JP2006189784A - 電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム及びその製造方法並びに電界放出型ディスプレイ - Google Patents

電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム及びその製造方法並びに電界放出型ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】簡単に製造が可能で、且つ反射防止性及び画像表示特性に優れたFED用導電層付き反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明基板の一方の表面に反射防止膜が、他方の表面に透明導電層及び粘着剤層が設けられ、且つ440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲に光線透過率の極小値を有する電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム、及び透明基板の一方の表面に反射防止膜が、他方の表面に透明導電層及び粘着剤層が設けられ、且つ視認透過率70%以上である電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム;これらのFED用反射防止フィルの製造方法、及び電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされた電界放出型ディスプレイ。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)用の導電層付き反射防止フィルム及びその製造方法、並びにこの電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムを用いた電界放出型ディスプレイに関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、及びCRTディスプレイにおいては、外部からの光が表面で反射し、内部の視覚情報が見えにくいとの問題は、従来から知られており、反射防止膜の設置等、種々対策がなされている。
近年、ディスプレイは大画面表示が主流となり、次世代の大画面表示デバイスとしてPDPが一般的になってきている。しかしながら、このPDPでは表示のため発光部に高周波パルス放電を行っているため、不要な電磁波の輻射や赤外線リモコン等の誤動作の原因ともなる赤外線の輻射のおそれがあり、このため、PDPに対しては、導電性を有するPDP用反射防止フィルム(電磁波シールド性光透過窓材)が種々提案されている。この電磁波シールド性光透過窓材の導電層としては、例えば、(1)金属銀を含む透明導電薄膜が設けられた透明フィルム、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュを設けた透明フィルム、(3)透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等が知られている。
最近では、CRTの様な明るくコントラストの高い画面を大型平面ディスプレイで実現することができるディスプレイとして、表面電界型ディスプレイ(SED)及び電界放出型ディスプレイ(FED)が注目されている。SEDはFEDの範疇に含まれるものとされている。このようなFEDにおいても、外光の反射のため、内部の視覚情報が見えにくいとの問題があると指摘されている。また、FEDにも、従来の表示デバイスと同様に電磁波輻射の問題、或いは表面帯電の問題、さらには発光特性の補正の問題があると考えられている。
しかしながら、このようなFEDにおける、反射防止、電磁波輻射、或いは帯電防止、発光特性の補正等の問題については、まだ本格的な研究の段階に入っていないのが現状である。FEDに関しては、例えば、特許文献1(特開2001−74906号公報)には、基材フィルム上にハードコート層、透明導電層、反射防止層がこの順で積層されたPDP又はFED用導電層付き反射防止フィルムが提案されている。この反射防止フィルムは、ハードコート層にシリコン系化合物を用いることにより、良好な密着性、高硬度なフィルムを得たとしている。
特開2001−74906号公報
本発明者等の検討によれは、FED用導電層付き反射防止フィルムとして要求される反射防止性、或いはFEDの発光特性に依存する表示特性は、その発光機構、即ち、FEDにおける、電子を真空中に放って蛍光面に塗工された蛍光物質に衝突させるとの機構から、PDPに求められるものとは異なる構成の反射防止フィルムが必要であると考えられる。このような観点から、本発明者等は検討を重ねてきた。
特許文献1に提案されている反射防止フィルムは、ハードコート層以外は気相成膜法により作製されており、製造が複雑で、経済的にも不利なものである。さらに、本発明者等の検討によれば、層構成についても効率が良いとは言えないものであることが判明した。
さらに、ディスプレイの表示特性の向上は、大画面化、画像の精細化に伴い強く求められている。FEDにおいては、PDPのような近赤外線の遮蔽を行う必要はないが、その発光機構上、従来のCRTに匹敵する表示特性を有することから、さらに高品位の表示特性が求められている。
従って、本発明は、簡単に製造が可能で、且つ反射防止性及び画像表示特性に優れたFED用導電層付き反射防止フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、簡単に製造が可能で、且つ反射防止性、帯電防止性及び表示特性に優れたFED用導電層付き反射防止フィルムを提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記優れた特性のFED用反射防止フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、上記優れた特性の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされた電界放出型ディスプレイを提供することを目的とする。
本発明者等の検討によれば、FED用帯電防止付き反射防止フィルムには、例えばPDPに求められるほどの反射防止性、電磁波遮断性或いは帯電防止を確保する必要が無い一方、特有の発光特性が求められることが明らかとなった。その結果、簡単な方法で作製でき且つFED用として特有な層構成が存在することを見いだした。また、前述のように、発光機構上、従来のCRTに匹敵する表示特性を有することから、さらに高品位の表示特性が求められている。このためさらに検討を重ね、反射防止フィルムを構成する特定の層に色素(即ち染料)及び/又は顔料等を導入して特定の波長範囲の光線透過率を低下させることにより、或いは特定以上の視感透過率に設定することにより、FEDの表示特性(コントラスト、色調、明るさ等)が格段に向上することを見いだした。また特定の波長範囲の光線透過率を低下させることにより、人間の目の感度特性に合った発光強度分布を有する表示光とすることができ、FEDの表示特性が格段に向上することを見いだした。
従って、本発明は、
透明基板の一方の表面に反射防止膜が、他方の表面に透明導電層が設けられ、且つ440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において光線透過率の極小値を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム;及び
一方の表面に反射防止膜が設けられた透明基板と、一方の表面に透明導電層が設けられ別の透明基板との、2枚の透明基板が、該膜又は層が形成されていない表面同士で粘着剤層を介して接着されてなる積層体であって、且つ440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において光線透過率の極小値を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムにある。
本発明に従う上記の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの好適態様は以下の通りである。
(1)前記波長範囲が、560〜640nmである。
(2)前記波長範囲が、440〜460nm、530〜550nm及び600〜620nmの少なくとも1つの波長範囲である。このような波長範囲が好ましい理由は以下の通りである:
ディスプレイの画像の黒い部分に対応する画素(セル)は発光しないことにより表示されるため、本来の十分に深い濃度の黒色を示していない。その上、実際にディスプレイを見る環境は、室内の照明等の外光がディスプレイ装置の表面及び内部で反射するため黒色が灰色となる傾向にある。このため、ディスプレイの画像表示時の黒画像部分と白画像部分のコントラスト(明暗コントラスト)は低下し、これによるディスプレイ画像への悪影響は無視することができない。従って、外光のディスプレイでの反射を抑制する必要がある。
一般家庭で多く使用されている三波長蛍光灯は、青(波長450nm)、緑(波長540nm)、赤(波長610nm)を強調した光となっているが、このような3波長付近の光のディスプレイ表面、内部での反射を抑制することにより見やすく美しいディスプレイ画像が得られることを本発明者等は見いだした。即ち、ディスプレイに入射する外光は、反射防止フィルムを通過した後、ディスプレイの発光表示デバイスで反射し、再度反射防止フィルムを通過するため、三波長蛍光灯の強調されている青、緑、赤の光を選択的に適度に吸収することにより見やすく美しいディスプレイ画像を得ることができる。従って、上記波長において透過率を低下させることが見やすく美しいディスプレイ画像を得るのに有効である。
(3)前記波長範囲が、565〜585nmである。
575nm付近に封入ガスの影響と見られるSED特有の発光スペクトルがあると考えられ、これを抑制することにより人間の目に見易いディスプレイ画像となる。
(4)光線透過率の極小値が、50〜80%である。尚、この極小値は、光線透過率の測定値(従って絶対値)を示すものである。一方、この極小値を、波長領域400〜700nmにおける光線透過率の極大値に対する上記波長範囲での極小値の比(即ち相対比)で表した場合、一般に53〜85%である。
(5)透明導電層の上に粘着剤層が設けられている。電界放出型ディスプレイの画像表示表面への貼付が容易である。
(6)透明導電層又は粘着剤層が、色素(染料)及び/又は顔料を含有している。これにより上記特定の波長範囲の光線透過率を低下させることができる。表示画面に近いため粘着剤層に含ませることが好ましい。
(7)透明導電層又は粘着剤層が、黒色顔料及び/又はテトラアザポルフィリン色素を含有している。これにより上記特定の波長範囲(特に560〜640nm)の光線透過率を効率良く低下させることができる。
(8)透明導電層又は粘着剤層が、440〜460nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてアントラキノン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素又はペリレン系色素を含有している。
(9)透明導電層又は粘着剤層が、530〜550nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてアントラキノン系色素又はアゾ系色素を含有している。
(10)透明導電層又は粘着剤層が、600〜620nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてテトラアザポルフィリン色素、アントラキノン系色素又はアゾ系色素を含有している。特にテトラアザポルフィリン色素が好ましい。
(11)透明導電層又は粘着剤層が、565〜585nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてテトラアザポルフィリン色素、アントラキノン系色素又はアゾ系色素を含有している。
(12)透明導電層、反射防止膜及び粘着剤層が、塗工層である。生産性が向上する。経済的に有利である。透明導電層が、塗工層でも、電界放出型ディスプレイでは、十分な帯電防止機能が得られ易い。
(13)反射防止膜が、塗工形成されたハードコート層、及びその上に設けられたハードコート層より屈折率の高い塗工形成された高屈折率層を含む膜である。塗工層でも、電界放出型ディスプレイでは、十分な反射防止効果が得られ易い。
(14)表面抵抗値が、106〜108Ω/□の範囲である。電界放出型ディスプレイでは、比較的高い抵抗値の導電層で十分な帯電防止機能が得られる。
(15)明度指数が、−3<a*<3及び−2<b*<10を満足する。表示特性、特に色調が良好となる。
(16)反射防止膜が、塗工形成されたハードコート層、及びその上に設けられたハードコート塗工層より屈折率の高い塗工形成された高屈折率層を含む膜である。
(17)透明基板がプラスチックフィルム(好ましくはPET)である。長尺状フィルムを用いることにより連続製造が可能とある。
(18)粘着層の上に剥離シートが設けられている。取り扱いが容易となる。
(19)光線透過率が50%以上(好ましくは70%以上)である。ディスプレイの画像が見やすい。
(20)視認透過率が70%以上(好ましくは80%以上)である。
また、本発明は、
透明基板の一方の表面に反射防止膜が、他方の表面に透明導電層が設けられ、且つ視認透過率が70%以上であることを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム;及び
一方の表面に反射防止膜が設けられた透明基板と、一方の表面に透明導電層が設けられ別の透明基板との、2枚の透明基板が、該膜又は層が形成されていない表面同士で粘着剤層を介して接着されてなる積層体であって、且つ視認透過率が70%以上であることを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムにもある。
前記の好適態様(1)〜(19)を上記導電層付き反射防止フィルムにも適用することができる。尚、上記視認透過率とは、反射防止フィルムを透過する光束(Φt)と反射防止フィルムに入射する光束(Φi)との比(Φt/Φi)を言う。
上記本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムは、以下の製造方法により有利に得ることができる。
即ち、透明基板の一方の表面に反射防止膜を塗工法により形成し、次いで他方の表面に透明導電層を塗工法により形成して、560〜640nmの波長範囲に光線透過率の極小値を有する電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムを製造する方法;及び
一方の表面に反射防止膜が設けられた透明基板と、一方の表面に透明導電層が設けられ別の透明基板との、2枚の透明基板を、該膜又は層が形成されていない表面同士対向させて粘着剤層を介して圧着することにより、560〜640nmの波長範囲に光線透過率の極小値を有する電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムを製造する方法。
上記製造方法において、透明導電層を形成するための塗工液が色素(染料)及び/又は顔料を含有していることが好ましい。また、透明導電層上にさらに顔料及び/又は染料を含有する粘着剤層を塗工法により形成することが好ましい。
以上の製造方法において、反射防止膜、に透明導電層及び粘着剤層の形成が、全て塗工により行われることが好ましい。また、反射防止膜及び透明導電層の塗工は、紫外線硬化性樹脂を用いて行うことが特に好ましい。
さらに、前記本発明の視認透過率が70%以上を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムも、同様に上記の製造方法により有利に得ることができる。
さらに、本発明は、上述の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされてなる電界放出型ディスプレイにもある。
本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムは、透明基板の一方の表面に反射防止膜、他方の表面に透明導電層が設けられた特定の構成を有し、且つ光学特性として、特定の波長範囲の光線透過率を低下させるように設定、或いは特定値以上の視感透過率に設定されている。これにより、FEDの表示特性(コントラスト、色調、明るさ等)が格段に向上している。さらに、これらの性能に加え、反射防止機能、帯電防止機能も向上したものとなっている。
特に、特定の波長範囲として、440〜460nm、530〜550nm及び600〜620nmの少なくとも1つの波長範囲の光線透過率を低下させるように設定することにより、大幅に画質を向上させることができる。即ち、本発明者等の検討によれば、ディスプレイに入射する外光は、反射防止フィルムを通過した後、ディスプレイの発光表示デバイスで反射し、再度反射防止フィルムを通過するため、三波長蛍光灯の強調されている青、緑、赤の光を選択的に適度に吸収することにより見やすく美しいディスプレイ画像を得ることができる。従って、上記波長において透過率を低下させることが見やすく美しいディスプレイ画像を得るのに有効である。
さらに、特に、反射防止膜、透明導電層、粘着剤の層全ての層を塗工法で形成することにより、簡単な製造方法で得ることができ、生産性に優れた電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムであると言うこともできる。
本発明の電界放出型ディスプレイ(FED)に優れた表示特性をもたらすFED用導電層付き反射防止フィルムについて、以下に詳細に説明する。
本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムの典型的な1例の概略断面図を図1に示す。図1において、透明基板11の一方の表面に反射防止膜13が設けられ、他方の表面には透明導電層12が設けられている。透明基板11と反射防止膜13との間、或いは透明基板11と透明導電層12との間には粘着剤層等の他の層が設けられていても良い。本発明では、一般に、反射防止膜が設けられた基板表面とは反対側の表面に設けられた層(ここでは透明導電層12)に顔料及び/または色素(染料)が分散されており、これにより前記の特定の波長範囲の光の光線透過率を低下させるように設定(一般に特定波長範囲における光線透過率の極小値が50〜80%(好ましくは60〜75%)で、或いは特定値以上の視感透過率に設定が有利にできるようになっている。このように設定することによりFEDの表示特性(コントラスト、色調、明るさ等)が格段に向上させることができる。特に、特定の波長範囲として、440〜460nm、530〜550nm及び600〜620nmの少なくとも1つの波長範囲の光線透過率を低下させるように設定することにより、外光、特に3波長蛍光灯の青の波長(波長450nm)の光、緑の波長(波長540nm)の光、赤の波長(波長610nm)の光の透過率を下げて、外光のディスプレイにおける反射光を抑制することにより、白黒コントラストを改善し、画質を向上させることができると考えられる。また特定の波長範囲として565〜585nmの波長範囲の光線透過率を低下させるように設定することによっても、比較的簡便に同様な効果が得られる。
上記反射防止膜13は、一般に基板より屈折率の低いハードコート層とその上に設けられた高屈折率層との複合膜であるか、好ましくは低屈折率層上にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜13は基板より屈折率の高いハードコート層のみであっても、或いは低屈折率層のみであっても有効である。このような反射防止膜13を構成する層は、いずれも塗工により形成されていることが、生産性、経済性の観点から好ましい。透明導電層12は、一般に導電性の有する塗工層であり、例えば、ポリマー中に無機化合物の導電性粒子が分散された塗工層、或いは導電性ポリマーの塗工層である。本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムは、上記構成を有し、且つこのフィルムの表面抵抗値が108Ω/□以下、好ましくは102〜108Ω/□の範囲、特に106〜108Ω/□の範囲であることが好ましい。
本発明の透明導電層が、前記のように反射防止膜が設けられた側と反対側の表面に設けられている。これにより、電子線が蛍光物質に衝突することにより発生する光等の光学特性を適正化し、帯電等も解消することができると考えられる。しかも、塗工により得られる比較的高い表面抵抗値の層であっても、光学特性の適正化及び帯電防止に有効に作用すると考えられる。従って、上記FED用導電層付き反射防止フィルムは、透明基板の一方の表面に反射防止膜形成用塗工液を塗工、乾燥(硬化)し、次いで他方の表面に、透明導電層形成用塗工液を塗工、乾燥(硬化)することにより容易に、且つ経済的に得ることが可能である。
本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける別の典型的な1例の概略断面図を図2に示す。図2において、透明基板21Aの一方の表面に反射防止膜23が設けられ、透明基板21Bの一方の表面には透明導電層22が設けられ、これら2枚の透明基板を、この反射防止膜又は透明導電層が形成されていない表面同士対向させて、粘着剤層24を介して圧着されている。このような構成のFED用導電層付き反射防止フィルムは、反射防止膜23が設けられた透明基板21A、透明導電層が設けられた透明基板21Bを予め作製し、所望の時機にこれらを圧着することにより得ることができるので、製造の自由度が拡大するとの利点がある。
図2においては、反射防止膜が設けられた基板表面とは反対側の表面には、透明導電層22及び粘着剤層24が設けられており、いずれか或いは両方の層に、例えば顔料及び/又は色素を分散させることにより、前記の特定の波長範囲の光線透過率を低下させるように設定、或いは特定値以上の視感透過率に設定をすることが有利に行い得る。これによりFEDの表示特性(コントラスト、色調、明るさ等)を格段させることが可能である。図2では、粘着剤層より透明導電層に顔料及び/または色素を混入させることが、FEDの表示画面に接近しているので好ましい。
本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の1例を描いた概略断面図を図3に示す。図3において、透明基板31の一方の表面に、ハードコート層35、高屈折率層36及び低屈折率層37からなる反射防止膜33が順に設けられ、他方の表面には透明導電層32及び粘着剤層34が順に設けられている。このように3層から構成される反射防止膜13は、高い反射防止機能を示す。また粘着剤層34が設けられているので、電界放出型ディスプレイの画像表示表面への貼付が容易である。粘着剤層は設けなくても良い。
図3においては、反射防止膜が設けられた基板表面とは反対側の表面には、透明導電層32及び粘着剤層34が設けられており、いずれか或いは両方の層に、例えば顔料及び/又は染料を分散させることにより、前記の特定の波長範囲の光線透過率を低下させるように設定、或いは特定値以上の視感透過率に設定をすることが有利に行い得る。これによりFEDの表示特性(コントラスト、色調、明るさ等)を格段させることが可能である。図3では、透明導電層より粘着剤層に顔料及び/または色素を混入させることがFEDの表示画面に接近しているので好ましい。
本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の別の1例を描いた概略断面図を図4に示す。図3とは、透明基板31が、図2に示したように粘着剤層44Aを介した2枚の基板からなるものである点で異なる。図4において、透明基板41Aの一方の表面に反射防止膜43が設けられ、透明基板41Bの一方の表面には透明導電層42及び粘着剤層44Bが設けられ、これら2枚の透明基板を、この反射防止膜又は透明導電層が形成されていない表面同士対向させて、粘着剤層44Aを介して圧着されている。透明基板41Aの一方の表面に設けられた反射防止膜43は、ハードコート層45、高屈折率層46及び低屈折率層47が順に設けられた積層体である。
反射防止膜が設けられた基板表面とは反対側の表面には、透明導電層42及び粘着剤層44A,44Bが設けられており、これらの少なくとも1つの層に、例えば顔料及び/又は染料を分散させることにより、前記の特定の波長範囲の光線透過率を低下させるように設定、或いは特定値以上の視感透過率に設定をすることが有利に行い得る。これによりFEDの表示特性(コントラスト、色調、明るさ等)を格段させることが可能である。本発明では、透明導電層42及び粘着剤層44Bに顔料及び/または色素を混入させることが、FEDの表示画面に接近しているので好ましい。特に粘着剤層44Aに顔料及び/または色素を混入させることがFEDの表示画面に最接近しているので好ましい。
本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の別の1例を描いた概略断面図を図5に示す。図5において、透明基板51の一方の表面に、ハードコート層55、高屈折率層56及び低屈折率層57からなる反射防止膜53が設けられ、さらにその上に保護層59が形成されており、他方の表面には透明導電層52、粘着剤層54及び剥離シート58が順に設けられている。粘着剤層54上に剥離シート48が設けられているので、取り扱いが容易であり、電界放出型ディスプレイの画像表示表面への貼付を適宜行うことができる。上記図5で示されたフィルムは、上記以外、図3で述べたのと同様の効果を奏する。
本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の別の1例を描いた概略断面図を図6に示す。図5とは、透明基板51が、図2に示したように粘着剤層64Aを介した2枚の基板からなるものである点で異なる。図6において、透明基板61Aの一方の表面に反射防止膜63が設けられ、透明基板61Bの一方の表面には透明導電層62及び粘着剤層64Bが設けられ、これら2枚の透明基板を、この反射防止膜又は透明導電層が形成されていない表面同士対向させて、粘着剤層64Aを介して圧着されている。透明基板61Aの一方の表面に設けられた反射防止膜63は、ハードコート層65、高屈折率層66及び低屈折率層67が順に設けられた積層体である。反射防止膜63の上にさらに保護層69が設けられている。
反射防止膜が設けられた基板表面とは反対側の表面には、図4と同様、透明導電層62及び粘着剤層64A,64Bが設けられており、これらの少なくとも1つの層に、例えば顔料及び/又は染料を分散させることにより、前記の特定の波長範囲の光線透過率を低下させるように設定、或いは特定値以上の視感透過率に設定をすることが有利に行い得る。これによりこれにより図4と同様の効果が得られる。透明導電層62及び粘着剤層64B、特に粘着剤層64Bに顔料及び/または染料を混入させることが好ましい。
本発明の反射防止膜、透明導電層、粘着剤層等は、塗工により形成されることが好ましい。特に、反射防止膜及び透明導電層は、紫外線硬化性樹脂を用いて、塗工、硬化を連続して行って形成することにより、高い生産性で反射防止フィルムを製造することができる。このような膜、層は、一般に、矩形の透明基板(一般にフィルム又はシート)上、或いは連続フィルム上に形成することができる。矩形の透明基板の場合、各層はバッチ式で形成され、連続フィルム上に形成する場合は、各層を連続式、一般にロールトゥロール方式で形成される。本発明では、特に後者が好ましい。
本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムに使用される材料について以下に説明する。
透明基板は、その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はないが、一般にプラスチックフィルムが使用される。例えば、ポリエステル{例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート}、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましい。特に、PETが、屈折率が高いので好ましい。
前記透明基板の厚さとしては、電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの用途等によっても異なるが、一般に1μm〜5mm程度が好ましい。
本発明の透明導電層は、得られる電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの表面抵抗値が、一般に108Ω/□以下、好ましくは102〜108Ω/□の範囲、特に106〜108Ω/□の範囲となるように設定される。透明導電層は、塗工層であることが好ましいが、気相成膜法により得られる層でも良い。その場合、通常より薄くすることができる。また金属等の格子状の導電層であっても良い。さらに、ITO等の金属酸化物の膜とAg等の金属層との交互積層体(例、ITO/銀/ITO/銀/ITOの積層体)であっても良い。
透明導電層は、ポリマー中に無機化合物の導電性粒子が分散された塗工層であることが好ましい。
導電性粒子を構成する無機化合物としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属、合金;或いはITO、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化スズ(ITO、いわゆるインジウムドープ酸化スズ)、酸化スズ−酸化アンチモン(ATO、いわゆるアンチモンドープ酸化スズ)、酸化亜鉛−酸化アルミニウム(ZAO;いわゆるアルミニウムドープ酸化亜鉛)等の導電性酸化物等を挙げることができる。特に、ITOが好ましい。平均粒径は10〜10000nm、特に10〜50nmが好ましい。
ポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、含ケイ素樹脂等を挙げることができる。さらに、これらの樹脂のうち熱硬化性樹脂であることが好ましい。
或いは、ポリマーは後述するハードコート層に使用される紫外線硬化性樹脂を用いることが特に好ましい。
上記塗工による透明導電層の形成は、ポリマー(必要により溶剤を用いて)中に上記導電性微粒子を混合等により分散させて塗工液を作製し、この塗工液を、透明基板上に塗工し、適宜乾燥、硬化させる。熱可塑性樹脂を用いた場合は、塗工後乾燥することにより、熱硬化型の場合は、乾燥、熱硬化することにより得られる。紫外線硬化性樹脂を用いた場合は、塗工後、必要に応じて乾燥し、紫外線照射することにより得られる。
上記塗工形成された透明導電層の厚さとしては、0.01〜5μm、特に0.05〜3μmが好ましい。前記厚さが、0.01μm未満であると、帯電防止機能が充分でないことがあり、一方5μmを超えると、得られるフィルムの透明性を低下させる場合がある。
本発明の透明導電層は、塗工により形成される導電性ポリマーの層であることも好ましい。例えば、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリナフタレン等の炭化水素系ポリマー;ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン等のヘテロ原子含有ポリマーを挙げることができる。ポリピロール、ポリチオフェンが好ましい。上記導電性ポリマーの明導電層の厚さとしては、0.01〜5μm、特に0.05〜3μmが好ましい。前記厚さが、0.01μm未満であると、帯電防止機能が充分でないことがあり、一方5μmを超えると、得られるフィルムの透明性を低下させる場合がある。
透明導電層を気相成膜法により形成する場合、その形成方法としては、特に制限はないが、スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等の気相製膜法や、印刷、塗工等が挙げることができるが、気相製膜法(スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着)が好ましい。前記の無機化合物を用いて透明導電層を形成することができる。透明導電層を気相成膜法で形成した場合は、その層厚は、30〜50000nm、特に50nm程度が好ましい。
透明導電層上に、さらに金属メッキ層を、導電性を向上させるためは設けても良い。金属メッキ層は、公知の電解メッキ法、無電解メッキ法により形成することができる。メッキに使用される金属としては、一般に銅、銅合金、ニッケル、アルミ、銀、金、亜鉛又はスズ等を使用することが可能であり、好ましくは銅、銅合金、銀、又はニッケルであり、特に経済性、導電性の点から、銅又は銅合金を使用することが好ましい。
透明導電層として、格子状(メッシュ状)の導電層を用いても良い。これにより表面抵抗値が極端に低下する(一般に100〜10-2Ω/□)。この場合は、色素等の導入は通常粘着剤層に行われる。
上記メッシュ状の導電層としては金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属を網状にしたもの、透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等を挙げることができる。メッシュ状の導電層の場合、メッシュとしては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線径1μm〜1mm、開口率50〜90%のものが好ましい。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は60〜90%である。なお、導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
導電性メッシュを構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
金属箔等の導電性の箔をパターンエッチングしたもの場合、金属箔の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
金属箔の厚さは、薄過ぎると取り扱い性やパターンエッチングの作業性等の面で好ましくなく、厚過ぎると得られるガラスの厚さに影響を及ぼしたり、エッチング工程の所要時間が長くなることから、1〜200μm程度とするのが好ましい。
エッチングパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状の金属箔や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状の金属箔等が挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この金属箔の投影面における開口部分の面積割合は、20〜90%であることが好ましい。
或いは、メッシュ状の導電層を、透明基板に導電性インキをパターン印刷して形成しても良い。次のような導電性インキを用い、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、静電印刷法等により透明基板の表面に印刷することができる。
本発明の反射防止膜は、一般に基板より屈折率の高いハードコート層とその上に設けられた低屈折層との複合膜であるか、好ましくは低屈折率層上にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜は基板より屈折率の高いハードコート層のみであっても、或いは低屈折率層のみであっても有効である。但し、基板の屈折率が低い場合、基板より屈折率の低いハードコート層とその上に設けられた高屈折層との複合膜、或いは高屈折率層上にさらに低屈折率層が設けられた複合膜としても良い。
本発明で得られる電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが、画像表示ガラス板の表面に貼り合わされて作製された電界放出型ディスプレイの表示画面が、優れた光学特性(適度な明るさと、高いコントラストそして鮮やかな色調)が得られるようにするため、例えば、本発明の透明導電層或いは粘着剤層に、顔料、色素(染料)等を含有させることにより、この反射防止フィルム自体が440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において極小値(好ましくは50〜80%、特に好ましくは60〜75%)を有するように、或いは視認透過率70%以上(好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上)を有するようにされている。
好ましい態様として、波長範囲560〜640nmの範囲で光線透過率の極小値(好ましくは50〜80%、特に好ましくは60〜75%)を有する。別の好ましい態様として、波長範囲が、440〜460nm、530〜550nm及び600〜620nmの少なくとも1つの波長範囲で光線透過率の極小値(好ましくは50〜80%、特に好ましくは60〜75%)を有する。ディスプレイからの発光スペクトルは青、緑、赤だけでなく他の波長の光も多く存在しているが、上記波長の抑制により人間の目に美しい画像と感じるようにすることができる。これは以下の理由によるためと考えられる。即ち、ディスプレイの画像の黒い部分に対応する画素(セル)は発光しないことにより表示するものであるため、本来の十分に深い濃度の黒色を示していない。その上、実際にディスプレイを見る環境は、室内の照明等の外光がディスプレイ装置の表面及び内部で反射するため黒色が灰色となる傾向にある。このため、ディスプレイの画像表示時の黒画像部分と白画像部分のコントラスト(明暗コントラスト)が低下し、これによるディスプレイ画像への悪影響は無視することができない。従って、外光のディスプレイでの反射を抑制する必要がある。一般家庭で多く使用されている三波長蛍光灯は、青(波長450nm)、緑(波長540nm)、赤(波長610nm)を強調した光となっているが、このような3波長付近の光のディスプレイ表面、内部での反射を抑制することにより見やすく美しいディスプレイ画像が得られることを本発明者等は見いだした。即ち、ディスプレイに入射する外光は、反射防止フィルムを通過した後、ディスプレイの発光表示デバイスで反射し、再度反射防止フィルムを通過するため、三波長蛍光灯の強調されている青、緑、赤の光を選択的に適度に吸収することにより見やすく美しいディスプレイ画像を得ることができる。従って、上記波長において透過率を低下させることが見やすく美しいディスプレイ画像を得るのに有効である。
このような特性は、顔料、染料等を含有させなくても、反射防止膜、透明導電層、及び粘着剤層を、材料、膜厚等において好適に組み合わせることによっても得ることができる。
上記光線透過率は、可視光線(波長領域400〜700nm)の透過率であり、可視領域おける平均光線透過率は一般に50%以上、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。また極小値での半値幅は一般に20〜150nm、好ましくは20〜100nmである。
また、上記視認透過率は、可視光線(波長領域400〜700nm)の領域における、反射防止フィルムを透過する光束(Φt)と反射防止フィルムに入射する光束(Φi)との比(Φt/Φi)を言う。
上記で使用される顔料、色素(染料)としては、カーボンブラック、鉄黒等の黒系顔料;ポルフィリン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、シアニン系、オキソノール系、アントラキノン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系またはベンジリデン系の色素(染料)、クロム錯塩染料を挙げることができる。これらの顔料、色素の添加量は、ポリマーに対して一般に0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
波長範囲560〜640nmの範囲で光線透過率の極小値を有するためには、波長が560nm〜640nmの範囲に吸収極大を持つ色素を含むことが好ましい。このような色素としては、ポルフィリン系、テトラアザポルフィリン系、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系またはアゾ系の化合物が好ましく用いられる。波長が560nm〜640nmの範囲に吸収極大を持つ色素の例を以下に示す。
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本発明では、特にテトラアザポルフィリン系色素(例えば、上記色素b−12)、ポルフィリン系色素(例えば、上記色素b−13)が好ましい。
600〜620nmの波長範囲の色素も上記の例の中から適宜選択することができる。テトラアザポルフィリン系色素が好ましい。具体的には、例えばテトラアザポリフィリン系色素のTAP−10(光吸収極大波長:610nm;山田化学工業(株)製)、を挙げることができる。
440〜460nmの波長範囲の色素の例としては、アントラキノン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素又はペリレン系等を挙げることができる。具体的には、例えばC.I. Solvent Yellow色素(光吸収極大波長:450nm;保土谷化学工業(株)製)を挙げることができる。
530〜550nmの波長範囲の色素の例としては、アントラキノン系色素、アゾ系色素等を挙げることができる。具体的には、例えばアデカアークルズTY−235(光吸収極大波長:540nm;旭電化工業(株)製)を挙げることができる。
565〜585nmの波長範囲の色素も、前記560〜640nmの波長範囲の色素の例の中から適宜選択することができる。その例としては、特にアントラキノン系色素、アゾ系色素、テトラアザポリフィリン系色素等を挙げることができる。具体的には、例えばテトラアザポリフィリン系色素のTAP−5(光吸収極大波長:575nm;山田化学工業(株)製)を挙げることができる。
ハードコート層としては、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコーン樹脂層等を挙げることができ、通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂のいずれでもよいが、紫外線硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類、ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。特にウレタンアクリレート、アクリレートモノマーの混合物が好ましい。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
ハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
ハードコート層は、透明基板より屈折率が低いことが好ましく、上記紫外線硬化性樹脂を用いることにより一般に基板より低い屈折率を得られやすい。従って、透明基板としては、PET等の高い屈折率の材料を用いることが好ましい。このため、ハードコート層は、屈折率を、1.60以下にすることが好ましい。膜厚は前記の通りである。
高屈折率層は、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に、ITO,ATO,Sb23,SbO2,In23,SnO2,ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2等の導電性金属酸化物微粒子(無機化合物)が分散した層とすることが好ましい。金属酸化物微粒子としては、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。特に平均粒径10〜50nmのITOが好ましい。屈折率を1.64以上としたものが好適である。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
なお、高屈折率層が導電層である場合、この高屈折率層の屈折率を1.64以上とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.5%以内にすることができ、1.69以上、好ましくは1.69〜1.82とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.0%以内にすることができる。
ハードコート層は、可視光線透過率が85%以上であることが好ましい。高屈折率層及び低屈折率層の可視光線透過率も、いずれも85%以上であることが好ましい。
低屈折率層は、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを10〜40重量%(好ましくは10〜30質量%)がポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に分散した層(硬化層)であることが好ましい。この低屈折率層の屈折率は、1.45〜1.51が好ましい。この屈折率が1.51超であると、反射防止フィルムの反射防止特性が低下する。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重 0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。
反射防止膜が上記3層より構成される場合、例えば、ハードコート層の厚さは2〜20μm、高屈折率層の厚さは75〜90nm、低屈折率層の厚さは85〜110nmであることが好ましい。
反射防止膜の、各層を形成するには、前記の通り、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)に必要に応じ上記の微粒子を配合し、得られた塗工液を塗工し、次いで乾燥、必要により熱硬化させるか、或いは塗工後、必要により乾燥し、紫外線を照射する。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
塗工の具体的な方法としては、アクリル系モノマー等を含む紫外線硬化性樹脂をトルエン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線照射により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。前記透明導電層も同様に形成することができる。
紫外線硬化の場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
本発明の反射防止層は、上記のように塗工により形成することが好ましいが、気相成膜法により形成しても良い。通常、高屈折率層及び低屈折率層を、物理蒸着法または化学蒸着法により成膜することができる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法が挙げられるが、一般的にはスパッタリング法で成膜するのが好ましい。化学蒸着法としては、常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマCVD法が挙げられる。
高屈折率層及び低屈折率層等の組合せの例としては、下記のものを挙げることができる。
(a) 高屈折率層/低屈折率層の順で各1層ずつ、合計2層に積層したもの、(b) 高屈折率層/低屈折率層を2層ずつ交互に、合計4層に積層したもの、(c) 中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順で各1層ずつ、合計3層に積層したもの、(d) 高屈折率層/低屈折率層の順で各層を交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの。高屈折率層としては、ITO(スズインジウム酸化物)又はZnO、AlをドープしたZnO、TiO2、SnO2、ZrO等の薄膜を採用することができる。また、低屈折折率層としては、SiO2、MgF2、Al23等の屈折率が1.6以下の薄膜を用いることができる。
上記透明導電膜は、物理蒸着法または化学蒸着法により成膜することができる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法が挙げられるが、一般的にはスパッタリング法で成膜するのが好ましい。化学蒸着法としては、常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマCVD法が挙げられる。
粘着剤層の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等のポリマーを挙げることができる。粘着剤層は、ポリマー及び溶剤の混合物中に前記、顔料及び/又は染料を分散或いは溶解させて、塗工液を作成し、これを塗工、乾燥、必要により硬化させることにより形成される。視ポリマーとして前記の紫外線硬化性樹脂を用いても良い。粘着剤層の厚さは、一般に10〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
保護層は、前記ハードコート層と同様にして形成することが好ましい。
剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
このようにして得られる本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムは、電界放出型ディスプレイの画像表示ガラス板の表面に貼り合わされて使用される。本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが貼付された電界放出型ディスプレイの一例の断面図を図7に示す。
カソードガラスシート75上に設けられたマイクロティップ74から、カソードとゲート電極73との電圧差によって生じる電子(電荷放出電子)が放出される。この電子がアノードガラスシート72の内側に形成された蛍光物質76に衝突し光を放つ。本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム71は、アノードガラスシート72の外側に貼付され、特に反射防止効果、帯電防止効果を奏する。
従って、本発明の電界放出型ディスプレイ(SEDを含むFED)は、反射防止効果、帯電防止性に優れ、危険な電磁波の放射もほとんど無いので、見やすく、ホコリ等が付きにくく、安全なディスプレイということができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(I)560〜640nmに透過率の極小値を有する反射防止フィルム又は視感透過率70%以上の反射防止フィルム(実施例1〜5及び比較例1〜3)
[実施例1]
厚さ100μmの長尺状PETフィルムの一方の表面に、シリカ微粒子分散紫外線硬化性樹脂(アクリロイル基を有する樹脂組成物)(商品名Z7501;JSR(株)製)からなるハードコート層形成用塗工液(シリカ含有量51質量%(固形分))を、グラビアコータで塗工、乾燥後、紫外線照射して硬化させ、厚さ6μmのハードコート層(図5の55に対応)を形成した。
次いで、このハードコート層の上に、ITO微粒子(平均粒径40nm)を分散させた紫外線硬化性樹脂(ITO含有量35質量%(固形分))を、前記と同様に塗工、硬化させて厚さ0.1μmの高屈折率層(図5の56に対応)を形成した。
さらに、高屈折率層の上にポーラスシリカ(中空シリカ、平均粒径40μm、比表面積 m3/g)を分散させた紫外線硬化性樹脂(シリカ含有量20.5質量%(固形分))を、前記と同様に塗工、硬化させて厚さ0.1μmの低屈折率層(図5の57に対応)を形成した。上記工程を連続的に実施して、ロール状の反射防止フィルム1を作製した。
得られた反射防止フィルム1の他方の表面に、ITO微粒子(平均粒径40nm)を分散させた紫外線硬化性樹脂(ITO含有量40質量%(固形分))を、前記と同様に塗工、硬化させて厚さ1μmの透明導電層(図5の52に対応)を形成した。これによりロール状の透明導電層付き反射防止フィルム2を作製した。
別に、アクリル系粘着剤(商品名SKダイン1811L;綜研化学(株)製)を、酢酸エチル/トルエン(80/20質量比)で希釈して固形分19質量%の粘着剤層形成用塗工液を得た。長尺状のPET剥離シート(厚さ37μm)の離型面に塗工、乾燥し、厚さ17μmの粘着剤層(図5の54)に対応を形成した。この粘着剤層の上に別のPET剥離シート(図5の58に対応)をラミネートし、粘着剤層をサンドイッチしたロール状粘着フィルム3を得た。
前記で得られたロール状の反射防止フィルム2の透明導電層の表面に、ロール状粘着フィルム3を、一方のPET離型フィルムを剥離しながら、粘着剤層を密着させ、連続的にラミネートした。これにより反射防止膜/透明基板/透明導電層/粘着剤層/剥離シート/PET剥離シートの構成を有するロール状の透明導電層付き反射防止フィルムAを作製した。
[実施例2]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、クロム錯塩染料(商品名Black MH special、保土谷化学工業(株)製)をアクリル系粘着剤に対して0.2質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムBを作製した。得られた反射防止フィルムBは、視感透過率80%を示した。
[実施例3]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、クロム錯塩染料(商品名Black MH special、保土谷化学工業(株)製)、マゼンタ色染料(化合物名C.I. Disperse Violet 31、商品名Plas Red 8380、有本化学工業(株)製)及びシアン色染料(化合物名C.I.Solvent Blue 35、商品名Oil Blue S502、有本化学工業(株)製)をアクリル系粘着剤に対してそれぞれ0.1質量%、0.07質量%、0.03質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムCを作製した。得られた反射防止フィルムCは、視感透過率80%を示した。
[実施例4]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、テトラアザポルフィリン系色素(光吸収極大波長:592nm、商品名TAP2、山田化学工業(株)製)をアクリル系粘着剤に対して0.1質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムDを作製した。得られた反射防止フィルムDは、図8の透過率グラフに示すように592nmにおいて70%の透過率の極小値を示し、また視感透過率は95%を示した。
[実施例5]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、テトラアザポルフィリン系色素(光吸収極大波長:592nm、商品名TAP2、山田化学工業(株)製)アクリル系粘着剤に対して0.1質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムEを作製した。得られた反射防止フィルムEは、図8の透過率グラフに示すように592nmにおいて60%の透過率の極小値を示し、また視感透過率は95%を示した。
[比較例1]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、クロム錯塩染料(商品名Black MH special、保土谷化学工業(株)製)をアクリル系粘着剤に対して0.2質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムFを作製した。得られた反射防止フィルムFは、視感透過率45%を示した。
[比較例2]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、クロム錯塩染料(商品名Black MH special、保土谷化学工業(株)製)、マゼンタ色染料(化合物名C.I. Disperse Violet 31、商品名Plas Red 8380、有本化学工業(株)製)及びシアン色染料(化合物名C.I.Solvent Blue 35、商品名Oil Blue S502、有本化学工業(株)製)をアクリル系粘着剤に対してそれぞれ0.1質量%、0.07質量%、0.03質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムGを作製した。得られた反射防止フィルムGは、視感透過率60%を示した。
[比較例3]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液に、テトラアザポルフィリン系色素(光吸収極大波長:592nm、商品名TAP2、山田化学工業(株)製)をアクリル系粘着剤に対して0.1質量%(固形分)加えて分散させた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムHを作製した。得られた反射防止フィルムHは、592nmにおいて40%の透過率の極小値を示した。
[透明導電層付き反射防止フィルムの評価]
(1)視感透過率
JIS−K−7105−1981に従い測定した。測定波長は400〜700nmであった。測定器は分光光度計(U4000(日立(株)製))を使用した。
(2)可視光線透過率の極小値
JIS−K−7105−1981に従い測定した。測定波長は400〜700nmであった。測定器は分光光度計(U4000(日立(株)製))を使用した。
(3)可視光線透過率(明るさ)
JIS−K−7105−1981に従い測定した。測定波長は400〜700nmであった。測定器は分光光度計(U4000(日立(株)製))を使用した。下記のように評価した。
○:光線透過率が平均で80%以上。
△:光線透過率が平均で50%以上80%未満。
×:光線透過率が平均で50%未満
(4)帯電防止性
得られた透明導電層付き反射防止フィルムを電界放出型ディスプレイの画面サイズに合わせて裁断して、そのディスプレイの画面(ガラス板)の表面に貼り付けた。この状態で、ディスプレイに通電して画像を表示させ、1時間後、表面の帯電状態を目視で以下のように評価した。
○:ほとんどホコリが付いていない。
△:ホコリがすこし付いている。
×:ホコリが多量に付いている。
(5)反射防止性
得られた透明導電層付き反射防止フィルムを電界放出型ディスプレイの画面サイズに合わせて裁断して、そのディスプレイの画面(ガラス板)の表面に貼り付けた。この状態で、ディスプレイに通電して画像を表示させ、反射の程度を目視で以下のように評価した。
○:ほとんど反射光を感じない。
△:やや反射光を感じる。
×:反射光を感じる。
(6)コントラスト
得られた透明導電層付き反射防止フィルムを電界放出型ディスプレイの画面サイズに合わせて裁断して、そのディスプレイの画面(ガラス板)の表面に貼り付けた。この状態で、ディスプレイに通電して画像を表示させ、コントラストの程度を目視で以下のように評価した。
○:反射光を感じない。
△:やや反射光を感じる。
×:反射光を感じる。
(7)反射色調(明度指数)
明度指数a*、b*を、JIS−K−8720−2000に従い測定した。測定波長は400〜700nmであった。測定器は分光光度計(U4000(日立(株)製))を使用した。
(8)発光色純度(色純度)
色純度を、JIS−K−8720−2000に従い測定した。測定波長は400〜700nmであった。測定器は分光光度計(U4000(日立(株)製))を使用した。FEDの反射防止フィルムの貼付前と後の色純度の差を測定し、下記のように評価した。
○:色純度が向上した。
△:色純度がやや向上した。
×:色純度が向上しない。
試験結果を表1に示す。
Figure 2006189784
(II)440〜460nm、530〜550nm、600〜620nm又は565〜585nmに透過率の極小値を有する反射防止フィルム(実施例6〜9)
[実施例6]
厚さ100μmの長尺状PETフィルムの一方の表面に、シリカ微粒子分散紫外線硬化性樹脂(アクリロイル基を有する樹脂組成物)(商品名Z7501;JSR(株)製)からなるハードコート層形成用塗工液(シリカ含有量51質量%(固形分))を、グラビアコータで塗工、乾燥後、紫外線照射して硬化させ、厚さ6μmのハードコート層(図5の55に対応)を形成した。
次いで、このハードコート層の上に、ITO微粒子(平均粒径40nm)を分散させた紫外線硬化性樹脂(ITO含有量35質量%(固形分))を、前記と同様に塗工、硬化させて厚さ0.1μmの高屈折率層(図5の56に対応)を形成した。
さらに、高屈折率層の上にポーラスシリカ(中空シリカ、平均粒径40μm、比表面積 m3/g)を分散させた紫外線硬化性樹脂(シリカ含有量20.5質量%(固形分))を、前記と同様に塗工、硬化させて厚さ0.1μmの低屈折率層(図5の57に対応)を形成した。上記工程を連続的に実施して、ロール状の反射防止フィルム1を作製した。
得られた反射防止フィルム1の他方の表面に、ITO微粒子(平均粒径40nm)を分散させた紫外線硬化性樹脂(ITO含有量40質量%(固形分))を、前記と同様に塗工、硬化させて厚さ1μmの透明導電層(図5の52に対応)を形成した。これによりロール状の透明導電層付き反射防止フィルム2を作製した。
別に、アクリル系粘着剤(商品名SKダイン1811L;綜研化学(株)製)を、酢酸エチル/トルエン(80/20質量比)で希釈して固形分19質量%の溶液を得、これにC.I. Solvent Yellow色素(光吸収極大波長:450nm;保土谷化学工業(株)製)を溶液の固形分に対して0.1質量%(固形分)添加し、粘着剤層形成用塗工液を得た。長尺状のPET剥離シート(厚さ37μm)の離型面に塗工、乾燥し、厚さ17μmの粘着剤層(図5の54)に対応を形成した。この粘着剤層の上に別のPET剥離シート(図5の58に対応)をラミネートし、粘着剤層をサンドイッチしたロール状粘着フィルム3を得た。
前記で得られたロール状の反射防止フィルム2の透明導電層の表面に、ロール状粘着フィルム3を、一方のPET離型フィルムを剥離しながら、粘着剤層を密着させ、連続的にラミネートした。これにより反射防止膜/透明基板/透明導電層/粘着剤層/剥離シート/PET剥離シートの構成を有するロール状の透明導電層付き反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムは、図9に示すように450nmの波長において68%の透過率の最小値を示し、また95%の視感透過率を示した。
[実施例7]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液の調製で、C.I. Solvent Yellow色素の代わりにマゼンタ色色素のアデカアークルズTY−235(光吸収極大波長:540nm;旭電化工業(株)製)を用いた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムは、図10に示すように540nmの波長において67%の透過率の最小値を示し、また95%の視感透過率を示した。
[実施例8]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液の調製で、C.I. Solvent Yellow色素の代わりにテトラアザポリフィリン系色素のTAP−10(光吸収極大波長:610nm;山田化学工業(株)製)を用いた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムは、図11に示すように610nmの波長において67%の透過率の最小値を示し、また95%の視感透過率を示した。
[実施例9]
実施例1において、粘着剤層形成用塗工液の調製で、C.I. Solvent Yellow色素の代わりにテトラアザポリフィリン系色素のTAP−10(光吸収極大波長:610nm;山田化学工業(株)製)を用いた以外同様にしてロール状の透明導電層付き反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムは、図12に示すように575nmの波長において68%の透過率の最小値を示し、また95%の視感透過率を示した。
実施例6〜9における透過率及び視感透過率の測定は、前述の通りに行った。
上記結果を表2にまとめて示す。
Figure 2006189784
本発明に従うFED用導電層付き反射防止フィルムの典型的な1例の概略断面図である。 本発明に従うFED用導電層付き反射防止フィルムの別の典型的な1例の概略断面図である。 本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の1例を描いた概略断面図である。 本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の別の1例を描いた概略断面図である。 本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の別の1例を描いた概略断面図である。 本発明のFED用導電層付き反射防止フィルムにおける好適態様の別の1例を描いた概略断面図である。 本発明の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが貼付された電界放出型ディスプレイの一例の断面図である。 本発明に従う実施例4及び5で得られた電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの透過率を示すグラフである。 本発明に従う実施例6で得られた電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの透過率を示すグラフである。 本発明に従う実施例7で得られた電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの透過率を示すグラフである。 本発明に従う実施例8で得られた電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの透過率を示すグラフである。 本発明に従う実施例9で得られた電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの透過率を示すグラフである。
符号の説明
11、21A、21B、31、41、51、61 透明基板
12、22、32,42、52、62 透明導電層
13、23、33、43、53、63 反射防止膜
35、45、55、65 ハードコート層
36、46、56、66 高屈折率層
37、47、57、67 低屈折率層
24、34、44A、44B、54、64A、64B 粘着剤層
68 剥離シート
59、69 保護層

Claims (28)

  1. 透明基板の一方の表面に反射防止膜が、他方の表面に透明導電層が設けられ、且つ440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において光線透過率の極小値を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  2. 一方の表面に反射防止膜が設けられた透明基板と、一方の表面に透明導電層が設けられ別の透明基板との、2枚の透明基板が、該膜又は層が形成されていない表面同士で粘着剤層を介して接着されてなる積層体であって、且つ440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において光線透過率の極小値を有することを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  3. 前記波長範囲が、560〜640nmである請求項1又は2に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  4. 前記波長範囲が、440〜460nm、530〜550nm及び600〜620nmの少なくとも1つの波長範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  5. 前記波長範囲が、565〜585nmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  6. 前記波長範囲における光線透過率の極小値が、50〜80%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  7. 透明導電層の上に粘着剤層が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  8. 透明導電層又は粘着剤層が、前記波長範囲の光を吸収する色素及び/又は顔料を含有している請求項1〜7のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  9. 透明導電層又は粘着剤層が、560〜640nmの波長範囲に透過率の極小値を有する材料として黒色顔料を含有している請求項1、2、3、6、7又は8に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  10. 透明導電層又は粘着剤層が、560〜640nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてテトラアザポルフィリン系色素を含有している請求項1、2、3、6、7又は8に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  11. 透明導電層又は粘着剤層が、440〜460nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてアントラキノン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素又はペリレン系色素を含有している請求項1、2、4、6、7又は8に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  12. 透明導電層又は粘着剤層が、530〜550nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてアントラキノン系色素又はアゾ系色素を含有している請求項1、2、4、6、7又は8に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  13. 透明導電層又は粘着剤層が、600〜620nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてテトラアザポルフィリン系色素、アントラキノン系色素又はアゾ系色素を含有している請求項1、2、4、6、7又は8に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  14. 透明導電層又は粘着剤層が、565〜585nmの波長範囲に透過率の極小値を有する色素としてテトラアザポルフィリン系色素、アントラキノン系色素又はアゾ系色素を含有している請求項1、2、5、6、7又は8に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  15. 透明導電層、反射防止膜及び粘着剤層が、塗工層である請求項1〜14のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  16. 反射防止膜が、塗工形成されたハードコート層、及びその上に設けられたハードコート層より屈折率の高い塗工形成された高屈折率層を含む膜である請求項1〜15のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  17. 表面抵抗値が108Ω/□以下である請求項1〜16のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  18. 明度指数が、−3<a*<3及び−2<b*<10を満足する請求項1〜17のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  19. 粘着剤層の上に剥離シートが設けられている請求項1〜18のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  20. 光線透過率が50%以上である請求項1〜19のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  21. 視認透過率が70%以上である請求項1〜20のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  22. 透明基板の一方の表面に反射防止膜が、他方の表面に透明導電層が設けられ、且つ視認透過率が70%以上であることを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  23. 一方の表面に反射防止膜が設けられた透明基板と、一方の表面に透明導電層が設けられ別の透明基板との、2枚の透明基板が、該膜又は層が形成されていない表面同士で粘着剤層を介して接着されてなる積層体であって、且つ視認透過率が70%以上であることを特徴とする電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルム。
  24. 透明基板の一方の表面に反射防止膜を塗工法により形成し、次いで他方の表面に透明導電層を塗工法により形成して、440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において光線透過率の極小値を有する電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムを製造する方法。
  25. 一方の表面に反射防止膜が設けられた透明基板と、一方の表面に透明導電層が設けられ別の透明基板との、2枚の透明基板を、該膜又は層が形成されていない表面同士対向させて粘着剤層を介して圧着することにより、440〜460nm、530〜550nm及び560〜640nmの少なくとも1つの波長範囲において光線透過率の極小値を有する電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムを製造する方法。
  26. 透明導電層を形成するための塗工液が、顔料及び/又は色素を含有している請求項24又は25に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの製造方法。
  27. 透明導電層上にさらに顔料及び/又は色素を含有する粘着剤層を塗工法により形成する請求項24〜26のいずれか1項に記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムの製造方法。
  28. 請求項1〜23のいずれかに記載の電界放出型ディスプレイ用導電層付き反射防止フィルムが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とする電界放出型ディスプレイ。
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