JP2015103268A - 情報記録媒体、情報記録媒体製造装置、および情報記録媒体製造方法 - Google Patents

情報記録媒体、情報記録媒体製造装置、および情報記録媒体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れの対策を施した情報記録媒体および情報記録媒体製造装置を提供する。【解決手段】ディスク基板の非信号記録面である底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を構成する。溝のディスク基板外周側の側面である流れ防止アンカー面をディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させて、基板冷却過程における面方向収縮を抑制し、ピットやグルーブの収縮流れを防止する。溝はリング状または円形状の溝とし、流れ防止アンカー面とディスク底面との角度であるアンカー面角度は60度から90度の範囲とする。【選択図】図14

Description

本開示は、情報記録媒体、情報記録媒体製造装置、および情報記録媒体製造方法に関する。特に、高密度の光ディスクと、光ディスクを製造する情報記録媒体製造装置、および情報記録媒体製造方法に関する。
近年、データ記録媒体として光ディスクが広く利用されている。特に高密度記録可能な光ディスクとしてDVD(Digital Video Disc、またはDigital Versatile Disc)や、ブルーレイディスク(BD:Blu−ray(登録商標) Disc)が広く利用されている。
DVDやBD等の光ディスクの基板は、ポリカーボネート等の樹脂材料の射出成型によって製造される。
例えば、蛇行型の溝形状を有するグルーブや、微細な凹凸形状からなるピット列を形成したスタンパを射出成型機に取り付け、ポリカーボネート等の樹脂材料を射出成型することで、表面にグルーブやピット列を形成した光ディスク基板を製造する。
その後、グルーブやピット列が形成された樹脂基板上に反射膜、記録膜、保護膜等の複数の層を形成して1枚の光ディスクが製造される。
なお、両面に信号記録面を有する両面ディスクを製造する場合は、上述した製造工程で製造した単面ディスクを接着剤で貼り合せる工程が追加される。
このように、光ディスクの製造工程には、射出成型による樹脂基板の製造工程が不可欠となる。しかし、この樹脂基板の射出成型における問題点として、成型後の基板端部に発生するバリや、スタンパから基板に転写したグルーブやピット列の収縮流れによる変形等の問題がある。
例えば、バリの発生した基板を使用すると、その後の製造工程やディスクの使用中に欠落したバリが信号記録面に付着して信号記録面を傷つけ、信号の読み取りエラーや書き込みエラー等を発生させる恐れがある。あるいはプレーヤ内部の信号回路上に欠落したバリが入り込み、プレーヤ内部の構成物や信号処理回路に付着して様々な問題を発生させる場合がある。
また、両面ディスクの場合には、2枚の基板の底面同士を貼り合わせる処理が必要となるが、貼り合せ面にバリがあると、バリが接着相手のディスク面等にぶつかり、貼り合わせ不良を発生させることがある。また、貼り合わせ時にバリが破損して信号記録面に付着して、信号記録面を傷つけるといった不具合が発生する恐れもある。
なお、光ディスク基板に発生するバリによる問題点の解決策を提案した構成として例えば、特許文献1(特開2000−222779号公報)や、特許文献2(特開平4−226318号公報)、あるいは特許文献3(特開2001−216684号公報)がある。
特許文献1は、光ディスク基板外周部で縦方向に延びるバリ(縦バリ)による貼り合わせ不良を回避する構成を開示している。具体的には、貼り合わせる2つの基板の外径を異なる寸法として、バリによる接着不具合を防止する構成を開示している。
しかし、このように外径を異なる寸法とすると、ディスク端面に段差が発生することになり、見た目がよくなく、また段差部にほこりが付着しやすく、ほこりが信号記録面に飛散すると記録再生エラーを誘発しやすくなる等の問題がある。
特許文献2は、光ディスク基板外周部で横方向に延びるバリ(横バリ)部分に保護膜等の樹脂層を被覆する構成とすることで、バリ部分を隠し、保護膜の接着強度を強化した構成を開示している。
しかし、この特許文献2の構成は、バリ下部の隙間が内部に進むに従って狭くなる構成であり、樹脂のコーティング時に、狭い隙間に樹脂が入り込みにくく、隙間部分に気泡が残留してしまう。その結果、樹脂コーティング後のディスク製造ステップにおける加熱や減圧処理工程において、気泡が破裂してしまう恐れがある。具体的には、例えばディスク貼り合わせ工程で行われる真空貼合わせなどの処理の際に気泡が膨らみ、信号記録面側の反射膜や保護膜などを基板から剥離させてしまう恐れがある。
特許文献3は、ディスクの印刷面側に伸びたバリによって印刷用シート(刷版)が傷つくのを防止するため、基板の印刷面側に凸部を形成する構成を開示している。
この構成は、印刷処理工程における印刷用シート(刷版)の傷つき防止が目的であり、バリの欠落等の対策についは開示してない。
また、ディスクの射出成型処理における問題点として、スタンパから基板に転写したグルーブやピット列の収縮流れによる変形の問題がある。
例えば、射出成型時の基板の冷却過程などにおいて、基板材料である樹脂が面方向に収縮して記録用グルーブや信号記録ピットの収縮流れによる変形を発生させることがある。
このような変形を起こすと、正確な信号読み取りができなくなる。
この収縮流れの問題を解決する従来技術を開示した文献として、例えば特許文献4(特開2007−179718号公報)がある。この特許文献4は、通常の信号ピットを記録する信号記録面側の内周および外周端部領域に、信号読み取りに適用しないダミーピットである幅広のアンカーピットを設け、このアンカーピットによって収縮流れの発生を低減させる構成を開示している。
しかし、昨今の高密度記録ディスクでは、内周および外周端部領域に十分なダミーピット領域を設けることが困難であり、また、高密度記録ディスクではピットの高さあるいは深さやグルーブ深さが浅く、十分な収縮流れの防止効果が得られないという問題がある。
特開2000−222779号公報 特開平4−226318号公報 特開2001−216684号公報 特開2007−179718号公報
本開示は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、光ディスクの基板製造時に発生する収縮流れ等による様々な不具合の発生を防止可能とした情報記録媒体、情報記録媒体製造装置、および情報記録媒体製造方法を提供することを目的とする。
本開示の第1の側面は、
ディスク基板の非信号記録面である底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を有し、
前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面を、ディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させる構成としたディスク基板を有する情報記録媒体にある。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記溝は、ディスク基板の底面外周領域に形成されたリング状の溝である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記溝は、ディスク基板の底面内周から外周領域に形成された円形状の溝である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記溝側面と、ディスク底面とによって構成されるアンカー面角度は60度から90度の範囲である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記溝側面の高さは0.03mm以上である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記ディスク基板は、さらにディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、前記溝は、前記底面アンダーカット部と離間した位置に形成された構成である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記ディスク基板は、さらにディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、前記溝は、前記底面アンダーカット部と連続した位置に形成された構成である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記情報記録媒体は、2枚のディスク基板の底面同士を接合して構成される両面に信号記録面を有する両面ディスクであり、2枚のディスク基板の底面アンダーカット部によって挟まれる領域は、2枚のディスク基板の底面同士を接合する接着剤によって埋められた構成である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは前記接着剤によって被覆された構成である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、前記底面アンダーカット部のディスク内周部の底面に対するアンダーカット量は、前記バリの長さより大きい構成である。
さらに、本開示の第2の側面は、
ディスク基板の外周側面の信号記録面側領域に、ディスク基板の最大外径より小さい外径を持つ側面アンダーカット部を有し、
前記側面アンダーカット部のディスク基板外周側面は、信号記録面に対してほぼ垂直な面によって構成され、
ディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、
さらに、ディスク基板の底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を有し、
前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面を、ディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させる構成としたディスク基板を有する情報記録媒体にある。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記側面アンダーカット部の信号記録面側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは信号記録面に塗布した樹脂によって被覆され、前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは接着剤によって被覆された構成である。
さらに、本開示の情報記録媒体の一実施態様において、前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝である。
さらに、本開示の第3の側面は、
ディスク基板の信号記録面にグルーブまたはピット列を転写するためのスタンパと、
ディスク基板の信号記録面側に設定された記録面側ミラーと、
ディスク基板の底面側に設定された底面側ミラーと、
ディスク基板の側面を囲む外周リングを有し、
前記底面側ミラーは、
ディスク基板底面にリング状または円形状の溝を形成するための溝形成用突部を有する情報記録媒体製造装置にある。
さらに、本開示の情報記録媒体製造装置の一実施態様において、前記溝形成用突部は、前記底面側ミラーと一体化した構成、または別部材として構成されている。
さらに、本開示の情報記録媒体製造装置の一実施態様において、前記溝形成用突部は、前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面と、ディスク底面とによって構成されるアンカー面角度が60度から90度の範囲となるように構成された突部である。
さらに、本開示の情報記録媒体製造装置の一実施態様において、前記溝形成用突部は、前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面の高さが0.03mm以上になるように構成された突部である。
さらに、本開示の情報記録媒体製造装置の一実施態様において、前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝であり、前記溝形成用突部は、前記流れ防止アンカー溝を形成するための突部である。
さらに、本開示の第4の側面は、
射出成型装置が、射出成型によりディスク基板を製造するディスク基板製造ステップと、
層形成装置が、ディスク基板の信号記録面に樹脂層を含む層形成処理を実行する信号記録層形成ステップを実行し、
前記ディスク基板製造ステップにおいて、
ディスク基板底面にリング状または円形状の溝を形成し、その後、ディスク基板の冷却処理を実行する情報記録媒体製造方法にある。
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本開示の一実施例の構成によれば、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れの対策を施した情報記録媒体および情報記録媒体製造装置を提供する。
具体的には、ディスク基板の非信号記録面である底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた流れ防止アンカー溝を構成する。流れ防止アンカー溝のディスク基板外周側の側面である流れ防止アンカー面をディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させて、基板冷却過程における面方向収縮を抑制し、ピットやグルーブの収縮流れを防止する。流れ防止アンカー溝はリング状または円形状の溝とし、流れ防止アンカー面とディスク底面との角度であるアンカー面角度は60度から90度の範囲とする。
本構成により、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れの対策を施した情報記録媒体および情報記録媒体製造装置が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
光ディスク基板を製造する射出成型装置の構成例について説明する図である。 光ディスク基板に発生するバリについて説明する図である。 横バリ対策を施した光ディスク基板を製造する射出成型装置の構成例について説明する図である。 横バリ対策を施した光ディスク基板の構成例について説明する図である。 横バリ対策を施した光ディスクの構成例について説明する図である。 横バリ対策を施した光ディスク基板の具体的構成例について説明する図である。 光ディスク基板に発生する縦バリによる問題点について説明する図である。 縦バリ対策を施した光ディスク基板を製造する射出成型装置の構成例について説明する図である。 縦バリ対策を施した光ディスク基板の構成例について説明する図である。 縦バリ対策を施した光ディスクの構成例について説明する図である。 縦バリ対策を施した光ディスク基板の具体的構成例について説明する図である。 光ディスク基板の射出成型時に発生する収縮流れについて説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板を製造する射出成型装置の構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板の構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板の具体的構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板を製造する射出成型装置の構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板の構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板の具体的構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板を製造する射出成型装置の構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板の構成例について説明する図である。 収縮流れ対策を施した光ディスク基板の具体的構成例について説明する図である。 流れ防止アンカー溝に形成されるアンカー面の角度とウォブル信号との対応関係について説明する図である。
以下、図面を参照しながら本開示の情報記録媒体、情報記録媒体製造装置、および情報記録媒体製造方法の詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行う。
1.光ディスク基板に発生するバリについて
2.横バリの対策構成について
3.縦バリの対策構成について
4.信号記録面の収縮流れの防止構成について
4−1.縦バリ対応底面アンダーカット部と離間したリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成
4−2.縦バリ対応底面アンダーカット部と連続するリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成
4−3.光ディスク基板内周領域に広がる円形型の流れ防止アンカー溝を有する構成
5.本開示の構成のまとめ
[1.光ディスク基板に発生するバリについて]
まず、図1以下を参照してDVD(Digital Video Disc、またはDigital Versatile Disc)や、ブルーレイディスク(BD:Blu−ray(登録商標) Disc)等の光ディスクの基板に発生するバリについて説明する。
前述したようにDVDやBD等の光ディスク基板は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料の射出成型によって製造される。
例えば、蛇行型の溝形状を有するグルーブやピット列に相当する凹凸を形成したスタンパを射出成型機に取り付け、ポリカーボネート等の樹脂材料を射出成型することでスタンパのグルーブやピット列を転写した光ディスク基板を製造する。
その後、グルーブやピット列を有する基板上に反射膜、記録膜、保護膜等の層をスパッタリングやスピンコートなどの処理によって形成する。
これらの工程を行うことで、基板の片面にデータ記録再生用の信号記録面を形成した光ディスクが完成する。
なお、ディスクの両面に信号記録面を有する両面ディスクを製造する場合は、上述した製造工程で製造した2枚の片面ディスクの底面(非信号記録面)同士を接着剤で貼り合せる処理を行なう。
上述のように光ディスクを製造する場合、まず、射出成型による樹脂基板を製造することが必要である。
しかし、この樹脂基板の射出成型における問題点として、基板端部に発生するバリがある。
図1以下を参照して、射出成型による光ディスク基板の製造工程の概要と、基板に発生するバリについて説明する。
まず、情報記録媒体(ディスク)製造装置の1つである樹脂基板の射出成型装置の構成について説明する。図1は、射出成型装置10の一部の断面図を示す図である。光ディスク基板30の外周部近傍の製造部分の断面構成である。
参考図として示すディスクとの対応関係から理解されるように、図1に示す射出成型装置10内の光ディスク基板30の右方向がディスク外周部に相当し、左側が内周部(中心部)に相当する。
射出成型装置10は、スタンパ13を装着した固定ミラー11と、可動ミラー12との間に例えばポリカーボネート等の樹脂材料からなる粒状ペレットを射出成型機加熱筒に投入し、これを溶融・計量した後、金型内へ射出し冷却して光ディスク基板30を製造する構成を有する。
射出成型装置10の光ディスク基板30信号記録面側には、ディスク転写用のグルーブやピット列相当の凹凸を形成したスタンパ13を装着した固定ミラー11を有する。
一方、光ディスク基板30の底面(非信号記録面)側に可動ミラー12を有する。
さらに、光ディスク基板30の外周面を囲むように外周リング14が設定される。
可動ミラー12と、外周リング14は、それぞれ図に示す矢印のように上下方向に摺動可能な構成を持つ。
光ディスク基板30の成型開始時点において、可動ミラー12と、外周リング14が、図1に示す位置にセットされ、その後、図1に示す光ディスク基板30領域に溶融されたポリカーボネート等の樹脂材料を流入する。
その後、所定時間経過後、光ディスク基板30が冷却された後、可動ミラー12と、外周リング14を下部方向に移動して、成型された光ディスク基板30を取り出す。
成型された光ディスク基板30には、スタンパ13のグルーブやピット列に相当する凹凸パターンが転写される。
光ディスク基板30は、このように射出成型によって製造されるが、射出成型によって生成した樹脂基板には、外周部に2方向のバリが発生する。一つはスタンパ13と外周リング14との隙間に発生するディスク面方向のバリである。
図1に示すディスク平面方向クリアランス21に沿って伸びるバリである。このディスク面に平行方向のバリを以下の説明では「横バリ」と呼ぶ。
もう一つのバリは、可動ミラー12と外周リング14との隙間に発生するディスク面に垂直な方向のバリである。
図1に示すディスク垂直方向クリアランス22に沿って伸びるバリである。このディスク面に垂直方向のバリを以下の説明では「縦バリ」と呼ぶ。
図1に示すディスク平面方向クリアランス21は、スタンパ13と、外周リング14との間に設定される隙間である。このクリアランスは、光ディスク基板30の空間に流入する溶融樹脂材料の流れを良好にするためのガス抜き用隙間として作用し、さらにスタンパ13と外周リング14との摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク平面方向クリアランス21の内部に溶融樹脂が流れ込んでしまうため、「横バリ」が発生する。
また、図1に示すディスク垂直方向クリアランス22は、可動ミラー12と、外周リング14との間に設定される隙間である。このクリアランスは、可動ミラー12に対して摺動する外周リング14の摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク垂直方向クリアランス22の内部に溶融樹脂が流れ込んでしまうため、「縦バリ」が発生する。
図2に射出成型後の光ディスク基板30の構成例を示す。
光ディスク基板30の外周部には、ディスク平面方向に延びる横バリ31と、ディスク平面に垂直な方向に延びる縦バリ32が形成される。
これらのバリは、その後のディスク製造工程や、ディスクの使用中に落下する恐れがある。バリが落下すると、ディスクの信号記録面に傷をつける可能性があり、またプレーヤ内部の回路に接触するなどの問題を引き起こす可能性がある。
また、両面に信号記録面を有する両面ディスクを製造する場合、図2に示す光ディスク基板30を2枚用意して、各ディスク基板の底面(非信号記録面)を相互に貼り合わせる処理を行なうが、この貼り合わせを行なう場合、縦バリ32が接着相手の光ディスク面に接触し落下や接着不良を発生させるという問題がある。
[2.横バリの対策構成について]
次に、横バリの落下防止等、横バリによる問題を解消する構成について説明する。
横バリの対策を行ったディスク基板の製造工程について、図3を参照して説明する。
図3は、先に図1を参照して説明したと同様の情報記録媒体(ディスク)製造装置の1つである樹脂基板の射出成型装置100の構成を示す図である。
図3は、図1と同様、射出成型装置100の一部の断面図を示している。光ディスク基板130の外周部近傍の製造部分の断面構成である。
参考図として示すディスクとの対応関係から理解されるように、図3に示す射出成型装置100内の光ディスク基板130の右方向がディスク外周部に相当し、左側が内周部(中心部)に相当する。
射出成型装置100は、スタンパ113を装着した固定ミラー111と、可動ミラー112との間にポリカーボネート等の樹脂材料からなる粒状ペレットを溶融後、流入させ、冷却して光ディスク基板130を製造する構成を有する。
射出成型装置100の光ディスク基板130信号記録面側には、ディスク転写用のグルーブやピット列相当の凹凸を形成したスタンパ113を装着した固定ミラー111を有する。
一方、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)側に可動ミラー112を有する。
さらに、光ディスク基板130の外周面を囲むように外周リング114が設定される。
可動ミラー112と、外周リング114は、それぞれ図に示す矢印のように上下方向に摺動可能な構成を持つ。
光ディスク基板130の成型開始時点において、可動ミラー112と、外周リング114が、図3に示す位置にセットされ、その後、図3に示す光ディスク基板130領域にポリカーボネート等の樹脂材料を溶融後、流入させる。
その後、所定時間経過後、光ディスク基板130が冷却された後、可動ミラー112と、外周リング114を下部方向に移動して、成型した光ディスク基板130を取り出す。
成型した光ディスク基板130には、スタンパ113のグルーブやピット列に相当する凹凸パターンが転写される。
図1を参照して説明した構成と同様、図3に示すディスク平面方向クリアランス121は、スタンパ113と、外周リング114との間に設定される隙間である。このクリアランスは、光ディスク基板130の空間に流入する溶融樹脂材料の流れを良好にするためのガス抜き用の隙間として作用し、さらにスタンパ113と外周リング114との摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク平面方向クリアランス121の内部に溶融樹脂が流れ込み、「横バリ」が発生する。
また、図3に示すディスク垂直方向クリアランス122は、可動ミラー112と、外周リング114との間に設定される隙間である。このクリアランスは、可動ミラー112に対して摺動する外周リング114の摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク垂直方向クリアランス122の内部に溶融樹脂が流れ込み、「縦バリ」が発生する。
図3に示す射出成型装置100と、先に説明した図1の射出成型装置10との相違点は、外周リング114に横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aが構成されている点である。
外周リング114の横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aは、外周リング114のスタンパ113に対向する領域を光ディスク基板130の内部に突き出させた構成を持つ突部である。
なお、この横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aは、外周リング114と一体化した構成でもよいし、別部材としてもよい。
この横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aを設定することで、光ディスク基板130の外径は、信号記録面〜中央〜底面の光ディスク基板の厚み方向の遷移に従って、小〜大〜小と変化する設定となる。
なお、横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aの光ディスク基板130の対向面は、スタンパ113対向面に対してほぼ垂直に設定される。
この横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aを設定した射出成型装置100を適用して製造した光ディスク基板130の構成例を図4に示す。
図4に示すように、光ディスク基板130の外周は、信号記録面から下方向に外径寸法が、小〜大〜小と変化する設定となる。
光ディスク基板130の信号記録面(上面)側端部には、横バリ131が発生する。
この横バリ131の下部に横バリ対応側面アンダーカット部141が形成される。
この横バリ対応側面アンダーカット部141は、図3を参照して説明した外周リング114に形成された横バリ対応側面アンダーカット形成突部114aによって設定される領域である。この横バリ対応側面アンダーカット部141は、光ディスク基板130の外径寸法が小さく設定される区間となる。
横バリ対応側面アンダーカット部141の一部を図4の拡大図に示す。この拡大図に示すように、横バリ対応側面アンダーカット部141の光ディスク基板130外周面と、横バリ131との角度は、ほぼ直角に構成される。
横バリ対応側面アンダーカット部141の下側には、ディスク外周方向突出部142が構成され、この部分で光ディスク基板130の外径寸法が大きくなっている。さらに光ディスク基板130の下方向の非信号記録面(底面)側でディスク外周方向突出部142が終了し、光ディスク基板130の外径寸法が再度、小さくなっている。
このように、横バリ対応側面アンダーカット部141は、ディスク基板の最大外径より小さい外径を持ち、横バリ対応側面アンダーカット部141のディスク基板外周側面は、信号記録面に対してほぼ垂直な面によって構成される。
なお、ディスク外周方向突出部142は、横バリ131の長さより外側に突き出たように構成することが好ましい。
具体的な寸法の設定例については、図6を参照して後段で説明する。
横バリ対応側面アンダーカット部141は、光ディスク基板130の信号記録面に塗布するカバー層や中間層となる樹脂層の樹脂だまりとして利用される。光ディスク基板130の信号記録面から光ディスク基板130の外周面を覆うように樹脂を被覆することで、横バリ131をほぼ完全に樹脂内に封じ込めることが可能となる。
図5を参照して、横バリ131の樹脂による被覆構成について説明する。
図5には、以下の2つの異なる構成の完成した光ディスクの断面構成を示している。
(a)片面にのみ信号記録面を有する片面タイプディスク
(b)両面に信号記録面を有する両面タイプディスク
図5に示す(a)片面タイプディスクは、図3を参照して説明した射出成型装置100を利用して製造した1枚の光ディスク基板130を利用して製造可能である。
一方、図5に示す(b)両面タイプディスクは、図3を参照して説明した射出成型装置100を利用して製造した光ディスク基板130を2枚用意し、2枚の光ディスク基板130の底面(非信号記録面)同士を接着して製造される。接着には、例えば紫外線硬化樹脂が利用される。図5(b)に示す紫外線硬化樹脂(接着層)152によって2つの基板が接合される。
図5に示す(a),(b)の両タイプとも、信号記録面は、同様の積層構成を有する。
信号記録面は、スパッタリング等の成膜手法によって生成する反射膜の他、例えば樹脂(紫外線硬化樹脂=UVレジン)膜によって構成される中間層やカバー層等を有し、複数の異なる層を重ねた積層構成となる。
これらの信号記録面の層形成処理は、スパッタリングマシンやスピンコートマシンなどの層形成装置を利用して行われる。
信号記録層を構成する中間層やカバー層等の紫外線硬化樹脂151の層形成処理は、以下の工程によって行われる。
(S1)信号記録面側に均一に紫外線硬化樹脂151をスピンコートにより塗布する。
(S2)外周部の膜厚隆起を防ぐ目的で、ディスクを中速回転させながら信号部より外側をマスクで覆い、外周部以外の内周面の樹脂に紫外線を照射して内周領域の樹脂のみを硬化させる。
(S3)内周部の樹脂の硬化処理の後、ディスクを高速回転して未硬化状態の外周部の樹脂を振り切り、その後、全面に紫外線を照射してディスク全面の樹脂を硬化させる。
これらの(S1)〜(S3)の工程によって、紫外線硬化樹脂(UVレジン)層の形成処理が実行される。
この樹脂層形成処理は、中間層や、カバー層の形成毎に繰り返し実行される。また、信号記録層を二重、三重とした多層記録層を持つ場合は、各記録層間に設定する樹脂層を形成することが必要であり、このような記録層間の樹脂層を形成する場合にも上記のプロセスを実行する。
上記の(S1)〜(S3)の樹脂層形成工程を実行することで、図5に示すように、横バリ131発生位置のディスク側面に設定された横バリ対応側面アンダーカット部141に樹脂が流れ込み、樹脂(UVレジン)が硬化される。すなわち、横バリ対応側面アンダーカット部141は硬化樹脂によって埋められた構成となる。
この結果、横バリ131は、樹脂(UVレジン)によって被覆された状態となる。
ディスク外周方向突出部142は、信号記録面から流れ込む樹脂をせき止める役目を果たし、これによって横バリ対応側面アンダーカット部141に効率的に樹脂が流入し、蓄積される。
また、先に図4に示す拡大図を参照して説明したように、横バリ対応側面アンダーカット部141の光ディスク基板130外周面と、横バリ131との角度は、ほぼ直角(90度)に設定されている。この角度設定により、樹脂が横バリ131の下部に入り込みやすくなり、横バリ131の下部に気泡が残留する可能性を小さくすることができる。
横バリ131と光ディスク基板130外周面との角度が直角(90度)より小さい場合、横バリ131の根本部分に進むに従って隙間が小さくなる。この場合、この隙間に樹脂が入りこみにくくなる。この場合、樹脂の充填が不十分となり、結果として気泡が発生しやすくなる。
気泡を含んだまま樹脂が固まると、その後のディスク製造工程において、加熱や減圧処理が行われた際に、気泡が膨らみ、樹脂被膜の破裂や樹脂の飛散、破れが発生して様々な不具合を起こすことがある。
これに対して、本構成では横バリ131と光ディスク基板130外周面との角度が、ほぼ直角の大きな角度に設定されているので、樹脂が横バリ131の下部に入り込みやすくなり、横バリ131の下部に気泡が残留する可能性が小さくなる。これにより、樹脂被膜の破裂や樹脂の飛散、破れ等の不具合が発生する可能性を低減できる。
図6を参照して、光ディスク基板130のディスク側面の具体的構成例について説明する。図6には、以下の2つの光ディスク基板の構成例を示している。
(a)厚型タイプディスク(基板厚み=1.1mm)
(b)薄型タイプディスク(基板厚み=0.5mm)
(a)厚型タイプディスクは、例えば図5(a)に示す片面タイプディスクとして利用される基板であり、(b)薄型タイプディスクは、例えば図5(b)に示す両面タイプディスクとして利用されるディスク基板である。
図6(a),(b)に示す2つのタイプの光ディスク基板130は厚みが異なるのみで、光ディスク基板130の外周側面の構成は同様の構成である。信号記録面側から基板底面側に向けて以下の構成を有する。
(1)信号面側に形成される横バリ131、
(2)横バリ131に対してほぼ垂直なディスク外周面を持つ横バリ対応側面アンダーカット部141、
(3)ディスク外周方向突出部142
これらの構成を有する。
横バリ131の長さは、約0.03mmとなる。
横バリ対応側面アンダーカット部141のアンダーカット量、すなわち、ディスク基板の最大外径部となるディスク外周方向突出部142からのディスク内部に対する切り込み深さは、約0.05〜0.20mmとしている。
このように、横バリ対応側面アンダーカット部141の外径方向突出部142に対するアンダーカット量は、横バリ131の長さより大きい構成とする。
なお、図に示すサイズは一例であり、これらのサイズは例えばバリの長さに応じた最適なサイズとすることが好ましい。
横バリ対応側面アンダーカット部141は、樹脂だまりとして利用され、横バリ131を覆うように樹脂(紫外線硬化樹脂)を充填する必要がある。
このことを考慮して、横バリ対応側面アンダーカット部141のアンダーカット量の下限は、横バリの長さ=0.03より大きく設定することが好ましい。図に示す例では、アンダーカット量の下限を0.05mmとしている。
この設定によって、横バリ131を樹脂で完全に被覆することが可能となる。
また、図3を参照して説明した射出成型装置100による光ディスク基板130の製造時、光ディスク基板130を射出成型装置100から取り出す処理が必要である。
この取り出し処理において、射出成型装置100の内周部に配置したエジェクターおよびエアーブローの吹き出しで成型した光ディスク基板130を若干円錐状に変形させて可動側ミラー112から離型させる。
この光ディスク基板130の変形量以上にアンダーカット量が大きすぎると、光ディスク基板130の取り出しが出来なくなる。このため、アンダーカット量の上限は、ディスク基板130の取り出しに影響が出ないように設定する必要があり、このことを考慮して、アンダーカット量の上限=0.20mmを設定している。
このように、横バリ対応側面アンダーカット部141のアンダーカット量は、横バリ131の被覆を可能とし、さらに射出成型装置100からのディスク基板130の取り出しを可能とする範囲に設定することが好ましい。
本例では、横バリ対応側面アンダーカット部141のアンダーカット量=0.05〜0.20mmとしている。
上述したように、本構成例では光ディスク基板130の信号記録面側の横バリ131の発生部位から横バリ131に対してほぼ垂直(90度)の面を有する横バリ対応側面アンダーカット部141を設定している。
この横バリ対応側面アンダーカット部141を設定することで、信号記録層側に塗布する樹脂が横バリ対応側面アンダーカット部141に流れ込み、横バリ131が樹脂層によって被覆される。これにより、横バリ131の落下等による問題発生を防止することが可能となる。
また、横バリ対応側面アンダーカット部141は、横バリ131に対してほぼ垂直(90度)の面を有するように構成されているため、樹脂がスムーズに充填され、気泡の発生する可能性が低減される。この構成により、その後のディスク製造工程における減圧や加熱等の処理に際して気泡の膨張による樹脂被膜の破損等の発生可能性が低減される。
[3.縦バリの対策構成について]
次に、縦バリの問題を解消する構成について説明する。
縦バリは、先に図2等を参照して説明したように、光ディスク基板の底面(非信号記録面)側において、ディスク平面に垂直な方向に延びるバリである。縦バリも横バリと同様、落下により、信号記録面やプレーヤ内部に付着するなどの問題を発生させる。
さらに、縦バリ特有の問題として、両面に信号記録面を有する両面ディスクを製造する場合の問題がある。両面ディスクを製造する場合、2枚の光ディスク基板の底面(非信号記録面)を相互に貼り合わせる処理を行なう。この貼り合わせに際して、縦バリが接着相手の光ディスク面に接触し落下や接着不良を発生させる。
この問題点について、図7を参照して説明する。
両面ディスクを製造する場合、図7に示すように、2枚の光ディスク基板130a,130bの底面(非信号記録面)を例えば紫外線硬化樹脂等から構成される接着剤161によって相互に貼り合わせる。
この貼り合わせを行なう場合、図7に示すように、各光ディスク基板130a,130bの底面から伸びる縦バリ132a,132bが存在すると、これらの縦バリ132a,132bが接着相手の光ディスク基板130a,bの底面や側面に接触し、接着不良や接着時の縦バリの落下等を発生させる恐れがある。
以下、縦バリの対策構成について説明する。
縦バリの対策を行ったディスク基板の製造工程について、図8を参照して説明する。
図8は、先に図1を参照して説明したと同様の情報記録媒体(ディスク)製造装置の1つである樹脂基板の射出成型装置100の構成を示す図である。
図8は、図1および図3と同様、射出成型装置100の一部の断面図を示している。光ディスク基板130の外周部近傍の製造部分の断面構成である。
参考図として示すディスクとの対応関係から理解されるように、図3に示す射出成型装置100内の光ディスク基板130の右方向がディスク外周部に相当し、左側が内周部(中心部)に相当する。
射出成型装置100は、スタンパ113を装着した固定ミラー111と、可動ミラー112との間にポリカーボネート等の樹脂材料からなる粒状ペレットを溶融後、流入させ、冷却して光ディスク基板130を製造する構成を有する。
射出成型装置100の光ディスク基板130信号記録面側には、ディスク転写用のグルーブやピット列相当の凹凸を形成したスタンパ113を装着した固定ミラー111を有する。
一方、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)側に可動ミラー112を有する。
さらに、光ディスク基板130の外周面を囲むように外周リング114が設定される。
可動ミラー112と、外周リング114は、それぞれ図に示す矢印のように上下方向に摺動可能な構成を持つ。
光ディスク基板130の成型開始時点において、可動ミラー112と、外周リング114が、図8に示す位置にセットされ、その後、図8に示す光ディスク基板130領域にポリカーボネート等の樹脂材料を溶融後、流入させる。
その後、所定時間経過後、光ディスク基板130が冷却された後、可動ミラー112と、外周リング114を下部方向に移動して、成型した光ディスク基板130を取り出す。
成型した光ディスク基板130には、スタンパ113のグルーブやピット列に相当する凹凸パターンが転写される。
図1を参照して説明した構成と同様、図8に示すディスク平面方向クリアランス121は、スタンパ113と、外周リング114との間に設定される隙間である。このクリアランスは、光ディスク基板130の空間に流入する溶融樹脂材料の流れを良好にするためのガス抜きを可能とし、さらにスタンパ113と外周リング114との摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク平面方向クリアランス121の内部に溶融樹脂が流れ込み、「横バリ」が発生する。
また、図8に示すディスク垂直方向クリアランス122は、可動ミラー112と、外周リング114との間に設定される隙間である。このクリアランスは、可動ミラー112に対して摺動する外周リング114の摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク垂直方向クリアランス122の内部に溶融樹脂が流れ込み、「縦バリ」が発生する。
図8に示す射出成型装置100は、先に図3を参照して説明した横バリ対策構成として、外周リング114に横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aが設けられている。
さらに、図8に示す射出成型装置100は、縦バリ対策構成として、可動ミラー112に縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aが設けけられている。
可動ミラー112の縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aは、可動ミラー112の光ディスク基板130の底面の外周部対向領域を光ディスク基板130の内部に突き出させた構成を持つ突部である。
なお、この縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aは、可動ミラー112と一体化した構成でもよいし、別部材としてもよい。
この縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aを設定することで、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)の外周部の厚みが薄くなる。すなわち、縦バリが形成されるディスク垂直方向クリアランス122からディスク内周に向かう所定区間のディスク基板底面がディスク内周部より浮き上がってディスク厚みが薄く構成されることになる。
図8に示す縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aを設定した射出成型装置100を適用して製造した光ディスク基板130の構成例を図9に示す。
図9に示すように、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)には、縦バリ132の形成される外周部から一部区間に渡って縦バリ対応底面アンダーカット部171が形成される。この縦バリ対応底面アンダーカット部171は、底面が上部側(信号記録面側)に削り取られた形状を有し、ディスク厚みが薄く設定されている。
ディスク厚みは、ディスク外周領域のみが薄く設定された構成となる。
このように、光ディスク基板130の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた縦バリ対応底面アンダーカット部171が構成される。
光ディスク基板130の底面の外周端部には、縦バリ132が発生する。
この縦バリ132のディスク内周側底面に縦バリ対応底面アンダーカット部171が形成される。
この縦バリ対応底面アンダーカット部171は、図8を参照して説明した可動ミラー112に形成された縦バリ対応底面アンダーカット形成突部112aによって設定される領域である。この縦バリ対応底面アンダーカット部171は、光ディスク基板130の厚みが薄く設定された区間となる。
縦バリ132は、縦バリ対応底面アンダーカット部171のディスク基板外周端部に発生する。
縦バリ132の長さは約0.03mmである。
これに対して、縦バリ対応底面アンダーカット部171のアンダーカット量、すなわち、光ディスク基板130の底面からの切り込み高さは、約0.05〜0.20mmに設定する。
すなわち、アンダーカット量を縦バリの長さより大きく設定する。
この設定により、両面ディスクの生成時に2枚の光ディスク基板の底面同士を接着する場合に、縦バリが接着相手のディスク基板の構成面に接触することがなくなり、ディスク基板の良好な接合処理が可能となる。
図10を参照して、2枚のディスク基板の接合処理によって生成した両面ディスクの断面構成例について説明する。
図10に示す両面タイプディスクは、図8を参照して説明した射出成型装置100を利用して製造した光ディスク基板130を2枚用意し、2枚の光ディスク基板130の底面(非信号記録面)同士を接着して製造される。接着には、例えば紫外線硬化樹脂が利用される。図8に示す紫外線硬化樹脂(接着剤)152によって2つの基板が接合される。
図10に示す両面タイプディスクの信号記録面は、同様の積層構成を有する。
信号記録面は、スパッタリング等の膜成型手法によって生成する反射膜の他、例えば樹脂(紫外線硬化樹脂=UVレジン)膜によって構成される中間層やカバー層等を有し、複数の異なる層を重ねた積層構成を有する。
これらの信号記録面の層形成処理は、スパッタリングマシンやスピンコートマシンなどの層形成装置を利用して行われる。
これらの樹脂層によって、横バリ131は被覆される。この被覆構成は、図5(b)を参照して説明した構成と同様の構成である。
図10に示す両面タイプディスクは、さらに2つの光ディスク基板の接合部の外周領域に縦バリ対応底面アンダーカット部171が構成されている。
縦バリ132は、縦バリ対応底面アンダーカット部171の外周端から伸びているが、それぞれの縦バリ132は、接着相手の光ディスク基板面に接触していない。
これは、縦バリ対応底面アンダーカット部171のアンダーカット量が縦バリ132の長さ(約0.03mm)より大きく設定されているためである。
2枚の光ディスク基板130を接合する接着剤としての紫外線硬化樹脂152は、例えば、ディスク基板接合装置によって各ディスク底面間に流しこまれ、2枚の光ディスク基板各々の縦バリ対応底面アンダーカット部171によって挟まれる空間が樹脂によって埋められる。これにより、縦バリ132も接着剤としての紫外線硬化樹脂内に封入されることになる。
このように、本構成では、2枚の光ディスク基板の接合処理に際して、縦バリが接合相手のディスク基板に接触することがなく、確実な接合が可能となる。また、縦バリ全体が接着剤である紫外線硬化樹脂内に封入されるため、接着処理の実行時や、その後のディスク使用中に縦バリが落下する等の問題が発生しない。
次に、図11を参照して、光ディスク基板130の底面に形成される縦バリ対応底面アンダーカット部171の具体的構成例について説明する。
縦バリ132の長さは、約0.03mmとなる。
縦バリ対応底面アンダーカット部171のアンダーカット量、すなわち、光ディスク基板底面からの切り込み高さは、約0.05〜0.20mmとする。
すなわち、縦バリ対応底面アンダーカット部171のディスク内周部の底面に対する切り込み高さであるアンダーカット量は、縦バリ132の長さより大きく設定される。
なお、図に示すサイズは一例であり、これらのサイズは、例えばバリの長さに応じた最適なサイズとすることが好ましい。
上述したように縦バリ対応底面アンダーカット部171を設定することにより、両面ディスクの生成時に2枚の光ディスク基板の底面同士を接着する場合に縦バリが接着相手のディスク基板の構成面に接触することがなく、ディスク基板の良好な接合処理が可能となる。
[4.信号記録面の収縮流れの防止構成について]
上述したように、光ディスク基板は、ポリカーボネート等の樹脂材料の射出成型によって製造される。例えば、蛇行型の溝形状を有するグルーブやピット列を形成したスタンパを射出成型機に取り付け、ポリカーボネート等の樹脂材料を溶融して固形化する射出成型処理を行なうことで、表面にグルーブやピット列を形成した樹脂基板を製造する。
しかし、この射出成型時の基板の冷却過程などにおいて、基板材料である樹脂が面方向に収縮して記録用グルーブや信号記録ピットの収縮流れによる変形を発生させることがある。
信号記録面の収縮流れの具体例について図12を参照して説明する。
図12は、射出成型によって、スタンパから光ディスク基板の信号記録面にピット列を転写した場合の例を示している。
図12(A)は、正常なピット列の例である。
図12(B1),(B2)は、射出成型時の冷却過程などにおいて基板材料である樹脂が面方向に収縮し変形したピット列の例である。
図12(B1)はディスクの内周側領域、(B2)は外周側領域のピット列の例である。ディスク内周側では外周側にピットが流れたように変形し、外周側では内周側にピットが流れたような変形を起こす。
これは、射出成型時の冷却過程などにおいて基板材料である樹脂が面方向に収縮することが主な原因である。
なお、図12の例は、ピット列の例であるが、ディスク信号面に形成される連続的な溝であるグルーブの場合も同様の変形が発生する。
このように射出成型による光ディスク基板の製造における問題点として、基板の面方向の収縮による記録用グルーブや信号記録ピットの収縮流れが発生するという問題がある。これを回避する一つの手法として金型で基板を挟み込んで収縮を阻害するような適正な型締力を設定する手法がある。
しかし、ディスク基板の収縮を防止するため大きな型締め力を設定すると、ディスクのSkew特性の低下、具体的にはディスクの反りが発生するなど、他の問題を引き起こすことになる。
特に近年のBlu−ray(登録商標)ディスクなど、ピットやグルーブが浅い構成を持つディスクの場合、収縮流れの防止と、良好なSkew特性の実現という2つの異なるディスク品質の両者を高めることは極めて困難である。
このように、光ディスク基板のような円盤形状の成形品は冷却により半径方向に収縮が起こりやすい。また、Blu−ray(登録商標)ディスクなどの高容量化、高密度化ディスクでは、トラックピッチが小さくなり、より一層、成形収縮による影響が大きくなる。
例えば、スパイラル状に記録されるピットやグルーブは冷却の収縮により基板が内方向へ移動して流れた様な転写不良を発生する。特にグルーブ深さの浅い記録用ディスクでは観察上明らかな収縮流れとはならない場合でも、微少な収縮ムラにより、グルーブのウォブル(蛇行)形状によって読み取られるウォブル信号の劣化を招きやすい。
以下では、ピットやグルーブの変形である収縮流れを防止する複数の構成について説明する。
以下の3種類の構成について、順次、説明する。
(1)縦バリ対応底面アンダーカット部と離間したリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成
(2)縦バリ対応底面アンダーカット部と連続するリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成
(3)光ディスク基板内周領域に広がる円形型の流れ防止アンカー溝を有する構成
[4−1.縦バリ対応底面アンダーカット部と離間したリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成]
まず、縦バリ対応底面アンダーカット部と離間したリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成について説明する。
収縮流れの防止対策を行ったディスク基板の製造工程について、図13を参照して説明する。
図13は、先に図1を参照して説明したと同様の情報記録媒体(ディスク)製造装置の1つである樹脂基板の射出成型装置100の構成を示す図である。
図13は、図1、図3および図8と同様、射出成型装置100の一部の断面図を示している。光ディスク基板130の外周部近傍の製造部分の断面構成である。
参考図として示すディスクとの対応に示すように、図13に示す射出成型装置100内の光ディスク基板130の右方向がディスク外周部に相当し、左側が内周部(中心部)に相当する。
射出成型装置100は、スタンパ113を装着した固定ミラー111と、可動ミラー112との間にポリカーボネート等の樹脂材料からなる粒状ペレットを溶融後、流入させ、冷却して光ディスク基板130を製造する構成を有する。
射出成型装置100の光ディスク基板130信号記録面側には、ディスク転写用のグルーブやピット列相当の凹凸を形成したスタンパ113を装着した固定ミラー111を有する。
一方、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)側に可動ミラー112を有する。
さらに、光ディスク基板130の外周面を囲むように外周リング114が設定される。
可動ミラー112と、外周リング114は、それぞれ図に示す矢印のように上下方向に摺動可能な構成を持つ。
光ディスク基板130の成型開始時点において、可動ミラー112と、外周リング114が、図13に示す位置にセットされ、その後、図13に示す光ディスク基板130領域に溶融されたポリカーボネート等の樹脂材料を流入させる。
その後、所定時間経過後、光ディスク基板130が冷却された後、可動ミラー112と、外周リング114を下部方向に移動して、成型された光ディスク基板130を取り出す。
成型された光ディスク基板130には、スタンパ113のグルーブやピット列に相当する凹凸パターンが転写される。
図1を参照して説明した構成と同様、図13に示すディスク平面方向クリアランス121は、スタンパ113と、外周リング114との間に設定される隙間である。このクリアランスは、光ディスク基板130の空間に流入する溶融樹脂材料の流れを良好にするためのガス抜きを可能とし、さらにスタンパ113と外周リング114との摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク平面方向クリアランス121の内部に溶融樹脂が流れ込み、「横バリ」が発生する。
また、図13に示すディスク垂直方向クリアランス122は、可動ミラー112と、外周リング114との間に設定される隙間である。このクリアランスは、可動ミラー112に対して摺動する外周リング114の摩擦を解消するために設定される隙間である。
このディスク垂直方向クリアランス122の内部に溶融樹脂が流れ込み、「縦バリ」が発生する。
図13に示す射出成型装置100は、先に図3を参照して説明した横バリ対策構成として、外周リング114に横バリ対応側面アンダーカット形成用突部114aが設けられている。また、先に図8を参照して説明した縦バリ対策構成として、可動ミラー112に縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aが設けられている。
さらに、図13に示す射出成型装置100は、可動ミラー112に流れ防止アンカー溝形成用突部112bが設けられている。
この可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、可動ミラー112の光ディスク基板130の底面の外周部近傍に設けられ、光ディスク基板130の内部に突き出させたリング状の突部である。
なお、この流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、可動ミラー112と一体化した構成でもよいし、別部材としてもよい。
この流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)の外周部でリング状に内部に入り込み、光ディスク基板130を固定させることになる。すなわち光ディスク基板130が冷却する際に発生しやすい平面方向の収縮を防止させる効果をもたらす。
この流れ防止アンカー溝形成用突部112bを設定した射出成型装置100を適用して製造した光ディスク基板130の構成例を図14に示す。
図14に示す光ディスク基板130は、先に図3以下を参照して説明した横バリ対応アカンダーカット部141、およびディスク外周方向突出部142と、図8以下を参照して説明した縦バリ対応底面アンダーカット部171を有する。
本構成例では、さらに図14に示すように、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)に流れ防止アンカー溝211を有する。
すなわち、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)の外周部にリング状の溝領域である流れ防止アンカー溝211が構成されている。
この流れ防止アンカー溝211は、図13に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bによって形成された溝である。
この流れ防止アンカー溝211のディスク外周側の面を流れ防止アンカー面と呼ぶ。この流れ防止アンカー面211aは、ディスク平面に対してほぼ垂直の面によって構成される。この流れ防止アンカー面211aが、図13に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合して、光ディスク130が内周方向に収縮するのを防止する役割を果たすことになる。
図15を参照して、光ディスク基板の断面構成の具体例について説明する。
図15に示すように、流れ防止アンカー溝211は、光ディスク基板130の外周端から0.8mmの位置に内周端が設定されるリング型の溝として構成され、溝の深さは0.04mm、溝幅は0,26mmとされる。
なお。これらのサイズは一例であり、流れ防止アンカー溝211は、この溝形状に限定されるものではない。
なお、溝の深さ、すなわち、アンカー面の高さは、射出成型装置の金型(ミラー)に確実に係合させるためには大きい方がよいが、ディスク基板の厚みや離型具合との関係もあり、あまり大きくすることは難しい。
これらの関係を考慮した検討の結果、溝の深さ、すなわち、流れ防止アンカー面の高さは、0.03mm以上とすれば、収縮流れの十分な防止効果が得られることが確認された。
なお、流れ防止アンカー面211aとディスク基板130の底面との角度をアンカー面角度とする。
このアンカー面角度は図に示すように60°〜90°の設定とすることが好ましい。
前述したように、流れ防止アンカー面211aは、図13に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合して、光ディスク130が内周方向に収縮するのを防止する役割を果たすことになる。
従って、アンカー面角度が小さいと、図13に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに対する係合力が弱くなり、十分な収縮防止効果が得られないことになる。
十分な係合力を発揮して収縮防止効果を奏するためにアンカー面角度は図に示すように60°〜90°の設定とすることが好ましい。
このアンカー面角度を60°〜90°の範囲とすることが好ましいとする結論を出すために行った検証処理と検証結果については後段で説明する。
上述したように、光ディスク基板130に流れ防止アンカー溝211を構成して、流れ防止アンカー溝211のディスク外周側の面である流れ防止アンカー面211aを、図13に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合させる。この構成により、射出成型時の光ディスク基板130の冷却過程等において、光ディスク基板130が内周方向に収縮変形するのを防止することが可能となる。その結果、ピットやグルーブが内周方向に変形する収縮流れを防止できる。
すなわち、ディスク製造工程は以下のようになる。
まず、射出成型装置が、射出成型によりディスク基板を製造する。次に、層形成装置が、ディスク基板の信号記録面に樹脂層を含む層形成処理を実行する。先行するディスク基板製造ステップにおいて、ディスク基板底面にリング状または円形状の溝である流れ防止アンカー溝を形成し、その後、ディスク基板の冷却過程を行う。この処理を行なうことでピットやグルーブが内周方向に変形する収縮流れを防止できる。
[4−2.縦バリ対応底面アンダーカット部と連続するリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成]
次に、縦バリ対応底面アンダーカット部と連続するリング状の流れ防止アンカー溝を有する構成について説明する。
図13〜図15を参照して説明した構成は、流れ防止アンカー溝211を縦バリ対策用の縦バリ対応底面アンダーカット部171から離間した位置に構成した例である。
このように、流れ防止アンカー溝211を縦バリ対応底面アンダーカット部171から離間した位置に構成することも可能であるが、これらの2つの部位を連続的に構成することも可能である。
図16以下を参照して、流れ防止アンカー溝211と縦バリ対応底面アンダーカット部171を連続位置に設定した構成について説明する。
図16は、図13を参照して説明したと同様の情報記録媒体(ディスク)製造装置の1つである樹脂基板の射出成型装置100の構成を示す図である。
図16に示す射出成型装置100の構成と、図13に示す射出成型装置100の構成との差異は、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bの構成位置である。
図13に示す射出成型装置100では、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aと離間した位置に構成されている。
これに対して、図16に示す射出成型装置100では、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aに離間することなく、連続した位置に構成されている。
この可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、先に図13〜図15を参照して説明した構成における流れ防止アンカー溝形成用突部112bと同様、光ディスク基板130の内部に突き出させたリング状の突部である。
この流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)の外周部でリング状に内部に入り込み、光ディスク基板130を固定させることになる。すなわち光ディスク基板130が冷却する際に発生しやすい平面方向の収縮を防止する効果をもたらす。
この流れ防止アンカー溝形成用突部112bを設定した射出成型装置100を適用して製造した光ディスク基板130の構成例を図17に示す。
図17に示す光ディスク基板130は、先に図3以下を参照して説明した横バリ対応アカンダーカット部141、およびディスク外周方向突出部142と、図8以下を参照して説明した縦バリ対応底面アンダーカット部171を有する。
本構成例では、さらに図17に示すように、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)に流れ防止アンカー溝211を有する。
本構成例の流れ防止アンカー溝211は、縦バリ対応底面アンダーカット部171に連続する位置に設定されている。
すなわち、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)の外周部の縦バリ対応底面アンダーカット部171に連続する位置にリング状の溝領域である流れ防止アンカー溝211が構成される。
この流れ防止アンカー溝211は、図16に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bによって形成された溝である。
この流れ防止アンカー溝211のディスク外周側の面が流れ防止アンカー面である。この流れ防止アンカー面211aは、ディスク平面に対してほぼ垂直の面によって構成される。この流れ防止アンカー面211aが、図16に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合して、光ディスク130が内周方向に収縮するのを防止する役割を果たすことになる。
図18を参照して、光ディスク基板の断面構成の具体例について説明する。
図18に示すように、流れ防止アンカー溝211は、光ディスク基板130の外周端から0.69mmの位置に内周端が設定されるリング型の溝として構成され、溝の深さは0.04mm、溝幅は0,30mmとされる。
なお。これらのサイズは一例であり、流れ防止アンカー溝211は、この溝形状に限定されるものではない。
なお、前述したように、溝の深さ、すなわち、アンカー面の高さは、0.03mm以上とすれば、収縮流れの十分な防止効果が得られる。
また、流れ防止アンカー面211aとディスク基板130の底面との角度であるアンカー面角度は図に示すように60°〜90°の設定とすることが好ましい。
前述したように、流れ防止アンカー面211aは、図16に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合して、光ディスク130が内周方向に収縮するのを防止する役割を果たすことになる。
従って、アンカー面角度が小さいと、図16に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに対する係合力が弱くなり、十分な収縮防止効果が得られない。
[4−3.光ディスク基板内周領域に広がる円形型の流れ防止アンカー溝を有する構成]
次に、光ディスク基板内周領域に広がる円形型の流れ防止アンカー溝を有する構成について説明する。
ここまで、流れ防止アンカー溝211を有する光ディスク基板の例として、以下の2つの構成例について説明した。
(a)図13〜図15を参照して説明した縦バリ対応底面アンダーカット部171と離間した流れ防止アンカー溝211を有する構成。
(b)図16〜図18を参照して説明した縦バリ対応底面アンダーカット部171と連続した流れ防止アンカー溝211を有する構成。
これらの2つの構成において、流れ防止アンカー溝211は、光ディスク基板130の底面外周部に設定されたリング状(輪状)の溝構成を持つ。
次に、図19以下を参照して、流れ防止アンカー溝211を光ディスク基板130の底面の内周領域全体の円領域として設定した構成例について説明する。
図19は、図13、図16を参照して説明したと同様の情報記録媒体(ディスク)製造装置の1つである樹脂基板の射出成型装置100の構成を示す図である。
図19に示す射出成型装置100の構成と、図13および図16に示す射出成型装置100の構成との差異は、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bの構成位置である。
図13と図16に示す射出成型装置100では、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部112aと離間、または連続した位置に構成され、いずれも、リング状(輪状)の溝構成を持つ。
これに対して、図19に示す射出成型装置100では、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、光ディスク基板130の内周部の全領域の円形構成を有する。
すなわち、光ディスク基板130の内周部の厚みが薄く設定され、この部分全体が流れ防止アンカー溝形成用突部112bとなる。
この流れ防止アンカー溝形成用突部112bは、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)の内周部全体で内部に入り込み、光ディスク基板130を固定させることになる。すなわち光ディスク基板130が冷却する際に発生しやすい平面方向の収縮を防止させる効果をもたらす。
この円形タイプの流れ防止アンカー溝形成用突部112bを設定した射出成型装置100を適用して製造した光ディスク基板130の構成例を図20に示す。
図20に示す光ディスク基板130は、先に図3以下を参照して説明した横バリ対応アカンダーカット部141、およびディスク外周方向突出部142と、図8以下を参照して説明した縦バリ対応底面アンダーカット部171を有する。
本構成例では、さらに図20に示すように、光ディスク基板130の底面(非信号記録面)に流れ防止アンカー溝211を有する。
本構成例の流れ防止アンカー溝211は、光ディスク基板130の内周部領域全体からなる円形状の領域となる。
この流れ防止アンカー溝211は、図19に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bによって形成された溝である。
この流れ防止アンカー溝211のディスク外周側の面が流れ防止アンカー面である。この流れ防止アンカー面211aは、ディスク平面に対してほぼ垂直の面によって構成される。この流れ防止アンカー面211aが、図19に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合して、光ディスク130が内周方向に収縮するのを防止する役割を果たすことになる。
図21を参照して、光ディスク基板の断面構成の具体例について説明する。
図21に示すように、流れ防止アンカー溝211は、光ディスク基板130の外周端から0.59mmの位置に外周端が設定される円形状の溝として構成され、溝の深さは0.04mmとされる。
なお。これらのサイズは一例であり、流れ防止アンカー溝211は、この溝形状に限定されるものではない。
なお、前述したように、溝の深さ、すなわち、アンカー面の高さは、0.03mm以上とすれば、収縮流れの十分な防止効果が得られる。
また、流れ防止アンカー面211aとディスク基板130の底面との角度であるアンカー面角度は図に示すように60°〜90°の設定とすることが好ましい。
前述したように、流れ防止アンカー面211aは、図19に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合して、光ディスク130が内周方向に収縮するのを防止する役割を果たすことになる。
従って、アンカー面角度が小さいと、図16に示す可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに対する係合力が弱くなり、十分な収縮防止効果が得られないことになる。
アンカー面角度を様々な設定として製造したグルーブを有するディスクについて、グルーブの蛇行(ウォブル)形状に対応した読み取り信号であるウォブル信号の読み取りレベルを計測した結果を図22に示す。
図22に示すデータは、図20、図21を参照して説明したディスク底面内周全体に流れ防止アンカー溝211を形成した構成において、流れ防止アンカー面211aの角度を30°から90°の範囲で変化させた光ディスク基板130を製造して、それぞれのウォブル信号の読み取りレベルを計測した結果である。
なお、ウォブル信号とは、蛇行するグルーブ溝の蛇行(ウォブル)形状を識別するために必要となる信号であり、図に示すように、0.2〜0.55の範囲の信号値が規格に定められた許容値となる。すなわち、この許容範囲の信号値を得ることができれば、ディスクの信号記録面に構成されたグルーブのウォブル(蛇行)を確実に識別でき、識別結果に基づくアドレス取得によって記録信号の書き込みや再生が可能となる。
図22に曲線で示すデータ(ウォブル信号(最外周部))は、ディスクの最外周部分、すなわち射出成型時に収縮流れによるピットやグルーブ変形が最も発生しやすい領域に形成されたグルーブからのウォブル信号読み取りを行った結果である。
図に示すように、アンカー面角度が90°〜60°の範囲では、測定されるウォブル信号は約0.3となり、規格許容範囲:0.2〜0.55の範囲になるが、アンカー面角度が60°以下になると、測定ウォブル信号が急激に低下し、アンカー面角度が40°以下では、規格許容範囲:0.2〜0.55の範囲外になる。
この結果から、アンカー面角度がと小さい場合は、ディスクの収縮防止効果が小さくなり、グルーブの収縮流れによる変形が発生していることが推測される。
これに対して、アンカー面角度を60°〜90°とした場合は、ウォブル信号は約0.3となり、規格許容範囲:0.2〜0.55の範囲に対しマージンを持った値であり、グルーブの収縮流れによる変形が防止されていると推測される。すなわち、流れ防止アンカー面211aと、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bとの確実な係合によって、光ディスク130の収縮が確実に防止されていると判断される。
上述したように、本構成例では、光ディスク基板130に流れ防止アンカー溝211を形成している。射出成型時に、流れ防止アンカー溝211のディスク外周側の面である流れ防止アンカー面211aを、可動ミラー112の流れ防止アンカー溝形成用突部112bに係合させる。この係合構成により、射出成型時の光ディスク基板130の冷却過程等において、光ディスク基板130が内周方向に収縮変形するのを防止できる。その結果、ピットやグルーブが内周方向に変形する収縮流れの発生を抑制できる。
[5.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)ディスク基板の非信号記録面である底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を有し、
前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面を、ディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させる構成としたディスク基板を有する情報記録媒体。
(2)前記溝は、ディスク基板の底面外周領域に形成されたリング状の溝である前記(1)に記載の情報記録媒体。
(3)前記溝は、ディスク基板の底面内周から外周領域に形成された円形状の溝である前記(1)に記載の情報記録媒体。
(4)前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝である前記(1)〜(3)いずれかに記載の情報記録媒体。
(5)前記溝側面と、ディスク底面とによって構成されるアンカー面角度は60度から90度の範囲である前記(1)〜(4)いずれかに記載の情報記録媒体。
(6)前記溝側面の高さは0.03mm以上である前記(1)〜(5)いずれかに記載の情報記録媒体。
(7)前記ディスク基板は、さらにディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、前記溝は、前記底面アンダーカット部と離間した位置に形成された構成である前記(1)〜(6)いずれかに記載の情報記録媒体。
(8)前記ディスク基板は、さらにディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、前記溝は、前記底面アンダーカット部と連続した位置に形成された構成である前記(1)〜(6)いずれかに記載の情報記録媒体。
(9)前記情報記録媒体は、2枚のディスク基板の底面同士を接合して構成される両面に信号記録面を有する両面ディスクであり、2枚のディスク基板の底面アンダーカット部によって挟まれる領域は、2枚のディスク基板の底面同士を接合する接着剤によって埋められた構成である前記(7)または(8)に記載の情報記録媒体。
(10)前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは前記接着剤によって被覆された構成である前記(9)に記載の情報記録媒体。
(11)前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、前記底面アンダーカット部のディスク内周部の底面に対するアンダーカット量は、前記バリの長さより大きい構成である前記(7)〜(10)いずれかに記載の情報記録媒体。
(12)ディスク基板の外周側面の信号記録面側領域に、ディスク基板の最大外径より小さい外径を持つ側面アンダーカット部を有し、
前記側面アンダーカット部のディスク基板外周側面は、信号記録面に対してほぼ垂直な面によって構成され、
ディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、
さらに、ディスク基板の底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を有し、
前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面を、ディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させる構成としたディスク基板を有する情報記録媒体。
(13)前記側面アンダーカット部の信号記録面側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは信号記録面に塗布した樹脂によって被覆され、
前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは接着剤によって被覆された構成である前記(12)に記載の情報記録媒体。
(14)前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝である前記(12)または(13)に記載の情報記録媒体。
(15)ディスク基板の信号記録面にグルーブまたはピット列を転写するためのスタンパと、
ディスク基板の信号記録面側に設定された記録面側ミラーと、
ディスク基板の底面側に設定された底面側ミラーと、
ディスク基板の側面を囲む外周リングを有し、
前記底面側ミラーは、
ディスク基板底面にリング状または円形状の溝を形成するための溝形成用突部を有する情報記録媒体製造装置。
(16)前記溝形成用突部は、前記底面側ミラーと一体化した構成、または別部材として構成されている前記(15)に記載の情報記録媒体製造装置。
(17)前記溝形成用突部は、前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面と、ディスク底面とによって構成されるアンカー面角度が60度から90度の範囲となるように構成された突部である前記(15)または(16)に記載の情報記録媒体製造装置。
(18)前記溝形成用突部は、前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面の高さが0.03mm以上になるように構成された突部である前記(15)〜(17)いずれかに記載の情報記録媒体製造装置。
(19)前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝であり、前記溝形成用突部は、前記流れ防止アンカー溝を形成するための突部である前記(15)〜(18)いずれかに記載の情報記録媒体製造装置。
(20)射出成型装置が、射出成型によりディスク基板を製造するディスク基板製造ステップと、
層形成装置が、ディスク基板の信号記録面に樹脂層を含む層形成処理を実行する信号記録層形成ステップを実行し、
前記ディスク基板製造ステップにおいて、
ディスク基板底面にリング状または円形状の溝を形成し、その後、ディスク基板の冷却処理を実行する情報記録媒体製造方法。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れの対策を施した情報記録媒体および情報記録媒体製造装置を提供する。
具体的には、ディスク基板の非信号記録面である底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた流れ防止アンカー溝を構成する。流れ防止アンカー溝のディスク基板外周側の側面である流れ防止アンカー面をディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させて、基板冷却過程における面方向収縮を抑制し、ピットやグルーブの収縮流れを防止する。流れ防止アンカー溝はリング状または円形状の溝とし、流れ防止アンカー面とディスク底面との角度であるアンカー面角度は60度から90度の範囲とする。
本構成により、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れの対策を施した情報記録媒体および情報記録媒体製造装置が実現される。
10 射出成型装置(情報記録媒体製造装置)
11 固定ミラー
12 可動ミラー
13 スタンパ
14 外周リング
21 ディスク平面方向クリアランス
22 ディスク垂直方向クリアランス
30 光ディスク基板
31 横バリ
32 縦バリ
100 射出成型装置(情報記録媒体製造装置)
111 固定ミラー
112 可動ミラー
112a 縦バリ対応底面アンダーカット形成用突部
112b 流れ防止アンカー溝形成用突部
113 スタンパ
114 外周リング
114a 横バリ対応側面アンダーカット形成用突部
121 ディスク平面方向クリアランス
122 ディスク垂直方向クリアランス
130 光ディスク基板
131 横バリ
132 縦バリ
141 横バリ対応側面アンダーカット部
142 ディスク外周方向突出部
151 紫外線硬化樹脂
152 紫外線硬化樹脂
161 接着剤
171 縦バリ対応底面アンダーカット部
211 流れ防止アンカー溝
211a 流れ防止アンカー面

Claims (20)

  1. ディスク基板の非信号記録面である底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を有し、
    前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面を、ディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させる構成としたディスク基板を有する情報記録媒体。
  2. 前記溝は、ディスク基板の底面外周領域に形成されたリング状の溝である請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記溝は、ディスク基板の底面内周から外周領域に形成された円形状の溝である請求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝である請求項1に記載の情報記録媒体。
  5. 前記溝側面と、ディスク底面とによって構成されるアンカー面角度は60度から90度の範囲である請求項1に記載の情報記録媒体。
  6. 前記溝側面の高さは0.03mm以上である請求項1に記載の情報記録媒体。
  7. 前記ディスク基板は、さらにディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、
    前記溝は、前記底面アンダーカット部と離間した位置に形成された構成である請求項1に記載の情報記録媒体。
  8. 前記ディスク基板は、さらにディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、
    前記溝は、前記底面アンダーカット部と連続した位置に形成された構成である請求項1に記載の情報記録媒体。
  9. 前記情報記録媒体は、2枚のディスク基板の底面同士を接合して構成される両面に信号記録面を有する両面ディスクであり、
    2枚のディスク基板の底面アンダーカット部によって挟まれる領域は、2枚のディスク基板の底面同士を接合する接着剤によって埋められた構成である請求項7に記載の情報記録媒体。
  10. 前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは前記接着剤によって被覆された構成である請求項9に記載の情報記録媒体。
  11. 前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、
    前記底面アンダーカット部のディスク内周部の底面に対するアンダーカット量は、前記バリの長さより大きい構成である請求項7に記載の情報記録媒体。
  12. ディスク基板の外周側面の信号記録面側領域に、ディスク基板の最大外径より小さい外径を持つ側面アンダーカット部を有し、
    前記側面アンダーカット部のディスク基板外周側面は、信号記録面に対してほぼ垂直な面によって構成され、
    ディスク基板の底面の外周端部領域に、底面部をディスク内周部より信号記録面側に切り上げた底面アンダーカット部を有し、
    さらに、ディスク基板の底面に、底面の高さを信号記録面側に切り上げた溝を有し、
    前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面を、ディスク基板の射出成型装置の金型に形成した突部に係合させる構成としたディスク基板を有する情報記録媒体。
  13. 前記側面アンダーカット部の信号記録面側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは信号記録面に塗布した樹脂によって被覆され、
    前記底面アンダーカット部の外周側端部には、ディスク基板成型時に発生したバリが存在し、該バリは接着剤によって被覆された構成である請求項12に記載の情報記録媒体。
  14. 前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝である請求項12に記載の情報記録媒体。
  15. ディスク基板の信号記録面にグルーブまたはピット列を転写するためのスタンパと、
    ディスク基板の信号記録面側に設定された記録面側ミラーと、
    ディスク基板の底面側に設定された底面側ミラーと、
    ディスク基板の側面を囲む外周リングを有し、
    前記底面側ミラーは、
    ディスク基板底面にリング状または円形状の溝を形成するための溝形成用突部を有する情報記録媒体製造装置。
  16. 前記溝形成用突部は、前記底面側ミラーと一体化した構成、または別部材として構成されている請求項15に記載の情報記録媒体製造装置。
  17. 前記溝形成用突部は、
    前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面と、ディスク底面とによって構成されるアンカー面角度が60度から90度の範囲となるように構成された突部である請求項15に記載の情報記録媒体製造装置。
  18. 前記溝形成用突部は、
    前記溝を構成するディスク基板外周側の側面である溝側面の高さが0.03mm以上になるように構成された突部である請求項15に記載の情報記録媒体製造装置。
  19. 前記溝は、射出成型によって製造するディスク基板に発生する収縮流れを防止するための流れ防止アンカー溝であり、
    前記溝形成用突部は、前記流れ防止アンカー溝を形成するための突部である請求項15に記載の情報記録媒体製造装置。
  20. 射出成型装置が、射出成型によりディスク基板を製造するディスク基板製造ステップと、
    層形成装置が、ディスク基板の信号記録面に樹脂層を含む層形成処理を実行する信号記録層形成ステップを実行し、
    前記ディスク基板製造ステップにおいて、
    ディスク基板底面にリング状または円形状の溝を形成し、その後、ディスク基板の冷却処理を実行する情報記録媒体製造方法。
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