JPWO2004090882A1 - 光記録媒体とその製造方法 - Google Patents

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盛央 富山
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伸也 阿部
優子 川口
優子 川口
大野 鋭二
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Abstract

この光記録媒体は、一方の面に第1ピットを有する第1基板と、第1基板の第1ピットを有する面の上に、第1ピットの凹凸を反映して形成された第1反射層と、第1反射層の上に形成され、第1反射層と反対側の面に第2ピットを有する第2基板と、第2基板の第2ピットを有する面の上に、第2ピットの凸凹を反映して形成された第2反射層と、第2反射層の上に形成されたカバー層とを備える。第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さd1と、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率n1とは、λ/(5n1)≦d1≦λ/(3n1)、かつ、d1≠λ/(4n1)の関係式を満たす。また、第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さd2と、信号再生用のレーザ光の波長λと、カバー層の屈折率n2とは、λ/(5n2)≦d2≦λ/(3n2)、かつ、d2≠λ/(4n2)の関係式を満たす。

Description

本発明は、再生を目的とした高密度多層式の光記録媒体及び該光記録媒体を積み重ね方法又は貼り合わせ方法により作製する製造方法に関する。
近年、情報機器・映像音響機器等が必要とされる情報量の拡大化に伴い、データアクセスの容易さ、大容量データの蓄積、機器の小型化に優れている光ディスクが記録媒体として注目され、記録情報の高密度化がなされている。例えば光ディスクの高密度化の手段として、レーザ光の波長を約400nmとし、レーザ光を絞り込む収光レンズとして開口数(NA)0.85の再生ヘッドを用いて、単層で25GB程度、2層で50GB程度の容量の光記録媒体が提案されている。例えば、片面から2層の信号記録層の記録再生が可能であり、約4時間のBSデジタル放送の情報を記録再生できる。
以下に、従来の光ディスクである2層光ディスクの構造及び製造方法について図2を用いて説明する(特開2002−092969号公報)。図2は、従来の光ディスクである2層光ディスクの断面図である。従来の光ディスクは、第1基板201、第1反射層202、第2基板203、第2反射層204、及びカバー層205とが順に積み重ねられて構成されている。第1基板201の片面には平面形状がスパイラル状に連続しており、断面形状が凹形状のピットからなる第1ピットが形成されている。第1基板201は、厚みが1.1mm程度に設定されている。これは、ディスク剛性の強化及びCDやDVDなどのディスクと厚み互換をもたせるため、ディスクの総厚みを1.2mm程度とするためである。第1基板201の第1ピットの上に、第1ピットの凹凸を反映した第1反射層202が形成されている。第1反射層202には、トラックピッチ207が0.32μm程度、深さが70nm程度のレーザ光からみて凹形状のピットよりなる第1信号面206が形成されている。また、第1反射層202は、カバー層205側から入射するレーザ光を反射する。第1反射層202の厚みは50nmであり、波長400nmのレーザ光に対して反射率が70%程度となるように設定されている。
第2基板203には、第1基板201と反対側であるカバー層205側の面に凸形状の第2ピットが形成されている。さらに第2基板203の第2ピットの上に第2ピットの凹凸を反映した第2反射層204が形成されている。第2反射層204には、第1反射層202の第1信号面206と同様にトラックピッチが0.32μm程度、深さが70nm程度のレーザ光の照射側からみて凸形状のピットよりなる第2信号面208が形成されている。第2信号面208のピットの凸凹は、第1信号面206のピットと逆方向を向いており、このピットによって信号が記録されている。この第2基板203は、レーザ光をほぼ透過させる材料からなる。第2反射層204は、第1反射層202と同様の材料により構成され、スパッタリング法により厚みが20nm程度で形成されている。第2反射層204は、薄くすることによってレーザ光を一部透過させ、一部反射させることができる。第2反射層204を透過したレーザ光は、第1反射層202上の第1信号面206で反射され、再度第2反射層204を透過した後に再生ヘッドに戻る。そこで、第2反射層204の厚みを20nmにすることによって、第1反射層202上に形成された第1信号面206で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度と、第2反射層204上に形成された第2信号面208で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度とを同じくすることができる。カバー層205は、厚さが0.1mm程度でレーザ光をほぼ透過する材料からなる。
上記構成で50GBを達成するには、例えば半導体レーザ波長400nm、NAを0.85の再生ヘッドを用いた場合、第1基板201と第2基板203に形成される信号のトラックピッチTPは0.32μm、信号変調方式として1−7変調方式を採用したときの最短ピットとなる2T信号のピット長は0.149μmとなる。
さらに、従来の光ディスクの製造方法について説明する。
(a)片面に平面形状がスパイラル状に連続しており、断面形状が凹形状のピットからなる信号が形成された金型のスタンパを用いて射出圧縮成形することにより、該スタンパのピットが転写形成された第1ピットを有する樹脂製の第1基板201を形成する。
(b)第1基板201の第1ピットの上に厚さが均一になるようにスパッタや蒸着等の方法によって、例えばAg等の第1反射層202を形成する。これにより、第1反射層202に第1ピットの凹凸を反映した第1信号面206が形成される。
(c)第1反射層202上に光硬化性樹脂等の材料を塗布し、その上に凹形状のピットの転写信号面を有する転写用基板を重ね合わせて、光硬化性樹脂の表面に転写信号面の凹凸形状を転写した凸形状の第2ピットを形成する。
(d)光硬化性樹脂を光硬化させて第2ピットを有する第2基板203を形成する。
(e)第1反射層202と同様に、第2ピットの上に厚さが均一になるようにスパッタや蒸着等の方法により第2反射層204を形成する。これにより、第2反射層204に第2ピットの凹凸を反映した第2信号面208が形成される。第2反射層204の厚みは、読み出しレーザ光をカバー層側から入射したときに各々の反射層から再生ヘッドに戻ってくる光量が等しくなるように設定される。
(f)第2反射層204の上に、レーザ光に対してほぼ透明な材料からなるシートを光硬化性樹脂や感圧性接着剤等で貼り合せたり、光硬化性樹脂をスピンコートした後、光硬化させてカバー層205を形成する。
以上の各工程によって光ディスクが作製される。
さらに、上記構成の従来の2層光ディスクの各信号面に記録された情報を再生する方法について説明する。
(a)第1反射層202上に形成された第1信号面206を再生する場合、例えばディスクを所望の回転数で回転させ、再生ヘッドの収光レンズによって読み取りレーザ光を絞り込んで、レーザ光のスポットを所望の回転数で回転している光ディスクの第1信号面上にフォーカス制御する。
(b)続いて、既知トラッキング制御を行って信号列を追従させ、信号面からの反射光を受光素子で検出し、電圧変化のアナログ信号として読み出す。
(c)また、もう一方の信号面である第2反射層204上に形成された第2信号面208を再生する場合も第1信号面206を再生するときと同様に、再生ヘッドの収光レンズによって読み取りレーザ光を絞り込んで、レーザ光のスポットを所望の回転数で回転している光ディスクの第2信号面上にフォーカス制御する。
(d)続いて、既知のトラッキング制御を行って信号列を追従させ、信号面からの反射光を受光素子で検出し、電圧変化のアナログ信号として読み出す。
上記再生の際には、信号面に形成されている凹凸からなる信号ピットの深さは再生信号振幅が最大となるように光学的深さdがほぼλ/(4n)(nは信号面の上に形成されている材料の屈折率)に一致するように設定されている。そのため、リードオンリーメモリー(ROM)の光ディスク再生には、トラッキング制御を行うためのトラッキングエラー信号検出方法として、再生信号振幅が最大のときにトラッキングエラー信号も最大となる位相差トラッキング方式が多く採用されている。
上記光ディスクの各信号面を再生した場合の再生信号特性について以下に説明する。上記信号再生において、既知プッシュプルトラッキングエラー信号TEppは0.02であった。プッシュプルトラッキングエラー信号TEppは、あらかじめディスクの反射率が信号振幅に影響しないように、プッシュプルトラッキングエラー信号TEpp−orgを、プッシュプルトラッキングエラー信号TEpp−orgを生成している受光素子の光量の和を電圧変換した和信号TEsumによって割り算することにより正規化している。しかし、このTEppの信号振幅の大きさではトラッキング制御のためのゲインが不十分であり、振動やディスクの製造ばらつきによる形状変化による影響を受けることによりトラッキング制御を行うことができなかった。
また、トラッキング方式を位相差トラッキング方式に変更してトラッキング制御を行い、第1信号面206上の信号ピットを再生したときの再生信号RFの振幅の大きさを表す変調度((最長ピットの再生信号振幅)/(最長ピットの最大反射率のDC量))は、0.45であり信号品質をあらわす再生信号ジッタは5.3%であった。このとき、再生信号ジッタの測定には既知リミットイコライズを使用した。また、第2反射層202上に形成され、レーザ光照射側から見て凸形状の信号ピットに形成された第2信号面208上に再生ヘッドの再生レンズによって絞られたスポットを有するように既知フォーカス制御を行ったときのプッシュプルトラッキングエラー信号TEppは0.03であった。また、再生信号RFの振幅の大きさを表す変調度は0.40、信号品質をあらわす再生信号ジッタは6.7%で、第1信号面206を再生したときと比較して、プッシュプルトラッキングエラー信号TEppはほぼ同じ信号であるが、再生信号RFの振幅の大きさを表す変調度や信号品質をあらわす再生信号ジッタは信号面の転写不足による影響により良好な信号品質が得られないと考えられる。
このことにより、消費電力の大きい位相差トラッキング方式を採用しないとトラッキング制御が行えず、再生信号品質を表すジッタの値も十分ではない。
従来技術の光ディスクは信号の光学的深さdとして、ほぼλ/(4n)を採用し、トラッキング制御方式として、位相差トラッキング方式を採用している場合が多い。しかし、この位相差トラッキング方式では、消費電力が大きくなるという問題がある。一方、他のトラッキング制御方式であるプッシュプルトラッキング制御方式は、消費電力が位相差トラッキング方式より小さい。しかし、このプッシュプルトラッキング制御方式を採用した場合には、信号面のピットの光学的深さをちょうどλ/(4n)に設定していることが原因で、トラッキングエラー信号の振幅を十分に得ることができないという問題がある。また、光硬化性樹脂を用いて光学的深さλ/(4n)を有する信号ピットを転写形成する際に、信号の高密度化に伴うピットの微細化によって信号面全面で均一な転写が行えず、再生に十分な再生信号品質を得ることができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、トラッキング制御方式として位相差トラッキング制御方式及びプッシュプルトラッキング制御方式の両方式のいずれでも信号再生が可能であって、且つ、記録信号の再生特性に優れている光記録媒体及びその製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。すなわち、本発明に係る光記録媒体は、一方の面にピットを有する基板と、
前記基板の前記ピットを有する面の上に、前記ピットの凹凸を反映して形成された反射層と、
前記反射層の上に形成されたカバー層と
を備え、
前記反射層の凹凸の差であるピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n)の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明に係る光記録媒体は、一方の面に第1ピットを有する第1基板と、
前記第1基板の前記第1ピットを有する面の上に、前記第1ピットの凹凸を反映して形成された第1反射層と、
前記第1反射層の上に形成され、前記第1反射層と反対側の面に第2ピットを有する第2基板と、
前記第2基板の第2ピットを有する面の上に、前記第2ピットの凸凹を反映して形成された第2反射層と、
前記第2反射層の上に形成されたカバー層と
を備え、
前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすと共に、
前記第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすことを特徴とする。
また、前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、凹形状のピットと凸形状のピットとの組み合わせであってもよい。あるいは、前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、凸形状のピットと凹形状のピットとの組み合わせであってもよい。
さらに、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
4n<λ<4n
の関係式を満たしてもよい。
またさらに、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
4n<λ<4n
の関係式を満たしてもよい。
また、前記第1ピット深さdと、前記第2ピット深さdとは、d<dの関係式を満たしてもよい。
さらに、前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、共に凹形状のピットの組み合わせ、又は、共に凸形状のピットの組み合わせであってもよい。
またさらに、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
λ<4n、且つ、λ<4n
の関係式を満たしていてもよい。
また、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
4n<λ、且つ、4n<λ
の関係式を満たしていてもよい。
さらに、前記第2基板は、紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂によって形成されていてもよい。
またさらに、前記第1反射層の第1ピット、又は、前記第2反射層の第2ピットのうち少なくとも一方にトラッキング極性の情報を有することが好ましい。
また、前記トラッキング極性の情報は、蛇行ピット列によって記録されていてもよい。
さらに、前記蛇行ピット列の蛇行は、周波数変調によって形成されていてもよい。
またさらに、本発明に係る光記録媒体は、前記カバー層に代えて、前記第2反射層の上に形成され、前記第2反射層と反対側の面に第3ピットを有し、屈折率nを有する第3基板と、
前記第3基板の第3ピットを有する面の上に、前記第3ピットの凸凹を反映して形成された第3反射層と、
前記第3反射層の上に形成されたカバー層と
をさらに備え、
前記第3反射層の凹凸の差である第3ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明に係る光記録媒体の製造方法は、一方の面に第1ピットを有する第1基板を形成する工程と、
前記第1基板の第1ピットの上に、前記第1ピットの凹凸を反映させた第1反射層を形成する工程と、
前記第1反射層の上に光硬化性樹脂を積層する工程と、
前記光硬化性樹脂の上に、一方の面に転写ピット面を有する転写用基板を重ね合わせる工程と、
前記転写用基板の側から前記光硬化性樹脂に向って光を照射して、前記光硬化性樹脂を硬化させて、前記光硬化性樹脂の表面に前記転写用基板の転写ピット面を転写した第2ピットを形成する工程と、
前記第2ピットの凸凹を反映させた第2反射層を形成する工程と、
前記第2反射層の上にカバー層を形成する工程と
を含み、
前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすと共に、
前記第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明に係る光記録媒体では、ピット深さdを再生信号が十分に得られる範囲(λ/(5n)≦d≦λ/(3n))としていると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)を除外している。これによって、反射層のピットからなる信号面について十分な再生信号が得られるとともに、プッシュプルトラッキング制御方式でトラッキング制御ができる。
本発明の種々の対象、特徴及び利点は、添付の図面を参照しつつ以下で説明される好ましい実施の形態により明らかにされるであろう。
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ディスクの断面図である。
図2は、従来の技術に係る光ディスクの断面図である。
図3(a)は、第1基板を回転テーブルに吸着固定する工程を示す図であり、
図3(b)は、紫外線硬化性樹脂を塗布する固定を示す図であり、図3(c)は、転写用基板を重ね合わせる工程を示す図である。
図4(a)は、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる工程を示す図であり、図4(b)は、転写用基板を剥離させる工程を示す図であり、図4(c)は、第2反射層を形成する工程を示す図である。
図5(a)は、カバー板を回転テーブルに吸着固定する工程を示す図であり、図5(b)は、紫外線硬化性樹脂を塗布する工程を示す図であり、図5(c)は、カバー板に第2反射層を対向させて重ね合わせる工程を示す図である。
図6(a)は、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる工程を示す図であり、図6(b)は、作製された光ディスクの断面図である。
図7は、ピット深さに対する再生信号のジッタとプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅の関係を示した図である。
図8は、ピット深さと再生信号の振幅及びブッシュプルトラッキングエラーの信号との関係を示す図である。
図9は、本発明の実施の形態1に係る光記録媒体の別例の断面図である。
図10は、本発明の実施の形態2に係る光記録媒体の断面図である。
図11は、本発明の実施の形態3に係る光記録媒体の断面図である。
図12は、本発明の実施の形態4に係る光ディスクの情報配置図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の符号は同一の構成要素または同様の作用、動作をなすものを表す。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る光記録媒体及びその製造方法について説明する。この光記録媒体100の信号再生系としては、半導体レーザ波長400nm、NA0.85の再生ヘッドを用いる。また、光記録媒体の第1信号層と第2信号層に形成される信号のトラックピッチTPを0.32μm、信号変調方式として1−7変調方式を採用したときの最短ピットとなる2T信号のピット長が0.149μmとなる場合について以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ディスクの断面図である。この光ディスク100は、第1基板101、第1反射層102、第2基板103、第2反射層104、及びカバー層105が順に積み重ねられて構成されている。第1基板101の片面には平面形状がスパイラル状に連続しており、断面形状が凹形状のピットが形成されている。
第1基板101は、厚みが1.1mm程度に設定されている。ディスクの総厚みを1.2mm程度とすることによって、ディスク剛性の強化及びCDやDVDなどのディスクと厚み互換をもたせている。第1基板101の一方の面には、レーザ光入射側からみてトラックピッチ107が0.32μm程度、深さが70nm程度の凹形状のピットが形成されている。第1基板101は、転写性が良好なポリカーボネート樹脂を射出圧縮成形方法を用いて形成する。また、第1反射層102は、第1基板101の凹形状のピットの上に、その凹凸を反映して凹形状のピットとほぼ同様の凹形状のピットからなる第1信号面106が形成されている。また、第1反射層102は、例えばAg等からなり、カバー層105側から入射するレーザ光を反射する。第1反射層102が積層されることによって第1信号面106の信号パターンが構成される。第1反射層102の厚みは50nmであり、波長400nmのレーザ光に対して反射率がほぼ飽和する70%程度となる厚さに設定されている。第1反射層102は第1基板101の凹ピット上で且つ再生レーザ光入射側に形成されているので、層の厚みによってはピット形状が変化してしまう。従って厚みを50nm程度とすることで、S/Nが良好で且つ反射率が飽和し、信号形状が変化しない厚みとしている。
第1反射層102の凹凸の差である第1ピット深さdは、再生レーザ光の波長をλ、第1反射層102上に形成される第2基板103の材料の屈折率をnとすると、
λ/(4n)<d≦λ/(3n) (1)
の関係式(1)を満たすように設定する。上記式は、後述するように、第1基板101の製法として転写性が良好なポリカーボネート樹脂の射出圧縮成形方法を用いることや、再生時の信号特性及びプッシュプルトラッキングエラー信号とを考慮している。
ここで、第1反射層102上に形成される第2基板103には屈折率nが1.5程度の光硬化性樹脂を用いるので第1ピット深さdの範囲は、すなわち、
67nm<d≦89nm (2)
の関係式(2)を満たす範囲となる。
第2基板103には、第1基板101とは反対側であるカバー層105側の面に凸形状のピットが形成されている。第2基板103には、第1基板101と同様にトラックピッチが0.32μm程度、深さが70nm程度のレーザ光の照射側からみて凸形状のピットよりなる記録信号が形成されている。第2基板のピットは、第1基板のピットと逆方向を向いており、このピットによって信号が記録されている。この第2基板103は、レーザ光をほぼ透過させる材料からなる。第2基板103上には、第1反射層102と同様にAgからなる第2反射層104がスパッタリング法により厚み20nm程度で形成されており、波長400nmのレーザ光に対して反射率が20%程度となるように設定されている。第2反射層104には、第2基板103の凸形状のピットの上にその凹凸を反映して凸形状のピットとほぼ同様の凸形状のピットからなる第2信号面108が形成される。第2反射層104を薄くすることで、レーザ光の一部を反射し、一部を透過させることができる。第2反射層104を透過したレーザ光は、第1反射層102上の第1信号面106で反射され、再度第2反射層104を透過した後に再生ヘッドに戻る。そこで、第2反射層104の厚みを20nmにすることによって、第1反射層102上に形成された第1信号面106で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度と、第2反射層104上に形成された第2信号面108で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度とを同じくすることができる。カバー層105は、厚さが0.1mm程度でレーザ光をほぼ透過する材料からなる。
第2ピット深さdは、光硬化性樹脂材料の延伸による信号ピットの転写性がポリカーボネートの射出圧縮成形の信号ピットの転写性と比較して悪いことや、再生時の信号特性及びプッシュプルトラッキングエラー信号を考慮して、再生レーザ光の波長をλ、第2反射層104上に形成されるカバー層105の材料の屈折率をnとすると、
λ/(5×n)≦d<λ/(4×n) (3)
の関係式(3)を満たすように設定している。
本実施の形態においては、第2反射層104上に形成されているカバー層105の材料として屈折率nが1.5程度の光硬化性樹脂あるいは感圧性接着剤を用いる。そこで、第2ピット深さdは、すなわち
53nm≦d<67nm (4)
の関係式(4)を満たす範囲となる。
第2反射層104の上には厚さが0.08mm程度のカバー層105が形成されている。カバー層105は、厚みが70μm程度のポリカーボネート樹脂製のシートを10μm程度の光硬化性樹脂あるいは感圧性接着剤によって貼り合わされて形成されている。上記構成の光ディスクはカバー層105を通して再生される。
なお、上記説明のディスク構成では反射層としてAgの反射層材料を用いて説明したがこれに限られず、AlやAg合金を用いてもよい。また、カバー層105としてポリカーボネート樹脂製のシートを光硬化性樹脂によって貼り合わせたり、感圧性接着剤で貼り合せたりした構成を用いた場合について説明したがこれに限られず、光硬化性樹脂のみでカバー層105を構成してもよい。
図3から図6は、本発明の実施の形態1に係る光ディスクの製造方法の各工程を示す断面図である。この光ディスクの製造方法について説明する。
(a)まず、ポリカーボネート材料を用いた射出圧縮成形により、一方の面に凹形状ピットを有する厚さ略1.1mmの円板状の第1基板301を形成する。
(b)第1基板301の凹形上ピットの凹凸の上に該凹凸を反映する第1反射層102を成膜する。これにより、第1反射層102に、凹凸の差である第1ピット深さdが67nmから89nmの凹形状ピットからなる第1信号面が形成される。
(c)第1基板301を回転テーブル302上に吸着固定する。回転テーブル302の回転軸に対して偏芯量が小さくなるようにセンタリング冶具303が回転テーブル302のほぼ中央に設けられている。第1基板301は、センタリング治具303でセンタリングされ、回転テーブル302の上面に複数個設けられた小さなバキューム孔によって吸着固定される(図3(a))。
(d)吸着された第1基板301上に、紫外線硬化樹脂304をディスペンサーによって所望の半径上に略同心円状に塗布する(図3(b))。この紫外線硬化樹脂によって第1反射層102の凹凸を埋める。なお、ここでは紫外線樹脂を用いたがこれに限られず、可視光領域の光照射によって硬化する光硬化性樹脂を用いてもよい。
(e)さらに、第1基板301の上に塗布した紫外線硬化樹脂304の上に、一方の面に凹形状のピットの転写用情報面を有する転写スタンパ305を該転写用情報面が対向するように重ね合わせる(図3(c))。
(f)第1基板301と転写スタンパ305を一体化させた状態で回転テーブル302をスピン回転させることによって紫外線硬化樹脂304を延伸させる。同時に転写スタンパ305の転写用情報面の信号ピットの凹凸形状を紫外線硬化樹脂304に転写して、該凹凸と反対の凸形状ピットを形成する。このとき、転写スタンパ305の転写用情報面に形成された凹形状ピットの深さは53nmから67nmの間になるように形成される。また、紫外線硬化樹脂との剥離を良好とするために、転写スタンパ305は、第1基板301と同等のポリカーボネート材料を射出圧縮成形して作製されている。紫外線硬化樹脂304の粘度としては約150Pa・s、転写スタンパ305として直径120mm、厚み0.6mm、中心に直径30mmの中心穴を有する円板を使用している。なお、本実施の形態では転写スタンパにポリカーボネート材料を用いた場合について説明しているが、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂などの紫外線硬化樹脂と剥離性が良好な樹脂材料を用いてもよい。また、紫外線硬化樹脂304として1種類の樹脂を用いた場合について説明しているがこれに限られない。例えば第1反射層102と密着性が良い樹脂Aと、転写スタンパ305との剥離性が良い樹脂Bと、樹脂A及び樹脂Bと密着性が良い樹脂Cとを組合せて構成することで、ディスクの剛性を強化することができ、また、光ディスクの生産性を改善できる。さらに、紫外線硬化樹脂をスピン回転によって延伸することにより、ディスク面内の転写性や紫外線硬化樹脂の厚みを均一化できる。
(g)紫外線照射機306によって第1基板301と転写スタンパ305の間の紫外線硬化樹脂304に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂304を硬化させる(図4(a))。
(h)転写スタンパ305を硬化した紫外線硬化樹脂304から剥離して(図4(b))、硬化した紫外線硬化樹脂304の上に転写スタンパ305の転写用情報面の凹凸深さを転写した凸形状ピット307を形成する。
(i)凸形状ピット307を形成した後、凸形状ピット307上には、従来と同様の方法を用いて、第2反射層104としてAg等の反射層をスパッタ等の方法により形成する(図4(c))。これにより、第2反射層104に凸形状ピット307の凹凸を反映した凸形状ピットからなる第2信号面が形成される。
(j)厚さ70μm程度の円板からなる薄型基板308を回転テーブル302上に吸着固定する(図5(a))。この薄型基板308は、記録再生するレーザ光に対してほぼ透明、すなわち光がほぼ透過する。
(k)薄型基板308の上に紫外線硬化樹脂309を塗布し(図5(b))、ディスペンサーによって所望の半径上に略同心円状に塗布する。
(l)紫外線硬化樹脂309を塗布した薄型基板308の上に、図4(c)で得られた積層体の第2反射層104の面を互いに対向させて重ね合わせる(図5(c))。
(m)紫外線照射機306によって第2基板301と薄型基板308の間の紫外線硬化樹脂309に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂309を硬化させ(図6(a))、全体を一体の積層体、すなわち多層型の光ディスク100が作製される。なお、硬化した紫外線硬化樹脂(透明層)309は、記録再生光に対してほぼ透明である。この薄型基板308と硬化した紫外線硬化樹脂309とは、この光ディスク100のカバー層である。
なお、ここでは薄型基板308の上に紫外線硬化樹脂を塗布して、その上に第2反射層を対向させて重ね合わせたが、逆に、第2反射層104の上に紫外線硬化樹脂309を塗布して、その上に薄型基板308を重ね合わせてもよい。また、紫外線硬化樹脂309を塗布した後にスピン回転させることによって紫外線硬化樹脂309に混入する気泡の除去や厚み制御を行うことが好ましい。
上記製造方法により作製された光ディスク100は、カバー層105の側から再生ヘッドのレーザ光を入射した場合、第1基板101の第1信号面は凹形状の信号ピットとなり、第2基板103の第2信号面は凸形状の信号ピットとなる。これにより、プッシュプルトラッキング方式により各々の信号ピットにトラッキング制御を行う場合、信号ピットの深さが第1信号面と第2信号面で同じ場合はトラッキング極性を異なる極性に変える必要がある。しかし、ディスクを再生するプレーヤーはディスク情報をシークする時間や回路構成の簡易化を図るためにもトラッキング極性の変更動作を避ける必要がある。したがって、本発明では第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdが下記式(5)を満足するように設定する。
λ/(4n)<d≦λ/(3n) (5)
また、第2基板の第2ピット深さdを下記式(6)を満足するように設定する。
λ/(5n)≦d<λ/(4n) (6)
上記のように第1反射層の第1ピット深さdと、第2反射層の第2ピット深さdとに屈折率n、nを乗じた2nと2nについて、λ/2を挟んで下記式に示すように大小関係を有するように差を持たせている。
2n<λ/2<2n (7)
上記関係式を変形すると、
4n<λ<4n (8)
の関係式が得られる。
また、境界となる深さλ/(4n)、λ/(4n)は、それぞれプッシュプルトラッキングエラー信号の極性が切り替わる深さ、つまりプッシュプルトラッキングエラー信号が略ゼロとなる深さである。そこで、ピット深さd、dとしては、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)、λ/(4n)をそれぞれ除外している。また、上記深さ(λ/(4n)、λ/(4n))を境界として極性が切り替わるので、深さλ/(4n)と深さλ/(4n)とを挟んでそれぞれのピット深さに差を持たせることによって、プレーヤが第1信号面と第2信号面とを互いに切り替えて再生した場合にも再生系におけるトラッキング極性を変える必要がない。一方、ピット深さdがλ/(5n)〜λ/(3n)の範囲内、及び、ピット深さdがλ/(5n)〜λ/(3n)の範囲内で、それぞれ位相差トラッキングを十分に行うことができる。これによって、この光ディスクをプッシュプルトラッキング方式と位相差トラッキング方式の両トラッキング方式で制御できる。
なお、上記第1基板101は射出圧縮成形により構成されている。基板の射出圧縮成形では、ピット深さが浅くなるほど基板のスタンパからの型離れが良いことが知られている。そこで、第1ピット深さdの範囲の上限として、深くても射出圧縮成形によって安定して信号転写及び離型させることができる深さ以下であることが必要である。また、下限としては、浅くても再生信号のS/Nを損なわないために再生信号品質を表す再生信号ジッタが6.5%以下となる深さ以上であることが必要である。また、第1基板101は、従来のピット深さ(λ/(4n))よりも浅く、又は、深くすることで、プッシュプルトラッキングエラー信号の振幅を0.08以上確保できる。これによって、プッシュプルトラッキング方式でのトラッキング制御を行うことができる。
更に、上記第2基板103は、紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂によって構成されており、転写スタンパ上のピット深さが深くなれば紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂の粘性との兼ね合いから第2基板への転写が難しくなる。特にピットが小さくなればなるほど転写性は悪化する。
図7は、ピットの深さに対する再生信号のジッタとプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅との関係を示す図である。図7の横軸は、ピット深さを通常とは逆に右から左に大きくなるように示している。これは、信号再生用のレーザ光の波長λと、屈折率nと、整数mとを用いたλ/(m×n)との関係を示すためである。
図8は、ピット深さと、再生信号とプッシュプルトラッキングエラー信号との一般的な関係を示す図である。図8で、再生信号は、ピット深さλ/(4n)をピークとして、さらに深くなるにつれて対称的に再生信号の大きさは減じ、2λ/(4n)で再び0となる。一方、プッシュプルトラッキングエラー信号は、ピット深さλ/(8n)でピークをとり、λ/(4n)で0となる。さらにピット深さが増すと、信号の大きさは再び増すが、極性が逆になる。図8から、プッシュプルトラッキング制御のためには、ピット深さとして、プッシュプルトラッキングエラー信号が0となるピット深さλ/(4n)を除外する必要がある。その一方、再生信号の大きさはピット深さλ/(4n)で最大となるので、ピット深さλ/(4n)を挟んだ範囲が好ましいことがわかる。
また、図7から、再生信号のジッタが6.5%以下を満足するためにはピット深さとして、λ/(5n)以上必要であることが示唆されている。また、プッシュプルトラッキングエラー信号の振幅が0.08以上を満足するためにはピット深さは、λ/(4n)丁度の深さを除いて、λ/(4n)より深いか、またはλ/(4n)より浅くなくてはならないことが示唆されている。プッシュプルトラッキングエラー信号のトラッキング極性が変わるピット深さであるλ/(4n)に対して、第1基板101上の第1ピット深さdと第2基板103の第2ピット深さdの再生可能マージンを考慮すると、第1基信号板101上の第1ピット深さdは、
λ/(4n)<d
の関係式を満足する必要がある。
ただし、ピット深さが深くなる場合は、ピットの転写性が困難となり、良好な形状のピット形成が困難となることが予測されるため、ピットは深くともλ/(3n)以下であることが好ましい。すなわち、
λ/(4n)<d≦λ/(3n)
の関係式を満足することが好ましい。
また、図7より第1基板101上の第1ピット深さdは、
83nm≦d≦89nm
の関係式を満足するように設定することが安定した大きさのプッシュプルエラー信号が得られると考えられる。
また、第2基板103の第2ピット深さdは、
λ/(5n)≦d<λ/(4n)
の関係式を満足する必要がある。
また、図7より、第2基板103の第2ピット深さdは、
53nm≦d≦63nm
の関係式を満足するように設定することが安定した大きさのプッシュプルエラー信号が得られると考えられる。
なお、位相差トラッキング方式ではピット深さdが、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)
の範囲で問題なく制御できる。
図7より、第1ピット深さdは、
83nm<d≦89nm
の関係式を満足するように設定することが好ましい。
なお、上記の例では第2基板103の屈折率nとカバー層105の屈折率nとを便宜的に同じ屈折率nとして扱っている。
本実施の形態に係る光ディスクを再生すると、信号品質を示す再生信号のジッタ及びプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅が共に良好であった。また、本実施の形態によれば、第1ピット深さd又は第2ピット深さdをそれぞれλ/(4n)に近づけることにより、再生RF振幅のS/Nを限りなく大きくできると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号を得ることができ、位相差トラッキングとプッシュプルトラッキング方式の両トラッキング方式でトラッキング制御ができる。そこで、プレーヤのトラッキング方式を限定せず、良好な再生信号品質が得ることができる。
また、凹形状の第1ピットの深さdと凸形状の第2ピットの深さdとを深さλ/(4n)を挟んで大小関係を持たせることにより、プッシュプルトラッキングの極性を同じにすることができる。そこで、プッシュプルトラッキング方式を採用するプレーヤにおいて、再生する信号面を切り替えてもトラッキング極性を切り替える必要がなく、シーク時間の短縮及びプレーヤの回路構成の簡易化を図ることができる。
なお、複数の信号面を構成するピットの断面形状に応じてそれぞれのピット深さを制御することによって各信号面でのプッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。例えば、2つの信号面を構成するピットの断面形状が互いに異なる場合には、それぞれのピット深さd及びdをλ/(4n)又はλ/(4n)を挟んで設定することによって、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。一方、ピットの断面形状が同じ場合には、それぞれのピット深さd及びdをλ/(4n)又はλ/(4n)に対して共に大きいか、又は、共に小さい、同じ側に設定することによって、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。
さらに、ピット深さをd>λ/(4n)に形成する必要がある第1基板の第1信号面は、凸形ピット形状のスタンパを用いて樹脂の射出圧縮成形により深くて凹形状のピットを形成することが可能である。一方、ピット深さがd<λ/(4n)で十分な第2基板の第2信号面は、凹形状のピットが形成された転写スタンパから紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂を用いて転写することで凸形状の信号ピットを形成することができる。そこで、第1基板から各層を順に積層していく工程を用いて信号特性の良好な多層光ディスクを作製することができる。
なお、この実施の形態1では、第1反射層の第1ピット深さdが第2反射層の第2ピット深さdより深い場合(d<d)について説明しているが、これは一例である。本発明に係る光記録媒体は、逆に、第2反射層の第2ピット深さdが第1反射層の第1ピット深さdより深い場合(d<d)であってもよい。この場合には、上記の関係式において、dとdとを入れ替えた関係式とすればよい。
なお、この光ディスク100は、図1の断面図に示すように、第1基板101上の第1ピットと第2基板103上の第2ピットとの凸部と凹部とが互いに対応して配置されている例が示されているが、これは本発明に係る光記録媒体の一例にすぎない。本発明に係る記録媒体は、上記構成に限られない。図9は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク100aの別例の断面図である。この光ディスク100aでは、断面図に示すように、第1基板101上の第1ピットの凹凸と第2基板103上の第二ピットの凹凸とは、互いにずれて配置されている。このように各層のピットの凹凸は、それぞれ対応して配置されていても、又は、互いにずれて配置されていてもよい。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係る光ディスク100bの断面構造を示す断面図である。この光記録媒体100bは、実施の形態1に係る光ディスクと比較すると、信号を記録する信号面が1層のみである点で相違する。この光ディスク100bは、一方の面に凸形状のピットを有する基板101と、第1基板101の凸形状ピットの上にその凹凸を反映した反射層102と、反射層102の上に形成されたカバー層105とを備える。この反射層102には、凸形状のピットからなる信号面106が形成されている。
この光ディスク100bは、反射層102の凹凸の差であるピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、カバー層105の屈折率nとは、λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n)の関係式を満たす。この光ディスク100bでは、ピット深さdを再生信号が十分に得られる範囲λ/(5n)≦d≦λ/(3n)としていると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)を除外している。これによって、十分な再生信号が得られるとともに、プッシュプルトラッキング制御でのトラッキング制御ができる。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係る光ディスク100cの断面構造を示す断面図である。この光ディスク100cは、実施の形態1に係る光ディスクと比較すると、信号を記録する信号面が3層である点で相違する。この光ディスク100cは、第1基板101、第1反射層102、第2基板103、第2反射層104、第3基板111、第3反射層112、カバー層105が順に形成されている。第1基板101は、一方の面に凹形状の第1ピットを有する。第1反射層102は、第1基板101の凹形状の第1ピットの上にその凹凸を反映して形成されている。この第1反射層102は、凹形状のピットからなる第1信号面106を有する。第2基板103は、第1反射層102の上に形成され、第1反射層102と反対側の面に凸形状の第2ピットを有する。第2反射層104は、第2基板103の凸形状の第2ピットの上にその凹凸を反映して形成される。この第2反射層104は、凸形状のピットからなる第2信号面108を有する。第3基板111は、第2反射層104の上に形成され、第2反射層104と反対側の面に凸形状の第3ピットを有する。第3反射層112は、第3基板111の凸形状の第3ピットの上にその凹凸を反映して形成される。この第3反射層112は、凸形状のピットからなる第3信号面110を有する。カバー層105は、第3反射層の上に形成される。この光ディスク100cは、実施の形態1に係る光ディスクに対して、具体的には、第2反射層104とカバー層105との間に、第3ピットを有する第3基板111と第3反射層112とをさらに設けている。
この光ディスク100cでは、実施の形態1に係る光ディスクと同様に、第1反射層102の凹形状の第1ピットの深さdは、
λ/(4n)<d≦λ/(3n
の関係式を満足する。また、第2反射層104の凸形状の第2ピットの深さdは、
λ/(5n)≦d<λ/(4n
の関係式を満足する。
これによって凹形状の第1ピットからなる第1信号面と凸形状の第2ピットからなる第2信号面とは、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。そこで、各信号面のトラッキング制御を続けて行う場合にも極性を反転させる必要がない。
また、この光ディスク100cでは、第3反射層112の凹凸の差である第3ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、カバー層105の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n
の関係式を満たす。これによって、第3ピット深さdを再生信号が十分に得られる範囲(λ/(5n)≦d≦λ/(3n))としていると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)を除外している。これによって、第3反射層112の第3ピットからなる第3信号面について十分な再生信号が得られるとともに、プッシュプルトラッキング方式でのトラッキング制御ができる。
さらに、光ディスク100cのレーザ光入射側から見て、第1ピットを凹形状ピット、第2ピットを凸形状ピット、第3ピットを凸形状ピットとする場合、上述の条件、
λ/(4n)<d≦λ/(3n
λ/(5n)≦d<λ/(4n
に加えて、さらに、
λ/(5n)≦d<λ/(4n
を満たすようにする。これによって、凹形状の第1ピットからなる第1信号面、凸形状の第2ピットからなる第2信号面、凸形状の第3ピットからなる第3信号面のいずれの信号面をプッシュプルトラッキング制御する場合にもそのプッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同一とすることができる。
なお、さらに4層以上の信号面を形成する場合にも、信号面を構成するピットの断面形状に応じてピット深さを制御することによって、各信号面についてプッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る光ディスクについて図12を用いて説明する。図12は、この光ディスクの情報配置図である。例えば、この光ディスクでは、ディスクの主記録データの長さやディスクをコントロールするデータが含まれているディスクインフォメーション部501と、主データが記録されている主データ部502と、ディスクの主データ部終了後に記録されているディスク外周端を示すリードアウト部503とで構成されている。ディスクインフォメーション部501は、ディスクを再生するときに主データ部を読む前に始めに再生される情報部である。ディスクインフォメーション部501には予め蛇行したピット列が形成されており、ピット列にトラッキング制御を行う前にそのピットの蛇行の周波数を読み取ることによりそのディスクの各々の信号層のプッシュプルトラッキング極性を読み取ることができる。
この蛇行ピットの形成方法は、以下のような工程で行うことができる。
(a)例えば、フォトレジストが塗布されたSiウエハ等の基体を回転させながら電子線を照射するプロセスを用いる。このプロセスは、基体上で焦点を結んだ電子線のポインティングを基体の回転方向に対して垂直方向に偏向器を用いて振ることによって実現できる。
(b)電子線が照射されたフォトレジスト部は、現像プロセスを経て、その後、除去され、Siウエハの表面を露出させる。
(c)Siウエハ上に、導電膜のNiスパッタを行った後、Niメッキを施すことにより、蛇行信号ピットが凸形状に形成された金型(スタンパ)が作製される。
(d)次いで、スタンパを射出圧縮成形機の金型として設置し、ポリカーボネート等の樹脂材料を用いて射出成形することによって、蛇行信号ピットが凹形状に形成された基板を作製することができる。
なお、これ以後の光ディスクの製造方法については実施の形態1において述べているので説明を省略する。
なお、本発明は、様々な実施の形態に示される以下の構成をとることができる。第1の構成によれば、本発明に係る光記録媒体は、一方の面に凹形状の第1ピットを有する第1基板と、
前記第1基板の前記第1ピットを有する面の上に、前記第1ピットの凹凸を反映して形成された第1反射層と、
前記第1反射層の上に形成され、前記第1反射層と反対側の面に凸形状の第2ピットを有する第2基板と、
前記第2基板の第2ピットを有する面の上に、前記第2ピットの凸凹を反映して形成された第2反射層と、
前記第2反射層の上に形成されたカバー層と
を備え、
前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、4n<λ<4n、又は、4n<λ<4nのいずれかの関係式を満たすことを特徴とする。
上記構成によれば、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、それぞれプッシュプルトラッキング方式でトラッキング制御した場合に、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性が逆転するλ/(4n)を挟んで大小関係を有するように構成されている。これによって、第1反射層と第2反射層のそれぞれの信号面をプッシュプルトラッキング方式でトラッキング制御する際のトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。そこで、再生する信号面を切り替えた場合にもトラッキングエラー信号の極性を切り替える必要がない。また、プッシュプルトラッキングエラー信号を得ることができ、位相差トラッキング制御方式とプッシュプルトラッキング制御方式の両方式のいずれでもトラッキング制御できる。
第2の構成によれば、前記第1ピット深さdと、前記第2ピット深さdとは、d>dの関係式を満たす。これによって、第1基板をピット深さが深くなる転写性のよい射出成形方式を用いて形成し、一方、第2基板をピット深さが浅くなりやすい転写用基板での転写によって形成できる。
第3の構成によれば、前記第1ピット深さd
λ/(4n)<d≦λ/(3n
の関係式を満たすと共に、前記第2ピット深さd
λ/(5n)≦d<λ/(4n
の関係式を満たす。
上記の構成によれば、いずれのピット深さd、dもλ/(5n)からλ/(3n)の間にあるので、それぞれの信号面で十分な大きさの再生信号が得られる。
上述の通り、本発明は好ましい好ましい実施形態により詳細に説明されているが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲内において多くの好ましい変形例及び修正例が可能であることは当業者にとって自明なことであろう。
本発明は、再生を目的とした高密度多層式の光記録媒体及び該光記録媒体を積み重ね方法又は貼り合わせ方法により作製する製造方法に関する。
近年、情報機器・映像音響機器等が必要とされる情報量の拡大化に伴い、データアクセスの容易さ、大容量データの蓄積、機器の小型化に優れている光ディスクが記録媒体として注目され、記録情報の高密度化がなされている。例えば光ディスクの高密度化の手段として、レーザ光の波長を約400nmとし、レーザ光を絞り込む収光レンズとして開口数(NA)0.85の再生ヘッドを用いて、単層で25GB程度、2層で50GB程度の容量の光記録媒体が提案されている。例えば、片面から2層の信号記録層の記録再生が可能であり、約4時間のBSデジタル放送の情報を記録再生できる。
以下に、従来の光ディスクである2層光ディスクの構造及び製造方法について図2を用いて説明する(特開2002−092969号公報)。図2は、従来の光ディスクである2層光ディスクの断面図である。従来の光ディスクは、第1基板201、第1反射層202、第2基板203、第2反射層204、及びカバー層205とが順に積み重ねられて構成されている。第1基板201の片面には平面形状がスパイラル状に連続しており、断面形状が凹形状のピットからなる第1ピットが形成されている。第1基板201は、厚みが1.1mm程度に設定されている。これは、ディスク剛性の強化及びCDやDVDなどのディスクと厚み互換をもたせるため、ディスクの総厚みを1.2mm程度とするためである。第1基板201の第1ピットの上に、第1ピットの凹凸を反映した第1反射層202が形成されている。第1反射層202には、トラックピッチ207が0.32μm程度、深さが70nm程度のレーザ光からみて凹形状のピットよりなる第1信号面206が形成されている。また、第1反射層202は、カバー層205側から入射するレーザ光を反射する。第1反射層202の厚みは50nmであり、波長400nmのレーザ光に対して反射率が70%程度となるように設定されている。
第2基板203には、第1基板201と反対側であるカバー層205側の面に凸形状の第2ピットが形成されている。さらに第2基板203の第2ピットの上に第2ピットの凹凸を反映した第2反射層204が形成されている。第2反射層204には、第1反射層202の第1信号面206と同様にトラックピッチが0.32μm程度、深さが70nm程度のレーザ光の照射側からみて凸形状のピットよりなる第2信号面208が形成されている。第2信号面208のピットの凸凹は、第1信号面206のピットと逆方向を向いており、このピットによって信号が記録されている。この第2基板203は、レーザ光をほぼ透過させる材料からなる。第2反射層204は、第1反射層202と同様の材料により構成され、スパッタリング法により厚みが20nm程度で形成されている。第2反射層204は、薄くすることによってレーザ光を一部透過させ、一部反射させることができる。第2反射層204を透過したレーザ光は、第1反射層202上の第1信号面206で反射され、再度第2反射層204を透過した後に再生ヘッドに戻る。そこで、第2反射層204の厚みを20nmにすることによって、第1反射層202上に形成された第1信号面206で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度と、第2反射層204上に形成された第2信号面208で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度とを同じくすることができる。カバー層205は、厚さが0.1mm程度でレーザ光をほぼ透過する材料からなる。
上記構成で50GBを達成するには、例えば半導体レーザ波長400nm、NAを0.85の再生ヘッドを用いた場合、第1基板201と第2基板203に形成される信号のトラックピッチTPは0.32μm、信号変調方式として1−7変調方式を採用したときの最短ピットとなる2T信号のピット長は0.149μmとなる。
さらに、従来の光ディスクの製造方法について説明する。
(a)片面に平面形状がスパイラル状に連続しており、断面形状が凹形状のピットからなる信号が形成された金型のスタンパを用いて射出圧縮成形することにより、該スタンパのピットが転写形成された第1ピットを有する樹脂製の第1基板201を形成する。
(b)第1基板201の第1ピットの上に厚さが均一になるようにスパッタや蒸着等の方法によって、例えばAg等の第1反射層202を形成する。これにより、第1反射層202に第1ピットの凹凸を反映した第1信号面206が形成される。
(c)第1反射層202上に光硬化性樹脂等の材料を塗布し、その上に凹形状のピットの転写信号面を有する転写用基板を重ね合わせて、光硬化性樹脂の表面に転写信号面の凹凸形状を転写した凸形状の第2ピットを形成する。
(d)光硬化性樹脂を光硬化させて第2ピットを有する第2基板203を形成する。
(e)第1反射層202と同様に、第2ピットの上に厚さが均一になるようにスパッタや蒸着等の方法により第2反射層204を形成する。これにより、第2反射層204に第2ピットの凹凸を反映した第2信号面208が形成される。第2反射層204の厚みは、読み出しレーザ光をカバー層側から入射したときに各々の反射層から再生ヘッドに戻ってくる光量が等しくなるように設定される。
(f)第2反射層204の上に、レーザ光に対してほぼ透明な材料からなるシートを光硬化性樹脂や感圧性接着剤等で貼り合せたり、光硬化性樹脂をスピンコートした後、光硬化させてカバー層205を形成する。
以上の各工程によって光ディスクが作製される。
さらに、上記構成の従来の2層光ディスクの各信号面に記録された情報を再生する方法について説明する。
(a)第1反射層202上に形成された第1信号面206を再生する場合、例えばディスクを所望の回転数で回転させ、再生ヘッドの収光レンズによって読み取りレーザ光を絞り込んで、レーザ光のスポットを所望の回転数で回転している光ディスクの第1信号面上にフォーカス制御する。
(b)続いて、既知トラッキング制御を行って信号列を追従させ、信号面からの反射光を受光素子で検出し、電圧変化のアナログ信号として読み出す。
(c)また、もう一方の信号面である第2反射層204上に形成された第2信号面208を再生する場合も第1信号面206を再生するときと同様に、再生ヘッドの収光レンズによって読み取りレーザ光を絞り込んで、レーザ光のスポットを所望の回転数で回転している光ディスクの第2信号面上にフォーカス制御する。
(d)続いて、既知のトラッキング制御を行って信号列を追従させ、信号面からの反射光を受光素子で検出し、電圧変化のアナログ信号として読み出す。
上記再生の際には、信号面に形成されている凹凸からなる信号ピットの深さは再生信号振幅が最大となるように光学的深さdがほぼλ/(4n)(nは信号面の上に形成されている材料の屈折率)に一致するように設定されている。そのため、リードオンリーメモリー(ROM)の光ディスク再生には、トラッキング制御を行うためのトラッキングエラー信号検出方法として、再生信号振幅が最大のときにトラッキングエラー信号も最大となる位相差トラッキング方式が多く採用されている。
上記光ディスクの各信号面を再生した場合の再生信号特性について以下に説明する。上記信号再生において、既知プッシュプルトラッキングエラー信号TEppは0.02であった。プッシュプルトラッキングエラー信号TEppは、あらかじめディスクの反射率が信号振幅に影響しないように、プッシュプルトラッキングエラー信号TEpp−orgを、プッシュプルトラッキングエラー信号TEpp−orgを生成している受光素子の光量の和を電圧変換した和信号TEsumによって割り算することにより正規化している。しかし、このTEppの信号振幅の大きさではトラッキング制御のためのゲインが不十分であり、振動やディスクの製造ばらつきによる形状変化による影響を受けることによりトラッキング制御を行うことができなかった。
また、トラッキング方式を位相差トラッキング方式に変更してトラッキング制御を行い、第1信号面206上の信号ピットを再生したときの再生信号RFの振幅の大きさを表す変調度((最長ピットの再生信号振幅)/(最長ピットの最大反射率のDC量))は、0.45であり信号品質をあらわす再生信号ジッタは5.3%であった。このとき、再生信号ジッタの測定には既知リミットイコライズを使用した。また、第2反射層202上に形成され、レーザ光照射側から見て凸形状の信号ピットに形成された第2信号面208上に再生ヘッドの再生レンズによって絞られたスポットを有するように既知フォーカス制御を行ったときのプッシュプルトラッキングエラー信号TEppは0.03であった。また、再生信号RFの振幅の大きさを表す変調度は0.40、信号品質をあらわす再生信号ジッタは6.7%で、第1信号面206を再生したときと比較して、プッシュプルトラッキングエラー信号TEppはほぼ同じ信号であるが、再生信号RFの振幅の大きさを表す変調度や信号品質をあらわす再生信号ジッタは信号面の転写不足による影響により良好な信号品質が得られないと考えられる。
このことにより、消費電力の大きい位相差トラッキング方式を採用しないとトラッキング制御が行えず、再生信号品質を表すジッタの値も十分ではない。
特開2002−092969号公報
従来技術の光ディスクは信号の光学的深さdとして、ほぼλ/(4n)を採用し、トラッキング制御方式として、位相差トラッキング方式を採用している場合が多い。しかし、この位相差トラッキング方式では、消費電力が大きくなるという問題がある。一方、他のトラッキング制御方式であるプッシュプルトラッキング制御方式は、消費電力が位相差トラッキング方式より小さい。しかし、このプッシュプルトラッキング制御方式を採用した場合には、信号面のピットの光学的深さをちょうどλ/(4n)に設定していることが原因で、トラッキングエラー信号の振幅を十分に得ることができないという問題がある。また、光硬化性樹脂を用いて光学的深さλ/(4n)を有する信号ピットを転写形成する際に、信号の高密度化に伴うピットの微細化によって信号面全面で均一な転写が行えず、再生に十分な再生信号品質を得ることができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、トラッキング制御方式として位相差トラッキング制御方式及びプッシュプルトラッキング制御方式の両方式のいずれでも信号再生が可能であって、且つ、記録信号の再生特性に優れている光記録媒体及びその製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。すなわち、本発明に係る光記録媒体は、一方の面にピットを有する基板と、
前記基板の前記ピットを有する面の上に、前記ピットの凹凸を反映して形成された反射層と、
前記反射層の上に形成されたカバー層と
を備え、
前記反射層の凹凸の差であるピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n)の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明に係る光記録媒体は、一方の面に第1ピットを有する第1基板と、
前記第1基板の前記第1ピットを有する面の上に、前記第1ピットの凹凸を反映して形成された第1反射層と、
前記第1反射層の上に形成され、前記第1反射層と反対側の面に第2ピットを有する第2基板と、
前記第2基板の第2ピットを有する面の上に、前記第2ピットの凸凹を反映して形成された第2反射層と、
前記第2反射層の上に形成されたカバー層と
を備え、
前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすと共に、
前記第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすことを特徴とする。
また、前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、凹形状のピットと凸形状のピットとの組み合わせであってもよい。あるいは、前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、凸形状のピットと凹形状のピットとの組み合わせであってもよい。
さらに、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
4n<λ<4n
の関係式を満たしてもよい。
またさらに、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
4n<λ<4n
の関係式を満たしてもよい。
また、前記第1ピット深さdと、前記第2ピット深さdとは、d<dの関係式を満たしてもよい。
さらに、前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、共に凹形状のピットの組み合わせ、又は、共に凸形状のピットの組み合わせであってもよい。
またさらに、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
λ<4n、且つ、λ<4n
の関係式を満たしていてもよい。
また、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
4n<λ、且つ、4n<λ
の関係式を満たしていてもよい。
さらに、前記第2基板は、紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂によって形成されていてもよい。
またさらに、前記第1反射層の第1ピット、又は、前記第2反射層の第2ピットのうち少なくとも一方にトラッキング極性の情報を有することが好ましい。
また、前記トラッキング極性の情報は、蛇行ピット列によって記録されていてもよい。
さらに、前記蛇行ピット列の蛇行は、周波数変調によって形成されていてもよい。
またさらに、本発明に係る光記録媒体は、前記カバー層に代えて、前記第2反射層の上に形成され、前記第2反射層と反対側の面に第3ピットを有し、屈折率nを有する第3基板と、
前記第3基板の第3ピットを有する面の上に、前記第3ピットの凸凹を反映して形成された第3反射層と、
前記第3反射層の上に形成されたカバー層と
をさらに備え、
前記第3反射層の凹凸の差である第3ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明に係る光記録媒体の製造方法は、一方の面に第1ピットを有する第1基板を形成する工程と、
前記第1基板の第1ピットの上に、前記第1ピットの凹凸を反映させた第1反射層を形成する工程と、
前記第1反射層の上に光硬化性樹脂を積層する工程と、
前記光硬化性樹脂の上に、一方の面に転写ピット面を有する転写用基板を重ね合わせる工程と、
前記転写用基板の側から前記光硬化性樹脂に向って光を照射して、前記光硬化性樹脂を硬化させて、前記光硬化性樹脂の表面に前記転写用基板の転写ピット面を転写した第2ピットを形成する工程と、
前記第2ピットの凸凹を反映させた第2反射層を形成する工程と、
前記第2反射層の上にカバー層を形成する工程と
を含み、
前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすと共に、
前記第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明に係る光記録媒体では、ピット深さdを再生信号が十分に得られる範囲(λ/(5n)≦d≦λ/(3n))としていると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)を除外している。これによって、反射層のピットからなる信号面について十分な再生信号が得られるとともに、プッシュプルトラッキング制御方式でトラッキング制御ができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の符号は同一の構成要素または同様の作用、動作をなすものを表す。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る光記録媒体及びその製造方法について説明する。この光記録媒体100の信号再生系としては、半導体レーザ波長400nm、NA0.85の再生ヘッドを用いる。また、光記録媒体の第1信号層と第2信号層に形成される信号のトラックピッチTPを0.32μm、信号変調方式として1−7変調方式を採用したときの最短ピットとなる2T信号のピット長が0.149μmとなる場合について以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ディスクの断面図である。この光ディスク100は、第1基板101、第1反射層102、第2基板103、第2反射層104、及びカバー層105が順に積み重ねられて構成されている。第1基板101の片面には平面形状がスパイラル状に連続しており、断面形状が凹形状のピットが形成されている。
第1基板101は、厚みが1.1mm程度に設定されている。ディスクの総厚みを1.2mm程度とすることによって、ディスク剛性の強化及びCDやDVDなどのディスクと厚み互換をもたせている。第1基板101の一方の面には、レーザ光入射側からみてトラックピッチ107が0.32μm程度、深さが70nm程度の凹形状のピットが形成されている。第1基板101は、転写性が良好なポリカーボネート樹脂を射出圧縮成形方法を用いて形成する。また、第1反射層102は、第1基板101の凹形状のピットの上に、その凹凸を反映して凹形状のピットとほぼ同様の凹形状のピットからなる第1信号面106が形成されている。また、第1反射層102は、例えばAg等からなり、カバー層105側から入射するレーザ光を反射する。第1反射層102が積層されることによって第1信号面106の信号パターンが構成される。第1反射層102の厚みは50nmであり、波長400nmのレーザ光に対して反射率がほぼ飽和する70%程度となる厚さに設定されている。第1反射層102は第1基板101の凹ピット上で且つ再生レーザ光入射側に形成されているので、層の厚みによってはピット形状が変化してしまう。従って厚みを50nm程度とすることで、S/Nが良好で且つ反射率が飽和し、信号形状が変化しない厚みとしている。
第1反射層102の凹凸の差である第1ピット深さdは、再生レーザ光の波長をλ、第1反射層102上に形成される第2基板103の材料の屈折率をnとすると、
λ/(4n)<d≦λ/(3n) (1)
の関係式(1)を満たすように設定する。上記式は、後述するように、第1基板101の製法として転写性が良好なポリカーボネート樹脂の射出圧縮成形方法を用いることや、再生時の信号特性及びプッシュプルトラッキングエラー信号とを考慮している。
ここで、第1反射層102上に形成される第2基板103には屈折率nが1.5程度の光硬化性樹脂を用いるので第1ピット深さdの範囲は、すなわち、
67nm<d≦89nm (2)
の関係式(2)を満たす範囲となる。
第2基板103には、第1基板101とは反対側であるカバー層105側の面に凸形状のピットが形成されている。第2基板103には、第1基板101と同様にトラックピッチが0.32μm程度、深さが70nm程度のレーザ光の照射側からみて凸形状のピットよりなる記録信号が形成されている。第2基板のピットは、第1基板のピットと逆方向を向いており、このピットによって信号が記録されている。この第2基板103は、レーザ光をほぼ透過させる材料からなる。第2基板103上には、第1反射層102と同様にAgからなる第2反射層104がスパッタリング法により厚み20nm程度で形成されており、波長400nmのレーザ光に対して反射率が20%程度となるように設定されている。第2反射層104には、第2基板103の凸形状のピットの上にその凹凸を反映して凸形状のピットとほぼ同様の凸形状のピットからなる第2信号面108が形成される。第2反射層104を薄くすることで、レーザ光の一部を反射し、一部を透過させることができる。第2反射層104を透過したレーザ光は、第1反射層102上の第1信号面106で反射され、再度第2反射層104を透過した後に再生ヘッドに戻る。そこで、第2反射層104の厚みを20nmにすることによって、第1反射層102上に形成された第1信号面106で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度と、第2反射層104上に形成された第2信号面108で反射され、再生ヘッドに戻ってきたレーザ光強度とを同じくすることができる。カバー層105は、厚さが0.1mm程度でレーザ光をほぼ透過する材料からなる。
第2ピット深さdは、光硬化性樹脂材料の延伸による信号ピットの転写性がポリカーボネートの射出圧縮成形の信号ピットの転写性と比較して悪いことや、再生時の信号特性及びプッシュプルトラッキングエラー信号を考慮して、再生レーザ光の波長をλ、第2反射層104上に形成されるカバー層105の材料の屈折率をnとすると、
λ/(5×n)≦d<λ/(4×n) (3)
の関係式(3)を満たすように設定している。
本実施の形態においては、第2反射層104上に形成されているカバー層105の材料として屈折率nが1.5程度の光硬化性樹脂あるいは感圧性接着剤を用いる。そこで、第2ピット深さdは、すなわち
53nm≦d<67nm (4)
の関係式(4)を満たす範囲となる。
第2反射層104の上には厚さが0.08mm程度のカバー層105が形成されている。カバー層105は、厚みが70μm程度のポリカーボネート樹脂製のシートを10μm程度の光硬化性樹脂あるいは感圧性接着剤によって貼り合わされて形成されている。上記構成の光ディスクはカバー層105を通して再生される。
なお、上記説明のディスク構成では反射層としてAgの反射層材料を用いて説明したがこれに限られず、AlやAg合金を用いてもよい。また、カバー層105としてポリカーボネート樹脂製のシートを光硬化性樹脂によって貼り合わせたり、感圧性接着剤で貼り合せたりした構成を用いた場合について説明したがこれに限られず、光硬化性樹脂のみでカバー層105を構成してもよい。
図3から図6は、本発明の実施の形態1に係る光ディスクの製造方法の各工程を示す断面図である。この光ディスクの製造方法について説明する。
(a)まず、ポリカーボネート材料を用いた射出圧縮成形により、一方の面に凹形状ピットを有する厚さ略1.1mmの円板状の第1基板301を形成する。
(b)第1基板301の凹形上ピットの凹凸の上に該凹凸を反映する第1反射層102を成膜する。これにより、第1反射層102に、凹凸の差である第1ピット深さdが67nmから89nmの凹形状ピットからなる第1信号面が形成される。
(c)第1基板301を回転テーブル302上に吸着固定する。回転テーブル302の回転軸に対して偏芯量が小さくなるようにセンタリング冶具303が回転テーブル302のほぼ中央に設けられている。第1基板301は、センタリング治具303でセンタリングされ、回転テーブル302の上面に複数個設けられた小さなバキューム孔によって吸着固定される(図3(a))。
(d)吸着された第1基板301上に、紫外線硬化樹脂304をディスペンサーによって所望の半径上に略同心円状に塗布する(図3(b))。この紫外線硬化樹脂によって第1反射層102の凹凸を埋める。なお、ここでは紫外線樹脂を用いたがこれに限られず、可視光領域の光照射によって硬化する光硬化性樹脂を用いてもよい。
(e)さらに、第1基板301の上に塗布した紫外線硬化樹脂304の上に、一方の面に凹形状のピットの転写用情報面を有する転写スタンパ305を該転写用情報面が対向するように重ね合わせる(図3(c))。
(f)第1基板301と転写スタンパ305を一体化させた状態で回転テーブル302をスピン回転させることによって紫外線硬化樹脂304を延伸させる。同時に転写スタンパ305の転写用情報面の信号ピットの凹凸形状を紫外線硬化樹脂304に転写して、該凹凸と反対の凸形状ピットを形成する。このとき、転写スタンパ305の転写用情報面に形成された凹形状ピットの深さは53nmから67nmの間になるように形成される。また、紫外線硬化樹脂との剥離を良好とするために、転写スタンパ305は、第1基板301と同等のポリカーボネート材料を射出圧縮成形して作製されている。紫外線硬化樹脂304の粘度としては約150Pa・s、転写スタンパ305として直径120mm、厚み0.6mm、中心に直径30mmの中心穴を有する円板を使用している。なお、本実施の形態では転写スタンパにポリカーボネート材料を用いた場合について説明しているが、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂などの紫外線硬化樹脂と剥離性が良好な樹脂材料を用いてもよい。また、紫外線硬化樹脂304として1種類の樹脂を用いた場合について説明しているがこれに限られない。例えば第1反射層102と密着性が良い樹脂Aと、転写スタンパ305との剥離性が良い樹脂Bと、樹脂A及び樹脂Bと密着性が良い樹脂Cとを組合せて構成することで、ディスクの剛性を強化することができ、また、光ディスクの生産性を改善できる。さらに、紫外線硬化樹脂をスピン回転によって延伸することにより、ディスク面内の転写性や紫外線硬化樹脂の厚みを均一化できる。
(g)紫外線照射機306によって第1基板301と転写スタンパ305の間の紫外線硬化樹脂304に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂304を硬化させる(図4(a))。
(h)転写スタンパ305を硬化した紫外線硬化樹脂304から剥離して(図4(b))、硬化した紫外線硬化樹脂304の上に転写スタンパ305の転写用情報面の凹凸深さを転写した凸形状ピット307を形成する。
(i)凸形状ピット307を形成した後、凸形状ピット307上には、従来と同様の方法を用いて、第2反射層104としてAg等の反射層をスパッタ等の方法により形成する(図4(c))。これにより、第2反射層104に凸形状ピット307の凹凸を反映した凸形状ピットからなる第2信号面が形成される。
(j)厚さ70μm程度の円板からなる薄型基板308を回転テーブル302上に吸着固定する(図5(a))。この薄型基板308は、記録再生するレーザ光に対してほぼ透明、すなわち光がほぼ透過する。
(k)薄型基板308の上に紫外線硬化樹脂309を塗布し(図5(b))、ディスペンサーによって所望の半径上に略同心円状に塗布する。
(l)紫外線硬化樹脂309を塗布した薄型基板308の上に、図4(c)で得られた積層体の第2反射層104の面を互いに対向させて重ね合わせる(図5(c))。
(m)紫外線照射機306によって第2基板301と薄型基板308の間の紫外線硬化樹脂309に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂309を硬化させ(図6(a))、全体を一体の積層体、すなわち多層型の光ディスク100が作製される。なお、硬化した紫外線硬化樹脂(透明層)309は、記録再生光に対してほぼ透明である。この薄型基板308と硬化した紫外線硬化樹脂309とは、この光ディスク100のカバー層である。
なお、ここでは薄型基板308の上に紫外線硬化樹脂を塗布して、その上に第2反射層を対向させて重ね合わせたが、逆に、第2反射層104の上に紫外線硬化樹脂309を塗布して、その上に薄型基板308を重ね合わせてもよい。また、紫外線硬化樹脂309を塗布した後にスピン回転させることによって紫外線硬化樹脂309に混入する気泡の除去や厚み制御を行うことが好ましい。
上記製造方法により作製された光ディスク100は、カバー層105の側から再生ヘッドのレーザ光を入射した場合、第1基板101の第1信号面は凹形状の信号ピットとなり、第2基板103の第2信号面は凸形状の信号ピットとなる。これにより、プッシュプルトラッキング方式により各々の信号ピットにトラッキング制御を行う場合、信号ピットの深さが第1信号面と第2信号面で同じ場合はトラッキング極性を異なる極性に変える必要がある。しかし、ディスクを再生するプレーヤーはディスク情報をシークする時間や回路構成の簡易化を図るためにもトラッキング極性の変更動作を避ける必要がある。したがって、本発明では第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdが下記式(5)を満足するように設定する。
λ/(4n)<d≦λ/(3n) (5)
また、第2基板の第2ピット深さdを下記式(6)を満足するように設定する。
λ/(5n)≦d<λ/(4n) (6)
上記のように第1反射層の第1ピット深さdと、第2反射層の第2ピット深さdとに屈折率n、nを乗じた2nと2nについて、λ/2を挟んで下記式に示すように大小関係を有するように差を持たせている。
2n<λ/2<2n (7)
上記関係式を変形すると、
4n<λ<4n (8)
の関係式が得られる。
また、境界となる深さλ/(4n)、λ/(4n)は、それぞれプッシュプルトラッキングエラー信号の極性が切り替わる深さ、つまりプッシュプルトラッキングエラー信号が略ゼロとなる深さである。そこで、ピット深さd、dとしては、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)、λ/(4n)をそれぞれ除外している。また、上記深さ(λ/(4n)、λ/(4n))を境界として極性が切り替わるので、深さλ/(4n)と深さλ/(4n)とを挟んでそれぞれのピット深さに差を持たせることによって、プレーヤが第1信号面と第2信号面とを互いに切り替えて再生した場合にも再生系におけるトラッキング極性を変える必要がない。一方、ピット深さdがλ/(5n)〜λ/(3n)の範囲内、及び、ピット深さdがλ/(5n)〜λ/(3n)の範囲内で、それぞれ位相差トラッキングを十分に行うことができる。これによって、この光ディスクをプッシュプルトラッキング方式と位相差トラッキング方式の両トラッキング方式で制御できる。
なお、上記第1基板101は射出圧縮成形により構成されている。基板の射出圧縮成形では、ピット深さが浅くなるほど基板のスタンパからの型離れが良いことが知られている。そこで、第1ピット深さdの範囲の上限として、深くても射出圧縮成形によって安定して信号転写及び離型させることができる深さ以下であることが必要である。また、下限としては、浅くても再生信号のS/Nを損なわないために再生信号品質を表す再生信号ジッタが6.5%以下となる深さ以上であることが必要である。また、第1基板101は、従来のピット深さ(λ/(4n))よりも浅く、又は、深くすることで、プッシュプルトラッキングエラー信号の振幅を0.08以上確保できる。これによって、プッシュプルトラッキング方式でのトラッキング制御を行うことができる。
更に、上記第2基板103は、紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂によって構成されており、転写スタンパ上のピット深さが深くなれば紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂の粘性との兼ね合いから第2基板への転写が難しくなる。特にピットが小さくなればなるほど転写性は悪化する。
図7は、ピットの深さに対する再生信号のジッタとプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅との関係を示す図である。図7の横軸は、ピット深さを通常とは逆に右から左に大きくなるように示している。これは、信号再生用のレーザ光の波長λと、屈折率nと、整数mとを用いたλ/(m×n)との関係を示すためである。
図8は、ピット深さと、再生信号とプッシュプルトラッキングエラー信号との一般的な関係を示す図である。図8で、再生信号は、ピット深さλ/(4n)をピークとして、さらに深くなるにつれて対称的に再生信号の大きさは減じ、2λ/(4n)で再び0となる。一方、プッシュプルトラッキングエラー信号は、ピット深さλ/(8n)でピークをとり、λ/(4n)で0となる。さらにピット深さが増すと、信号の大きさは再び増すが、極性が逆になる。図8から、プッシュプルトラッキング制御のためには、ピット深さとして、プッシュプルトラッキングエラー信号が0となるピット深さλ/(4n)を除外する必要がある。その一方、再生信号の大きさはピット深さλ/(4n)で最大となるので、ピット深さλ/(4n)を挟んだ範囲が好ましいことがわかる。
また、図7から、再生信号のジッタが6.5%以下を満足するためにはピット深さとして、λ/(5n)以上必要であることが示唆されている。また、プッシュプルトラッキングエラー信号の振幅が0.08以上を満足するためにはピット深さは、λ/(4n)丁度の深さを除いて、λ/(4n)より深いか、またはλ/(4n)より浅くなくてはならないことが示唆されている。プッシュプルトラッキングエラー信号のトラッキング極性が変わるピット深さであるλ/(4n)に対して、第1基板101上の第1ピット深さdと第2基板103の第2ピット深さdの再生可能マージンを考慮すると、第1基信号板101上の第1ピット深さdは、
λ/(4n)<d
の関係式を満足する必要がある。
ただし、ピット深さが深くなる場合は、ピットの転写性が困難となり、良好な形状のピット形成が困難となることが予測されるため、ピットは深くともλ/(3n)以下であることが好ましい。すなわち、
λ/(4n)<d≦λ/(3n)
の関係式を満足することが好ましい。
また、図7より第1基板101上の第1ピット深さdは、
83nm≦d≦89nm
の関係式を満足するように設定することが安定した大きさのプッシュプルエラー信号が得られると考えられる。
また、第2基板103の第2ピット深さdは、
λ/(5n)≦d<λ/(4n)
の関係式を満足する必要がある。
また、図7より、第2基板103の第2ピット深さdは、
53nm≦d≦63nm
の関係式を満足するように設定することが安定した大きさのプッシュプルエラー信号が得られると考えられる。
なお、位相差トラッキング方式ではピット深さdが、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)
の範囲で問題なく制御できる。
図7より、第1ピット深さdは、
83nm<d≦89nm
の関係式を満足するように設定することが好ましい。
なお、上記の例では第2基板103の屈折率nとカバー層105の屈折率nとを便宜的に同じ屈折率nとして扱っている。
本実施の形態に係る光ディスクを再生すると、信号品質を示す再生信号のジッタ及びプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅が共に良好であった。また、本実施の形態によれば、第1ピット深さd又は第2ピット深さdをそれぞれλ/(4n)に近づけることにより、再生RF振幅のS/Nを限りなく大きくできると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号を得ることができ、位相差トラッキングとプッシュプルトラッキング方式の両トラッキング方式でトラッキング制御ができる。そこで、プレーヤのトラッキング方式を限定せず、良好な再生信号品質が得ることができる。
また、凹形状の第1ピットの深さdと凸形状の第2ピットの深さdとを深さλ/(4n)を挟んで大小関係を持たせることにより、プッシュプルトラッキングの極性を同じにすることができる。そこで、プッシュプルトラッキング方式を採用するプレーヤにおいて、再生する信号面を切り替えてもトラッキング極性を切り替える必要がなく、シーク時間の短縮及びプレーヤの回路構成の簡易化を図ることができる。
なお、複数の信号面を構成するピットの断面形状に応じてそれぞれのピット深さを制御することによって各信号面でのプッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。例えば、2つの信号面を構成するピットの断面形状が互いに異なる場合には、それぞれのピット深さd及びdをλ/(4n)又はλ/(4n)を挟んで設定することによって、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。一方、ピットの断面形状が同じ場合には、それぞれのピット深さd及びdをλ/(4n)又はλ/(4n)に対して共に大きいか、又は、共に小さい、同じ側に設定することによって、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。
さらに、ピット深さをd>λ/(4n)に形成する必要がある第1基板の第1信号面は、凸形ピット形状のスタンパを用いて樹脂の射出圧縮成形により深くて凹形状のピットを形成することが可能である。一方、ピット深さがd<λ/(4n)で十分な第2基板の第2信号面は、凹形状のピットが形成された転写スタンパから紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂を用いて転写することで凸形状の信号ピットを形成することができる。そこで、第1基板から各層を順に積層していく工程を用いて信号特性の良好な多層光ディスクを作製することができる。
なお、この実施の形態1では、第1反射層の第1ピット深さdが第2反射層の第2ピット深さdより深い場合(d<d)について説明しているが、これは一例である。本発明に係る光記録媒体は、逆に、第2反射層の第2ピット深さdが第1反射層の第1ピット深さdより深い場合(d<d)であってもよい。この場合には、上記の関係式において、dとdとを入れ替えた関係式とすればよい。
なお、この光ディスク100は、図1の断面図に示すように、第1基板101上の第1ピットと第2基板103上の第2ピットとの凸部と凹部とが互いに対応して配置されている例が示されているが、これは本発明に係る光記録媒体の一例にすぎない。本発明に係る記録媒体は、上記構成に限られない。図9は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク100aの別例の断面図である。この光ディスク100aでは、断面図に示すように、第1基板101上の第1ピットの凹凸と第2基板103上の第二ピットの凹凸とは、互いにずれて配置されている。このように各層のピットの凹凸は、それぞれ対応して配置されていても、又は、互いにずれて配置されていてもよい。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係る光ディスク100bの断面構造を示す断面図である。この光記録媒体100bは、実施の形態1に係る光ディスクと比較すると、信号を記録する信号面が1層のみである点で相違する。この光ディスク100bは、一方の面に凸形状のピットを有する基板101と、第1基板101の凸形状ピットの上にその凹凸を反映した反射層102と、反射層102の上に形成されたカバー層105とを備える。この反射層102には、凸形状のピットからなる信号面106が形成されている。
この光ディスク100bは、反射層102の凹凸の差であるピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、カバー層105の屈折率nとは、λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n)の関係式を満たす。この光ディスク100bでは、ピット深さdを再生信号が十分に得られる範囲λ/(5n)≦d≦λ/(3n)としていると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)を除外している。これによって、十分な再生信号が得られるとともに、プッシュプルトラッキング制御でのトラッキング制御ができる。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係る光ディスク100cの断面構造を示す断面図である。この光ディスク100cは、実施の形態1に係る光ディスクと比較すると、信号を記録する信号面が3層である点で相違する。この光ディスク100cは、第1基板101、第1反射層102、第2基板103、第2反射層104、第3基板111、第3反射層112、カバー層105が順に形成されている。第1基板101は、一方の面に凹形状の第1ピットを有する。第1反射層102は、第1基板101の凹形状の第1ピットの上にその凹凸を反映して形成されている。この第1反射層102は、凹形状のピットからなる第1信号面106を有する。第2基板103は、第1反射層102の上に形成され、第1反射層102と反対側の面に凸形状の第2ピットを有する。第2反射層104は、第2基板103の凸形状の第2ピットの上にその凹凸を反映して形成される。この第2反射層104は、凸形状のピットからなる第2信号面108を有する。第3基板111は、第2反射層104の上に形成され、第2反射層104と反対側の面に凸形状の第3ピットを有する。第3反射層112は、第3基板111の凸形状の第3ピットの上にその凹凸を反映して形成される。この第3反射層112は、凸形状のピットからなる第3信号面110を有する。カバー層105は、第3反射層の上に形成される。この光ディスク100cは、実施の形態1に係る光ディスクに対して、具体的には、第2反射層104とカバー層105との間に、第3ピットを有する第3基板111と第3反射層112とをさらに設けている。
この光ディスク100cでは、実施の形態1に係る光ディスクと同様に、第1反射層102の凹形状の第1ピットの深さdは、
λ/(4n)<d≦λ/(3n
の関係式を満足する。また、第2反射層104の凸形状の第2ピットの深さdは、
λ/(5n)≦d<λ/(4n
の関係式を満足する。
これによって凹形状の第1ピットからなる第1信号面と凸形状の第2ピットからなる第2信号面とは、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。そこで、各信号面のトラッキング制御を続けて行う場合にも極性を反転させる必要がない。
また、この光ディスク100cでは、第3反射層112の凹凸の差である第3ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、カバー層105の屈折率nとは、
λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n
の関係式を満たす。これによって、第3ピット深さdを再生信号が十分に得られる範囲(λ/(5n)≦d≦λ/(3n))としていると共に、プッシュプルトラッキングエラー信号の十分な大きさの振幅を得ることができない深さλ/(4n)を除外している。これによって、第3反射層112の第3ピットからなる第3信号面について十分な再生信号が得られるとともに、プッシュプルトラッキング方式でのトラッキング制御ができる。
さらに、光ディスク100cのレーザ光入射側から見て、第1ピットを凹形状ピット、第2ピットを凸形状ピット、第3ピットを凸形状ピットとする場合、上述の条件、
λ/(4n)<d≦λ/(3n
λ/(5n)≦d<λ/(4n
に加えて、さらに、
λ/(5n)≦d<λ/(4n
を満たすようにする。これによって、凹形状の第1ピットからなる第1信号面、凸形状の第2ピットからなる第2信号面、凸形状の第3ピットからなる第3信号面のいずれの信号面をプッシュプルトラッキング制御する場合にもそのプッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同一とすることができる。
なお、さらに4層以上の信号面を形成する場合にも、信号面を構成するピットの断面形状に応じてピット深さを制御することによって、各信号面についてプッシュプルトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る光ディスクについて図12を用いて説明する。図12は、この光ディスクの情報配置図である。例えば、この光ディスクでは、ディスクの主記録データの長さやディスクをコントロールするデータが含まれているディスクインフォメーション部501と、主データが記録されている主データ部502と、ディスクの主データ部終了後に記録されているディスク外周端を示すリードアウト部503とで構成されている。ディスクインフォメーション部501は、ディスクを再生するときに主データ部を読む前に始めに再生される情報部である。ディスクインフォメーション部501には予め蛇行したピット列が形成されており、ピット列にトラッキング制御を行う前にそのピットの蛇行の周波数を読み取ることによりそのディスクの各々の信号層のプッシュプルトラッキング極性を読み取ることができる。
この蛇行ピットの形成方法は、以下のような工程で行うことができる。
(a)例えば、フォトレジストが塗布されたSiウエハ等の基体を回転させながら電子線を照射するプロセスを用いる。このプロセスは、基体上で焦点を結んだ電子線のポインティングを基体の回転方向に対して垂直方向に偏向器を用いて振ることによって実現できる。
(b)電子線が照射されたフォトレジスト部は、現像プロセスを経て、その後、除去され、Siウエハの表面を露出させる。
(c)Siウエハ上に、導電膜のNiスパッタを行った後、Niメッキを施すことにより、蛇行信号ピットが凸形状に形成された金型(スタンパ)が作製される。
(d)次いで、スタンパを射出圧縮成形機の金型として設置し、ポリカーボネート等の樹脂材料を用いて射出成形することによって、蛇行信号ピットが凹形状に形成された基板を作製することができる。
なお、これ以後の光ディスクの製造方法については実施の形態1において述べているので説明を省略する。
なお、本発明は、様々な実施の形態に示される以下の構成をとることができる。第1の構成によれば、本発明に係る光記録媒体は、一方の面に凹形状の第1ピットを有する第1基板と、
前記第1基板の前記第1ピットを有する面の上に、前記第1ピットの凹凸を反映して形成された第1反射層と、
前記第1反射層の上に形成され、前記第1反射層と反対側の面に凸形状の第2ピットを有する第2基板と、
前記第2基板の第2ピットを有する面の上に、前記第2ピットの凸凹を反映して形成された第2反射層と、
前記第2反射層の上に形成されたカバー層と
を備え、
前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、4n<λ<4n、又は、4n<λ<4nのいずれかの関係式を満たすことを特徴とする。
上記構成によれば、前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、それぞれプッシュプルトラッキング方式でトラッキング制御した場合に、プッシュプルトラッキングエラー信号の極性が逆転するλ/(4n)を挟んで大小関係を有するように構成されている。これによって、第1反射層と第2反射層のそれぞれの信号面をプッシュプルトラッキング方式でトラッキング制御する際のトラッキングエラー信号の極性を同じにすることができる。そこで、再生する信号面を切り替えた場合にもトラッキングエラー信号の極性を切り替える必要がない。また、プッシュプルトラッキングエラー信号を得ることができ、位相差トラッキング制御方式とプッシュプルトラッキング制御方式の両方式のいずれでもトラッキング制御できる。
第2の構成によれば、前記第1ピット深さdと、前記第2ピット深さdとは、d>dの関係式を満たす。これによって、第1基板をピット深さが深くなる転写性のよい射出成形方式を用いて形成し、一方、第2基板をピット深さが浅くなりやすい転写用基板での転写によって形成できる。
第3の構成によれば、前記第1ピット深さd
λ/(4n)<d≦λ/(3n
の関係式を満たすと共に、前記第2ピット深さd
λ/(5n)≦d<λ/(4n
の関係式を満たす。
上記の構成によれば、いずれのピット深さd、dもλ/(5n)からλ/(3n)の間にあるので、それぞれの信号面で十分な大きさの再生信号が得られる。
上述の通り、本発明は好ましい実施形態により詳細に説明されているが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲内において多くの好ましい変形例及び修正例が可能であることは当業者にとって自明なことであろう。
本発明の実施の形態1に係る光ディスクの断面図である。 従来の技術に係る光ディスクの断面図である。 (a)は、第1基板を回転テーブルに吸着固定する工程を示す図であり、(b)は、紫外線硬化性樹脂を塗布する固定を示す図であり、(c)は、転写用基板を重ね合わせる工程を示す図である。 (a)は、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる工程を示す図であり、(b)は、転写用基板を剥離させる工程を示す図であり、(c)は、第2反射層を形成する工程を示す図である。 (a)は、カバー板を回転テーブルに吸着固定する工程を示す図であり、(b)は、紫外線硬化性樹脂を塗布する工程を示す図であり、(c)は、カバー板に第2反射層を対向させて重ね合わせる工程を示す図である。 (a)は、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる工程を示す図であり、(b)は、作製された光ディスクの断面図である。 ピット深さに対する再生信号のジッタとプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅の関係を示した図である。 ピット深さと再生信号の振幅及びプッシュプルトラッキングエラーの信号との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る光記録媒体の別例の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る光記録媒体の断面図である。 本発明の実施の形態3に係る光記録媒体の断面図である。 本発明の実施の形態4に係る光ディスクの情報配置図である。

Claims (15)

  1. 一方の面にピットを有する基板と、
    前記基板の前記ピットを有する面の上に、前記ピットの凹凸を反映して形成された反射層と、
    前記反射層の上に形成されたカバー層と
    を備え、
    前記反射層の凹凸の差であるピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n)の関係式を満たすことを特徴とする光記録媒体。
  2. 一方の面に第1ピットを有する第1基板と、
    前記第1基板の前記第1ピットを有する面の上に、前記第1ピットの凹凸を反映して形成された第1反射層と、
    前記第1反射層の上に形成され、前記第1反射層と反対側の面に第2ピットを有する第2基板と、
    前記第2基板の前記第2ピットを有する面の上に、前記第2ピットの凸凹を反映して形成された第2反射層と、
    前記第2反射層の上に形成されたカバー層と
    を備え、
    前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率nとは、
    λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
    の関係式を満たすと共に、
    前記第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
    λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
    の関係式を満たすことを特徴とする光記録媒体。
  3. 前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、凹形状のピットと凸形状のピットとの組み合わせ、又は、凸形状のピットと凹形状のピットとの組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
  4. 前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
    4n<λ<4n
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体。
  5. 前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
    4n<λ<4n
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体。
  6. 前記第1ピット深さdと、前記第2ピット深さdとは、d<dの関係式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
  7. 前記第1基板の第1ピットと前記第2基板の第2ピットとは、共に凹形状のピットの組み合わせ、又は、共に凸形状のピットの組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
  8. 前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
    λ<4n、且つ、λ<4n
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体。
  9. 前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、前記第2反射層の凸凹の差である第2ピット深さdとは、前記第2基板の屈折率nと、前記カバー層の屈折率nと、信号再生用のレーザ光の波長λとについて、
    4n<λ、且つ、4n<λ
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体。
  10. 前記第2基板は、紫外線硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項2から9のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  11. 前記第1反射層の第1ピット、又は、前記第2反射層の第2ピットのうち少なくとも一方にトラッキング極性の情報を有することを特徴とする請求項2から10のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  12. 前記トラッキング極性の情報は、蛇行ピット列によって記録されていることを特徴とする請求項11に記載の光記録媒体。
  13. 前記蛇行ピット列の蛇行は、周波数変調によって形成されていることを特徴とする請求項12に記載の光記録媒体。
  14. 前記カバー層に代えて、前記第2反射層の上に形成され、前記第2反射層と反対側の面に第3ピットを有し、屈折率nを有する第3基板と、
    前記第3基板の第3ピットを有する面の上に、前記第3ピットの凸凹を反映して形成された第3反射層と、
    前記第3反射層の上に形成されたカバー層と
    をさらに備え、
    前記第3反射層の凹凸の差である第3ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
    λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、且つ、d≠λ/(4n
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
  15. 一方の面に第1ピットを有する第1基板を形成する工程と、
    前記第1基板の第1ピットの上に、前記第1ピットの凹凸を反映させた第1反射層を形成する工程と、
    前記第1反射層の上に光硬化性樹脂を積層する工程と、
    前記光硬化性樹脂の上に、一方の面に転写ピット面を有する転写用基板を重ね合わせる工程と、
    前記転写用基板の側から前記光硬化性樹脂に向って光を照射して、前記光硬化性樹脂を硬化させて、前記光硬化性樹脂の表面に前記転写用基板の転写ピット面を転写した第2ピットを形成する工程と、
    前記第2ピットの凸凹を反映させた第2反射層を形成する工程と、
    前記第2反射層の上にカバー層を形成する工程と
    を含み、
    前記第1反射層の凹凸の差である第1ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記第2基板の屈折率nとは、
    λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
    の関係式を満たすと共に、
    前記第2反射層の凹凸の差である第2ピット深さdと、信号再生用のレーザ光の波長λと、前記カバー層の屈折率nとは、
    λ/(5n)≦d≦λ/(3n)、かつ、d≠λ/(4n
    の関係式を満たすことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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