JPH08273202A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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Publication number
JPH08273202A
JPH08273202A JP7068417A JP6841795A JPH08273202A JP H08273202 A JPH08273202 A JP H08273202A JP 7068417 A JP7068417 A JP 7068417A JP 6841795 A JP6841795 A JP 6841795A JP H08273202 A JPH08273202 A JP H08273202A
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JP
Japan
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width
groove
signal
groove portion
land
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Application number
JP7068417A
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English (en)
Inventor
Masaki Kagawa
正毅 香川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH08273202A publication Critical patent/JPH08273202A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 グルーブ部2とランド部1の両方に情報信号
4の記録がなされる光ディスクにおいて、上記グルーブ
部2の幅とランド部1の幅を互いに異なるように設定す
る。この場合、グルーブ部の幅、ランド部の幅は、グル
ーブ部の幅をWG、ランド部の幅をWLとしたときに、W
G/WL≦0.85または1.18≦WG/WLなる条件を
満たすように設定することが望ましい。 【効果】 クロストークの低減を図りながらクロストラ
ック信号の振幅を増大させることができる。したがっ
て、本発明によれば、グルーブ部とランド部の両方に記
録を行うタイプの光ディスクの記録再生特性やシーク動
作性が改善され、このタイプの光ディスクの実用性が大
いに向上することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスクに関し、特
に、グルーブ部とランド部の両方に情報信号の記録が行
われる光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】情報信号の記録が行われる光ディスクと
しては、レーザ光の照射によって記録層の光学定数が変
化する相変化タイプの光ディスク、あるいはレーザ光の
照射によって記録層の物理的形状が変化する形状変化タ
イプの光ディスク、さらに希土類遷移金属非晶質合金薄
膜のような磁気光学効果を有する材料層を記録層に使用
する光磁気ディスクが知られている。
【0003】このうち、たとえば光磁気ディスクは、コ
ンピュータの記録装置や音楽・画像情報のパッケージメ
ディアとして実用化されている。
【0004】この光磁気ディスクは、具体的には、透明
基板上に、上記記録層と誘電体層及び反射層よりなる記
録部が形成され、さらにこの記録部を覆う如く保護層が
形成されて構成される。
【0005】このような光磁気ディスクへの記録は、基
板側からレーザ光を照射するとともに記録部側から磁界
を印加することで行われる。レーザ光が照射された記録
層は、その照射部分がキュリー点または温度補償点を越
えて昇温し、保磁力が低下する。そして、この保磁力が
低下した部分は、外部から印加される記録磁界の向きに
反転され、記録が行われることになる。
【0006】一方、再生は、基板側からレーザ光を照射
し、そのレーザ光の偏光面が、記録層の磁気カー効果に
よって回転するのを検出することで行われる。磁気カー
効果による偏光面の回転角は、記録層の磁化の向きによ
って異なるので、この回転角を検出することで記録層の
磁化の向きが識別され、情報の再生がなされることにな
る。
【0007】このような光磁気ディスクを含めて光ディ
スクへの情報信号の記録は、通常、透明基板の一主面上
に、螺旋状あるいは同心円状の連続溝として形成された
案内溝に沿って行われる。
【0008】すなわち、透明基板は、この案内溝に対応
する領域(以下、グルーブ部と称する)と案内溝同士の
間の丘に対応する領域(以下、ランド部と称する)とを
有している。情報信号の記録は、これまで、このグルー
ブ部とランド部のいずれか一方を記録トラックとしてな
されている。グルーブ部とランド部の両方に記録を行わ
ないのは、再生に際して隣接トラックからのクロストー
クを防ぐ目的からである。
【0009】しかし、光ディスクの記録密度を上げるに
は、グルーブ部とランド部のいずれか一方に情報信号を
記録するよりもこの両方に情報信号を記録する方がはる
かに有利である。
【0010】そこで、グルーブ部の位相深さdをλ/6
n(但し、λはレーザ波長、nは透明基板の屈折率であ
る)近傍に設定し、グルーブ部とランド部の両方を記録
トラックとした光ディスクが特開平5−282705号
公報に提案されている。グルーブ部の位相深さdを上記
条件を満たすように設定した光ディスクでは、たとえば
グルーブ部を再生しているときにそれと隣接するランド
部にレーザ光が照射されても、ランド部からの戻り光量
は極めて小さい値に抑えられる。このことは、グルーブ
部とランド部の関係を逆にした場合でも同じである。
【0011】したがって、グルーブ部とランド部のそれ
ぞれに記録された情報信号がクロストークを生ずること
なく再生されることになる。なお、この場合、グルーブ
部とランド部とを等価にするという点から、両者の幅は
略等しくするのが一般的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
光ディスクでは、案内溝に沿って情報信号の記録再生が
なされるが、さらにこのような案内溝を利用してプッシ
ュプル信号やクロストラック信号を得るようにしてい
る。
【0013】プッシュプル信号とは、レーザ光のトラッ
キング・エラーを検出するための信号である。このプッ
シュプル信号は、案内溝によって反射回折された光を、
トラック中心に対して対称に配置された2分割検出器
(2D−PD)上の2つの受光部で受光した、その出力
差として取り出される信号である。この案内溝からの反
射回折光の分布は、光スポットと案内溝との位置関係に
よって変化し、2つの受光部での出力差はその分布を反
映するので、これにより光スポットの位置の誤り、すな
わちトラッキング・エラーが検出されることになる。
【0014】またクロストラック信号とは、光スポット
を案内溝方向に対して直交方向あるいは斜め方向に移動
させた時の戻り光量として取り出される信号である。こ
の信号の周期によって、シーク動作時にどれだけのトラ
ックをまたいで光スポットが移動したのかがカウントさ
れ、光スポットの移動量や移動速度が検出されることに
なる。
【0015】このプッシュプル信号やクロストラック信
号は、いずれも、目的のトラック位置に正確に光スポッ
トを形成するために必要な信号である。
【0016】ここで、このような案内溝を利用して得ら
れる信号では、その信号強度が案内溝の寸法に依存する
ので、案内溝の寸法を選定する場合には、これらプッシ
ュプル信号やクロストラック信号の信号強度も考慮する
ことが必要である。
【0017】しかしながら、上述のグルーブ部の深さd
をλ/6n近傍に設定し、グルーブ部とランド部の両方
に情報信号の記録が行われるようにした光ディスクで
は、これらプッシュプル信号やクロストラック信号につ
いてはあまり検討がなされていない。
【0018】まず、グルーブ部の深さdをλ/6n近傍
に設定した場合、プッシュプル信号については問題のな
い十分な信号強度が得られる。
【0019】しかし、グルーブ部とランド部の幅をほぼ
等しく設定すると、グルーブ部直上に光スポットが来た
ときの戻り光量と、ランド部直上に光スポットが来たと
きの戻り光量がほぼ等しくなる。この場合、光スポット
をグルーブ部に対して直交方向に移動させたときの信号
振幅の数はトラックピッチの2倍になり、クロストラッ
ク信号の振幅は極めて小さいものになる。このようなク
ロストラック信号では、シーク動作時の通過トラック本
数を検知するのは難しく、シーク動作が不正確になる。
したがって、何らかの対策を講じることが必要である。
【0020】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、グルーブ部とランド部の
両方に情報信号を記録することが可能であり、かつプッ
シュプル信号の信号強度を大きく保ちながらクロストラ
ック信号の信号強度の増大が図れる光ディスクを提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めには、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、グルーブ
部の位相深さdをλ/6n近傍に設定した光ディスクで
は、グルーブ部とランド部の幅を等しくせず、これらの
幅を異ならしめることでクロストラック信号の信号強度
が増大できるとの知見を得るに至った。
【0022】本発明の光ディスクはこのような知見に基
づいて完成されたものであって、グルーブ部とランド部
が形成された基板上に、光束の照射によって情報信号の
記録が行われる記録層が形成され、この記録層のグルー
ブ部に対応する領域とランド部に対応する領域の両方に
情報信号の記録がなされる光ディスクであって、上記グ
ルーブ部の幅とランド部の幅を異なるように設定する。
【0023】このグルーブ部の幅とランド部の幅は、ク
ロストラック信号の振幅を十分に増大させる観点から、
グルーブ部の幅をWG、ランド部の幅をWLとしたとき
に、W G/WL≦0.85あるいは1.18≦WG/WL
る条件を満たすように設定することが好ましい。
【0024】但し、グルーブ部の幅あるいはランド部の
幅のいずれかが余り狭くなると、その幅を狭く設定した
方に記録された情報信号の再生出力が不足するようにな
る。したがって、WG、WLは0.60≦WG/WL≦0.
85あるいは1.18≦WG/WL≦1.67なる条件を
満たすように設定するのがより望ましい。
【0025】また、幅を狭く設定した方と、幅を広く設
定した方での情報信号の再生出力を等価にするには、幅
を狭く設定した方での情報信号の線密度を、幅を広く設
定した方での線密度よりも低く設定するのが有効であ
る。
【0026】なお、このように記録が行われる記録層
は、レーザ光の照射によって光学定数が変化する相変化
タイプの材料層、あるいはレーザ光の照射によって物理
的形状が変化する形状変化タイプの材料層、さらに希土
類遷移金属非晶質合金薄膜のような磁気光学効果を有す
る材料層が挙げられる。
【0027】
【作用】グルーブ部とランド部が形成された基板上に、
光束の照射によって情報信号の記録が行われる記録層が
形成されて構成され、この記録層のグルーブ部に対応す
る領域とランド部に対応する領域の両方に情報信号の記
録がなされる光ディスクにおいて、上記グルーブ部の幅
とランド部の幅を互いに異ならしめるようにすると、グ
ルーブ部の位相深さdを、隣接トラックからのクロスト
ークが最小にできるλ/6n近傍に設定した場合でも、
プッシュプル信号とクロストラック信号とが十分な振幅
で取り出されるようになる。
【0028】なお、グルーブ部とランド部のうち、幅が
狭い方での情報信号の線密度を、幅が広い方での情報信
号の線密度よりも低く設定すると、幅が狭い方と幅が広
い方での信号出力、信号品質が等価なものになり、光デ
ィスクシステムのマージンが向上する。
【0029】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0030】本実施例の光ディスクは、図1に示すよう
に、透明基板3上に、レーザ光の照射によって記録が行
われる記録層11が形成されて構成される。
【0031】上記透明基板3は、円盤状を呈し、その一
主面上に案内溝が螺旋状あるいは同心円状の連続溝とし
て形成されている。この案内溝は、図2(a)の模式図
で示すように、溝壁面が溝底面に対して垂直面であるの
が理想的であるが、溝の形成が光学カッティング法によ
って行われる都合上、実際には図2(b)の模式図で示
すように、溝壁面は溝底面に対して傾斜面になる。した
がって、ここでは案内溝の底面とその両側にある溝壁面
の中央までの領域をグルーブ部2と称し、これに対し
て、案内溝と案内溝の間の丘部と、その両側にある溝壁
面の中央までの領域をランド部1と称する。
【0032】なお、このような透明基板3の材料として
は、通常、光ディスクに使用されている基板材料がいず
れも使用可能である。たとえば、アクリル樹脂,ポリカ
ーボネート樹脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹脂等
のプラスチック材料の他、ガラス等も使用される。プラ
スチック材料の場合には、射出成型(インジェクショ
ン)法等によって所定の基板形状に成型される。また、
ガラス基板の場合には、ガラス2P(Photo Po
lymerization)法を用い、その一主面上に
フォトポリマーによって溝形状が形成される。
【0033】上記記録層11は、情報信号4の記録が行
われる材料層であり、たとえば、レーザ光の照射によっ
て光学定数が変化する相変化タイプの材料層、レーザ光
の照射によって物理的形状が変化する形状変化タイプの
材料層さらに磁気光学効果を有する材料層が用いられ
る。このうち、相変化タイプの材料としては、Te、S
e等のカルコゲン単体あるいはGe−Sb−Te、Ge
−Te、In−Sb−Te(−Ag)、In−Se(−
Tl−Co)、In−Sb−Se、Bi2Te3、BiS
e、Sb2Se3,Sb2Te3等のカルコゲナイト系材料
が挙げられる。また、光磁気光学効果を有する材料とし
ては、TbFeCo等の希土類遷移金属非晶質合金膜が
挙げられる。
【0034】この記録層11への記録は、グルーブ部2
とランド部1の両方を記録トラックとして行われる。な
お、ここでは、グルーブ部と次のグルーブ部までの距離
あるいはランド部と次のランド部までの距離をトラック
ピッチ(TP)5と称する。
【0035】以上のような構成の光ディスクについて、
情報信号、プッシュプル信号及びクロストラック信号を
検出する光学系を図3に示す。
【0036】すなわち、この光学系は、レーザ光を集光
するための対物レンズ7と、光ディスクからの戻り光量
を検出するための2分割検出器(2D−PD)8および
2つの作動増幅器9,10を有して構成されている。
【0037】このような光学系によって光ディスク12
にレーザ光が照射されると、そのレーザ光の一部は案内
溝によって回折されて±一次回折光D1,D2となり、
他の一部は案内溝によって反射されて0次反射光Rとな
る。そして、これら±一次回折光D1,D2と0次反射
光Rは互いに干渉を起こし、2分割検出器8で検出され
る。2分割検出器で検出された検出光量は、第1の差動
増幅器9と第2の作動増幅器10に入力される。
【0038】第1の作動増幅器9では、2分割検出器8
の2つの受光部で検出された光量の差がプッシュプル信
号として出力される。このプッシュプル信号は、光スポ
ットの記録トラック中央からのズレ量に応じて変化し、
そのズレ方向によって符号が反転する。この光学系で
は、この信号によって光スポットのトラッキングが行わ
れる。
【0039】一方、第2の作動増幅器10では、2分割
検出器8の2つの受光部で検出された光量の和が再生信
号あるいはクロストラック信号として出力される。再生
信号は、光スポットを記録トラック上で移動させたとき
に取り出される信号であり、記録トラック上の情報信号
のパターンに対応する。また、クロストラック信号は、
特に光スポットを記録トラック方向に対して直交方向あ
るいは斜め方向に移動させたときに取り出される信号で
ある。この信号の周期によって、シーク動作時にどれだ
けのトラックをまたいで光スポットが移動したのかがカ
ウントされ、光スポットの移動量や移動速度が検出され
る。
【0040】以上がグルーブ部2とランド部1の両方に
情報信号の記録が行われる光ディスクの基本的な構成で
ある。以下の実験では、このような光ディスクについ
て、グルーブ部2の位相深さd及びグルーブ部2の幅W
G、ランド部1の幅WLについて検討を行った。
【0041】なお、以下に示すデータは、いずれもスカ
ラー回折理論に基づくFFT解析によって求めた数値実
験データである。
【0042】この解析において、光学系の条件はレーザ
波長λを680nm、レンズの開口数NAを0.55、
スポット形状を規定するフィリングコンディションを
(1.0,1.0)と想定した。また、トラックピッチ
は1.4μm、案内溝両側の溝壁面は幅0.1μmの傾
斜面である。
【0043】グルーブ部及びランド部の幅の検討 グルーブ部とランド部の両方に情報信号を記録する光デ
ィスクでは、グルーブ部の幅とランド部の幅が等しい場
合、グルーブ部の位相深さをλ/6n近傍に設定するこ
とで、隣接トラックからのクロストークが抑えられるこ
とが知られている。しかし、光ディスクでは、グルーブ
部とランド部の凹凸形状を利用してプッシュプル信号や
クロストラック信号を得ていることから、グルーブ部の
位相深さを選定した場合には、この他の形状パラメータ
を制御して、プッシュプル信号やクロストラック信号の
信号強度を調整する必要がある。
【0044】そこで、ここでは、この位相深さ以外の形
状ファクターとして、グルーブ部とランド部の幅比WG
/WL(但し、WGはグルーブ部の幅、WLはランド部の
幅である)に着目し、実験を行った。その結果を、図4
〜図7に示す。なお、この解析において、グルーブ部の
位相深さdはλ/6n近傍に想定した。
【0045】まず、図4に、グルーブ部とランド部の幅
比WG/WL(但し、WGはグルーブ部の幅、WLはランド
部の幅である)を1.00、0.55あるいは0.40
としたときのプッシュプル信号の信号強度を示す。横軸
は光スポットのランド部中央からの距離である。横軸に
おいて、TPはトラックピッチである1.4μmであ
り、0μmはランド部中央、±TP/2はグルーブ部の
中央を示す。また、縦軸はプッシュプル信号の信号強度
である。
【0046】図4からわかるように、このプッシュプル
信号の振幅は、幅比WG/WLを1.00にしたときに最
大になるものの、あまりこの幅比WG/WLに依存した変
化は見られない。
【0047】次に、図5,図6にグルーブ部とランド部
の幅比WG/WLを1.00、0.75、0.55あるい
は0.40としたときのクロストラック信号の信号強度
を示す。横軸は光スポットのランド部中央からの距離で
あり、縦軸はクロストラック信号の信号強度である。ま
た、図6は、図5を振幅方向に拡大したものである。
【0048】図5,図6からわかるように、このクロス
トラック信号の振幅は、幅比WG/WLに依存して大きく
変化する。
【0049】たとえば、現行の光ディスクのように幅比
G/WLを1.00にすると、光スポットがランド部直
上に来たときとグルーブ部直上に来たときの戻り光量が
全く等しくなる。この場合、信号振幅の数がトラックピ
ッチ数の2倍になり、クロストラック信号の振幅は極め
て小さいものになる。
【0050】一方、ランド部の幅を広くし、それに対し
てグルーブ部の幅を狭くしていくと、ランド部からの戻
り光量が増大し、グルーブ部からの戻り光量が減少して
くる。その結果、クロストラック信号の振幅が大きくな
り、信号周期もトラックピッチと同じになる。
【0051】さらに、プッシュプル信号及びクロストラ
ック信号の振幅について、グルーブ部とランド部の幅比
G/WLを横軸にプロットした結果を図7に示す。
【0052】この図7からもわかるように、クロストラ
ック信号の振幅は幅比WG/WLによって大きく変化す
る。したがって、幅比WG/WLはこのクロストラック信
号の振幅から最適化されることになる。
【0053】ここで、現行のドライブでは、クロストラ
ック信号の振幅は最低でも0.15であることが必要で
ある。また、ISO規格等においても、クロストラック
信号の振幅は0.15〜0.2以上に規定される場合が
多い。
【0054】このような点から図7を見ると、クロスト
ラック信号の振幅が0.15以上となるのは、幅比WG
/WLが0.85以下の場合である。すなわち、グルー
ブ部とランド部の幅比WG/WLは0.85以下に設定す
ることが必要であることがわかる。
【0055】なお、グルーブ部とランド部の関係を逆に
した場合でも、光学的には全く等価であり、各信号振幅
の幅比WL/WGに対する依存性は、上述の幅比WG/WL
に対する依存性と同じになる。したがって、グルーブ部
とランド部の幅比WG/WLは0.85以下あるいは0.
85の逆数、すなわち1.18以上であっても良い。
【0056】以上の実験で示されたようにグルーブ部と
ランド部の幅比WG/WLを0.85以下あるいは1.1
8以上に設定すると、クロストラック信号については十
分な振幅が得られるようになる。しかし、グルーブ部、
ランド部のいずれかの幅が余り狭くなると、幅が狭い方
での戻り光量(言い換えれば反射率)が非常に小さくな
り、情報信号の再生強度が不足するようになる。
【0057】たとえば、光磁気ディスクでは、再生信号
品質の尺度のひとつとして、カー回転角θkと反射率R
の積Rθkが用いられる。
【0058】このような光磁気ディスクにおいて、幅比
G/WLが0.60よりも小さくなると、図5からわか
るように、グルーブ部(±TP/2)からの戻り光量が
ランド部(0μm)からの戻り光量の半分以下しか得ら
れなくなり、グルーブ部での信号品質がランド部での信
号品質に比べて6dB以上も劣ったものになる。グルー
ブ部とランド部とで、信号品質にこれ以上の差がつく
と、グルーブ部からの情報信号の再生が不可能になる虞
れがある。
【0059】したがって、幅比WG/WLは0.60以上
あるいは0.60の逆数、すなわち1.67以下である
ことも必要である。つまり、0.60≦WG/WL≦0.
85あるいは1.18≦WG/WL≦1.67なる条件を
満たすように設定するのが望ましい。
【0060】なお、図7からわかるように、プッシュプ
ル信号の振幅は幅比WG/WLにさほど依存性を示さな
い。上に示す幅比WG/WLの範囲内であれば振幅の低下
は最大値から約10%に留まり、常に大きな振幅が得ら
れる。
【0061】情報信号の線密度の検討 上述の如く幅が異なるグルーブ部、ランド部では、幅が
狭い方での戻り光量が小さくなる。このままでは、幅が
狭い方では、幅が広い側の場合よりも厳しい条件で情報
の記録再生を行わねばならないことになる。このような
信号品質を制御するために、情報信号の線密度に着目し
て検討を行った。
【0062】図8に本実施例で想定した光学系のMTF
曲線を示す。横軸は記録周波数であり、縦軸は再生感度
である。
【0063】このように、再生感度は記録周波数が高く
なる程低下し、逆に記録周波数が低くなると再生感度は
上昇する。
【0064】このことから、幅が異なっていても、幅が
狭い方での情報信号の線密度を、幅が広い方での情報信
号の線密度よりも低くすることで、再生感度の差が補償
でき、システム全体のマージンの向上が図れるようにな
ることがわかる。また、幅の狭い方での最短ピット長が
幅が広い方でのものよりも長くなるような変調方式を採
用することも、このような再生感度の差を補償する上で
有効である。
【0065】グルーブ部の位相深さdの検討 クロストークが最小に抑えられるグルーブ部の位相深さ
dは、グルーブ部とランド部の幅比WG/WLが1.0で
ある場合では、既に多く報告がなされているようにλ/
6n近傍である。そこで、ここでは幅比WG/WLを0.
60≦WG/WL≦0.85あるいは1.18≦WG/WL
≦1.67とした場合について、クロストークが最小に
抑えられるグルーブ部の位相深さdを検討した。
【0066】図9に、グルーブ部とランド部の幅比WG
/WLを0.6(グルーブ部の幅WG=0.525μm,
ランド部の幅WL=0.875μm)とした場合につい
て、グルーブ部の位相深さdと、ランド部からの戻り光
量あるいはそれと隣接するグルーブからの戻り光量の関
係を示す。但し、この戻り光量は、ランド部上に平面波
の光を入射させたときのものであり、ランド部からの戻
り光量の最大値を1としたときの相対値で示した。ここ
で、ランド部を再生しているときに、それと隣接するグ
ルーブ部からのクロストークが最小に抑えられるのは、
グルーブ部の戻り光量が最小となる場合である。
【0067】また、比較として、グルーブ部とランド部
の幅比WG/WLを1.0(グルーブ部の幅WG=0.7
μm,ランド部の幅WL=0.7μm)とした場合の、
グルーブ部の位相深さdと、ランド部からの戻り光量あ
るいはそれと隣接するグルーブからの戻り光量の関係を
図9に重ねて示す。
【0068】この図9において、幅比WG/WLが1.0
の場合と0.6の場合を比較すると、まずランド部から
の戻り光量は、位相深さdが0〜約110nmの範囲で
徐々に減少し、それぞれ極小値は0.6,0.8であ
る。幅比WG/WL=1.0の場合の方が極小値が小さく
なるのは、幅比WG/WL=1.0の場合の方がWG/WL
=1.0の場合よりもランド部の幅WLが狭いからであ
る。
【0069】一方、グルーブ部からの戻り光量について
は、グルーブ部の幅WGが広くなっている幅比WG/WL
=1.0の場合の方が、大きい値になっている。しか
し、幅比WG/WL=1.0の場合,幅比WG/WL=0.
6の場合のいずれの場合も、案内溝の位相深さdが0〜
70nm手前の範囲では、この位相深さdが増すにつれ
てグルーブからの戻り光量が減少していく。そして、幅
比WG/WL=0.6の場合では位相深さdが63nm
(λ/6.8n)のときに、また幅比WG/WL=1.0
の場合では位相深さdが67nm(λ/6.4n)とき
にというように、ほぼ同じ位相深さdで、グルーブ部か
らの戻り光量(すなわち、クロストーク量)が極小にな
る。
【0070】なお、幅比WG/WL=1.0の場合で、ク
ロストーク量が極小となるグルーブ部の位相深さdが通
説通りλ/6nとなっていないのは、この数値実験の条
件が実際の条件と多少異なっているためである。すなわ
ち、一つには入射光を平面波としていること、二つ目と
して溝形状を矩形溝としていること、等が原因として挙
げられる。
【0071】しかし、このように数値実験系において幅
比WG/WL=0.6の場合と、幅比WG/WL=1.0の
場合で、さして違わぬ位相深さdでクロストークが極小
となることは、実際の系においても、幅比WG/WL
0.6の場合と、幅比WG/WL=1.0の場合とは、ほ
ぼ同じ位相深さdでクロストークが極小となることを示
唆している。このことから、幅比WG/WLが1.0でな
い場合、すなわちグルーブ部WGの幅とランド部WLの幅
を異ならしめた場合でも、グルーブ部の位相深さdがλ
/6n近傍であるときにクロストークが最小となること
は容易に推測される。
【0072】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、グルーブ部とランド部の両方に情報信号の記録
がなされる光ディスクにおいて、上記グルーブ部の幅と
ランド部の幅を互いに異なるように設定するので、クロ
ストークの低減を図りながらクロストラック信号の振幅
を増大させることができる。
【0073】したがって、本発明によれば、グルーブ部
とランド部の両方に記録が行われる光ディスクの記録再
生特性やシーク動作性が改善され、このタイプの光ディ
スクの実用性が大いに向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ディスクの1構成例を示す
要部概略斜視図である。
【図2】光ディスクとグルーブ部とランド部を示す模試
図であり、(a)グルーブ部とランド部の理想的な形状
を示し、(b)は実際に形成されるグルーブ部とランド
部の形状を示す。
【図3】情報信号、プッシュプル信号及びクロストラッ
ク信号を検出するための光学系を示す模式図である。
【図4】光スポットの位置とプッシュプル信号の信号強
度を関係を示す特性図である。
【図5】光スポットの位置とクロストラック信号の信号
強度の関係を示す特性図である。
【図6】図5の特性図を振幅方向に拡大した特性図であ
る。
【図7】幅比WG/WLと、プッシュプル信号の信号強度
あるいはクロストラック信号の信号強度の関係を示す特
性図である。
【図8】空間周波数と再生感度の関係を示す特性図であ
る。
【図9】グルーブ部の位相深さと、ランド部からの戻り
光量及びグルーブ部からの戻り光量の関係を示す特性図
である。
【符号の説明】
1 ランド部 2 グルーブ部 3 透明基板 4 情報信号 11 記録層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルーブ部とランド部が形成された基板
    上に、光束の照射によって情報信号の記録が行われる記
    録層が形成されて構成され、この記録層のグルーブ部に
    対応する領域とランド部に対応する領域の両方に情報信
    号の記録がなされる光ディスクにおいて、 上記グルーブ部の幅とランド部の幅が異なることを特徴
    とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 グルーブ部の幅をWG、ランド部の幅を
    Lとしたときに、 WG/WL≦0.85または1.18≦WG/WLなる条件
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 グルーブ部の幅をWG、ランド部の幅を
    Lとしたときに、0.60≦WG/WL≦0.85また
    は1.18≦WG/WL≦1.67なる条件を満たすこと
    を特徴とする請求項2記載の光ディスク。
  4. 【請求項4】 グルーブ部の深さが、λ/7n〜λ/5
    n(但し、λは記録再生光の波長、nは基板の屈折率で
    ある)であることを特徴とする請求項1記載の光ディス
    ク。
  5. 【請求項5】 記録部のグルーブ部に対応する領域とラ
    ンド部に対応する領域のうち、幅が狭い方の領域におけ
    る情報信号の線密度が、幅が広い方の領域における情報
    信号の線密度よりも低くなされることを特徴とする請求
    項1記載の光ディスク。
  6. 【請求項6】 記録層は、光束の照射によって光学定数
    あるいは物理的形状が変化する材料層または磁気光学効
    果を有する材料層であることを特徴とする請求項1記載
    の光ディスク。
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