JP4890488B2 - 光情報記録媒体の製造方法及び光情報記録媒体の製造装置 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法及び光情報記録媒体の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、高品質の光情報記録媒体、特に高記録密度の光情報記録媒体の品質を向上させるのに適した光情報記録媒体の製造方法及び製造装置光情報記録媒体に関する。
近年、DVD(Digital Versatile Disc)の発展は目覚しく、広く普及しつつあり、量産規模で生産が行われている。現在普及しているDVDの製造方法の一例は、概略、情報信号を形成する溝を有するスタンパを射出成形金型に取り付け、射出成形によって、厚さが0.6mmのディスク基板を形成し、前記溝の存在する面に反射膜を成膜した後に、淡色又は透明(以下、透明という)な接着剤により2枚のディスク基板を貼り合せて完成品を得ている。このように、2枚のディスク基板を貼り合せてDVDを製造する装置については、種々の生産ラインの機構がすでに提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
高記録密度対応の光情報記録媒体は、例えば、BD(Blue‐ray Disc)の場合、波長が405nmと短いレーザ光によって、1.1mm程度の厚みのディスク基板に形成される薄い樹脂層側から情報の記録再生を行うため、スタンパにより形成されたディスク基板上の1層目の第1の信号記録層の反射膜の上に100μm(0.1mm)の膜厚の透明な光透過層を形成する。更に、信号記録層が2層の高密度記録対応の光情報記録媒体では、ディスク基板上の1層目の第1の信号記録層の上に、第2の信号記録層を有する別の光透過層と半透明の反射膜、更には透明なカバー層を形成する必要があり、これら光透過層とカバー層とを含めてほぼ100μmの膜厚にしなければならない。しかも、これら光透過層とカバー層の厚みの均一性は情報の記録再生に大きな影響を与えるので、非常に高い均一性が要求される。例えば、前記光透過層として働く樹脂層の厚みはほぼ25μmで、前記カバー層となる樹脂層の厚みはほぼ75μmである。
特開2002−245692公報 特開2006−252700公報
しかし、高密度記録対応の光情報記録媒体の製造で使用されるディスク基板の射出成形時には、射出成形時に発生するディスク基板の歪が大きく影響するため、スタンパの保持位置のセンタリング精度を高めることが必要であると同時に、規格で定められた信号記録領域に歪みを与えないことが求められている。このようなスタンパは、その内周の中心穴に特殊な形状のスタンパホルダーを挿入して、その中心穴の内周面に加圧力を加えることでセンタリングされて所定の位置に保持されている。そのため、スタンパの中心穴の内周面にかかる加圧力によってスタンパの中心穴の近傍が歪み、その歪みの影響により、図3(B)に示すように、射出成形されたディスク基板1の信号記録面1Aに微小な突起部Paが形成される。同様な射出成形方法により造られた転写用ディスク基板2の信号記録面2Aにも、図3(A)に示すように、微小な突起部Pbが形成されてしまう。ディスク基板1と転写用ディスク基板2の直径が互いに等しければ、突起部Pa及び突起部Pbは、それぞれディスク基板1及び転写用ディスク基板2の中心を通る中心軸線Lから互いにほぼ等しい位置に形成される。
図3(D)に示すように、このような微小な突起部Paを有するディスク基板1の信号記録面1Aを覆うように樹脂層3を形成すると共に、図3(C)に示すように、微小な突起部Pbを有する転写用ディスク基板2の信号記録面2Aを覆うように薄い樹脂層4を形成し、これら樹脂層3と樹脂層4とを介在させてディスク基板1と転写用ディスク基板2とを重ねて貼り合せが行われる。この貼り合せ工程では、図3(E)に示すように、ディスク基板1の中心を通る中心軸線Lと、ディスク基板1の中心を通る中心軸線Lとを位置合わせし、双方のディスク基板を重ね合わせる。必然的にディスク基板1の突起部Paと転写用ディスク基板2の突起部Pbとの頂部が互いに突き合わされることになる。
前述のように、突起部Paと突起部Pbの頂部が互いに突き合わされることによって、突起部Pa、Pbの近傍の樹脂層3と樹脂層4との間に気泡Vが発生してしまう。また、ディスク基板1又は転写用ディスク基板2の一方だけに樹脂層を形成し、他方には樹脂層を形成しないで貼り合わせる場合もあるが、この場合には突起部Paの近傍の樹脂層3とディスク基板1の信号記録面1Aとの間、又は突起部Pbの近傍の樹脂層4と転写用ディスク基板2の信号記録面2Aとの間に空気層が残留してしまう。このように、気泡や空気が混入することにより、転写用ディスク基板を剥離した際に信号記録領域に悪影響を及ぼすという問題がある。また、最終的に光透過層となる樹脂層に厚みムラが生じたり、光情報記録媒体の外観が損なわれるなど、品質が低下するという問題がある。
本発明は上述の課題に鑑み、従来に比べ光透過層が薄い高密度記録対応の光情報媒体の製造方法に関し、射出成形時にディスク基板に生じた環状の突起部を回避して、気泡の混入を防ぐことができ、厚みムラや外観が損なわれるなどの品質の低下を防ぐことができる光情報記録媒体の製造方法及び光情報記録媒体の製造装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、第1のディスク基板を射出成形する工程と、前記第1のディスク基板の射出成形時に前記第1のディスク基板の信号記録面の内周側に生じた環状の突起部対応する箇所に環状の凹所を有する第2のディスク基板を射出成形する工程と、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板との間に樹脂層を形成するための樹脂を塗布する工程と、前記第1のディスク基板の前記信号記録面と前記第2のディスク基板の前記凹所を有する面とを対向させ、少なくとも前記突起部の頂部分が前記凹所に納まるように位置合わせした状態で、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板とを重ね合わせて貼り合わせる工程と、を備え、前記樹脂を塗布する工程は、前記第1のディスク基板の前記信号記録面及び環状の前記突起部を覆うように第1の樹脂層を形成し、前記第2のディスク基板の環状の前記凹所を有する面に、環状の前記凹所よりも外周側に第2の樹脂層を形成する、ことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法を提供する。
このように構成することで、第1のディスク基板に生じた環状の突起部が第2のディス基板の環状の凹所に納まるようにして貼り合せているので、突起部の近傍の樹脂層に気泡Vが発生したり、あるいは前記突起部の近傍の樹脂層とディスク基板との間に空気層が残留して、信号記録領域に悪影響を及ぼすことを防止することができる。また、最終的に光透過層となる樹脂層に厚みムラが生じたり、光情報記録媒体の外観が損なわれるなど、品質が低下することを防止することができる。
さらに、第1の樹脂層で覆われた第1のディスク基板の突起部を避けてその外周側に第2の樹脂層が形成されるため、前述の効果の他に、第1のディスク基板に生じた突起部と第2のディスク基板の凹所との間で、気泡が発生することを防止でき、さらに全体的に均一な樹脂層を形成することができる。
の発明は、前記第1の発明において、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板との間の樹脂層の厚みは前記突起部の高さよりも薄いことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法を提供する。
このように構成することで、第1のディスク基板の環状の突起部の影響を受けずに、上述の効果の奏することができる光透過層の薄い高密度記録対応の光情報記録媒体を得ることができる。
の発明は、前記第1の発明において、前記第2のディスク基板は、他の信号記録層が形成された転写用ディスク基板であり、前記転写用ディスク基板を前記第2の樹脂層から剥離し、前記第1の樹脂層の上に残存する前記第2の樹脂層に前記他の信号記録層を転写することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法を提供する。
このように構成することで、第1のディスク基板に生じた環状の突起部が第2のディス基板の環状の凹所に納まるようにして貼り合せているので、突起部の近傍の樹脂層に気泡Vが発生したり、あるいは前記突起部の近傍の樹脂層とディスク基板との間に空気層が残留して、転写用ディスク基板を剥離した際に、信号記録領域に悪影響を及ぼすことを防止することができる。また、最終的に光透過層となる樹脂層に厚みムラが生じたり、光情報記録媒体の外観が損なわれるなど、品質が低下することを防止することができる。
の発明は、第1のディスク基板を形成する第1の射出成形装置と、前記第1のディスク基板の形成時に前記第1のディスク基板の信号記録面の内周側に生じた環状の突起部対応する箇所に環状の凹所を有する第2のディスク基板を形成する第2の射出成形装置と、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板との間に樹脂層を形成するための樹脂を塗布する樹脂塗布手段と、前記第1のディスク基板の前記信号記録面と前記第2のディスク基板の前記凹所を有する面とを対向させ、少なくとも前記突起部の頂部分が前記凹所に納まるように位置合わせした状態で、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板とを重ね合わせる貼り合わせ装置と、を備え、前記樹脂塗布手段は、前記第1のディスク基板の前記信号記録面及び環状の前記突起部を覆うように第1の樹脂層を形成し、前記第2のディスク基板の環状の前記凹所を有する面に、環状の前記凹所よりも外周側に第2の樹脂層を形成する、ことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置を提供する。
このように構成することで、第1のディスク基板に生じた環状の突起部が第2のディス基板の環状の凹所に納まるようにして貼り合せているので、突起部の近傍の樹脂層に気泡Vが発生したり、あるいは前記突起部の近傍の樹脂層とディスク基板との間に空気層が残留して、信号記録領域に悪影響を及ぼすことを防止することができる。また、最終的に光透過層となる樹脂層に厚みムラが生じたり、光情報記録媒体の外観が損なわれるなど、品質が低下することを防止することができる。
本発明によれば、他方のディスク基板は前記一方のディスク基板に生じた環状の突起部に対応する箇所に環状の凹所を備え、突起部がその凹所に納まるようにしてディスク基板と同士を貼り合せているので、突起部の近傍の樹脂層に気泡Vが発生したり、あるいは前記突起部の近傍の樹脂層とディスク基板との間に空気層が残留して、転写用ディスク基板を剥離した際に信号記録領域に悪影響を及ぼすことを防止することができる。また、最終的に光透過層となる樹脂層に厚みムラが生じたり、光情報記録媒体の外観が損なわれるなど、品質が低下することを防止することができる。
[実施形態]
図1及び図2によって、本発明に係る高密度記録対応の光情報記録媒体の製造方法の実施形態を説明する。図1は、双方のディスク基板の貼り合わせ方法に係る本発明の一例を示す図である。図2は、射出成形工程〜貼り合わせ工程までの製造工程を説明するための図である。ディスク基板1は、前述のようなスタンパ及びスタンパホルダーを備えた第1の射出成形装置5Aにより射出成形される(ステップ1)。図1(B)に、射出成形時に生じた環状の突起部を有するディスク基板1を示す。第1のディスク基板1は所望の情報を有する情報記録層が形成されている信号記録面1Aを備え、この信号記録面1A側に微小な突起部Paが形成されている。
突起部Paはディスク基板1の中心点を通る中心軸線Lに対して距離Dの位置から幅Wで形成されている。この距離Dは例えばほぼ11mmである。突起部Paは、中心軸線L側に位置する頂部から外側に緩やかに傾斜する断面が三角形状で、円環状のものである。突起部Paの頂部は、例えば30〜50μm程度の高さであり、幅は150〜400μmである。なお、ディスク基板1は1.1mmの厚み、あるいは0.6mmの厚みのディスク基板のいずれでもよいが、実施形態の第1のディスク基板1は1.1mmの厚みのものである。
第2のディスク基板2は、外径及び内径ともにディスク基板1とほぼ同じ大きさの転写用ディスク基板である。第2のディスク基板2は、第1のディスク基板の第1の射出成形装置5Aとは別の第2の射出成形装置5Bにより射出成形される(ステップ1)。図1(A)に示すように、第2の射出成形装置5Bにより射出成形された第2のディスク基板2は、所望の情報を有する情報記録層が形成されている信号記録面2Aを備え、この信号記録面2A側に円環状の凹所Qが形成されている。
円環状の凹所Qは、ディスク基板1の突起部Paの中心軸線Lからの距離Dと同程度又は小さな寸法の距離dから放射外方向に延びる幅Xの大きさで形成されている。凹所Qの幅Xは、ディスク基板1の突起部Paの幅Wと同程度であることが好ましいが、これに制限されるものではなく、突起部Paの幅Wよりも小さくてもよい。また、凹所Qの深さは突起部Paの頂部の高さと同程度であれば良いが、これに制限する必要は無い。なお、後述する第2のディスク基板2の剥離に採用する剥離方法によっては、第2のディスク基板2の内径が第1のディスク基板1の内径に比べて小さくてもよい。
次に、図2に示すように、第1のディスク基板1の信号記録面1A及び突起部Paを覆うように光透過性に優れた透明な樹脂層3を形成する(ステップ2)。この樹脂層3は広く知られているスピンコーティング法で形成され、突起部Pa近傍にノズル6により円環状に供給された紫外線硬化性の液状樹脂を遠心力で展延して所望の厚みの樹脂層3を形成する。樹脂層3は、突起部Paから第1のディスク基板1の外側の信号記録面1Aの全面を覆う。樹脂層3は接着性に優れており、一例を示せば20μm程度の厚みである。
同様に、第2のディスク基板2の凹所Qの外周端部近傍から信号記録面2Aに光透過性に優れた透明な樹脂層4を形成する(ステップ2)。このとき、好ましくは凹所Q内に樹脂層4の樹脂が流れ込まない方がよいが、その樹脂の流れ込みを考慮して凹所Qの深さを設定することにより、凹所Q内に流れ込む樹脂の悪影響を排除にすることができる。樹脂層4は、第2のディスク基板2の信号記録面2Aに対する接着性が低く、第2のディスク基板2の信号記録面2Aから比較的容易に剥離可能な特性を有する。樹脂層4は、樹脂層3が20μm程度の厚みの場合には、5μm程度の厚みであり、樹脂層3の厚みと樹脂層4の厚みとの和がほぼ25μmの厚みになるように、樹脂層3、樹脂層4の厚みが調整される。
なお、これらの数値は一例であって、樹脂層3及び樹脂層4の厚みはこれら数値に限定されることはなく、それらの厚みが更に薄ければ本発明の効果はより顕著になる。また、第1のディスク基板1に樹脂層3を、転写用ディスク基板2に樹脂層4を形成したが、第1のディスク基板1又は転写用ディスク基板2の一方だけに樹脂層を形成し、他方には形成しなくても、同様な効果を得ることができる。
次に、図2に示すように、それぞれ樹脂層が形成された第1のディスク基板1と第2のディスク基板2とを重ね合わせて貼り合わせる(ステップ3)。この実施形態では、第1のディスク基板1と第2のディスク基板2との貼り合せを行うのに、真空貼り合せ方法を採用している。図1(E)に示すように、樹脂層3と樹脂層4とを当接させて、第1のディスク基板1と第2のディスク基板2とを重ね合わせる。このとき、第1のディスク基板1の中心軸線Lと第2のディスク基板2の中心軸線Lとを一致させ、所望の方法で第1のディスク基板1と第2のディスク基板2との間に加圧力を短時間加えて貼り合わせを行う。この際、樹脂層3は少なくとも硬化しておらず、接着層として有効に働く。
この貼り合わせ工程で、第1のディスク基板1の中心軸線Lと第2のディスク基板2の中心軸線Lとを一致させると、前述した突起部Paの位置及び凹所Qの位置によって、必然的に第1のディスク基板1の突起部Paと第2のディスク基板2の凹所Qとが合致し、突起部Pa及び突起部Paを覆っている樹脂層3の少なくとも一部分が凹所Q内に納まる。したがって、真空中で互いに当接された樹脂層3と樹脂層4はほぼ平坦になるから、その間に気泡が生じることは無く、また、樹脂層3と第1のディスク基板1の信号記録面1Aとの間、又は樹脂層4と第2のディスク基板2の信号記録面2Aとの間に空気層が残留することがない。
ここで、第1の樹脂層3で覆われた第1のディスク基板1の突起部Paを避けてその外周側に第2の樹脂層4が形成されるため、第1のディスク基板1に生じた突起部Paと第2のディスク基板2の凹所Qとの間で、気泡が発生することを防止できる。また、第1のディスク基板1の突起部Paを第1の樹脂層3で覆っているので、突起部Paを覆っている第1の樹脂層3が突起部Paと凹所Qとの間の空気層を少なく抑えることができ、光情報記録媒体の外観の見劣りを防ぐことができる。また、突起部Paの近傍における第1のディスク基板1の信号記録面1Aとディスク基板2の信号記録面2Aとの間の樹脂層3と樹脂層4とからなる樹脂層の厚みが均一となる。これらによって、高密度記録対応の光情報記録媒体の品質の向上を図ることができる。
前述したように、第1のディスク基板1と第2のディスク基板2との貼り合わせを行った後、紫外線などの放射線を所望の方法で照射してそれら基板間の樹脂層3、4を硬化させる。次に、この実施形態では第2のディスク基板2が転写用ディスク基板であるから、例えば、機械的な力と圧搾空気とを組み合わせてなる剥離方法によって第1のディスク基板1から第2のディスク基板2を剥離する。このとき、第2のディスク基板2の信号記録面2Aに形成されていた樹脂層4と第2のディスク基板2との間で剥離が起こり、樹脂層4が樹脂層3に接着したままで第1のディスク基板1上に残留する。
したがって、樹脂層4の表面に第2のディスク基板2の信号記録面2Aの情報が信号記録層として転写される。この実施形態によれば、突起部の近傍の樹脂層に気泡Vが発生したり、あるいは前記突起部の近傍の樹脂層とディスク基板との間に空気層が残留しないため、転写用ディスク基板を剥離した際に信号記録領域に悪影響を及ぼすことを防止することができる。したがって、その後の工程で不図示のカバー層が樹脂層4上に形成され、2層の信号記録層を有する高密度記録対応の光情報記録媒体が得られる。
前記実施形態では、第2のディスク基板2が転写用のディスク基板であり、最終的には剥離され、光情報記録媒体の一部分を構成することのないディスク基板に凹所Qを形成したが、最終的な光情報記録媒体の一部分を構成するディスク基板に凹所Qと同様な凹所を形成してもよい。
また、前記実施形態では、第2のディスク基板2に形成した凹所Qは円環状のものとして説明したが、特に第2のディスク基板2が転写用のディスク基板である場合には、図1(A)に示した幅Xから内周までの部分が凹所Qの深さと同じレベルにあり、つまり凹所Qが内周端まで延びる凹所であっても良い。この場合には、第2のディスク基板2の凹所Qに相当する内周部分が薄いので、第1のディスク基板1と第2のディスク基板2の内周側に微小間隙が存在する。したがって、第のディスク基板2を剥離する際に、機械的な初期剥離が容易であることは勿論のこと、圧搾空気がディスク基板間に均一に入るために、均一に剥離し易いなどの効果がある。しかしながら、本発明は剥離方法に制限されるものではない。
なお、前記実施形態では周知の真空貼り合わせ方法を用いて第1のディスク基板1と第2のディスク基板2とを貼り合わせたが、従来から行われているスピン方法を用いて貼り合わせを行ってもよい。光透過層の薄い光情報記録媒体の場合には、双方のディスク基板の微小な突起部同士が突き合わされると、このスピン方法によっても、遠心力による樹脂の外方向への展延で、どちらかのディスク基板と樹脂層との間に空気層が生じてしまう場合がある。しかし本発明によれば、スピン方法によってディスク基板間に前記微小な突起部の高さと同等以下の厚みの樹脂層を形成しても、前記突起部の影響で樹脂層の中に気泡が生じたり、ディスク基板と樹脂層との間に空気が残存したりすることはない。
また、前記実施形態のようにして、2層目の信号記録層が転写されたディスク基板を接着剤により貼り合わせた構造の高密度記録対応の光情報記録媒体としてもよい。これらの構造は、追記型の高記録密度の光情報記録媒体、あるいは再生専用の高記録密度の光情報記録媒体、又は書換型の高記録密度の光情報記録媒体などに採用することができる。更に、一般的なDVDなどのような構造の光情報記録媒体の製造工程にも同様に本発明の製造方法を採用することができることは勿論である。
本発明に係る光情報記録媒体の製造方法を説明するための図である。 光情報記録媒体の製造工程を説明するための図である。 光情報記録媒体の従来の製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1・・・第1のディスク基板
1A・・・第1のディスク基板の信号記録面
2・・・第2のディスク基板
2A・・・第2のディスク基板の信号記録面
3・・・第1のディスク基板に形成された透明な樹脂層
4・・・第2のディスク基板に形成された透明な樹脂層
5A・・・第1の射出成形装置
5B・・・第2の射出成形装置
Pa・・・ディスク基板の突起部
Q・・・ディスク基板に形成した凹所
W・・・突起部Paの幅
X・・・凹所Qの幅

Claims (4)

  1. 第1のディスク基板を射出成形する工程と、
    前記第1のディスク基板の射出成形時に前記第1のディスク基板の信号記録面の内周側に生じた環状の突起部に対応する箇所に環状の凹所を有する第2のディスク基板を射出成形する工程と、
    前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板との間に樹脂層を形成するための樹脂を塗布する工程と、
    前記第1のディスク基板の前記信号記録面と前記第2のディスク基板の前記凹所を有する面とを対向させ、少なくとも前記突起部の頂部分が前記凹所に納まるように位置合わせした状態で、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板とを重ね合わせて貼り合わせる工程と、
    を備え、
    前記樹脂を塗布する工程は、
    前記第1のディスク基板の前記信号記録面及び環状の前記突起部を覆うように第1の樹脂層を形成し、
    前記第2のディスク基板の環状の前記凹所を有する面に、環状の前記凹所よりも外周側に第2の樹脂層を形成する、
    ことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板との間の樹脂層の厚みは前記突起部の高さよりも薄いことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記第2のディスク基板は、他の信号記録層が形成された転写用ディスク基板であり、
    前記転写用ディスク基板を前記第2の樹脂層から剥離し、前記第1の樹脂層の上に残存する前記第2の樹脂層に前記他の信号記録層を転写することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  4. 第1のディスク基板を形成する第1の射出成形装置と、
    前記第1のディスク基板の形成時に前記第1のディスク基板の信号記録面の内周側に生じた環状の突起部対応する箇所に環状の凹所を有する第2のディスク基板を形成する第2の射出成形装置と、
    前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板との間に樹脂層を形成するための樹脂を塗布する樹脂塗布手段と、
    前記第1のディスク基板の前記信号記録面と前記第2のディスク基板の前記凹所を有する面とを対向させ、少なくとも前記突起部の頂部分が前記凹所に納まるように位置合わせした状態で、前記第1のディスク基板と前記第2のディスク基板とを重ね合わせる貼り合わせ装置と、
    を備え
    前記樹脂塗布手段は、
    前記第1のディスク基板の前記信号記録面及び環状の前記突起部を覆うように第1の樹脂層を形成し、
    前記第2のディスク基板の環状の前記凹所を有する面に、環状の前記凹所よりも外周側に第2の樹脂層を形成する、
    ことを特徴とする光情報記録媒体の製造装置。
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