JP2000162435A - 偏光変換素子およびそれを用いた表示装置 - Google Patents

偏光変換素子およびそれを用いた表示装置

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JP2000162435A
JP2000162435A JP10340288A JP34028898A JP2000162435A JP 2000162435 A JP2000162435 A JP 2000162435A JP 10340288 A JP10340288 A JP 10340288A JP 34028898 A JP34028898 A JP 34028898A JP 2000162435 A JP2000162435 A JP 2000162435A
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polarized light
polarization
light
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conversion element
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JP10340288A
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English (en)
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Yoshiharu Oi
好晴 大井
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光変換素子1の変換効率を高め、かつ薄型化
・製造容易化を図る。 【解決手段】表面が半円筒形状のレンズ手段4、厚み方
向に鋸歯形状の断面を持つ複屈折層5、中間媒質6を有
し入射光を第1の偏光成分と第2の偏光成分に分離する
偏光分離部2を有し、偏光集光層3の位置で、第1の偏
光成分を第2の偏光成分に変換する偏光回転層3Rと、
偏光非回転層3Nとがレンズ手段4のレンズに対応して
配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然光、つまりラ
ンダム偏光の入射光を単一偏光に変換する偏光変換素
子、および、その偏光変換素子を用いた表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報端末機器の表示素子として、TN型
液晶表示素子やSTN型液晶表示素子が普及している。
しかし、これらの液晶表示素子は偏光板を用いることに
よりコントラスト表示を実現しているため表示が暗くな
り、その分消費電力が大きく明るい照明光が必要となる
という欠点を有していた。
【0003】これは、用いられる照明光は一般にランダ
ムな偏光(自然光)であるが、「偏光方式」の液晶表示
素子の光入射側に置かれた偏光板で、入射光の内の偏光
成分の多くが吸収されてしまう。このため液晶表示素子
を透過し表示に寄与する偏光成分の比率が総合で半分以
下となる。この表示に寄与せず、損失分となってしまう
偏光成分を有効に利用するため、種々の光学素子が考案
されている。
【0004】第1に、従来の光吸収型でない偏光素子と
して、特開平7−49496号公報記載の発明が重要で
ある。製造が容易であり、薄型の直視型液晶表示装置用
のバックライトの構成が初めて示された。第2に、投射
型液晶表示素子の偏光変換素子として、特開平10−9
0520号公報に記載された偏光ビームスプリッタアレ
イが実用化されている。第3に、複屈折層が屈折率の異
なる一対のレンズアレイ板で狭持された構造の光学素子
が特開平1−302221に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術における、第
1の偏光素子は、入射光を互いに直交する偏光成分に分
離する偏光分離機能を有するが、分離された偏光成分光
のうち、一方の偏光成分の偏波面を他方の偏光成分の偏
波面に変換する光学素子が一体化されていない。
【0006】偏光分離された一方の偏光成分が他の光学
素子を伝搬中に偏光解消する(楕円偏光となる)ことに
より一部偏光変換された他方の偏光成分を再利用し、積
極的に偏光変換する構成でないので偏光変換効率が充分
高くなかった。
【0007】また、第2の偏光変換素子は、偏光分離部
と偏光回転部とが一体化された平板構造となっていて、
指向性の揃った照明光に対して高い偏光変換効率を示
す。偏光分離機能を発現する誘電体多層膜が成膜された
ガラス板を切断および接着し、さらにλ/2位相差板を
帯状に接着することにより作製されるため、製法上大面
積化が困難であるとともに高価なものとなっている。ま
た、誘電体多層膜の偏光分離機能は入射角の角度依存性
および波長依存性が高いため、指向性の乱れた入射光に
対してはその効果が劣化するといった欠点があった。
【0008】また、第3の偏光変換素子は、図12に示
す断面構造を有し一対のレンズ手段4x、6xの曲面の
内側に狭持された複屈折層5を設け、この複屈折層5と
レンズ手段4x、6xで偏光分離部2を構成し、偏光分
離部2によって分離された偏光成分の偏波面を任意の方
向に変換可能な偏光集光層3x(偏光回転層および偏光
非回転層とを含む)とからなる。この構成において、屈
折率の異なる一対のレンズアレイ板を必要とし、それぞ
れが複屈折層の常光屈折率no と異常光屈折率ne に一
致させる必要があるため、使用材料の選択条件に制約が
生じる。
【0009】また、常光屈折率no と異常光屈折率ne
との差に応じて単一界面での屈折で焦点距離が規定され
るため、レンズのパワーが小さな値となり、結果として
指向性の揃った入射光でないと高い偏光変換効率が得ら
れないといった問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、使用材料の制約条件が
少なく、製造を容易とし、大面積化および低コスト化が
可能で、高い偏光変換効率を実現する偏光変換素子およ
びそれを用いた表示装置を提供するものである。
【0011】すなわち、本発明の態様1は、複屈折層と
レンズ手段とを有し、入射光を第1の偏光成分と第2の
偏光成分に分離する偏光分離部と、第1の偏光成分を第
2の偏光成分に変換する偏光回転層と、偏光回転層と偏
光非回転層とを有する偏光集光層とが備えられた偏光変
換素子において、レンズ手段と偏光集光層との間に複屈
折層が配置され、入射光に対する複屈折層の厚さに空間
的な分布が設けられることにより第1の偏光成分の光軸
と第2の偏光成分の光軸とが角度をなすことを特徴とす
る偏光変換素子を提供する。
【0012】また、態様2は、光源、態様1に記載の偏
光変換素子と、表示素子と、投射光学系とが備えられ、
光源から出射された光が偏光変換素子を通過して表示素
子に入射され、表示素子からの出射光が投射光学系によ
り投射画像として投射される投射型表示装置を提供す
る。
【0013】また、態様3は、観測者と反対側から表示
素子を照明するバックライトと、光透過型の表示素子と
の間に態様1に記載の偏光変換素子が配置されてなる直
視透過型の表示装置を提供する。
【0014】また、態様4は、観測者と、光反射型の表
示素子との間に態様1に記載の偏光変換素子が配置され
てなる直視反射型の表示装置を提供する。
【0015】また、上記の偏光変換素子において、レン
ズ手段はレンズアレイであることが好ましい。さらに、
表面形状が略半円筒形のレンズアレイとすることが好ま
しい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の偏光変換素子の構成およ
びその作用について、偏光分離部に備えられた複屈折層
5の拡大断面図である図10を用いて以下に説明する。
ここで、複屈折層5は均質屈折率no の入射側媒質4と
出射側媒質6との間に狭持され、その厚さが空間的に分
布している。紙面内に偏波面を有する入射光(p偏光と
呼ぶ)に対する複屈折層5の屈折率no が両側の均質透
明媒質(入射側媒質4および出射側媒質6)と略一致
し、紙面に垂直な偏波面を有する入射光(s偏光と呼
ぶ)に対する複屈折層5の屈折率ne がno に比べて大
きな場合における、p偏光およびs偏光の角度分離につ
いて以下に説明する。
【0017】図10(a)、(b)はいずれも複屈折層
の2辺のなす角がαで、図10(a)では入射光の光軸
に対して一辺が垂直な場合を示し、図10(b)では入
射光の光軸に対して両辺がα/2の角度をなす場合を示
す。いずれの構成においても、p偏光は屈折率no の均
質媒質中の伝搬であるため複屈折層界面で屈折すること
なく直進する。この際、s偏光は屈折率no とne の相
違と傾斜角αに応じてp偏光に対して図10(a)では
角度θ1 をなす方向に、図10(b)では角度θ2 をな
す方向に偏向して伝搬する。角度θ1 および角度θ2
スネル屈折則から式(1)および式(2)で計算され
る。
【0018】
【数1】 θ1 =sin-1(ne ×sin(α−sin-1(no ×sin α/ne)) /no) ・・・(1) θ2 =sin-1(ne ×sin(α−sin-1(no ×sin(α/2) /ne )) /no ) −α/2 ・・・(2)
【0019】この式(1)、式(2)に従って、no
1. 5とne =1. 8の複屈折媒質の場合について、α
=10〜60°のときのθ1 とθ2 を計算した結果を表
1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】従って、角度αが大きなほど、分離角θ
1 、θ2 は大きな値となり、また、複屈折△n=ne
o の値が大きなほど、分離角θ1 、θ2 は大きな値と
なる。次に複屈折層とレンズ手段との関係について、図
11を参照して説明を行う。
【0022】図10に示した複屈折層の光入射側にレン
ズ手段のような集光機能を有する集光手段が配置される
ことにより、複屈折層で角度分離された複数の偏光成分
は、その分離角度θに応じて、集光手段の焦点面におい
て、空間的に異なる位置に集光される。
【0023】このとき、集光手段に入射する入射光の角
度バラツキの全角をδとすると、偏光分離部として用い
る場合は分離角θが大きなほど、δの大きな入射光に対
しても空間的により離れた集光点に偏光分離可能である
ため好ましい。具体的には、θ≧δであることが好まし
い。
【0024】一方、複屈折層を作製するうえで、αは小
さな程均一な複屈折の配向制御がしやすいとともに、光
学的に均質な材料を用いる入射側媒質4、出射側媒質6
の作製が容易となる。従って、図10(a)に比べ図1
0(b)の構成のように傾斜面が多い方が入射光に対す
る傾斜面の角度が小さな値で大きな偏向角が得られる。
すなわち、図10に示した単位構成を積層することによ
り複屈折率△nが同じでも大きな偏向角θが得られるの
で、多層構造がより好ましい。
【0025】次に、偏光分離部の光入射面側に設けられ
たレンズ等の集光手段の焦点位置に設けられた光出射面
の偏光集光層の関係について以下に説明する。開口幅a
で焦点距離fのレンズにバラツキ全角δの入射光が垂直
に入射した場合、その焦点位置での集光幅wは式(3)
で近似的に記述される。よって、光出射面に配置され、
空間的に異なる位置に分離集光された2つの偏光成分の
うち、一方の偏光成分の偏波面のみを90°回転させる
偏光回転層3Rの幅を略wとすれば効率よく偏光変換で
きる。
【0026】
【数2】w=f×tanδ ・・・(3)
【0027】このような構成により、複屈折層5におい
て、なす光軸角度θで偏光分離された2つの直交偏光成
分はレンズ手段によりその焦点面において、いずれもほ
ぼ同等の集光幅wで集光され、2つの直交偏光成分を焦
点位置で混在することなく分離するとともに、偏光集光
層の偏光回転層により、一方の偏光成分の偏波面を90
°回転して偏光変換することができる。
【0028】開口幅aのレンズ手段に入射した光を有効
に偏光変換するためには、レンズの開口幅aと各偏光成
分の集光幅wとの関係が、a≧2×wを満たすことが好
ましい。レンズのFナンバーはF=f/aで定義される
ため、以上の関係をまとめると、レンズのFナンバーと
入射光の指向性のバラツキ全角δとの好ましい関係は式
(4)となる。
【0029】
【数3】F≦1/(2×tanδ) ・・・(4)
【0030】なお、θ<δあるいはF>1/(2×ta
nδ)の場合も偏光変換効率は低下するが、本発明によ
る効果は得られる。以下、実施例について説明する。た
だし、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0031】
【実施例】(実施例1)図1は実施例1の偏光変換素子
1の構成を模式的に示した断面図である。本例では、入
射光を互いに直交する2種類の偏光成分に空間的に分離
する偏光分離部2と、偏光分離部2によって分離された
偏光成分光の内、一方の偏光成分の偏波面を他方の偏光
成分の偏波面に変換可能な偏光回転層3Rと、偏光非回
転層3Nとを有する偏光集光層3を組み合わせて作製さ
れる。
【0032】偏光分離部2は、屈折率1. 5の均質透明
な入射側媒質4と複屈折層5と屈折率1. 5の均質透明
な出射側媒質6とが備えられる。本例では、入射側媒質
4はその光入射側の断面が図1のように凸レンズ形状
で、紙面に垂直方向には曲率を持たない複数の円筒レン
ズ形状に加工され、複屈折層5と接する面は鋸波形状に
一定の傾斜面を有するように加工され、その厚さが空間
的に分布している。
【0033】複屈折層5は紙面内に偏波面をもつ入射光
(p偏光と呼ぶ)に対する屈折率no は入射側媒質4お
よび出射側媒質6と略等しい1. 5の値を有し、紙面に
垂直な偏波面をもつ入射光(s偏光と呼ぶ)に対する屈
折率ne は1. 8とする。
【0034】出射側媒質6は両面が平坦な形状を有す
る。ここでは、入射側媒質4と出射側媒質6はプラステ
ィック成型品であり、複屈折層5として高分子液晶を用
い、入射側媒質4と出射側媒質6の表面に配行処理を施
すことにより複屈折の方向を揃える。
【0035】このような構成の偏光分離部2にランダム
偏光の光が垂直に入射すると、複屈折層5はp偏光に対
して入射側媒質4および出射側媒質6とほぼ同じ屈折率
o=1. 5であるため、図1の実線で示すように、レ
ンズの焦点位置に集光され、偏光非回転部を通過し出射
される。
【0036】一方、複屈折層5はs偏光に対して入射側
媒質4および出射側媒質6に比べ屈折率ne =1. 8と
高屈折率であり、光入射側に傾斜面を有しているため、
複屈折層5を通過するときにプリズムによる屈折と同じ
原理で屈折し、s偏光の光軸がp偏光の光軸と角度をな
すことになる。
【0037】その結果、図1の点線で示すように、p偏
光の集光位置と異なる位置にs偏光が集光され、偏光回
転層3Rを通過して出射される。このような原理によ
り、入射光の内、s偏光成分とp偏光成分が空間的に異
なる位置に分離される。複数の円筒レンズ形状に対応し
てレンズの焦点位置はストライプ状となるため、s偏光
とp偏光がストライプ状に交互に分離集光される。
【0038】このようにs偏光とp偏光が分離される集
光位置に偏光回転層3Rと偏光非回転層3Nとが交互に
配置された偏光集光層3を配置する。図1と垂直な面で
光出射面側から見た平面図を図2に示す。光出射面はs
偏光とp偏光のうち、いずれか一方の偏光成分の偏波面
を90°回転させて他方の偏光成分の偏波面と略一致さ
せる偏光回転層3Rを有していればよい。例えば、可視
波長入射光の中心波長λに対してs偏光の集光領域にs
偏光をp偏光に変換するλ/2位相差板を偏光回転層3
Rとして用い、図2に示すように円筒レンズのアレイと
平行にストライプ状に配置すればよい(ピッチa、集光
幅w)。
【0039】別な偏光集光層3の構成として、例えばT
N型液晶セルを用いてもよい。TN型液晶セルの一対の
基板の少なくとも一方の透明電極をs偏光とp偏光が分
離される集光領域に対応してストライプ状にパターニン
グし、s偏光とp偏光のうち一方の偏光が90°回転す
るように電圧を印加すればよい。また、λ/2位相差板
を、複屈折を有する高分子液晶を配向処理した出射側媒
質6の表面に形成した後、図2のようにパターニングし
て形成してもよい。
【0040】光出射面に配置され偏波面を90°回転さ
せる偏光回転層3Rは、p偏光集光点に形成してもよい
しs偏光集光点に形成してもよい。また、入射側媒質4
および出射側媒質6は均質屈折率材料であればいずれで
もよい。成形しやすいプラスティックやガラスを用いる
ことが好ましい。また、その屈折率値に関する制約はな
い。図1に示した例では、複屈折層5の屈折率no に略
等しい屈折率1. 5の媒質について説明したが、1. 5
と異なる値の場合も、s偏光とp偏光の光の集光位置は
変化するが偏光分離作用は発現する。
【0041】複屈折層5はその傾斜面に対して空間的に
揃った複屈折を有する材料であればよい。方解石のよう
な無機結晶やPETのような有機材料でもよいし、高分
子液晶や液晶樹脂複合体、さらに液晶のような液体でも
よい。偏光分離部2の偏光分離角を大きな値にするため
には複屈折△n=ne −no が大きなほど好ましい。従
って、比較的大きな△nを有し大面積で安価に作製可能
な高分子液晶を用いることが好ましい。
【0042】また、偏光変換素子1の各要素の大きさに
ついてはその用途に応じて異なるが、入射光が複屈折層
5の傾斜面を透過する際に直交する偏光によって光軸角
度が分離される程度の大きさであれば、偏光変換作用は
発現する。従って、入射側媒質4の各円筒レンズの幅a
や鋸波形状の傾斜面のピッチは1μm以上であればよ
い。この偏光変換素子1が表示素子の表示面近傍に配置
される場合は、表示素子の解像度や均一性を劣化させな
いために、入射側媒質4の各円筒レンズの幅や鋸波形状
の傾斜面のピッチはその表示画素に比べて小さくするこ
とが好ましい。
【0043】また、図1ではアレイ状の複数のレンズを
有するレンズアレイを用いるとともに複屈折層の界面を
鋸波状とすることにより層の厚さが空間的に異なる構造
としているため、比較的薄い厚さの偏光変換素子が得ら
れる。偏光変換素子としての機能は単一のレンズおよび
単一の傾斜面を有する三角形状の断面の複屈折媒体であ
っても発現するため、そのように構成してもよい。
【0044】このようにして作製される偏光変換素子1
を用いることにより、ランダム偏光の入射光を効率よく
直線偏光に変換することができる。また、構成において
材料の制約が少ないため大面積で安価に作製することが
可能である。
【0045】(実施例2)図3は実施例2の偏光変換素
子1の構成を模式的に示した断面図である。本例の偏光
分離部2の複屈折層5は、実施例1と異なり入射側媒質
4および出射側媒質6の両方に接する面に鋸波形状の傾
斜面が形成されている。このように両側を傾斜面とする
ことにより、sおよびp偏光の偏光分離角を大きくでき
る。その結果、入射光の分散角が比較的広い場合でも高
い偏光変換効率を実現できる。
【0046】(実施例3)図4は実施例3の偏光変換素
子1の構成を模式的に示した断面図である。本例の偏光
分離部2の構成要素である複屈折層5は、実施例1と異
なり、両面に鋸波形状の傾斜面が形成されている均質屈
折率を持つ接合媒質7を介して2層に分離されている。
【0047】そして、入射側媒質4および出射側媒質6
の複屈折層5に接する面は平坦面としている。このよう
な構成とすることにより、実施例2と同様にsおよびp
偏光の偏光分離角を大きくできる。その結果、入射光の
分散角が比較的広い場合でも高い偏光変換効率を実現で
きる。
【0048】また、入射側媒質4および出射側媒質6の
複屈折層5に接する面は平坦面であるため、加工が容易
であり実施例2に比べて入射側媒質4と出射側媒質6の
鋸波形状の位置合わせが不要となる。
【0049】(実施例4)図5は実施例4の偏光変換素
子1の構成を模式的に示した断面図である。本例の偏光
分離部2の構成要素である複屈折層5は、実施例3で用
いられた両面に鋸波形状の傾斜面が形成されている均質
屈折率を持つ接合媒質7を複数組合わせて用い、全体と
して厚み方向において複数層に分離されている。そし
て、入射側媒質4および出射側媒質6の複屈折層5に接
する面は平坦面としている。
【0050】このような構成により、実施例3に比べて
さらにsおよびp偏光の偏光分離角を大きくできる。そ
の結果、入射光の分散角が比較的広い場合でも高い偏光
変換効率を実現できる。
【0051】(実施例5)図6は実施例5の偏光変換素
子1の構成を模式的に示した断面図である。本例の偏光
分離部2の構成要素である複屈折層5は、実施例1〜4
で用いられた鋸波形状の傾斜面ではなく、三角形状の斜
面に形成する。本例では2等辺三角形状の傾斜面を用い
ている。この場合は、その傾斜角度に応じてs偏光成分
の集光点の両側にp偏光成分の集光点が生じることとな
るが、このような構成でも偏光変換素子としての機能は
発現する。
【0052】(実施例6)図7は実施例6の偏光変換素
子1を用いた直視型の透過型表示装置100の構成を模
式的に示した断面図である。すなわち、照明系であるバ
ックライト30と表示の観測者40とが透過型表示素子
20に対して反対側に配置された場合を示す。
【0053】透過型表示装置100は透過型表示素子2
0とバックライト30(光源13、集光鏡14、導光板
15を有する)との間に偏光変換素子1が配置されてい
る。表示素子20は偏光変調素子12の光入射面および
光出射面に偏光板10、11がそれぞれ配置されてい
て、直線偏光を光変調することによりコントラスト表示
を行う。偏光変調素子12はTN液晶素子、STN液晶
素子、強誘電液晶素子、反強電液晶素子、垂直配行液晶
素子等の液晶素子やPLZT(PbLaZrTi)等の
電気光学セラミクスやLiNbO3 等の電気光学結晶な
ど、直線偏光を光変調することによりコントラスト表示
を行う素子であればいずれでも構わない。
【0054】図7において、バックライト30は冷陰極
管や熱陰極管等のランプを用いた光源13からの放出光
を集光鏡14で導光板15に集光し、導光板15の中を
伝搬して全反射条件を満たさない光が偏光変換素子1側
に出射する従来技術のエッジライト方式のバックライト
である。バックライト30の方式としては、このエッジ
ライト方式に限定されず、光源13を偏光変換素子1の
下部に配置した直下型方式でも構わない。
【0055】また、透過型表示表示素子20とバックラ
イト30との間にプリズムアレイシートやフィルタ等の
光学素子を配置して配光特性や照明均一性や色バランス
を補正してもよい。偏光変換素子1はその出射光の偏波
面が偏光板11の偏光軸と略一致するように配置され、
偏光板11による光吸収が最小となるようにする。
【0056】このように、透過型表示表示素子20とバ
ックライト30とからなる従来の直透過型表示装置に実
施例1〜5に示した偏光変換素子1を導入した構成の直
視型の透過型表示装置100とすることにより、バック
ライト30から出射されたランダム偏光が偏光変換素子
1により直線偏光に効率よく変換されるため、従来技術
では偏光板11で半分以上の光が吸収されていた損失分
が低減される。
【0057】従って、同じ消費電力のランプ13を用い
た場合は明るい表示が実現できる。また、同じ明るさを
得るためには低消費電力のランプ13ですむので、表示
装置全体の低消費電力化を達成できる。
【0058】(実施例7)図8は実施例7であり、偏光
変換素子1を用いた直視型の反射型表示装置200の構
成を模式的に示した断面図である。すなわち、照明光で
ある外光32やフロントライト31と表示観測者40と
が反射型表示素子21に対して同じ側に配置された場合
を示す。
【0059】反射型表示装置200は反射型表示素子2
1と外光32またはフロントライト31との間に偏光変
換素子1が配置されている。反射型表示素子21は偏光
変調素子12の裏面に反射板17が配置され、光出射面
側に偏光板10が配置されていて、直線偏光を光変調す
ることによりコントラスト表示を行う。
【0060】偏光変調素子12は実施例6と同じものを
用いることができ、直線偏光を光変調することによりコ
ントラスト表示を行う素子であればいずれでもよい。ま
た、偏光板は偏光変調素子12の裏面にも用いて構わな
い。また、反射板17が偏光変調素子12の内部に一体
化されている方が表示のボケがなくなるため好ましい。
【0061】図8において、フロントライト31は冷陰
極管や熱陰極管等の光源13からの放出光を集光鏡14
で導光板16に集光し、導光板中を伝搬して全反射条件
を満たさない光が偏光変換素子1側に出射するエッジラ
イト方式の例を示している。しかし、このようなフロン
トライト31を用いない簡単な構成でも構わない。その
場合には、太陽光や室内照明光の外光32を照明光とし
て利用する。
【0062】エッジライト形態のフロントライト31の
詳細な構成は、例えばSID95ダイジェスト、375
〜378頁、「反射型表示素子用の透過・全面照射シス
テム(A Transparent Frontlighting System for Refle
ctive-TypeDisplays, C.Y.Tai, H.Zou, P-K.Tai, Clio
Technologies, Inc., Holland,OH)」に記載されてい
る。
【0063】また、反射型表示素子21とフロントライ
ト31との間に光拡散シートやフィルタ等の光学素子を
配置して配光特性や照明均一性や色バランスを補正して
もよい。
【0064】偏光変換素子1はその出射光の偏波面が偏
光板10の偏光軸と略一致するように配置され、偏光板
10による光吸収が最小となるようにする。このよう
に、反射型表示素子21と外光32またはフロントライ
ト31からなる従来の反射型表示装置に実施例1〜5に
示した偏光変換素子1を導入した構成の直視型の反射型
表示装置200を構成することにより、外光32または
フロントライト31から入射するランダム偏光が偏光変
換素子1により直線偏光に効率よく変換されるため、従
来構成では偏光板10で半分以上の光が吸収されていた
がその損失が低減される。
【0065】従って、フロントライト31を用いた構成
では、同じ消費電力の光源13を用いた場合は明るい表
示が実現できる。また、同じ明るさを得るには低消費電
力のランプ13で充分となるので、表示装置全体の低消
費電力化につながる。
【0066】(実施例8)図9は本発明の偏光変換素子
1を用いた投射型表示装置300の構成を模式的に示し
た断面図である。すなわち、超高圧水銀ランプやメタル
ハライドランプやキセノンランプ等の高輝度ランプの光
源13から放出された光を集光鏡14を用いて表示素子
22に集光して照射し、表示素子22を通過した表示光
を投射レンズ19を通し、図示されていないスクリーン
上に投影結像する。
【0067】図9では、表示素子として透過型の表示素
子22を用いた場合を図示しているが、反射型の表示素
子を用いてもよい。いずれの場合も、偏光変換素子1は
照明光学系33と表示素子22との間に配置される。
【0068】表示素子22は偏光変調素子12の光入射
面側および光出射面側に偏光板10、11が配置されて
いて、直線偏光を光変調することによりコントラスト表
示を行う。偏光変調素子12は実施例6と同じで、直線
偏光を光変調することによりコントラスト表示を行う素
子であればいずれでもよい。
【0069】また、図9では表示素子の照明光を効率よ
く投射レンズに集光するために表示素子22の光入射側
にレンズ18が配置されている。また、図9では単一の
表示素子を用いた簡単な構成が示されているが、白色光
を出射する照明系33からの出射光をダイクロイックミ
ラーを用いてRGB3色に色分離し、RGB各色に対応
した表示素子を3枚設けて各色の画像を生成した後、ダ
イクロイックミラーを用いてRGB3色を色合成してカ
ラー画像として単一の投射レンズによりスクリーン上に
カラー投射像を形成する構成としてもよい。
【0070】このように、表示素子22と照明系33と
の間に実施例1〜5に示した偏光変換素子1を導入した
構成の投射型表示装置300とすることにより、照明系
33から入射するランダム偏光が偏光変換素子1により
直線偏光に効率よく変換される。そのため、従来技術で
は偏光板10で半分以上の光が吸収されていたがその損
失が低減される。
【0071】
【発明の効果】本発明の偏光変換素子は従来技術の偏光
変換素子に比べて、製造が容易で、かつ安価な材料で構
成できるとともに、入射光の角度依存性や波長依存性を
低減できるため高い偏光変換効率が実現可能で、汎用な
用途に利用できる。
【0072】また、本発明により、偏光分離を行う偏光
変換素子の薄型化を達成でき、かつ容易に製造すること
ができるようになった。また、バックライト方式のみな
らず、フロントライト方式であっても、偏光変換できる
構成を得たので、より明るく、小型で薄い表示素子用の
光源ユニットを作成できた。本発明は、このほか、本発
明の効果を損しない範囲で種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏光変換素子の第1の構成例を示す断
面図。
【図2】本発明の偏光変換素子の第1の構成例の光出射
層を示す平面図。
【図3】本発明の偏光変換素子の第2の構成例を示す断
面図。
【図4】本発明の偏光変換素子の第3の構成例を示す断
面図。
【図5】本発明の偏光変換素子の第4の構成例を示す断
面図。
【図6】本発明の偏光変換素子の第5の構成例を示す断
面図。
【図7】本発明の偏光変換素子を用いた直視型の透過型
表示装置100を示す側面図。
【図8】本発明の偏光変換素子を用いた直視型の反射型
表示装置200を示す側面図。
【図9】本発明の偏光変換素子を用いた投射型表示装置
300を示す側面図。
【図10】(a)本発明の偏光変換素子の偏光分離部の
形状と作用の関係を示す断面図、(b)本発明の偏光変
換素子の偏光分離部の形状と作用の関係を示す断面図。
【図11】本発明の偏光変換素子の偏光分離部の形状と
作用の関係を示す断面図。
【図12】従来発明の偏光変換素子の構成例を示す断面
図。
【符号の説明】
1:偏光変換素子 2:偏光分離部 3:偏光集光層 3N:偏光非回転層 3R:偏光回転層 4:レンズ手段 5:複屈折層 6:中間媒質 7:接合媒質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 331 G09F 9/00 331A H04N 5/66 102 H04N 5/66 102A 5/74 5/74 K Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA08 BA24 BA42 BA47 BB01 BB03 BB62 BC22 2H088 EA02 EA13 EA47 GA06 JA05 MA06 MA20 2H099 AA11 BA09 DA05 5C058 AA06 AB03 BA29 BA35 EA01 EA26 EA51 5G435 AA00 AA03 AA17 AA18 BB12 BB15 BB16 BB17 CC12 DD02 DD04 EE23 EE27 FF03 FF05 FF07 FF08 GG01 GG04 GG24 GG28 KK07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複屈折層とレンズ手段とを有し、入射光を
    第1の偏光成分と第2の偏光成分に分離する偏光分離部
    と、第1の偏光成分を第2の偏光成分に変換する偏光回
    転層と、偏光回転層と偏光非回転層とを有する偏光集光
    層とが備えられた偏光変換素子において、 レンズ手段と偏光集光層との間に複屈折層が配置され、
    入射光に対する複屈折層の厚さに空間的な分布が設けら
    れることにより第1の偏光成分の光軸と第2の偏光成分
    の光軸とが角度をなすことを特徴とする偏光変換素子。
  2. 【請求項2】光源、請求項1に記載の偏光変換素子と、
    表示素子と、投射光学系とが備えられ、光源から出射さ
    れた光が偏光変換素子を通過して表示素子に入射され、
    表示素子からの出射光が投射光学系により投射画像とし
    て投射される投射型表示装置。
  3. 【請求項3】観測者と反対側から表示素子を照明するバ
    ックライトと、光透過型の表示素子との間に請求項1に
    記載の偏光変換素子が配置されてなる直視透過型の表示
    装置。
  4. 【請求項4】観測者と、光反射型の表示素子との間に請
    求項1に記載の偏光変換素子が配置されてなる直視反射
    型の表示装置。
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