JP2003202629A - プロジェクション光学装置 - Google Patents

プロジェクション光学装置

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JP2003202629A
JP2003202629A JP2002118492A JP2002118492A JP2003202629A JP 2003202629 A JP2003202629 A JP 2003202629A JP 2002118492 A JP2002118492 A JP 2002118492A JP 2002118492 A JP2002118492 A JP 2002118492A JP 2003202629 A JP2003202629 A JP 2003202629A
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light
polarization
lens
optical device
projection optical
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Application number
JP2002118492A
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English (en)
Inventor
Yoji Noguchi
要治 野口
Makoto Kitagawa
真 北川
Kazuhiro Inoko
和宏 猪子
Kotaro Hosoda
康太郎 細田
Hiroshi Shiina
浩 椎名
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射型画像構成素子から後段の投射レンズま
での間に広がる光を効率良く集光可能とする。 【解決手段】 反射型画像構成素子6とワイヤーグリッ
ド偏光分離素子4との間に集光レンズ5を配し、反射型
画像構成素子6への入射光を略平行光とする。集光レン
ズ5の光弾性係数Bを{B(10-12×Pa)}<1.0
(単位:nm/cm/105Pa)とする。反射型画像
構成素子6からの画像の光を入射する投射レンズ7の入
射口径φを大きくし、反射型画像構成素子6の矩形状の
画像構成面の2辺の長さをa,b(b:投射レンズ7の
光軸と略平行な辺の長さ)とした時、 a≦bの時、(b+b/3)<φ<(b+b/2) a>bの時、(a+b/3)<φ<(a+b/2) とする。反射型画像構成素子6とワイヤーグリッド偏光
分離素子4との間にリターダー素子を設け、任意の偏光
成分を選択的に予め定めた位相だけ遅延させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
光学装置に関わり、特に、液晶プロジェクタの光学装置
に好適に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】図7に、反射型液晶パネルとPBSプリ
ズムとを用いたプロジェクション光学装置の従来技術を
示す。図7において、光源1から出た光は、照明系を構
成するレンズ系2及び偏光変換系3を通して、適切な光
路上の適切な偏光に変換された後、PBSプリズム18
に入射される。入射した偏光光8に対し、偏光分離素子
であるところのPBSプリズム18は、それを透過する
ように作用し、透過した光9は、反射型液晶パネル等で
構成された反射型画像構成素子6に入射される。
【0003】ここで、反射型画像構成素子6には図示し
ていない電気制御回路が接続されており、入力された電
気信号に応じて、反射型画像構成素子6の画素毎の偏光
変換の程度を制御し、元の偏光(例えば、P偏光とす
る)から、90°角度の異なる偏光(S偏光)へ変換さ
れる光の度合いを制御することによって、画素毎の濃淡
を表し、画像を構成する。画素毎の偏光変換の度合いに
よって、画像を構成された光10は、再び、反射型画像
構成素子6の入射面と同一の面から出射される。この光
10が、再び、PBSプリズム18に戻され、偏光が変
化していない光には、透過させるように作用し、偏光が
変化した光に対しては、反射させるように作用して、P
BSプリズム18のプリズム面で反射された光11は、
投射レンズ7へ入射されて投影される。
【0004】以上のように、反射型画像構成素子6即ち
反射型液晶パネルを使う場合、入射光、出射光の光軸が
一致し、光の濃淡を生じせしめるには、その入出射軸上
に偏光分離素子(上記の例では、PBSプリズム18)
を設け、元の偏光から変化したものだけを別に分離する
ことが必要となる。PBSプリズム18は、偏光分離素
子としてよく知られているものであるが、それを構成す
るガラスによって複屈折を生じる欠点があり、また、コ
ントラストが悪いこと、ユニフォミティーが悪いこと等
の欠点があった。かかる欠点は、光路の多くを占めるP
BSプリズム18が複屈折を生じる材料で構成され、し
かも、温度不均一を生じやすいガラスの塊でできている
ことに起因する。そこで、光路上を空気よりも屈折率の
高い物質で占める割合の少ない偏光分離素子であるワイ
ヤーグリッド偏光分離素子を用いた光学装置が、米国特
許第6234634号公報に開示されている。
【0005】図8にかかる公報に開示された構成を示
す。尚、図8において、図7と等価な構成要素について
は同一の符号を付している。図8において、光源1から
出た光は、レンズ系19を介し、ワイヤーグリッド偏光
分離素子4に入射される。入射した偏光光に対し、偏光
分離素子であるところのワイヤーグリッド偏光分離素子
4は、それを透過するように作用し、光は、反射型液晶
パネル等で構成された反射型画像構成素子6に入射され
る。反射型画像構成素子6によって、画像を構成された
光は、再び、反射型画像構成素子6の入射面と同一の面
から出射される。この光は、投射レンズ7へ入射され、
スクリーン17に投影される。尚、図7と比較しやすい
ように、図8を等価な構成に書き直したものが図9であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図8に示すよ
うに空気よりも屈折率の高い物質が光路を占める割合の
少ないワイヤーグリッド偏光分離素子4を用いた場合、
例えば、投射レンズ7等、その後に続く光学部品のレン
ズバック(フォーカスが合う点である反射型画像構成素
子6の表面から投射レンズ7等後段の光学部品の入射口
までの空気換算長)が、図7に示すPBSプリズム18
より長くなるという問題が生じる。従って、光の利用効
率をPBSプリズム18を使用したときのように高く維
持することが出来ないという問題が生じる。即ち、PB
Sプリズム18を使った場合は、屈折率1.5以上のガ
ラスによって、反射型画像構成素子6から投射レンズ7
等その後に続く光学部品の入射口までの光路の大部分が
占められるため、空気換算長は、空間上の長さに比べ、
約2/3倍程度の短いものとなる。
【0007】これに対し、ワイヤーグリッド偏光分離素
子4のように、光路を空気よりも屈折率の高い物質で占
める割合の少ない偏光分離素子で置き換えた場合は、そ
の空気換算長が、空間上の長さにほぼ等しい長さとな
る。従って、ワイヤーグリッド偏光分離素子4を用いた
場合は、PBSプリズム18を用いた場合の1.5倍の
レンズバック長となり、反射型画像構成素子6から投射
レンズ7等その後に続く光学部品までの間に、光はより
広がり、次段の光学部品の入射口に入る光は減少する。
本発明は、かかる課題に鑑み、これを解決したプロジェ
クション光学装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するため、以下のような手段を講じた。まず、その
1つは、次段の光学部品の入射口径を大きくし、光利用
効率を向上させることとし、同等の明るさを維持する。
即ち、本発明にかかるプロジェクション光学装置は、光
源と、該光源からの光を集光するレンズと、該レンズに
より集光された光の偏光面を揃える偏光手段と、該偏光
手段を通過した光の光路上に設置され、光の偏光面によ
り光を透過または入射光路と異なる方向に反射する偏光
分離手段と、該偏光分離手段を透過した光により画像を
構成し、光の偏光面を回転させて入射光路方向に反射す
る画像構成手段と、該画像構成手段で反射され、更に前
記偏光分離手段で反射された光が入射される投射レンズ
と、を具備したプロジェクション光学装置において、前
記画像構成手段から前記偏光分離手段へ進む光の光軸ベ
クトルと、前記変更分離手段から前記投射レンズへ進む
光の光軸ベクトルとの2ベクトルから概略定まる平面に
対して、前記画像構成手段の矩形状の画像構成面の各辺
の内、概略法線方向となる1辺の長さをaとし、それと
垂直なもう1辺の長さをbとした時 a≦bであれば、(b+b/3)<φ<(b+b/2) a>bであれば、(a+b/3)<φ<(a+b/2) となるφを、入射口径とした前記投射レンズを有するこ
ととしている。
【0009】その2つ目は、本発明にかかるプロジェク
ション光学装置は、光源と、該光源からの光を集光する
レンズと、該レンズにより集光された光の偏光面を揃え
る偏光手段と、該偏光手段を通過した光の光路上に設置
され、光の偏光面により光を透過または入射光路と異な
る方向に反射する偏光分離手段と、該偏光分離手段を透
過した光により画像を構成し、光の偏光面を回転させて
入射光路方向に反射する画像構成手段と、該画像構成手
段で反射され、更に前記偏光分離手段で反射された光が
入射される投射レンズと、を具備したプロジェクション
光学装置において、前記偏光分離手段と前記画像構成手
段との間の光路上に集光レンズを設置した。
【0010】ここで、前記画像構成手段と前記投射レン
ズ間の光路距離をLとし、該光路距離L内で前記偏光分
離手段の占める距離をLaとした場合、 La<0.1×L の関係を満たすことが好ましい。また、前記集光レンズ
は、前記画像構成手段への入射光が略平行光となるよう
に集光することが好ましく、前記集光レンズの光弾性係
数Bが、 {B(10-12×Pa)}<1.0(単位:nm/cm/
105Pa) の関係にあることが好ましい。加えて、前記投射レンズ
はFナンバー2.8以上であることが好ましい。
【0011】更に、前記偏光分離手段の光の反射率及び
透過率が、光の入射角度が57°以下かつ33°以上の
範囲において、前記偏光分離手段の光の反射率及び透過
率のそれぞれの最高値の90%以上の値であることが好
ましく、更には、前記偏光分離手段がワイヤーグリッド
偏光分離素子であることが好ましい。尚、前記集光レン
ズ及び前記投射レンズが光学軸中心から偏心していても
良い。更に、前記画像構成手段と前記偏光分離手段との
間にリターダー素子を設け、かつ、該リターダー素子が
任意のある角度の偏光成分だけを、該偏光成分と90°
角度が異なる偏光成分に対して、選択的に予め定めたあ
る一定の位相遅延を生じせしめるものとすることによっ
て、投影画像における面内均一性を高めることができ
る。また、偏光手段を、前記偏光手段とは90°異なる
偏光を出力するように設置し、当該偏光手段から出射さ
れた該偏光が、前記偏光分離手段で反射されて、前記画
像構成手段に入射され、前記画像構成手段で反射された
光が、前記偏光分離手段を透過して、前記投射レンズに
入射される構成とすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るプロジェク
ション光学装置の実施形態について、図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明に係るプロジェクション光
学装置の第1の実施形態を示す構成図である。なお、図
1においては、偏光分離素子として、ワイヤーグリッド
偏光分離素子4を用い、かつ、投射レンズ7の入射口径
を大きくしている場合を例示している。
【0013】まず、図1あるいは図7において、反射型
画像構成素子6から偏光分離素子であるワイヤーグリッ
ド偏光分離素子4あるいはPBSプリズム18へ進む光
10の光軸ベクトルと、ワイヤーグリッド偏光分離素子
4あるいはPBSプリズム18から投射レンズ7へ進む
光11の光軸ベクトルとの2つのベクトルから概略定ま
る平面(図1と図7とにおいては、いずれも紙面がその
平面に相当する)に対して、反射型画像構成素子6の画
像構成面(ここでは、反射型画像構成素子6の前面すべ
てが画像構成面であるとする)の辺の内、概略法線方向
となる前記画像構成面の1辺の長さ(図示しないが、図
1と図7とにおいては、いずれも紙面に対する法線方向
の辺の長さ)をa、前記1辺と垂直な前記画像構成面の
もう1辺の長さをb(図1及び図7にて図示している)
とした場合について、以下に説明する。
【0014】従来技術における図7の場合は、投射レン
ズ7の入射口径をΨとすると、a≦b であれば、投射
レンズ7のFナンバーfが、2≦f≦3とした時、 {b+b/(1.5×3)}<Ψ<{b+b/(1.5×
2)} 一方、a>b であれば、投射レンズ7のFナンバーf
が、2≦f≦3とした時、 {a+b/(1.5×3)}<Ψ<{a+b/(1.5×
2)} となる。
【0015】一方、図1に示す本発明に係る実施形態の
場合、投射レンズ7の入射口径をφとすると、a≦b
であれば、投射レンズ7のFナンバーfが、2≦f≦3
とした時、 {b+b/3}<φ<{b+b/2} 一方、a>b であれば、投射レンズ7のFナンバーf
が、2≦f≦3とした時、 {a+b/3}<φ<{a+b/2} と、投射レンズ7の入射口径φを大きくし、更には、偏
光分離素子としてPBSプリズム18を用いている図7
の従来例の投射レンズ7の入射口径Ψよりも更に大きく
する。
【0016】上記不等式において、左辺及び右辺の第1
項は、反射型画像構成素子6の画像構成面全体をカバー
するために必要なサイズ、左辺及び右辺の第2項は、必
要なFナンバーfにおける光の広がり分をカバーするた
めのサイズの増分である。なお、図1の場合は、偏光分
離素子としてワイヤーグリッド偏光分離素子4を用いて
いるが、一方、図7の場合は、偏光分離素子としてPB
Sプリズム18を用いているため、焦点距離の空気換算
長が(1/1.5)となっている。また、図1及び図7
においては、分かりやすくするため、「反射型画像構成
素子6」、「ワイヤーグリッド偏光分離素子4、あるい
は、PBSプリズム18」、「投射レンズ7」のそれぞ
れの間に間隙を設けて空けて図示しているが、実際には
ごく小さな距離しか離れていない。
【0017】従って、従来技術においては、投射レンズ
7の入射口径Ψを{b+b/3}以上(a≦bの場
合)、あるいは、{a+b/3}以上(a>bの場合)
にすることは適当ではなかったが、本発明においては、
投射レンズ7の入射口径φを {b+b/3}<φ<{b+b/2} (a≦bの場
合)、 あるいは、 {a+b/3}<φ<{a+b/2} (a>bの場
合) と、大きくすることによって、反射型画像構成素子6か
らの光を効率よく拾うことができる最適な構成となる。
【0018】次に、図2に示すプロジェクション光学装
置の構成図を用いて、本発明に係るプロジェクション光
学装置の第2の実施形態について説明する。図2におい
ては、反射型画像構成素子6の前面に入射光を平行光と
するための集光レンズ5を備えさせているものである。
尚、図1及び図7乃至図9と等価な構成要素については
同一の符号を付している。図2において、光源1から出
た光が、照明系を構成するレンズ系2、偏光変換系3を
通して、適切な光路上の適切な偏光に変換され、ワイヤ
ーグリッド偏光分離素子4を透過し、集光レンズ5を経
て、反射型画像構成素子6に入射される。この際、レン
ズ系2と集光レンズ5との両方のレンズ作用の結果、集
光レンズ5から出射され、反射型画像構成素子6に入射
される光は、反射型画像構成素子6にとって、最良の性
能を発揮できる光となるように設計される。
【0019】即ち、レンズ系2から出射され、ワイヤー
グリッド偏光分離素子4に入射する光8は若干広がる光
束であり、更に、ワイヤーグリッド偏光分離素子4の入
射面全体に亘って、光8の入射角度は、一様ではなく、
ワイヤーグリッド偏光分離素子4の垂線方向を0°とし
た時、(45°±12°)の範囲内に広がる。これに対
して、反射型画像構成素子6の入射角度依存性から考え
て、ワイヤーグリッド偏光分離素子4から出射される光
は、ほぼ平行な光にして反射型画像構成素子6に入射す
ることが最適である。
【0020】そこで、集光レンズ5により光束を絞り込
み、平行光として反射型画像構成素子6に入射するよう
に設計される。尚、偏光分離手段であるワイヤーグリッ
ド偏光分離素子4の光の反射率及び透過率などの性能に
ついては、入射光の入射角依存性が低く、該入射光の入
射角度が57°以下かつ33°以上の範囲において、常
に、該ワイヤーグリッド偏光分離素子4の光の反射率及
び透過率のそれぞれの最高値の90%以上の性能である
ならば、画像面内の均一性の高いものとなる。
【0021】図2において、反射型画像構成素子6によ
って、画像を構成された光は、再び、反射型画像構成素
子6の入射面と同一の面から出射される。この光が、再
び、集光レンズ5を経て、光10としてワイヤーグリッ
ド偏光分離素子4に戻される。ワイヤーグリッド偏光分
離素子4は、偏光が変化していない光は、透過させるよ
うに作用し、偏光が変化した光に対しては、反射させる
ように作用して、投射レンズ7へ光11を入射する。こ
こで、反射型画像構成素子6を反射した光の広がりは、
集光レンズ5によって絞られ、ワイヤーグリッド偏光分
離素子4を経て投射レンズ7の入射口へ届く。集光レン
ズ5を適当に設計することによって、投射レンズ7のレ
ンズバックが長いにも拘わらず、投射レンズ7の入射口
径を大きくすること無く、同じ明るさを維持することが
できる(即ち、光利用効率を落とさない)。
【0022】ワイヤーグリッド偏光分離素子4は、反射
型画像構成素子6から投射レンズ7の入射口までの光路
の中に占める割合が小さくなる(往路においては、光を
透過するので、「ワイヤーグリッド偏光分離素子4の厚
み」×√2(概略45°で入射する故)、復路において
は、光を反射するのみで、略0と考えられる)。即ち、
上記集光レンズ5を除いた時の、ワイヤーグリッド偏光
分離素子4と投射レンズ7との間の光路距離即ち光路の
空間上の長さLと、該光路距離L中に占める屈折率1.
5以上の物質即ちワイヤーグリッド偏光分離素子4など
の長さの合計La(この場合、略0、実際には、ガラ
ス、フィルムなどが光路上に存在する)は、 La<0.1×L の関係となることが好ましい。
【0023】かかる場合においては、前記光路距離Lの
光路全体に対して屈折率の高い物質が挿入されることに
よる影響は、多くてもせいぜい10%程度であり、該物
質が光弾性係数の特に小さくない物質であっても、複屈
折の生じる度合いは非常に小さく、光路の大部分を占め
る空気では複屈折が生じないため、複屈折の問題はほと
んど生じない。
【0024】上記投射レンズ7を一例としている次段の
光学部品には、その入射口とその入射角度特性に合わせ
た入射光が入るように集光レンズ5を設計することがで
きる。偏光分離手段であるワイヤーグリッド偏光分離素
子4の次段の光学部品が投射レンズ7、あるいは、投射
レンズ7を含む光学部品の組み合わせである時、集光レ
ンズ5の設計によって、特に、その投射レンズ7をより
明るい性能のものに改善することができる。集光レンズ
5によって、反射型画像構成素子6の反射光を絞ること
ができるため、通常、反射型画像構成素子6にとって最
適となるFナンバー2.8より大きなFナンバーの(暗
い)投射レンズによっても充分な性能を引き出すことが
できる。また、集光レンズ5によって、反射型画像構成
素子6の反射光を絞り込む構成であるため、投射レンズ
7の周辺部による投影においても良好な性能を維持する
ことができる。
【0025】また、集光レンズ5は、ワイヤーグリッド
偏光分離素子4と反射型画像構成素子6との間に位置す
る主なものであるため、集光レンズ5が複屈折が生じに
くい光弾性係数Bとして、 {B(10-12×Pa)}<1.0(単位:nm/cm/
105Pa) の関係になるように構成したならば、コントラスト性
能、ユニフォミティーを高くすることができる。
【0026】次に、本発明に係るプロジェクション光学
装置の第3の実施形態を図3及び図4に示す。尚、図1
及び図2と等価な構成要素には同一の符号を付してい
る。ここに、図3は、本発明に係るプロジェクション光
学装置の第3の実施形態を示す構成図であり、図4は、
図3に示すプロジェクション光学装置の第3の実施形態
を示す全体構成図である。
【0027】図3において、符号13は反射型画像構成
素子6の光学軸中心から位置をシフトさせた集光レンズ
であり、後段に位置する投射レンズを含む組み合わせ1
2も集光レンズ13のシフトにあわせ、位置がシフトし
ている。ここに、投射レンズを含む組み合わせ12は、
複数のレンズ類や折り返しのミラー、プリズム、投射レ
ンズ部などから構成されている。図4は、図3のプロジ
ェクション光学装置から投影された反射型画像構成素子
6の画像の光路を光線14によって示し、画像の該光路
の光軸中心を線15によって示している。尚、符号16
はスクリーンである。以上のような反射型画像構成素子
6の光学軸中心から、集光レンズ13、投射レンズを含
む組み合わせ12の光軸中心をずらしたレンズシフト方
式の場合、投射レンズを含む組み合わせ12からスクリ
ーン16までの投射距離を短くすることが可能となる。
【0028】図5は、図2に示すプロジェクション光学
装置の構成に対して更に位相遅延機能を有するリターダ
ーフィルム20をワイヤーグリッド偏光分離素子4(厳
密には、集光レンズ5)と反射型画像構成素子6との間
に付加した実施例の一つである。ワイヤーグリッド偏光
分離素子4から反射型画像構成素子6へ向かい、そこで
反射して再びワイヤーグリッド偏光分離素子4に至る光
は、途中、2回リターダーフィルム20を通過するが、
その2回の通過によって、ワイヤーグリッド偏光分離素
子4に戻ってくる光10の任意のある角度の偏光成分だ
けを、該偏光成分と90°角度が異なる偏光成分に対し
て、選択的に予め定めた一定の位相遅延を生ぜしめ、最
適な量(例えば、往路と復路それぞれで45°ずつ回転
させ、合計90°とする場合がある)だけ回転させるこ
とによって、ワイヤーグリッド偏光分離素子4における
偏光角度のずれによる漏れ光をなくし、面内の輝度、コ
ントラストの不均一を無くすことができる。ここに、リ
ターダーフィルム20は2回の光の通過によって、通過
する光10が所望する偏光角の回転となるものが選ばれ
る。
【0029】図6は、図1に示す本発明に係るプロジェ
クション光学装置の第1の実施形態の偏光変換系及び反
射型画像構成素子の配置を変更したプロジェクション光
学装置の構成図である。即ち、図6に示すように、偏光
変換系3′を、前述の各実施例における、偏光変換系3
から、おおよそ、光軸を回転の中心として90°回転さ
せることによって、偏光変換系3′から出射される偏光
の角度を前述の各実施例の偏光変換系3からの出射光と
90°変えると共に、反射型画像構成素子6の位置を変
えたものであり、偏光変換系3′を出射した偏光は、ワ
イヤーグリッド偏光分離素子4で反射され、反射型画像
構成素子6に入射され、更に、反射型画像構成素子6で
反射された後、ワイヤーグリッド偏光分離素子4を透過
した光は投射レンズ7へ入射されて、投影される。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るプロジェクション光学装置
によれば、複屈折によるコントラスト、ユニフォミティ
ーを改善し、且つ、光利用効率を低下させないことが可
能となる。即ち、投射レンズの入射口径を最適なサイズ
に選ぶことによって、あるいは、集光レンズの最適設計
によって、投射レンズを光利用効率の良い、より明るい
性能のものとすることが可能となる。換言すれば、反射
型画像構成素子にとって最適となるFナンバー2.8よ
り大きなFナンバーの(暗い)投射レンズによっても充
分な性能を引き出すことが可能となる。
【0031】また、集光レンズによる偏光の乱れが小さ
く、偏光分離素子の入射角度の違いによる性能の差が小
さいため、コントラスト性能、ユニフォミティーを高く
維持することが可能となる。更に、光軸中心をずらした
所謂レンズシフト方式にも好適に適用でき、上記のよう
な本発明の効果を維持したまま、投射レンズからスクリ
ーンまでの投射距離を短くすることが可能となる。
【0032】反射型画像構成素子と偏光分離素子との間
にリターダー素子を設け、かつ、該リターダー素子が任
意のある角度の偏光成分だけを、該偏光成分と90°角
度が異なる偏光成分に対して、選択的に予め定めたある
一定の位相遅延を生じせしめるものとすることによっ
て、投影画像における面内均一性を高めることができ
る。
【0033】偏光変換系から出射される偏光の角度を前
述の各効果を得る場合の偏光変換系からの出射光とは9
0°変更することを可能とし、当該偏光変換系を出射し
た光が、偏光分離素子で反射されて、反射型画像構成素
子に入射され、更に、反射型画像構成素子で反射された
後、偏光分離素子を透過した光が投射レンズ7へ入射さ
れる構成とすることによって、同じ光学性能を維持した
まま、反射型画像構成素子の設置位置を変えることがで
き、即ち、反射型パネル、及び、該反射型パネルの駆動
電気回路基板のレイアウトの自由度を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロジェクション光学装置の第1
の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係るプロジェクション光学装置の第2
の実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明に係るプロジェクション光学装置の第3
の実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明に係るプロジェクション光学装置の第3
の実施形態を示す全体構成図である。
【図5】図2に示す本発明にかかるプロジェクション光
学装置の第2の実施形態に更にリターダー素子を付加し
たプロジェクション光学装置の構成図である。
【図6】図1に示す本発明に係るプロジェクション光学
装置の第1の実施形態の偏光変換系及び反射型画像構成
素子の配置を変更したプロジェクション光学装置の構成
図である。
【図7】反射型液晶パネルとPBSプリズムとを用いた
従来のプロジェクション光学装置の構成図である。
【図8】ワイヤーグリッド偏光分離素子を用いた従来の
プロジェクション光学装置の構成図である。
【図9】図8を等価な構成に書き換えたワイヤーグリッ
ド偏光分離素子を用いた従来のプロジェクション光学装
置の構成図である。
【符号の説明】
1…光源、2,19…レンズ系、3,3′…偏光変換
系、4…ワイヤーグリッド偏光分離素子、5,13…集
光レンズ、6…反射型画像構成素子、7…投射レンズ、
12…投射レンズを含む組み合わせ、14…光線、15
…光軸中心線、16,17…スクリーン、18…PBS
プリズム、20…リターダーフィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/74 H04N 5/74 A (72)発明者 猪子 和宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 細田 康太郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 椎名 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA13 EA16 HA20 HA24 HA28 MA06 2H091 FA08 FA10 FA26 FA41 LA30 MA07 2K103 AA14 AA16 AB10 BC15 BC23 BC26 5C058 AA06 BA35

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、該光源からの光を集光するレン
    ズと、該レンズにより集光された光の偏光面を揃える偏
    光手段と、該偏光手段を通過した光の光路上に設置さ
    れ、光の偏光面により光を透過または入射光路と異なる
    方向に反射する偏光分離手段と、該偏光分離手段を透過
    した光により画像を構成し、光の偏光面を回転させて入
    射光路方向に反射する画像構成手段と、該画像構成手段
    で反射され、更に前記偏光分離手段で反射された光が入
    射される投射レンズと、を具備したプロジェクション光
    学装置において、前記画像構成手段から前記偏光分離手
    段へ進む光の光軸ベクトルと、前記偏光分離手段から前
    記投射レンズへ進む光の光軸ベクトルとの2ベクトルか
    ら概略定まる平面に対して、前記画像構成手段の矩形状
    の画像構成面の各辺の内、概略法線方向となる1辺の長
    さをaとし、それと垂直なもう1辺の長さをbとした時 a≦bであれば、(b+b/3)<φ<(b+b/2) a>bであれば、(a+b/3)<φ<(a+b/2) となるφを、入射口径とした前記投射レンズを有するこ
    とを特徴とするプロジェクション光学装置。
  2. 【請求項2】 光源と、該光源からの光を集光するレン
    ズと、該レンズにより集光された光の偏光面を揃える偏
    光手段と、該偏光手段を通過した光の光路上に設置さ
    れ、光の偏光面により光を透過または入射光路と異なる
    方向に反射する偏光分離手段と、該偏光分離手段を透過
    した光により画像を構成し、光の偏光面を回転させて入
    射光路方向に反射する画像構成手段と、該画像構成手段
    で反射され、更に前記偏光分離手段で反射された光が入
    射される投射レンズと、を具備したプロジェクション光
    学装置において、前記偏光分離手段と前記画像構成手段
    との間の光路上に集光レンズを設置したことを特徴とす
    るプロジェクション光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のプロジ
    ェクション光学装置において、前記画像構成手段と前記
    投射レンズとの間の光路距離をLとし、該光路距離L内
    で前記偏光分離手段の占める距離をLaとした場合、 La<0.1×L の関係を満たすことを特徴とするプロジェクション光学
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のプロジ
    ェクション光学装置において、前記集光レンズは、前記
    画像構成手段への入射光が略平行光となるように集光す
    ることを特徴とするプロジェクション光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4の何れかに記載の
    プロジェクション光学装置において、前記集光レンズの
    光弾性係数Bが、 {B(10-12×Pa)}<1.0(単位:nm/cm/
    105Pa) の関係にあることを特徴とするプロジェクション光学装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    プロジェクション光学装置において、前記投射レンズ
    は、Fナンバーが2.8以上であることを特徴とするプ
    ロジェクション光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の
    プロジェクション光学装置において、前記偏光分離手段
    の光の反射率及び透過率が、光の入射角度が57°以下
    かつ33°以上の範囲において、前記偏光分離手段の光
    の反射率及び透過率のそれぞれの最高値の90%以上の
    値であることを特徴とするプロジェクション光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の
    プロジェクション光学装置において、前記偏光分離手段
    は、ワイヤーグリッド偏光分離素子であることを特徴と
    するプロジェクション光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至請求項8の何れかに記載の
    プロジェクション光学装置において、前記集光レンズ及
    び前記投射レンズが、光学軸中心から偏心していること
    を特徴とするプロジェクション光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9の何れかに記載
    のプロジェクション光学装置において、前記画像構成手
    段と前記偏光分離手段との間にリターダー素子を設け、
    該リターダー素子が任意のある角度の偏光成分だけを、
    該偏光成分と90°角度が異なる偏光成分に対して、選
    択的に予め定めたある一定の位相遅延を生じせしめるも
    のであることを特徴とするプロジェクション光学装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10の何れかに記
    載のプロジェクション光学装置において、偏光手段を、
    請求項1乃至請求項10の何れかに記載の前記偏光手段
    とは90°異なる偏光を出力するように設置し、当該偏
    光手段から出射された該偏光が、前記偏光分離手段で反
    射されて、前記画像構成手段に入射され、前記画像構成
    手段で反射された光が、前記偏光分離手段を透過して、
    前記投射レンズに入射される構成としたことを特徴とす
    るプロジェクション光学装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500859A (ja) * 2003-07-23 2007-01-18 トムソン ライセンシング 2重プリズムにおける偏光リサイクリングを有する照明装置
JP2011141541A (ja) * 2009-12-09 2011-07-21 Asahi Kasei E-Materials Corp 投影型映像表示機器
TWI409571B (zh) * 2004-07-29 2013-09-21 Moxtek Inc 用以安裝光束分離器與空間光之調變器之殼體及用於一光學組件之殼體裝置
WO2016147580A1 (ja) * 2015-03-13 2016-09-22 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター
JP2017173832A (ja) * 2011-10-14 2017-09-28 旭化成株式会社 ワイヤグリッド偏光板、投影型映像表示機器、及びワイヤグリッド偏光板の製造方法

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