JPH1166641A - 多層光ディスク用スタンパ及び多層光ディスク - Google Patents

多層光ディスク用スタンパ及び多層光ディスク

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JPH1166641A
JPH1166641A JP9244658A JP24465897A JPH1166641A JP H1166641 A JPH1166641 A JP H1166641A JP 9244658 A JP9244658 A JP 9244658A JP 24465897 A JP24465897 A JP 24465897A JP H1166641 A JPH1166641 A JP H1166641A
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JP
Japan
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stamper
transparent substrate
outer diameter
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JP9244658A
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English (en)
Inventor
Kunisato Kafuku
国郷 嘉福
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Nippon Columbia Co Ltd
Original Assignee
Nippon Columbia Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】片面に2層以上のn層の情報領域を有する光デ
ィスクにおける第2層目以降の第k(2≦k≦n)層の
情報領域を形成する際に、第kの情報領域を転写した紫
外線硬化樹脂膜の外周部に切削処理すべき余分な部分が
生じ、切削処理による切削屑が、第kの情報領域の表面
に付着し、光ディスク製造の不良の原因となっていた。 【解決手段】情報がピット列として形成された又は情報
を記録するための案内溝が形成された第1の情報領域を
片面に具備する透明基板と、第1の情報領域上に積層さ
れ情報がピット列として形成された又は情報を記録する
ための案内溝が形成された第2乃至第nの情報領域を備
える多層光ディスクの第k(2≦k≦n)の情報領域を
成形するための多層光ディスク用スタンパであって、外
径は透明基板の外径未満であり、かつ、第kの情報領域
の外径よりも大きいことを特徴とする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は片面に多層の情報領
域を有する多層光ディスク及びその製造の際に使用する
スタンパに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量高密度の光情報記録媒体の
実用化が進んでいる。再生専用媒体は、コンパクトディ
スク(CD:Compact Disc)、レーザディスク(LD:
LaserDisc)等を中心として広く普及している。また、
CD−ROM(Compact Disc -Read Only Memory)やビ
デオCDの市場への普及も急速に広まっている。
【0003】さらに、情報の書き換えが可能な媒体とし
て、相変化型ディスク(PD:Phase-change Disc)、
光磁気ディスク(MO:Magnet Optical Disc)など
が、コンピュータ外部記憶装置用媒体として実用化され
ている。また、1回だけの記録が可能であり、CD及び
CD−ROMドライブで再生が可能な追記型CD(CD
−R:Compact Disc - Recordable)が、オーサリング
段階の試作ディスク、マスターディスク、コンピュータ
の外部記憶装置用媒体として定着しつつある。
【0004】このような状況の中、次世代のマルチメデ
ィア媒体として、CDのような音楽データ、LDのよう
な高品質の動画像データ、CD−ROMのようなコンピ
ュータデータを包括した光ディスクが提案された。この
光ディスクは、DVD(Digital Versatile Disc)とし
て1995年12月に規格統一された。
【0005】DVDは、従来の光ディスクよりも記録密
度を上げるために、情報を記録するピットの大きさを、
CDと比較して、半径方向、円周方向ともに半分弱とし
ている。また、ディスクの反りや撓みによる再生信号品
質の劣化の影響を少なくするため、基板の厚さを0.6
mmとし、機械的強度を増すため、2枚の基板を貼り合
わせた構造としている。DVDは、貼り合わせる各基板
の片方または両方に情報を記録することができる。ま
た、貼り合わせる各基板の片方または両方に多層の情報
領域を設けることができる。そのため、光ディスクの構
造を、1層式片面再生光ディスク、1層式両面再生光デ
ィスク、多層式片面再生光ディスク及び多層式両面再生
光ディスクとすることができる。
【0006】図3は、多層式片面再生光ディスクである
DVD−9の媒体断面を説明する図である。図中、30
1は第1の透明基板、302は第1の情報領域、303
は透明層、304は第2の情報領域、305は接着層、
306は第2の透明基板、307はピックアップであ
る。
【0007】図3に示すように、DVD−9において、
第1の透明基板301の片面には、ピックアップ307
からのレーザ光の一部を反射し、残りを透過する半透明
膜で覆われ、ピット列または案内溝からなる第1の情報
領域302が形成されている。第1の情報領域302上
には半透明膜を透過したレーザ光を透過する透明層30
3が形成されている。一般に、透明層303は、紫外線
硬化樹脂の1層構造または透明な粘着シートと紫外線硬
化樹脂との2層構造である。
【0008】透明層303の上面には2P(Photo Poly
merization)法によりピット列または案内溝からなる第
2の情報領域304が形成されている。第2の情報領域
304は、レーザ光を反射する反射膜で覆われている。
第1の透明基板301と情報領域が形成されていない第
2の透明基板306は、接着層305を介し、第1の情
報領域302及び第2の情報領域304が内側になるよ
うに貼り合わされている。
【0009】第1の情報領域302及び第2の情報領域
304に記録された情報は、ピックアップ307から出
射され、第1の透明基板301を透過したレーザ光の焦
点位置を変化させることによりそれぞれ再生される。
【0010】図4は、多層式両面再生光ディスクである
DVD−18の媒体断面を説明する図である。図中、図
3と同様の部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
401は第3の情報領域、402は第4の情報領域であ
る。
【0011】図4に示すように、DVD−18におい
て、第1の透明基板301の片面には、ピックアップ3
07からのレーザ光の一部を反射し、残りを透過する半
透明膜で覆われ、ピット列または案内溝からなる第1の
情報領域302が形成されている。第1の情報領域30
2上には半透明膜を透過したレーザ光を透過する透明層
303が形成されている。
【0012】透明層303の上面には2P法によりピッ
ト列または案内溝からなる第2の情報領域304が形成
されている。第2の情報領域304は、レーザ光を反射
する反射膜で覆われている。
【0013】第2の透明基板306も、第1の透明基板
301と同様の構造であり、第2の透明基板306の片
面には、半透明膜で覆われ、ピット列または案内溝から
なる第3の情報領域401が形成されている。第3の情
報領域401上には半透明膜を透過したレーザ光を透過
する透明層303が形成されている。透明層303の上
面には2P法によりピット列または案内溝からなる第4
の情報領域402が形成されている。第4の情報領域4
02は、反射膜で覆われている。
【0014】そして、第1の透明基板301と第2の透
明基板306は、接着層305を介し、第1の情報領域
302、第2の情報領域304、第3の情報領域401
及び第4の情報領域402が内側になるように貼り合わ
されている。
【0015】第1の透明基板301側の第1の情報領域
302及び第2の情報領域304に記録された情報は、
ピックアップ307から出射され、第1の透明基板30
1を透過したレーザ光の焦点位置を変化させることによ
りそれぞれ再生される。また、第2の透明基板306側
の第3の情報領域401及び第4の情報領域402に記
録された情報は、同様に、ピックアップ407から出射
され、第2の透明基板406を透過したレーザ光の焦点
位置を変化させることによりそれぞれ再生される。
【0016】図5は、従来のDVD−18の製造工程の
一部を説明する図である。ここで、図4における第1の
透明基板301から第2の情報領域304を覆う反射膜
までの構成を第1のディスクとし、第2の透明基板30
6から第4の情報領域402を覆う反射膜までの構成を
第2のディスクとして説明を進める。DVD−18は第
1のディスクに2つの情報領域を有し、第2のディスク
に2つの情報領域を有し、1の光ディスクとして合計4
つの情報領域を有しているため、4つの情報領域の成形
工程が必要である。
【0017】第1のディスクと第2のディスクは同様の
構造であるため、ここでは、第1のディスクを例に挙げ
説明する。まず、第1の情報領域302の成形工程につ
いて説明する。カッティング装置によって、フォトレジ
スト膜が形成された直径約200mmのガラス原盤に第
1の情報領域302に記録する情報を螺旋状または同心
円状のピット列として記録する(S1)。情報が記録さ
れたガラス原盤を現像装置により現像し、ピット部分の
フォトレジスト膜を除去する(S2)。現像されたガラ
ス原盤の表面にニッケル導電膜をスパッタリング装置に
より成膜し、続いて、ニッケルメッキ処理を行うことに
より、第1の情報領域302に記録する情報が転写され
た第1のスタンパを得る(S3)。この段階で、第1の
スタンパの直径はガラス原盤と同じ約200mmであ
る。
【0018】第1のスタンパを射出成形機に取り付ける
ため、スタンパ外径加工機により第1のスタンパの外径
を約137mmになるように加工する(S4)。この外
径は射出成形機の標準サイズであり、このサイズであれ
ば、どのメーカの射出成形機に対してもスタンパを取り
付けることができる。そして、第1のスタンパを射出成
形機に取り付け、ポリカーボネート樹脂等からなる外径
120mm、内径15mm、厚さ0.6mmで、片面に
第1の情報領域302が形成された第1の透明基板30
1を成形する(S5)。得られた第1の透明基板301
の第1の情報領域302が形成された面に、誘電体また
は金属からなる半透明膜303をスパッタリング装置に
より形成する(S6)。
【0019】次に、第2の情報領域304の成形工程に
ついて説明する。カッティング装置によって、フォトレ
ジスト膜が形成された直径約200mmのガラス原盤に
第2の情報領域304に記録する情報を螺旋状または同
心円状のピット列として記録する(S7)。情報が記録
されたガラス原盤を現像装置により現像し、ピット部分
のフォトレジスト膜を除去する(S8)。現像されたガ
ラス原盤の表面にニッケル導電膜をスパッタリング装置
により成膜し、続いて、ニッケルメッキ処理を行うこと
により、第2の情報領域304に記録する情報が転写さ
れた第2のスタンパを得る(S9)。この段階で、第2
のスタンパの直径はガラス原盤と同じ約200mmであ
る。第2のスタンパは、射出成形機に設置しないが、通
常、第1のスタンパと同じ外径である、137mmの外
径になるよう外径加工が施される(S10)。
【0020】そして、第2のスタンパをスピンコーター
に設置し、低回転数で回転させ、第2のスタンパの第2
の情報領域304が転写された面に紫外線硬化樹脂を滴
下する。次にスピンコーターを高回転数で回転させ第2
のスタンパの外周部へ紫外線硬化樹脂を広げる。そし
て、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させ、膜厚約
5μmの紫外線硬化樹脂膜を形成する(S11)。
【0021】外径120mm、内径15mmに型抜きし
た厚さ50μmの粘着シートを第2のスタンパ上に形成
し硬化させた紫外線硬化樹脂の上に貼り付け、さらに、
粘着シート上に第1の透明基板301の半透明膜303
側の面を貼り付ける。そして、加圧処理を行い粘着シー
トを紫外線硬化樹脂膜及び半透明膜303に密着させ
(S12)、その後、第2のスタンパを剥離する(S1
3)。この段階で、紫外線硬化樹脂膜の外径は137m
mであり、第1の透明基板301の外径(120mm)
よりも大きいため、直径120mm以上の領域にある余
分な紫外線硬化樹脂膜を切削除去する(S14)。
【0022】紫外線硬化樹脂膜の第2の情報領域304
が形成された面上に反射膜をスパッタリングにより形成
する(S15)。その後、上記のようにして作製した第
1のディスクと、同様の製造方法により作製された第3
の情報領域401及び第4の情報領域402を有する第
2のディスクとを紫外線硬化樹脂等の接着剤により貼り
合わせる(S16)。2枚のディスクを貼り合わせ後、
ディスクの内外径からはみ出した接着剤の除去処理を行
い(S17)、片面に2層づつ、両面で4層の情報領域
を有する光ディスクを作製することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第2の
スタンパ及び第4のスタンパを紫外線硬化樹脂膜から剥
離する際に、静電気が発生するため、上記第2の情報領
域304及び第4の情報領域402が転写された紫外線
硬化樹脂の外径を切削処理する際に生じた切削屑が紫外
線硬化樹脂膜の表面に転写された第2の情報領域304
及び第4の情報領域402上に付着し、光ディスク製造
時における不良の発生原因となっていた。
【0024】また、上記製造方法においては、第1のデ
ィスクと第2のディスクを貼り合わせる際に使用する接
着剤が、貼り合わせ後に光ディスクの内外周からはみ出
すため、はみ出した接着剤の除去処理を行わなければな
らなかった。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願の請求項1記載の発明は、情報がピット列とし
て形成された又は情報を記録するための案内溝が形成さ
れた第1の情報領域を片面に具備する透明基板と、前記
第1の情報領域上に積層され情報がピット列として形成
された又は情報を記録するための案内溝が形成された第
2乃至第nの情報領域を備える多層光ディスクの第k
(2≦k≦n)の情報領域を成形するための多層光ディ
スク用スタンパであって、外径は前記透明基板の外径未
満であり、かつ、前記第kの情報領域の外径よりも大き
いことを特徴とするものである。
【0026】また、本願の請求項2記載の発明は、情報
がピット列として形成された又は情報を記録するための
案内溝が形成された第1の情報領域を片面に具備する透
明基板と、前記第1の情報領域上に積層され情報がピッ
ト列として形成された又は情報を記録するための案内溝
が形成された第2乃至第nの情報領域を備える第2乃至
第nの透明層を具備する多層光ディスクにおいて、前記
第2乃至第nの透明層の外径は前記透明基板の外径未満
であり、かつ、前記第2乃至第nの透明層の内径は前記
透明基板の内径よりも大きいことを特徴とするものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の多
層光ディスク及び多層ディスク用スタンパの実施例につ
いて説明する。図1は、本発明の多層光ディスク製造方
法の一実施例を説明する図である。本実施例では図4に
示すDVD−18を製造する場合について示す。ここ
で、図4における第1の透明基板301から第2の情報
領域304を覆う反射膜までの構成を第1のディスクと
し、第2の透明基板306から第4の情報領域402を
覆う反射膜までの構成を第2のディスクとして説明を進
める。図4を参照する説明には、図4に使用した符号を
用いて説明を進める。
【0028】第1のディスクと第2のディスクは同様の
構造であるため、ここでは、第1のディスクを例に挙げ
説明する。まず、第1の情報領域302の成形工程につ
いて説明する。カッティング装置によって、フォトレジ
スト膜が形成された直径約200mmのガラス原盤に第
1の情報領域302に記録する情報を螺旋状または同心
円状のピット列として記録する(S101)。情報が記
録されたガラス原盤を現像装置により現像し、ピット部
分のフォトレジスト膜を除去する(S102)。現像さ
れたガラス原盤の表面にニッケル導電膜をスパッタリン
グ装置により成膜し、続いて、ニッケルメッキ処理を行
うことにより、第1の情報領域302に記録する情報が
転写された第1のスタンパを得る(S103)。この段
階で、第1のスタンパの直径はガラス原盤と同じ約20
0mmである。
【0029】第1のスタンパを射出成形機に取り付ける
ため、スタンパ外径加工機により第1のスタンパの外径
を約137mmになるように加工する(S104)。そ
して、第1のスタンパを射出成形機に取り付け、ポリカ
ーボネート樹脂等からなる外径120mm、内径15m
m、厚さ0.6mmで、片面に第1の情報領域302が
形成された第1の透明基板301を成形する(S10
5)。得られた第1の透明基板301の第1の情報領域
302が形成された面に、誘電体または金属からなる半
透明膜303をスパッタリング装置により形成する(S
106)。
【0030】次に、第2の情報領域304の成形工程に
ついて説明する。カッティング装置によって、フォトレ
ジスト膜が形成された直径約200mmのガラス原盤に
第2の情報領域304に記録する情報を螺旋状または同
心円状のピット列として記録する(S107)。情報が
記録されたガラス原盤を現像装置により現像し、ピット
部分のフォトレジスト膜を除去する(S108)。現像
されたガラス原盤の表面にニッケル導電膜をスパッタリ
ング装置により成膜し、続いて、ニッケルメッキ処理を
行うことにより、第2の情報領域304に記録する情報
が転写された第2のスタンパを得る(S109)。この
段階で、第2のスタンパの直径はガラス原盤と同じ約2
00mmである。
【0031】続いて、第2のスタンパの外径を、第1の
透明基板301の外径未満であり、かつ、第2の情報領
域304の外径よりも大きい径に加工する(S11
0)。例えば、第1の透明基板301の外径が120m
mであり、第2の情報領域304の外径が115mmで
ある場合、第2のスタンパの外径を115mmよりも大
きく、かつ、120mm以下となる直径に加工する。本
実施例の場合、第2のスタンパの直径は、117mm〜
119.5mmの範囲が好ましく、本実施例では117
mmとした。
【0032】そして、外径加工した第2のスタンパをス
ピンコーターに設置し、低回転数で回転させ、第2のス
タンパの第2の情報領域304が転写された面の内径1
5mmよりも外側の領域であり、かつ、第2の情報領域
304の最内周位置(通常DVDでは直径約45mmの
位置)よりも内側の領域、例えば、内径20mmの位置
に紫外線硬化樹脂を滴下する。次にスピンコーターを高
回転数で回転させ第2のスタンパの外周部へ紫外線硬化
樹脂を広げる。そして、紫外線を照射し紫外線硬化樹脂
を硬化させ、内径20mmの位置から第2のスタンパの
外径である位置の範囲に膜厚約5μmの紫外線硬化樹脂
膜を形成する(S111)。
【0033】当該紫外線硬化樹脂膜の内外径に合わせて
外径117mm、内径20mmに型抜きした厚さ50μ
mの粘着シートを、中心位置を正確に合わせて、第2の
スタンパ上に形成し硬化させた紫外線硬化樹脂膜の上に
貼り付け、さらに、粘着シート上に第1の透明基板30
1の半透明膜側の面を貼り付ける。そして、加圧処理を
行い粘着シートを紫外線硬化樹脂膜及び半透明膜に圧着
させ(S112)、その後、第2のスタンパを剥離する
(S113)。第2のスタンパの外径は、第1の透明基
板301の外径以下であり、かつ、第2の情報領域30
4の外径よりも大きい直径であるため、第2の情報領域
304を転写した紫外線硬化樹脂膜の層の外周部は第1
の透明基板301の外径よりも外側にはみ出すことがな
く、切削工程が不要となる。
【0034】そして、紫外線硬化樹脂膜の第2の情報領
域304が形成された面上に反射膜をスパッタリングに
より形成する(S14)。その後、上記のようにして作
製した第1のディスクと、同様の製造方法により作製さ
れた第3の情報領域401及び第4の情報領域402を
有する第2のディスクとを紫外線硬化樹脂等の接着層に
より貼り合わせ(S15)、片面に2層づつ、両面で4
層の情報領域を有する光ディスクを作製する。
【0035】ここで、第4の情報領域402を形成する
ための第4のスタンパの形状は、上記の第2のスタンパ
と同様であり、紫外線硬化樹脂膜も上記実施例と同様に
内径20mmよりも外周の領域に形成する。また、本実
施例では片面に2層の情報領域を有する光ディスクを例
に挙げて説明したが、片面に2層以上のn層の情報領域
を有する光ディスクについても本発明は実施することが
できる。その場合、第2層目以降の第k(2≦k≦n)
層の情報領域を形成する際に用いるスタンパを、本実施
例の第2のスタンパと同様に、その外径が第1の透明基
板301の外径以下であり、かつ、第kの情報領域の外
径よりも大きいものとする。
【0036】以上のように、本実施例の多層光ディスク
用スタンパを用いた製造方法によれば、多層光ディスク
の第2の情報領域304(第4の情報領域402)を成
形するための第2のスタンパ(第4のスタンパ)の外径
が、第1の透明基板301(第2の透明基板306)の
外径以下であり、かつ、第2の情報領域304(第4の
情報領域402)の外径よりも大きい径であるため、第
2の情報領域304(第4の情報領域402)を転写し
た紫外線硬化樹脂膜の外周部に切削処理すべき余分な部
分が生じない。したがって、切削屑が発生せず、第2の
情報領域304(第4の情報領域402)の表面に当該
切削屑が付着せず、光ディスク製造の不良の原因となる
ことがない。
【0037】図2は、本発明の一実施例である多層光デ
ィスク用スタンパを用いて作製された多層光ディスクの
断面の構成を示す図である。図中、図3及び図4と同様
の箇所には同じ符号を付して説明を省略する。201は
中心孔、202は外周端部、203は内周端部である。
第1の透明基板301から第2の情報領域304を覆う
反射膜までの構成を第1のディスクとし、第2の透明基
板306から第4の情報領域402を覆う反射膜までの
構成を第2のディスクとして説明を進める。
【0038】図2に示すように。本実施例の多層光ディ
スク用スタンパを用いて作製された多層光ディスクは、
半透明膜で覆われた第1の情報領域302が形成され、
内径15mm、外径120mmである第1の透明基板3
01上に、反射膜で覆われた第2の情報領域304が形
成され、内径20mm、外径117mmである透明層3
03が積層された第1のディスクと、同様に、半透明膜
で覆われた第3の情報領域401が形成され、内径15
mm、外径120mmである第2の透明基板306上
に、反射膜で覆われた第4の情報領域402が形成さ
れ、内径20mm、外径117mmである透明層303
が積層された第2のディスクとが接着層305により貼
り合わされた構造となっている。
【0039】上記のように、第1の透明基板301及び
第2の透明基板306の外径は120mmであり、内径
が15mmであるのに対し、それぞれの基板に積層され
た透明層303の外径は、第1及び第2のスタンパの外
径と同じ117mmであり、内径は紫外線硬化樹脂の塗
り始めの径及び粘着シートの内径と同じ20mmである
ことから、貼り合わせ後の多層光ディスクの外周端部2
02及び内周端部203に凹部が形成され、この凹部に
余分な接着剤が溜まることになる。
【0040】したがって、本実施例の多層光ディスクの
構成によれば、第1のディスクと第2のディスクを貼り
合わせる際に、余分な接着剤が、多層光ディスクの外周
端部202及び内周端部203に留まるため、接着層3
05を形成するための接着剤が多層光ディスクの内外径
からはみ出すことがない。そのために、貼り合わせ後に
はみ出した接着層305を除去処理する工程が不要とな
る。
【0041】
【発明の効果】本発明の多層光ディスク用スタンパを用
いた製造方法によれば、片面に2層以上のn層の情報領
域を有する光ディスクにおける第2層目以降の第k(2
≦k≦n)層の情報領域を形成する際に用いるスタンパ
の外径が第1の透明基板の外径以下であり、かつ、第k
の情報領域の外径よりも大きいものとしたので、第kの
情報領域を転写した紫外線硬化樹脂膜の外周部に切削処
理すべき余分な部分が生じない。したがって、切削処理
による切削屑が発生せず、第kの情報領域の表面に当該
切削屑が付着せず、光ディスク製造の不良の原因となる
ことがない。
【0042】また、本発明の多層光ディスクによれば、
第1のディスクと第2のディスクを貼り合わせる際に、
余分な接着剤が留まる凹部を、内周部と外周部に具備す
るため、接着層を形成するための接着剤が多層光ディス
クの内外径からはみ出すことがない。そのために、貼り
合わせ後にはみ出した接着層を除去処理する工程が不要
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層光ディスク製造方法の一実施例を
説明する図。
【図2】本発明の一実施例である多層光ディスク用スタ
ンパを用いて作製された多層光ディスクの断面の構成を
示す図。
【図3】多層式片面再生光ディスクであるDVD−9の
媒体断面を説明する図。
【図4】多層式両面再生光ディスクであるDVD−18
の媒体断面を説明する図。
【図5】従来のDVD−18の製造工程の一部を説明す
る図。
【符号の説明】
201 中心孔 202 外周端部 203 内周端部 301 第1の透明基板 302 第1の情報領域 303 透明層 304 第2の情報領域 305 接着層 306 第2の透明基板 307 ピックアップ 401 第3の情報領域 402 第4の情報領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報がピット列として形成された又は情報
    を記録するための案内溝が形成された第1の情報領域を
    片面に具備する透明基板と、前記第1の情報領域上に積
    層され情報がピット列として形成された又は情報を記録
    するための案内溝が形成された第2乃至第nの情報領域
    を備える多層光ディスクの第k(2≦k≦n)の情報領
    域を成形するための多層光ディスク用スタンパであっ
    て、外径は前記透明基板の外径未満であり、かつ、前記
    第kの情報領域の外径よりも大きいことを特徴とする多
    層光ディスク用スタンパ。
  2. 【請求項2】情報がピット列として形成された又は情報
    を記録するための案内溝が形成された第1の情報領域を
    片面に具備する透明基板と、前記第1の情報領域上に積
    層され情報がピット列として形成された又は情報を記録
    するための案内溝が形成された第2乃至第nの情報領域
    を備える第2乃至第nの透明層を具備する多層光ディス
    クにおいて、前記第2乃至第nの透明層の外径は前記透
    明基板の外径未満であり、かつ、前記第2乃至第nの透
    明層の内径は前記透明基板の内径よりも大きいことを特
    徴とする多層光ディスク。
JP9244658A 1997-08-26 1997-08-26 多層光ディスク用スタンパ及び多層光ディスク Pending JPH1166641A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009251249A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Sharp Corp ウエハ状光学装置およびその製造方法、電子素子ウエハモジュール、センサウエハモジュール、電子素子モジュール、センサモジュール、電子情報機器

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