JP4306093B2 - 光学記録媒体およびその製造方法、ならびに射出成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学記録媒体およびその製造方法、ならびに射出成形装置に関し、特に、ディスク基板上の情報信号部が形成された側の面上にクランプ基準面が存在する光学記録媒体に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野において、光学情報記録方式に関するさまざまな研究、開発が進められている。この光学情報記録方式においては、非接触で記録/再生を行うことができ、磁気記録方式に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であるという利点を有している。また、この光学情報記録方式は、再生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれのメモリ形態に対応可能であるという、さらなる利点をも有する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い用途への適用が考えられている。
【0003】
これらの中でも、特に、再生専用型のメモリ形態に対応した光ディスクの、ディジタルオーディオディスクや光学式ビデオディスクなどが広く普及している。
【0004】
このようなディジタルオーディオディスクなどの光ディスクの構成について、以下に説明する。すなわち、光ディスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸パターンが形成された透明基板からなる光ディスク基板の一主面に、アルミニウム(Al)膜などの金属薄膜からなる反射層と、この反射層を大気中の水分(H2O)や酸素(O2)から保護するための保護膜とが順次設けられている。このような光ディスクにおいて、情報信号の再生を行う場合には、まず、ディスク基板の側から凹凸パターンにレーザ光などの再生光を照射する。そして、この再生光の入射光と戻り光との反射率の差によって情報信号を検出する。
【0005】
通常、このような光ディスクを構成するディスク基板は、合成樹脂材料からなり、射出成形用の金型装置を用いて成型される。ここで、このディスク基板を成型するディスク基板成型用射出成形装置について図面を参照しつつ説明する。
【0006】
すなわち、図15に示すように、このディスク基板を成型する射出成形装置は、固定盤100に固定された固定金型101と可動金型102とが互いに相対向して配設された、金型103を有して構成されている。そして、これらの固定金型101および可動金型102を互いに突き合わせたときに、固定金型101と可動金型102との間に、成型用キャビティ104が形成される。この成型用キャビティ104は、図16に示す成型されるディスク基板201に対応する形状を有する。
【0007】
また、図15に示す射出成形装置における固定金型101の中心位置には、挿通孔が形成されている。この挿通孔内には、ほぼ円環形状を有するスタンパーホルダー支持体106が挿通されて設けられている。また、このスタンパーホルダー支持体106にはめ込むようにして、スプルブッシュ107が設けられている。
【0008】
このスプルブッシュ107は、円環形状を有しているとともに、その円環形状における中心軸に沿って樹脂射出孔108が設けられている。この樹脂射出孔108は、射出装置(図示せず)から供給される溶融したポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料を、成型用キャビティ104の内部に流入可能に構成されている。すなわち、スプルブッシュ107の先端側は、成型用キャビティ104内に臨まれて構成されている。また、スタンパーホルダー支持体106は、成型用キャビティ104に臨む前端側が段差状に縮径されている。
【0009】
また、固定金型101の成型用キャビティ104を構成する型の面部、すなわち、可動金型102に対向する側の面部には、スタンパー109が装着されている。スタンパー109は、中心部に中心孔109aを有する円盤形状に形成されている。このスタンパー109は、ディスク基板に対して、情報信号に対応する凹凸パターン、または記録トラックを構成するプリグルーブを形成するためのものである。また、スタンパー109は、円環状の内周側スタンパーホルダー110により、中心孔109aの内周縁において支持可能に構成されているとともに、円環状の外周側スタンパーホルダー111により、円盤状の外周縁において支持可能に構成され、これにより固定金型101に取り付けられている。すなわち、スタンパー109の内周縁側としての中心孔109aの周縁を支持する内周側スタンパーホルダー110は、スタンパーホルダー支持体106の外周側に嵌め合わされ、スプルブッシュ107の先端側に位置して、固定金型101に取り付けられている。この内周側スタンパーホルダー110の成型用キャビティ104側の外周部には、スタンパー支持用爪部110aが設けられている。このスタンパー支持用爪部110aはスタンパー109の中心孔109aの周縁を支持するためのものである。
【0010】
他方、可動金型102の中心位置には、挿通孔が形成されている。この可動金型102の挿通孔内には、円筒形状のスリーブ112が挿通されて設けられている。このスリーブ112は、成型用キャビティ104に対して進退可能に構成されて可動金型に支持されている。また、スリーブ112は、成型用キャビティ104に臨む前端面を、可動金型102の内部にやや投入されている。また、スリーブ112の円筒内部には、円柱状のパンチ113がはめ込まれて設けられている。このパンチ113は、成型用キャビティ104に臨む前端面をスリーブ112の前端面よりもやや突出させている。
【0011】
次に、以上のように構成されたディスク基板成型用金型装置を用いて、図16に示すディスク基板201を形成する方法について説明する。
【0012】
すなわち、まず、可動金型102を固定金型101に対して突き合わせることにより、成型用キャビティ104を形成する。そして、上述の図示省略した射出装置から、スプルブッシュ107の樹脂射出孔108を通じて、成型用キャビティ104の内部に、溶融したPCなどの合成樹脂材料を射出し、充填する。このとき、溶融状態の合成樹脂材料は、成型用キャビティ104の内部において、中心部から外周側に向かって流れる。そして、可動金型102を固定金型101側に移動させることにより、成型用キャビティ104内に充填された合成樹脂材料圧縮する型締めを行う。その後、冷却を行うことによって合成樹脂材料を固化させる。これにより、成型用キャビティ104に対応したディスク基板201が形成される。
【0013】
そして、パンチ113を固定金型101側に突出させることにより、ディスク基板201におけるセンターホール202を形成する。その後、スリーブ112を固定金型101側に突出させながら可動金型102を固定金型101より離間させる片開きを行う。これにより、成型されたディスク基板201が金型103から離型される。そして、このディスク基板201を固定金型より離反させることにより、図 に示すディスク基板201の成型が完了する。
【0014】
このようにして成型されたディスク基板201は、中央にパンチ113によってセンターホール202が形成され、スタンパー支持用爪部110aによってスタンパー押さえ溝203が形成される。また、ディスク基板201の一主面には、スタンパー109に対して鏡像の凹凸が転写されて情報記録領域204aが形成される。そして、この情報記録領域204aを含む記録面204とその反対側のミラー面205とが形成される。
【0015】
ミラー面205の内周部には、記録再生装置(図示せず)のスピンドルにディスクを載置する際のクランプ基準面となるクランプ領域206が形成されている。このクランプ領域206は、可動金型102の鏡面部によって射出成形時に形成される。
【0016】
以上のようにして、ディスク基板201が製造され、このディスク基板201を用いて、従来の、書換可能型光ディスクや再生専用光ディスクなどの光学記録媒体が製造される。
【0017】
さて、上述のように製造された光ディスクにおいては、近年、さらなる高記録密度化が要求されている。そこで、この高記録密度化の要求に対応するために、光学ピックアップの再生光の照射時に用いられる対物レンズの開口数(NA)を大きくすることによって、再生光のスポット径の小径化を図る技術が提案された。具体的には、従来のディジタルオーディオディスクの再生時に用いられる対物レンズのNAが0.45であるのに対し、この従来のディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容量を有するDVD(Digital Versatile Disc)などの光学式ビデオディスクの再生時に用いられる対物レンズのNAを0.60程度として、スポット径の小径化を図る。
【0018】
このような対物レンズにおける高NA化を進めていくと、照射される再生光を透過させるために、光学記録媒体におけるディスク基板を薄くする必要が生じる。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるためであり、このチルト角がディスク基板の厚さによる収差や複屈折の影響を受け易いためである。したがって、ディスク基板を薄くすることによって、チルト角がなるべく小さくなるようにする。例えば、上述したディジタルオーディオディスクにおいては、基板の厚さは1.2mm程度とされている。これに対し、DVDなどのディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容量を有する光学式ビデオディスクにおいては、基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0019】
ところが、今後のさらなる高記録密度化の要求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部とし、この情報信号部上に、反射膜と光を透過する薄膜である光透過層とを順次積層し、光透過層側から再生光を照射することにより情報信号の再生を行うように構成された光学記録媒体が提案されている。光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行うようにした光学記録媒体においては、光透過層の薄膜化を図ることによって対物レンズの高NA化に対応することができる。
【0020】
そして、このような光透過層の形成方法として、紫外線硬化型樹脂により光透過層を形成する方法や、厚さが0.1mmの熱可塑性樹脂からなる光透過性シートを、接着剤を用いてディスク基板に貼り付けて光透過層を形成する方法など、さまざまな方法が考えられている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した光ディスクにおいては、次のような問題が生じる。
【0022】
すなわち、光透過層が薄型化された光ディスクにおいては、再生/記録用のレーザ光は、ディスク基板に対して情報記録領域が存在する側から照射される。そのため、このような光ディスクにおいては、記録再生装置のスピンドルに載置する際の基準面となるクランプ領域を、従来の基板側からレーザ光が照射される光ディスクにおけると反対側に形成する必要がある。すなわち、クランプ基準面のクランプ領域を、情報記録領域が形成されている記録面側に形成する必要がある。
【0023】
ところで、図16に示すように、従来の光ディスクにおいては、そのクランプ領域206の基準面は、ディスク基板201の凹凸が形成された記録面204側とは反対側の面(ミラー面205)に存在する。そのため、射出成形によるディスク基板201の成型において、そのクランプ基準面のクランプ領域206は、図15に示す可動金型102の鏡面部により形成される。これにより、ディスク基板201のクランプ領域206は、非常に高精度に平坦化され、高い平面性を有していた。
【0024】
他方、その反対側の面である記録面204においては、スタンパー押さえ溝203や、スタンパーホルダー支持体106とスタンパーホルダー110との境界において発生するバリなどが存在する。そのため、ディスク基板201における記録面204の内周部においては、平面性が低く、この領域をクランプ領域として使用するのは非常に困難であった。
【0025】
したがって、この発明の目的は、記録再生装置および/または再生装置のスピンドルに載置した場合においても、高い信頼性を有しつつ情報信号の記録および/または再生が可能な、情報信号部が設けられた側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録および/または再生を行うようにした光学記録媒体を提供することにある。
【0026】
また、この発明の他の目的は、ディスク基板における記録面側に、高い平面性を有するクランプ領域を形成することができる光学記録媒体を製造可能な光学記録媒体の製造方法および光学記録媒体の製造装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
基板と、
基板の一主面上に設けられた情報信号部と、
情報信号部上に設けられた、少なくともレーザ光を透過可能な光透過層と
を備え、
基板に対して情報信号部の存在する側から情報信号部にレーザ光を照射することにより、情報信号部に対して情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され、
基板の情報信号部が設けられた一主面上にクランプ基準面が存在し、少なくともクランプ基準面が平坦面から構成され、
情報信号部が、クランプ基準面の最外周よりも外側まで形成され、
光透過層が、情報信号部のクランプ基準面側の端部を覆っている光学記録媒体である。
【0028】
この第1の発明において、典型的には、基板の情報信号部の設けられた一主面における、クランプ領域以外の部分に溝が形成されている。この溝は、通常、射出成形装置において、スタンパーを支持する際に用いられるスタンパー支持用爪部により形成されるものである。
【0029】
この第1の発明において、典型的には、基板は、平面円環形状を有するディスク基板である。また、このディスク基板において、典型的には、平面円環形状を有するディスク基板の情報信号部が設けられた一主面に、クランプ基準面のクランプ領域が平面円環状に存在し、平面円環状のクランプ領域の最内周よりさらに内周側に、円環状の溝が設けられている。この溝は、通常、射出成形装置において、スタンパーを支持する際に用いられるスタンパー支持用爪部により形成されるものである。
【0030】
この第1の発明において、高NA化に対応可能な光ディスクを形成するために、典型的には、基板の情報信号部が設けられた一主面上に、少なくともレーザ光を透過可能な光透過層が設けられている。そして、好適には、光透過層が、少なくともレーザ光を透光可能な光透過性シートと少なくともレーザ光を透光可能な接着剤とから構成され、基板の情報信号部が設けられた一主面上に、接着剤を介して、光透過性シートが設けられている。
【0033】
この発明の第2の発明は、
一主面上にクランプ基準面が存在する基板を成形する工程と、
クランプ基準面が存在する基板の一主面上に情報信号部を形成する工程と、
情報信号部が形成された一主面上に、光を透過可能に構成された光透過層を形成する工程と、
を備え、
基板の成形工程では、少なくともクランプ基準面のクランプ領域に対応した部分が平坦面状に構成されたスタンパーを用いて、基板を射出成形法により形成し、
情報信号部の形成工程では、情報信号部を、クランプ基準面の最外周よりも外側まで形成し、
光透過層の形成工程では、光透過層により、情報信号部のクランプ基準面側の端部を覆う光学記録媒体の製造方法である。
【0034】
この第3の発明において、典型的には、クランプ領域は、平面円環形状を有するとともに、スタンパーが中心孔を有する平面円環形状に構成され、スタンパーの中心孔の径が、クランプ領域の最内周の径以下であり、好適には、クランプ領域の最内周の径未満である。
【0035】
この第3の発明において、好適には、スタンパーの基板に接する側の主面に、凹凸が設けられた領域と平坦面から構成される領域とが存在し、平坦面が、凹凸の領域の内側に存在する。
【0036】
この第3の発明において、好適には、情報信号部を形成する工程の後、情報信号部が形成された一主面上に、光を透過可能に構成された光透過層を形成する工程をさらに有する。また、この光透過層は、接着剤と、接着剤を介して情報信号部が形成された一主面上に接着された光透過性シートとから構成される。
【0037】
この発明の第3の発明は、
一主面にクランプ基準面が存在する基板を成形する工程と、
基板のクランプ基準面が存在する一主面上に情報信号部を形成する工程と
情報信号部が形成された一主面上に、光を透過可能に構成された光透過層を形成する工程と
を備え、
基板の成形工程では、基板に接する面のうちの少なくともクランプ基準面のクランプ領域に対応する位置が平坦面により構成された金型を用いて、基板を、射出成形法により形成し、
情報信号部の形成工程では、情報信号部を、クランプ基準面の最外周よりも外側まで形成し、
光透過層の形成工程では、光透過層により、情報信号部のクランプ基準面側の端部を覆う光学記録媒体の製造方法である。
【0038】
この第4の発明において、典型的には、金型の基板に接する側の主面に、凹凸が設けられた領域と平坦面から構成される領域とが存在し、平坦面が、凹凸の領域の内側に存在する。
【0045】
この発明の第4の発明は、
情報信号部の形成領域を有する記録面側にクランプ基準面が存在する基板を成型可能に構成された射出成形装置であって、
第1の金型を有し、
基板に接する一主面のうちの少なくともクランプ基準面に対応する部分が平坦面から構成されたスタンパーを基板に接する一主面と反対側の面において保持可能に構成されたスタンパー固定手段を、第1の金型の一主面に取り付け可能に構成され、
スタンパー固定手段が、スタンパーに対して、内周径が小さく外周径が大きいスタンパー固定盤である射出成形装置である。
【0046】
この第7の発明において、典型的には、クランプ基準面のクランプ領域が平面円環形状を有するとともに、スタンパーが中心孔を有する平面円環形状に構成され、スタンパーの中心孔の径が、クランプ領域の最内周の径以下であり、好適には最内周の径以下である。
【0047】
この第7の発明において、典型的には、スタンパーの基板に接する側の主面に、凹凸が設けられた領域と平坦面から構成される領域とが存在し、平坦面が、凹凸が設けられた領域の内側に存在する。
【0050】
この発明において、多量のディスク基板を射出成形により形成する場合の面ぶれ量を低減させるために、典型的には、スタンパーの厚さは、0.5mm以上に設定される。
【0051】
この発明において、第1の金型は固定金型であり、第2の金型は可動金型である。
【0052】
この発明は、好適には、2個のレンズを直列に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで高めた対物レンズを用いて、情報の記録を行うように構成された、DVR(Digital Video Recording system)などの光透過層を有する光学記録媒体に適用することができ、発光波長が650nm程度の半導体レーザを用いた、いわゆるDVR−redや、発光波長が400nm程度の半導体レーザを用いた、いわゆるDVR−blueなどの光学記録媒体に適用することが可能である。
【0053】
この発明において、典型的には、基板は、光透過性を有する熱可塑性樹脂からなり、具体的には、ポリカーボネートやシクロオレフィンポリマー(例えば、ゼオネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂からなり、そのほかにも、例えばアルミニウム(Al)、ガラス、または、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなる。
【0054】
この発明において、典型的には、基板の情報信号部の上層に光透過層が設けられ、この光透過層は、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられる、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500nm帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照射されるレーザ光を透光可能な非磁性材料からなり、具体的には、ポリカーボネートなどの、光透過性を有する熱可塑性樹脂などからなる。
【0055】
この発明において、光透過層を光透過性シートと接着樹脂から構成する場合、典型的には、接着樹脂は、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型樹脂からなり、具体的には、接着樹脂として、アクリレート系、チオール系、エポキシ系、シリコン系などの紫外線硬化型樹脂を用いることが可能である。そして、接着樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、典型的には、少なくとも接着樹脂に紫外線を照射することにより、接着樹脂を硬化させる。また、この発明においては、接着樹脂として選択された樹脂において、好適な硬化方法が選択される。
【0056】
上述のように構成されたこの発明によれば、高い平坦性を有するクランプ領域を、ディスク基板における記録面側の内周部に設けることができ、この記録面上に光透過層を形成可能なディスク基板を製造することができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0058】
まず、この発明の第1の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置について説明する。図1に、この第1の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す。
【0059】
図1に示すように、この第1の実施形態による射出成形装置においては、固定盤1に固着された固定金型2と、固定盤3に固着された可動金型4とが互いに相対向して配設された、金型5を有して構成されている。そして、これらの固定金型2および可動金型4を互いに突き合わせたときに、固定金型2と可動金型4との間に、成型用キャビティ6が形成される。この成型用キャビティ6は、例えば円盤形状を構成し、図2に示す成型されるディスク基板21に対応する形状を構成している。なお、この成型されるディスク基板21に関する詳細は後述する。
【0060】
また、図1に示す固定金型2における成型用キャビティ6を構成する側の面部の中心位置、すなわち、成型用キャビティ6を構成する下面部の中心位置には、この下面に対して垂直に挿通孔が形成されている。この固定金型2の中心位置に形成された挿通孔内には、例えば円環形状を有するスプルブッシュ支持環7が挿通されて設けられている。また、スプルブッシュ支持環7は、成型用キャビティ6に臨む前端側が段差状に縮径されている。そして、このスプルブッシュ支持環7に、スプルブッシュ8がはめ合わされて設けられている。
【0061】
このスプルブッシュ8は、円柱形状を有しているとともに、その円柱形状における中心軸に沿って穿設された樹脂射出孔9が設けられている。この樹脂射出孔9は、射出装置(図示せず)から供給される溶融したポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料を、成型用キャビティ6の内部に流入するためのものである。そのため、スプルブッシュ8の先端部分は、固定金型2の下面部より成型用キャビティ6内に突出して構成されている。そして、このスプルブッシュ8は、その先端部分が成型用キャビティ6の内部に進入した状態で、樹脂射出孔9の開口端が形成された先端部を成型用キャビティ6内に臨まれている。なお、スプルブッシュ支持環7は、その一端部が段差状に形成されて、その径が小さくなるように構成され、他端部がフランジ状の鍔部を有している。また、スプルブッシュ支持環7の一端部は、固定金型2の下面部と同一平面上になるように構成されており、成型用キャビティ6の内面の一部を構成している。また、スプルブッシュ支持環7の一端部は、固定金型2の下面部に対してわずかな空隙部を隔てている。この空隙部は、スプルブッシュ支持環7の一端部を囲む円環状に形成されている。
【0062】
また、固定金型2の下面部、すなわち固定金型2における可動金型4に対向する側の面部には、スタンパー10が装着されている。このスタンパー10は、ディスク基板21に対して、例えば、情報信号に対応する凹凸パターンや、記録トラックを構成するプリグルーブなどを形成するためのものである。また、スタンパー10は、中心部に中心孔10aを有し、その中心孔10aの周辺の可動金型4に対向する部分に、平坦面に構成されたミラー部10bが設けられた、平面円環形状に形成されている。このスタンパー10は、例えばニッケル(Ni)などからなる。ここで、この中心孔10aの径(スタンパー10の内径)は、後述する成型されるディスク基板21におけるクランプ領域25の最内周径より小さくなるように構成されており、これによって、クランプ領域25を平坦化可能に構成されている。
【0063】
スタンパー10は、その中心部に設けられた中心孔10aをスプルブッシュ8の先端部に外嵌装させることにより位置決めが行われる。すなわち、中心孔10aの内径は、スプルブッシュ8の外径に対応されている。また、このスタンパー10は、外周縁側を、固定金型2に取付けられた外周側スタンパーホルダー13により、固定金型2との間に挟持されて支持される。この外周側スタンパーホルダー13は、円環形状に形成されているとともに、固定金型2の下面側の外周側部分に取付けられ、成型用キャビティ6の外周縁部をなしている。
【0064】
そして、固定金型2には、スタンパー吸引手段となるスタンパー吸引機構が設けられている。このスタンパー吸引機構は、スプルブッシュ支持環7の前端部と固定金型2の下面2aとの間に配設された吸引孔14を介して、図示しない真空ポンプにより、固定金型2とスタンパー10との間の空気を外方側に排出するように構成されている。
【0065】
この吸引孔14は、好適には、この射出成形装置を用いて成型されるディスク基板21におけるクランプ領域25の最内周より内側に位置するように、円周状に複数並べて設けられている。この第1の実施形態においては、円周の半径は、例えば22.05mmであり、この円周に沿って、例えば20個の吸引孔14が並べて設けられている。また、個々の吸引孔の開口径は、例えば0.2mmである。なお、クランプ領域25の最内周より外側に位置させて、円周状に並べて設けるようにすることも可能であり、スプルブッシュ支持環7の前端部と固定金型2の下面2aとの間にリング状の空隙部を設け、この空隙部に配設された吸引スリットとすることも可能である。
【0066】
また、吸引孔14は、スプルブッシュ支持環7の外側面と固定金型2の挿通孔の内壁面との間に設けられたガス排出路15に連通している。そして、このガス排出路15は、固定金型2に穿設されたトンネル部16を介して、外方側に連通されている。また、トンネル部16は、固定金型2の中心側から外側面にわたって、成型用キャビティ6の径方向に穿設されている。なお、ガス排出路15の上端側、すなわち、スプルブッシュ支持環7の後端部と固定金型2の上面部との間の空隙部17は、O−リング(図示せず)を介して固定盤1により閉蓋されている。
【0067】
固定金型2の外側面部には、トンネル部16に連通して、吸引ホース18が取付けられている。この吸引ホース18は、弁装置19を介して、真空ポンプ(図示せず)に接続されている。すなわち、この真空ポンプは、弁装置19が開放状態であるときに、吸引ホース18、トンネル部16、ガス排出路15及び吸引孔14を介して、固定金型2の下面2aとスタンパー10との間の空気を吸引して外方に排出させる。ここで、この吸引圧力は、例えば1.4×104Pa(1/72atm)である。そして、弁装置19は、閉成されることにより、固定金型2の下面2aとスタンパー10との間を外方側に対して密閉状態となす。このとき、スタンパー10は、下面2aに対して、吸引保持される。
【0068】
一方、可動金型4の中心位置には、この可動金型4の上面部に垂直に挿通孔が形成されている。すなわち、この挿通孔は、固定金型2に支持されたスプルブッシュ8の前端面に対向する位置に設けられている。この可動金型4に形成された挿通孔内には、円筒形状を有したスリーブ11が挿通されて配設され、さらに、このスリーブ11に嵌入されて円柱状のパンチ12が配設されている。このパンチ12、スリーブ11に対して進退可能となされてこのスリーブ11に支持されている。また、スリーブ11は、可動金型4に対して進退可能となされてこの可動金型4に支持されている。そして、このスリーブ11は、成型用キャビティ6に臨む前端面を可動金型4の上面部よりもこの可動金型4内にやや没入させている。そして、パンチ12は、成型用キャビティ6に臨む前端面をスリーブ11の前端面よりもやや突出させている。
【0069】
次に、以上のように構成されたディスク基板成型用金型装置を用いて、図2に示すディスク基板21を形成する方法について説明する。なお、このディスク基板21の射出成形においては、スタンパー10として、その厚さが0.45mm以上、好適には0.5mm以上で、内孔径が、後述するクランプ領域25のもっとも内周の径以下のものが用いられる。この第1の実施形態においては、厚さが例えば0.5mmで、内孔径が例えば22mmの、例えばNiからなるスタンパー10が用いられる。
【0070】
まず、可動金型4を固定金型2に対して突き合わせることにより、成型用キャビティ6を形成する。そして、上述の図示省略した射出装置から、スプルブッシュ8の樹脂射出孔9を通じて、成型用キャビティ6の内部に、溶融したPCなどの合成樹脂材料を射出し、充填する。このとき、溶融状態の合成樹脂材料は、成型用キャビティ6の内部において、中心部から外周側に向かって流れる。そして、可動金型4を固定金型2側に移動させることにより、成型用キャビティ6内に充填された合成樹脂材料圧縮する型締めを行う。その後、冷却を行うことによって合成樹脂材料を固化させる。これにより、成型用キャビティ6に対応したディスク基板21が形成される。このときディスク基板21のクランプ基準面のクランプ領域は、スタンパー10のミラー部10bにより成型される。
【0071】
そして、パンチ12を固定金型2側に突出させることにより、ディスク基板21におけるセンターホール22を形成する。その後、スリーブ11を固定金型2側に突出させながら可動金型4を固定金型2より離間させる片開きを行う。これにより、成型されたディスク基板21が金型5から離型される。そして、このディスク基板21を固定金型より離反させることにより、図2に示すディスク基板21の成型が完了する。
【0072】
このようにして成型されたディスク基板21は、中央にパンチ12によってセンターホール22が形成される。また、ディスク基板21の一主面には、スタンパー10に対して鏡像の凹凸が転写されて情報記録領域23aが形成される。そして、この情報記録領域23aを含む記録面23とその反対側のミラー面24とが形成される。そして、記録面23の内周部には、記録再生装置のスピンドル(いずれも図示せず)に光ディスクを載置する際の、クランプ基準面となるクランプ領域25が形成されている。クランプ領域25は、可動金型4に取り付けられたスタンパー10の内周部に設けられたミラー部によって射出成形時に形成される。また、このクランプ領域25の最内周の径は、例えば23mmであり、最外周の径は、例えば33mmである。
【0073】
次に、以上のようにして形成されたディスク基板21を用いた、光ディスクの製造方法について説明する。
【0074】
すなわち、この第1の実施形態による光ディスクの製造方法においては、まず、図2に示すディスク基板21の凹凸が形成された一主面上に、情報信号部21aを形成する。この情報信号部21aは、反射膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料からなる膜、または有機色素膜などからなる。これらのうち、反射膜の材料としては、例えばAlなどが用いられる。具体的には、最終製品としての光ディスクが再生専用(ROM(Read Only Memory))の光ディスクである場合、情報信号部21aは、例えばAlなどからなる反射層を少なくとも有する単層膜または積層膜から構成される。他方、最終製品としての光ディスクが書換可能型光ディスクである場合には、情報信号部21aは、光磁気材料からなる膜や相変化材料からなる膜を少なくとも有する、単層膜または積層膜から構成され、追記型光ディスクの場合には、有機色素材料からなる膜を少なくとも有する単層膜または積層膜から構成される。
【0075】
ここで、この第1の実施形態によるディスク基板21は、例えば、厚さが1.1mmで円盤状のPC基板からなり、直径(外径)が例えば120mm、センターホール22の開口径(内口径)が例えば15mmである。また、ディスク基板21の一主面上の情報信号部21aは、膜厚が100nmのAl合金からなる反射層上に、膜厚が18nmの、硫化亜鉛(ZnS)と酸化シリコン(SiO2)との混合物(ZnS−SiO2)からなる第1の誘電体層、膜厚が24nmのGeSbTe合金層からなる相変化記録層、および膜厚が100nmの、ZnS−SiO2からなる第2の誘電体層を順次積層した積層膜からなる。
【0076】
次に、この第1の実施形態による光透過層の形成に用いられるシートについて説明する。図3に、この第1の実施形態による光透過性シート31を示す。
【0077】
図3に示すように、この第1の実施形態に用いられる光透過性シート31は、ディスク基板21と同様に、平面円環状に打ち抜かれて形成された構造を有するとともに、その中心に貫通孔31aが形成されている。ここで、この光透過性シート31の寸法において、光透過性シート31の直径(外径)は、ディスク基板21の外径より小さく、例えば119mmとし、貫通孔31aの径(内孔径)は、センターホール22の内口径より大きく、さらにクランプ領域25の最外周(例えば33mm径)より大きくなるようにして、例えば40mmとする。また、光透過性シート31は、例えば、少なくとも紫外線を透光可能な光学特性を満足した、光透過性を有する熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂は、具体的には、例えばポリカーボネート(PC)や、またはポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)などのメタクリル樹脂である。また、光透過性シート31の厚さは、例えば95μmである。この光透過性シート31の厚さは、後述する光透過層の膜厚を考慮して決定される。
【0078】
次に、以上のようにして構成されたディスク基板21および光透過性シート31を用いた光透過層の形成方法について説明する。図4〜図7に、この第1の実施形態による光透過層の形成工程を示す。
【0079】
まず、図4に示すように、ディスク基板21の情報信号部21aが形成された一主面上に、紫外線硬化型樹脂41を供給し、塗布する。紫外線硬化型樹脂41の供給は、紫外線硬化型樹脂供給部42のノズル口からディスク基板21の一主面上における内周側に、例えば平面円環状になるようにして行われる。このとき、紫外線硬化型樹脂41を吐出する紫外線硬化型樹脂供給部42とディスク基板21とが相対的に回転される。このとき、紫外線硬化型樹脂41としては、例えば、粘度が0.1Pa・s(100cps)のものが用いられる。
【0080】
次に、図5に示すように、ディスク基板21のセンターホール22と、光透過性シート31の中心の貫通孔31aとの位置合わせを行った後、紫外線硬化型樹脂41が供給されたディスク基板21の一主面上に、平面円環状の光透過性シート31を載置する。
【0081】
次に、図6に示すように、ディスク基板21および光透過性シート31を、回転軸を中心として面内方向(図6中、M方向)に回転させる。これにより、ディスク基板21上の紫外線硬化型樹脂41がディスク基板21と光透過性シート31との間に行き渡る。また、余分な紫外線硬化型樹脂41は振り切られる。ここで、これらのディスク基板21と光透過性シート31の回転速度は、例えば83.3s-1(5000rpm)であり、回転時間は、例えば20sである。なお、このディスク基板21の光透過性シート31が接着された側とは反対側の面に紫外線硬化型樹脂41を供給して、紫外線硬化型樹脂41からなる保護層(図示せず)を形成する場合、この保護膜を形成する紫外線硬化型樹脂41においても、面内方向の回転により余分な紫外線硬化型樹脂41が振り切られて均一に塗布され、均一な厚さの保護膜(図示せず)が形成される。
【0082】
紫外線硬化型樹脂41をディスク基板21と光透過性シート31との間で行き渡らせ、余分な紫外線硬化型樹脂41を振り切った後、図7に示すように、紫外線を発光可能に構成された紫外線光源51の照射範囲内に、ディスク基板21を載置する。このとき、ディスク基板21は、その光透過性シート31が載置された側が紫外線光源51の設置側に対向するように配置される。その後、紫外線を、紫外線光源51から光透過性シート31を介して、ディスク基板21の一主面上の紫外線硬化型樹脂41に照射する。このときの積算強度は例えば500mJ/cm2とする。この紫外線の照射により、ディスク基板21と光透過性シート31との間において、紫外線硬化型樹脂41が硬化する。
【0083】
以上により、図8に示すように、ディスク基板21表面の情報信号部21aの上層に、接着層として形成された紫外線硬化型樹脂層41aを介して光透過性シート31が接着される。そして、ディスク基板21上に、情報信号部21a、および紫外線硬化型樹脂層41aと光透過性シート31とからなる光透過層43が順次設けられた光ディスクが製造される。
【0084】
図9は、上述のディスク基板21の製造時に用いられる、ディスク基板成型用射出成形装置に使用されるスタンパー10の面ぶれ量を、スタンパー10の厚みを0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mmの4水準に変え、104枚のディスク基板21を形成した場合について測定した結果を示す。なお、このディスク基板21の成型条件については、固定金型2の温度を130℃、可動金型4の温度を120℃、型締め圧力を6.86×106Pa(70kgf/cm2)とし、樹脂温度は350℃であり、面ぶれ量は半径58mmの位置における面ぶれ量である。この面ぶれ量は、大きくなるに従ってクランプ領域の変形が大きくなり、実用に供しなくなるため、可能な限り小さい方が好ましい。
【0085】
図9から、厚さが0.45mm程度より大きいスタンパー10を用いて、ディスク基板21を成型した場合に、104回射出成形を行っても、面ぶれ量を300μm以下に維持可能であることが分かる。したがって、面ぶれ量を最小限に抑えて、クランプ基準面の平面性を維持するためには、スタンパー10の厚さを、0.45mm以上、好適には0.5mm以上とすることが望ましいことが分かる。すなわち、スタンパー10の厚さを0.45mm以上、好適には0.5mm以上とすることによって、大量の枚数のディスク基板を射出成形法により成型しても、変形が発生しにくくなることが分かり、これにより、生産性の向上を図ることが可能となることが分かる。
【0086】
以上説明したように、この第1の実施形態によれば、ディスク基板成型用射出成形装置において、ディスク基板21のクランプ領域25の最内周よりも径の小さい中心孔10aを有するスタンパー10を用いてディスク基板21の射出成形を行い、このスタンパー10のミラー部10bによって、ディスク基板21の記録面23側の一主面における内周部を平坦化可能に構成していることにより、ディスク基板21の記録面23側に、従来存在したスタンパー押さえ溝やバリなどが発生することなく、高精度に平坦化され、高い平面性を有するクランプ領域25(基準面)を形成することができる。そのため、ディスク基板21の一主面側に薄型化された光透過層43が設けられ、この光透過層43の側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録および/または再生が行われる、高NA化に対応した光ディスクを、記録再生装置や再生装置のスピンドルに載置する場合においても、そのクランプ基準面となるクランプ領域25が高精度に平坦化され、高い平面性を有しているので、光ディスクを高精度に回転させることができるので、光ディスクにおいて、記録および/または再生が十分可能な精度および信頼性を確保することができ、その記録特性や再生特性を向上させることができる。
【0087】
次に、この発明の第2の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置について説明する。図10は、この第2の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す。
【0088】
図10に示すように、このディスク基板を成型する射出成形装置は、固定盤1に固定された固定金型2と、固定盤3に固定された可動金型4とが互いに相対向して配設された、金型5を有して構成されている。そして、これらの固定金型2および可動金型4を互いに突き合わせたときに、固定金型2と可動金型4との間に、成型用キャビティ6が形成される。この成型用キャビティ6は、図11に示す成型されるディスク基板21に対応する形状を有する。
【0089】
また、図10に示す射出成形装置における固定金型2の中心位置には、挿通孔が形成されている。この挿通孔内には、ほぼ円環形状を有するスプルブッシュ支持環7が挿通されて設けられている。また、このスプルブッシュ支持環7にはめ込むようにして、スプルブッシュ8が設けられている。
【0090】
このスプルブッシュ8は、円環形状を有しているとともに、その円環形状における中心軸に沿って樹脂射出孔9が設けられている。この樹脂射出孔9は、射出装置(図示せず)から供給される溶融したポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料を、成型用キャビティ6の内部に流入可能に構成されている。すなわち、スプルブッシュ8の先端側は、成型用キャビティ6内に臨まれて構成されている。また、スプルブッシュ支持環7は、成型用キャビティ6に臨む前端側が段差状に縮径されている。
【0091】
また、固定金型2の成型用キャビティ6を構成する型の面部、すなわち、可動金型4に対向する側の面部には、スタンパー10が装着されている。スタンパー10は、中心部に中心孔10aを有し、その中心孔10aの周辺の可動金型4に対向する部分に、平坦面に構成されたミラー部10bが設けられた円盤形状に形成されている。このスタンパー10は、ディスク基板に対して、情報信号に対応する凹凸パターン、または記録トラックを構成するプリグルーブを形成するためのものであるとともに、ミラー部10bにおいて、ディスク基板に対してクランプ領域を平面状に形成するためのものである。また、スタンパー10は、円環状の内周側スタンパーホルダー20により、中心孔10aの内周縁において支持可能に構成されているとともに、円環状の外周側スタンパーホルダー13により、円盤状の外周縁において支持可能に構成されている。そして、スタンパー10は、内周側スタンパーホルダー20と外周側スタンパーホルダー13とにより、固定金型2の下面2aに取り付けられている。すなわち、スタンパー10の内周縁側の中心孔10aの周縁を支持する内周側スタンパーホルダー20は、スプルブッシュ支持環7の外周側に嵌め合わされ、スプルブッシュ8の先端側に位置して、固定金型2に取り付けられている。この内周側スタンパーホルダー20の成型用キャビティ6側の外周部には、スタンパー支持用爪部20aが設けられている。このスタンパー支持用爪部20aはスタンパー10の中心孔10aの周縁を支持するためのものである。
【0092】
他方、可動金型4の中心位置には、挿通孔が形成されている。この可動金型4の挿通孔内には、円筒形状のスリーブ11が挿通されて設けられている。このスリーブ11は、成型用キャビティ6に対して進退可能に構成されて可動金型4に支持されている。また、スリーブ11は、成型用キャビティ6に臨む前端面を、可動金型4の内部にやや投入されて設けられている。また、スリーブ11の円筒内部には、円柱状のパンチ12がはめ込まれて設けられている。このパンチ12は、成型用キャビティ6に臨む前端面をスリーブ11の前端面よりもやや突出させて設けられている。
【0093】
以上のように構成されたディスク基板成型用金型装置を用いた、図11に示すディスク基板21を形成する射出成形の方法については、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。そして、この射出成形法により、図11に示すディスク基板21が形成される。なお、この第2の実施形態によるディスク基板21の射出成形においては、スタンパー10として、その厚さが0.45mm以上、好適には0.5mm以上の、例えばNiからなるものが用いられる。
【0094】
このディスク基板21は、第1の実施形態におけると同様に、一方の主面に記録面23が設けられ、他方の面にミラー面24が設けられている。そして、記録面23側の内周部においてクランプ基準面のクランプ領域25が構成されている。また、この第2の実施形態によるディスク基板21においては、第1の実施形態におけると異なり、ディスク基板21の記録面23における、クランプ領域25の最内周より内側の部分に、射出成形時にスタンパー支持用爪部20aにより形成された、スタンパー押さえ溝26が設けられている。ディスク基板21のその他の構造については、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0095】
また、この第2の実施形態によるディスク基板21を用いた光ディスクの製造方法においては、まず、第1の実施形態におけると同様にして、ディスク基板21の記録面23が形成された一主面上に、情報信号部21aを形成し、さらにその上方に光透過層43を形成する。これにより、図12に示す光ディスクが製造される。そして、この光ディスクにおいては、第1の実施形態におけると異なり、ディスク基板21の記録面23側にスタンパー押さえ溝26が形成され、これによって、最終的に製造される光ディスクにおいて、光ディスクの光透過層43が形成された側の主面上におけるクランプ領域25の最内周の内側にスタンパー押さえ溝26が形成された状態で残される。
【0096】
以上説明したように、この第2の実施形態によれば、ディスク基板成型用射出成形装置を、ディスク基板21の記録面23側の一主面における内周部に設定されたクランプ基準面のクランプ領域25の最内周のさらに内側にスタンパー押さえ溝26を形成可能に構成していることにより、ディスク基板21の記録面23側に設定されるクランプ領域25(基準面)において、高精度の平坦性を確保して、高い平面性を有することができるので、第1の実施形態におけると同様の効果を得ることができる。
【0097】
次に、この発明の第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置について説明する。図13に、この第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す。
【0098】
この第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置においては、第1の実施形態と異なり、固定金型61の下面61aに、ディスク基板21の記録面23に転写される凹凸パターンが形成されている。これにより、スタンパー10を固定金型61の下面61aに設置する必要がないため、この第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置には、スタンパー10を固定するための、第1の実施形態による吸引孔14、ガス排出路15、トンネル部16、空隙部17、吸引ホース18、および弁装置19や、第2の実施形態による内周側スタンパーホルダー20およびスタンパー支持用爪部20aなどが設けられていない。そして、スタンパー10を用いることなく、ディスク基板21の記録面23の情報記録領域23aの部分に凹凸パターンを形成することができる。また、外周側スタンパーホルダー13は、固定金型61と可動金型4との位置合わせのみに用いられる。第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置のその他の構成については、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0099】
また、この第3の実施形態によるディスク基板21の形成方法、光ディスクの製造方法、および製造される光ディスクについても、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0100】
この第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置によれば、第2の実施形態におけるスタンパー支持用爪部などが設けられていないため、スタンパー押さえ溝26などが形成されないのみならず、ディスク基板21のクランプ領域25を成型する部分が、固定金型61の平坦化された部分(ミラー面)であるため、ディスク基板21におけるクランプ基準面のクランプ領域25を高精度に平坦化することができ、高い平面性を有するクランプ基準面のクランプ領域25を形成することができる。したがって、第1の実施形態におけると同様の効果を得ることができる。
【0101】
次に、この発明の第4の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置について説明する。図14に、この第4の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す。
【0102】
図14に示すように、この第4の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置においては、第1および第2の実施形態におけると異なり、スタンパー10が、このスタンパー10に対して、中心孔10aの径(スタンパー10の内周径)が小さく外周径が大きいスタンパー固定盤71の一面に固定されている。そして、このスタンパー固定盤71の内縁端が、内周側スタンパー固定盤ホルダー72のスタンパー固定盤支持用爪部72aにより固定されているとともに、スタンパー固定盤71の外周端が、外周側スタンパーホルダー13により固定されている。これにより、スタンパー10がスタンパー固定盤71の一面に固定されて、固定金型2の下面に固定されている。また、スタンパー固定盤支持用爪部72aの成型用キャビティ6の面を構成する部分は、スタンパー10の平坦面と同一面になるように構成されている。この第4の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置のその他の構成については、第2の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0103】
また、この第4の実施形態によるディスク基板21の形成方法、光ディスクの製造方法、および製造される光ディスクについては、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0104】
この第4の実施形態によれば、スタンパー10が、このスタンパー10に対して、内周径が小さく外周径が大きいスタンパー固定盤71の一面に固定され、スタンパー固定盤71の内縁端が、内周側スタンパー固定盤ホルダー72のスタンパー固定盤支持用爪部72aにより固定され、スタンパー固定盤支持用爪部72aの成型用キャビティ6の面を構成する部分が、スタンパー10の平坦面と同一面になるように構成されていることにより、ディスク基板21を射出成形する際に、ディスク基板21におけるクランプ基準面のクランプ領域25を、スタンパー10のミラー部などの平坦面により成型することができ、高精度に平坦化され、高い平面性を有するクランプ領域25を形成することができるので、第1の実施形態におけると同様の効果を得ることができる。
【0105】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0106】
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、ディスク基板材料、光透過層の形成方法はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、ディスク基板材料、光透過層の形成方法を用いてもよい。
【0107】
また、例えば上述の第1の実施形態においては、ディスク基板の材料として、ポリカーボネートを用いたが、ポリカーボネート以外にも、シクロオレフィンポリマー(例えば、ゼオネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂を用いることも可能である。また、ディスク基板21として、例えばAlなどの金属からなる基板や、ガラス基板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなる基板を用いることも可能である。
【0108】
また、例えば上述の第1の実施形態においては、吸引孔14やガス排出路15を、スプルブッシュ支持環7の前端部と固定金型2の下面2aとの間に配設するようにしているが、これらの吸引孔14やガス排出路15は、スプルブッシュ支持環7や固定金型2の部分に穿設して設けることも可能である。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の第1および第2の発明によれば、基板の情報信号部が設けられた一主面と同一の主面に平坦化されたクランプ領域を設けるようにしていることにより、この基板を用いて製造される、情報信号部が設けられた側からレーザ光を照射することにより情報信号の記録および/または再生を行うようにした光学記録媒体を、記録再生装置および/または再生装置のスピンドルに載置した場合においても、高い信頼性を有しつつ情報信号の記録および/または再生を行うことができる。
【0110】
また、この発明の第3の発明から第8の発明によれば、情報信号部が設けられた一主面上にクランプ基準面が存在する基板において、少なくともこのクランプ基準面を、高精度に平坦化され高い平面性を有する平面から構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置により成型されたディスク基板を示す断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による光透過層の形成に用いられる光透過性シートを示す断面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態による光透過層の形成方法を説明するための略線図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による光透過層の形成方法を説明するための略線図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による光透過層の形成方法を説明するための略線図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による光透過層の形成方法を説明するための略線図である。
【図8】この発明の第1の実施形態による光ディスクを示す断面図である。
【図9】この発明の第1の実施形態による射出成形により成型されたディスク基板における面ぶれ量のスタンパー厚さ依存性を示すグラフである。
【図10】この発明の第2の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す断面図である。
【図11】この発明の第2の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置により成型されたディスク基板を示す断面図である。
【図12】この発明の第2の実施形態による光ディスクを示す断面図である。
【図13】この発明の第3の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す断面図である。
【図14】この発明の第4の実施形態によるディスク基板成型用射出成形装置を示す断面図である。
【図15】従来のディスク基板成型用射出成形装置を示す断面図である。
【図16】従来のディスク基板成型用射出成形装置により成型されたディスク基板を示す断面図である。
【符号の説明】
2、61・・・固定金型、2a、61a・・・下面、4・・・可動金型、5・・・金型、10・・・スタンパー、10a・・・中心孔、10b・・・ミラー部、13・・・外周側スタンパーホルダー、14・・・吸引孔、15・・・ガス排出路、16・・・トンネル部、20・・・内周側スタンパーホルダー、20a・・・スタンパー支持用爪部、21・・・ディスク基板、21a・・・情報信号部、22・・・センターホール、23・・・記録面、23a・・・情報記録領域、24・・・ミラー面、25・・・クランプ領域、26・・・スタンパー押さえ溝、43・・・光透過層、71・・・スタンパー固定盤、72・・・内周側スタンパー固定盤ホルダー、72a・・・スタンパー固定盤支持用爪部
Claims (19)
- 基板と、
上記基板の一主面上に設けられた情報信号部と、
上記情報信号部上に設けられた、少なくともレーザ光を透過可能な光透過層と
を備え、
上記基板に対して上記情報信号部の存在する側から上記情報信号部にレーザ光を照射することにより、上記情報信号部に対して情報信号を記録可能および/または再生可能に構成され、
上記基板の上記情報信号部が設けられた一主面上にクランプ基準面が存在し、少なくとも上記クランプ基準面が平坦面から構成され、
上記情報信号部が、上記クランプ基準面の最外周よりも外側まで形成され、
上記光透過層が、上記情報信号部のクランプ基準面側の端部を覆っている光学記録媒体。 - 上記基板の上記情報信号部の設けられた一主面における、上記クランプ基準面以外の部分に溝が形成されている請求項1記載の光学記録媒体。
- 上記基板が平面円環形状を有するディスク基板である請求項1記載の光学記録媒体。
- 上記平面円環形状を有するディスク基板の上記情報信号部が設けられた一主面に、上記クランプ基準面のクランプ領域が平面円環状に存在し、上記平面円環状の上記クランプ領域の最内周よりさらに内周側に、円環状の溝が設けられている請求項3記載の光学記録媒体。
- 上記光透過層が、少なくとも上記レーザ光を透光可能な光透過性シートと少なくとも上記レーザ光を透光可能な接着剤とから構成され、上記基板の上記情報信号部が設けられた一主面上に、上記接着剤を介して、上記光透過性シートが設けられている請求項1記載の光学記録媒体。
- 一主面上にクランプ基準面が存在する基板を成形する工程と、
上記クランプ基準面が存在する上記基板の一主面上に情報信号部を形成する工程と、
上記情報信号部が形成された一主面上に、光を透過可能に構成された光透過層を形成する工程と
を備え、
上記基板の成形工程では、少なくとも上記クランプ基準面のクランプ領域に対応した部分が平坦面状に構成されたスタンパーを用いて、上記基板を射出成形法により形成し、
上記情報信号部の形成工程では、上記情報信号部を、上記クランプ基準面の最外周よりも外側まで形成し、
上記光透過層の形成工程では、上記光透過層により、上記情報信号部のクランプ基準面側の端部を覆う光学記録媒体の製造方法。 - 上記クランプ領域が平面円環形状を有するとともに、上記スタンパーが中心孔を有する平面円環形状に構成され、上記スタンパーの中心孔の径が、上記クランプ領域の最内周の径以下である請求項6記載の光学記録媒体の製造方法。
- 上記スタンパーの上記基板に接する側の主面に、凹凸が設けられた領域と平坦面から構成される領域とが存在し、上記平坦面が、上記凹凸の領域の内側に設けられている請求項7記載の光学記録媒体の製造方法。
- 上記スタンパーの厚さが0.5mm以上である請求項6記載の光学記録媒体の製造方法。
- 上記光透過層が、接着剤と、上記接着剤を介して上記情報信号部が形成された一主面上に接着された光透過性シートとから構成される請求項6記載の光学記録媒体の製造方法。
- 上記スタンパーは、上記金型の一主面にスタンパー支持手段により取り付けられ、
上記スタンパー支持手段が、上記金型の一主面より突出した第1の爪部を有し、上記第1の爪部が、上記基板のクランプ領域の最内周の内側に対応した位置に設けられている請求項6記載の光学記録媒体の製造方法。 - 一主面にクランプ基準面が存在する基板を成形する工程と、
上記基板の上記クランプ基準面が存在する上記一主面上に情報信号部を形成する工程と、
上記情報信号部が形成された一主面上に、光を透過可能に構成された光透過層を形成する工程と
を備え、
上記基板の成形工程では、上記基板に接する面のうちの少なくとも上記クランプ基準面のクランプ領域に対応する位置が平坦面により構成された金型を用いて、上記基板を、射出成形法により形成し、
上記情報信号部の形成工程では、上記情報信号部を、上記クランプ基準面の最外周よりも外側まで形成し、
上記光透過層の形成工程では、上記光透過層により、上記情報信号部のクランプ基準面側の端部を覆う光学記録媒体の製造方法。 - 上記金型の上記基板に接する側の主面に、凹凸が設けられた領域と平坦面から構成される領域とが存在し、上記平坦面が、上記凹凸の領域の内側に設けられている請求項12記載の光学記録媒体の製造方法。
- 情報信号部の形成領域を有する記録面側にクランプ基準面が存在する基板を成型可能に構成された射出成形装置であって、
第1の金型を有し、
上記基板に接する一主面のうちの少なくとも上記クランプ基準面に対応する部分が平坦面から構成されたスタンパーを上記基板に接する一主面と反対側の面において保持可能に構成されたスタンパー固定手段を、上記第1の金型の一主面に取り付け可能に構成され、
上記スタンパー固定手段が、上記スタンパーに対して、内周径が小さく外周径が大きいスタンパー固定盤である射出成形装置。 - 上記クランプ基準面のクランプ領域が平面円環形状を有するとともに、上記スタンパーが中心孔を有する平面円環形状に構成され、上記スタンパーの中心孔の径が、上記クランプ領域の最内周の径以下である請求項14記載の射出成形装置。
- 上記スタンパーの上記基板に接する側の主面に、凹凸が設けられた領域と平坦面から構成される領域とが存在し、上記平坦面が、上記凹凸が設けられた領域の内側に存在する請求項15記載の射出成形装置。
- 上記スタンパーの厚さが0.5mm以上である請求項14記載の射出成形装置。
- 上記第1の金型が、
上記スタンパー固定盤の外周端を固定する外周側固定部と、
上記スタンパー固定盤の内周端を固定する内周側固定部と
を備える請求項14記載の射出成形装置。 - 上記内周側固定部が、上記スタンパー固定盤の内周端を固定するスタンパー固定盤支持用爪部を備え、
上記スタンパー固定盤支持用爪部の成型用キャビティの面を構成する部分が、上記スタンパーの平坦面と同一面になるように構成されている請求項18記載の射出成形装置。
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