JPWO2019021652A1 - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

光記録媒体は、第1のディスクと、第2のディスクと、第1のディスクと第2のディスクとを貼り合わせる接着剤層とを備え、第1のディスクおよび第2のディスクは、第1の面と第2の面とを有し、第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、隣接する情報信号層の間に設けられた中間層と、2層以上の情報信号層および中間層を覆うカバー層とを備え、第1のディスクが備える基板の第2の面と、第2のディスクが備える基板の第2の面とが、接着剤を介して対向している。【選択図】図2

Description

本開示は、光記録媒体およびその製造方法に関する。
光記録媒体として、DVD(Digital Versatile Disc)等の貼り合わせ型の光記録媒体が広く知られている。この光記録媒体は、一方の面に情報信号層を有する第1の基板と、情報信号層を有していない第2の基板(ダミー基板)とを備え、情報信号層が設けられた第1の基板の一方の面に、第2の基板を貼り合わせた構成を有している。
近年では、上記構成とは異なる構成を有する貼り合わせ型の光記録媒体が提案されている。この光記録媒体は、基板と、基板上に設けられた2以上の情報信号層と、隣接する情報信号層の間に設けられた中間層と、2以上の情報信号層および中間層を覆うカバー層とを備える2枚のディスクを備え、これらのディスクの両面のうち基板側の面同士を接着剤により貼り合わせ構成を有している(例えば特許文献1参照)。この光記録媒体では、スピンコート法により、第1、第2のディスクの内周部間に挟まれた接着剤を内周部から外周部まで延伸させたのち、紫外線照射により接着剤を硬化させることにより、2枚のディスクは貼り合わされる。
特開2015−197936号公報
しかしながら、上記光記録媒体では、貼合工程においてスピンコート法により接着剤を内周部から外周部まで延伸させた際に、光記録媒体の両面の外周部に盛り上がりが形成される。このように盛り上がりが外周部に形成されると、光記録媒体の品質低下を招く虞がある。例えば、盛り上がりの度合いによっては、レーザー再生光が光記録媒体で反射された戻り信号が劣化し、サーボが外れる虞がある。
本開示の目的は、外周部の盛り上がりを抑制することができる光記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の開示は、第1のディスクと、第2のディスクと、第1のディスクと第2のディスクとを貼り合わせる接着剤層とを備え、第1のディスクおよび第2のディスクは、第1の面と第2の面とを有し、第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、隣接する情報信号層の間に設けられた中間層と、2層以上の情報信号層および中間層を覆うカバー層とを備え、第1のディスクが備える基板の第2の面と、第2のディスクが備える基板の第2の面とが、接着剤を介して対向している光記録媒体である。
第2の開示は、第1のディスクと第2のディスクとの間に接着剤を挟み、第1のディスクおよび第2のディスクを回転させることにより、接着剤を延伸することを含み、第1のディスクおよび第2のディスクは、第1の面と第2の面とを有し、第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、隣接する情報信号層の間に設けられた中間層と、2層以上の情報信号層および中間層を覆うカバー層とを備え、第1のディスクが備える基板の第2の面と、第2のディスクが備える基板の第2の面とが、接着剤を介して対向している光記録媒体の製造方法である。
本開示によれば、光記録媒体の外周部の盛り上がりを抑制することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果またはそれらと異質な効果であってもよい。
図1Aは、ディスクの状態を示す断面図である。図1Bは、接着剤を間に挟んで重ね合わせた2枚のディスクの状態を示す断面図である。図1Cは、接着剤により貼合した2枚のディスクの状態を示す断面図である。 図2Aは、本開示の一実施形態に係る光記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図2Bは、第1のディスクが備える基板の外周部の形状の一例を示す断面図である。図2Cは、第2のディスクが備える基板の外周部の形状の一例を示す断面図である。 図3は、第1、第2のディスクの構成の一例を示す断面図である。 図4は、図3に示した各情報信号層の構成の一例を示す断面図である。 図5Aは、金型の構成の一例を示す断面図である。図5Bは、図5Aの一部を拡大して表す断面図である。 図6A、6B、6C、6Dはそれぞれ、本開示の一実施形態に係る光記録媒体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図7A、7B、7Cはそれぞれ、本開示の一実施形態に係る光記録媒体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図8は、比較例2の基板の外周部の形状を示す断面図である。 図9は、比較例1の接着剤層の厚みの半径依存性を示すグラフである。 図10Aは、実施例2の第1の光照射面のRadial Tilt(周内平均値)の半径依存性を示すグラフである。図10Bは、実施例2の第2の光照射面のRadial Tilt(周内平均値)の半径依存性を示すグラフである。 図11Aは、比較例1の第1の光照射面のRadial Tilt(周内平均値)の半径依存性を示すグラフである。図11Bは、比較例1の第2の光照射面のRadial Tilt(周内平均値)の半径依存性を示すグラフである。
本開示において、光記録媒体は、再生専用型、追記型および書き換え可能型のいずれの方式のものであってあってもよい。
本開示において、情報信号層は、少なくとも記録層または再生層を備える。情報信号層が記録層である場合、保存信頼性向上の観点からすると、光記録媒体は、記録層の少なくとも一方の面に誘電体層をさらに備えることが好ましく、記録層の両面に誘電体層を備えることがより好ましい。層構成や製造設備の簡略化の観点からすると、記録層のいずれの面にも誘電体層を設けずに、記録層を単独で用いることが好ましい。
本開示において、光記録媒体が、記録層と、この記録層の少なくとも一方の面側に設けられた誘電体層とを備える複数の情報信号層を有する場合、生産性の観点からすると、複数の情報信号層がすべて同一の層構成を有していることが好ましい。複数の情報信号層が第1の誘電体層と、記録層と、第2の誘電体層とを備える同一の層構成を有する場合、生産性の観点からすると、第1の誘電体層、記録層および第2の誘電体層それぞれが、各情報信号層にて同一種の材料を含むものであることが好ましい。
本開示の実施形態について以下の順序で説明する。
概要
光記録媒体の構成
金型の構成
金型の動作
光記録媒体の製造方法
効果
[概要]
本発明者らは、光記録媒体の外周部の盛り上がりを抑制すべく鋭意検討を行った。本発明者らの知見によれば、図1Aに示すように、貼り合わせ前の状態においてディスク210には、カバー層212が設けられた側の面を凹形状に変形させる大きな反りが発生している。これは、ディスク210が、カバー層212と中間層(図示せず)を構成する紫外線硬化樹脂を硬化した際に、紫外線硬化樹脂が収縮し、基板211を引っ張る応力が働くためである。ここで、中間層は、情報信号層(図示せず)間に設けられ、情報信号層間を離間するものである。
したがって、図1Bに示すように、2枚のディスク210を互いの基板211が対向すると共に、これらのディスク210の内周部に接着剤221を間に挟むようにして重ね合わせた場合には、2枚のディスク210の外周部が開いた状態となる。このような状態において、スピンコート法により接着剤221をディスク210の内周部から外周部に延伸し、延伸した接着剤221を硬化させると、図1Cに示すように、外周部の接着剤層220が厚くなり、光記録媒体201の両面の外周部に盛り上がりが形成される。このような盛り上がりの形成は、スピンコート時に外周側にて接着剤221に表面張力が作用すること、および単板状態のディスク210に反りが発生していることに起因するものと考えられる。
そこで、本発明者らは、2枚のディスク210に反りが発生している場合でも、外周部に形成される盛り上がりを抑制できる光記録媒体について鋭意検討した。その結果、基板の両面のうち、接着剤層側となる面の外周部に勾配を設け、重ね合わされた2枚のディスクの外周部に、スピンコートにより延伸された接着剤を溜めるための空間を形成することで、光記録媒体の両面の外周部に形成される盛り上がりを抑制できることを見出すに至った。以下、このような構成を有する光記録媒体について説明する。
[光記録媒体の構成]
図2Aに示すように、本開示の一実施形態に係る光記録媒体1は、貼り合わせ型、かつ追記型の光記録媒体であり、第1のディスク10と、第2のディスク20と、第1、第2のディスク10、20の間に設けられた接着剤層30とを備える。光記録媒体1は、グルーブトラックおよびランドトラックの両方にデータを記録する方式(以下「ランド/グルーブ記録方式」という。)の光記録媒体であり、中央に開口(以下「センターホール」という。)が設けられた円盤状を有する。なお、光記録媒体1の形状は円盤状に限定されるものではなく、これ以外の形状であってもよい。
図3に示すように、第1のディスク10は、第1の面11Aと第2の面11Bとを有する基板11と、第1の面11Aに設けられた情報信号層L0〜Lnおよび中間層S1〜Snと、情報信号層L0〜Lnおよび中間層S1〜Snを覆うカバー層12とを備える。中間層S1〜Snはそれぞれ、隣接する情報信号層L0、L1、情報信号層L1、L2、・・・、情報信号層Ln−1、Lnの間に設けられる。第2のディスク20は、第1の面21Aと第2の面21Bとを有する基板21と、第1の面21Aに設けられた情報信号層L0〜Lmおよび中間層S1〜Smと、情報信号層L0〜Lmおよび中間層S1〜Smを覆うカバー層12とを備える。中間層S1〜Smはそれぞれ、隣接する情報信号層L0、L1、情報信号層L1、L2、・・・、情報信号層Ln−1、Lmの間に設けられる。但し、n、mはそれぞれ独立して2以上の整数、好ましくは3以上の整数であり、例えば3または4である。なお、以下の説明において、情報信号層L0〜Ln、L0〜Lmを特に区別しない場合には、情報信号層Lという。
光記録媒体1は、情報信号を記録または再生するための光が照射される光照射面を両面に有する。より具体的には、第1のディスク10の情報信号の記録または再生を行うためのレーザー光が照射される第1の光照射面C1と、第2のディスク20の情報信号の記録または再生を行うためのレーザー光が照射される第2の光照射面C2とを有する。
第1のディスク10では、情報信号層L0が第1の光照射面C1を基準として最も奥に位置し、その手前に情報信号層L1〜Lnが位置している。このため、情報信号層L1〜Lnは、記録または再生に用いられるレーザー光を透過可能に構成されている。一方、第2のディスク20では、情報信号層L0が第2の光照射面C2を基準として最も奥に位置し、その手前に情報信号層L1〜Lmが位置している。このため、情報信号層L1〜Lmは、記録または再生に用いられるレーザー光を透過可能に構成されている。なお、図示しないが、光記録媒体1が、カバー層12、22の表面(第1、第2の光照射面C1、C2)にハードコート層をさらに備えていてもよい。
光記録媒体1では、第1のディスク10の情報信号の記録または再生は以下のようにして行われる。すなわち、カバー層12側の第1の光照射面C1からレーザー光を、第1のディスク10に含まれる各情報信号層L0〜Lnに照射することにより、第1のディスク10の情報信号の記録または再生が行われる。例えば、350nm以上410nm以下の範囲の波長を有するレーザー光を、0.84以上0.86以下の範囲の開口数を有する対物レンズにより集光し、カバー層12の側から、第1のディスク10に含まれる各情報信号層L0〜Lnに照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。
一方、第2のディスク20の情報信号の記録または再生は以下のようにして行われる。すなわち、カバー層22側の第2の光照射面C2からレーザー光を、第2のディスク20に含まれる各情報信号層L0〜Lmに照射することにより、第2のディスク20の情報信号の記録または再生が行われる。例えば、350nm以上410nm以下の範囲の波長を有するレーザー光を、0.84以上0.86以下の範囲の開口数を有する対物レンズにより集光し、カバー層22の側から、第2のディスク20に含まれる各情報信号層L0〜Lmに照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。このような光記録媒体1としては、例えばArchival Disc(AD)が挙げられる。
第1、第2のディスク10、20のスパイラル方向は逆であっても良い。この場合、第1、第2の光照射面C1、C2からの同時記録再生が可能となるため、記録や再生時のデータ転送速度を約2倍に高めることができる。
以下、光記録媒体1を構成する基板11、21、接着剤層30、情報信号層L0〜Ln、L0〜Lm、中間層S1〜Sn、S1〜Smおよびカバー層12、22について順次説明する。
(基板)
基板11、21は、例えば、中央にセンターホールが設けられた円盤状を有する。基板11の第2の面11Bの外周部には、図2Bに示すように、勾配11Cが設けられている。同様に、基板21の第2の面21Bの外周部には、図2Cに示すように、勾配21Cが設けられている。対向する勾配11C、21Cによって、スピンコートにより延伸された接着剤を溜めるための空間が形成される。
勾配11C、21Cはそれぞれ、半径方向に基板11、21の厚みが薄くなるように傾斜したものである。ここで、半径方向とは、基板11、21の中心から外周に向かう方向を意味する。勾配11C、21Cの高さHは、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下、更により好ましくは10μm以上30μm以下、特に好ましくは10μm以上20μm以下である。勾配11C、21Cの高さHが50μm以下であると、第1、第2の光照射面C1、C2の外周部における径方向の盛り上がりの変動量を抑制することができる。
半径方向における勾配11C、21Cの幅Wは、好ましくは5mm以上10mm以下、より好ましくは6mm以上8mm以下である。勾配11C、21Cの幅Wが5mm未満であると、スピンコートにより延伸された接着剤を溜めるための空間が小さくなり、第1、2の光照射面C1、C2の外周部の盛り上がりを抑制する効果が低下する虞がある。一方、勾配11C、21Cの幅Wが10mmを超えると、接着剤膜厚が急激に増加する半径よりも内側に勾配を形成することになり、接着剤を溜めるための空間には関与しない余分な空間が形成される。
勾配11C、21Cの高さH、および幅Wは、次のようにして求められる。まず、光記録媒体1を裁断して試料片を採取し、この試料片に対して断面SEM(Scanning Electron Microscope)観察を実施し、断面SEM像を得る。続いて、得られた断面SEM像から、勾配11C、21Cの高さH、および幅Wを求める。
基板11の第1の面11Aおよび基板21の第1の面21Aは、例えば、凹凸面となっており、この凹凸面上に情報信号層L0が成膜されている。以下では、凹凸面のうち凹部をランドLdといい、凸部をグルーブGvという。
ランドLdおよびグルーブGvの形状としては、例えば、スパイラル状または同心円状等の各種形状が挙げられる。また、ランドLdおよび/またはグルーブGvが、線速度の安定化やアドレス情報付加等のためにウォブル(蛇行)されていてもよい。
基板11、21の外径(直径)は、例えば120mmに選ばれる。基板11、21の内径(直径)は、例えば15mmに選ばれる。基板11の厚さは、剛性を考慮して選ばれ、好ましくは0.3mm以上0.6mm以下、より好ましくは0.3mm以上0.545mm以下、さらにより好ましくは0.445mm以上0.545mm以下である。
基板11、21の材料としては、例えば、プラスチック材料またはガラスを用いることができ、成形性の観点から、プラスチック材料を用いることが好ましい。プラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。またコストの観点からポリカーボネート系樹脂が用いられることが多い。
(接着剤層)
接着剤層30は、硬化した紫外線硬化樹脂、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含む。この接着剤層30により、第1、第2のディスク10、20が貼り合わされる。より具体的には、第1のディスク10が備える基板11の第2の面11Bと、第2のディスク20が備える基板21の第2の面21Bとが、接着剤層30を介して対向するようにして、接着剤層30により貼り合わされている。カバー層12、22がそれぞれ表面側となるようにして、第1のディスク10の基板11と第2のディスク基板の基板21とが貼り合わされる。接着剤層30の厚さは、例えば0.01mm以上0.22mm以下である。接着剤層30は円環状を有し、接着剤層30の外周部の厚みが、接着剤層30の内周部の厚みよりも厚くなっている。このような厚みの関係を有しているのは、後述するように接着剤層30を構成する接着剤は、スピンコート法により延伸されるからである。
(情報信号層)
情報信号層Lは、凹状のトラック(以下「ランドトラック」という。)および凸状のトラック(以下「グルーブトラック」という。)を有している。本実施形態に係る光記録媒体1は、ランドトラックおよびグルーブトラックの両方に情報信号を記録可能に構成されている。ランドトラックとグルーブトラックとのピッチTpが、高記録密度の観点からすると、0.225nm以下であることが好ましい。
図4に示すように、情報信号層L0〜Lnは、上面(第1の面)および下面(第2の面)を有する記録層41と、記録層41の上面に隣接して設けられた誘電体層42と、記録層41の下面に隣接して設けられた誘電体層43とを備える。このような構成とすることで、記録層41の耐久性を向上することができる。ここで、上面とは、記録層41の両面のうち、情報信号を記録または再生するためのレーザー光が照射される側の面をいい、下面とは、上述のレーザー光が照射される側とは反対側の面、すなわち基板11側の面をいう。なお、情報信号層L0〜Lmの構成は、情報信号層L0〜Lnと同様とすることができるので、説明を省略する。
(記録層)
記録層41は、いわゆる無機記録層である。第1の光照射面C1から最も奥側となる情報信号層L0以外の情報信号層L1〜Lnのうちの少なくとも1層の記録層41が、例えば、金属Aの酸化物、金属Bの酸化物および金属Cの酸化物を主成分として含んでいる。金属AはW、MoおよびZrのうちの少なくとも1種であり、金属BはMnであり、金属CはCu、AgおよびNiのうちの少なくとも1種である。金属Aの酸化物、金属Bの酸化物および金属Cの酸化物にそれぞれ含まれる金属A、金属Bおよび金属Cの割合が、0.46≦x1、好ましくは0.46≦x1≦1.70の関係を満たしていることが好ましい。これにより、光記録媒体1の情報信号層Lとして求められる特性を満たしつつ、優れた透過特性を実現できる。ここで、光記録媒体1の情報信号層Lとして求められる特性としては、良好な信号特性、高記録パワーマージンおよび高再生耐久性等が挙げられる。
但し、x1は、x1=a/(b+0.8c)により定義される変数である。
a:金属A、金属Bおよび金属Cの合計に対する金属Aの原子比率[原子%]
b:金属A、金属Bおよび金属Cの合計に対する金属Bの原子比率[原子%]
c:金属A、金属Bおよび金属Cの合計に対する金属Cの原子比率[原子%]
第1の光照射面C1から最も奥側となる情報信号層L0に到達する光量を増やす観点からすると、情報信号層L0以外の情報信号層L1〜Lnが有する記録層41が全て、上記の3元系酸化物を主成分として含み、かつ上記の関係(0.46≦x1)を満たしていることが好ましい。また、一般的に最奥の情報信号層L0に近い情報信号層Lほど高い記録感度が必要なために透過率が低くなりやすいことから、第1の光照射面C1に近い情報信号層Lほど高透過率となるよう設計することが多い。よって、情報信号層L1〜Lnの記録層41の変数x1の値は、第1の光照射面C1に近い情報信号層Lのものほど大きな値となることが好ましい。
また、良好な信号特性、高記録パワーマージンおよび高再生耐久性を得る観点からすると、情報信号層L0〜Lnが有する記録層41全てが、上記の3元系酸化物を主成分として含み、かつ上記の関係(0.46≦x1)を満たしていることが好ましい。また、情報信号層L0〜Lnの記録層41の変数x1の値は、第1の光照射面C1に近い情報信号層Lのものほど大きな値となることが好ましい。第1の光照射面C1に近い情報信号層Lほど透過率を高くすることができるからである。
A金属、金属Bおよび金属Cの合計に対するA金属の原子比率aは、好ましくは10原子%以上70原子%以下、より好ましくは33原子%以上68原子%以下の範囲内である。原子比率aが10原子%未満であると、低透過率となる傾向がある。一方、原子比率aが70原子%を超えると、記録感度低下となる傾向がある。
A金属、金属Bおよび金属Cの合計に対する金属Bの原子比率bは、好ましくは2原子%以上40原子%以下、より好ましくは5原子%以上30原子%以下の範囲内である。原子比率bが2原子%未満であると、記録パワーマージンが狭くなる傾向がある。一方、原子比率bが40原子%を超えると、低透過率となる傾向がある。
A金属、金属Bおよび金属Cの合計に対する金属Cの原子比率cは、好ましくは5原子%以上50原子%以下、より好ましくは27原子%以上37原子%以下の範囲内である。原子比率cが5原子%未満であると、再生耐久性が弱くなる傾向がある。一方、原子比率cが50原子%を超えると、低透過率となる傾向がある。
情報信号層L1〜Lnにおける上記の3元系酸化物以外の記録層41の材料としては、例えば、In酸化物とPd酸化物の混合物、またはW酸化物とPd酸化物の混合物を用いることも可能である。但し、光記録媒体1の低コスト化のためには、記録層41の材料として貴金属であるPdを含まない上記の3元系酸化物を用いることが好ましい。
第1の光照射面C1から最も奥側となる情報信号層L0の記録層41の材料としては、In酸化物とPd酸化物、またはW酸化物とPd酸化物の混合物を用いることも可能である。但し、低コスト化の観点からすると、記録層41の材料としては、上記の3元系酸化物を用いることが好ましい。
記録層41の厚さは、好ましくは25nm以上60nm以下、より好ましくは30nm以上50nm以下の範囲内である。25nm未満であると、信号特性悪化となる傾向がある。一方、60nmを超えると、記録パワーマージンが狭くなる傾向がある。
(誘電体層)
誘電体層42、43が酸素バリア層として機能することで、記録層41の耐久性を向上することができる。また、記録層41の酸素の逃避を抑制することで、記録層41の膜質の変化(主に反射率の低下として検出)を抑制することができ、記録層41として必要な膜質を確保することができる。さらに、誘電体層42、43を設けることで、記録特性を向上させることができる。これは、誘電体層42、43に入射したレーザー光の熱拡散が最適に制御されて、記録部分における泡が大きくなりすぎたり、Mn酸化物の分解が進みすぎて泡がつぶれるといったことが抑制され、記録時の泡の形状を最適化することができるためと考えられる。
誘電体層43の光学膜厚(光路長)n×T(但し、n:誘電体層43の屈折率、T:誘電体層43の物理膜厚)が、n×T≧32nmの関係を満たすことが好ましい。凹部としてのランドLdや凸部としてのグルーブGvに情報信号を記録(ランド/グルーブ記録)する際のトラッキングオフセットを抑制することができるからである。
誘電体層42、43の材料としては、例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含んでいる。誘電体層42、43の材料としては、互いに同一または異なる材料を用いることができる。酸化物としては、例えば、In、Zn、Sn、Al、Si、Ge、Ti、Ga、Ta、Nb、Hf、Zr、Cr、BiおよびMgからなる群から選ばれる1種以上の元素の酸化物が挙げられる。窒化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Nb、Mo、Ti、Nb、Mo、Ti、W、TaおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物、好ましくはSi、GeおよびTiからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物が挙げられる。硫化物としては、例えば、Zn硫化物が挙げられる。炭化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Ti、Zr、TaおよびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物、好ましくはSi、TiおよびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物が挙げられる。フッ化物としては、例えば、Si、Al、Mg、CaおよびLaからなる群より選ばれる1種以上の元素のフッ化物が挙げられる。これらの混合物としては、例えば、ZnS−SiO2、SiO2−In23−ZrO2(SIZ)、SiO2−Cr23−ZrO2(SCZ)、In23−SnO2(ITO)、In23−CeO2(ICO)、In23−Ga23(IGO)、In23−Ga23−ZnO(IGZO)、Sn23−Ta25(TTO)、TiO2−SiO2、Al23−ZnO、Al23−BaO等が挙げられる。
誘電体層43の厚さは、好ましくは2nm以上30nm以下の範囲内である。2nm未満であると、バリア効果が小さくなる傾向がある。一方、30nmを超えると、記録パワーマージン減少(悪化)となる傾向がある。
誘電体層42の厚さは、好ましくは2nm以上50nm以下の範囲内である。2nm未満であると、バリア効果が小さくなる傾向がある。一方、50nmを超えると、記録パワーマージン減少(悪化)となる傾向がある。
第1、第2のディスク10、20の情報信号層Lの層数が3層である場合、情報信号層L0〜L2としては、以下の構成を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。高感度が求められ、x1が小さい値となる最奥層に近い情報信号層L1の記録層41は、MnやCuが多くなりやすいために、記録後透過率変動が大きくなりやすい。このため、誘電体層42、43として消衰係数が0.05以上のものを用い、透過率変動を抑制することが好ましい。また、高透過率が求められ、x1が大きい値となる情報信号層L2の記録層41は、記録後透過率変化は小さいがパワーマージンが狭くなりやすいので、誘電体層42、43としてSIZまたはIGZOを含むものを用い、パワーマージンの確保をすることが好ましい。
・情報信号層L0
誘電体層42:SIZ
記録層41:WCOM(0.3≦x1≦0.5)
誘電体層43:ITO
・情報信号層L1
誘電体層42:SIZ
記録層41:WCOM(0.6≦x1≦1.0)
誘電体層43:SIZ
・情報信号層L2
誘電体層42:SIZ
記録層41:WCOM(0.9≦x1≦1.4)
誘電体層43:SIZ
なお、本明細書において、“WCMO“とは、W酸化物、Mn酸化物およびCu酸化物の3成分からなる混合物を意味する。
本実施形態に係る光記録媒体1では、記録層41にレーザー光が照射されると、Mn酸化物がレーザー光により加熱され、分解して酸素を放出し、レーザー光が照射された部分に気泡が生成される。これにより、情報信号の不可逆的な記録を行うことができる。
(中間層)
中間層S1〜Sn、S1〜Smはそれぞれ、情報信号層L0〜Ln、L0〜Lmを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる役割を果たし、その表面には凹凸面が設けられている。その凹凸面は、例えば、同心円状または螺旋状のランドLdおよびグルーブGvを形成している。中間層S1〜Sn、S1〜Smの厚みは、9μm以上50μm以下であることが好ましい。
中間層S1〜Sn、S1〜Smは、硬化した紫外線硬化樹脂、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含む。また、中間層S1〜Sn、S1〜Smは奥層へのデータの記録および再生のためのレーザー光の光路となることから、十分に高い光透過性を有していることが好ましい。
(カバー層)
カバー層12、22は、硬化した紫外線硬化樹脂、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種を含む。カバー層12、22の厚さは、好ましくは10μm以上177μm以下、例えば57μmである。このような薄いカバー層12、22と、例えば0.85程度の高NA(numerical aperture)化された対物レンズとを組み合わせることによって、高密度記録を実現することができる。
第1のディスク10におけるカバー層12および中間層S1〜Snの総厚は、好ましくは30μm以上110μm以下である。同様に、第2のディスク20におけるカバー層22および中間層S1〜Smの総厚は、好ましくは30μm以上110μm以下である。
(ハードコート層)
ハードコート層は、第1、第2の光照射面C1、C2に耐擦傷性等を付与するためのものである。ハードコート層の材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、有機無機ハイブリッド系樹脂等を用いることができる。ハードコート層が、機械的強度の向上のために、シリカゲルの微粉末を含んでいてもよい。
(情報信号層の層数が3層または4層である場合の各層の厚みの例)
第1のディスク10が3層の情報信号層Lを有する場合、第1のディスク10におけるカバー層12、中間層S1および中間層S2の総厚は、好ましくは94μm以上106μm以下、例えば100μmである。中間層S1の厚みは、好ましくは20μm以上30μm以下、例えば25μm以下である。中間層S2の厚みは、好ましくは13μm以上23μm以下、例えば18μmである。
なお、第2のディスク20が3層の情報信号層Lを有する場合、第2のディスク20におけるカバー層22、中間層S1および中間層S2の総厚、中間層S1の厚み、中間層S2の厚みはそれぞれ、上記の第1のディスク10におけるカバー層12、中間層S1および中間層S2の総厚、中間層S1の厚み、中間層S2の厚みと同様である。
第1のディスク10が4層の情報信号層Lを有する場合、第1のディスク10におけるカバー層22、中間層S1、中間層S2および中間層S3の総厚は、94μm以上106μm以下、例えば100μmである。中間層S1の厚みは、好ましくは11μm以上20.5μm以下、例えば15.5μmである。中間層S2の厚みは、好ましくは14.5μm以上24.5μm以下、例えば19.5μmである。中間層S3の厚みは、好ましくは10μm以上16.5μm以下、例えば11.5μmである。
なお、第2のディスク20が4層の情報信号層Lを有する場合、第2のディスク20におけるカバー層22、中間層S1、中間層S2および中間層S3の総厚、中間層S1の厚み、中間層S2の厚み、中間層S3の厚みはそれぞれ、上記の第1のディスク10におけるカバー層12、中間層S1、中間層S2および中間層S3の総厚、中間層S1の厚み、中間層S2の厚み、中間層S3の厚みと同様である。
[金型の構成]
図5A、5Bを参照して、上述の基板11、21を射出成形するための金型50の構成の一例について説明する。
金型50は、固定側金型(第1の金型)51と、この固定側金型51と対向する可動側金型(第2の金型)52とを備え、これらの固定側金型51と、可動側金型52とを突き合わせることにより成形空間であるキャビティ53が形成される。このキャビティ53に対して溶融樹脂が充填される。
固定側金型51は、可動側金型52と対向配置された信号面ミラー(鏡面板)51Aと、キャビティ53に樹脂を供給するスプール51Bと、スタンパ54の外周縁を支持するスタンパ押え51Cとを備える。
固定側ミラー51Aは、可動側金型52と対向する円形状のミラー面(第1の成形面)51Asを有する。このミラー面51Asに対して、スタンパ54が取り付けられる。このスタンパ54は、例えば、中央部に開口を有する円環状であり、その成形面54Asには、基板11、21にランドLdおよびグルーブGv等の形状を転写するための微細凹凸形状が形成されている。スタンパ54は、例えばニッケル(Ni)等を主成分とするNi原盤である。
ミラー面51As上には、表面の摩擦係数を低減するために、硬質膜が設けられていることが好ましい。硬質膜は、例えば、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)、炭窒化チタン(TiCN)、窒化チタンアルミ(TiAlN)、またはタイクロン(TiCrN)等の高硬度な材料を主成分とすることが好ましい。
スプール51Bは、固定側ミラー51Aの中心部に設けられている。スプール51Bは、材料供給装置(図示せず)と連結されており、スプール51Bを介して材料供給装置からキャビティ53内に基板材料である溶融した樹脂が供給される。
可動側金型52は、固定側金型51に対して対向して配置されるとともに、固定側金型51に対して近接離間自在とされている。可動側金型52は、固定側金型51と対向配置された貼合面ミラー(鏡面板)52Aと、キャビティ53内で固化された基板11または基板21の中心部を切断するゲートカットパンチ52Bと、このゲートカットパンチ52Bにより切断された部分を押し出す押出ピン52Cと、基板11または基板21を可動側金型52より離型させる可動側エジェクタ52Dとを備える。
可動側ミラー52Aは、固定側金型51と対向する円形状のミラー面(第2の成形面)52Asを有する。ミラー面52Asの外周部には、図5Bに示すように、勾配52Aaが設けられている。勾配52Aaは、半径方向に盛り上がるように傾斜したものである。ここで、半径方向とは、ミラー面51Asの中心から外周に向かう方向を意味する。勾配52Aaの高さhは、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下、更により好ましくは10μm以上30μm以下、特に好ましくは10μm以上20μm以下である。勾配52Aaの高さhが50μm以下であると、第1、第2の光照射面C1、C2の外周部における径方向の盛り上がりの変動量を抑制することができる。
半径方向における勾配52Aaの幅wは、好ましくは5mm以上10mm以下、より好ましくは6mm以上8mm以下である。勾配52Aaの幅Wが5mm未満であると、スピンコートにより延伸された接着剤を溜めるための空間が小さくなり、第1、2の光照射面C1、C2の外周部の盛り上がりを抑制する効果が低下する虞がある。一方、勾配52Aaの幅Wが10mm以上を超えると、接着剤膜厚が急激に増加する半径よりも内側に勾配を形成することになり、接着剤を溜めるための空間には関与しない余分な空間が形成される。
ゲートカットパンチ52Bは、スプール51Bからキャビティ53内に供給されて固化された樹脂のうちランナー部等を切断するものであり、光記録媒体のセンターホールと略同一寸法の外径を有している。このゲートカットパンチ52Bは、図示しないガイド手段や駆動手段によりキャビティ53内に突き出す方向に移動可能とされている。
押出ピン52Cは、棒状の形状を有し、ゲートカットパンチ52Bの中心部に配置される。この押出ピン52Cは、図示しないガイド手段や駆動手段によりキャビティ53内に突き出す方向に移動可能とされ、上述したゲートカットパンチ52Bにより切断された部分を除去する。したがって、キャビティ53内に充填された溶融樹脂が固化したのち、この押出ピン52Cを押し出すことにより、ランナー部とスプール部とを除去することができる。
可動側エジェクタ52Dは、ゲートカットパンチ52Bの外径と略同寸法の内径を有する筒状を呈して構成され、ゲートカットパンチ52Bを囲むように配設されている。この可動側エジェクタ52Dは、図示しないガイド手段や駆動手段によりキャビティ53内に突き出す方向に移動可能とされる。したがって、キャビティ53内に溶融樹脂が充填され、上述したように基板11または基板21のセンターホールが形成されたのち、この可動側エジェクタ52Dにより基板11または基板21の内周側が押圧されて可動側金型52から基板11または基板21が離型される。
[金型の動作]
次に、上述の構成を有する金型50の動作の一例について説明する。まず、可動側金型52を固定側金型51に対して近接する方向に移動し、固定側金型51と可動側金型52とを突き合わせて、ミラー面51Asとミラー面52Asとによりキャビティ53を形成する。次に、キャビティ53内に溶融樹脂を充填する。この樹脂は、材料供給装置(図示せず)内で加熱され溶融状態とされ、スプール51Bを供給路としてキャビティ53内に供給される。この樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはアクリル系樹脂を用いることができる。
次に、キャビティ53内に充填された樹脂を冷却して固化させるとともに、当該樹脂に対して型締めを行う。なお、樹脂に対して型締めを行う際には、可動側金型52を固定側金型51に対してさらに近接する方向に移動させる。これにより、キャビティ53内に充填された樹脂は加圧されることとなり、スタンパ54の成形面54Asに設けられた凹凸形状がより確実に転写される。
次に、樹脂が十分に冷却されて固化したのち、ゲートカットパンチ52Bを固定側金型51に対して近接する方向、すなわち、キャビティ53内に突き出す方向に移動させる。ゲートカットパンチ52Bをキャビティ53内に突き出す方向に移動させることによって、固化した成形体のうちランナー部およびスプル部を切断することができる。これにより、キャビティ53の内部に充填された溶融樹脂が固化されたのち、中央部に開口が形成されることとなる。
次に、可動側金型52を固定側金型51から離間する方向に移動させる。これにより、固化した基板11または基板21が、固定側金型51に取り付けられたスタンパ54から離間し、その一方の面を外側に露出することとなる。
次に、押出ピン52Cをキャビティ53内に突き出す方向に移動させることにより、上述のゲートカットパンチ52Bにより切断された部分を除去する。次に、可動側エジェクタ52Dをキャビティ53内に突き出す方向に移動させることにより、基板11または基板21の内周部を押圧して可動側金型52から基板11または基板21を離型させる。以上の工程により、所望とする基板11または基板21が得られる。
[光記録媒体の製造方法]
図6A〜6D、7A〜7Cを参照して、本開示の一実施形態に係る光記録媒体1の製造方法の一例について説明する。
(第1のディスクの作製工程)
第1のディスク10を以下のようにして作製する。
(基板の成形工程)
まず、図5に示した金型を備える射出成形装置を用いて、一方の面に凹凸面が形成された基板11を成形する。
(情報信号層の形成工程)
次に、例えばスパッタリング法により、基板11上に、誘電体層43、記録層41、誘電体層42を順次積層することにより、情報信号層L0を形成する。以下に、誘電体層43、記録層41および誘電体層42の形成工程について具体的に説明する。
(誘電体層の成膜工程)
まず、基板11を、誘電体材料を主成分として含むターゲットが備えられた真空チャンバー内に搬送し、真空チャンバー内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバー内にArガスやO2ガスなどのプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、基板11上に誘電体層43を成膜する。スパッタリング法として、例えば高周波(RF)スパッタリング法、直流(DC)スパッタリング法を用いることができるが、特に直流スパッタリング法が好ましい。直流スパッタ法は高周波スパッタ法に比して成膜レートが高いため、生産性を向上することができるからである。
(無機記録層の成膜工程)
次に、基板11を、無機記録層成膜用のターゲットが備えられた真空チャンバー内に搬送し、真空チャンバー内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバー内にArガスやO2ガスなどのプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、誘電体層43上に記録層41を成膜する。
ここで、無機記録層成膜用のターゲットは、例えば、金属Aの酸化物、金属Bの酸化物および金属Cの酸化物の3元系酸化物を主成分として含んでいる。この3元系酸化物に含まれる金属A、金属Bおよび金属Cの割合が、0.46≦x1、好ましくは0.46≦x1≦1.70の関係を満たしている。なお、x1は、上述したように、x1=a/(b+0.8c)により定義される変数である。
無機記録層成膜用のターゲットの3元系酸化物としては、記録層41と同様の組成を有するものが好ましい。
また、少なくとも酸素との反応性スパッタリングにより記録層41を形成するようにしてもよい。この場合、光記録媒体用ターゲットとしては、金属A、金属Bおよび金属Cを主成分として含み、金属A、金属Bおよび金属Cの割合が、0.46≦x1、好ましくは0.46≦x1≦1.70の関係を満たしている。なお、x1は、上述したように、x1=a/(b+0.8c)により定義される変数である。
(誘電体層の成膜工程)
次に、基板11を、誘電体材料を主成分として含むターゲットが備えられた真空チャンバー内に搬送し、真空チャンバー内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバー内にArガスやO2ガスなどのプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタリングして、記録層41上に誘電体層42を成膜する。スパッタリング法として、例えば高周波(RF)スパッタリング法、直流(DC)スパッタリング法を用いることができるが、特に直流スパッタリング法が好ましい。直流スパッタ法は高周波スパッタ法に比して成膜レートが高いため、生産性を向上することができるからである。
以上により、基板11上に情報信号層L0が形成される。
(中間層の形成工程)
次に、例えばスピンコート法により紫外線硬化樹脂を情報信号層L0上に均一に塗布する。その後、情報信号層L0上に均一に塗布された紫外線硬化樹脂に対してスタンパの凹凸パターンを押し当て、紫外線を紫外線硬化樹脂に対して照射して硬化させたのち、スタンパを剥離する。これにより、スタンパの凹凸パターンが紫外線硬化樹脂に転写され、例えばランドLdおよびグルーブGvが設けられた中間層S1が情報信号層L0上に形成される。紫外線硬化樹脂は、例えば、アクリル系およびエポキシ系の紫外線硬化樹脂のうちの少なくとも1種である。
(情報信号層および中間層の形成工程)
次に、上述の情報信号層L0および中間層S1の形成工程と同様にして、情報信号層L1、中間層S2、情報信号層L3、・・・、中間層Sn、情報信号層Lnをこの順序で中間層S1上に積層する。
(カバー層の形成工程)
次に、例えばスピンコート法により、紫外線硬化樹脂を情報信号層Ln上にスピンコートしたのち、紫外線を紫外線硬化樹脂に照射し、硬化する。これにより、情報信号層Ln上にカバー層12が形成される。紫外線硬化樹脂は、例えば、アクリル系およびエポキシ系の紫外線硬化樹脂のうちの少なくとも1種である。以上により、第1のディスク10が作製される。
(第2のディスクの作製工程)
第2のディスク20の作製工程は、上述の第1のディスク10の作製工程と同様であるので、説明を省略する。
(貼り合わせ工程)
以下に示すように、上述のようにして作製された第1、第2のディスク10、20の間に、接着剤としての紫外線硬化樹脂を延伸し、仮硬化させる。紫外線硬化樹脂は、例えば、アクリル系およびエポキシ系の紫外線硬化樹脂のうちの少なくとも1種である。ここで、“仮硬化”とは、第1、第2のディスク10、20が剥がれたりずれたりしない程度に接着剤を部分硬化(“半硬化”と言われる場合もある。)させることをいう。
まず、図6Aに示すように、第2のディスク20をそのセンターホール20hをセンターピン104に勘合するようにしてプレスステージ101の載置面101s上に載置する。この際、第2のディスク20は、第2の光照射面C2がプレスステージ101の載置面101s側となるようにして載置される。次に、図6Bに示すように、ディスペンサ103により、センターホール20hの内側に接着剤31をリング状に塗布する。
次に、図6Cに示すように、プレスヘッド102により第1のディスク10の第1の光照射面C1を保持しつつ、センターホール10hをセンターピン104に勘合する。次に、図6Dに示すように、接着剤31の厚さが所定の厚さ、例えば50μm程度になるまで、プレスヘッド102により第1のディスク10を接着剤31を介して第2のディスク20に対して押し付ける。
次に、図7Aに示すように、プレスステージ101を回転して、第1、第2のディスク10、20間に挟まれた接着剤31を第1、第2のディスク10、20の半径方向に延伸する。これにより、接着剤31が第1、第2のディスク10、20の内周部から外周部まで行き渡される。
次に、図7Bに示すように、プレスステージ101の回転を維持することで、接着剤31の厚みが所定の厚みとなるように接着剤31を振り切りながら、紫外線ランプ105により第1のディスク10側から接着剤31に紫外線を照射し、接着剤31を仮硬化させる。これにより、第1、第2のディスク10、20が、遠心力によりほぼフラットな形状に維持された状態において接着剤31により固定される。
以下に示すように、第1、第2のディスク10、20の間で仮硬化された接着剤31を本硬化させる。まず、図7Cに示すように、仮硬化された接着剤31により固定された第1、第2のディスク10、20を、石英テーブル111の載置面111s上に載置する。この際、第1、第2のディスク10、20は、第2のディスク20が載置面111s側となるようにして載置される。次に、載置された第1、第2のディスク10、20上を石英マスク112により覆う。その後、紫外線ランプ113により、石英テーブル111を介して第1のディスク10側から接着剤31に紫外線を照射すると共に、紫外線ランプ114により、石英マスク112を介して第2のディスク20側から接着剤31に紫外線を照射し、接着剤31を本硬化させる。このように第1、第2のディスク10、20の両側から紫外線を照射して接着剤31を本硬化させることで、得られる光記録媒体1に反りが発生することを抑制できる。ここで、“本硬化”とは、接着剤31を完全に硬化することをいう。以上により、目的とする光記録媒体1が得られる。
[効果]
一実施形態に係る光記録媒体1は、基板11、21の両面のうち、接着剤層30側となる第2の面11B、21Bの外周部にそれぞれ勾配11C、21Cが設けられている。このため、重ね合わされた基板11、21の外周部に、スピンコート法により延伸された接着剤31を溜めるための空間を形成することができる。したがって、光記録媒体1の第1、第2の光照射面C1、C2の外周部に形成される盛り上がりを抑制することができる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1〜5]
<第1のディスクの作製工程>
第1のディスクを以下のようにして作製した。まず、射出成形により、外径120mm、厚さ0.53mmを有する円盤状のポリカーボネート基板(以下「PC基板」という。)を成形した。この際、PC基板の第1の面にランドおよびグルーブ部を形成し、かつPC基板の第2の面の外周部に勾配を形成した。勾配の高さHは、表1に示すように、10μm〜70μmの範囲で設定された。また、勾配の幅Wは、7mmに設定された。
次に、スパッタリング法により、ポリカーボネート基板の第1の面(凹凸面)上に第1誘電体層、無機記録層、第2誘電体層を順次積層することにより、L0層(第1の情報信号層)を作製した。次に、スピンコート法により、紫外線硬化樹脂(デクセリアルズ株式会社製、商品名:SK5500B)をL0層上に均一に塗布し、L0層上に塗布された紫外線硬化樹脂に対してスタンパの凹凸パターンを押し当て、紫外線を紫外線硬化樹脂に対して照射して硬化させたのち、スタンパを剥離すことにより、ランドおよびグルーブを有する厚さ25μmのS1層(第1の中間層)を形成した。
次に、上記のS1層の凹凸面上に第1誘電体層、無機記録層、第2誘電体層を順次積層することにより、L1層(第2の情報信号層)を作製した。次に、スピンコート法により、紫外線硬化樹脂(デクセリアルズ株式会社製、商品名:SK5500B)をL1層上に均一に塗布し、L1層上に塗布された紫外線硬化樹脂に対してスタンパの凹凸パターンを押し当て、紫外線を紫外線硬化樹脂に対して照射して硬化させたのち、スタンパを剥離すことにより、ランドおよびグルーブを有する厚さ18μmのS2層(第2の中間層)を形成した。
次に、上記のS2層の凹凸面上に第1誘電体層、無機記録層、第2誘電体層を順次積層することにより、L2層(第3の情報信号層)を作製した。次に、スピンコート法により、紫外線硬化樹脂(デクセリアルズ株式会社製、商品名:SK8300)をL2層上に均一塗布し、これに紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ57μmを有するカバー層を形成した。なお、S1、S2層およびカバー層の総厚は100μmに設定された。以上により、第1のディスクが得られた。
<第2のディスクの作製工程>
上述の第1のディスクの作製工程と同様にして、第2のディスクを得た。
<貼り合わせ工程>
上述のようにして得られた第1、第2のディスクを、上述の一実施形態にて説明したようにして貼り合わせた。なお、接着剤としては、紫外線硬化樹脂(デクセリアルズ株式会社製、商品名:SK6880)を用いた。また、紫外線硬化樹脂の延伸工程において、プレスステージの回転条件は、回転数7000rpm、回転時間5秒間に設定された。以上により、目的とするランド/グルーブ記録方式の、貼り合わせ型の光記録媒体が得られた。
[比較例1]
第1、第2のディスクの作製工程において、基板の第2の面の外周部に勾配を形成せずに、第2の面の全体をフラットな形状としたこと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を得た。
[比較例2]
第1、第2のディスクの作製工程において、基板の第2の面の外周部に、勾配を形成する代わりに、図8に示すように、階段状の窪みを形成した。なお、階段状の窪みの体積は、比較例2において勾配により欠落した空間部分の体積と同じになるように、窪みの段差Hを設定した。すなわち、窪みの段差Hを、実施例2の勾配の高さHの半分、すなわち10μmに設定した。これ以外のことは実施例2と同様にして光記録媒体を得た。
[評価]
(接着剤層の厚み)
比較例1の光記録媒体の接着剤層の厚みを次のようにして測定した。すなわち、貼合した第1、第2のディスクを剥離して、光記録媒体の半径方向における接着剤層の厚みの変化を測定した。
図9に、接着剤層の厚みの測定結果を示す。図9から、接着剤層の厚みが、半径rが0〜50mmの範囲ではほぼ一定であるのに対して、半径rが50〜60mmの範囲で急激に増加する傾向があることがわかる。このような急激な厚み増加は、スピンコート時に外周側にて接着剤に表面張力が作用すること、および単板状態の第1、第2のディスクに反りが発生していることに起因するものと考えられる。
(Radial Tiltの周内平均値)
実施例2、比較例1の光記録媒体における第1、第2の光照射面のRadial Tilt(β角)の周内平均値を次のようにして測定した。すなわち、半径r=24〜58mmの範囲の複数の位置において、1周の範囲に渡るRadial Tilt[degree(以下省略して「deg」という。)]を測定し、それぞれの位置におけるRadial Tilt[deg]の周内平均値(1周の平均値)を算出した。なお、本明細書において、β角(反り角)は、入射光と反射光の角度により定義される(図1A参照)。
図10A、10Bはそれぞれ、実施例2の光記録媒体における第1、第2の光照射面のRadial Tiltの周内平均値の測定結果を示す。図11A、11Bはそれぞれ、比較例1の光記録媒体における第1、第2の光照射面のRadial Tiltの周内平均値の測定結果を示す。比較例1の光記録媒体の第1、第2の光照射面では、Radial Tiltの周内平均値は、半径r=53よりも外側において急激に変化し、半径r1=53と半径r2=58との位置における変化量は−0.13degになる。一方、実施例2の光記録媒体の第1、第2の光照射面では、半径r=53よりも外側におけるRadial Tiltの周内平均値の変化は緩和され、半径r1=53と半径r2=58との位置における変化量は−0.04degまで低減される。
(Radial Tilt変化量)
実施例1〜5、比較例1、2の光記録媒体のRadial Tilt(β角)変化量を次のようにして求めた。まず、半径r1=53mm、半径r2=58mmそれぞれの位置において1周の範囲に渡ってRadial Tilt[deg]を測定し、半径r1、r2におけるRadial Tilt[deg]の周内平均値(1周の平均値)を算出した。次に、以下の式により、Radial Tiltの変化量[deg]を算出した。
Radial Tiltの変化量[deg]=(半径r2におけるRadial Tiltの周内平均値)−(半径r1におけるRadial Tiltの周内平均値)
(Radial Tilt周内変動量)
実施例1〜5、比較例1、2の光記録媒体の作製に用いたPC基板のRadial Tilt(β角)周内変動量[deg]を次のようにして求めた。まず、半径r2=58mmの位置において1周の範囲に渡ってRadial Tilt[deg]を測定した。次に、以下の式により、Radial Tilt周内変動量[deg]を算出した。
Radial Tilt周内変動量[deg]=(周内のRadial TiltのMax値)−(周内のRadial TiltのMin値)
表1は、実施例1〜5、比較例1、2の光記録媒体の構成および評価結果を示す。
Figure 2019021652
表1から以下のことがわかる。
勾配の高さが10μm以上であると、Radial Tilt変化量が−0.1deg以下となり、第1、第2のディスクの反り(外周部の開き)によるRadial Tiltの悪化を抑制することができる。これは、勾配の高さHが10μm以上にすることで、重ね合わされたPC基板の外周部に、接着剤を溜めるための、十分の大きさを有する空間が形成されたためである。一方、勾配の高さHが50μmを超えると、PC基板の成形時の応力が高くなり、PC基板(単板状態)のRadial Tilt周内変動量が大きくなり、勾配の高さHが70μmではRadial Tilt周内変動量が0.22degに達し、貼合が困難になる虞がある。したがって、基板11、21の勾配の高さHは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
階段状の窪みを基板の外周部に設けた比較例2におけるRadial Tilt変化量は、勾配を基板の外周部に設けた実施例2におけるRadial Tilt変化量と同様である。しかしながら、比較例2では、半径r=53の位置においてトラッキングエラーが増大した。これは、PC基板の成形時に半径r=53の位置に局所的な応力が加わり、第1、第2の光照射面の形状に歪みが生じたためである。したがって、信号特性の低下を抑制する観点からすると、基板の外周部に設ける形状としては、勾配が好ましい。
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、情報信号層Lが、記録層41と、記録層41の上面に隣接して設けられた誘電体層42と、記録層41の下面に隣接して設けられた誘電体層43とを備える構成について説明したが、情報信号層Lの構成はこれに限定されるものではない。例えば、記録層41の上面および下面のいずれか一方にのみ誘電体層を設けるようにしてもよい。また、情報信号層Lを記録層41単層のみから構成するようにしてもよい。このような単純な構成とすることで、光記録媒体1を低廉化し、かつ、その生産性を向上することができる。この効果は、情報信号層Lの層数が多い媒体ほど、顕著となる。
また、上述の実施形態では、スパッタリング法により光記録媒体の各層を形成する場合を例として説明したが、成膜方法はこれに限定されるものではなく、他の成膜方法を用いてもよい。他の成膜方法としては、例えば、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等のCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)等を用いることができる。
また、上述の実施形態では、多層の情報信号層がすべて、同一の層構成を有する場合について説明したが、情報信号層ごとに求められる特性(例えば光学特性や耐久性等)に応じて層構成を変えるようにしてもよい。但し、生産性の観点からすると、全ての情報信号層を同一の層構成とすることが好ましい。
また、上述の実施形態では、プレスステージ101の回転を維持しながら、紫外線ランプ105により第1のディスク側から接着剤31に紫外線を照射し、接着剤31を仮硬化させる場合について説明したが、紫外線ランプにより第1、第2のディスク10、20の両側から接着剤31に紫外線を照射し、接着剤31を仮硬化させるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、記録層が無機記録層である場合について説明したが、記録層は有機記録層であってもよい。
また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)
第1のディスクと、
第2のディスクと、
前記第1のディスクと前記第2のディスクとを貼り合わせる接着剤層と
を備え、
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクは、
第1の面と第2の面とを有し、前記第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、
前記第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、
隣接する前記情報信号層の間に設けられた中間層と、
2層以上の前記情報信号層および前記中間層を覆うカバー層と
を備え、
前記第1のディスクが備える前記基板の前記第2の面と、前記第2のディスクが備える前記基板の前記第2の面とが、前記接着剤層を介して対向している光記録媒体。
(2)
前記勾配の高さが、10μm以上50μm以下である(1)に記載の光記録媒体。
(3)
前記基板の厚みは、0.3mm以上0.6mm以下であり、
前記カバー層および前記中間層の総厚は、30μm以上110μm以下である(1)または(2)に記載の光記録媒体。
(4)
前記勾配の幅は、5mm以上10mm以下である(1)から(3)のいずれかに記載の光記録媒体。
(5)
前記カバー層、前記中間層および前記接着剤層は、紫外線硬化樹脂を含む(1)から(4)のいずれかに記載の光記録媒体。
(6)
前記紫外線硬化樹脂は、アクリル系およびエポキシ系の紫外線硬化樹脂のうちの少なくとも1種である(5)に記載の光記録媒体。
(7)
第1のディスクと第2のディスクとの間に接着剤を挟み、
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクを回転させることにより、前記接着剤を延伸する
ことを含み、
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクは、
第1の面と第2の面とを有し、前記第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、
前記第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、
隣接する前記情報信号層の間に設けられた中間層と、
2層以上の前記情報信号層および前記中間層を覆うカバー層と
を備え、
前記第1のディスクが備える前記基板の前記第2の面と、前記第2のディスクが備える前記基板の前記第2の面とが、前記接着剤を介して対向している光記録媒体の製造方法。
1 光記録媒体
10 第1のディスク
20 第2のディスク
30 接着剤層
31 接着剤
11、21 基板
12、22 カバー層
41 記録層
42、43 誘電体層
L0〜Ln、L0〜Lm 情報信号層
S1〜Sn、S1〜Sm 中間層
C1 第1の光照射面
C2 第2の光照射面

Claims (7)

  1. 第1のディスクと、
    第2のディスクと、
    前記第1のディスクと前記第2のディスクとを貼り合わせる接着剤層と
    を備え、
    前記第1のディスクおよび前記第2のディスクは、
    第1の面と第2の面とを有し、前記第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、
    前記第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、
    隣接する前記情報信号層の間に設けられた中間層と、
    2層以上の前記情報信号層および前記中間層を覆うカバー層と
    を備え、
    前記第1のディスクが備える前記基板の前記第2の面と、前記第2のディスクが備える前記基板の前記第2の面とが、前記接着剤層を介して対向している光記録媒体。
  2. 前記勾配の高さが、10μm以上50μm以下である請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記基板の厚みは、0.3mm以上0.6mm以下であり、
    前記カバー層および前記中間層の総厚は、30μm以上110μm以下である請求項1に記載の光記録媒体。
  4. 前記勾配の幅は、5mm以上10mm以下である請求項1に記載の光記録媒体。
  5. 前記カバー層、前記中間層および前記接着剤層は、紫外線硬化樹脂を含む請求項1に記載の光記録媒体。
  6. 前記紫外線硬化樹脂は、アクリル系およびエポキシ系の紫外線硬化樹脂のうちの少なくとも1種である請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 第1のディスクと第2のディスクとの間に接着剤を挟み、
    前記第1のディスクおよび前記第2のディスクを回転させることにより、前記接着剤を延伸する
    ことを含み、
    前記第1のディスクおよび前記第2のディスクは、
    第1の面と第2の面とを有し、前記第2の面の外周部に勾配が設けられた基板と、
    前記第1の面に設けられた2層以上の情報信号層と、
    隣接する前記情報信号層の間に設けられた中間層と、
    2層以上の前記情報信号層および前記中間層を覆うカバー層と
    を備え、
    前記第1のディスクが備える前記基板の前記第2の面と、前記第2のディスクが備える前記基板の前記第2の面とが、前記接着剤を介して対向している光記録媒体の製造方法。
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