JP2010021480A - ディスプレイ用光学フィルタ、及びこれを用いたディスプレイ - Google Patents

ディスプレイ用光学フィルタ、及びこれを用いたディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、コントラストが向上され、鮮明な画像が得られるディスプレイ用光学フィルタを提供する。
【解決手段】透明基板10と、前記透明基板10の一方の表面上に形成されたメッシュ状の電磁波シールド層20と、前記透明基板10の他方の表面上に形成された色調補正層40とを有するディスプレイ用光学フィルタであって、
前記電磁波シールド層20における前記透明基板10と接する面以外の面上に黒化処理層30が形成されてなり、且つ
前記色調補正層40の視感透過率が、10〜70%であることを特徴とするディスプレイ用光学フィルタ。
【選択図】図1

Description

本発明は、白黒のコントラストが向上されることにより鮮明な画像が得られるディスプレイ用光学フィルタに関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)及びCRTディスプレイなどの電子ディスプレイが、表示装置として広く普及している。
近年、このような表示装置や通信機器等の普及にともない、これらから発生する電磁波によりもたらされる人体への影響が懸念されている。また、携帯電話等の電磁波により精密機器の誤作動などを起こす場合もあり、電磁波は問題視されている。そこで、電子ディスプレイ用フィルタとして、電磁波シールド性および光透過性を有するディスプレイ用光学フィルタが開発され、実用に供されている。
このディスプレイ用光学フィルタでは、光透過性と電磁波シールド性を両立することが必要である。そのために、ディスプレイ用光学フィルタとしては、例えば、透明基板上に電磁波シールド層が形成されたもの等が知られている。
従来のディスプレイ用フィルタに用いられる電磁波シールド層には、例えば、(1)金属銀を含む透明導電薄膜、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュ、(3)銅箔等の金属箔に開口部を設けたメッシュ状の導電層、(4)導電性インクをメッシュ状に印刷した導電層などが用いられる。なかでも、開口部により高い光透過性が得られることから(2)〜(4)のメッシュ状の導電層が好適に用いられている。導電性のメッシュの部分によって電磁波がシールドされ、開口部によって光の透過が確保される。
このように電磁波シールド層として、金属などを含む導電層を用いることにより電磁波シールド性を確保しているが、この金属の光沢により外部光源から照射された光源を反射させてディスプレイに表示された画像の視認性を低下させる場合があった。このため、電磁波シールド層において金属導電層の表面にさらに黒化処理層を形成することにより防眩性を付与する手段なども用いられている。黒化処理層の形成は、例えば、金属導電層を酸化処理又は硫化処理などすることにより、金属導電層に含まれる銅などの金属の一部を酸化又は硫化させることにより行われる。
黒化処理層は、電磁波シールド層表面の少なくとも一部に形成されるが、黒化処理層の形成部位は光学フィルタの用途に応じて決定される。例えば、図5〜図8に示すように、電磁波シールド層20の透明基板10と接する面を黒化処理することにより得られた黒化処理層30(図5)、電磁波シールド層20の透明基板10と接する面と対向する面を黒化処理することにより得られた黒化処理層30(図6)、電磁波シールド層20の透明基板10と接する面を除いた面全体を黒化処理することにより得られた黒化処理層30(図7)、電磁波シールド層20の表面全体を黒化処理することにより得られた黒化処理層30(図8)などが知られている。
これらの黒化処理のなかでも、視聴者がどのような角度からみても金属光沢による光の反射が抑制され、且つ低コストで製造できることから、電磁波シールド層20の透明基板10と接する面を除いた面全体に形成された黒化処理層(単に、「3方黒化処理層」ともいう)を形成するのが好ましい(特許文献1)。
特開2005−79172号公報
ハイビジョン分野などに対応するため、電子ディスプレイの高画質化、高精細化に伴い、光学フィルタにも透過画像の高いコントラストと鮮明性の更なる向上が必要とされている。
そこで、本発明は、コントラストが向上され、鮮明な画像が得られるディスプレイ用光学フィルタを提供することを目的とする。
従来の3方黒化処理層が形成された電磁波シールド層を有する光学フィルタでは十分な透過画像のコントラストと鮮明性が得られない理由としては、以下の原因が考えられる。
すなわち、透明基板10上に3方黒化処理層30が形成された電磁波シールド層20を有する従来の光学フィルタは、図9に示すように、粘着剤層80を介してガラス板又はディスプレイ本体の画像表示ガラス板90に接着して使用されるが、ディスプレイから発光された光が電磁波シールド層20の開口部を透過した場合には視聴者に透過画像として認識される。しかしながら、ディスプレイから発光された光が電磁波シールド層20の裏面により反射すると、前記光は画像表示ガラス板の裏面でさらに反射して視聴者に到達する。このような反射光や視聴者側からの入射光により、ディスプレイからの透過画像にズレが生じ、明所黒輝度が低下して、透過画像がぼやけ、鮮明な画像が得られなかった。
本発明者は、このような点に着目し種々の検討を行った結果、3方黒化処理層が形成された電磁波シールド層を有する光学フィルタにおいて、10〜70%の視感透過率を有する色調補正層を使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、透明基板と、前記透明基板の一方の表面上に形成されたメッシュ状の電磁波シールド層と、前記透明基板の他方の表面上に形成された色調補正層とを有するディスプレイ用光学フィルタであって、
前記電磁波シールド層の露出している全ての表面上に黒化処理層が形成されており、且つ
前記色調補正層の視感透過率が、10〜70%であることを特徴とするディスプレイ用光学フィルタにより上記課題を解決する。
本発明のディスプレイ用光学フィルタの断面図を図1に示す。
本発明のディスプレイ用光学フィルタは、図1に示すように、透明基板10と、前記透明基板10の一方の表面上に形成されたメッシュ状の電磁波シールド層20とを有し、前記電磁波シールド層20の露出している全ての表面上には黒化処理層30が形成されている。さらに、前記透明基板10の電磁波シールド層20が形成された面に対して対向する他方の表面上には、色調補正層40を有する。
このような構成を有する本発明の光学フィルタにおいて、色調補正層は、10〜70%の視感透過率を有する。ディスプレイからの光は、上述した通り、電磁波シールド層の裏面及びディスプレイの画像表示ガラス板の裏面を反射するが、このような反射光を前記色調補正層により視感透過率の2乗分だけ減衰させることができ、反射光による白黒のコントラストへの影響をほとんどなくすことができる。したがって、本発明のディスプレイ用光学フィルタによれば、ディスプレイからの画像を鮮明に映し出すことが可能となる。
(色調補正層)
色調補正層の視感透過率は、10〜70%、好ましくは30〜70%、より好ましくは35〜60%である。なお、本発明において、色調補正層の視感透過率は、JIS−Z−8701(2005年)により測定した値とする。
色調補正層は、色調補正用色素を含有する層である。このような色素としては、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料、色素等一般的なものが挙げることができる。無機顔料としては、コバルト化合物、鉄化合物、クロム化合物等を挙げることができ、有機顔料としては、アゾ系、インドリノン系、キナクリドン系、バット系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系等を挙げることができ、前記有機系染料及び色素には、アゾ系、アジン系、アントラキノン系、インジゴイド系、オキサジン系、キノフタロン系、スクワリウム系、スチルベン系、トリフェニルメタン系、ナフトキノン系、ピラロゾン系、ポリメチン系等を挙げることができる。
色調補正層における色調補正用色素の含有量は、色調補正層を構成する成分の全量に対して、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
色調補正層には、上述した色調補正用色素の他に、バインダーが含まれる。前記バインダーとしては、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、およびノルボルネン樹脂などが好ましく用いられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、色調補正層は2層以上からなってもよい。
色調補正層の厚さは、2〜50μm、特に5〜30μmとするのが好ましい。これにより、反射光による白黒のコントラストへの影響をさらに低減することができる。
色調補正層の作製方法としては、色調補正用色素、バインダ樹脂、及び必要に応じて有機溶剤などを含む塗工液を、透明基板の電磁波シールド層が形成される面に対して反対側に面に塗工した後に乾燥させることにより得られる。前記乾燥は、塗工液の塗布層を
80〜100℃に加熱して行うのが好ましい。
塗工液は、有機溶剤をさらに含むのが好ましい。有機溶剤は、特に制限されないが、バインダ樹脂を溶解又は分散させ且つ乾燥が容易なものが好ましい。具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、アルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤、石油系溶剤などが挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
塗工液の塗工方法は、バーコーター、ロールコーター、スリットダイコーターなどの公知の塗工手段を用いることができる。
(透明基材)
色調補正層及び電磁波シールド層が形成される透明基材としては、透明度及び可とう性を備え、その後の処理に耐えるものであれば特に制限はない。透明基材の材質としては、例えば、ガラス、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好ましい。なかでも、安価であり優れた耐久性を有することから、PETであるのが好ましい。透明基材は、これらの材質からなるシート、フィルム、または板として用いられる。
前記透明基材の厚さは、特に制限されないが、6〜250μm、特に6〜150μm程度であるのが好ましい。
(電磁波シールド層)
メッシュ状の電磁波シールド層は、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金からなるのが好ましい。この中でも、銅、ステンレス、アルミニウムが特に好ましい。
このような電磁波シールド層は、透明基板上に作製した金属箔をメッシュ状にエッチング加工することにより、開口部を設けた層であるのが好ましい。これにより、高密度に形成された開口部により高い光透過性が得られ、画像視認性に優れる電磁波シールド層が得られる。
透明基板上に金属箔を作製するには、まず、スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等の気相製膜法や、印刷、塗工などの方法を用いることができる。
また、電磁波シールド層を作製するには、上記方法の他にも、透明基板上に、溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成し、フィルム面に溶剤に対して不溶な導電材料からなる導電材料層を形成し、フィルム面を溶剤と接触させてドット及びドット上の導電材料層を除去する方法を用いても良い。このような方法は、例えば、特開2001−332889号公報などに記載されている。
電磁波シールド層の線で囲まれた開口部の形状は、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意の形状とすることができるが、一般に角形であり、特に正方形であることが好ましい。また線は網状であるが、格子状とすることが好ましい。
電磁波シールド層におけるメッシュパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の開口部が形成された格子状や、円形、六角形、三角形又は楕円形の開口部が形成されたパンチングメタル状などが挙げられる。また、開口部は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。例えば、開口部21の形状が正方形である電磁波シールド層20のメッシュ状パターンの一例を図2に示す。
メッシュ状(格子状を含む)の電磁波シールド層の線幅(W1)は、好ましくは10〜35μm、より好ましくは20〜30μm、特に好ましくは25〜30μmである。線間隔(W2)は、好ましくは150〜300μm、より好ましくは150〜250μm、特に好ましくは150〜200μmである。
また、電磁波シールド層の開口率は、好ましくは60〜95%、より好ましくは65〜80%である。なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。
(黒化処理層)
電磁波シールド層において、透明基板と接する面以外の面上には、黒化処理層が形成される。
黒化処理層は、電磁波シールド層表面を酸化処理又は硫化処理によって形成されるのが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
前記黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
前記黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
また、黒化処理層は、電磁波シールド層表面に黒色めっき処理によって形成されてもよい。黒色めっき金属としては、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金などが好ましく挙げられる。これにより、黒色度合い及び導電性に優れる黒色合金層が得られ、防眩性の付与とともに電磁波シールド性を向上させることができる。ニッケルと亜鉛又はスズとの合金からなる黒化処理層におけるニッケルと亜鉛又はスズとの質量比(Ni/Zn)は、0.4〜1.4、特に0.2〜1.2とするのが好ましい。
黒化処理層の厚さは、0.001〜1μm、特に0.01〜0.1μmとするのが好ましい。
(機能性層)
本発明の光学フィルタでは、例えば、図3に示すように、上述した電磁波シールド層20上に防眩層又は反射防止層などの機能性層50がさらに形成されていてもよい。これにより、光学フィルタ表面における外光の反射を抑制することができ、画像視認性をさらに向上させることができる。
(防眩層)
防眩層は、いわゆるアンチグレア層であり、外光の反射を低減することができるものであり、優れた反射防止効果を有する。
防眩層は、合成樹脂と透明フィラーとを含む層などが挙げられる。透明フィラーの具体例としては、例えばポリ((メタ)アクリレート)フィラー、架橋ポリ((メタ)アクリレート)フィラー、ポリスチレンフィラー、架橋ポリスチレンフィラー、架橋ポリ(アクリル−スチレン)フィラー、メラミン樹脂フィラー、ベンゾグアナミン樹脂フィラー等の透明樹脂フィラーが好ましく挙げられる。透明フィラーの平均粒径は、1〜20μm、好ましくは1〜10μmである。
合成樹脂は、一般に熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂であり、好ましくは紫外線硬化性樹脂である。紫外線硬化性樹脂は、短時間で硬化させることができ、生産性に優れる。
紫外線硬化性樹脂のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
上記紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
防眩層の厚さは、100〜10000Åが好ましく、100〜1000Åがより好ましい。防眩層の厚みが、100Å未満であると光の反射防止効果が充分でないことがあり、10000Åを超えるとパターンを除去するのが困難となり、斜視した際の見かけ上の開口率が低下することがある。
防眩層の形成方法としては、特に制限はなく、透明フィラー、紫外線硬化性樹脂のモノマー、オリゴマー、及び必要に応じて光重合開始剤、有機溶剤を含む塗工液を、メッシュ状の電磁波シールド層及び電磁波シールド層の開口部において露出している透明基板を全て覆うように塗工し、紫外線照射などにより硬化させるのが特に好ましい。
塗工層を紫外線照射により硬化させる場合には、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光などを挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め塗工層を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
(反射防止層)
反射防止層としては、屈折率の低い低屈折率層及び/又は屈折率の高い高屈折率層が挙げられる。反射防止層は、(1)透明基板より屈折率の低い低屈折率層のみが形成されてもよく、(2)透明基板より屈折率の高い高屈折率層と、高屈折率層より屈折率の低い低屈折率層とがこの順で積層されて形成されてもよい。
低屈折率層としては、合成樹脂と、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを含む層が用いられる。
中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。また、シリカ、好ましくは中空シリカは、シランカップリング剤で処理されていてもよい。これにより安定性、反射防止性を向上させることができる。
シリカ、フッ素樹脂などの微粒子の含有量は、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
低屈折率層の厚さは、通常は10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。また、低屈折率層の屈折率は、1.35〜1.45が好ましい。
高屈折率層としては、合成樹脂と、ITO、ATO、Sb23、ZrO2、SbO2、In23、SnO2、ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2等の金属酸化物微粒子とを含む層が用いられる。
金属酸化物微粒子は、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。ITO、特に平均粒径10〜50nmのものが好ましい。
高屈折率層の厚さは、通常は10〜500nm、好ましくは20〜200nmである。また、高屈折率層の屈折率は1.64以上であるのが好適である。
低屈折率層及び高屈折率層に使用される合成樹脂は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂であり、好ましくは紫外線硬化性樹脂である。紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)及び光重合開始剤として具体的には、防眩層において上述したのと同様のものが用いられる。
低屈折率層及び高屈折率層は、シリカなどの微粒子又は金属酸化物微粒子、合成樹脂、好ましくは紫外線硬化性樹脂のモノマー、オリゴマー、及び必要に応じて光重合開始剤、有機溶剤などを含む塗工液を、メッシュ状の電磁波シールド層及び電磁波シールド層の開口部において露出している透明基板を全て覆うように塗工し、上述した防眩層と同様にして紫外線照射などにより硬化させることにより形成される。
上述した防眩層又は反射防止層などの他の機能性層は、図3に示すように、電磁波シールド層上に直接形成されていてもよいが、これらの機能性層を他の透明基材上に形成した機能性シートとして用い、この機能性シートを粘着剤層を介して電磁波シールド層上に貼着させてもよい。
具体的には、図4に示すように、第2の透明基板60と、前記第2の透明基板60の一方の表面上に形成された防眩層又は反射防止層からなる機能性層50と、前記第2の透明基板60の他方の表面上に形成された粘着剤層70とを有する機能性シートを用い、前記機能性シートが粘着剤層70を介して前記電磁波シールド層20上に積層されている構成などが挙げられる。
機能性シートにおいて第2の透明基板上に形成される防眩層又は反射防止層としては、上述したのと同様のものを使用することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、第2の透明基板としても、色調補正層及び電磁波シールド層が形成される透明基材として上述したのと同様のものを使用することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
機能性シートにおける粘着剤層は、接着機能を有する樹脂を含む。このような樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アクリル樹脂(例、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体を挙げることができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系粘着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン)及びSBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)等の熱可塑性エラストマー等も用いることができるが、良好な接着性が得られやすいのはアクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂である。
前記透明粘着剤層の材料として、EVAも使用する場合、EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生じ易い。
EVAなどを使用する場合、透明粘着剤層はさらに架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイド等を挙げることができる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、5質量部以下、好ましくは0.5〜5.0質量部の割合で使用される。
粘着剤層には、接着促進剤としてシランカップリング剤が併用されてもよい。このシランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、一般にEVA100質量部に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部の割合で1種又は2種以上が混合使用される。
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を粘着剤層にさらに添加することができる。EVAを光により架橋する場合、透明粘着剤層には、上記過酸化物の代りに光増感剤が使用される。
なお、本発明に係る粘着剤層には、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいてもよく、また、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
粘着剤層の厚さは、一般に10〜50μm、好ましくは、20〜30μmの範囲が好ましい。
透明粘着剤層は、例えばEVAと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。また、機能性シートは、上記粘着剤層を電磁波シールド層上に加熱圧着することによる装備することができる。
本発明の光学フィルムは、上述した通り、ディスプレイからの画像を鮮明に映し出すことができる。したがって、本発明の光学フィルムの透過鮮明度は、230以上、特に235〜350であり、高い視認性を達成することができる。なお、本発明において透過鮮明度は、JIS K 7105に準拠して測定した、4種類のスリットの合計値である。
さらに、本発明の光学フィルムは、光の散乱が抑制されることにより、黒輝度が低下し、優れたコントラストを有する。したがって、本発明の光学フィルムの黒輝度は、0.30cd/cm2以下、特に0.20〜0.25cd/cm2である。
本発明の光学フィルムは、ディスプレイの画像表示ガラス板の表面に粘着剤層を介して貼合する等の手段を用いて、ディスプレイに適用できる。この際、本発明の光学フィルタは、画像表示ガラス板側に色調補正層が配置され、視聴者側に金属導電層が配置されるようにディスプレイに適用される。したがって、光学フィルムの色調補正層上には、粘着剤層がさらに形成されているのが好ましい。
色調補正層上に形成される粘着剤層としては、機能性シートにおいて上述した粘着剤層と同じものが使用できる。
粘着剤層上にはさらに剥離シートが設けられるのが好ましい。剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
本発明の光学フィルタが適用されるディスプレイとしては、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)、及びCRTディスプレイなどが挙げられ、プラズマディスプレイパネル(PDP)が特に好ましく挙げられる。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明が下記実施例に限定されるわけではない。
(実施例1)
1.メッシュ状の電磁波シールド層の形成
ポリエチレンテレフタレートフィルムA(厚さ100μm)上に、スパッタリング法により、銅箔(厚さ10μm)を付着させた。この銅箔を、フォトリソグラフィー法によりドットパターンを形成して銅箔露出部分をエッチングすることにより、メッシュ状の電磁波シールド層(厚さ10μm、線幅28μm、線間隔164μm、開口率69%)を得た。
2.黒化処理層の形成
電磁波シールド層が形成されたPETフィルムAを、下記組成を有する60℃の黒化処理液中に5分間浸漬させることにより、電磁波シールド層に黒化処理を行った。この黒化処理により、電磁波シールド層のPETフィルムAと接する面以外の全ての面上に黒鉛化処理層(厚さ1.5μm)を形成した。
黒化処理液組成(水溶液)
亜塩素酸ナトリウム: 10質量%
水酸化ナトリウム: 4質量%
3.色調補正層の形成
PETフィルムAの電磁波シールド層が形成された面とは反対側の面上に、下記組成の色調補正層用塗工液をバーコータを用いて塗布し、100℃で1分間加熱することにより硬化させた。これによりPETフィルム上に色調補正層(厚さ5μm)を形成した。
色調補正層用塗工液
ポリメチルメタクリレート 30質量部
TAP−2 (山田工業化学(株)製) 0.4質量部
PlastRed8380 (有本化学工業(株)製) 0.1質量部
メチルエチルケトン 152質量部
メチルイソブチルケトン 18質量部
4.機能性シートの作製及び積層
別途、用意されたPETフィルムB(厚さ100μm)上に、下記組成を有する防眩層用塗工液を、バーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これによりPETフィルム上に防眩層(厚さ100μm)を形成した。
防眩層用塗工液組成
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 80質量部
透明樹脂フィラー(架橋ポリメタクリレート;平均粒径5μm)
20質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 4質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
次に、PETフィルムの防眩層が形成された面とは反対側の面に、下記組成を有する粘着剤層用塗工液Aをバーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これによりPETフィルム上に粘着剤層A(厚さ25μm)が形成された機能性シートを得た。
粘着剤層用塗工液A
SKダイン1811L(綜研化学(株)製) 100質量部
硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.45質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 4質量部
上記で得られた機能性シートを、電磁波シールド層上に粘着剤層Aが配置されるようにして、電磁波シールド層上に積層した後、オートクレーブ中、70℃で50分間加熱することにより接着させた。
5.粘着剤層Bの形成
色調補正層上に、下記組成を有する粘着剤層用塗工液Bをバーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これにより色調補正層上に粘着剤層B(厚さ25μm)を形成した。
粘着剤層用塗工液B
SKダイン1811L(綜研化学(株)製) 100質量部
硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.45質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 4質量部
以上の手順により、図4に示すように、PETフィルム10の一方の面上に、電磁波シールド層20、黒化処理層30が形成され、さらに電磁波シールド層20上に接着剤層A70を介してPETフィルム60上に防眩層50が形成された機能性シートが積層され、またPETフィルム10の他方の面上には色調補正層40、接着剤層B(図示せず)が形成された光学フィルタを得た。
(比較例1)
1.メッシュ状の電磁波シールド層及び黒化処理層の形成
ポリエチレンテレフタレートフィルムA(厚さ100μm)上に、実施例1と同様にして、メッシュ状の電磁波シールド層及び黒化処理層を形成した。
2.機能性シートの作製及び積層
別途、用意されたPETフィルムB(厚さ100μm)上に、実施例1と同様にして防眩層を形成した。
次に、PETフィルムBの防眩層が形成された面とは反対側の面に、実施例1と同様の組成を有する色調補正層用塗工液をバーコータを用いて塗布し、100℃で1分間加熱することにより硬化させた。これによりPETフィルムB上に色調補正層(厚さ5μm)を形成した。
さらに、色調補正層上に、実施例1と同様の組成を有する粘着剤層用塗工液Aをバーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これにより色調補正層上に粘着剤層A(厚さ25μm)が形成された機能性シートを得た。
上記で得られた機能性シートを、電磁波シールド層上に粘着剤層Aが配置されるようにして、電磁波シールド層上に積層した後、オートクレーブ中、70℃で50分間加熱することにより接着させた。
3.粘着剤層Bの形成
PETフィルムAの電磁波シールド層が形成された面とは反対側の面上に、実施例1と同様の組成を有する粘着剤層用塗工液Bをバーコータを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。これによりPETフィルム上に粘着剤層B(厚さ25μm)を形成した。
以上の手順により、図10に示すように、PETフィルムA10の一方の面上に、電磁波シールド層20、黒化処理層30が形成され、さらに電磁波シールド層20上に接着剤層A70を介してPETフィルムB60の一方の面上に色調補正層40が形成され、他方の面上に色調補正層40が形成された機能性シートが積層され、またPETフィルムA10の他方の面上には接着剤層B(図示せず)が形成された光学フィルタを得た。
(比較例2)
実施例1の黒化処理層の形成において、透明基板上にスパッタリング法により銅箔(厚さ10μm)を堆積させ、前記銅箔に黒化処理を行った後、フォトリソグラフィー法でエッチングすることにより、電磁波シールド層において透明基板と接する面に対向する面上のみに黒化処理層を形成した以外は実施例1と同様にして光学フィルタを作製した。
以上の手順により、図11に示すように、PETフィルム10の一方の面上に、電磁波シールド層20、黒化処理層30が形成され、さらに電磁波シールド層20上に接着剤層A70を介してPETフィルム60上に防眩層50が形成された機能性シートが積層され、またPETフィルム10の他方の面上には色調補正層40、接着剤層B(図示せず)が形成された光学フィルタを得た。
(評価)
1.色調補正層の視感透過率
各実施例と同じ組成を有する色調補正層を別のPETフィルム(厚さ100μm)上に形成し、前記色調補正層の視感透過率を、JIS Z 8701(2005年)に基づき、分光型測色計(カラーアナライザーTC1800、有限会社東京電色製)により測定した。結果を表1に示す。
2.光学フィルタの透過鮮明度
光学フィルタの透過鮮明度を、写像性測定器(ICM−2D型、スガ試験機株式会社製)を用いて、JIS K 7105(2006年)に基づく、4種類の光学くし(0.125mm、0.5mm、1mm、および2mm)で測定した数値の合計をもって測定した。結果を表1に示す。
3.光学フィルタの明所黒輝度
ガラス板(厚さ4mm)の裏面に黒ラッカー(ラッカースプレー、株式会社アサヒペン製)を厚さ100μmで塗布した後、25℃で1時間乾燥させることにより、ガラス板の裏面を黒色にした。このガラス板の黒色の裏面に対向する表面上に、光学フィルタを接着剤層Bがガラス板側配置されるように積層し、光学フィルタの中心に正対するように輝度計(分光放射輝度計 CS−1000、コニカミノルタセンシング株式会社製)を設置し、32Wの白色蛍光灯(ルピカライン、三菱電機株式会社製)により光学フィルタに対して45°の角度から光学フィルタ表面の照度が150lxとなるように光を照射した状態で、光学フィルタの黒表示における輝度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2010021480
このように本発明の実施例1で作製した光学フィルタは、高い透過鮮明度を有するとともに黒輝度が低く、これにより透過画像の高いコントラストが向上し、鮮明な画像が得られることがわかる。
本発明の一実施形態である光学フィルタの断面図を示す。 電磁波シールド層の上面図を示す。 本発明の他の実施形態である光学フィルタの断面図を示す。 本発明の他の実施形態である光学フィルタの断面図を示す。 従来の光学フィルタの断面図を示す。 従来の光学フィルタの断面図を示す。 従来の光学フィルタの断面図を示す。 従来の光学フィルタの断面図を示す。 画像用表示ガラスに貼着された従来の光学フィルタの断面図を示す。 比較例1で作製した光学フィルタの断面図を示す。 比較例2で作製した光学フィルタの断面図を示す。
符号の説明
10 透明基板、
20 電磁波シールド層、
21 開口部、
30 黒化処理層、
40 色調補正層、
50 機能性層
60 第2の透明基板、
70 接着剤層、
80 接着剤層、
90 画像表示ガラス。

Claims (10)

  1. 透明基板と、前記透明基板の一方の表面上に形成されたメッシュ状の電磁波シールド層と、前記透明基板の他方の表面上に形成された色調補正層とを有するディスプレイ用光学フィルタであって、
    前記電磁波シールド層の露出している全ての表面上に黒化処理層が形成されており、且つ
    前記色調補正層の視感透過率が、10〜70%であることを特徴とするディスプレイ用光学フィルタ。
  2. 前記色調補正層の厚さが、2〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  3. 前記電磁波シールド層は、金属箔をエッチング処理することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  4. 前記電磁波シールド層が、線幅が10〜35μmであり、線間隔が150〜300μmであることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  5. 前記電磁波シールド層上に、防眩層又は反射防止層をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  6. 第2の透明基板と、前記第2の透明基板の一方の表面上に形成された防眩層又は反射防止層と、前記透明基板の他方の表面上に形成された粘着剤層とを有する機能性シートをさらに有し、
    前記機能性シートが粘着剤層を介して、前記電磁波シールド層上に積層されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  7. 透過鮮明度が230以上であり、且つ明所黒輝度が0.30cd/cm2以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  8. プラズマディスプレイパネル用光学フィルタであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とするディスプレイ。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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