JP4284888B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光情報記録媒体に係わり、特にレーザー光が入射する読み取り面側の基板の厚みを薄型化して高記録密度化を可能とする光情報記録媒体(以下、光ディスクと呼ぶ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクは高密度、大容量、小型化を目指し開発が進められている。高密度化は、レーザー光の波長を短くすることや、光学ピックアップの記録・再生時の光を照射するための対物レンズの開口数を大きくして記録・再生光のスポット径を小さくすることで可能である。このように、対物レンズの開口数を大きくすると、再生光が照射されてこれが通過する光ディスクの入射面側の基板の厚みを薄くする必要がある。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差や複屈折の影響を受けやすいためである。従って、次世代型光ディスクは、基板の厚さを薄くしてチルト角を可能な限り小さくするようにしているものである。
【0003】
例えば、CDにあっては、入射面側の基板厚みは約1.2mmとされているのに対し、記録容量がCDの6〜8倍であるDVDは約0.6mmとその半分の厚みである。また、最近ではCDやDVDと同じ大きさのディスク一面当たりの記録容量を、15GB以上の大記録容量にしたいとの要求があり、その場合は、一例として述べると入射面側の基板厚みは、前記したDVDの半分である約0.3mmとなる。また、入射面側の厚みを約0.1mmとすると20GBの記録容量となる。このような高記録容量のディスクを従来の射出成形法で製作するには基板が薄すぎて困難であるため、別の作製方法が幾つか提案されている。
【0004】
その一方法を述べると、従来技術と同じ射出成形法等により情報信号の入った基板を作製し、この情報信号面上にアルミニウム等の反射膜を成膜し、その上に基板と同じ大きさの光透過性シートを光透過性接着剤によりスピン貼り合せ法等で貼り合せる。そして再生光の入射面は光透過性シート側から行う方法である。
【0005】
この時の基板の外径は、前記したCDやDVDと同じφ120mmであり、この大きさの基板を射出成形法で形成するには0.6mm以上の厚みが必要となる。従って、前記した次世代型光ディスクの一方法によれば、情報信号を形成した基板の厚みより再生光を入射する側に設けた光透過性シートの方が薄くなることになる。
【0006】
ところで、CDやDVDの製造工程では工程間の移動や一時的な保管は基板をピンに積み重ねることで行っている。その際、基板の信号面や入射面層が接触して擦れによる傷が入らないよう、この基板にはリング状の凸部形状をしたスタックリブが設けられている。また、スタックリブが設けられている面とは反対の面にタイトル等が記されたレーベル層が設けてあり、この面はスクリーン印刷等によるレーベル作製が良好に行えるように平坦になっている。
【0007】
図10以降を用いてその点につき詳述する。図10はCDの形態であり、基板1上に射出成形により形成された情報信号2と、この情報信号2の反体面側にスタックリブ3を形成した前記基板1の前記情報信号2面上にスパッタリング等により金属反射膜4を成膜し、その上にUV樹脂等の保護膜5を形成し、更にその上にスクリーン印刷等でレーベル層6を形成することにより、光ディスク10を得るものである。
【0008】
また図11はDVDの形態であり、基板1上に射出成形により形成された情報信号2と、この情報信号2の反体面側にスタックリブ3を形成した前記基板1の前記情報信号2面上にスパッタリング等により金属反射膜4を成膜する。
【0009】
そして、射出成形によりダミーとなるダミー基板7を作製し、前記した基板1の情報信号2面を内側にして、この基板1とダミー基板7との間にUV接着剤8等を介して両者を貼り合せ、しかる後、ダミー基板7の上面側にスクリーン印刷等でレーベル層6を形成することにより、光ディスク20を得るものである。
【0010】
図12は、更にDVDの改良形態としての概念図である。この図12において、基板1上に射出成形により形成された情報信号2と、この情報信号2とは反対の面の内側にスタックリブ3を形成した前記一方の基板1の情報信号2面上に、スパッタリング等により半透明膜21を成膜する。
【0011】
一方、基板24上に射出成形により形成された情報信号22と、この情報信号22と同じ面の内側にスタックリブ23を形成した前記他方の基板24の前記情報信号22面上に、スパッタリング等により反射膜4を成膜し、これら2枚の基板1,24の情報信号面2,22を相対向させた形で、これらの情報信号面2,22間に光透過性の接着剤8を介在させて両者を貼り合わせた後、前記した他方の基板24の情報信号22とは反対の面にレーベル層6を形成することにより、光ディスク30を得るものである。
【0012】
この場合の例としては、片面2層のDVDであるが、半透明膜21の代わりに反射膜を成膜し、他方の基板24をダミー板とすることで単層のDVDとすることもできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図13は、既に提案されている次世代型高密度光ディスクの一形態を示す断面図である。例えば、射出成形により情報信号2を形成した基板1の前記情報信号2面上に、スパッタリング等により金属反射膜4を成膜し、その上に光透過性シート9を光透過性接着剤11により貼り合せる。再生光の入射面層は光透過性シート9側から行うためレーベル層6を基板1側に形成することにより、光ディスク40を得るものである。
【0014】
このような、次世代型高密度光ディスクに於いても前記したと同様、工程間の移動や一時的な保管に際して、基板を積み重ねるためスタックリブを情報信号2が形成された面の反対側に設ける必要はあるが、前記した如く、そこにはレーベル層6が形成されているため、図10のCD(光ディスク10)や、図11のDVD(光ディスク20)と同じような場所にスタックリブ3を形成するのが困難であった。
【0015】
ところで、製造工程で基板を積み重ねておく必要がある場所を述べると、成形時における場所、貼り合わせ前後の場所、印刷前後の場所、検査前後の場所、梱包前及び各工程間の移動等における場所である。なお、図12は、2枚の基板1,24に各々スタックリブ3,23が設けられているため、成型時及び貼り合わせ前までは各々ピンにストックされ、貼り合わせ時に他方のスタックリブ23は貼り合わせ面になるため無くなるものである。
【0016】
即ち、前記した如く、図12の形態では各々の基板1,24にスタックリブ3,23がそれぞれ形成されており、また一方の基板1側に、他方の基板24に設けたスタックリブ23を収容するためのリング状の溝25を設けておく必要がある。
【0017】
ここで、2枚の基材を貼り合わせる次世代型高密度光ディスクについて考察する。前記した如く、次世代型高密度光ディスクも2枚の基材を貼り合わせる形態を採っているので、図11や図12の形態が考えられる。しかしながら、図11のような形態にあって、情報信号2が形成された面の反対側にスタックリブ3を設けた場合、次世代型高密度光ディスクにあっては、通常そこにはレーベル層が印刷されるものであるため、それが行えなくなる欠点が生じる。
【0018】
また、図12の形態では、基板1を光透過性シートに置き換え、それにスタックリブ3と同程度の厚みの凸部を別部品で形成し、それをスタックリブ3が設けられるべき位置に貼り付けることで、目的を達成することは可能であるが、その場合は、工程が増えることによる歩留まりや、貼り付けによる取付け位置にバラツキが発生し、製品品質が悪くなる欠点が生じる。
【0019】
そこで本発明は、次世代型高密度光ディスクに於いても情報信号面側にスタックリブが形成でき、また前記した各工程でもこのスタックリブが本来の機能を発揮するディスク形態を有する光ディスクを提供することを目的とする。
【0020】
また、次世代型高密度光ディスクの中にはワーキングディスタンス(基板の入射面層とピックアップレンズの距離)が小さくスタックリブの位置や形状によっては再生時にこのスタックリブとピックアップレンズ等の部品が当接してしまい、それによりピックアップレンズが傾いて再生できなくなることも予想されるので、スタックリブの位置や高さ等を特定することにより、それを回避した光ディスクを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、中心孔を有する円板状の基板に形成された情報信号面上に反射膜が積層され、前記反射膜上に光透過性の接着剤を介して貼り合わされた前記基板よりも薄い光透過性シートが設けられた光情報記録媒体において、
前記中心孔から外側に向かって、前記情報信号が記録されない情報信号無し領域と、前記情報信号が記録された情報信号有り領域とが順次形成されているとするとき、
前記情報信号無し領域内にあって、かつ前記情報信号有り領域から所定の間隔を有したクランプエリアが形成され、このクランプエリアには、スタックリブが設けられており、
前記スタックリブの高さは、前記光透過性シートの厚み+前記接着剤の厚み+0.08mmと前記光透過性シートの厚み+前記接着剤の厚み+0.5mmとの間の範囲内にあることを特徴とする光情報記録媒体を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0023】
図1は、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第1実施例の半断面図、図2は、同、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第2実施例の半断面図、図3は、同、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第3実施例の半断面図、図4は、同、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第4実施例の半断面図、図5は、スタックリブの条件と良品率との関係を示す説明図、図6は、本発明に係る次世代型高密度光ディスクを製造するための模式図であり、特に、基板と光透過性シートを貼り合せる方法を説明するための模式図、図7は、図6で貼り合わされた光ディスクの断面図、図8は、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの作製方法と異なる方法で形成された光ディスクの断面図、図9は、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの作製方法と異なる方法で形成された光ディスクの断面図である。なお、従来と同一の構成部分については、同一符号を用いその詳細な説明は省略する。
【0024】
以下、本発明に係る次世代型高密度光ディスクの好ましい一実施例につき、図1〜図4を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る次世代型高密度光ディスク50における好ましい第1実施例の半断面図であり、図中26は、この光ディスク50をクランプするためのクランピングエリア、27は、この光ディスク50の中心孔である。この第1実施例にあっては、情報信号2面側に形成されているスタックリブ3は、クランピングエリア26の外側(中心孔27より離れ、情報信号2面側に近接する方向)に形成してあるものである。
【0026】
図2は、本発明に係る次世代型高密度光ディスク60における好ましい第2実施例の半断面図である。この第2実施例にあっては、情報信号2面側に形成されているスタックリブ3は、クランピングエリア26に比較的広い範囲にわたって形成してあるものである。
【0027】
また、図3は、本発明に係る次世代型高密度光ディスク70における好ましい第3実施例の半断面図である。この第3実施例にあっては、情報信号2面側に形成されているスタックリブ3は、クランピングエリア26に複数個形成してあるものである。
【0028】
更に、図4は、本発明になる次世代型高密度光ディスク80における好ましい第4実施例の半断面図である。この第4実施例にあっては、情報信号2面側に形成されているスタックリブ3は、クランピングエリア26の内側(中心孔27に近接する方向)に形成してあるものである。
【0029】
以下に、本発明になる光ディスクが前記した如くに構成することの優位性につき、説明する。
【0030】
次世代型高密度光ディスクのスタックリブ3は、情報信号2を形成した基板1の情報信号面側のリードイン信号位置(図示せず)より内側(中心孔27側)の位置に設け、前記基板1の中心孔27より大きな内径を有している、例えば、環状の光透過性シート9を、前記スタックリブ3の外径側より外側に貼り付けることにより達成される。このスタックリブ3の高さは、どの工程でも機能するように光透過性シート9の厚みと接着剤11の厚みの和より高くする必要がある。
【0031】
各種実験により求めた前記スタックリブ3の高さは、〔光透過性シート9の厚み+接着剤11の厚み+0.08mm 前者〕の範囲から〔光透過性シート9の厚み+接着剤11の厚み+0.5mm 後者〕の範囲が良好であるという結果が出ている。前者において、スタックリブ3の高さが、〔光透過性シート9の厚み+接着剤11の厚み+0.08mm〕の総和より低い場合は、光透過性シート9を接着剤11により貼り合わせた基板1を図示しないストックピンに積み重ねた時に、基板同士が接触してしまうため、光透過性シート9やレーベル層6に擦り傷が発生してしまうからである。
【0032】
また〔光透過性シート9の厚み+接着剤11の厚み+0.5mm〕以上の場合は、光ディスクを重ねた時の間隔が広くなってしまい、1本のストックピン(図示せず)に積み重ねられる光ディスクの数が減り収納効率が悪くなる。又、成形金型内での樹脂流動は、スタックリブ3の形状で大きく変化するため、光ディスク最内周の情報信号品質が劣化する。
【0033】
一方、貼り合わせた時の光透過性シート9には、光透過性の保護シート(図示せず)が付いたものもあり、この図示しない保護シートを付けたまま貼り合わせを行う場合もあるが、この時のスタックリブ3の高さは、光透過性シート9の厚みと接着剤11の厚み及び図示しない保護シートの厚みと、光透過性シート9と図示しない保護シートを貼り合わせているこれまた図示しない粘着材の厚みの総和より高くすれば、良好な結果が得られるという実験結果が出ているものである。
【0034】
また、スタックリブ3の位置は、光ディスクを積み重ねた時安定するので、前記した図示しないリードイン信号位置より内側(中心孔27側)で、かつ、リードイン信号位置近傍に設けるのが良い。
【0035】
しかしながら、ワーキングディスタンス(基板の入射面層とピックアップレンズの距離)が0.1mm程度の次世代型高密度光ディスクの提案もあり、この場合、スタックリブ3が前記した図示しないリードイン信号位置にあまりに近いと、スタックリブ3と図示しないピックアップレンズ及びその構成部品とが当接してしまい、前記した図示しないピックアップレンズが傾き再生できなくなる不具合が生じるので、その点を考慮する必要がある。
【0036】
現状のDVDプレーヤ等におけるピックアップレンズの大きさは、φ4.6mm前後が一般的であり、レンズを入れるホルダーの外径は余裕度を見込んで、φ5.6mm程度になるため、スタックリブ3の外径とリードイン信号位置の最大径との距離は、各構成部材の配置関係より2.8mm程度以上開いている必要がある。
【0037】
また市販のCDプレーヤやDVDプレーヤには、ピックアップレンズをアクチュエータに組み込む方式が採用されており、次世代型高密度光ディスクプレーヤの量産時には同様の方式を採用する可能性が高い。この場合、現状のアクチュエータの大きさは10数mm程度の角形形状なので、スタックリブ3の外径とリードイン信号位置間を更に開く必要がある。
【0038】
更に、リードイン信号位置の内側の領域にはクランピングエリア26領域があり、前記した如く、スタックリブ3の外径とリードイン信号位置の最大径との距離が2.8mm程度の場合は、図1のようにスタックリブ3はクランピングエリア26の外側に形成できるものである。
【0039】
また、前記したCDプレーヤやDVDプレーヤは、クランピングエリア26領域と情報信号領域の面は平坦とするよう規定しているが、これは各社のドライブ間及び各社のディスク間で互換性を持たせるためであり、次世代型高密度光ディスクに於いては、これと同様にしても良いし、或いは互換性が得られるなら図2や図3のようにクランピングエリア26の全部または一部をスタックリブ3としても良いものである。
【0040】
また、スタックリブ3は図4のようにクランピングエリア26内周より内側(中心孔27側)にあっても良い。この場合は、基板1を重ねた際不安定になるので、基板同士が接触しないようにスタックリブ3の高さを高くする等の対策が必要である。いずれの場合であっても、光透過性シート9の内径はスタックリブ3外径からリードイン信号位置の範囲にあるのがベストである(光透過性シート9の内径がリードイン信号位置より大きい場合、信号領域の信号が読めなくなるので再生できなくなり、また、スタックリブ3の外径より小さい場合、光透過性シート9が歪んでしまい、その結果入射面層の厚みむらが大きくなったり面振れが大きくなったりするからである)。
【0041】
この時の光透過性シート9の内径部とスタックリブ3の外径部は接触している必要はなく隙間があっても良い。更にまた、スタックリブ3の角部は基板表面に対し垂直に形成しても良いが、角度を鈍く設定すると成型時に樹脂の流れと、離型性が良くなるので、そのように設定するのが望ましい。
【0042】
ところで、前記した従来の技術でも説明しているように、例えば、15GBの容量を得る場合の基板厚みは約0.3mmで有り、これを従来の射出成形法で形成するのは困難である。更に、高密度光ディスクの総厚を考えた場合、取り扱い上からCDやDVDと同じ厚みである1.2mmが管理しやすい。よって次世代型高密度光ディスクの一形態としては、例えば、15GBの容量を得る場合として、入射面層の厚みを0.3mmと仮定するならば、0.9mm厚の情報信号入り基板を射出成形法等で作製した後、この情報信号面上に反射膜を成膜し、更にその上に光透過性シートを光透過性の接着剤で貼り付け、光の入射面を光透過性シート側から行う方法が考えられる。
【0043】
また、更に高密度化が進み光透過性シート9が0.1mmになった時は、情報信号の入った基板は1.1mmとなる。即ち、光透過性シート9の厚みは情報信号の入った基板よりかなり薄くなる。尚この場合には、入射面層は0.1mm、基板厚みは1.1mmの組み合わせになるが、これに限定したものではない。
【0044】
更にまた、本実施例では再生専用型(ROM型)について述べているが、本発明はこれに限定したものではなく、例えば追記型、書き換え可能型、光磁気ディスクにも適用可能であること勿論である。
【0045】
(実施例1)
以下、本発明の具体的実施例について更に詳細に説明する。前記した図1で説明したように、クランピングエリア26より外側である(φ34mm〜φ36mm)の位置で、情報信号2面側に、スタックリブ3をその高さ0.23mmで先細りのテーパ形状として形成した。
【0046】
(実施例2)
また、前記した実施例1と同様な位置で、情報信号2面側に、同様な形状でスタックリブ3を、その高さのみを0.19mmとして形成した。
【0047】
(実施例3)
次に、前記した図2、図3で説明したように、クランピングエリア26と同位置である(φ22mm〜φ33mm)の位置で、情報信号2面側に、スタックリブ3をその高さ0.23mmで先細りのテーパ形状として形成した。
【0048】
(実施例4)
また、前記した実施例3と同様な位置で、情報信号2面側に、同様な形状でスタックリブ3を、その高さのみを0.19mmとして形成した。
【0049】
(実施例5)
次に、前記した図4で説明したように、クランピングエリア26より内側である(φ19mm〜φ21mm)の位置で、情報信号2面側に、スタックリブ3をその高さ0.27mmで先細りのテーパ形状として形成した。
【0050】
(実施例6)
また、前記した実施例5と同様な位置で、情報信号2面側に、同様な形状でスタックリブ3を、その高さのみを0.23mmとして形成した。
【0051】
(比較例1)
前記した実施例1で説明したと同様、クランピングエリア26より外側である(φ34mm〜φ36mm)の位置で、情報信号2面側に、スタックリブ3をその高さ0.15mmで先細りのテーパ形状として形成した。
【0052】
(比較例2)
前記した実施例3,4で説明したと同様、クランピングエリア26と同位置である(φ22mm〜φ33mm)の位置で、情報信号2面側に、スタックリブ3をその高さ0.15mmで先細りのテーパ形状として形成した。
【0053】
(比較例3)
前記した実施例5、実施例6で説明したと同様、クランピングエリア26より内側である(φ19mm〜φ21mm)の位置で、情報信号2面側に、スタックリブ3をその高さ0.19mmで先細りのテーパ形状として形成した。
【0054】
(比較例4)
前記した比較例3と同様な位置で、情報信号2面側に、同様な形状でスタックリブ3を、その高さのみを0.15mmとして形成した。
【0055】
前記した実施例、比較例において、スタックリブ3の高さや位置を変えたディスク基板1を射出成形により形成し、0.1mm厚みの光透過性シート9を用いて接着剤11の厚みが0.01mmになるスピンコート条件で、それぞれのディスク基板1に光透過性シート9を貼り合わせて完成した光ディスク50等を図示しないストックピンに重ねて行き、100枚重ねた時の光透過性シート9や基板表面の擦り傷を調べた。その結果を図5に示す。
【0056】
この図5より明らかな如く、スタックリブ3がクランピングエリア26と同位置かそれより外側にある実施例1〜実施例4の場合は、スタックリブの高さが0.19mm以上なら基板に擦り傷は入らず良好な結果が得られていることが分かる。
【0057】
一方、比較例1や比較例2のように、スタックリブの高さが0.15mmと低くなると、擦り傷の入っている基板が発生していることが分かる。
【0058】
また、スタックリブ3がクランピングエリア26より内側にある実施例5、実施例6の場合は、スタックリブ3の高さが0.23mm以上なら基板に擦り傷は入らず良好な結果が得られていることが分かる。
【0059】
一方、比較例3や比較例4のように、スタックリブ3の高さが0.23mmより低くなると、擦り傷の入っている基板が発生していることが分かる。尚、以下にテスト方法及びテスト条件を説明する。
【0060】
まず、図示しないスタンパー面側のリードイン信号位置より内側に前記したスッタクリブ用の溝を加工した金型を射出成形機に取り付け、次に、シリンダー温度380℃で溶融した光ディスクグレードのポリカーボネート樹脂を同金型(金型設定温度115℃)のキャビティ内に射出し、冷却により前記ポリカーボネート樹脂を硬化させ基板を製造した。
【0061】
そして、このように射出成形により製造した基板の情報信号面上にアルミニウムの反射膜をスパッタリングにより成膜し、更に、その上に光透過性シートを光透過性の接着剤で貼り合わせることにより次世代型高密度光ディスクが完成する。
【0062】
前記光透過性シートの内径は、前記図1〜図4で示したようにスタックリブ3の位置がどこにあったとしても、このスタックリブ3の外径部からリードイン信号位置の範囲内で任意の大きさに設定できるものである。一例として、スタックリブ3がφ34mm〜φ36mmの位置にある基板を用いて、光透過性シート9との貼り合わせ方法を図6を参照しながら説明する。
【0063】
図6は、基板1と光透過性シート9を貼り合わせる行程を説明するための概略図である。なお、説明の便宜上、この図6においては、情報信号2、反射膜4等は図示しない。まず、前記した方法により外径φ120mm、内径(中心部径)φ15mm、厚み1.1mmの情報信号2及びスタックリブ3の入った基板1を作製した。その後、情報信号面上にスパッタリングによりアルミニウムの反射膜を60nmの厚みで形成した。そして、この基板1を、情報信号面を上側にして同図に示すターンテーブル12の中心に設けたセンターピン13をガイドとしてその上に載置し、図示しない減圧吸着によりこの基板1をターンテーブル12上に固定する。
【0064】
次に、前記したセンターピン13をガイドとして、上部よりガイドスリーブ14を前記基板1上に載置し、ターンテーブル12を低速(60rpm)で回転しながらノズル15により図示しない反射膜上に光透過性の紫外線硬化型接着剤16を滴下し、この紫外線硬化型接着剤16が反射膜4の円周上に所定量行き渡った状態でターンテーブル12の回転と紫外線硬化型接着剤16の供給を停止する(図6(a)参照)。
【0065】
ここで、予め別工程で作製した外径φ119mm、内径φ38mm、厚み0.1mmの光透過性シート9を、ガイドスリーブ14をガイドとして前記した基板1上に載置し、紫外線硬化型接着剤16の延伸後ターンテーブル12を高速回転させ(実施例では3000rpm)余分な紫外線硬化型接着剤16と気泡を取り除く(図6(b)参照)。
【0066】
その後、ターンテーブル12の回転を止め、紫外線硬化型接着剤16を介して一体となった基板1と光透過性シート9を、紫外線照射装置17のターンテーブル18上に移動させ、このターンテーブル18を低速回転させながら光透過性シート9側より紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤16を硬化させることにより、基板1と光透過性シート9を貼り合わせる(図6(c)参照)。
【0067】
この光透過性シート9が貼着された面の反対の基板1面側にスクリーン印刷によりタイトル等の印刷を行い、レーベル層6を形成し図7に示す次世代型高密度光ディスク90を得た。
【0068】
前記したように、スタックリブ3の高さを、〔光透過性シート厚み+接着剤厚み+0.08mm〕以上としておくことにより、光透過性シート9を貼り合わせた基板または印刷後の光ディスクを図示しないストックピンに積み重ねたとしても、光透過性シート9面及びレーベル層6面には接触による擦り傷は入らないものである。また、クランピングエリア26より内側に設けた時のスタックリブ3の高さは、〔光透過性シート厚み+接着剤厚み+0.12mm〕以上とすることにより、これまた良好な結果が得られるものである。
【0069】
尚、前記以外の高密度光ディスクの形態としては、図8に示すように光透過性シート9上に2P(紫外線硬化樹脂:Photo Polymerization)成形法により情報信号2を形成し、この情報信号2上に反射膜4(再生専用型の時)をスパッタリング等で成膜し、前記情報信号2面を基板1側にしてこの基板1と貼り合わせた形態の光ディスク100や、図9のように光透過性シート9上に2P成形法により第1の情報信号22を形成し、この第1の情報信号22上に半透明膜21(再生専用型の時)をスパッタリング等で成膜し、一方、別工程で射出成形法等により第2の情報信号2を形成し、この第2の情報信号2上に反射膜4(再生専用型の時)をスパッタリング等で成膜し、両方の信号面同士を対向させて貼り合わせた2層タイプの形態の光ディスク110があるが、本発明はこれらの形態の高密度光ディスクにも適応することは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、前記情報信号無し領域内にあって、かつ前記情報信号有り領域から所定の間隔を有したクランプエリアが形成され、このクランプエリアには、スタックリブが設けられており、前記スタックリブの高さは、前記光透過性シートの厚み+前記接着剤の厚み+0.08mmと前記光透過性シートの厚み+前記接着剤の厚み+0.5mmとの間の範囲内にあるので、製造工程途中の基板や完成した光ディスクをストックピンに積み重ねて一時保管する際にも、基板表面や光透過性シート及びレーベル層に擦り傷が入るようなことがない良好な高密度光ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第1実施例の半断面図である。
【図2】本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第2実施例の半断面図である。
【図3】本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第3実施例の半断面図である。
【図4】本発明に係る次世代型高密度光ディスクの第4実施例の半断面図である。
【図5】スタックリブの条件と良品率との関係を示す説明図である。
【図6】本発明に係る次世代型高密度光ディスクを製造するための模式図であり、特に、基板と光透過性シートを貼り合せる方法を説明するための模式図である。
【図7】図6で貼り合わされた光ディスクの断面図である。
【図8】本発明に係る次世代型高密度光ディスクの作製方法と異なる方法で形成された光ディスクの断面図である。
【図9】本発明に係る次世代型高密度光ディスクの作製方法と異なる方法で形成された光ディスクの断面図である。
【図10】従来の製造方法で作製されたCDの断面図である。
【図11】従来の製造方法で作製されたDVDの断面図である。
【図12】図11の改良形態としての概念図である。
【図13】既に提案されている次世代型高密度光ディスクの一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 情報信号
3 スタックリブ
4 反射膜
5 保護膜
6 レーベル層
7 ダミー基板
8 UV接着剤
9 光透過性シート
10、20、30、40 光情報記録媒体
11 光透過性接着剤
12 ターンテーブル
13 センターピン
22 情報信号
23 スタックリブ
24 基板
26 クランピングエリア
27 中心孔
50、60、70、80、90、100、110 光情報記録媒体
Claims (1)
- 中心孔を有する円板状の基板に形成された情報信号面上に反射膜が積層され、前記反射膜上に光透過性の接着剤を介して貼り合わされた前記基板よりも薄い光透過性シートが設けられた光情報記録媒体において、
前記中心孔から外側に向かって、前記情報信号が記録されない情報信号無し領域と、前記情報信号が記録された情報信号有り領域とが順次形成されているとするとき、
前記情報信号無し領域内にあって、かつ前記情報信号有り領域から所定の間隔を有したクランプエリアが形成され、このクランプエリアには、スタックリブが設けられており、
前記スタックリブの高さは、前記光透過性シートの厚み+前記接着剤の厚み+0.08mmと前記光透過性シートの厚み+前記接着剤の厚み+0.5mmとの間の範囲内にあることを特徴とする光情報記録媒体。
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