JP3204966B2 - 薄膜光学素子の製造方法 - Google Patents

薄膜光学素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、基板上に屈折率の異なる誘電体を複数層設
けて形成される光学薄膜で、特に基板がプラスチックフ
ィルムのように柔軟性に富む材質の場合の光学薄膜素子
の製造法に関する。
従来の技術 従来、屈折率の異なる無機誘電体材料の積層により特
定波長の光を干渉させて機能を発揮する光学薄膜は、ガ
ラスなどの透明記番の透過率を向上させるための反射防
止膜や特定波長域を反射または透過させる高反射膜(ダ
イクロイックミラー)またはバンドパスフィルタなどと
して利用されている。
また、ヘッドアップディスプレイ用のコンバイナとし
ては、反射型のホログラムや半透明鏡そしてダイクロイ
ックミラーを用いる方法がある。
さらに車載用のヘッドアップディスプレイに限定すれ
ば、コンバイナのフロントガラスとの一体化、ホログラ
ムの合わせガラスへの挟み込みなども提案されている
(日本光学会ホログラフィック・ディスプレイ研究会会
報1990年1月号)。
発明が解決しようとする課題 このような従来の無機誘電体材料の薄膜形成は、多層
に積層する必要もあって、真空蒸着法、スパッタリング
法などの真空装置を用いた乾式製膜方法によっていた。
そのため、大面積の光学薄膜を得ようとする場合、極
度に大きな真空設備を必要とし、その排気に長い時間を
要するので、生産性が劣ったり、満足し得る膜厚の均一
性が得難いといった問題点があった。
またヘッドアップディスプレイの場合、安全性を向上
させるためにフロントガラスとコンバイナを一体化させ
ようとするとフロントガラスごと真空装置に投入して薄
膜形成を行う必要がある。
また合わせガラスに挟み込むホログラムは反射型であ
るので、1枚1枚露光して作製する必要があるなど、量
産性の乏しいという問題点や、合わせガラス製造工程に
おける加熱圧着条件に耐え得るホログラム記録材料が存
在しないといった問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するもので、大面積の
薄膜光学素子の製造方法を提供する。
課題を解決するための手段 本発明の製造方法は、低屈折率層を形成する高分子組
成物と液体との混合物の、高屈折率層を形成する高分子
組成物と液体との混合物との少なくとも2種以上の混合
物を、基材上に交互に塗布乾燥し積層する薄膜光学素子
の製造方法において、一方の混合物が非水溶性高分子組
成物の非水溶液であり他方が水溶性高分子組成物の水溶
液であるか、あるいは混合物が共に酸部分または塩基部
分を有する高分子化合物の水性分散液であることを特徴
とする。
作用 屈折率の異なる誘電体として高分子組成物を用いるの
で、溶液状態または水性分散状態での塗布及び乾燥を繰
り返すことで積層することができ、容易に膜厚の均一性
が高い大面積の薄膜光学素子を大量に得ることができ
る。
または、上記の薄膜光学素子をコンバイナとすること
により、キャノピまたはフロントガラスとの一体化が容
易になると共に、安価にヘッドアップディスプレイを提
供することができる。
実施例 一般に、誘電体を基材上に積層して構成される薄膜光
学素子としては、反射防止膜、選択光反射膜、バンドパ
スフィルタなどがあるが、何れも屈折率の異なる媒体の
境界における光の反射と、誘電体を透過することで生じ
る位相差を利用するものである。
反射防止膜は薄膜表面の反射(空気等周囲の媒体と薄
膜の界面での反射)、光と薄膜裏面の反射(薄膜と基材
の界面での反射)、光の位相差を2分の1波長にするこ
とで、反射光を相互に打ち消させるものである。
基材よりも十分屈折率が低い材料であれば単層でも反
射防止能力は高いが、有機高分子化合物でそのような低
屈折率のものは存在しないので、単層で十分な性能を有
するものを構成することは困難である。
そこで2層による反射防止膜には、4分の1波長膜を
積層する方法と、厚さが不定の膜の積層を行う方法があ
る。
前者は基材上に4分の1波長の厚みの高屈折率材料
と、4分の1波長の厚みの低屈折率材料とを積層するも
ので、低屈折率層表面での反射光を、位相が2分の1波
長ずれた低屈折率層と高屈折率層の界面並びに高屈折率
層と基材との界面での反射光で相殺するものである。従
って0度入射する単一波長の光に対する反射光が零にな
るには、以下の式が満足されれば良い。
ここでn0,n1,n2,n3はそれぞれ空気、基材、低屈折率
材料、高屈折率材料の屈折率である。例えばn0=1、n3
=1.49(ポリメチルメタクリレート)の場合、n1=1.39
(ポリ2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレー
ト)、n2=1.70(ポリ2N−カルバゾリルアクリレート)
の組み合わせが得られ、高分子組成物でも可能な構成と
なる。
後者は、空気と上の界面での反射光と、振幅もしくは
位相がまちまちの上の層と下の層との界面、並びに下の
層と基材との界面での反射光との重ね合わせで打ち消し
合わせるものであり、薄膜構成材料としては自由度は高
くなるが、設計はややむずかしくなる。
さらに多くの層を積層することによっても反射防止膜
を作製することができるが、多重反射の光についても考
慮せねばならないので設計は更にむずかしくなるが、シ
ミュレーションにより最適材料構成を選択することがな
されている。
選択光反射膜は、第1図のように基材1上に低屈折率
材料2または3と高屈折率材料3または2を4分の1波
長で積層することで得られる。
獲得できる反射率は次式で与えられる。
但しnH,nL,nSは高屈折率層、低屈折率層、基材の屈折
率、Nは積層数である。例えば、屈折率1.65のポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、屈折率1.42のトリフ
ルオロエチルアクリレート・アクリル酸共重合体と、屈
折率1.68のペンタブロモフェニルメタクリレート・アク
リル酸共重合体とを12層積層することで、50%以上の反
射率を獲得することができる。
バンドパスフィルタなどいわゆる干渉フィルターは、
その特性に応じて単色フィルター、帯域フィルターとも
呼ばれる。
波長選択性の高い単色フィルターは、4分の1波長積
層膜と2分の1波長膜そして4分の1波長積層膜の累積
によって得ることができる。
帯域フィルタについても種々の組み合わせによって構
成することができる(H.A.マックレオード「光学薄膜素
子」小倉繁太郎他訳 日刊工業新聞社(1969)。
これら薄膜光学素子を高分子組成物で構成しようとす
る場合に問題となるのは、(イ)簡便な積層方法が存在
しないと思われたことと、(ロ)高分子組成物では大き
く屈折率の異なる物質が存在しないため、十分に性能の
高い素子を得ようとすると積層数が大きくなることであ
る。
ここで上記(イ)の問題点は、積層する高分子組成物
の形態を選ぶこと、すなわち屈折率の異なる高分子組成
物を非水溶性のものと水溶性のものから選択し、各々非
水溶液または水溶液とすること、あるいは両者共に水性
分散液とすることによって塗布と乾燥を繰り返すことで
積層が可能になり、解決される。
また上記(ロ)の問題点は、積層方法自体の簡便化に
より問題にならなくなる。
続いて本発明の薄膜光学素子の具体的製造方法並びに
材料について説明する。
薄膜光学素子は、基材上に屈折率の異なる高分子組成
物を積層して構成されるが、基材としては従来使用され
ている材料としては、各種ガラスやPMMAなどの有機ガラ
ス及びポリエチレンテレフタレートなどの透明フィルム
などが最も一般的であるが、特に限定されるものではな
い。
屈折率についても高分子組成物の屈折率差が大きくな
いので基材の屈折率の光学素子の性能への影響は余り大
きくないので自由度は大きいが、積層する高分子組成物
の密着性については考慮する必要がある。
さらに屈曲性の高いフィルム状基材上に構成する場合
には、フィルム自体で多重反射による干渉が起こるの
で、その厚みに注意しなければならない。厚みは可視光
域においては厚みが30ミクロン以上あれば影響がない。
屈折率の異なる高分子組成物としては、低屈折率層を
構成するものと高屈折率層を構成するもので屈折率差が
あれば良い。
用いる高分子組成物は高分子化合物を組成として含む
ものであればよく、例えば屈折率調整のために高分子化
合物に低分子化合物が溶解しているものでもかまわな
い。
高分子組成物の屈折率差が小さいと、薄膜光学素子と
して性能を発揮させるために必要な積層数が大きくなり
すぎるので、0.2以上の屈折率差があることが好まし
い。比較的高い屈折率を有する高分子化合物としては、
ポリペンタブロモフェニルメタクリレート(1.71)、ポ
リビニルカルバゾール(1.68)、ポリビニルナフタレン
(1,68)、ポリエチレンテレフタレート(1.65)、ポリ
α−ナフチルメタクリレート(1.64)、ポリオルトクロ
ロスチレン(1.60)、ポリスチレン(1.59)などの芳香
族重合体を挙げることができ、比較的低い屈折率を有す
る高分子化合物としては、ポリヘプタフルオロブチルア
クリレート(1.37)、ポリフルオロエチルアクリレート
(1.41)などの含フッ素高分子化合物や、ポリ酢酸ビニ
ル(1.47)、ポリメチルアクリレート(1.47)、ポリビ
ニルアルコール(1.49)、ポリメチルメタクリレート
(1.49)などの汎用ポリマーを挙げることができる。も
ちろんこれら以外の重合体並びに共重合体も有用であ
り、上記列挙した付加重合体以外のポリアミド、ポリイ
ミド、ポリエステル、ポリカーボネートなどの各種縮重
合体、ポリウレタンなどの重付加体などももちろん使用
することができる。さらに低分子化合物の架橋などの反
応による高分子物質も有用であることはいうまでもな
い。
高分子化合物の選定上の留意点としては屈折率以外に
透明性、温度特性そして基材や他方の高分子組成物との
密着性がある。
特に透明性については重要で、1層の薄膜として十分
透明でも積層すると散乱のため透過度が十分なかった
り、波長選択性が劣ったりする。
屈折率の調整、密着性の改善などのために、高分子屈
折率に溶解状態で含有させる低分子化合物は、目的にあ
えば特に限定されないが、高分子化合物との相溶性は低
分子化合物のブリードに関与するので、注意する必要が
ある。
低屈折率層または高屈折率層を構成する高分子組成物
は、各々1種類でなくても良いこと勿論である。
また基材との密着性を確保するために、最下層を密着
性の高いものにしたり、表面硬度を高くするために、最
上層だけを硬化性樹脂で構成することは有効な方法であ
る。
高分子組成物を積層する場合の高分子組成物の形態
は、溶液または水性分散状態であるが、材料の水溶性、
非水溶性に応じて選択することとなる。
ただ、非水溶液として塗布、乾燥されても水に溶解し
たり膨潤したりするもの、あるいは水溶液として塗布、
乾燥されてもその上に塗布される非水溶液に溶解あるい
は膨潤するものは、層構成を乱すので好ましくない。
低屈折率層及び高屈折率層を構成する高分子組成物を
ともに水性分散状態で積層する場合は、その点自由度が
大きい。即ち、例えば高分子化合物の酸部分あるいは塩
基部分を発揮性の塩基あるいは酸で中和することで水性
分散性を与えた場合、塗布および乾燥を行うと再度水性
液に接触しても溶解または分散することがないので積層
が容易である。また、そうなるように水性分散状態にす
る高分子化合物中の酸または塩基成分の量を調整する必
要はある。
高分子組成物を積層するために塗布する方法として
は、ディップする方法、スピンコート、塗液を滴下した
あと傾斜して放置する方法などがあるが、基材がフィル
ム状で屈折性が高い場合、グラビアコーティング、ロッ
ドコーティング、ドクターロールコーティングなどの方
法が実施でき、また量産性も高い。
塗布物を乾燥する方法としては、熱風により乾燥する
方法や赤外線により乾燥する方法があるが、量産性にお
いては前者がはるかに有利である。
積層する厚みは、目的とする薄膜光学素子による設計
に応じて設定すれば良い。
この積層時に1層1層条件を変えて積層し、光学特性
を測定すれば各積層工程での条件は定まる。例えばロッ
ドコーターなどで長尺物に塗布する場合には、1層塗布
し乾燥が終わった段階で光学特性を測定し、ズレがあっ
た場合にはリアルタイムに塗工条件にフィードバックさ
せる管理方式が有効である。しかし装置としては、搬送
速度、基材の指示が確実なものでなければならない。
塗布後の乾燥工程についても、目標膜厚が小さいので
塗液の固形分濃度は小さくなり通常粘度もかなり低くな
るので、塗液が塗布された基材の搬送方向を上下方向に
大きく変化せずにすばやく乾燥させるべきである。
さらに例えばロッドコーター、グラビアコーターなど
で長尺器材に塗布する場合には、ロッドに巻くワイヤー
にワイヤー径が連続的に変化しているものを用いること
や、グラビア版を非均一的に加工することで、塗布方向
に垂直な方向に膜厚分布を形成させることができる。
薄膜光学素子の最上層としては硬化性樹脂を使用する
場合の硬化方法としては、その硬化性樹脂の硬化方法に
従えばよく、紫外線を照射したり、長時間加熱したり、
電子線を照射したりすれば良い。
長時間の加熱は、層構成材料の耐熱性が十分でない場
合には層構成が乱れる場合があるので、光硬化樹脂を用
いるのが簡便である。
続いてヘッドアップディスプレイについて説明する。
第2図に示すようにヘッドアップディスプレイは通
常、蛍光表示管、CRT、発光光源を備えた液晶表示素
子、あるいはレーザースキャナなどの発光表示装置11
と、外光を透過しかつ前記発光表示装置からの光を反射
することにより、観察者に対して外側の前方視野と重畳
させて表示するための、キャノピーまたはフロントガラ
ス15の手前に設置した、あるいはキャノピーまたはフロ
ントガラス15と一体化して設置したコンバイナ12、さら
に場合によっては光路を変更するための反射ミラー13や
表示像を実際の発光表示装置よりも遠方に表示させるた
めのコンデンサレンズ14などの光学素子から構成され
る。
発光表示装置は設置上の観点からは小型のものが、ま
た表示の視認性の観点からは高輝度のものが好ましい。
設置位置としては、航空機や自動車の計器類設置位置
や、操縦者あるいは運転者の頭上などが考えられてい
る。
コンバイナには、大きく分けてハーフミラータイプ
と、ホログラフィック光学素子タイプがある。
ハーフミラータイプには、反射率の高い金属をごく薄
く透明基材に設けて、ほぼ可視光域全体にわたり30〜70
%程度の反射率または透過率を獲得するものと、前述の
ように基材上に屈折率の異なる誘電体を積層して特定波
長域において高反射率(低透過率)を、それ以外の波長
域において高透過率(低反射率)を獲得するものがあ
る。
ホログラフィック光学素子タイプは、反射型のホログ
ラムを使用するもので、単に選択光反射の機能ばかりで
なく、コンバイナを介して投影される虚像の位置を変化
させるレンズ機能も同時に有し得るので、省スペース効
果が大きく、機能的には優れている。しかし複製が困難
なので一枚一枚露光現像して作製する必要があり、価格
が高くなる。
コンバイナの設置位置は操縦者、運転者の前方かつ外
景への操縦者、運転者の視線上である。結果的にキャノ
ピーやフロントガラスの手前に設置したり、キャノピー
やフロントガラスと一体化させる方法が主流となってい
る。
キャノピーやフロントガラスと一体化させる方法とし
ては、表面に接着する方法、キャノピーやフロントガラ
ス自体を薄膜光学素子の基材とする方法、合わせガラス
構造となっているフロントガラスの場合には合わせガラ
スの接着剤部分に挟み込む方法がある。
設置方法に応じて、コンバイナとして用いる光学素子
の基材を選択すれば良い。すなわち、キャノピーやフロ
ントガラスの手前にたてる場合には、例えばガラスもし
くは有機ガラスなどで十分な剛性を確保できる厚みのあ
るものを、接着や挟み込みにより一体化させる場合に
は、厚みが薄い、場合によっては屈曲性のあるものを選
択すれば良い。
特にキャノピーやフロントガラスの表面に接着する場
合には、高分子フィルムなどが作業性がよく、好まし
い。
ここで用いられる接着剤は、透明性、接着性が十分で
あれば特に限定されない。
また光学素子を接着してコンバイナとする場合には、
光学素子の保護のために表面を光、熱または電子線効果
性樹脂で被覆した方が好ましい。
被覆する方法は、第3図のように硬化性樹脂23が基材
21上の薄膜を積層した部分、またはホログラム記録材料
部分となる薄膜光学素子22の端面をも被うような形態
が、剥離を抑えるためには好ましい。
発光表示装置とコンバイナの光路間に光学素子を組み
込む場合には、平面、凸面、凹面などの各種ミラーやプ
リズム、あるいは各種レンズが用いられる。
以下にさらに具体的な実施例を示す。
実施例1 よく表面研磨した厚さ1mm、10cm四方のパイレックス7
740基板上に、ポリビニルアルコール((株)クラレ
ポバール420)の2%水溶液とポリビニルカルバゾール
の2%テトラヒドロフラン溶液とを交互にスピンコーテ
ィングおよび乾燥し、入射角度45度、波長550nmに対す
る4分の1波長膜を合計14層積層した。
このようにしてできた薄膜光学素子の45度入射での反
射は、550nmで40.5%になった。
実施例2 厚さ50ミクロン、幅20cmのポリエチレンテレフタレー
ト製透明フィルムに、トリフルオロエチルアクリレート
・アクリル酸共重合体をアンモニアで中和した固形分2
%の水性分散液と、ナフチルメタクリレート・アクリル
酸共重合体をトリエチルアミンで中和した固形分2%の
水性分散液とを、線径50ミクロンのワイヤーを巻いたコ
ーティングロッドを備えたコーターを用いて、毎分10m
の速度で1000m塗布し、入射角度20度、波長550nmに対し
て4分の1波長の光学厚みの屈折率の異なる2層を設け
た。
さらにこの工程を5回繰り返して、合計12層の選択光
反射膜を作製した。
選択光反射光の中心波長のばらつきは、塗布幅20cmの
うち内側18cmについては上下10nm、反射率は平均47%
で、これに対するばらつきが上下10%であった。
実施例3 実施例1と同様にポリビニルアルコールとポリビニル
カルバゾールとを13層積層した後、窒素雰囲気下で最後
に光硬化性樹脂を4分の1波長分布し、紫外線照射して
硬化させた。
その結果、実施例1と同様の性能が得られた。
実施例4 実施例1で作製した薄膜光学素子を、自動車のフロン
トガラスの手前に立てコンバイナとし、コンバイナによ
る反射光が運転者の視点にくるように蛍光表示管を設置
して、ヘッドアップディスプレイとした。
このヘッドアップディスプレイは、外景の観察に支障
が感じられないものであった。
実施例5 実施例2で作製した薄膜光学素子フィルムをそのまま
用いて、実施例2の薄膜光学素子フィルムの積層側を、
自動車のフロントガラスの車内側に張り付け接着し、コ
ンバイナを作製した。
次に実施例2で作製した薄膜光学素子フィルムに、水
溶性の光硬化性樹脂を塗布した後、紫外線を照射して硬
化した。
こうして得た薄膜光学素子フィルムの背面の基材側に
嫌気性接着剤を塗布しれ、自動車のフロントガラスの車
内側に張り付け接着し、フロントガラスと一体化したコ
ンバイナとした。
実施例4と同様にして、ヘッドアップディスプレイを
構成した。
セーム皮でこの2種のコンバイナ部を拭いても傷はつ
かなかった。
比較例1 ポリトリフルオロエチルアクリレートのトルエン・2
−ブタノン混合溶液と、ポリビニルナフタレンの2−ブ
タノン溶液とを、実施例1と同様にして積層塗布しよう
とした。
しかし、後から塗布する場合に、溶液を滴下した部分
の下の層が溶解しているらしく、透過像が歪んでしまう
層構成になってしまった。
発明の効果 以上のように、基材上に屈折率の異なる高分子組成物
を、低屈折率層と高屈折率層として各々1層以上交互に
積層することにより、大面積の薄膜光学素子を容易に得
ることができる。
さらに、基材上に屈折率の異なる高分子組成物を、低
屈折率層と高屈折率層として各々1層以上交互に積層し
てなる選択光反射薄膜光学素子をコンバイナとするこ
と、またはプラスチックフィルムを基材とした反射型ホ
ログラム、または薄膜光学素子の表面を光または熱効果
性樹脂等で被い、基材側のキャノピまたはフロントガラ
スに接着してコンバイナとすることによって、簡便にま
たは容易にコンバイナとフロントガラスを一体化したヘ
ッドアップディスプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例の薄膜光学素子の断面図、第
2図は同ヘッドアップディスプレイの構成図、第3図は
同別の薄膜光学素子の断面図である。 1……基材、2……低(高)屈折率材料、3……高
(低)屈折率材料、11……発光表示装置、12……コンバ
イナ、13……反射ミラー、14……コンデンサレンズ、15
……フロントガラス、21……基材、22……薄膜光学素
子、23……硬化性樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−99307(JP,A) 実開 平2−45829(JP,U) 特表 昭62−502150(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低屈折率層を形成する高分子組成物と液体
    との混合物と、高屈折率層を形成する高分子組成物と液
    体との混合物との少なくとも2種以上の混合物を、基材
    上に交互に塗布乾燥し積層する薄膜光学素子の製造方法
    において、一方の混合物が非水溶性高分子組成物の非水
    溶液であり他方が水溶性高分子組成物の水溶液である
    か、あるいは混合物が共に酸部分または塩基部分を有す
    る高分子化合物の水性分散液であることを特徴とする薄
    膜光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】低屈折率層を形成する高分子組成物と高屈
    折率層を形成する高分子組成物の屈折率差が0.2以上有
    することを特徴とする、請求項1記載の薄膜光学素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】低屈折率層を形成する高分子組成物が
    (A)の群の中から選択された高分子化合物を含み、高
    屈折率層を形成する高分子組成物が(B)の群から選択
    された高分子化合物を含むことを特徴とする、請求項1
    記載の薄膜光学素子の製造方法。 (A)ポリ2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリ
    レート、トリフルオロエチルアクリレート・アクリル酸
    共重合体、ポリヘプタフルオロブチルアクリレート、ポ
    リフルオロエチルアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
    メチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメチ
    ルメタクリレート (B)ポリ2N−カルバゾリルアクリレート、ペンタブロ
    モフェニルメタクリレート・アクリル酸共重合体、ポリ
    ペンタブロモフェニルメタクリレート、ポリビニルカル
    バゾール、ポリビニルナフタレン、ポリエチレンテレフ
    タレート、ポリα−ナフチルメタクリレート、ポリオル
    トクロロスチレン、ポリスチレン
  4. 【請求項4】基材上に積層した最上層を形成する高分子
    組成物が、光、熱または電子線により硬化する樹脂を含
    むことを特徴とする、請求項1記載の薄膜光学素子の製
    造方法。
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