダイセルサイテック株式会社から“β−CEA”の商品名で販売されているアクリル酸2−カルボキシエチル。その化学組成は
CH2=CH(COOCH2CH2)nCOOH(n=平均1)
と表示されており、具体的には、アクリル酸2−カルボキシエチル(すなわちアクリル酸の二量体)40%、アクリル酸の三量体以上のオリゴマー40%、アクリル酸20%である。後掲の表2においては「CEA」と略記する。また、以下で「アクリル酸2−カルボキシエチル」というときは、アクリル酸の二量体、すなわち
CH2=CHCOOCH2CH2COOH
自体を指すものとする。後掲の表2においては「単量体(C)」と略記する。
KBM-403 :3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、液体、信越化学工業(株)から入手。
N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート(下式の構造を有し、融点44℃)。
(a−1)粘着剤組成物1〜13の製造(実施例1〜13)
重合例1〜3で調製したアクリル樹脂A〜Cの20%濃度酢酸エチル溶液を用い、それぞれの固形分100部に対し、表2に記載のそれぞれの架橋剤(B)をそこに示す量、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)としてCEAを表2に示すそれぞれの量、及びシラン化合物(KBM-403)を0.5部混合した。また、表2の「帯電防止剤」の欄に「あり」と記載した例(実施例1〜4の粘着剤組成物1〜4及び実施例13の粘着剤組成物13)では、上述の帯電防止剤(N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート)を3部混合した。その後、固形分濃度が13%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物1〜13を調製した。なお、コロネートHXR以外の架橋剤は、上述のとおり酢酸エチル溶液となっているが、表2に示す架橋剤の量は、それぞれの固形分量である。
重合例4〜6で調製したアクリル樹脂D〜Fの40%濃度酢酸エチル溶液を用い、それぞれの固形分100部に対し、架橋剤(B)としてコロネートLを固形分で 0.8部、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)としてCEAを表2に示すそれぞれの量、シラン化合物(KBM-403)を0.5部、及び上述の帯電防止剤(N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート)を3部混合した。その後、固形分濃度が28%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を調製した。
重合例1〜3で調製したアクリル樹脂A〜Cの20%濃度酢酸エチル溶液を用い、それぞれの固形分100部に対し、表2に記載のそれぞれの架橋剤(B)をそこに示す量、及びシラン化合物(KBM-403)を0.5部混合した。また、表2の「帯電防止剤」の欄に「あり」と記載した例(比較例1の粘着剤組成物20及び比較例10の粘着剤組成物29)では、上述の帯電防止剤(N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート)を3部混合した。その後、固形分濃度が13%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物20〜29を調製した。なお、コロネートHXR以外の架橋剤は、上述のとおり酢酸エチル溶液となっているが、表2に示す架橋剤の量は、それぞれの固形分量である。これらの粘着剤組成物には、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)が配合されていない。
重合例1で調製したアクリル樹脂Aの20%濃度酢酸エチル溶液の固形分100部に対し、架橋剤(B)としてコロネートLを固形分で0.5部、アクリル酸を0.05部、及びシラン化合物(KBM-403)を0.5部混合した。その後、固形分濃度が13%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物30を調製した。この粘着剤組成物は、実施例5の粘着剤組成物5に比べ、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)であるCEA0.1部をアクリル酸0.05部に変更した状態に相当する。
重合例1で調製したアクリル樹脂Aの20%濃度酢酸エチル溶液の固形分100部に対し、架橋剤(B)としてコロネートLを固形分で0.5部、イタコン酸を0.1部、及びシラン化合物(KBM-403)を0.5部混合した。その後、固形分濃度が13%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物31を調製した。この粘着剤組成物は、実施例5の粘着剤組成物5に比べ、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)であるCEAをイタコン酸に変更した状態に相当する。
重合例4〜6で調製したアクリル樹脂D〜Fの40%濃度酢酸エチル溶液を用い、それぞれの固形分100部に対し、架橋剤(B)としてコロネートLを固形分で 0.8部、シラン化合物(KBM-403)を0.5部、及び上述の帯電防止剤(N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート)を3部混合した。その後、固形分濃度が28%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物32〜34を調製した。これらの粘着剤組成物には、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)が配合されていない。
HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
AA :アクリル酸、
(表2の脚注:単量体(C)の種類を表す符号の意味)
CEA :アクリル酸2−カルボキシエチル40%、
アクリル酸の三量体以上のオリゴマー40%、アクリル酸20%。
上記(a−1)〜(a−6)で調製したそれぞれの粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム〔商品名“SP-PLR382050”、リンテック(株)から入手、セパレーターと呼ぶ〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、 100℃で1分間乾燥して、粘着剤シートを作製した。
上記(b)で作製した粘着剤シートを室温で1日放置した後、4日放置した後、及び室温で7日放置した後のそれぞれについて、先に述べた方法でゲル分率を測定した。1日放置後の値を表3の「ゲル分率(%) 1日目」の欄に、4日放置後の値を表3の「ゲル分率(%) 4日目」の欄に、7日放置後の値を表3の「ゲル分率(%) 7日目」の欄にそれぞれ示した。
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの両面がトリアセチルセルロースからなる保護フィルムで挟まれている3層構造の偏光板の片面に、上記(b)で作製した粘着剤シートのセパレーターと反対側の面(粘着剤面)をラミネーターにより貼り合わせたのち、温度23℃、相対湿度65%の条件で7日間養生して、粘着剤付き偏光板を作製した。
上記(d)で作製した粘着剤付き偏光板からセパレーターを剥がした後、その粘着剤面を液晶セル用ガラス基板〔商品名“EAGLE XG”、コーニング社から入手〕の両面にクロスニコルとなるように貼着し、光学積層体を作製した。
◎:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
×:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著に認められる。
リワーク性の評価は以下の方法で行った。まず、上記(d)で作製した粘着剤付き偏光板を25mm×150mmの大きさの試験片に裁断した。次に、この試験片からセパレーターを剥がし、その粘着剤面を貼付装置〔フジプラ(株)製の商品名“ラミパッカー”〕を用いて液晶セル用ガラス基板に貼り付け、オートクレーブ中、温度50℃、 圧力5kg/cm2(490.3kPa)で20分間の加圧処理を行った。次に70℃で2時間加熱処理し、引き続き50℃のオーブン中にて48時間保管した後、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、この貼着試験片から偏光板を粘着剤層とともに300mm/分の速度で180°方向(偏光板を剥がして裏返しとなった状態でガラス面に平行な方向)に剥離し、ガラス板表面の状態を観察して、以下の基準で分類した。結果を、併せて表3の「リワーク」の欄に示した。
◎:ガラス基板表面に曇り等が全く認められない。
○:ガラス基板表面に曇り等がほとんど認められない。
△:ガラス基板表面に曇り等が認められる。
×:ガラス基板表面に粘着剤の残りが認められる。
帯電防止剤が配合された粘着剤シートを貼った偏光板(実施例1〜4及び13〜19、並びに比較例1、10及び13〜15)について、帯電防止性を以下の方法で評価した。すなわち、上記(d)で作製した粘着剤付き偏光板(粘着剤層が帯電防止剤を含有するもののみ)からセパレーターを剥がし、露出する粘着剤層の表面抵抗値を、表面固有抵抗測定装置〔三菱化学(株)製の商品名“Hirest-up MCP-HT450 ”〕にて測定し、帯電防止性を評価した。帯電防止性の評価は、粘着剤付き偏光板の養生が完了した後直ちに行った。表面抵抗値が1011Ω/□オーダー又はそれ以下であれば良好な帯電防止性が得られる。結果を表3の「表面抵抗値」の欄にまとめた。
CEAを配合した粘着剤組成物から形成した粘着剤シートについて、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフィー、すなわち、ヘッドスペース部で固体試料(ここでは粘着剤シート)を気化させ、得られる気相をガスクロトマトグラフィー部で分析する手法によって、CEAを構成するアクリル酸、アクリル酸の二量体(アクリル酸2−カルボキシエチル)及びアクリル酸の三量体以上の多量体の検出を試みたが、いずれの成分も検出されなかった。このことから、これらの粘着剤シートには、CEA由来の成分は残存していないと判断した。
2……表面処理層、
3……(第一の)保護フィルム、
4……第二の保護フィルム、
5……偏光板、
7……位相差フィルム、
8……層間粘着剤、
10……光学フィルム、
20……液晶セル(ガラス基板)に貼合される粘着剤層(粘着剤シート)、
25……粘着剤付き光学フィルム、
30……液晶セル(ガラス基板)、
40……光学積層体。
Claims (9)
- アクリル樹脂(A)は、前記(A−1)及び(A−2)に加え、又は前記(A−1)、
(A−2)及び(A−3)に加えて、
(A−4)カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体0.1〜5重量%
を含む単量体混合物から得られる共重合体である請求項1又は2に記載の製造方法。 - 架橋剤(B)は、イソシアネート化合物を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 架橋剤(B)は、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれる請求項4に記載の製造方法。
- 粘着剤組成物はさらに、(D)シラン化合物を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により粘着剤シートを得、得られた粘着剤シートを、その粘着剤シート側で光学フィルムに貼合することを特徴とする粘着剤付き光学フィルムの製造方法。
- 光学フィルムは、偏光フィルム及び位相差フィルムから選ばれる請求項7に記載の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の製造方法により粘着剤層付光学フィルムを得、得られた粘着剤付き光学フィルムを、その粘着剤シート側でガラス基板に積層することを特徴とする光学積層体の製造方法。
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