JPWO2019039577A1 - ひき肉入りソースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ひき肉に肉汁が十分に含まれ、ひき肉を噛みしめたときに十分な弾力感と肉汁感とが得られるひき肉入りソースの製造方法を提供することを課題とする。本発明のひき肉入りソースの製造方法は、シート状に成形したひき肉をオーブンで加熱するオーブン加熱工程と、その加熱後のひき肉を用いてソースを製造する工程とを有する。前記オーブン加熱工程において、加熱後のひき肉の質量が加熱前の60〜95質量%となるようにひき肉を加熱する。

Description

本発明は、オーブンで加熱したひき肉を用いたひき肉入りソースの製造方法に関する。
原材料にひき肉を用いたひき肉料理には、ハンバーグやミートボールのような、ひき肉を塊状に成形したものの他に、そぼろ肉、ひき肉あん、ミートソース、ボロネーゼソースのような、ひき肉がばらばらの状態で含まれているものがある。いずれのひき肉料理においても、肉の粒子同士が部分的に凝集したひき肉を含んでおり、そのひき肉が肉の粒子同士の間隙に肉汁を保持するなどして特有の弾力感を示すことで、ひき肉料理特有の食感食味が生まれ、それがひき肉料理の魅力の1つとなっている。
ひき肉がばらばらの状態で含まれているひき肉入りソースの製造方法の代表的なものは、まず、生ひき肉を、必要に応じ他の食材と共に、炒める、蒸煮するなど加熱調理して、水分をある程度飛ばしてそぼろ状に固めておき、そのそぼろ状のひき肉をソースなどの他の食材と混合するというものである。しかし、斯かる従来の製造方法では、ひき肉入りソースに特有の好ましい粒状感がある程度は得られるものの、弾力があって肉汁が多いひき肉を含むひき肉入りソースは得られなかった。
ひき肉入りソースの製造方法に関し、ひき肉を加熱調理する調理器具としてオーブンを用いる方法が提案されている。例えば特許文献1には、大量調理においても肉の好ましい香りを有するひき肉入りソースを製造することを課題として、ひき肉を加熱調理する調理器具として、ニーダーやソテー機に代えてオーブンを用い、ひき肉を品温が70〜105℃になるまで焼成する工程を含む製造方法が開示されている。しかしこの方法では、比較的高温になるまでひき肉を加熱調理するため、ひき肉からの肉汁の流出が多く、弾力があって肉汁が多いひき肉を含むソースは得られない。
特許文献2には、水蒸気が導入されたオーブンの庫内で生ひき肉を加熱処理して水分含量58〜70質量%のひき肉を得、該ひき肉を用いてひき肉入りソースを製造する方法が開示されている。また特許文献3には、生ひき肉をオーブンで加熱処理して水分含量74質量%以下のひき肉を得、さらに該ひき肉をバーナーで加熱処理してひき肉入りソースを製造する方法が開示されている。特許文献2及び3に記載の技術はいずれも主として、肉の香りや旨味を引き出すことに主眼を置いており、肉汁の多いひき肉を含むソースを得るという点においては改良の余地がある。
特開2014−113076号公報 国際公開第2016/159221号 国際公開第2016/159222号
本発明の課題は、ひき肉に肉汁が十分に含まれ、ひき肉を噛みしめたときに十分な弾力感と肉汁感とが得られるひき肉入りソースの製造方法を提供することである。
本発明は、シート状に成形したひき肉をオーブンで加熱するオーブン加熱工程と、その加熱後のひき肉を用いてソースを製造する工程とを有し、前記オーブン加熱工程において、加熱後のひき肉の質量が加熱前の60〜95質量%となるようにひき肉を加熱する、ひき肉入りソースの製造方法である。
本発明のひき肉入りソースの製造方法は、ひき肉をオーブンで加熱するオーブン加熱工程と、その加熱後のひき肉を用いてソースを製造する工程とを有する。
本発明で用いるひき肉の種類には、特に限定がなく、牛、豚、羊、猪、鶏、鴨等の肉を原料とすることができる。本発明で用いるひき肉としては、これらの原料肉を細かく又は粗く挽いたものを用いることができ、1種類のひき肉を単独で使用してもよく、合いびき肉のように2種類以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、牛肉の生ひき肉及び/又は豚肉のひき肉は、生肉特有のえぐみや臭みが除去され、且つ肉の甘い香り、ジューシーな甘味、コク味、旨みが向上したひき肉入りソースが得られるため、本発明で好ましく用いられる。
前記オーブン加熱工程で加熱するひき肉は、加熱処理されていない生ひき肉である。この生ひき肉を得るための原料肉のミンチは、食肉をミンチ状に加工する公知のミンチ機を用いて通常の要領で行えばよい。また、原料肉の挽き方、生ひき肉のミンチの程度も特に限定されず、粗挽き、細挽きいずれも本発明で利用できる。本発明で好ましく用いられる生ひき肉の一例として、原料肉をミンチ機で2度挽いたものが挙げられる。特に、原料肉を細引きした後に粗挽きして得られる2度挽きの生ひき肉は、加熱しても硬くなりにくく、ソースの味や香りが一層引き立つため、本発明で好ましく用いられる。
前記オーブン加熱工程では、生ひき肉の加熱手段としてオーブンを用いる。他の加熱手段、例えば、ソテー等のフライパンによる加熱、蒸煮加熱(ボイル)、油ちょう加熱では、後述する実施例と比較例との対比からも明らかなように、前記の本発明の効果は得られない。オーブンには、空気から食材への伝熱方式に応じて種々のものがあり、典型的には、熱せられた空気からの対流伝熱を利用するもの、ヒーターや庫壁からの放射伝熱を利用するもの、天板からの伝導伝熱を利用するものなどがあるが、本発明では何れのオーブンも使用可能である。中でも、弾力があって肉汁が多いひき肉をより確実に得る観点から、前2者のオーブン、即ち対流空気及び/又は放射熱による加熱を行うオーブンが好ましく、具体的には例えば、オーブントースター、ロースターオーブン、ジェットオーブン、コンベクションオーブン等が挙げられる。これらの中でも特にジェットオーブン及びコンベクションオーブンは、オーブンの庫内に気流を発生可能に構成されており、生ひき肉の加熱手段として有用である。
前記オーブン加熱工程では、シート状に成形したひき肉(生ひき肉)を加熱する。これは、生ひき肉全体を均一に加熱して、弾力感及び肉汁感に富むひき肉を得るためである。「シート状」とは、比較的厚みが薄く且つ厚み方向の両端面(上下面)が比較的広い形状のものを意味し、典型的なシート状の一例として、厚みが均一で且つ上下面がそれぞれ平坦ないわゆる「平板状」が挙げられる。ここでいう「平坦」とは、巨視的に凹凸が無く平坦であることを意味し、ひき肉で構成されたシート状物であるが故にその表面に生じ得る比較的小さな凹凸は存在しても構わない。生ひき肉をオーブンで加熱するに際し、生ひき肉を塊状に成形せずにほぐした状態で加熱した場合、あるいは塊状に成形した場合でもその成形体が厚みの不均一な不定形である場合には、加熱が不均一になる、最終的に得られるひき肉の弾力感や肉汁感が不十分になる、などの不都合が生じるおそれがある。前記オーブン加熱工程では、シート状のひき肉(生ひき肉)をオーブンの庫内にセットして加熱を開始してから加熱終了後にひき肉を庫内から取り出すまでは、シート状のひき肉をほぐす、切断する、押圧するなどの処理は一切行わないことが好ましく、ひき肉に対する物理的な接触は行わないことが好ましい。そうすることで、前記オーブン加熱工程中はひき肉のシート状の形態が維持され、所望の効果が得られる。
前記オーブン加熱工程で加熱されるシート状のひき肉(生ひき肉)の厚みは、好ましくは3〜50mm、さらに好ましくは15〜40mmである。
また、斯かるシート状のひき肉(生ひき肉)の平面視形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形などから適宜選択できる。
また、斯かるシート状のひき肉(生ひき肉)の面積(厚み方向への投影面積)は、使用するオーブンの庫内の大きさや調理に使用するひき肉の量などに応じて適宜選択すればよく特に限定されないが、好ましくは100〜6000cm、さらに好ましくは300〜3000cmである。
前記オーブン加熱工程においては、加熱後のひき肉の質量が加熱前の60〜95質量%、好ましくは70〜90質量%となるようにひき肉を加熱する。即ち、シート状に成形した生ひき肉をオーブンで加熱することによって、その質量を5〜40質量%の範囲で減少させる。この質量の減少は主として、ひき肉に含まれる水分の蒸発によるものである。加熱後のひき肉の質量が加熱前の60質量%未満では、水分以外の揮発性成分、例えば肉汁成分や香気成分などが多量に揮発してしまうおそれがあり、ひき肉の食感低下に繋がる。一方、加熱後のひき肉の質量が加熱前の95質量%を超えると、ひき肉表面の焼き固まりが不十分で、肉汁が外部に流出してしまい、やはりひき肉の食感低下に繋がる。加熱後のひき肉の質量は、オーブンでの加熱温度、加熱時間、オーブン庫内に水蒸気を導入する場合にはその導入量等を適宜調整することによって調整可能である。
また、単に、ひき肉の加熱前後の質量を前記特定範囲に制御すれば、本発明の効果が奏されるというわけではない。本発明の効果が奏されるようにするためには、さらに、加熱によるひき肉の活性化が必要である。そこで、本発明においては、ひき肉のオーブン加熱処理を必須要件としている。オーブン加熱処理は、ひき肉の表面を焼き固めると同時にひき肉の内部を穏やかに加熱することができ、それによってひき肉の活性化が図られる。本発明によれば、斯かるひき肉のオーブン加熱処理と、前記のひき肉の加熱前後の質量制御とによって、ほぐした後のひき肉が肉汁を保持しやすくなると共にふんわりとした弾力を有するようになり、弾力感及び肉汁感に富み、噛みしめると肉汁が口内に十分にあふれるような良好な食感のひき肉を含む、ひき肉入りソースが得られる。
前記のひき肉の加熱前後の質量制御を確実に実施して、本発明の所定の効果を奏させるようにする観点から、前記オーブン加熱工程におけるオーブンの庫内温度、即ち加熱対象のひき肉の周囲の温度は、好ましくは180℃〜300℃、さらに好ましくは200〜285℃である。
また、前記のひき肉の加熱前後の質量制御をより確実に実施する観点から、前記オーブン加熱工程においては、オーブンの庫内温度を前記特定範囲とし、且つその加熱中のひき肉の中心温度を50〜95℃、特に54〜85℃とすることが好ましい。ここでいう「ひき肉の中心温度」は、シート状のひき肉の平面視における中央部(具体的には該ひき肉の平面視における中心から50mm以内の領域)で且つ該ひき肉を厚み方向に3等分した場合の厚み方向中央部での温度を意味する。ひき肉の中心温度は、シート状のひき肉の斯かる中心位置に市販の温度計プローブ(センサ)を設置して常法に従って測定することができる。前記オーブン加熱工程で加熱中のひき肉の中心温度が50〜95℃であると、ひき肉表面の焼き固まる速度及びひき肉が膨化する速度と、ひき肉中の旨みが肉汁となる速度とがそれぞれ一層適切なものとなり、その結果前記の本発明の効果が一層得られやすくなる。
前記オーブン加熱工程におけるひき肉の加熱時間、即ち好ましくは、オーブンの庫内温度180〜300℃及びひき肉の中心温度50〜95℃を維持する時間は、加熱対象のひき肉の量などにより適宜調整すればよいが、例えばシート状のひき肉の厚みを前記のように3〜50mmとした場合は、60〜1200秒間、特に180〜1000秒間とすることが好ましい。ひき肉の加熱時間が短すぎると、オーブン加熱による肉の活性化が足りず、逆に長すぎると、肉の風味成分が飛散して消失する。過加熱による異味異臭成分が生成する、などの不都合が生じるおそれがある。尚、前記のひき肉の加熱前後の質量制御を確実に実施する観点、及び加熱処理をスムーズに行う観点などから、オーブンの庫内に生ひき肉を投入する前に、庫内を予め加熱して庫内温度を所望の庫内温度(好ましくは180〜300℃)に調整しておくことが好ましい。
前記オーブン加熱工程は、水蒸気が導入されたオーブンの庫内で行われることが好ましい。このように、水蒸気の存在下で、シート状に成形したひき肉をオーブン加熱することで、ひき肉のふんわりとした弾力が一層引き立てられるようになり、弾力感及び肉汁感に富んだひき肉が得られやすくなる。オーブンの庫内に導入する水蒸気は、飽和水蒸気でも良く、過熱水蒸気でもよい。オーブンの庫内への水蒸気の導入は、水蒸気発生手段をオーブンに設置することで可能であり、市販のスチーム機能付きオーブンなどの公知の技術を利用して常法に従って実施可能である。
前記のように、オーブンの庫内に水蒸気を導入する場合、その水蒸気の導入圧力は、好ましくは0.01〜0.5MPa、さらに好ましくは0.1〜0.3MPaである。水蒸気の導入圧力は、ひき肉に接触させる水蒸気の量にほぼ比例し、水蒸気の導入圧力が大きくなると、前記オーブン加熱工程においてひき肉に接触する水蒸気の量が多くなる。また、水蒸気のオーブンの庫内への導入は、該庫内へ生ひき肉を投入した直後から実施するのが好ましい。
本発明のひき肉入りソースの製造方法においては、前記オーブン加熱工程後に、その加熱後のひき肉、即ち、対生ひき肉質量が60〜95質量%の加熱済みひき肉を用いてソースを製造する(ソース製造工程)。ソース製造工程は、製造目的物たるひき肉入りソースの種類等に応じて常法に従って実施すればよく、ひき肉を蒸煮等の加熱手段を用いて加熱する工程を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。ソース製造工程の一例として、香味野菜等のひき肉以外の原材料を、鍋に張った水に投入して加熱し、それらの原材料に火が通ったところで、オーブン加熱処理後のひき肉を鍋に投入し、調味料で味をととのえる方法が挙げられる。また、ソースの製造工程の他の一例として、ひき肉以外の原材料を用いて常法に従って基本ソースを製造し、最終工程でその基本ソースにオーブン加熱処理後のひき肉を加える方法が挙げられ、その場合、オーブン加熱処理後のひき肉は、冷却せずに基本ソースに加えることもできるが、加熱後のひき肉を安定化させる観点から、室温程度まで一旦冷却した後に基本ソースに加える方が好ましい。
前記ソース製造工程では通常、前記オーブン加熱工程を経たシート状のひき肉をほぐしてから使用する。例えば、前記のソース製造工程の一例であれば、シート状のひき肉をほぐしてから鍋に投入し、また前記のソース製造工程の他の一例であれば、シート状のひき肉をほぐしてから室温程度まで一旦冷却するか、又は、ほぐさずにシート状のままの状態で室温程度まで一旦冷却した後、基本ソースに加える。
本発明のひき肉入りソースの製造方法は、ひき肉がばらばらの状態で含まれている各種ソースの製造に有用であり、そのようなひき肉入りソースとして、例えば、ミートソース、ボロネーゼソース、サルサソース、カレーソース、デミグラスソース、麻婆豆腐などの中華用あんかけソースなどを例示できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜8、10〜17及び比較例1〜2〕
原料となる牛肉をミンチ機により細引きした後に粗挽きして、2度挽きの生ひき肉を得、該ひき肉1500gを、予め重さを測定した耐熱性トレイに詰めて、該トレイの内部形状に対応したシート状のひき肉を得た。こうして成形されたシート状の生ひき肉は、縦300mm、横430mmの平面視矩形状をなし、厚みは20mmであった。
先ず、前記のシート状のひき肉をオーブンで加熱した(オーブン加熱工程)。具体的には、市販のジェットオーブン(株式会社フジマック製)の庫内を予め所定温度に加熱しておき、その予熱された庫内に、シート状の生ひき肉を、その成形に用いたトレイごと投入し、所定時間オーブン加熱した(オーブン加熱工程)。予め、シート状のひき肉の前記中心位置に小型の温度ロガー(DATATRACE;西華産業株式会社製)を設置しておき、該温度ロガーにより、加熱中のひき肉の中心温度を測定した。オーブン加熱工程後にオーブンの庫内からひき肉をトレイごと取り出してそれらの加熱後の総質量を測定し、予め測定しておいたそれらの加熱前の総質量とトレイ単独の質量とを用いて、オーブン加熱前のひき肉の質量に対するオーブン加熱後のひき肉の質量の比率(加熱前後のひき肉質量比)、即ち後者/前者を百分率で算出した。
次に、加熱後のひき肉400gを用いて、ひき肉入りソースの一種であるミートソースを製造した(ソース製造工程)。具体的には、先ず、みじん切りにしたタマネギ200g、ニンジン50g、ニンニク5gをフライパンで炒め、トマトピューレ、調味料で味付けし、次いで、そのフライパンに、オーブン加熱処理したひき肉をほぐしてから投入し、それらの混合物を適宜攪拌しつつ、ひと煮立ちさせることにより、ミートソースを製造した。
〔実施例9〕
前記オーブン加熱工程を、水蒸気が導入されたオーブンの庫内で行った以外は、前記と同様にしてミートソースを製造した。水蒸気の導入圧力は0.1MPaとした。
〔比較例3〕
生ひき肉の加熱手段として、オーブン加熱に代えて、市販のフライパンによるソテー(フライパンに少量の油を用いて加熱する調理方法)を用いた以外は、前記と同様にしてミートソースを製造した。
〔比較例4〕
生ひき肉の加熱手段として、水蒸気を併用したオーブン加熱に代えて、沸騰水による蒸煮加熱(ボイル)を用いた以外は、前記と同様にしてミートソースを製造した。
〔試験例〕
各実施例及び比較例のミートソースを10名の専門パネラー(ミートソースの食味食感を評価する業務に5年以上従事している者)に喫食してもらい、ミートソースに含まれるひき肉の弾力感及び肉汁感を下記評価基準により評価してもらった。その評価結果を、10名のパネラーの平均点として下記表1〜表2に示す。
尚、下記表における「加熱温度」は、加熱手段がオーブンの場合(実施例1〜17及び比較例1〜2)は「オーブンの庫内温度」であり、加熱手段がソテーの場合(比較例3)は「フライパン上の油の温度」であり、加熱手段がボイルの場合(比較例4)は「沸騰水の温度」である。
(弾力感の評価基準)
5点:ふんわりとした弾力があり、咀嚼で崩壊しやすく、極めて良好。
4点:弾力があり、咀嚼でほぼ崩壊し、良好。
3点:やや弾力に物足りないが、咀嚼でほぼ崩壊し、やや良好。
2点:弾力に乏しく、咀嚼しても粒が残る感じがあり、不良。
1点:弾力がほとんど無く、硬い粒感があり、極めて不良。
(肉汁感の評価基準)
5点:ひき肉を噛みしめると多くの肉汁が広がり、極めて良好。
4点:ひき肉を噛みしめると肉汁が広がり、良好。
3点:ひき肉を噛みしめると肉汁がやや感じられ、やや良好。
2点:ひき肉を噛みしめても肉汁が少なく、不良。
1点:ひき肉を噛みしめても肉汁が感じられず、極めて不良。
Figure 2019039577
表1に示す通り、加熱前後のひき肉質量比が60〜95質量%の範囲内の実施例1〜9は、何れも各評価項目の評価点が3.3点を超えており、同じくオーブン加熱で且つ該質量比が斯かる特定範囲外の比較例1〜2に比して、ソース中のひき肉の弾力感及び肉汁感の双方に優れていた。特に水蒸気を併用したオーブン加熱を行った実施例9が最も評価が高く、このことから、シート状に成形したひき肉を、水蒸気が導入されたオーブンの庫内で、加熱前後のひき肉質量比が60〜95質量%となるように加熱することの有用性が明白である。
比較例1〜2は、実施例1〜9と同様にオーブン加熱を行った例であるが、オーブン加熱前後のひき肉質量比が適切でなかったため、実施例に比して評価に劣る結果となった。
比較例3は通常のソテー加熱、比較例4は通常のボイル加熱を行ったものであるが、いずれもオーブン加熱の実施例よりも劣る結果となったことから、弾力感及び肉汁感に富むひき肉の入ったひき肉入りソースを得るためには、生ひき肉の加熱手段としてはオーブンが有効であることがわかる。
Figure 2019039577
表2における複数の実施例は、加熱前後のひき肉質量比は互いに実質的に同じであるが、前記オーブン加熱工程における加熱温度、加熱時間、ひき肉の中心温度が互いに異なる。実施例6、13〜15が特に高評価であり、次いで実施例16の評価が高かったことから、加熱温度(オーブンの庫内温度)は180〜300℃程度が好ましいことがわかる。
本発明の製造方法によれば、ひき肉に肉汁が十分に含まれ、ひき肉を噛みしめたときに十分な弾力感と肉汁感とが得られるひき肉入りソースを、熟練者による調理などに頼らずに比較的簡便に製造することができる。本発明によって製造されたひき肉入りソースは、ひき肉が塊状に成形されておらずにばらばらの状態で含有されているものでありながら、その含有されているひき肉が豊かな弾力を有し、これを噛みしめると多量の肉汁が口内にあふれ、ひき肉の食感に特に優れる。

Claims (4)

  1. シート状に成形したひき肉をオーブンで加熱するオーブン加熱工程と、その加熱後のひき肉を用いてソースを製造する工程とを有し、
    前記オーブン加熱工程において、加熱後のひき肉の質量が加熱前の60〜95質量%となるようにひき肉を加熱する、ひき肉入りソースの製造方法。
  2. 前記オーブン加熱工程において、加熱後のひき肉の質量が加熱前の70〜90質量%となるようにひき肉を加熱する請求項1に記載のひき肉入りソースの製造方法。
  3. 前記オーブン加熱工程におけるオーブンの庫内が180℃〜300℃である請求項1又は2に記載のひき肉入りソースの製造方法。
  4. 前記オーブン加熱工程が、水蒸気が導入されたオーブンの庫内で行われる請求項1〜3の何れか1項に記載のひき肉入りソースの製造方法。
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