JPH09251668A - 光学式記録媒体 - Google Patents

光学式記録媒体

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JPH09251668A
JPH09251668A JP8059612A JP5961296A JPH09251668A JP H09251668 A JPH09251668 A JP H09251668A JP 8059612 A JP8059612 A JP 8059612A JP 5961296 A JP5961296 A JP 5961296A JP H09251668 A JPH09251668 A JP H09251668A
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JP
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pit
signal
optical disc
depth
light
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JP8059612A
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Katsuhiko Otomo
勝彦 大友
Masaki Kagawa
正毅 香川
Hiroshi Nomura
宏 野村
Hiroyuki Takemoto
宏之 竹本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2407Tracks or pits; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24085Pits
    • GPHYSICS
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
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    • G11B7/08541Methods for track change, selection or preliminary positioning by moving the head involving track counting to determine position
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    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/09Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B7/0901Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following only

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピットが形成された領域にグルーブが無く、
しかも、グルーブが形成された光ディスクに対応した従
来のドライブ装置で再生することが可能な光学式記録媒
体を提供する。 【解決手段】 凹凸によって情報信号を示すピット1が
形成された光学式記録媒体において、上記ピット1の深
さt1をλ/(4n)〜λ/(2n)とし、上記ピット
1の幅t2を0.3〜0.6μmとする。ここで、n
は、光学式記録媒体の基板の屈折率であり、λは、再生
に使用される光の波長である。なお、本発明は、ISO
/IEC13549規格、ISO/IEC13963規
格又はISO/IEC15041規格に準拠した光ディ
スクの再生専用領域に対して、特に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生専用領域や、
情報信号の書き込みが可能な記録領域の一部等に、凹凸
によって情報信号を示すピットが予め形成された光学式
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野において、光を利
用して記録媒体に情報信号を書き込んだり、光を利用し
て記録媒体から情報信号を読み出したりする光学情報記
録方式に関する研究が各所で進められている。光学情報
記録方式は、媒体に対して非接触で記録や再生が行え
る、磁気記録方式に比べて非常に高い記録密度が達成で
きる、再生専用型・追記型・書換可能型等の様々な記録
形態に容易に対応できる、安価で大容量記録を実現でき
る等の数々の利点を有しており、情報記録の分野におい
て幅広く使用されるようになってきている。
【0003】このような光学情報記録方式に使用される
光学式記録媒体は、通常、円盤状に形成され、その主面
に渦巻状又は同心円状のトラックが形成される。そし
て、このような円盤状の光学式記録媒体は、一般に光デ
ィスクと呼ばれている。
【0004】上記光ディスクとしては、予め情報信号が
書き込まれており、情報信号の追記や書き換えができな
い再生専用光ディスクがある。この再生専用光ディスク
は、通常、図32に示すように、凹凸によって情報信号
を示すピット101だけがディスク面に形成されてい
る。ここで、ピット101は、エンボス加工等によって
形成される。そして、このような光ディスクでは、ピッ
ト101によって反射回折された光を検出することによ
ってトラッキング制御を行いながら、情報信号の再生を
行う。このように凹凸によって情報信号を示すピット1
01だけがディスク面に形成された再生専用光ディスク
は、構成が簡単なため、製造が容易で生産性に優れてい
る。このような光ディスクとしては、具体的には、音楽
情報等が記録されたデジタルオーディオディスクである
コンパクトディスク(CD)や、画像情報等が記録され
たデジタルビデオディスクであるレーザーディスク(L
D)等がある。
【0005】また、光ディスクとしては、光磁気記録方
式によって情報信号の追記や書き換えが可能な光磁気デ
ィスクや、媒体の相変化を利用することによって情報信
号の追記や書き換えが可能な相変化型光ディスク等のよ
うに、情報信号の追記や書き換えが可能な記録用光ディ
スクもある。このような光ディスクでは、通常、情報信
号の書き込みがなされる部分には、凹凸によって情報信
号を示すピットが形成されないので、凹凸によって情報
信号を示すピットによって反射回折された光を検出する
ことによってトラッキング制御を行うことができない。
そこで、このような光ディスクでは、例えば、図33に
示すように、トラッキング制御用の案内溝であるグルー
ブ102をトラックに沿って連続的に予め形成してお
き、情報信号の記録再生時には、このグルーブ102に
よって反射回折された光を検出することにより、トラッ
キング制御を行うようにする。このとき、情報信号は、
グルーブ102とグルーブ102との間の丘部であるラ
ンド103に書き込まれることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
グルーブ102が形成された光ディスクに対しても、再
生専用光ディスクの需要がある。そして、グルーブ10
2が形成された再生専用光ディスクを作製するとき、従
来は、図34に示すように、グルーブ102とグルーブ
102の間のランド103に、凹凸によって情報信号を
示すピット101を形成していた。しかし、このような
光ディスクでは、ピット101とグルーブ102の両方
を形成する必要があるため、ピット101だけが形成さ
れた光ディスクや、グルーブ102だけが形成された光
ディスクに比べて、構成が複雑で密なものとなり、その
ため、製造が非常に難しいという問題があった。
【0007】すなわち、ピット101とグルーブ102
の両方を有する光ディスクでは、ピット101の深さと
グルーブ102の深さとは異なるため、スタンパと呼ば
れる基板成形用の金属原盤を作製するときに、スタンパ
内に異なる高さの凹凸を形成する必要があった。そし
て、スタンパを作製する際に、異なる高さの凹凸を形成
することは非常に難しく、そのため、スタンパの歩留ま
りが悪くなってしまっていた。
【0008】また、ピット101とグルーブ102の両
方を有する光ディスクは、ピット101だけを有する光
ディスクや、グルーブ102だけを有する光ディスクを
作製するときよりも、スタンパによる基板の成形が非常
に難しくなる。ここで、図35に、ピット101だけを
有する光ディスクの基板を作製するときに使用されるス
タンパ、すなわち再生専用光ディスク用のスタンパの断
面図を示す。また、図36に、グルーブ102だけを有
する光ディスクの基板を作製するときに使用されるスタ
ンパ、すなわち記録用光ディスク用のスタンパの断面図
を示す。また、図37に、ピット101とグルーブ10
2の両方を有する光ディスクの基板を作製するときに使
用されるスタンパ、すなわち記録用光ディスクを再生専
用として作製するときに使用されるスタンパの断面図を
示す。これらの図35乃至図37において、矢印Aは、
基板作製時に基板材料である樹脂が流れ込む場所を示し
ている。図35に示すように、ピット101だけを有す
る光ディスクの基板は、ピット101に対応した凸部1
01aだけが形成されたスタンパに樹脂を流入させるこ
とによって作製され、また、図36に示すように、グル
ーブ102だけを有する光ディスクの基板は、グルーブ
102に対応した凸部102aだけが形成されたスタン
パに樹脂を流入させることによって作製される。これら
に対して、図37に示すように、ピット101とグルー
ブ102の両方を有する光ディスクの基板は、ピット1
01に対応した凸部101aとグルーブ102に対応し
た凸部102aの両方が形成されたスタンパに樹脂を流
入させることによって作製されるため、スタンパ内にお
いて樹脂が流入する領域が非常に少なくなる。そのた
め、ピット101とグルーブ102との両方を有する光
ディスクは、ピット101だけを有する光ディスクや、
グルーブ102だけを有する光ディスクを作製するとき
よりも、基板の作製が非常に難しくなる。
【0009】このように、グルーブ102が形成された
光ディスクの規格に対応した再生専用光ディスクは、製
造が難しいため製造コストが高くなってしまっており、
そのため、実用化があまり進んでいなかった。
【0010】ところで、通常、光ディスクのトラッキン
グ制御に関する規格は、トラッキング制御に必要な信号
が十分なレベルで得られるようにするように規定してお
り、上述のような光ディスクであっても、グルーブ10
2の存在を必須要件としている訳ではない。そこで、上
述のような光ディスクを再生専用として作製するときに
は、グルーブ102を無くしてしまい、ピット101だ
けを形成するようにすることが考えられる。これが実現
できれば、製造が容易になり、製造コストを大幅に低減
することが可能となる。
【0011】しかし、グルーブ102の形成を想定して
いた光ディスクから、単にグルーブ102を無くしてし
まうと、トラッキング制御が正常に行えなくなるという
問題が生じる。以下、この問題について説明する。
【0012】光ディスクのトラッキング制御では、通
常、トラッキングエラー検出用の信号としてプッシュプ
ル信号PPを利用し、また、光スポットが移動したとき
に光スポットがどれだけのトラックをまたいだかを検出
するための信号としてクロストラッキング信号を利用す
る。
【0013】プッシュプル信号PPは、ピット101や
グルーブ102によって反射回折された光を、図38に
示すように、トラック中心に対して対称に配置された2
分割光量検出器110上の2つの受光部111,112
で受光し、その出力差として取りだされるものである。
このとき、反射回折された光の分布は、光スポットとト
ラックとの相対位置によって変化し、2つの受光部11
1,112での出力差はその分布を反映する。したがっ
て、このプッシュプル信号PPにより、光スポットの位
置の誤り、つまりトラッキングエラーが検出されること
になる。
【0014】一方、クロストラック信号CTSとして
は、通常、上記2つの受光部111,112から出力さ
れた信号の和信号を利用する。このクロストラック信号
CTSは、光スポットをトラック方向に対して垂直又は
斜め方向に移動させたときの戻り光量として取りだされ
るものであり、このクロストラック信号CTSにより、
シーク動作時にどれだけのトラックをまたいで光スポッ
トが移動したのかがカウントされ、光スポットの移動量
や移動速度が検出されることとなる。
【0015】そして、グルーブ102が形成された光デ
ィスクでは、グルーブ2によって反射回折された光から
プッシュプル信号PPとクロストラック信号CTSを生
成する。ここで、記録や再生に使用される光の波長をλ
とし、基板の屈折率をnとしたとき、上記プッシュプル
信号PPは、グルーブ102の深さが約λ/(8n)の
ときに最大の出力が得られるようになり、上記クロスト
ラック信号CTSは、グルーブ102の深さが約λ/
(4n)のときに最大の出力が得られるようになる。そ
こで、通常、光ディスクのグルーブ2の深さは、プッシ
ュプル信号PPとクロストラック信号CTSの両方が高
いレベルで検出できるように、約λ/(7n)とされ
る。
【0016】なお、光ディスクに、ピット101とグル
ーブ102の両方があるときには、ピット101からの
信号とグルーブ102からの信号とを分けるため、ピッ
ト101の深さとグルーブ102の深さとは異なるもの
とされる。ここで、当然の事ながら、ピット101の深
さは、大きな再生信号出力が得られるように設定する必
要がある。そこで、これらを考慮して、通常、ピット1
01とグルーブ102の両方があるとき、ビット101
の深さは、約λ/(4n)とされる。
【0017】一方、ピット101のみが形成された再生
専用光ディスクでは、ピット101によって反射回折さ
れた光から、再生信号だけでなく、プッシュプル信号P
Pとクロストラック信号CTSも生成しなければならな
いので、ピット101の深さは、これらの各信号が高い
レベルで検出できるように、通常、約λ/(5n)に設
定される。
【0018】このような光ディスクにおいて、光スポッ
トの位置とプッシュプル信号PPとの関係について、図
39及び図40に示す。ここで、図39は、ピット10
1とグルーブ102が形成された光ディスクにおいて、
グルーブ102によって生成されるプッシュプル信号P
Pの例を示している。また、図40は、ピット101だ
けが形成された光ディスクにおいて、ピット101によ
って生成されるプッシュプル信号PPの例を示してい
る。これらの図39及び図40に示すように、グルーブ
102が形成された光ディスクによって生成されるプッ
シュプル信号PPと、ピット101だけが形成された光
ディスクによって生成されるプッシュプル信号PPと
は、極性が反対となる。
【0019】すなわち、図39に示す例では、光スポッ
トが左にずれたときにプッシュプル信号PPがマイナス
となり、光スポットが右にずれたときにプッシュプル信
号PPがプラスとなるのに対して、図40に示す例で
は、光スポットが左にずれたときにプッシュプル信号P
Pがプラスとなり、光スポットが右にずれたときにプッ
シュプル信号PPがマイナスとなる。そのため、グルー
ブ102が形成された光ディスクに対応したドライブ装
置で、ピット101のみが形成された光ディスクの再生
を行うと、トラッキング制御が正常に行われず、光学ピ
ックアップを左に動かすべきときに、光学ピックアップ
を右に動かすようにサーボが働いてしまい、光学ピック
アップを右に動かすべきときに、光学ピックアップを左
に動かすようにサーボが働いてしまう。
【0020】以上の説明から分かるように、グルーブ1
02の形成を想定していた光ディスクから単にグルーブ
102を無くしてしまうと、プッシュプル信号PPの極
性が反転してしまうためにトラッキング制御が正常に行
えなくなってしまい、グルーブ102が形成された光デ
ィスクに対応したドライブ装置では再生することができ
なくなってしまう。したがって、グルーブ102が形成
された光ディスクに対応した従来のドライブ装置との互
換性を考慮すると、グルーブ102の形成を想定してい
た光ディスクから単にグルーブ102を無くしてしまう
という訳にはいかなかった。
【0021】そして、本発明は、以上のような従来の実
情に鑑みて提案されたものであり、ピットが形成された
領域にグルーブが無く、しかも、グルーブが形成された
光ディスクに対応した従来のドライブ装置で再生するこ
とが可能な光学式記録媒体を提供することを目的として
いる。
【0022】
【課題を解決するための手段】図1に、ピットからの反
射回折光によって得られるプッシュプル信号PPの出力
レベルと、ピットの深さとの関係を示す。このように、
ピットからの反射回折光によって得られるプッシュプル
信号PPは、ピットの深さが約λ/(8n)のときにピ
ークとなり、その後はピットが深くなるに従って減少
し、ピットの深さが約λ/(4n)のときに零となる。
しかし、プッシュプル信号PPは、ピットの深さを更に
深くすると、逆位相となって出力レベルが増大し、ピッ
トの深さが約(3λ)/(8n)のときに再びピークと
なる。そして、その後はピットが深くなるに従って減少
し、ピットの深さが約λ/(2n)のときに再び零とな
る。このように、ピットからの反射回折光によって得ら
れるプッシュプル信号PPの極性は、ピットの深さを深
くすると反転する。そして、本発明は、このようにプッ
シュプル信号PPの極性がピットの深さを深くすると反
転するということに着目してなされたものである。
【0023】すなわち、本発明に係る光学式記録媒体
は、凹凸によって情報信号を示すピットが形成された光
学式記録媒体であって、光学式記録媒体の基板の屈折率
をnとし、再生に使用される光の波長をλとしたとき、
上記ピットの深さがλ/(4n)〜λ/(2n)であ
り、上記ピットの幅が0.3〜0.6μmであり、上記
光の波長λが795nm以下であることを特徴とするも
のである。
【0024】この光学式記録媒体としては、具体的に
は、上記光の波長λが770〜795nmで、上記ピッ
トの深さが170〜220nmであるものや、上記光の
波長λが675〜695nmで、上記ピットの深さが1
60〜200nmであるものや、上記光の波長λが77
0〜795nm又は675〜695nmで、上記ピット
の深さが170〜200nmであるもの等が挙げられ
る。
【0025】なお、上記光学式記録媒体のピットは、再
生専用領域に形成されたピットに限られるものではな
く、情報信号の書き込みが可能な記録領域に形成された
ピットであってもよい。
【0026】上述したように、ピットの深さをλ/(4
n)〜λ/(2n)とすると、ピットからの反射回折光
によるプッシュプル信号PPの極性が反転する。したが
って、ピットの深さをλ/(4n)〜λ/(2n)とし
た本発明に係る光学式記録媒体では、グルーブによって
反射回折された光によって得られるプッシュプル信号P
Pと同様なプッシュプル信号PPを、ピットによって反
射回折された光によって得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能
であることは言うまでもない。
【0028】本実施の形態に係る光学式記録媒体は、7
95nm以下の波長の光で再生が行われる光ディスクで
あり、図2及び図3に示すように、ディスク面の少なく
とも一部に、凹凸によって情報信号を示すピット1が予
め形成されている。そして、このようなピット1が形成
されている部分には、グルーブが形成されていない。こ
こで、この光ディスクの基板の屈折率をnとし、再生に
使用される光の波長をλとしたとき、上記ピット1の深
さt1は、λ/(4n)〜λ/(2n)である。ただ
し、ピット1の深さt1を必要以上に深くすると、ディ
スクの生産性が悪くなるので、ピット1の深さt1は、
(3λ)/(8n)程度が好ましい。また、上記ピット
1の幅t2は、0.3〜0.6μmとする。
【0029】そして、後述するISO/IEC1354
9規格又はISO/IEC13963規格のように、再
生時に使用される光の波長λが770〜795nmのと
きには、上記ピット1の深さt1は170〜220nm
が好ましい。また、後述するISO/IEC15041
規格のように、再生時に使用される光の波長λが675
〜695nmのときには、上記ピット11の深さt1は
160〜200nmが好ましい。
【0030】つぎに、具体的な規格に準拠した光ディス
クを対象として、ピット1の形状と検出される信号との
関係について、シミュレーションを行った結果について
説明する。なお、以下の説明では、具体的なISOの規
格を例示するが、本発明はこれらの規格に準拠した光デ
ィスクに限定されるものではない。また、以下の説明で
は、スカラー回折理論に基づいたFFT解析によるシミ
ュレーションを行った結果を示すが、これらのシミュレ
ーションにおけるパラメータは本発明を限定するもので
はない。
【0031】まず、ISO/IEC13549規格又は
ISO/IEC13963規格に準拠した光ディスクを
例に挙げて説明する。
【0032】ISO/IEC13549規格は、直径1
30mmの光磁気ディスクに対して両面で1.3Gby
teの情報信号を格納する規格であり、ISO/IEC
13963規格は、直径90mmの光磁気ディスクに対
して片面で230Mbyteの情報信号を格納する規格
である。そして、ISO/IEC13549規格又はI
SO/IEC13963規格(以下、これらの規格をま
とめて2倍密MO規格と呼ぶ。)において、再生に使用
される光の波長λは、770〜795nmと規定されて
いる。また、2倍密MO規格における基本的な構成で
は、トラックピッチが1.39μmとされ、記録密度が
0.86μm/bitとされ、変調方式が(2,7)R
LLピットポジションモジュレーションとされる。そし
て、従来、2倍密MO規格の規格に準拠した光ディスク
では、ピットの幅が約0.5μmとされ、ピットの深さ
が約120nmとされていた。
【0033】2倍密MO規格において、プッシュプル信
号PP及びクロストラック信号CTSは、図4に示すよ
うに定義される。すなわち、2分割光量検出器2の第1
の受光部2aによって検出された光量をI1とし、2分
割光量検出器2の第2の受光部2bによって検出された
光量をI2とし、光スポットがランド上にあるときに第
1の受光部2aによって検出される光量I1と、第2の
受光部2bによって検出される光量I2との和を(I1+I
2)OL としたとき、2倍密MO規格におけるプッシュプ
ル信号PPは下記式(1)で表される信号として定義さ
れ、2倍密MO規格におけるクロストラック信号CTS
は下記式(2)で表される信号として定義される。すな
わち、2倍密MO規格において、プッシュプル信号PP
及びクロストラック信号CTSは、ランドからの戻り光
量で規格化される。
【0034】 プッシュプル信号PP=(I1−I2)/(I1+I2)OL ・・・(1) クロストラック信号CTS=(I1+I2)/(I1+I2)OL ・・・(2) そして、2倍密MO規格において、ピットが存在する領
域のトラッキング制御に使用されるプッシュプル信号P
P及びクロストラック信号CTSの振幅は次のように規
定されている。
【0035】レーザー光の偏光方向がトラックに平行の
場合 0.35≦プッシュプル信号PP≦0.90 0.12≦クロストラック信号CTS≦0.60 レーザー光の偏光方向がトラックに垂直の場合 0.22≦プッシュプル信号PP≦0.70 0.20≦クロストラック信号CTS≦0.75 なお、以下の説明では、スカラー回折理論に基くシミュ
レーションを行っているために、光学系の偏光方向の違
いによる効果は論じることができない。しかし、定性的
な推論は可能であるし、また、スカラー回折理論に基く
シミュレーションよって予測された範囲を中心に多少の
チューニングを行うことにより、所望の特性を持つディ
スクを製造することは容易に可能である。そこで、本実
施の形態では、垂直・平行の両偏光に対するスペックの
中心付近の値を持つように、ピットの形状を規定する。
【0036】以下、2倍密MO規格に準拠した光ディス
クにピットだけが形成されてグルーブが形成されていな
いときについて、ピットの形状と検出される信号との関
係についてシミュレーションを行った結果を示す。
【0037】なお、以下のシミュレーションでは、図5
に示すように、トラックピッチt3を1.39μmと
し、ピット1の両サイドのテーパーt4を0.1μmと
して、ピット1の深さt1と幅t2を変化させて、検出
される信号の傾向を調べた。また、以下のシミュレーシ
ョンでは、ドライブ装置の光学系として、規格制定時に
主流であった、波長λ=780nm、開口数NA=0.
55、A/W=(1.0,1.0)のものを想定し、光
ディスクの基板材料として、屈折率nが1.58のポリ
カーボネートを想定した。
【0038】ここで、A/W(Filling of Lens )は、
照射面における光の強度分布を規定する光学系のパラメ
ータの1つである。これは、光ディスクに入射される記
録及び/又は再生光として、ガウシアン分布のビームと
して近似されるレーザ光を使用した場合に、このレーザ
光が、どの程度対物レンズでけられるかを示す指標であ
る。すなわち、図6に示すように、Aは対物レンズの実
効半径を示し、Wはレーザ光の対物レンズ上におけるス
ポットサイズ、すなわちビーム中心での光強度を1とし
たときに光強度が1/e2 となる位置の径を示してい
る。なお、以下のシミュレーションでは、入射されるレ
ーザ光のスポット形状は円状であるものとしており、偏
光方向の効果は無視している。したがって、入射される
レーザ光のx方向のスポットサイズWx と、y方向のス
ポットサイズWy とは同じものとして、スカラー回折理
論に基づいて計算を行っている。すなわち、以下のシミ
ュレーションでは、A/W=(A/Wx ,A/Wy )に
おいて、A/Wx =A/Wとしている。
【0039】まず、ピットの幅と深さとをパラメータと
して、ピット上を光スポットが通過したときのプッシュ
プル信号PPのピーク値を計算した結果を図7に示す。
なお、ここでのプッシュプル信号PPは、便宜上、ミラ
ー面からの戻り光量で規格化している。ここで、光源の
波長λが780nm、基板の屈折率nが1.58なの
で、約62nmがλ/(8n)に相当し、約124nm
がλ/(4n)に相当し、約165nmがλ/(3n)
に相当する。この図7から、プッシュプル信号PPは、
ピットの深さが約λ/(8n)のときにピークとなり、
その後、ピットの深さが深くなるに従って小さくなり、
ピットの深さが約λ/(4n)のときに零となることが
分かる。そして、ピットの深さが更に深くなると、プッ
シュプル信号PPの極性が反転して、プッシュプル信号
PPは、ピットの深さが約(3λ)/(8n)のときに
再びピークとなり、その後、ピットの深さが深くなるに
従って小さくなり、ピットの深さが約λ/(2n)のと
きに再び零となることが分かる。
【0040】したがって、ピットの深さをλ/(4n)
〜λ/(2n)とすることにより、2倍密MO規格に対
応した極性のプッシュプル信号PPを得ることが可能と
なる。すなわち、2倍密MO規格に準拠した光ディスク
としては、図7中のP1で示す部分が、プッシュプル信
号PPの振幅が大きく、極性が正しいので好適である。
一方、図7中のP2で示す部分は、プッシュプル信号P
Pの振幅は大きいが、極性が反転してしまっているので
不適である。
【0041】つぎに、ピットの幅と深さをパラメータと
して、ピット上を光スポットが通過したときのクロスト
ラック信号CTSのピーク値を計算した結果を図8に示
す。なお、ここでのクロストラック信号CTSは、便宜
上、ミラー面からの戻り光量で規格化している。この図
8から、クロストラック信号CTSの振幅は、ピットの
深さがλ/(4n)近傍のときに最大になり、その前後
において減少していることが分かる。すなわち、クロス
トラック信号CTSは、ピットの深さをλ/(4n)〜
λ/(2n)としても、ピットの深さがλ/(8n)〜
λ/(4n)のときと同レベルとなっている。また、ク
ロストラック信号CTSは、ピットの幅が約0.4μm
のときに最大となる。そして、ピットの幅がトラックピ
ッチの半分を越えると、幅の広い方からの戻り光量が多
くなるため、クロストラック信号CTSの極性が反転す
る。したがって、ピットの幅は、0.4μm近傍が好ま
しく、少なくとも、トラックピッチの半分以下にする必
要がある。
【0042】上記図7及び図8に示したシミュレーショ
ン結果から、上述したように、プッシュプル信号PP及
びクロストラック信号CTSの挙動が概ね分かった。し
かし、2倍密MO規格では、上述したように、ミラー面
からの戻り光量ではなく、ランドからの戻り光量によっ
てプッシュプル信号PP及びクロストラック信号CTS
を規格化する。そこで、ランドからの戻り光量によって
規格化したプッシュプル信号PPを計算した結果と、ラ
ンドからの戻り光量によって規格化したクロストラック
信号CTSを計算した結果とを図9に示す。
【0043】なお、ここでの計算は、2倍密MO規格に
おいて要求されるプッシュプル信号PP及びクロストラ
ック信号CTSを考慮して、プッシュプル信号PPに関
しては、−0.02、−0.35、−0.70、−0.
90のレベルについて計算し、クロストラック信号CT
Sに関しては、0.12、0.20、0.60、0.7
5のレベルについて計算した。したがって、この図9に
おいて、各曲線で囲まれた範囲P3が、2倍密MO規格
に準拠した光ディスクとして好適な範囲となる。具体的
には、ピットの深さが約170〜220nmで、ピット
の幅が約0.3〜0.6μmのときが、2倍密MO規格
に準拠した光ディスクとして好適であることが分かる
(以下、このようなピット形状の光ディスクを、第1実
施例光ディスクと呼ぶ。)。
【0044】つぎに、第1実施例光ディスクから、適切
な情報信号が検出できるかを確認した結果について説明
する。
【0045】2倍密MO規格では、上述したように、記
録密度が0.86μm/bitとされ、変調方式が
(2,7)RLLピットポジション変調とされるので、
最短パターンは1.29μmとなり、最長パターンは
3.44μmとなる。
【0046】そこで、まず、ピットの幅と深さをパラメ
ータとして、最短パターンからの信号である3T信号
を、ミラー面からの戻り光量で規格化して求めた。結果
を図10に示す。この図10から、3T信号は、ピット
の深さがλ/(4n)近傍のときに最大になり、その前
後において減少することが分かる。すなわち、3T信号
は、ピットの深さをλ/(4n)〜λ/(2n)として
も、ピットの深さがλ/(8n)〜λ/(4n)のとき
と同レベルとなる。したがって、従来の光ディスクと同
レベルの3T信号が、第1実施例光ディスクによっても
得られる。
【0047】つぎに、ピットの幅と深さをパラメータと
して、最長パターンからの信号である8T信号を、ミラ
ー面からの戻り光量で規格化して求めた。結果を図11
に示す。この図11から、8T信号は、ピットの深さが
λ/(4n)近傍のときに最大になり、その前後におい
て減少することが分かる。すなわち、8T信号は、ピッ
トの深さをλ/(4n)〜λ/(2n)としても、ピッ
トの深さがλ/(8n)〜λ/(4n)のときと同レベ
ルとなる。したがって、従来の光ディスクと同レベルの
8T信号が、第1実施例光ディスクによっても得られ
る。
【0048】つぎに、ピットの幅と深さをパラメータと
して、クロストークを計算した結果を図12に示す。こ
こで、クロストークは、最短パターンのピットからの信
号振幅に対する、隣接トラックの最長パターンのピット
からの漏れ込み信号振幅として定義している。すなわ
ち、図12は、8T信号と3T信号とのクロストークを
示している。この図12から、ピット幅を約0.3〜
0.6μmとしている第1実施例光ディスクでは、クロ
ストークが十分に小さく、問題がないことが分かる。
【0049】以上、図10〜図12に示した結果から明
らかなように、第1実施例光ディスクからは、適切な情
報信号を検出することができる。すなわち、本実施の形
態によれば、2倍密MO規格で要求される信号品質を満
たしながらも、2倍密MO規格に準拠した光ディスクか
ら、グルーブを取り除くことが可能となる。
【0050】つぎに、ISO/IEC15041規格
(以下、この規格を5倍密MO規格と呼ぶ。)に準拠し
た光ディスクを例に挙げて説明する。なお、5倍密MO
規格は現在審議中であるので、以下の説明では現在審議
されている内容を基に説明する。なお、5倍密MO規格
が正式に制定されるときには、信号レベル等の値の規定
に多少の変更があるかもしれないが、たとえ変更があっ
たとしても、以下の説明で挙げる値を大きく逸脱すると
は考えられず、本発明を適用可能であることは言うまで
もない。
【0051】5倍密MO規格は、直径90mmの光磁気
ディスクに対して片面で640Mbyteの情報信号を
格納する規格である。そして、5倍密MO規格におい
て、再生に使用される光の波長λは、675〜695n
mと規定されている。また、5倍密MO規格における基
本的な構成では、トラックピッチが1.10μmとさ
れ、記録密度が0.50μm/bitとされ、変調方式
が(1,7)RLLパルス幅変調とされる。そして、従
来の技術を適用したとき、5倍密MO規格の規格に準拠
した光ディスクでは、ピットの幅が約0.4μmとさ
れ、ピットの深さが約110nmとされる。
【0052】この5倍密MO規格では、2倍密MO規格
と同様に、プッシュプル信号PPは上記式(1)によっ
て定義され、クロストラック信号CTSは上記(2)式
によって定義される。そして、5倍密MO規格におい
て、ピットが存在する領域のトラッキング制御に使用さ
れるプッシュプル信号PP及びクロストラック信号CT
Sの振幅は次のように規定されている。
【0053】レーザー光の偏光方向がトラックに平行の
場合 0.20≦プッシュプル信号PP≦0.60 0.45≦クロストラック信号CTS≦0.90 レーザー光の偏光方向がトラックに垂直の場合 0.20≦プッシュプル信号PP≦0.60 0.30≦クロストラック信号CTS≦0.75 以下、5倍密MO規格に準拠した光ディスクにピットだ
けが形成されグルーブが形成されていないときについ
て、ピットの形状と検出される信号との関係についてシ
ミュレーションを行った結果を示す。なお、以下のシミ
ュレーションでは、トラックピッチを1.1μmとし、
ピットの両サイドのテーパーを0.1μmとして、ピッ
トの幅と深さを変化させて、検出される信号の傾向を調
べた。また、以下のシミュレーションでは、ドライブ装
置の光学系として、波長λ=680nm、開口数NA=
0.55、A/W=(0.85,0.85)のものを想
定し、ディスクの基板材料として、屈折率nが1.58
のポリカーボネートを想定した。
【0054】まず、ピットの幅と深さをパラメータとし
て、最長パターンである8Tマークのピットを光スポッ
トが通過したときのプッシュプル信号PPのピーク値を
計算した結果を図13に示す。なお、ここでのプッシュ
プル信号PPは、便宜上、ミラー面からの戻り光量で規
格化している。ここで、光源の波長λが680nm、基
板の屈折率nが1.58なので、約54nmがλ/(8
n)に相当し、約108nmがλ/(4n)に相当し、
約165nmが(3λ)/(8n)に相当する。この図
13から、プッシュプル信号PPは、ピットの深さが約
λ/(8n)のときにピークとなり、その後、ピットの
深さが深くなるに従って小さくなり、ピットの深さが約
λ/(4n)のときに零となることが分かる。そして、
ピットの深さが更に深くなると、プッシュプル信号PP
の極性が反転して、プッシュプル信号PPは、ピットの
深さが約(3λ)/(8n)のときに再びピークとな
り、その後、ピットの深さが深くなるに従って小さくな
り、ピットの深さが約λ/(2n)のときに再び零とな
ることが分かる。したがって、ピットの深さをλ/(4
n)〜λ/(2n)とすることにより、5倍密MO規格
に対応した極性のプッシュプル信号PPを得ることが可
能となる。すなわち、5倍密MO規格に準拠した光ディ
スクとしては、図13のQ1で示す部分が、プッシュプ
ル信号PPの振幅が大きく、極性が正しいので好適であ
る。一方、図13のQ2で示す部分は、プッシュプル信
号PPの振幅は大きいが、極性が反転してしまっている
ので不適である。
【0055】つぎに、ピットの幅と深さをパラメータと
して、最長パターンである8Tマークのピットを光スポ
ットが通過したときのクロストラック信号CTSのピー
ク値を計算した結果を図14に示す。なお、ここでのク
ロストラック信号CTSは、便宜上、ミラー面からの戻
り光量で規格化している。この図14から、クロストラ
ック信号CTSは、ピットの深さがλ/(4n)近傍の
ときに最大になり、その前後において減少していること
が分かる。すなわち、クロストラック信号CTSは、ピ
ットの深さをλ/(4n)〜λ/(2n)としても、ピ
ットの深さがλ/(8n)〜λ/(4n)のときと同レ
ベルとなっている。また、クロストラック信号CTS
は、ピットの幅が約0.35μmのときに最大となる。
そして、ピットの幅がトラックピッチの半分を越える
と、幅の広い方からの戻り光量が多くなるため、クロス
トラック信号CTSの極性が反転する。したがって、ピ
ットの幅は、0.35μm近傍が好ましく、少なくと
も、トラックピッチの半分以下にする必要がある。
【0056】上記図13及び図14に示したシミュレー
ション結果から、上述したように、プッシュプル信号P
P及びクロストラック信号CTSの挙動が概ね分かっ
た。しかし、5倍密MO規格では、上述したように、ミ
ラー面からの戻り光量ではなく、ランドからの戻り光量
によってプッシュプル信号PP及びクロストラック信号
CTSを規格化する。そこで、ランドからの戻り光量に
よって規格化したプッシュプル信号PPを計算した結果
と、ランドからの戻り光量によって規格化したクロスト
ラック信号CTSを計算した結果とを図15に示す。
【0057】なお、ここでの計算は、5倍密MO規格に
おいて要求されるプッシュプル信号PP及びクロストラ
ック信号CTSを考慮して、プッシュプル信号PPに関
しては、−0.30、−0.45、−0.75、−0.
90のレベルについて計算し、クロストラック信号CT
Sに関しては、0.20、0.60のレベルについて計
算した。したがって、この図15において、各曲線で囲
まれた範囲Q3が、5倍密MO規格に準拠した光ディス
クとして好適な範囲となる。具体的には、ピットの深さ
が約160〜220nmで、ピットの幅が約0.3〜
0.5μmのときが、5倍密MO規格に準拠した光ディ
スクとして好適であることが分かる(以下、このような
ピット形状の光ディスクを、第2実施例光ディスクと呼
ぶ。)。
【0058】つぎに、第2の実施例光ディスクから、適
切な情報信号が検出できるかを確認した結果について説
明する。
【0059】5倍密MO規格では、上述したように、記
録密度が0.50μm/bitとされ、変調方式が
(1,7)RLLピット幅変調とされるので、ピットの
最短パターンは0.66μmとなり、ピットの最長パタ
ーンは2.66μmとなる。
【0060】そこで、まず、ピットの幅と深さをパラメ
ータとして、最短パターンからの信号である2T信号
を、ミラー面からの戻り光量で規格化して求めた。結果
を図16に示す。この図16から、2T信号は、ピット
の深さがλ/(4n)近傍のときに最大になり、その前
後において減少することが分かる。すなわち、2T信号
は、ピットの深さをλ/(4n)〜λ/(2n)として
も、ピットの深さがλ/(8n)〜λ/(4n)のとき
と同レベルとなる。したがって、従来の光ディスクと同
レベルの2T信号が、第2実施例光ディスクによっても
得られる。
【0061】つぎに、ピットの幅と深さをパラメータと
して、最長パターンからの信号である8T信号を、ミラ
ー面からの戻り光量で規格化して求めた。結果を図17
に示す。この図17から、8T信号は、ピットの深さが
λ/(4n)近傍のときに最大になり、その前後におい
て減少することが分かる。すなわち、8T信号は、ピッ
トの深さをλ/(4n)〜λ/(2n)としても、ピッ
トの深さがλ/(8n)〜λ/(4n)のときと同レベ
ルとなる。したがって、従来の光ディスクと同レベルの
8T信号が、第2実施例光ディスクによっても得られ
る。
【0062】つぎに、ピットの幅と深さをパラメータと
して、クロストークを計算した結果を図18に示す。こ
こで、クロストークは、最短パターンのピットからの信
号振幅に対する、隣接トラックの最長パターンのピット
からの漏れ込み信号振幅として定義している。すなわ
ち、図18は、8T信号と2T信号とのクロストークを
示している。この図18から、ピット幅を約0.3〜
0.5μmとしている第1実施例光ディスクでは、クロ
ストークが十分に小さく、問題がないことが分かる。
【0063】つぎに、アシンメトリーについて評価した
結果を示す。アシンメトリーとは、記録されたデータパ
ターンによって信号振幅の中心レベルが変動する現象の
ことである。光ディスクから正確に情報を読みとるため
には、信号検出時のしきい値が一定であるほうが望まし
い。そして、しきい値固定で信号検出を行う場合、信号
振幅中心レベルの変動はジッタの増加に直結し、読み取
りエラーを悪化させることとなる。したがって、光ディ
スクは、アシンメトリーが小さい方が好ましい。
【0064】そこで、ピットの幅と深さをパラメータと
して、アシンメトリーの大きさを計算した。結果を図1
9に示す。ここで、アシンメトリーの大きさは、2T信
号の振幅中心と8T信号の振幅中心とのズレを、8T信
号の振幅で規格化して求めた。この図19から、アシン
メトリーは、ピットの幅を広くすると大きくなることが
分かる。そして、ピット幅を約0.3〜0.5μmとし
ている第2実施例光ディスクでは、アシンメトリーが十
分に小さく、問題が無いことが分かる。
【0065】以上、図16〜図19に示した結果から明
らかなように、第1実施例光ディスクからは、適切な情
報信号を検出することができる。すなわち、本実施の形
態によれば、5倍密MO規格で要求される信号品質を満
たしながらも、5倍密MO規格に準拠した光ディスクか
ら、グルーブを取り除くことが可能となる。
【0066】なお、以上のような第1実施例光ディスク
及び第2実施例光ディスクでは、トラックに沿って連続
的に形成されていたグルーブに変えて、トラック上に離
散的に形成されるピットにより、プッシュプル信号PP
及びクロストラック信号CTSを検出することとなる
が、これは特に問題とはならない。特に、4倍密MO規
格や5倍密MO規格では、情報の記録にマーク長変調を
採用しているので、ピットとピットとの間のスペースは
ほぼ等確率で出現する。そのため、グルーブが無くて
も、ピットからだけで十分なプッシュプル信号PP及び
クロストラック信号CTSを得られる。そして、このよ
うにピットだけからの信号によって十分なトラッキング
制御が行えることは、コンパクトディスク等の実績から
も明らかである。
【0067】ところで、第1実施例光ディスクにおける
ピット形状の条件と、第2実施例光ディスクにおけるピ
ット形状の条件とは、互いに重なる範囲がある。そこ
で、ピット形状の条件が重なり合う部分に、ピット形状
の条件を設定することにより、2倍密MO規格と5倍密
MO規格との両方の規格を満たすことが可能となる。具
体的には、ピットの深さを170nm〜200nmと
し、ピットの幅を0.3μm〜0.5μmとすることに
より、2倍密MO規格と5倍密MO規格との両方の規格
を満たすことが可能となる。このような光ディスクで
は、2倍密MO規格と5倍密MO規格との両方の規格を
満たしているので、波長λが約780nmの光を用いる
2倍密MO規格に対応したドライブ装置と、波長λが約
680nmの光を用いる5倍密MO規格に対応したドラ
イブ装置との両方のドライブ装置に対してバランスの取
れた光ディスクとなる。
【0068】なお、本発明は、予めピットによって情報
信号が書き込まれた領域である再生専用領域だけを備え
た再生専用光ディスク(以下、ROMディスクと呼
ぶ。)に限定されるものではない。すなわち、本発明
は、情報信号の書き込みが可能な領域である記録領域を
備えた光ディスク(以下、RAMディスクと呼ぶ。)
や、予めピットによって情報信号が書き込まれた領域で
ある再生専用領域と、情報信号の書き込みが可能な領域
である記録領域との両方を備えた光ディスク(以下、P
−ROMディスクと呼ぶ。)等にも適用可能である。
【0069】これらの光ディスクにおいて、再生専用領
域は、例えば、図20に示すように、ポリカーボネート
(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、
ポリ塩化ビニール(PVC)又はガラス等からなる透明
基板10の上に、Al、Ag、Au、Cu、Ti、Ni
等の金属又はそれらの合金等からなる反射膜11が形成
され、更に、反射膜11の上に紫外線硬化樹脂等からな
る保護膜12が形成されてなる。
【0070】また、記録領域は、光磁気ディスクの場
合、例えば、図21に示すように、ポリカーボネート
(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、
ポリ塩化ビニール(PVC)又はガラス等からなる透明
基板13の上に、光磁気記録層14が形成され、更に、
光磁気記録層14の上に紫外線硬化樹脂等からなる保護
膜15が形成されてなる。ここで、光磁気記録層14
は、例えば、SiN、SiO、ZnS等からなる第1の
誘電体薄膜14aと、TbFeCo、GdFeCo、G
dTbFeCo、DyFeCo等からなる稀土類−遷移
金属合金薄膜14bと、SiN、SiO、ZnS等から
なる第2の誘電体薄膜14cと、Al、Ag、Au、C
u、Ti、Ni等の金属又はそれらの合金等からなる反
射膜14dとを順次積層した4層構造の積層膜が好適で
ある。
【0071】また、記録領域は、相変化型光ディスクの
場合、例えば、図22に示すように、ポリカーボネート
(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、
ポリ塩化ビニール(PVC)又はガラス等からなる透明
基板16の上に、相変化型記録層17が形成され、更
に、相変化型記録層17の上に紫外線硬化樹脂等からな
る保護膜18が形成されてなる。ここで、相変化型記録
層17は、例えば、ZnS、SiO2、SiN又はそれ
らの合金等からなる第1の誘電体薄膜17aと、Ge、
Sb、Se、Bi、Teのいずれかを含む2又は3元の
カルコゲン金属合金薄膜17bと、ZnS、SiO2、
SiN又はそれらの合金等からなる第2の誘電体薄膜1
7cと、Al、Ag、Au、Cu、Ti、Ni等の金属
又はそれらの合金等からなる反射膜17dとを順次積層
した4層構造の積層膜が好適である。
【0072】以下、RAMディスクに本発明を適用する
ときと、P−ROMディスクに本発明を適用するときと
について説明する。
【0073】RAMディスクの場合、情報信号が実際に
書き込まれる部分にはピットは形成されない。しかし、
記録領域内には、ピットによってアドレス情報等が予め
書き込まれたヘッダー部が形成される。したがって、従
来のRAMディスクでは、ヘッダー部にグルーブとピッ
トの両方が形成されていた。そこで、このヘッダー部に
本発明を適用して、ヘッダー部からグルーブを無くすこ
とにより、同一トラックにグルーブとピットの両方が存
在するようなことがなくなる。すなわち、図23に示す
ように、情報信号が実際に書き込まれる部分D1には、
グルーブgを残し、ヘッダー部H1については、ピット
pを深くしてグルーブを無くす。これにより、同一トラ
ック内にグルーブgとピットpの両方が存在するような
ことがなくなり、製造が非常に容易になる。
【0074】つぎに、P−ROMディスクについて説明
する。
【0075】従来、P−ROMディスクは、図24及び
図25に示すように、再生専用領域S1の構成と、記録
領域Wのヘッダー部hの構成とが同じとなっていた。こ
こで、図24は、再生専用領域R及び記録領域Wのフォ
ーマットを模式的に示す平面図であり、図25は、図2
4のA3−A4線における断面図、すなわち再生専用領
域Rの断面及び記録領域Wのヘッダー部hの断面を示す
図である。
【0076】これに対して、再生専用領域にだけ本発明
を適用したP−ROMディスクのフォーマットを図26
に示す。ここで、図26は、再生専用領域R及び記録領
域Wのフォーマットを模式的に示す平面図であり、図2
7は、図26のA5−A6線における断面図、すなわち
再生専用領域Rの断面及び記録領域Wのヘッダー部hの
断面を示す図である。このP−ROMディスクは、再生
専用領域Rにグルーブが無く、特に基板を形成する上
で、製造が容易である。しかし、このようなP−ROM
ディスクでは、スタンパを作製する上で新たな問題が生
じる。
【0077】光ディスクのスタンパは、ディスク上で最
も深い凹部となる部分(通常はピットの部分)の深さに
相当するフォトレジストをガラス原盤に塗布し、そのフ
ォトレジストをレーザ光で露光をすることで所望のパタ
ーンにカッティングし、その後、エッチングを施して得
られた凹凸パターンに金属を蒸着して、パターンを写し
取るという手順を経て作製される。そして、従来は、カ
ッティングを行うときに、ピット部分については、塗布
したレジストの厚さ全部をカッティングするようなパワ
ーの強いレーザで露光し、グルーブ部分については、ハ
ーフトーンと呼ばれるややパワーの弱いレーザで露光
し、これによってグルーブ部分に相当する中間の高さを
実現していた。そして、上述のように再生専用領域S2
にだけ本発明を適用したP−ROMディスクでは、図2
7からも分かるように、再生専用領域Rに形成されるピ
ットPaの深さと、記録領域Wに形成されるグルーブg
の深さと、記録領域Wのヘッダー部hに形成されるピッ
トPbの深さとが異なる。したがって、このP−ROM
ディスクでは、3種類の高さの違う凹凸部を形成しなけ
ればならない。しかし、上述したようなスタンパの作製
において、中間の高さをコントロールすることは難し
く、3種類の高さの違う凹凸部を形成することは、生産
性を著しく低下させてしまう。
【0078】したがって、P−ROMディスクに本発明
を適用するときには、記録領域Wのヘッダー部hと再生
専用領域Rとの両方に本発明を適用した方が好ましい。
記録領域Wのヘッダー部h1と再生専用領域Rとに本発
明を適用したP−ROMディスクのフォーマットを図2
8に示す。ここで、図28は、再生専用領域R及び記録
領域Wのフォーマットを模式的に示す平面図であり、図
29は、図28のA7−A8線における断面図、すなわ
ち再生専用領域Rの断面及び記録領域Wのヘッダー部h
の断面を示す図である。このP−ROMでは、再生専用
領域Rの構成と、記録領域Wのヘッダー部hの構成とが
同じとなっており、再生専用領域Rに形成されるピット
Paの深さと、記録領域Wのヘッダー部hに形成される
ピットPbの深さとが同一となっている。したがって、
このP−ROMディスクでは、3種類の高さの違う凹凸
部を形成するような必要が無く、非常に容易に製造する
ことができる。
【0079】なお、再生専用領域Rにだけ本発明を適用
したP−ROMディスクにおいて、3種類の高さの違う
凹凸部を形成するような必要を無くすために、記録領域
Wのヘッダー部hのグルーブgを残したまま、記録領域
Wのヘッダー部hのピットPbを深くして、記録領域W
のヘッダー部hのピットPbと再生専用領域Rのピット
Paの高さとを同じにするという対処方法も考えられ
る。しかし、記録領域Wのヘッダー部hのグルーブgを
残したまま、記録領域Wのヘッダー部hのピットPbを
深くすると、カッティングの難易度は下がるが、基板を
射出成形等によって形成するときに、記録領域Wのヘッ
ダー部hに形成されたピットPbの深さが深いために、
記録領域Wのヘッダー部hのグルーブgが歪みやすくな
ってしまうという悪影響が生じる。したがって、P−R
OMディスクに本発明を適用するときには、図28及び
図29に示したように、再生専用領域Rと記録領域Wの
両方に本発明を適用した方が好ましい。
【0080】ところで、スタンパを作製する際にフォト
レジストの露光に使用されるカッティング装置には、1
ビーム型と、2ビーム型とがある。1ビーム型カッティ
ング装置は、ピットだけを形成すればいいような光ディ
スクを作製する際に使用されるものであり、1つのレー
ザ光によってピットパターンの形成を行う。これに対し
て、2ビーム型カッティング装置は、グルーブとピット
の両方を形成する必要があるような光ディスクを作製す
る際に使用されるものであり、2つのレーザ光によって
グルーブの形成とピットパターンの形成を行う。すなわ
ち、2ビーム型カッティング装置では、一方のレーザ光
によってピットパターンを形成し、他方のレーザ光によ
ってグルーブを形成する。
【0081】そして、1ビーム型カッティング装置と2
ビーム型カッティング装置とでは、1ビーム型カッティ
ング装置の方が、装置が簡略で良く、また、取り扱いが
容易である。具体的には、例えば、1ビーム型カッティ
ング装置は、2ビーム型カッティング装置よりも光路が
少ないため光軸調整に要する時間が約半分で済む。ま
た、1ビーム型カッティング装置は、コンパクトディス
ク等の製造用として広く普及しているので、他の光ディ
スクについても、1ビーム型カッティング装置で製造で
きるようにすることが好ましい。
【0082】そして、再生専用光ディスクに本発明を適
用したときには、グルーブが完全に無くなり、ピットだ
けとなるので、コンパクトディスクのような再生専用光
ディスクと同様に、スタンパの製造を1ビーム型カッテ
ィング装置によって行うことが可能となる。したがっ
て、再生専用光ディスクに本発明を適用したときには、
製造コストを大幅に低減することができる。
【0083】最後に、光ディスクのドライブ装置の構成
例について簡単に説明する。なお、本発明に係る光ディ
スクは、通常のドライブ装置で使用可能であり、当然の
事ながら、本発明に対応したドライブ装置が以下のドラ
イブ装置に限定される訳ではない。
【0084】ドライブ装置の概略構成を図30に示す。
図30に示すように、ドライブ装置は、外部回路とのイ
ンターフェースを制御するインターフェース制御部20
と、サーボ処理を行うサーボ処理部21と、レーザ駆動
信号検出部22を介してインターフェース制御部20か
ら供給されるレーザ駆動信号に基づいてレーザ光を出射
する光学ヘッド23と、アドレス検出や変復調等の信号
処理を行う信号処理部24とを備えている。
【0085】上記インターフェース制御部20は、マイ
クロプロセッサ25からの信号に基づいて動作し、各種
センサ26からの信号や、ローディング・イジェクト制
御部27からの信号等を受け付ける。このインターフェ
ース制御部20は、記録時にバイアス磁界を印加するた
めの磁気ヘッド28に接続されており、この磁気ヘッド
28の動作を制御する。また、インターフェース制御部
20は、後述するドライブコントローラに接続されてお
り、M−ESDIコマンド/ステータスの授受をドライ
ブコントローラと行う。また、インターフェース制御部
20は、サーボ処理部21に接続されており、サーボ処
理に関する信号の授受をサーボ処理部21と行う。
【0086】サーボ処理部21は、インターフェース制
御部20からの信号等に基づいて、光ディスク29を回
転させるためのスピンドルモータ30の動きや、対物レ
ンズ23aを備えた光学ヘッド23の動きや、光学ヘッ
ド23が取り付けられたスライドモータ31の動き等を
制御する。すなわち、サーボ処理部21は、例えば、光
学ヘッド23の動きを制御することによってトラッキン
グ制御及びフォーカシング制御を行い、スライドモータ
31の動きを制御することによって光学ヘッド23の移
動量を制御し、スピンドルモータ30の動きを制御する
ことによって光ディスク29の回転を制御する。
【0087】一方、信号検出部24は、光学ヘッド23
によって検出された信号に対してアドレス検出や変復調
等のような信号処理を行う。そして、この信号処理部2
4は、ドライブコントローラに接続されており、M−E
SDIデータの授受をドライブコントローラと行う。
【0088】そして、このドライブ装置のドライブコン
トローラは、図31に示すように、ドライブ装置とのイ
ンターフェースを制御するドライブインタフェース制御
部40と、ECCエンコーダ・シンドロームを発生する
ECCエンコーダ・シンドローム発生部41と、バッフ
ァメモリ42と、バッファメモリ42の制御を行うバッ
ファメモリマネージャ43と、各種演算処理を行うマイ
クロプロセッサ44と、外部回路とのインターフェース
を制御するためのSCSIコントローラ45とを備えて
いる。そして、これらは、制御信号用のバスである制御
バスB1や、データ用のバスであるデータバスB2を介
して接続されている。
【0089】このドライブコントローラは、ドライブイ
ンターフェース制御部40を介して上記ドライブ装置に
接続される。すなわち、ドライブインターフェース制御
部40を介して、M−ESDIコマンド/ステータスの
授受を上記インターフェース制御部20と行うととも
に、M−ESDIデータの授受を上記信号処理部24と
行う。そして、このドライブコントローラは、SCSI
コントローラ45を介して外部回路に接続される。すな
わち、ドライブ装置は、ドライブコントローラのSCS
Iコントローラ45を介して、SCSIバスによって外
部回路と信号の授受を行う。
【0090】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る光学式記録媒体は、ピットが形成された再生専用
領域にグルーブが無くても、グルーブが形成された光デ
ィスクに対応した従来のドライブ装置で再生することが
できる。すなわち、本発明によれば、ピットが形成され
た領域にグルーブが無く、生産性に優れ、しかも、グル
ーブが形成された光ディスクに対応した従来のドライブ
装置に対して互換性を持つ光学式記録媒体を提供するこ
とができる。
【0091】そして、特に、記録領域を持たない再生専
用光ディスクに本発明を適用したときには、コンパクト
ディスクのような再生専用光ディスクと同様に、スタン
パの製造を1ビーム型カッティング装置で行うことがで
きる。したがって、本発明を適用した再生専用光ディス
クは、コンパクトディスク等の製造設備を利用して製造
することができ、製造コストを大幅に低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プッシュプル信号とピットの深さとの関係を示
す図である。
【図2】本発明を適用した光ディスクのフォーマットを
模式的に示す平面図である。
【図3】図2のA1−A2線における断面図である。
【図4】2倍密MO規格におけるプッシュプル信号及び
クロストラック信号の定義を示す図である。
【図5】シミュレーションの対象としたピットの形状を
示す模式図である。
【図6】ガウスビームが対物レンズに入射したときの様
子を示す模式図である。
【図7】λ=780nmのときのプッシュプル信号(ミ
ラー規格)の特性図である。
【図8】λ=780nmのときのクロストラック信号
(ミラー規格)の特性図である。
【図9】λ=780nmのときのプッシュプル信号及び
クロストラック信号(ミラー規格)の特性図である。
【図10】λ=780nmのときの3T信号の特性図で
ある。
【図11】λ=780nmのときの8T信号の特性図で
ある。
【図12】λ=680nmのときのクロストークの特性
図である。
【図13】λ=680nmのときのプッシュプル信号
(ミラー規格)の特性図である。
【図14】λ=680nmのときのクロストラック信号
(ミラー規格)の特性図である。
【図15】λ=680nmのときのプッシュプル信号及
びクロストラック信号(ミラー規格)の特性図である。
【図16】λ=680nmのときの2T信号の特性図で
ある。
【図17】λ=680nmのときの8T信号の特性図で
ある。
【図18】λ=680nmのときのクロストークの特性
図である。
【図19】λ=680nmのときのアシンメトリーの特
性図である。
【図20】光ディスクの再生専用領域の一例を示す断面
図である。
【図21】光磁気ディスクの記録領域の一例を示す断面
図である。
【図22】相変化型光ディスクの記録領域の一例を示す
断面図である。
【図23】本発明を適用したROMディスクのフォーマ
ットの一例を模式的に示す平面図である。
【図24】従来のP−ROMディスクのフォーマットを
模式的に示す平面図である。
【図25】図24のA3−A4線における断面図であ
る。
【図26】本発明を適用したP−ROMディスクのフォ
ーマットの一例を模式的に示す平面図である。
【図27】図26のA5−A6線における断面図であ
る。
【図28】本発明を適用したP−ROMディスクのフォ
ーマットの他の例を模式的に示す平面図である。
【図29】図28のA7−A8線における断面図であ
る。
【図30】ドライブ装置の一構成例を示すブロック図で
ある。
【図31】ドライブコントローラの一構成例を示すブロ
ック図である。
【図32】従来の再生専用光ディスクのフォーマットを
模式的に示す平面図である。
【図33】従来の記録用光ディスクのフォーマットを模
式的に示す平面図である。
【図34】従来の記録用光ディスクを再生専用としたと
きのフォーマットを模式的に示す平面図である。
【図35】従来の再生専用光ディスク用のスタンパを示
す断面図である。
【図36】従来の記録用光ディスク用のスタンパを示す
断面図である。
【図37】従来の記録用光ディスクを再生専用として作
製するときに使用されるスタンパを示す断面図である。
【図38】プッシュプル信号及びクロストラック信号を
説明するための図である。
【図39】ピットとグルーブの両方を有する光ディスク
からのプッシュプル信号を示す図である。
【図40】ピットだけを有する光ディスクからのプッシ
ュプル信号を示す図である。
【符号の説明】
1 ピット、 t1 ピットの深さ、 t2 ピットの
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 宏之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸によって情報信号を示すピットが形
    成された光学式記録媒体において、 光学式記録媒体の基板の屈折率をnとし、再生に使用さ
    れる光の波長をλとしたとき、上記ピットの深さがλ/
    (4n)〜λ/(2n)であり、上記ピットの幅が0.
    3〜0.6μmであり、上記光の波長λが795nm以
    下であることを特徴とする光学式記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記ピットの深さが170〜220nm
    であり、上記光の波長λが770〜795nmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
  3. 【請求項3】 ISO/IEC13549規格又はIS
    O/IEC13963規格に準拠していることを特徴と
    する請求項2記載の光学式記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記ピットの深さが160〜200nm
    であり、上記光の波長λが675〜695nmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
  5. 【請求項5】 ISO/IEC15041規格に準拠し
    ていることを特徴とする請求項4記載の光学式記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 上記ピットの深さが170〜200nm
    であり、上記光の波長λが770〜795nm又は67
    5〜695nmであることを特徴とする請求項1記載の
    光学式記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記ピットが、再生専用領域に形成され
    たピットであることを特徴とする請求項1記載の光学式
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記ピットが、情報信号の書き込みが可
    能な記録領域に形成されたピットであることを特徴とす
    る請求項1記載の光学式記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記ピットが、再生専用領域に形成され
    たピット、及び情報信号の書き込みが可能な記録領域に
    形成されたピットであることを特徴とする請求項1記載
    の光学式記録媒体。
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