JP6577174B2 - 偏光板 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記偏光板は、透明導電膜に貼着して使用される。
1つの実施形態においては、上記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む。
本発明の別の局面によれば、光学積層体が提供される。この光学積層体は、上記偏光板と、該偏光板に備えられる前記第2の粘着剤層の前記保護フィルムとは反対側の面に、貼着した透明導電膜とを備える。
1つの実施形態においては、上記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記光学積層体を備える。
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。この偏光板100は、直線偏光分離フィルム10と、第1の粘着剤層20または第1の接着剤層と、偏光膜30と、保護フィルム40と、第2の粘着剤層50とをこの順に備える。直線偏光分離フィルム10は、透過軸と反射軸とを有し、特定の偏光状態(偏光方向)の偏光を透過し、それ以外の偏光状態の光を反射し得、輝度向上フィルムとして機能し得る。また、直線偏光分離フィルム10は、偏光膜30を保護するフィルムとしても機能し得る。偏光膜30は、入射する光を直交する2つの偏光成分に分離し、一方の偏光成分を透過させ、他方の偏光成分を吸収させる機能を有する。偏光膜30は、厚みが15μm以下である。保護フィルム40は、偏光膜30を保護する機能を有し、例えば、接着剤層(図示せず)を介して偏光膜に貼着して配置され得る。
上記偏光膜の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは7μm以下であり、さらに好ましくは6μm以下である。このように薄い偏光膜を用いることにより、薄型の偏光板を得ることができる。一方、上記偏光膜の厚みは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上である。
上記保護フィルムとしては、任意の適切な樹脂フィルムが採用され得る。保護フィルムの形成材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいう。
図2は、直線偏光分離フィルムの一例を示す概略斜視図である。好ましくは、直線偏光分離フィルム10は、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体である。例えば、図示例では、A層のX軸方向の屈折率n(X)がY軸方向の屈折率n(Y)より大きく、B層のX軸方向の屈折率n(X)とY軸方向の屈折率n(Y)とは実質的に同一である。したがって、A層とB層との屈折率差は、X軸方向において大きく、Y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、X軸方向が反射軸となり、Y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのX軸方向における屈折率差は、好ましくは0.2〜0.3である。なお、X軸方向は、後述する製造方法における直線偏光分離フィルムの延伸方向に対応する。
上記偏光膜と直線偏光分離フィルムとは、第1の粘着剤層または第1の接着剤層を介して、積層される。
上記第1の粘着剤層は、任意の適切な粘着剤により形成される。第1の粘着剤層を構成する材料としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマー、イソシアネート系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ビニル系ポリマー、ラテックス系ポリマー、水系ポリエステルなどのポリマーをベースポリマーとする材料が挙げられる。なかでも好ましくは、低透湿性の観点からアクリル系ポリマーをベースポリマーとする材料である。
上記第1の接着剤層は、任意の適切な接着剤により形成される。接着剤としては、水系接着剤であってもよく溶剤系接着剤であってもよく活性エネルギー線硬化型接着剤であってもよい。
本発明の偏光板は、最外側に第2の粘着剤層を備え、該第2の粘着剤層を介して他の部材に貼着することができる。
上記偏光板は、任意の適切な製造方法により製造され得る。上記偏光板の製造方法は、例えば、偏光膜と保護フィルムと第2の粘着剤層とを積層して積層体Iを形成する工程a、直線偏光分離フィルム上に第1の粘着剤層または第1の接着剤層を形成して積層体IIを得る工程b、および該積層体Iの偏光膜と積層体IIの直線偏光分離フィルムとを該第1の粘着剤層または第1の接着剤層を介して貼り合わせる工程cを含む。偏光膜を形成する際の樹脂基材を保護フィルムとする場合、すなわち、樹脂基材付偏光膜を偏光板の製造方法に供する場合には、工程aにおいて、樹脂基材(保護フィルム)付きの偏光膜に第2の粘着剤層を積層する。
本発明の別の局面においては、光学積層体が提供される。図3は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。この光学積層体200は、偏光板100と、透明導電膜60とを備える。偏光板100としては、A項〜G項で説明した偏光板が用いられ得る。透明導電膜60は、偏光板100に備えられる第2の粘着剤層50の保護フィルム40とは反対側の面に貼着して、配置される。本発明の光学積層体は、偏光膜30と第2の粘着剤層50との間に保護フィルム40が配置され、該保護フィルム40により偏光膜30からのヨウ素の移動が遮断される。その結果、透明導電膜60のヨウ素による劣化が防止される。また、第2の粘着剤層50を形成する組成物に含まれる酸成分(酸モノマー)を上記のように所定量以下とすることにより、透明導電膜60の酸による劣化が防止される。
本発明の画像表示装置は、上記光学積層体を備える。画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置が挙げられる。液晶表示装置に用いる場合、上記光学積層体は、背面側偏光板として用いられること、すなわち、液晶セルの視認側とは反対側に配置されることが好ましい。また、上記光学積層体は、直線偏光分離フィルムがバックライト側となるようにして、画像表示装置内に配置されることが好ましい。上記光学積層体をこのような配置で用いれば、直線偏光分離フィルムの機能が十分に発揮され、輝度に優れる画像表示装置を得ることができる。
1.厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
2.透明導電膜(ITO)の抵抗値変化
実施例および比較例で得られた偏光板(15mm×15mm)の第2の粘着剤層を、透明導電膜(25mm×25mm)の中央部に貼着して光学積層体を形成した。透明導電膜は、基材としての無アルカリガラスと透明導電層としてのITO層とを備える構成とし、第2の粘着剤層とITO層とが接触するようにした。
該光学積層体を、50℃、5atmの雰囲気下で15分間、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後の光学積層体の抵抗値を測定し、該抵抗値を「初期抵抗値」とした。
その後、上記光学積層体を、60℃、90%R.H.の環境下で500時間放置した後、光学積層体の抵抗値を測定し、該抵抗値を「湿熱後の抵抗値」とした。
なお、抵抗値の測定は、Accent Optical Technologies社製 HL5500PCを用いたホール効果測定により行った。抵抗値変化は、「初期抵抗値」と「湿熱後の抵抗値」とから、抵抗値変化率(%)=(湿熱後の抵抗値―初期抵抗値)/(初期抵抗値)×100の式により求めた。表1中、抵抗値変化率が100〜150%の場合を◎、150〜200%の場合を〇、200%より大きい場合を×とした。
非晶性PET基材に9μm厚のポリビニルアルコール(PVA)層が製膜された積層体を、空中で補助延伸して(延伸温度:130℃)、延伸積層体を生成した。次に、延伸積層体を、水100重量部に対して、ヨウ素0.1重量部、ヨウ化カリウム0.7重量部を含有する染色液に120秒間浸漬して、着色積層体を生成した。さらに、着色積層体を、ホウ酸水中で延伸(延伸温度:65℃)した。延伸処理の総延伸倍率は5.94倍とした。上記操作により、非晶性PET基材と一体に延伸された4μm厚のPVA層とを含む積層体(基材/偏光膜)を得た。さらに、当該光学フィルム積層体の偏光膜の表面にPVA系接着剤を塗布しながら、20μm厚の保護フィルム(アクリル樹脂フィルム)を貼合せた後、非晶性PET基材を剥離して、薄型のヨウ素系偏光膜と、該偏光膜の片側に配置された保護フィルムとを有する積層体iを得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル100重量部、アクリル酸5重量部、アクリル酸ヒドロキシエチル0.075重量部、および、開始剤としてのAIBNをモノマー(固形分)100重量部に対して1重量部を、酢酸エチルと共に加えて窒素ガス気流下、60℃で7時間反応させた後、その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量220万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た(固形分濃度30重量%)。該溶液に、上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部あたり0.6重量部の架橋剤(トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM−403」)0.075重量部とを配合して、粘着剤溶液Iを得た。
粘着剤溶液Iを、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の表面に、ファウンテンコータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレータの表面に厚さ5μmの第1の粘着剤層を形成した。次いで、20μmの直線偏光分離フィルム(3M社製、商品名「DBEF」)に、セパレータ付きの第1の粘着剤層を貼り合わせ、セパレータ付きの積層体II(第1の粘着剤層/直線偏光分離フィルム)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル99重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル1重量部、および、開始剤としてのAIBNをモノマー(固形分)100重量部に対して1重量部を、酢酸エチルと共に加えて窒素ガス気流下、60℃で7時間反応させた後、その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量160万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た(固形分濃度30重量%)。該溶液に、架橋剤として、上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部あたり0.1重量部のトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD110N」)と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3重量部と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−403」)0.1重量部とを配合して、粘着剤組成物Aを得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル98.9重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル1重量部、アクリル酸0.1重量部、および、開始剤としてのAIBNをモノマー(固形分)100重量部に対して1重量部を酢酸エチルと共に加えて窒素ガス気流下、60℃で7時間反応させた後、その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量160万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た(固形分濃度30重量%)。該溶液に、架橋剤として、上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部あたり0.1重量部のトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD110N」)と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3重量部と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−403」)0.1重量部とを配合して、粘着剤組成物Bを得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル97重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル1重量部、アクリル酸2重量部、および、開始剤としてのAIBNをモノマー(固形分)100重量部に対して1重量部を酢酸エチルと共に加えて窒素ガス気流下、60℃で7時間反応させた後、その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量160万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た(固形分濃度30重量%)。該溶液に、架橋剤として、上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部あたり0.1重量部のトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD110N」)と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3重量部と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−403」)0.1重量部とを配合して、粘着剤組成物Cを得た。
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル95重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル1重量部、アクリル酸4重量部、および、開始剤としてのAIBNをモノマー(固形分)100重量部に対して1重量部を酢酸エチルと共に加えて窒素ガス気流下、60℃で7時間反応させた後、その反応液に酢酸エチルを加えて、重量平均分子量160万のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た(固形分濃度30重量%)。該溶液に、架橋剤として、上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部あたり0.1重量部のトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD110N」)と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3重量部と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−403」)0.1重量部とを配合して、粘着剤組成物Dを得た。
製造例3で得られた粘着剤組成物Aを、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の表面に、ファウンテンコータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレータの表面に厚さ20μmの粘着剤層(第2の粘着剤層)を形成した。次いで、製造例1で得られた積層体iの保護フィルム側に、セパレータ付の粘着剤層(第2の粘着剤層)を貼着し、積層体I(偏光膜/保護フィルム/第2の粘着剤層(/セパレータ))を得た。
製造例2で得られた積層体IIのセパレータを剥離し、積層体IIの第1の粘着剤層と上記積層体Iの偏光膜とを貼り合わせて、偏光板(直線偏光分離フィルム(20μm)/第1の粘着剤層(5μm)/偏光膜(4μm)/保護フィルム(20μm)/第2の粘着剤層(20μm)(/セパレータ))を得た。なお、積層体Iと積層体IIとは、偏光膜の透過軸と直線偏光分離フィルムの透過軸とが平行となるようにして、積層した。
得られた偏光板を上記評価2(透明導電膜(ITO)の抵抗値変化)に供した。結果を表1に示す。
粘着剤組成物Aに代えて、粘着剤組成物B(製造例4)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
粘着剤組成物Aに代えて、粘着剤組成物C(製造例5)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、粘着剤溶液Iを得た。粘着剤溶液Iを、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の表面に、ファウンテンコータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥し、セパレータの表面に厚さ20μmの粘着剤層(第2の粘着剤層)を形成した。次いで、製造例1で得られた積層体iの偏光膜側に、セパレータ付の粘着剤層(第2粘着剤層)を貼着し、積層体C(保護フィルム/偏光膜/第2の粘着剤層/セパレータ)を得た。
製造例2で得られた積層体IIのセパレータを剥離し、積層体IIの第1の粘着剤層と上記積層体Cの保護フィルムとを貼り合わせて、偏光板(直線偏光分離フィルム(20μm)/第1の粘着剤層(5μm)/保護フィルム(20μm)/偏光膜(4μm)/第2の粘着剤層(/セパレータ))を得た。なお、積層体Cと積層体IIとは、偏光膜の透過軸と直線偏光分離フィルムの透過軸とが平行となるようにして、積層した。
得られた偏光板を上記評価2(透明導電膜(ITO)の抵抗値変化)に供した。結果を表1に示す。
粘着剤組成物Aに代えて、粘着剤組成物D(製造例6)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
粘着剤組成物Aに代えて、粘着剤組成物D(製造例6)を用いた以外は、比較例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
20 第1の粘着剤層
30 偏光膜
40 保護フィルム
50 第2の粘着剤層
100 偏光板
Claims (3)
- 直線偏光分離フィルムと、第1の粘着剤層または第1の接着剤層と、偏光膜と、保護フィルムと、第2の粘着剤層とをこの順に有する偏光板と、
該偏光板に備えられる該第2の粘着剤層の該保護フィルムとは反対側の面に、貼着した透明導電膜とを備え、
該偏光板が保護フィルムを1枚のみ有し、
該偏光膜の厚みが、15μm以下であり、
該第2の粘着剤層がモノマーを含む第2の粘着剤組成物から形成され、該第2の粘着剤組成物中の酸モノマーの含有割合が、該第2の粘着剤組成物中の全モノマー100重量部に対して、2重量部以下である、
光学積層体。 - 前記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む、請求項1に記載の光学積層体。
- 請求項1または2に記載の光学積層体を備える、画像表示装置。
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