JP2002184032A - 光ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

光ディスクおよびその製造方法

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JP2002184032A JP2001301235A JP2001301235A JP2002184032A JP 2002184032 A JP2002184032 A JP 2002184032A JP 2001301235 A JP2001301235 A JP 2001301235A JP 2001301235 A JP2001301235 A JP 2001301235A JP 2002184032 A JP2002184032 A JP 2002184032A
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JP2001301235A
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Masahiko Tsukuda
雅彦 佃
Shinya Abe
伸也 阿部
Hideji Sato
秀二 佐藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材表面上の案内溝の幅および/または深さ
を情報記録層毎に変えて、記録膜表面上の案内溝の深さ
を情報記録層毎に所望の形状にすることにより、記憶容
量の大きい、高密度の光ディスクを提供する。 【解決手段】 各々に複数の案内溝が設けられた複数の
基材層と、基材層に積層された複数の情報記録層であっ
て、複数の情報記録層の各々は、案内溝上に、情報を記
録する記録膜を有する複数の情報記録層と、複数の情報
記録層の間に狭持される中間層とを備えた光ディスクで
あって、基材層の案内溝は、基材層毎に異なる溝幅を有
し、かつ、積層によって、基材層の案内溝に対応して形
成された情報記録層の案内溝は、情報記録層毎に実質的
に同一のピッチを有する光ディスクを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の光
情報記録媒体、および、その作製方法に関する。より具
体的には、本発明は、案内溝を有する複数の情報記録層
からなる、高密度多層光情報記録媒体の構造およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)が普及し、
光ディスクは記録媒体として重要な地位を築いた。ま
た、再生専用だけでなく、情報を記録できる記録再生型
のディスクとしてCD−RやCD−RWの普及も著し
い。近年では、より高密度な光ディスクの研究開発が盛
んに行われている。
【0003】光ディスクには信号記録用のグルーブ・ラ
ンドと呼ばれる凹凸形状からなる案内溝が形成されてお
り、記録再生を行うためのレーザ光を照射する側から見
て、遠くなる方向に凹形状にくぼんでいる側をランドと
呼び、近くなる方向に凸形状に出っ張っている側をグル
ーブと呼ぶ。記録再生可能な案内溝のピッチ(トラック
ピッチ)によって、記録できる容量が決定される。たと
えばDVD−RAMでは、グルーブおよびランドともに
情報を記録するランドグルーブ記録方式をとり、記録容
量が2.6GBではトラックピッチが0.74μmであ
り、記録容量が4.7GBでは0.615μmである。
【0004】光ディスクの記録密度を上げるためには、
記録面内の密度を上げる他に、情報記録層の数を増やす
ことも考えられる。例えば、近年規格化および商品化さ
れたデジタルバーサタイルディスク(DVD)は、2層
の情報記録層を有しており、ディスクの一方の側から、
2層の情報記録層が読み出し可能な再生専用の光ディス
クである。記録再生型のDVDとして、2層の情報記録
層を持つ光ディスクが開発され、報告されている。
【0005】図2を参照して、記録再生型の光ディスク
の構造を説明する。図2に示す記録再生型の光ディスク
は、2つの情報記録層を有する。各情報記録層は、非晶
質(アモルファス)と結晶の間で光学的特性が変化する
材料(いわゆる相変化記録材料)を用いて形成される。
各情報記録層への情報の記録は、マークと呼ばれるパタ
ーンの記録により行われる。より具体的には、案内溝を
有する第1の透明基材201に、第1の情報記録層20
6を形成する。第1の情報記録層206は、略透明誘電
体膜202と略透明誘電体膜204とで挟むように形成
された相変化記録材料からなる記録膜203と、さらに
半透明な金属反射膜205とが積層されて構成されてい
る。
【0006】一方、第2の情報記録層212は、案内溝
を有する第2の略透明基材207に形成される。第2の
情報記録層212は、金属反射膜211と、略透明誘電
体膜210と略透明誘電体膜208で挟むように形成さ
れた相変化記録材料からなる記録膜209とが積層され
て構成されている。
【0007】第1の情報記録層206と第2の情報記録
層212とは、略透明な接着層213を中間層として所
定の距離で隔てられ、貼り合わされて対向している。こ
れらの情報記録層は、基材表面上の案内溝形状に沿って
形成され、情報記録層内の記録膜も案内溝形状に沿った
形で形成されるため、記録膜も案内溝を持つ。
【0008】記録マークは、情報記録層内の記録膜に形
成されるため、記録再生特性は、基材表面上の溝形状で
はなく、記録膜表面上の案内溝形状の影響を受けやす
い。従来の2層ディスクでは、案内溝の幅が、情報記録
層の厚みに対して広いため、基材表面上に形成される案
内溝の形状を基準に2層光ディスクを作成していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】各情報記録層の記録密
度をさらに高めるためには、案内溝のピッチを狭くする
必要があり、それに伴って案内溝の幅も狭くする必要が
ある。しかし、案内溝の幅と、情報記録層(特に基材表
面と記録膜の間に位置する膜)の厚みとの比が近くなる
と、記録膜を成膜したときの記録膜表面上に現れる案内
溝の幅が、基材表面上の案内溝の幅に対して小さくな
る。さらに、成膜の際、基材の案内溝とその溝間で形成
される膜の厚みに違いが生じ、結果として案内溝の幅だ
けでなく深さも変化する。
【0010】多層光ディスクにおいては、情報記録層毎
にその構成あるいは厚みが異なるため、各情報記録層の
記録密度が同じでも、各基材の案内溝の幅や深さを同一
に作成すると、所望の性能を得ることができない。
【0011】本発明の目的は、基材表面上の案内溝の幅
および/または深さを情報記録層毎に変えて、記録膜表
面上の案内溝の深さを情報記録層毎に所望の形状にする
ことにより、記憶容量の大きい、高密度の光ディスクを
得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスクは、
各々に複数の案内溝が設けられた複数の基材層と、前記
基材層に積層された複数の情報記録層であって、複数の
情報記録層の各々は、前記案内溝上に、情報を記録する
記録膜を有する複数の情報記録層と、前記複数の情報記
録層の間に狭持される中間層とを備えた光ディスクであ
って、前記基材層の案内溝は、基材層毎に異なる溝幅を
有し、かつ、積層によって、基材層の案内溝に対応して
形成された情報記録層の案内溝は、情報記録層毎に実質
的に同一のピッチを有する。これにより上記目的が達成
される。
【0013】前記光ディスクは、情報を記録し、再生す
る光が一方の面から照射される光ディスクであって、前
記一方の面からみて奥に位置する基材層ほど、前記案内
溝の溝幅が広く形成されていてもよい。
【0014】前記複数の情報記録層は2層であってもよ
い。
【0015】前記複数の情報記録層の各々の記録密度は
同一であってもよい。
【0016】基材層上の案内溝の溝幅が0.3μm以下
であってもよい。
【0017】積層によって、基材層の案内溝に対応して
形成された情報記録層の記録膜の案内溝は、実質的に同
一の溝幅を有していてもよい。
【0018】情報を再生する光が一方の面から照射され
る光ディスクであって、前記複数の情報記録層の各々か
ら再生される信号の品質は、実質的に同一であってもよ
い。
【0019】再生される信号の品質は、ジッターにより
表されてもよい。
【0020】再生される信号の品質は、再生信号のCN
比により表されてもよい。
【0021】本発明の光ディスクは、各々に複数の案内
溝が設けられた複数の基材層と、前記基材層に積層され
た複数の情報記録層であって、複数の情報記録層の各々
は、前記案内溝上に、情報を記録する記録膜を有する複
数の情報記録層と、前記複数の情報記録層の間に狭持さ
れる中間層とを備えた光ディスクであって、前記基材層
の案内溝は、基材層毎に異なる深さを有し、かつ、積層
によって、基材層の案内溝に対応して形成された情報記
録層の案内溝は、情報記録層毎に実質的に同一のピッチ
を有する。これにより上記目的が達成される。
【0022】前記複数の情報記録層は2層であってもよ
い。
【0023】基材層上の案内溝の溝幅が0.3μm以下
であってもよい。
【0024】積層によって、基材層の案内溝に対応して
形成された情報記録層の記録膜の案内溝は、実質的に同
一の深さを有していてもよい。
【0025】情報を再生する光が一方の面から照射され
る光ディスクであって、前記複数の情報記録層の各々か
ら再生される信号の品質は、実質的に同一であってもよ
い。
【0026】再生される信号の品質は、ジッターにより
表されてもよい。
【0027】再生される信号の品質は、再生信号のCN
比により表されてもよい。
【0028】本発明の光ディスクの製造方法は、情報を
記録する記録膜を有する複数の情報記録層を備えた光デ
ィスクを製造する方法であって、複数の基板を提供する
ステップと、前記複数の基板の各々に感光材料を塗布す
るステップと、前記複数の基板の各々に案内溝を含むパ
ターンを露光するステップであって、前記案内溝を記録
するための露光の強度を、前記複数の基板の各々で異な
らせることにより、記録された各案内溝の溝幅を異なら
せるステップと、前記複数の基板の各々を現像して、前
記パターンを有する複数の原盤を作製するステップと、
複数の原盤の各々に基づいて複数の金型を複製し、金型
に基づいて複数の基材層を作成するステップと、前記複
数の基材層の各々に、記録膜を有する情報記録層を積層
するステップと、前記複数の情報記録層を、中間層を介
して貼り合わせるステップとを含む。これにより上記目
的が達成される。
【0029】本発明の光ディスクの製造方法は、情報を
記録する記録膜を有する複数の情報記録層を備えた光デ
ィスクを製造する方法であって、複数の基板を提供する
ステップと、前記複数の基板の各々に感光材料を塗布す
るステップであって、塗布する感光材料の厚さを、前記
複数の基板の各々で異ならせることにより、記録された
各案内溝の溝幅を異ならせるステップと、前記複数の基
板の各々に案内溝を含むパターンを露光するステップ
と、前記複数の基板の各々を現像して、前記パターンを
有する複数の原盤を作製するステップと、複数の原盤の
各々に基づいて複数の金型を複製し、金型に基づいて複
数の基材層を作成するステップと、前記複数の基材層の
各々に、記録膜を有する情報記録層を積層するステップ
と、前記複数の情報記録層を、中間層を介して貼り合わ
せるステップとを含む。これにより上記目的が達成され
る。
【0030】本発明の光ディスクの製造方法は、情報を
記録する記録膜を有する複数の情報記録層を備えた光デ
ィスクを製造する方法であって、複数の基板を提供する
ステップと、前記複数の基板の各々に感光材料を塗布す
るステップと、前記複数の基板の各々に案内溝を含むパ
ターンを露光するステップと、前記複数の基板の各々を
現像して、前記パターンを有する複数の原盤を作製する
ステップと、複数の原盤の各々に基づいて複数の金型を
複製し、金型に基づいて複数の基材層を作成するステッ
プと、前記複数の基材層の各々に、記録膜を有する情報
記録層を積層するステップと、前記複数の情報記録層
を、中間層を介して貼り合わせるステップとを含み、感
光材料を塗布するステップにおいて、塗布する感光材料
の厚さを、前記複数の基板の各々で異ならせ、かつ、露
光するステップにおいて、前記案内溝を記録するための
露光の強度を、前記複数の基板の各々で異ならせること
により、各案内溝の深さを異ならせる。これにより上記
目的が達成される。
【0031】本発明の光ディスクは、開口数0.7以上
の対物レンズを有する記録再生ヘッドから照射される、
波長が390nmから450nmの光によって記録再生
可能な光ディスクであって、トラックピッチ0.36μ
m以下の案内溝を有する基材層と、前記基材層上に積層
された、記録膜を含む情報記録層であって、前記基材層
の案内溝に対応して形成された記録膜の案内溝に情報を
記録する情報記録層と、前記情報記録層上に積層され、
情報記録層に照射される光を透過させる、略透明な、厚
みが0.3mm以下の透明層とを備え、前記基材層に形
成された前記案内溝の溝幅は、前記記録膜の案内溝の溝
幅より広く、かつ、前記トラックピッチの50%から8
0%の範囲に入る。これにより上記目的が達成される。
【0032】前記基材層から前記記録膜層までの厚みが
0.05μm以上であって、前記基材層に形成された前
記案内溝の溝エッジ角度が、30度から75度の範囲に
入ってもよい。
【0033】本発明の光ディスクの製造方法は、情報を
記録する記録膜を有する複数の情報記録層を備えた光デ
ィスクを製造する方法であって、基板を提供するステッ
プと、前記基板に感光材料を塗布するステップと、露光
記録波長が230nm以上の露光記録装置によって、前
記基板に案内溝を含むパターンを露光するステップと、
前記基板を現像して、前記パターンを有する原盤を作製
するステップと、前記原盤に基づいて金型を複製し、金
型に基づいて、片面にトラックピッチ0.36μm以下
の案内溝を有する基材層を作製するステップと、前記基
材層に、記録膜層を有する情報記録層を積層するステッ
プと、前記情報記録層上に、情報記録層に照射される光
を透過させる、略透明な、厚みが0.3mm以下の透明
層を積層するステップとを含み、前記基材層に形成され
た前記案内溝の溝幅が、前記基材層の案内溝に対応して
形成された記録膜の案内溝の溝幅より広く、かつ、前記
トラックピッチの50%から80%の範囲に入るよう
に、前記基材層上の前記案内溝を形成する。これにより
上記目的が達成される。
【0034】前記基材層から前記記録膜層までの厚みが
0.05μm以上であって、前記基材層に形成された前
記案内溝の溝エッジ角度が30度から75度の範囲に入
ってもよい。
【0035】本発明の光ディスクは、開口数0.7以上
の対物レンズを有する記録再生ヘッドから照射される、
波長が390nmから450nmの光によって記録再生
可能な光ディスクであって、各々にトラックピッチ0.
36μm以下の案内溝が設けられ、少なくとも1つの層
が0.3mm以下の厚みを有する複数の基材層と、前記
基材層に積層された複数の情報記録層であって、前記基
材層の案内溝に対応して形成された記録膜の案内溝に情
報を記録する、複数の情報記録層と、前記複数の情報記
録層を対向して貼り合わせる接着層とを備え、前記基材
層に形成された案内溝の溝幅は、前記記録膜の案内溝の
溝幅よりも広く、前記トラックピッチの50%から80
%の範囲に入る。これにより上記目的が達成される。
【0036】前記基材層から前記記録膜までの厚みは、
0.05μm以上であって、前記基材層に形成された案
内溝の溝エッジ角度は、30度から75度の範囲に入っ
てもよい。
【0037】本発明の光ディスクの製造方法は、情報を
記録する記録膜を有する複数の情報記録層を備えた光デ
ィスクを製造する方法であって、複数の基板を提供する
ステップと、前記複数の基板の各々に感光材料を塗布す
るステップと、露光記録波長が230nm以上の露光記
録装置によって、前記複数の基板の各々に案内溝を含む
パターンを露光するステップと、前記複数の基板の各々
を現像して、前記パターンを有する複数の原盤を作製す
るステップと、前記複数の原盤の各々に基づいて複数の
金型を複製し、金型に基づいて、各々が、片面にトラッ
クピッチ0.36μm以下の案内溝を有する複数の基材
層を作製するステップと、前記複数の基材層の各々に、
記録膜を有する情報記録層を積層するステップと、前記
複数の情報記録層を、略透明な接着層を介して貼り合わ
せるステップとを含み、前記基材層に形成された前記案
内溝の溝幅が、前記基材層の案内溝に対応して形成され
た記録膜の案内溝の溝幅より広く、かつ、前記トラック
ピッチの50%から80%の範囲に入るように、前記基
材層上の前記案内溝を形成する。これにより上記目的が
達成される。
【0038】前記基材層から前記記録膜までの厚みは、
0.05μm以上であって、前記基材層に形成された案
内溝の溝エッジ角度は、30度から75度の範囲に入っ
てもよい。
【0039】本発明の光ディスクは、開口数0.7以上
の対物レンズを有する記録再生ヘッドから照射される、
波長が390nmから450nmの光によって記録再生
可能な光ディスクであって、トラックピッチ0.36μ
m以下の第1の案内溝を有する基材層と、前記基材層上
に積層された、記録膜を含む第1の情報記録層であっ
て、前記基材層の第1の案内溝に対応して形成された記
録膜の第2の案内溝に情報を記録する、第1の情報記録
層と、前記第1の情報記録層上に積層され、第1の情報
記録層に照射される光を透過させる、略透明な中間層で
あって、前記情報記録層と反対面にトラックピッチ0.
36μm以下の第3の案内溝を有する中間層と、前記中
間層上に積層された、記録膜を含む第2の情報記録層で
あって、前記中間層の第3の案内溝に対応して形成され
た記録膜の第4の案内溝に情報を記録する、第2の情報
記録層と、第2の情報記録層上に積層され、前記光を透
過させる、略透明で、かつ厚みが0.3mm以下の透明
樹脂層とを備え、前記第1の案内溝の溝幅は、前記第2
の案内溝の溝幅よりも広く、前記第3の案内溝の溝幅
は、前記第4の案内溝の溝幅よりも広く、かつ、前記第
1の案内溝の溝幅と前記第3の案内溝の溝幅とは、前記
トラックピッチの50%から80%の範囲に入る。これ
により上記目的が達成される。
【0040】前記基材層から前記第1の記録膜層までの
厚みと、前記中間層から前記第2の記録膜層までの厚み
が0.05μm以上であって、前記第1の案内溝、およ
び、前記第3の案内溝の溝エッジ角度は、30度から7
5度の範囲に入ってもよい。
【0041】本発明の光ディスクの製造方法は、情報を
記録する記録膜を有する複数の情報記録層を備えた光デ
ィスクを製造する方法であって、基板を提供するステッ
プと、前記基板に感光材料を塗布するステップと、露光
記録波長が230nm以上の露光記録装置によって、前
記基板に案内溝を含むパターンを露光するステップと、
前記基板を現像して、前記パターンを有する原盤を作製
するステップと、前記原盤に基づいて金型を複製し、金
型に基づいて、片面にトラックピッチ0.36μm以下
の第1の案内溝を有する基材層を作製するステップと、
前記基材層に、記録膜層を有する第1の情報記録層を積
層するステップと、前記第1の情報記録層上に、第1の
情報記録層に照射される光を透過させる、略透明な、紫
外線硬化樹脂からなる中間層を積層するステップであっ
て、前記中間層の第1薄膜層と反対面に、前記金型と略
同じ案内溝を有する金型に基づいて、トラックピッチ
0.36μm以下の第2の案内溝を設けるステップと、
前記中間層に、記録膜を有する第2の情報記録層を積層
するステップと、第2の情報記録層上に、前記光を透過
させる、略透明で、かつ厚みが0.3mm以下の透明樹
脂層を積層するステップとを含み、前記第1の案内溝の
溝幅は、前記第1の案内溝に対応して形成された、第1
の情報記録層の記録膜上の、第2の案内溝の溝幅よりも
広く、前記第3の案内溝の溝幅は、第3の案内溝に対応
して形成された、第2の情報記録層の記録膜上の、第4
の案内溝の溝幅よりも広く、かつ、前記第1の案内溝の
溝幅と前記第3の案内溝の溝幅とは、前記トラックピッ
チの50%から80%の範囲に入る。これにより上記目
的が達成される。
【0042】前記基材層から前記第1の記録膜層までの
厚みと、前記中間層から前記第2の記録膜層までの厚み
が0.05μm以上であって、前記第1の案内溝、およ
び、前記第3の案内溝の溝エッジ角度は、30度から7
5度の範囲に入ってもよい。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
発明の光ディスク及びその作製方法を説明する。
【0044】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
おける多層光ディスクの半径方向の断面構造を示す概略
図である。実施の形態1における多層光ディスクは、厚
み約80μmポリカーボネイト製シート101と、案内
溝の形状を転写した厚み約10μmの第1の紫外線硬化
性樹脂層102と、マークとして情報が記録される半透
明の第1の情報記録層103と、厚みが約20〜40μ
mの第2の紫外線硬化樹脂層108と、マークとして情
報が記録される第2の情報記録層109と、案内溝の形
状を転写した厚み約1.1mmのポリカーボネイト製基
材114を積層して形成されている。第2の紫外線硬化
樹脂層108は、中間層として、2層の情報記録層であ
る第1の情報記録層103と第2の情報記録層109と
を隔てている。
【0045】第1の情報記録層103は、GeTeSb
を主成分とする相変化記録材料からなる記録膜105
と、ZnSを主成分とする誘電体膜104、106と、
Agを主成分とする金属合金の半透明反射膜107とが
積層されて構成されている。記録膜105は、誘電体膜
104、106に挟まれて形成されている。図示される
ように、光ヘッドからのレーザ光は、中間層108から
みて、第1の情報記録層103側から照射される。第2
の情報記録層109からの情報の読み出し、または、第
2の情報記録層109への情報の書き込みは、第1の情
報記録層103を介して行う必要がある。そのため、第
1の情報記録層103の透過率は、約50%に設定して
いる。
【0046】第2の情報記録層109は、GeTeSb
を主成分とする相変化記録材料からなる記録膜111
と、ZnSを主成分とする誘電体膜110、112と、
金属合金の反射膜113とが積層されて構成されてい
る。記録膜111は、誘電体膜110、112に挟まれ
て形成されている。
【0047】第1の情報記録層103は、案内溝を転写
された第1の紫外線硬化樹脂層102を基材として形成
される。また、第2の情報記録層109は、案内溝を転
写されたポリカーボネイト製基材114を基材として形
成される。
【0048】上述のように、情報の記録は、ポリカーボ
ネイト製シート101側からレーザ光を照射して、各記
録膜の案内溝部にマークを形成することにより行う。情
報の再生は、ポリカーボネイト製シート101側からレ
ーザ光を照射して、各記録膜の案内溝部に形成されたマ
ークからの反射光を読み取ることにより行う。
【0049】実施の形態1の多層光ディスクは、第1の
情報記録層103、および、第2の情報記録層109と
もに、レーザ光入射面側(ポリカーボネイト製シート1
01側)から見て凹部が案内溝となる。DVD−RAM
の規格を参考にすれば、レーザ光入射面側から見て凸側
をグルーブ部、凹側をランド部と定義すれば、実施の形
態1の多層光ディスクは、両情報記録層ともにランド部
で記録再生を行う光ディスクである。なお、「案内溝」
という語は、必ずしもランド部に限られず、グルーブ部
であってもよい。
【0050】実施の形態1の多層光ディスクは、情報記
録層103、109の基材となる第1の紫外線効果樹脂
層102とポリカーボネイト製基材114の案内溝幅を
調整することにより、形成される第1の情報記録層10
3内の記録膜105、および、第2の情報記録層109
内の記録膜111の各々の案内溝(ランド部)は、所望
の幅に略同一に形成されている。いずれの層において
も、案内溝のピッチは略同一である。
【0051】なお、情報の記録再生に関しては、良好な
再生信号品質、特にジッター、または、CN(Carrier-
Noise)比が重要である。ジッターとは、離散的な長さ
で記録された記録マークにレーザ光を照射した際に、反
射光によって検出されるマークの長さと、正規の(実際
の)長さとの差を、ウィンドウと呼ばれる幅で正規化し
た値である。一方、CN比とは、記録マークを再生した
際の、再生信号周波数の振幅と、その周波数でのノイズ
の振幅との比を表した値である。
【0052】多層光ディスクの第1の情報記録層および
第2の情報記録層のそれぞれを形成する各膜の厚みを表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】ここで、基材表面上での案内溝幅をそれぞ
れ0.16μm、0.26μm、0.4μm、案内溝の
ピッチを溝幅の2倍、溝の溝深さを16nmで作成した
多層光ディスクを考える。この多層光ディスクに、波長
405nm、開口数0.85の光ヘッドを用いて、情報
記録層上で0.185μmの長さとなる単一周波数の信
号を各情報記録層に記録し、再生したときのジッターを
表2に、そして、CN比を表3に示す。なお、ここでい
う溝の幅は、溝の半値の幅である。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】基材上に膜を形成すると、膜厚の影響によ
り、成膜が進むにつれ、形成された膜上の溝幅が狭くな
る。図7は、形成した膜の膜厚と、案内溝の幅の減少量
との関係を示す図である。表1に示した膜厚では、表4
に示す量だけ、各情報記録層内の記録膜表面では、案内
溝の幅が狭くなる。
【0058】
【表4】
【0059】案内溝のピッチを同じに保ち、基材表面上
の案内溝の幅を、表4に示した幅の減少量分だけ広く作
成し、同様にジッターとCN比を測定した結果を、表5
および表6に示す。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】表5および表6によれば、基材表面上の案
内溝の幅に補正を加えることで、ジッターおよびCN比
といった再生信号品質の向上が見られ、両情報記録層間
でほぼ同一のジッターおよびCN比が得られた。ただ
し、溝幅0.4μmでは、その向上が見られず、0.2
6μmの溝幅で、約30nmの補正を行った第2の情報
記録層においては、その効果が認められる。したがっ
て、本発明の多層光ディスクは約0.3μm以下の溝幅
に対して有効であることが理解される。なお、各情報記
録層の構造によっては、上記のように基材表面上の案内
溝の幅と、記録膜表面上の案内溝の幅との差分を補正す
るだけでなく、案内溝の幅自体を信号記録層ごとに調整
することにより、より優れた再生信号特性が得られる場
合もある。
【0063】例えば、図1に示す多層光ディスクの場
合、第2の情報記録層109には、第1の情報記録層1
03を通してレーザ光が照射され、情報を記録し、また
は再生する。そのため、第2の情報記録層からの再生信
号の特性が劣化する可能性がある。これは、2層ディス
クに限らず、より層数が増えた場合も同様であり、レー
ザ光を照射する側から見て、奥の層ほど再生信号特性は
劣化していく可能性がある。一方、案内溝幅が広くなる
ほど、ジッタおよびCN比などの再生信号品質は向上す
る傾向がある。そこで、複数の情報記録層を有する多層
光ディスクにおいては、記録膜表面での案内溝幅を層内
では略同一としつつ、奥の層ほど案内溝幅をやや広く形
成してもよい。または、奥の層ほど案内溝幅を徐々に広
げながら形成してもよい。これにより、より優れた再生
信号品質を得ることができる。なお、基材表面上の案内
溝の幅と、記録膜表面上の案内溝の幅との差分の補正量
は、より優れた再生信号特性が得られるよう、適宜調整
することができる。
【0064】次に、図3を参照して、実施の形態1にお
ける多層光ディスクの作製手順を説明する。まず、第1
のガラス基板301および第2のガラス基板302が提
供される。第1のガラス基板301および第2のガラス
基板302を洗浄した後、感光材料であるフォトレジス
トを塗布して、第1の原盤303および第2の原盤30
4とする。そして、それぞれの原盤に対して、露光記録
装置(Laser Beam Recorder:LBR)と呼ばれるレー
ザ光による露光装置を用いて、案内溝を含む所望のパタ
ーンに応じて変調されたレーザ光を集光露光して潜像を
形成し、現像して、所望のパターン(グルーブ・ランド
のような案内溝)を持つ第1のマスター原盤305と第
2のマスター原盤306を作製する。作製できる溝幅
は、露光記録装置の光源であるレーザの波長、フォトレ
ジスト原盤上にレーザ光を集光するための対物レンズの
開口数(NA)、フォトレジストの感光特性等によって
決定される。続いて、それぞれのマスター原盤に、スパ
ッタ法によりNi薄膜を形成し、それを電極として厚み
約300μmまでNi電鋳を行い、剥離する。剥離後、
フォトレジスト除去および裏面の研磨を行い、内径と外
径を打ち抜いて所望のパターンが転写された金型とし
て、第1のスタンパー307と第2のスタンパー308
が完成する。
【0065】次に、第1のスタンパー307を用いて、
第1の複製工程により、情報記録層が形成された第1の
基材309を作製する。図4は、第1の複製工程を示す
図である。まず、第1のスタンパー307に基づいて、
ポリカーボネイト製の基材マスター401を射出成形に
より作製する。そして、基材マスター401にAl膜を
スパッタ法により形成する。一方、厚み約0.1mmの
ポリカーボネイト製シートの内外周を所望の内外径に切
り抜いて円形のシート402を作成する。そして、シー
ト402上に紫外線硬化樹脂を同心円にドーナツ状に吐
出し、基材マスター401のAl膜形成面をシート基材
に対向させて重ね、回転させて余分な紫外線硬化樹脂を
振り切る。この段階で、厚みは約10μmとされる。そ
の後、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、紫
外線硬化樹脂とAl膜の界面から剥離することにより、
第1のスタンパー307のパターンを転写したシート基
材403を作製できる。
【0066】続いて、シート基材403のパターン転写
面には、スパッタ法により、順に、ZnSを主成分とす
る第1の誘電体膜404、GeTeSbを主成分とする
相変化記録材料からなる記録膜405、ZnSを主成分
とする第2の誘電体膜406、および、Ag合金からな
る半透明の金属反射膜407が積層される。これらの層
が情報記録層を形成する。スパッタ法により形成された
記録膜405は、成膜された状態ではアモルファスであ
る。レーザ光等の光を集光して照射(露光)することに
より、結晶化させ初期化できる。以上のようにして、情
報記録層が形成された第1の基材309(図3)を作製
できる。
【0067】次に、第2のスタンパー308(図3)を
用いて、第2の複製工程により、情報記録層が形成され
た第2の基材310(図3)を作製する。図5は、第2
の複製工程を示す図である。第2のスタンパー308
(図3)に基づいて、射出成形により第2のスタンパー
のパターンを転写した厚み約1.1mmのポリカーボネ
イト製基材501を作製する。パターン転写面に、Al
合金からなる金属反射膜505、ZnSを主成分とする
第2の誘電体膜504、GeTeSbを主成分とする相
変化記録材料からなる記録膜503、ZnSを主成分と
する第1の誘電体膜502を、順にスパッタ法により積
層させ、情報記録層を形成する。第1の基材同様に、光
を集光して照射(露光)することにより、結晶化させ初
期化できる。以上のようにして、情報記録層が形成され
た第2の基材310が作製できる。
【0068】次に第1の基材309の情報記録層が形成
された面に、紫外線硬化樹脂を同心円状に吐出し、第2
の基材310の情報記録層が形成された面が第1の基材
と対向するように重ね、回転させて余分な紫外線硬化樹
脂を振り切り、厚みを20〜40μm程度にした後、紫
外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させることにより
2つの情報記録層を持つ多層光ディスク311を作製す
る。
【0069】基材表面上の案内溝の幅を情報記録層毎に
変化させるには、各マスター原盤を作成する際の露光強
度を調整すればよい。フォトレジストとしてポジ型のレ
ジストを使用した場合、露光された部分が現像によって
除去される。そこで、案内溝の幅を広くする場合はフォ
トレジストに露光するレーザー光の強度を大きくすれば
よい。所望の溝幅を持つマスター原盤を作成し、所望の
案内溝幅を転写することにより、読み取り用のレーザが
照射される側から見て奥の層ほど、案内溝の幅が広い多
層光ディスクを作製できる。
【0070】(実施の形態2)図6は、実施の形態2に
おける多層光ディスクの半径方向の断面構造を示す概略
図である。実施の形態2の多層光ディスクは、実施の形
態1における多層光ディスクと同様、厚み約0.1mm
のポリカーボネイト製シート601と、案内溝の形状を
転写した厚み約10μmの第1の紫外線硬化性樹脂層6
02と、半透明の第1の情報記録層603と、第1の情
報記録層603と第2の情報記録層609を隔てる第2
の紫外線硬化樹脂層608と、第2の情報記録層609
と、案内溝の形状を転写したポリカーボネイト製基材6
14を積み重ねた2層の情報記録層を積層して形成され
ている。
【0071】第1の情報記録層603は、GeTeSb
を主成分とする相変化記録材料からなる記録膜605
と、ZnSを主成分とする誘電体膜604、606と、
Agを主成分とする金属合金の半透明反射膜607とが
積層されて構成されている。記録膜605は、誘電体膜
604、606に挟まれて形成されている。第1の情報
記録層603を通して、第2の情報記録層609にデー
タを記録し、第2の情報記録層609からデータを再生
するため、第1の情報記録層603の透過率は、約50
%に設定している。
【0072】第2の情報記録層609は、GeTeSb
を主成分とする相変化記録材料からなる記録膜611
と、ZnSを主成分とする誘電体膜610、612と、
Al合金の反射膜613とが積層されて構成されてい
る。記録膜611は、誘電体膜610、612に挟まれ
て形成されている。
【0073】第1の情報記録層603は、案内溝を転写
された第1の紫外線硬化樹脂層602を基材として形成
される。また、第2の情報記録層609は、案内溝を転
写されたポリカーボネイト製基材614を基材として形
成される。
【0074】情報の記録は、ポリカーボネイト製シート
601側からレーザ光を照射して、各記録膜の案内溝部
にマークを形成することにより行う。情報の再生は、ポ
リカーボネイト製シート601側からレーザ光を照射し
て、各記録膜の案内溝部に形成されたマークからの反射
光を読み取ることにより行う。
【0075】基材に膜を形成する場合、実施の形態1で
説明した案内溝の幅に加えて、溝の深さも変化する。図
8は、形成した膜の膜厚と、案内溝の溝深さの増加量と
の関係を示す図である。成膜する膜厚が増えるに伴い、
成膜された膜表面での案内溝の深さが増加することが理
解される。また、案内溝の深さに対し、情報記録層から
の反射光は、深さが深くなるにつれて減少する。図9
は、検出される反射光量に比例した振幅と、光路長に換
算した案内溝の溝の深さの関係を表す図である。ここで
は、光ヘッドから出射されるレーザ光の波長はλであ
る。図9によれば、情報記録層からの反射光が、案内溝
の増加に伴い減少し、光路長にしてλ/4で最小となる
ことが理解される。
【0076】表1の構成を有する多層ディスクでは、各
情報記録層は、表7に示すように案内溝の溝幅が異なっ
ている。
【0077】
【表7】
【0078】表2および表3に示す構成を有する多層光
ディスクに対し、表7の補正量を加味して、多層光ディ
スクを作製する。そして、波長405nm、開口数0.
85の光ヘッドを用いて、同様にジッターとCN比を測
定した結果を、それぞれジッターを表8およびCN比を
表9に示す。
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】表8および表9によれば、基材表面上での
案内溝の深さに補正を加えることで、ジッターおよびC
N比といった再生信号品質の向上が見られ、両情報記録
層間でほぼ同一のジッターおよびCN比が得られた。た
だし、溝幅0.4μmでは、その向上が見られないた
め、本発明の多層光ディスクは約0.3μm以下の溝幅
に対して有効であることが理解される。
【0082】なお、各情報記録層の構造によっては、上
記のように基材表面上と記録膜表面上の案内溝の深さの
差分の補正量を調整することで、より優れた再生信号特
性が得られる場合がある。このような場合には、各信号
記録層の補正量を適宜調整すればよい。
【0083】次に、本発明の実施の形態2における多層
光ディスクの作成方法を説明する。本発明の実施の形態
2における多層光ディスクの作成方法は、実施の形態1
で説明した多層光ディスクの作製方法と略同様である。
よって、相違点のみを説明する。図8に示すように、膜
の形成により溝の深さは変化する。そこで、フォトレジ
ストを塗布した第1原盤および第2原盤を用意する際、
溝の深さの変化量を考慮して各フォトレジストの膜厚を
変えることにより、所望の溝の深さを持つ各マスター原
盤が作成できる。これを用いることにより実施の形態2
における多層光ディスクを作成することができる。
【0084】なお、実施の形態2における多層光ディス
クの作製方法では、2枚の原盤のフォトレジストを塗布
する厚さを変えることで案内溝の深さを変えた。しか
し、両原盤共にフォトレジストを所望の深さよりも厚く
塗布し、レーザー光を集光露光する際の強度を調整する
ことによっても案内溝の深さを変えたマスター原盤を作
成することもできる。また、基材表面上の案内溝の幅お
よび深さは、一方のみを変更しても効果が得られる。し
かし、案内溝の幅および深さの両方を調整して変更する
ことにより、さらに優れた特性を得ることもできる。
【0085】また実施の形態1および2では、個別の基
材を用意して、それぞれに情報記録層を形成した後、貼
り合せる多層光ディスクの構造、および、作製方法を説
明した。しかし、案内溝を形成された基材、または、そ
れに代わる膜を用い、その形状に沿って情報記録層を形
成して、多層光ディスクを作製してもよい。この場合に
も、これまで説明したと同様の効果が得られる。
【0086】さらに、実施の形態1および2では、2層
の情報記録層を有する多層光ディスクについて述べた
が、本発明は、ディスクの一方の面からデータを記録再
生できる、3以上の情報記録層を有する多層光ディスク
にも適用できる。
【0087】(実施の形態3)実施の形態3では、現在
開発されている波長230nm以上のレーザを光源とす
る露光記録装置を使用して基板を作製し、従来の射出成
形による基板作製方法により、20GB以上の高密度で
情報を記録できる光ディスクを説明する。基板の凹部を
信号記録用の案内溝として使用することで、基板の凸部
の成形での転写性によるノイズ悪化の影響を受けにくく
した。
【0088】記録再生を行うためのレーザ光を照射する
側から見た最終的な案内溝の溝幅は、射出成形された基
板上の凹凸形状の上に積層された記録膜層を含む情報記
録層(薄膜層)によって形成される。4.7GBのDV
D−RAMの場合、Ge(ゲルマニウム)、Sb(アン
チモン)、Te(テルル)からなる相変化記録膜、Zn
S、SiO2からなる誘電体膜等を成膜して得られる最
終的な溝幅は、基板に形成された案内溝のエッジ部に積
層される記録膜層までの膜厚によって決定される。
【0089】溝エッジ部に積層される記録膜層までの膜
厚は、溝エッジの角度の影響を大きく受ける。エッジ角
度が大きいほど、記録膜層は溝エッジ部に積層され難く
なり、基板に形成された溝幅に対して、記録膜層によっ
て得られる最終的な溝幅はほとんど差がなくなる。
【0090】図10は、溝エッジに積層される記録膜層
の溝エッジ角度による影響を表す模式図である。(a)
は大きい溝エッジ角度1001を示し、(b)は大きい
溝エッジ角度1004を示す。(a)に示すように、溝
エッジ角度1001が大きい場合、基板上の溝幅100
2と、記録膜層の溝幅1003はほぼ一致している。一
方、(b)に示すように、溝エッジ角度1004が小さ
い場合には、基板での溝幅1005と、記録膜層の溝幅
1006との差は、比較的大きくなる。(a)の例であ
る4.7GBのDVD−RAMの場合、溝エッジ角度は
70度から80度程度ある。よって、基板上から記録膜
層までの膜厚が約50nmとなる相変化記録膜が積層さ
れた場合、基板上に形成された溝幅に対して、記録膜層
を成膜した後の最終的な溝幅はほとんど変化しない。つ
まり4.7GBのDVD−RAMの場合には、最終的に
記録再生特性等によって決定される所望の溝幅に対し
て、基板上の溝幅はほぼ同程度の幅で作製しなければな
らない。
【0091】4.7GBのDVD−RAMの場合には、
ディスクのトラックピッチが0.615μmと広く、現
在開発されている一般的な露光記録装置、およびマスタ
リングプロセスを使用して十分安定して基板作製が可能
である。また、DVD−RAMでは厚みが約0.6mm
の樹脂基板を射出成形によって形成し、2枚の樹脂基板
を貼り合わせる構成となっているが、厚みが0.6mm
で、トラックピッチが0.615μm程度(案内溝幅で
0.615μm程度)の基板作製プロセスでは、全面に
わたって十分な樹脂転写が可能である。
【0092】一方、BSデジタル放送が2時間以上記録
でき、かつ、CDあるいはDVDとの互換を考慮した直
径120mmの光ディスクで20GB以上の容量を実現
するためには、例えば0.36μm以下のトラックピッ
チが必要である。従来のDVD−RAMと同様にランド
グルーブ記録方式であって、例えばトラックピッチが
0.36μmの場合、案内溝幅としてはトラックピッチ
とほぼ同程度の約0.36μm近傍の溝幅が必要とな
る。この案内溝幅は現在開発されている露光記録装置
(光源の波長は230nm以上)を用いて作製すること
は可能である。しかし、再生時にランドとグルーブでト
ラッキングの極性が異なるため、再生時にトラッキング
の極性を切り替える必要があった。また、ランドとグル
ーブで記録再生特性が異なる場合があった。
【0093】また、ランドグルーブ記録方式と異なり、
グルーブあるいはランドにのみ信号を記録するグルーブ
記録方式あるいはランド記録方式も考えられる。この場
合、ランドグルーブ記録方式のようにトラッキングの極
性が異なる、あるいはランドとグルーブの記録再生特性
が異なるといった問題は解消されるが、トラックピッチ
の約半分程度の溝幅を作製しなければならない。記録容
量20GB以上の光ディスクの作製に必要となるトラッ
クピッチを0.36μm以下としたとき、トラックピッ
チの約半分となる溝幅を現在開発されている露光記録装
置で露光記録することは、非常に困難となる。
【0094】また、従来の射出成形により光ディスク基
板を作製する場合、トラックピッチが0.36μm以下
となると、樹脂基板の厚みがDVD−RAMと同じ0.
6mmであったとしても、樹脂を充填する側となる基板
上の凸部を十分転写させることは非常に困難となる。
【0095】また、記録容量20GB以上の光ディスク
を実現するためには、記録再生に使用するレーザ光のス
ポット径も小さくする必要がある。すなわち、現在使用
されている650nm近傍のレーザ波長に対して、40
0nm近傍のレーザ光を使用する。そして、記録再生に
使用される対物レンズの開口数を現状の0.6程度か
ら、0.85程度まで高める提案がなされている。しか
し、記録再生光学系の短波長化、または、対物レンズの
高開口数化は、光ディスク基板のチルトに対するマージ
ンを非常に狭くしてしまう。この問題を解消するために
は、光ディスク基板の厚みを薄くする必要があるが、基
板厚みが0.3mm以下になると、凹凸形状のパターン
に関わらず、従来の成形による基板作製が非常に困難に
なる。
【0096】以下では、記録容量20GB以上の光ディ
スクを実現するために、どの程度のトラックピッチ、お
よび記録再生系が必要となるか求め、その後、ディスク
の作製工程を説明する。まず、基準となる記録容量4.
7GBのDVD−RAMでは、記録再生光学系のレーザ
波長は約650nmであり、光ディスクの記録膜層にレ
ーザ光を集光するために、約0.6の開口数の対物レン
ズが使用される。また、トラックピッチは0.615μ
mである。
【0097】記録容量20GB以上の光ディスクを実現
するために、記録再生光学系のレーザ光源として波長4
00nm近傍のレーザを使用する提案がなされている。
光源として青色半導体レーザまたはSHG素子を使用し
た青色レーザ光源(レーザの波長:390nm〜450
nm)を使用する場合、DVD−RAMのレーザ光源の
波長をλ、記録再生ヘッドの対物レンズの開口数naと
すると、記録再生ヘッドの対物レンズの開口数NA(Nu
merical Aperture)は、NA=√((20×3902/
(4.7×(λ/na)2))となる。よって、対物レ
ンズの開口数NAは0.7以上が必要となる。
【0098】また、信号記録用案内溝のトラックピッチ
をTPとし、DVD−RAMのトラックピッチをtpと
すると、TP=tp×(450/λ)×(na/NA)
と表すことができる。DVD−RAMのトラックピッチ
が0.615μmであることを考慮すると、記録容量2
0GB以上の光ディスクのトラックピッチは、0.36
μm以下が必要となる。
【0099】以下、実施の形態3の光ディスクを説明す
る。図11は、実施の形態3における光ディスクの半径
方向の断面構造を示す概略図である。実施の形態3にお
ける光ディスクは、基板1101と、反射膜層1102
と、誘電体層1103と、記録膜層1104と、誘電体
層1105と、透明層1106とを順に積層して形成さ
れている。実施の形態3の光ディスクには、レーザ光が
照射される側から見て凹部の記録膜層1104に情報が
記録される。レーザ光は反射膜層1102において反射
して、記録再生光1109となり、記録再生光1109
を集光する対物レンズ1108により集光される。上述
した光ディスクの凹部は、ランドと呼ばれることが多
い。図11から明らかなように、基板1101のランド
の幅1110よりも、記録膜層1104のランド110
7のランド幅1111の方が狭い。これは、基板110
1のランド上に、誘電体層1103と、記録膜層110
4とを積層したからである。よって、「ランド」とは、
基板1101から順に層を堆積したとき、幅が狭くなる
部分といえる。
【0100】このような光ディスクは以下のように作製
される。まず、露光記録装置(Laser Beam Recorder:
LBR)を使用して、ガラス板上にフォトレジストを塗
布したフォトレジスト原盤を所望のパターンで露光し、
現像する。この結果、ガラス板上には、信号記録用案内
溝となる凹凸形状が形成される。次に、凹凸形状が形成
されたフォトレジスト原盤上にニッケル薄膜をスパッタ
リングし、ニッケル薄膜を電極としてニッケルメッキを
行う。メッキ終了後、フォトレジスト原盤からメッキさ
れたニッケル板を剥離することで、フォトレジスト原盤
上に形成された凹凸形状がニッケル板上に転写される。
このニッケル板を洗浄し、裏面研磨および内外径加工を
行うことによって、スタンパと呼ばれる光ディスク基板
の金型が作製される。このスタンパを使用して、樹脂を
射出成形し、光ディスク基板が作製される。この方法に
より、信号記録用案内溝となる凹凸形状が片面に形成さ
れた基板1101が完成する。ここでは基板の厚みは約
1.1mmとし、ポリカーボネート樹脂を使用した射出
成形方法を用いて基板1101を作製した。
【0101】この基板1101上に、記録膜層を含む薄
膜層が形成される。具体的には、アルミニウム(Al)
合金からなる約30nmの反射膜層、SiO2からなる
約20nmの誘電体層、およびゲルマニウム(Ge)、
アンチモン(Sb)、テルル(Te)から構成される約
15nmの相変化記録膜、さらにSiO2からなる約5
0nm程度の誘電体層を、順にスパッタリングする。積
層された薄膜層上に約0.1mmの透明層をコーティン
グし、光ディスクが得られる。ここでは、薄膜層上に透
明層をコーティングすることで光ディスクを作製した
が、厚み0.1mmの樹脂シートを接着層を介して基板
と貼り合わせてもよい。
【0102】実施の形態3では、露光記録装置の光源と
して波長約250nmのレーザを使用し、トラックピッ
チ0.32μmの信号記録用の案内溝を露光記録した。
このとき、基板から記録膜層までの薄膜層の厚みは約
0.05μmである。基板上に形成された、レーザが照
射される側から見て凹形状となるランドの幅1110
は、トラックピッチ0.32μmに対して、凹凸形状の
エッジの半値で約60%となるように露光記録した。こ
のランド幅は、露光記録装置の光源の波長と対物レンズ
の開口数(NA)、および感光するフォトレジストの特
性等によって決定される。露光記録するレーザ光強度を
大きくするほど、形成される溝幅は広くなっていく。
【0103】留意すべきは、溝エッジ角度1112を、
エッジの傾斜の最も大きいところで比較的小さい約65
度となるようにしたことである。溝エッジ角度1112
は、無機系の現像液で現像する等、現像条件の変更や、
露光記録装置で露光記録するときのレーザ光の絞りの変
更により調整できる。基板1101から順に層を堆積す
ると、凹凸形状のエッジに積層された薄膜層の厚み分だ
け、凹部の溝幅(特に、記録膜層1104のランド幅1
111)は狭くなるが、溝エッジ角度1112を比較的
小さくすることにより、狭くなる程度を小さく抑えるこ
とができる。実際、トラックピッチ0.32μmに対し
て、記録膜層のランド幅1111はその約46%であ
る。よって、記録膜層の溝幅1111には記録再生が十
分可能な余裕ができる。同時に、成膜後の記録膜層の凹
部の溝幅1111に対して、基板の凹部の案内溝幅11
10を広く作製できるので、原盤の作製が容易になる。
【0104】上述のようにして作製された光ディスクの
記録再生評価を行った結果、トラッキングサーボも安定
しており、記録再生用光ディスクとして十分な記録特性
が確認できた。このとき使用した記録再生ヘッドの対物
レンズの開口数は0.85、レーザの波長は405nm
である。信号記録用の案内溝として、レーザが照射され
る側から見て凹形状となるランド1107を使用した。
【0105】実施の形態3の光ディスクでは、基板11
01の凹部1107を信号記録用案内溝として使用し、
また溝エッジ角度1112を小さくすることによって、
基板1101の凹部の案内溝幅1110を、成膜後の記
録膜層1104での凹部の溝幅に対して広く作製でき
る。これにより、記録再生に十分な記録膜層1104の
凹部の幅1111をとることができるので、片面1層で
20GB以上の記録容量を持つ光ディスクが実現でき
る。なお、基板1101から記録膜層1104までの厚
みが0.05μmより薄いと、基板の溝幅1110に対
して、成膜後の溝幅を狭くする効果が小さい。また、基
板1101から記録膜層1104までの厚みが0.05
μm以上の場合は、基板の溝幅1110に対して、成膜
後の溝幅を狭くする効果が大きくなることも確認した。
【0106】実施の形態3では、作製した基板のランド
幅1110は、トラックピッチ0.32μmに対して約
60%であった。一方、現在知られている露光記録装置
を利用して安定して記録できるグルーブ幅は、0.18
μm程度である。これは記録容量20GB以上の光ディ
スクが実現するために最低限必要なトラックピッチ0.
36μmの約50%に相当する。つまり、現在開発され
ている露光記録装置では、トラックピッチ0.36μm
の50%以下となる溝幅は安定した記録は不可能であ
る。
【0107】以下、基板での案内溝幅1110とトラッ
クピッチとの関係が、記録再生特性に与える影響を説明
する。この記録再生評価は、開口数0.85の対物レン
ズと、波長405nmのレーザより構成される記録再生
ヘッドを使用し、記録再生線速は5m/s、10MHz
の単一周波数で記録を行った結果である。
【0108】基板上の案内溝幅1110を、トラックピ
ッチ0.32μmの80%以上とすると、トラッキング
エラー信号の振幅が小さくなった。その結果、トラッキ
ングが不安定となる傾向が見られ、再生評価ができなか
った。
【0109】基板上の案内溝幅1110がトラックピッ
チの約80%のとき、溝エッジ角度1112と、記録膜
1104を成膜した後の記録膜層の溝幅1111の関係
を測定した。図14は、溝エッジ角度と記録膜層の溝幅
との関係を示す。溝幅の測定は、溝エッジの半値幅であ
る。「半値幅」とは、溝を形成する2つのエッジのそれ
ぞれの中点間の幅である。エッジ角度を小さくするにつ
れ、記録膜層の溝幅が狭くなっていることが確認でき
た。
【0110】基板上の案内溝幅1110がトラックピッ
チの約80%のとき、溝エッジ角度が大きく、つまり溝
幅が広くなるにつれ、隣接トラックに記録したマークを
消去するクロスイレーズ(CE)が大きくなった。溝エ
ッジ角度が約75度のとき、成膜後の溝幅1111はト
ラックピッチ(0.32μm)の約70%となってお
り、このときクロスイレーズCEは問題ないレベルであ
った。しかし、溝エッジ角度が75度を超えると、クロ
スイレーズCEが特に大きくなった。この原因は、信号
記録時に、反射膜層1102から隣接トラックに熱の回
り込みが生じ、隣接トラックに記録したマークに影響を
及ぼしたからと考えられる。
【0111】溝エッジ角度1112が約75度のとき、
信号再生時において、隣接トラックに記録したマークを
再生してしまうクロストーク(CT)も問題ないレベル
であった。しかし、溝エッジ角を大きくするとクロスト
ークCTが大きくなることが確認された。この原因は、
溝幅が広くなることにより、記録マークが広くなり、隣
接トラックに記録したマークエッジが、記録再生スポッ
ト内の光強度が強い部分にかかったためと考えられる。
【0112】溝エッジ角度が30度以下となったとき、
案内溝から発生する溝ノイズが急激に高くなった。この
原因は、フォトレジスト表面形状を転写して形成されて
いる案内溝のエッジ部分の面積が、レーザが照射される
側から見て大きくなり、その乱反射の影響が現れたと考
えられる。
【0113】基板の凸部であるグルーブに記録再生を行
ったところ、案内溝から発生する溝ノイズが高く、ラン
ドに対してCN比が約10dB小さかった。ノイズが高
い原因として、次のことが考えられる。すなわち、基板
の凹部(ランド)の幅が広くなるにつれ、成形するとき
に樹脂を充填しなければならない凸部(グルーブ)の幅
が狭くなり、成形時の転写が困難となる。これによる樹
脂表面の粗さから溝ノイズが悪化している可能性があ
る。また、グルーブは、フォトレジスト原盤を露光記録
する際、フォトレジスト面によって構成され、フォトレ
ジスト表面の粗さによる可能性も考えられる。
【0114】(実施の形態4)実施の形態3では、記録
膜層が1層で20GB以上の記録容量を持つ光ディスク
を説明した。実施の形態4では、記録膜層を2層にした
光ディスクを説明する。
【0115】図12は、実施の形態4における光ディス
クの半径方向の断面構造を示す概略図である。実施の形
態4における光ディスクは、第1基板1201と、誘電
体層1203と、第1記録膜層1204と、誘電体層1
205とを順に積層して形成されている。光ディスク
は、さらに、接着層1206と、誘電体層1207と、
第2記録膜層1208と、誘電体層1209と、反射膜
層1202と、第2基板1210とをさらに順に積層し
て形成されている。実施の形態4の光ディスクには、レ
ーザ光が照射される側から見て凹部の第1記録膜層12
04、および、第2記録膜層1208に情報が記録され
る。レーザ光は反射膜層1202において反射して、記
録再生光1214となり、記録再生光1214を集光す
る対物レンズ1213より集光される。レーザ光が照射
される側から見て凹形状であるランド1211は、第2
基板1210上に形成されている。一方、レーザ光が照
射される側から見て凸形状であるグルーブ1212は、
第1基板1201上に形成されている。
【0116】このような光ディスクは以下のように作製
される。実施の形態3と同様、露光記録装置によって露
光記録したフォトレジスト原盤から、信号記録用の案内
溝が形成されたニッケルスタンパが作製される。そし
て、そのスタンパを使用してポリカーボネート樹脂を射
出成形し、片側に信号記録用案内溝が凹凸形状として形
成された第2基板1210が作製される。
【0117】また、ほぼ同様の信号パターンが形成され
たニッケルスタンパを使用して、第1基板1201を作
製する。そして厚みが約0.1mmのシート上に紫外線
硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化樹脂に押しつけ、紫外線
を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる。その後、スタ
ンパを剥離することでスタンパ上の凹凸形状が転写され
た、厚みが約0.1mmの第1基板1201が作製され
る。
【0118】第2基板1210の凹凸形状が転写してい
る面に、Al合金からなる約30nmの反射膜層、Si
O2からなる約20nmの誘電体層、およびGe、S
b、Teから構成される約15nmの相変化記録膜層、
さらに、SiO2からなる約50nmの誘電体層を、順
にスパッタリングしていく。また、第1基板の凹凸形状
が転写している面に、第2基板上に積層した薄膜層を逆
順にスパッタリングしていく。すなわち、第1基板の凹
凸形状が転写している面に、SiO2からなる約50n
mの誘電体層、Ge、Sb、Teからなる約6nmの相
変化記録膜層、さらにSiO2からなる約50nmの誘
電体層を、スパッタリングする。ただし、第1基板上に
形成される薄膜層は、第1記録膜層1204への情報の
記録再生のため、レーザ光を透過させる必要があるの
で、反射膜層は形成されない。
【0119】その後、各基板の記録膜層側が対向するよ
うに接着層を介して、第1基板と第2基板を貼り合わせ
ることにより、実施の形態4における光ディスクが作製
される。なお、レーザが照射される側から見て、第2基
板1210が凹形状であれば、それに対向する第1基板
1201は凸形状であり、第2基板1210が凸形状で
あれば、それに対向する第1基板1201も凹形状にな
るよう、互い違いに接着される。
【0120】実施の形態4では、露光記録装置の光源と
して波長約250nmのレーザを使用し、トラックピッ
チ0.32μmの信号記録用の案内溝を露光記録した。
また、第1基板1201上に積層された薄膜層、および
第2基板1210上に積層された薄膜層のうち、第1基
板1201から第1記録膜層1204までの厚みは前記
の通り、約0.05μmとし、第2基板1210から第
2記録膜層1208までの厚みも前記の通り、約0.0
5μmとなる薄膜層を積層した。
【0121】第2基板上に形成された凹部、つまりレー
ザが照射される側から見て凹形状となるランドの幅12
11が、トラックピッチ0.32μmに対して、凹凸形
状のエッジの半値で約60%となるように露光記録し
た。また、実施の形態3と同様、溝エッジ角度1215
は、エッジの傾斜の最も大きいところで、約65度とな
るようにした。第1基板1201の凹凸形状上に第1記
録膜層1204が積層された後の記録膜層のランド幅
は、凹凸形状のエッジに積層された薄膜層の厚み分ラン
ド幅が狭くなっており、トラックピッチ0.32μmに
対して、その約46%である。 また、第1基板120
1に形成された凸部、つまりレーザが照射される側から
見て凸形状となるグルーブの幅は、トラックピッチ0.
32μmに対して、凹凸形状のエッジの半値で約60%
となるように露光記録した。また、溝エッジ角度は、第
1基板側の溝エッジ角度と同様に、エッジの傾斜の最も
大きいところで、約65度となるようにした。第2基板
1210の凹凸形状上に記録膜層1208が積層された
後の記録膜層のグルーブ幅は、トラックピッチ0.32
μmに対して、その約46%程度である。
【0122】実施の形態4では、作製した第1基板12
01、および第2基板1210の溝幅はトラックピッチ
0.32μmに対して約60%であった。よって、実施
の形態3で詳述したように、現在開発されている露光記
録装置で、トラックピッチ0.36μmの50%以下と
なる溝幅は安定した記録は不可能であるが、実施の形態
4の光ディスクの作製には利用できる。
【0123】以下、第1基板1201での案内溝幅、お
よび、第2基板1210での案内溝幅と、トラックピッ
チとの関係が、記録再生特性に与える影響を説明する。
まず、第1基板、第2基板ともに、溝幅がトラックピッ
チに対して80%以上となると、トラッキングエラー信
号の振幅が小さくなった。その結果、トラッキングが不
安定となる傾向が見られ、再生評価ができなかった。よ
って、案内溝幅がトラックピッチの50度から80度ま
での範囲であれば、適切な記録再生特性が得られる。
【0124】積層された薄膜層のうち、第1基板120
1から第1記録膜層1204までの厚み、および第2基
板1210から第2記録膜層1208までの厚みを0.
05μm以下とすると、溝エッジに積層される薄膜層の
厚み分、溝幅が狭くなる効果が小さい。また、第1基板
から第1記録膜層までの厚み、および第2基板から第2
記録膜層までの厚みが0.05μm以上の場合、溝幅が
狭くなる効果が大きいことも確認した。
【0125】この光ディスクを、開口数0.85の対物
レンズと、波長405nmのレーザにより構成される記
録再生ヘッドを使用し、記録再生評価を行った。また記
録線速は5m/s、10MHzの単一周波数で記録を行
った。信号記録用の案内溝としては、第1基板1201
側ではレーザが照射される側から見て凸形状となるラン
ドを使用する。第2基板1210側では、レーザが照射
される側から見て凹形状となるグルーブを使用する。各
層に対して、トラッキングサーボも安定しており、記録
再生用光ディスクとして十分な記録特性が得られた。
【0126】第1基板1201および第2基板1210
における溝エッジ角度を変化させたとき、実施の形態3
に示したのと同様の効果が得られ、エッジ角が75度以
上となると、クロスイレーズおよびクロストークの影響
が大きくなり、また、エッジ角が30度以下となるとノ
イズの悪化が見られた。よって、エッジ角が30度から
75度までの範囲であれば、適切な記録再生特性が得ら
れる。
【0127】また、第2基板の凸部であるグルーブに記
録再生を行ったところ、案内溝から発生する溝ノイズが
高く、ランドに対してCN比が約10dB小さかった。
ノイズが高い原因として、次のことが考えられる。第2
基板の凹部(ランド)の幅が広くなるにつれ、成形する
ときに樹脂を充填しなければならない凸部(グルーブ)
の幅が狭くなり、成形時の転写が困難となる。これによ
り、樹脂表面の粗さから溝ノイズが悪化している可能性
がある。また、グルーブは、フォトレジスト原盤を露光
記録する際、フォトレジスト面によって構成され、フォ
トレジスト表面の粗さによる可能性も考えられる。ま
た、第1基板の凸部、すなわち、レーザが照射される側
から見て凸形状となるランドに記録再生を行ったとこ
ろ、第1基板と同様に、第2基板のグルーブに対してC
N比が約10dB程度小さいことが確認された。
【0128】(実施の形態5)実施の形態5では、実施
の形態4と同様、記録膜層を2層にした光ディスクを説
明する。
【0129】図13は、実施の形態5における光ディス
クの半径方向の断面構造を示す概略図である。実施の形
態5における光ディスクは、透明層1301と、誘電体
層1303と、第1記録膜層1304と、誘電体層13
05とを順に積層して形成されている。光ディスクは、
さらに、中間層1306と、誘電体層1307と、第2
記録膜層1308と、誘電体層1309と、反射膜層1
302と、基板1310と、をさらに順に積層して形成
されている。実施の形態5の光ディスクには、レーザ光
が照射される側から見て凹部の第1記録膜層1304、
および、第2記録膜層1308に情報が記録される。レ
ーザ光は反射膜層1302において反射して、記録再生
光1314となり、記録再生光1314を集光する対物
レンズ1313より集光される。レーザ光が照射される
側から見て凹形状であるランド1311は、基板131
0上に形成されている。一方、レーザ光が照射される側
から見て凹形状であるランド1312は、中間層130
6上に形成されている。
【0130】このような光ディスクは以下のように作製
される。実施の形態3と同様、露光記録装置によって露
光記録したフォトレジスト原盤より、信号記録用の案内
溝が形成されたニッケルスタンパが作製される。そし
て、そのスタンパを使用してポリカーボネート樹脂を射
出成形し、片側に信号記録用案内溝が凹凸形状として形
成された基板1310が作製される。
【0131】基板1310の凹凸形状が転写している面
に、Al合金からなる約30nmの反射膜層、SiO2
からなる約20nmの誘電体層、およびGe、Sb、T
eから構成される約15nmの相変化記録膜層、さら
に、SiO2からなる約50nmの誘電体層を、順にス
パッタリングしていく。その後、基板1310上に積層
された薄膜層の上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第1基板
の金型となったスタンパとほぼ同様の信号パターンが形
成されたスタンパを紫外線硬化樹脂に押しつけ、紫外線
を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる。その後、スタ
ンパを剥離することで、紫外線硬化樹脂の基板1310
側と反対側に信号記録用の凹凸形状が転写される。
【0132】この凹凸形状上にSiO2からなる約50
nmの誘電体層と、Ge、Sb、Teからなる約15n
mの相変化記録膜層と、さらにSiO2からなる約50
nmの誘電体層を順にスパッタリングし、薄膜層を形成
する。この薄膜層上に厚みが約0.1mmである透明層
を形成し、光ディスクが作製される。なお、レーザが照
射される側から見て、基板1310が凹形状であれば、
それに対向する透明層1301も凹形状であり、基板1
310が凸形状であれば、それに対向する透明層130
1も凸形状になるよう設けられる。
【0133】実施の形態5では、露光記録装置の光源と
して波長約250nmのレーザを使用し、トラックピッ
チ0.32μmの信号記録用の案内溝を露光記録した。
また、基板1310上に積層された薄膜層、および透明
層1301上に積層された薄膜層のうち、透明層130
1からから第1記録膜層1304までの厚みは約0.0
5μm、基板1310から第2記録膜層1308までの
厚みは約0.05μmとなる薄膜層を積層した。
【0134】基板上に形成された凹部、つまりレーザが
照射される側から見て凹形状となるランドの幅1311
が、トラックピッチ0.32μmに対して、凹凸形状の
エッジの半値で約60%となるように露光記録した。ま
た、実施の形態3および4と同様、溝エッジ角度は、エ
ッジの傾斜の最も大きいところで、約65度となるよう
にした。基板1310の凹凸形状上に記録膜層1308
が積層された後の記録膜層のランド幅は、凹凸形状のエ
ッジに積層された薄膜層の厚み分ランド幅が狭くなって
おり、トラックピッチ0.32μmに対して、その約4
6%である。
【0135】また、透明層1301の凸部、つまりレー
ザが照射される側から見て凸形状となるグルーブの幅
は、トラックピッチ0.32μmに対して、凹凸形状の
エッジの半値で約60%となるようにした。溝エッジ角
度は、エッジの傾斜の最も大きいところで、約65度と
なるようにした。透明層1301の凹凸形状上に記録膜
層が積層された後の記録膜層のグルーブ幅は、トラック
ピッチ0.32μmに対して、その約46%程度であ
る。
【0136】積層された薄膜層のうち、基板1310か
ら第2記録膜層1308までの厚み、および中間層13
06から第1記録膜層1304までの厚みを0.05μ
m以下とすると、溝エッジに積層される薄膜層の厚み
分、溝幅が狭くなる効果が小さい。また、基板から第2
記録膜層までの厚み、および中間層から第1記録膜層ま
での厚みが0.05μm以上の場合、溝幅が狭くなる効
果が大きいことも確認した。
【0137】この光ディスクを、開口数0.85の対物
レンズと、波長405nmのレーザにより構成される記
録再生ヘッドを使用し、記録再生評価を行った。信号記
録用の案内溝としては、基板側では、レーザが照射され
る側から見て凹形状となるランドを使用する。透明層1
301側ではレーザが照射される側から見て凸形状とな
るグルーブを使用する。各層に対して、トラッキングサ
ーボも安定しており、記録再生用光ディスクとして十分
な記録特性が得られた。
【0138】基板1310および中間層1306におけ
る溝エッジ角度を変化させたとき、実施の形態3に示し
たのと同様の効果が得られ、エッジ角が75度以上とな
ると、クロスイレーズおよびクロストークの影響が大き
くなり、また、エッジ角が30度以下となるとノイズの
悪化が見られた。よって、30度から75度までの範囲
であれば、適切な記録再生特性になると考えられる。
【0139】また、基板の凸部であるグルーブに記録再
生を行ったところ、案内溝から発生する溝ノイズが高
く、ランドに対してCN比が約10dB小さかった。ノ
イズが高い原因として、次のことが考えられる。基板の
凹部(ランド)の幅が広くなるにつれ、成形するときに
樹脂を充填しなければならない凸部(グルーブ)の幅が
狭くなり、成形時の転写が困難となる。これにより、樹
脂表面の粗さから溝ノイズが悪化している可能性があ
る。また、グルーブは、フォトレジスト原盤を露光記録
する際、フォトレジスト面によって構成され、フォトレ
ジスト表面の粗さによる可能性も考えられる。また、中
間層上で基板と反対面に形成された凸部、すなわちレー
ザが照射される側から見て凸形状となるグルーブに記録
再生を行ったところ、第1基板と同様に、ランドに対し
てCN比が約10dB程度小さいことが確認された。こ
の原因として、露光記録によって形成された凹凸形状の
内、グルーブはフォトレジスト面によって構成されてい
るため、フォトレジスト表面の粗さによるノイズ悪化が
考えられる。
【0140】
【発明の効果】本発明によれば、案内溝を有する複数の
情報記録層からなる多層光ディスクにおいて、基材表面
上の案内溝の幅あるいは深さを情報記録層毎に変える事
により、各情報記録層内の記録膜での幅あるいは深さを
略同じに最適化した。これは、基材表面上の案内溝形状
の基となる原盤において、案内溝幅あるいは深さを変え
ることにより実現した。これにより、記録再生に際し
て、各情報記録層から良好な再生信号品質が得ることが
できる。
【0141】また本発明の光ディスクでは、基材層に形
成された前記案内溝の溝幅は、記録膜の案内溝の溝幅よ
り広く、かつ、トラックピッチの50%から80%の範
囲に入る。これにより、記録容量の大きい高密度光ディ
スクが得られるとともに、優れた記録再生特性により情
報を記録再生できる。このような光ディスクは、案内溝
の溝エッジ角度を所定の値に調整することにより得るこ
とができる。
【0142】また、本発明によれば、前記片面1層ディ
スクだけでなく、片面2層ディスクにおいても同様に、
凹凸形状の凹部に記録膜層を含む薄膜層を積層すること
により、成膜後の溝幅を狭くする効果を利用し、現在開
発されている露光記録装置および成形方法で片面2層デ
ィスクを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における多層光ディス
クの構造を説明する概略図である。
【図2】 従来の光ディスクの構造を説明する概略図で
ある。
【図3】 本発明の実施の形態1における多層光ディス
クの作成工程を説明する概略図である。
【図4】 本発明の実施の形態1における第1の複製工
程を説明する概略図である。
【図5】 本発明の実施の形態1における第2の複製工
程を説明する概略図である。
【図6】 本発明の実施の形態2における多層光ディス
クの構造を説明する概略図である。
【図7】 膜厚と溝幅減り量の関係を示す図である。
【図8】 溝深さと信号振幅の関係を示す図である。
【図9】 膜厚と溝深さの増加量の関係を示す図であ
る。
【図10】 溝エッジに積層される記録膜層の溝エッジ
角度による影響を表す模式図である。(a)は溝エッジ
角度が大きい場合を示す。(b)は溝エッジ角度が小さ
い場合を示す。
【図11】 実施の形態3における光ディスク構造を示
す模式図である。
【図12】 実施の形態3における光ディスク構造を示
す模式図である。
【図13】 実施の形態4における光ディスク構造を示
す模式図である。
【図14】 溝エッジ角度と記録膜を成膜した後のトラ
ックピッチに対する溝幅比の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101 シート 102 第1の紫外線硬化樹脂層 103 第1の情報記録層 104,106,110,112 誘電体膜 105,111 記録膜 107 半透明反射膜 108 第2の紫外線硬化樹脂層 109 第2の情報記録層 113 反射膜 114 基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538Q 541 541D 561 561E 561M 561N 561P 7/007 7/007 7/26 7/26 (72)発明者 佐藤 秀二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D029 HA04 JB13 JB35 JB47 LB07 LC04 MA46 MA47 RA08 WB03 WB11 WB17 WB21 WC01 WD10 5D090 AA01 BB01 BB05 BB12 CC14 DD03 EE05 FF11 FF15 GG02 GG07 GG10 KK06 5D121 AA02 AA07 BB26

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々に複数の案内溝が設けられた複数の
    基材層と、 前記基材層に積層された複数の情報記録層であって、複
    数の情報記録層の各々は、前記案内溝上に、情報を記録
    する記録膜を有する複数の情報記録層と、 前記複数の情報記録層の間に狭持される中間層とを備え
    た光ディスクであって、 前記基材層の案内溝は、基材層毎に異なる溝幅を有し、
    かつ、積層によって、基材層の案内溝に対応して形成さ
    れた情報記録層の案内溝は、情報記録層毎に実質的に同
    一のピッチを有する光ディスク。
  2. 【請求項2】 情報を記録し、再生する光が一方の面か
    ら照射される光ディスクであって、 前記一方の面からみて奥に位置する基材層ほど、前記案
    内溝の溝幅が広く形成された、請求項1に記載の光ディ
    スク。
  3. 【請求項3】 前記複数の情報記録層は2層である、請
    求項1記載の光ディスク。
  4. 【請求項4】 前記複数の情報記録層の各々の記録密度
    は同一である、請求項1記載の光ディスク。
  5. 【請求項5】 基材層上の案内溝の溝幅が0.3μm以
    下である、請求項1記載の光ディスク。
  6. 【請求項6】 積層によって、基材層の案内溝に対応し
    て形成された情報記録層の記録膜の案内溝は、実質的に
    同一の溝幅を有する、請求項1記載の光ディスク。
  7. 【請求項7】 情報を再生する光が一方の面から照射さ
    れる光ディスクであって、前記複数の情報記録層の各々
    から再生される信号の品質は、実質的に同一である、請
    求項1記載の光ディスク。
  8. 【請求項8】 再生される信号の品質は、ジッターによ
    り表される、請求項7記載の光ディスク。
  9. 【請求項9】 再生される信号の品質は、再生信号のC
    N比により表される、請求項7記載の光ディスク。
  10. 【請求項10】 各々に複数の案内溝が設けられた複数
    の基材層と、 前記基材層に積層された複数の情報記録層であって、複
    数の情報記録層の各々は、前記案内溝上に、情報を記録
    する記録膜を有する複数の情報記録層と、 前記複数の情報記録層の間に狭持される中間層とを備え
    た光ディスクであって、 前記基材層の案内溝は、基材層毎に異なる深さを有し、
    かつ、積層によって、基材層の案内溝に対応して形成さ
    れた情報記録層の案内溝は、情報記録層毎に実質的に同
    一のピッチを有する光ディスク。
  11. 【請求項11】 前記複数の情報記録層は2層である、
    請求項10記載の光ディスク。
  12. 【請求項12】 基材層上の案内溝の溝幅が0.3μm
    以下である、請求項10記載の光ディスク。
  13. 【請求項13】 積層によって、基材層の案内溝に対応
    して形成された情報記録層の記録膜の案内溝は、実質的
    に同一の深さを有する、請求項10記載の光ディスク。
  14. 【請求項14】 情報を再生する光が一方の面から照射
    される光ディスクであって、前記複数の情報記録層の各
    々から再生される信号の品質は、実質的に同一である、
    請求項10記載の光ディスク。
  15. 【請求項15】 再生される信号の品質は、ジッターに
    より表される、請求項14記載の光ディスク。
  16. 【請求項16】 再生される信号の品質は、再生信号の
    CN比により表される、請求項14記載の光ディスク。
  17. 【請求項17】 情報を記録する記録膜を有する複数の
    情報記録層を備えた光ディスクを製造する方法であっ
    て、 複数の基板を提供するステップと、 前記複数の基板の各々に感光材料を塗布するステップ
    と、 前記複数の基板の各々に案内溝を含むパターンを露光す
    るステップであって、 前記案内溝を記録するための露光の強度を、前記複数の
    基板の各々で異ならせることにより、記録された各案内
    溝の溝幅を異ならせるステップと、 前記複数の基板の各々を現像して、前記パターンを有す
    る複数の原盤を作製するステップと、 複数の原盤の各々に基づいて複数の金型を複製し、金型
    に基づいて複数の基材層を作成するステップと、 前記複数の基材層の各々に、記録膜を有する情報記録層
    を積層するステップと、 前記複数の情報記録層を、中間層を介して貼り合わせる
    ステップとを含む、光ディスクの製造方法。
  18. 【請求項18】 情報を記録する記録膜を有する複数の
    情報記録層を備えた光ディスクを製造する方法であっ
    て、 複数の基板を提供するステップと、 前記複数の基板の各々に感光材料を塗布するステップで
    あって、塗布する感光材料の厚さを、前記複数の基板の
    各々で異ならせることにより、記録された各案内溝の溝
    幅を異ならせるステップと、 前記複数の基板の各々に案内溝を含むパターンを露光す
    るステップと、 前記複数の基板の各々を現像して、前記パターンを有す
    る複数の原盤を作製するステップと、 複数の原盤の各々に基づいて複数の金型を複製し、金型
    に基づいて複数の基材層を作成するステップと、 前記複数の基材層の各々に、記録膜を有する情報記録層
    を積層するステップと、 前記複数の情報記録層を、中間層を介して貼り合わせる
    ステップとを含む、光ディスクの製造方法。
  19. 【請求項19】 情報を記録する記録膜を有する複数の
    情報記録層を備えた光ディスクを製造する方法であっ
    て、 複数の基板を提供するステップと、 前記複数の基板の各々に感光材料を塗布するステップ
    と、 前記複数の基板の各々に案内溝を含むパターンを露光す
    るステップと、 前記複数の基板の各々を現像して、前記パターンを有す
    る複数の原盤を作製するステップと、 複数の原盤の各々に基づいて複数の金型を複製し、金型
    に基づいて複数の基材層を作成するステップと、 前記複数の基材層の各々に、記録膜を有する情報記録層
    を積層するステップと、 前記複数の情報記録層を、中間層を介して貼り合わせる
    ステップとを含み、感光材料を塗布するステップにおい
    て、塗布する感光材料の厚さを、前記複数の基板の各々
    で異ならせ、かつ、露光するステップにおいて、前記案
    内溝を記録するための露光の強度を、前記複数の基板の
    各々で異ならせることにより、各案内溝の深さを異なら
    せる、光ディスクの製造方法。
  20. 【請求項20】 開口数0.7以上の対物レンズを有す
    る記録再生ヘッドから照射される、波長が390nmか
    ら450nmの光によって記録再生可能な光ディスクで
    あって、 トラックピッチ0.36μm以下の案内溝を有する基材
    層と、 前記基材層上に積層された、記録膜を含む情報記録層で
    あって、前記基材層の案内溝に対応して形成された記録
    膜の案内溝に情報を記録する情報記録層と、 前記情報記録層上に積層され、情報記録層に照射される
    光を透過させる、略透明な、厚みが0.3mm以下の透
    明層とを備え、前記基材層に形成された前記案内溝の溝
    幅は、前記記録膜の案内溝の溝幅より広く、かつ、前記
    トラックピッチの50%から80%の範囲に入る、光デ
    ィスク。
  21. 【請求項21】 前記基材層から前記記録膜層までの厚
    みが0.05μm以上であって、前記基材層に形成され
    た前記案内溝の溝エッジ角度が、30度から75度の範
    囲に入る、請求項20記載の光ディスク。
  22. 【請求項22】 情報を記録する記録膜を有する複数の
    情報記録層を備えた光ディスクを製造する方法であっ
    て、 基板を提供するステップと、 前記基板に感光材料を塗布するステップと、 露光記録波長が230nm以上の露光記録装置によっ
    て、前記基板に案内溝を含むパターンを露光するステッ
    プと、 前記基板を現像して、前記パターンを有する原盤を作製
    するステップと、 前記原盤に基づいて金型を複製し、金型に基づいて、片
    面にトラックピッチ0.36μm以下の案内溝を有する
    基材層を作製するステップと、 前記基材層に、記録膜層を有する情報記録層を積層する
    ステップと、 前記情報記録層上に、情報記録層に照射される光を透過
    させる、略透明な、厚みが0.3mm以下の透明層を積
    層するステップとを含み、前記基材層に形成された前記
    案内溝の溝幅が、前記基材層の案内溝に対応して形成さ
    れた記録膜の案内溝の溝幅より広く、かつ、前記トラッ
    クピッチの50%から80%の範囲に入るように、前記
    基材層上の前記案内溝を形成する、光ディスクの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記基材層から前記記録膜層までの厚
    みが0.05μm以上であって、前記基材層に形成され
    た前記案内溝の溝エッジ角度が30度から75度の範囲
    に入る、請求項22記載の光ディスク製造方法。
  24. 【請求項24】 開口数0.7以上の対物レンズを有す
    る記録再生ヘッドから照射される、波長が390nmか
    ら450nmの光によって記録再生可能な光ディスクで
    あって、 各々にトラックピッチ0.36μm以下の案内溝が設け
    られ、少なくとも1つの層が0.3mm以下の厚みを有
    する複数の基材層と、 前記基材層に積層された複数の情報記録層であって、前
    記基材層の案内溝に対応して形成された記録膜の案内溝
    に情報を記録する、複数の情報記録層と、 前記複数の情報記録層を対向して貼り合わせる接着層と
    を備え、前記基材層に形成された案内溝の溝幅は、前記
    記録膜の案内溝の溝幅よりも広く、前記トラックピッチ
    の50%から80%の範囲に入る、光ディスク。
  25. 【請求項25】 前記基材層から前記記録膜までの厚み
    は、0.05μm以上であって、前記基材層に形成され
    た案内溝の溝エッジ角度は、30度から75度の範囲に
    入る、請求項24記載の光ディスク。
  26. 【請求項26】 情報を記録する記録膜を有する複数の
    情報記録層を備えた光ディスクを製造する方法であっ
    て、 複数の基板を提供するステップと、 前記複数の基板の各々に感光材料を塗布するステップ
    と、 露光記録波長が230nm以上の露光記録装置によっ
    て、前記複数の基板の各々に案内溝を含むパターンを露
    光するステップと、 前記複数の基板の各々を現像して、前記パターンを有す
    る複数の原盤を作製するステップと、 前記複数の原盤の各々に基づいて複数の金型を複製し、
    金型に基づいて、各々が、片面にトラックピッチ0.3
    6μm以下の案内溝を有する複数の基材層を作製するス
    テップと、 前記複数の基材層の各々に、記録膜を有する情報記録層
    を積層するステップと、 前記複数の情報記録層を、略透明な接着層を介して貼り
    合わせるステップとを含み、前記基材層に形成された前
    記案内溝の溝幅が、前記基材層の案内溝に対応して形成
    された記録膜の案内溝の溝幅より広く、かつ、前記トラ
    ックピッチの50%から80%の範囲に入るように、前
    記基材層上の前記案内溝を形成する、光ディスクの製造
    方法。
  27. 【請求項27】 前記基材層から前記記録膜までの厚み
    は、0.05μm以上であって、前記基材層に形成され
    た案内溝の溝エッジ角度は、30度から75度の範囲に
    入る、請求項26記載の光ディスクの製造方法。
  28. 【請求項28】 開口数0.7以上の対物レンズを有す
    る記録再生ヘッドから照射される、波長が390nmか
    ら450nmの光によって記録再生可能な光ディスクで
    あって、 トラックピッチ0.36μm以下の第1の案内溝を有す
    る基材層と、 前記基材層上に積層された、記録膜を含む第1の情報記
    録層であって、前記基材層の第1の案内溝に対応して形
    成された記録膜の第2の案内溝に情報を記録する、第1
    の情報記録層と、 前記第1の情報記録層上に積層され、第1の情報記録層
    に照射される光を透過させる、略透明な中間層であっ
    て、前記情報記録層と反対面にトラックピッチ0.36
    μm以下の第3の案内溝を有する中間層と、 前記中間層上に積層された、記録膜を含む第2の情報記
    録層であって、前記中間層の第3の案内溝に対応して形
    成された記録膜の第4の案内溝に情報を記録する、第2
    の情報記録層と、 第2の情報記録層上に積層され、前記光を透過させる、
    略透明で、かつ厚みが0.3mm以下の透明樹脂層とを
    備え、前記第1の案内溝の溝幅は、前記第2の案内溝の
    溝幅よりも広く、前記第3の案内溝の溝幅は、前記第4
    の案内溝の溝幅よりも広く、かつ、前記第1の案内溝の
    溝幅と前記第3の案内溝の溝幅とは、前記トラックピッ
    チの50%から80%の範囲に入る、光ディスク。
  29. 【請求項29】 前記基材層から前記第1の記録膜層ま
    での厚みと、前記中間層から前記第2の記録膜層までの
    厚みが0.05μm以上であって、前記第1の案内溝、
    および、前記第3の案内溝の溝エッジ角度は、30度か
    ら75度の範囲に入る、請求項28記載の光ディスク。
  30. 【請求項30】 情報を記録する記録膜を有する複数の
    情報記録層を備えた光ディスクを製造する方法であっ
    て、 基板を提供するステップと、 前記基板に感光材料を塗布するステップと、 露光記録波長が230nm以上の露光記録装置によっ
    て、前記基板に案内溝を含むパターンを露光するステッ
    プと、 前記基板を現像して、前記パターンを有する原盤を作製
    するステップと、 前記原盤に基づいて金型を複製し、金型に基づいて、片
    面にトラックピッチ0.36μm以下の第1の案内溝を
    有する基材層を作製するステップと、 前記基材層に、記録膜層を有する第1の情報記録層を積
    層するステップと、 前記第1の情報記録層上に、第1の情報記録層に照射さ
    れる光を透過させる、略透明な、紫外線硬化樹脂からな
    る中間層を積層するステップであって、前記中間層の第
    1薄膜層と反対面に、前記金型と略同じ案内溝を有する
    金型に基づいて、トラックピッチ0.36μm以下の第
    2の案内溝を設けるステップと、 前記中間層に、記録膜を有する第2の情報記録層を積層
    するステップと、 第2の情報記録層上に、前記光を透過させる、略透明
    で、かつ厚みが0.3mm以下の透明樹脂層を積層する
    ステップとを含み、前記第1の案内溝の溝幅は、前記第
    1の案内溝に対応して形成された、第1の情報記録層の
    記録膜上の、第2の案内溝の溝幅よりも広く、前記第3
    の案内溝の溝幅は、第3の案内溝に対応して形成され
    た、第2の情報記録層の記録膜上の、第4の案内溝の溝
    幅よりも広く、かつ、前記第1の案内溝の溝幅と前記第
    3の案内溝の溝幅とは、前記トラックピッチの50%か
    ら80%の範囲に入る、光ディスクの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記基材層から前記第1の記録膜層ま
    での厚みと、前記中間層から前記第2の記録膜層までの
    厚みが0.05μm以上であって、前記第1の案内溝、
    および、前記第3の案内溝の溝エッジ角度は、30度か
    ら75度の範囲に入る、請求項30記載の光ディスクの
    製造方法。
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US7920454B2 (en) 2003-05-16 2011-04-05 Ricoh Company, Ltd. Optical recording medium, and method and apparatus for optical recording and reproducing thereof

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