JP2008027517A - 情報記録媒体及びその製造方法、並びに情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型フレキシブルディスクを用いることでカートリッジ容量の増大を図るとともに、歩留まりがよく、製造コストを低減できる情報記録媒体、及びその製造方法、並びに情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明による情報記録媒体は、複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体であって、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに、溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において接着されていることを特徴とする。この場合、前記接着領域は、熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着されるようにするとよい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明による情報記録媒体は、複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体であって、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに、溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において接着されていることを特徴とする。この場合、前記接着領域は、熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着されるようにするとよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、情報記録媒体及びその製造方法、並びに情報記録再生装置に関し、より詳しくは、例えば複数の記録層を有する多層の情報記録媒体及びその製造方法、並びにその情報記録媒体に対して情報を記録及び/又は再生する情報記録再生装置に関するものである。
最近は、情報化社会が進んで膨大な情報を記憶しておく外部記憶装置の記録密度向上が著しい。光ディスクの記録容量はすでに青色レーザー、高NA対物レンズを用いているために更なる面記録密度向上が困難な状況に直面している。すなわち、2次元的な記憶容量増加には大きな技術的な壁があるために、記憶容量を増やす方法として3次元的に多層化する技術が盛んに研究されている。
ところが、光情報記録媒体の場合、多層化製品が実現できたとしてもカートリッジ容量はHDDやテープの容量よりも1桁小さい。
そこで、ディスク基板を薄くしてカートリッジに収容されるディスク枚数を増やし、カートリッジ当りの記録容量を、HDDや磁気テープと同等に増大させる技術が開発されてきている。この記録容量増大の目的を達成するためには記録層を複数重ねてディスクを作製する多層化技術の確立が重要である。
このような記録層の多層化技術の1つとして特許文献1に記載されているものがある。この特許文献1は、レーザービームにより記録再生を行う多層光ディスクに関し、各信号層(記録層或いは色素層)の凹凸形成およびその上への反射膜または記録膜形成後に、これを覆うように位置した平坦化された透明樹脂層を一旦形成し、この透明平坦層の上にさらにピットやグルーブを有する信号面を形成していく多層基板構造とすることで、多層化ディスクにおける順次信号層を積層形成する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1に記載の多層ディスクでは、多層ディスク全体を作製し終わった後でなければ各記録層(色素層)に欠陥があるか否かの検査をすることができない。とすると、1つの層でも欠陥があるとディスク全体が使い物にならなくなってしまう。また、途中の層で欠陥があったとしてもディスク全体を作製しなければならず、効率が悪い。このような問題点は、多層化ディスクの歩留まりにも影響する重大なものである。
また、多層膜の各記録層同士は独立に記録再生できる必要があり、例えば青色レーザーを用いた場合には各記録層の距離を20ミクロン離さなければならない。そして、各記録層間における厚みムラは各記録層トータルで±1ミクロン以下に抑えなければならない(スペックが厳しい)ため、量産技術の確立が非常に難しい。
特許文献1でも示されるように、多層化する際にはUV(紫外線)硬化樹脂を用いてソフトスタンパから光ディスク用溝パターンを形成する2P法を用いるのが通常であるが、ソフトスタンパの使い捨てやタクトタイムが遅いという理由からコストが非常に高くなる。例えば、2層DVD−R製品は単層製品の価格の5倍以上となっている。
また、特許文献1等従来の多層化ディスクでは、UV硬化樹脂を用いて各記録層を貼り合わせているので、各層を形成する際に紫外線によって貼り合わせの度に記録層が被爆してダメージを負ってしまう危険性がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、薄型フレキシブルディスクを用いることでカートリッジ容量の増大を図るとともに、歩留まりがよく、製造コストを低減できる情報記録媒体、及びその製造方法、並びに情報記録再生装置を提供するものである。
上記問題点を解決するために、本発明による情報記録媒体は、複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体であって、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに、溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において接着されていることを特徴とする。この場合、前記接着領域は、熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着されるようにするとよい。
また、前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって内周領域に設ける場合、中心穴半径をRi、前記溝形成領域の開始半径をRds、前記接着領域の開始半径をRis、前記接着領域の終了半径をRieとすると、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、かつRds−(Ris+Rie)/2>1.85mmの関係式を満足することが必要であり、さらに、前記情報記録媒体の全体の厚みをTとすると、Ris>Ri+T、かつRie<Rds−Tの関係式を満足すれば、ディスク中心穴へのダメージを相当のクリアランスを持って回避することができるようになる。
また、前記接着領域を外周領域に設ける場合、前記接着領域の中心位置までの半径をRoc、前記溝形成領域の終了半径をRdeとすると、Roc−Rde>1.85mmの関係式を満足する必要があり、さらに、前記接着領域の開始半径をRos、前記接着領域の終了半径をRoe、前記情報記録媒体の全体の厚さをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足すればよい。
前記接着領域は、内周領域及び/又は外周領域で断続的に設けてもよい。また、内周領域には、前記情報記録媒体を回転させたときに空気の流れを生じさせるためのエアフロー用穴を形成してもよい。
上記問題点を解決するために、本発明による情報記録媒体の製造方法は、複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体の製造方法であって、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層する工程と、前記薄型ディスクの溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において、各薄型ディスクを接着する工程と、を備えていることを特徴とする。そして、前記接着する工程は、前記接着領域を熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着する。
また、前記接着する工程は、前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって内周領域に設ける場合、中心穴半径をRi、前記溝形成領域の開始半径をRds、前記接着領域の開始半径をRis、前記接着領域の終了半径をRieとすると、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、かつRds−(Ris+Rie)/2>1.85mmの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着し、さらに前記情報記録媒体の全体の厚みをTとすると、Ris>Ri+T、かつRie<Rds−Tの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着する。
また、前記接着する工程は、前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって外周領域に設ける場合、前記接着領域の中心位置までの半径をRoc、前記溝形成領域の終了半径をRdeとすると、Roc−Rde>1.85mmの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着し、さらに前記接着領域の開始半径をRos、前記接着領域の終了半径をRoe、前記情報記録媒体の全体の厚さをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着する。
前記接着する工程は、前記接着領域を内周領域及び/又は外周領域で断続的に設けるようにしてもよく、内周領域に断続的に接着領域を設ける場合には、前記内周領域に、前記情報記録媒体を回転させたときに空気の流れを生じさせるためのエアフロー用穴を形成するようにしてもよい。
また、上記問題点を解決するために、本発明による情報記録媒体は、複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体であって、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに接着樹脂によって全面的に接着され、前記情報記録媒体の端部には前記接着樹脂によってディスク端部保護部が形成されていることを特徴とする。
さらに、上記問題点を解決するために、本発明による情報記録媒体は、複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体の製造方法であって、独立した単体としての薄型ディスクを載置台に載置する工程と、前記載置された薄型ディスクに接着樹脂を塗布する工程と、塗布された接着樹脂の上にさらに別の薄型ディスクを載せる工程と、前記塗布する工程と前記別の薄型ディスクを載せる工程を所望回繰り返して中間積層ディスクを作製する工程と、前記中間積層ディスクを高速回転させて前記塗布した接着樹脂を伸ばす工程と、前記伸ばす工程後に、前記中間積層ディスクに紫外線を照射して前記接着樹脂を硬化させる工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による情報記録再生装置は、上述した何れかの情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、前記情報記録媒体に対して記録再生光を照射するための光ピックアップと、厚みの異なる複数種類の補正板を有し、前記情報記録媒体に前記光ピックアップによって光を照射する際に照射する目標層に応じて、前記複数種類の補正板を切り換える光学補正手段とを備えることを特徴とする。
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
本発明によれば、薄型フレキシブルディスクを用いることでカートリッジ容量の増大を図るとともに、歩留まりがよく、製造コストを低減できる情報記録媒体、及びその製造方法、並びに情報記録再生装置を提供することができる。
以下、本発明に係る実施形態ついて図面を参照しながら詳細を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)10の断面及び平面の構造を示す図である。図1に示されるように、情報記録媒体10は、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)10の断面及び平面の構造を示す図である。図1に示されるように、情報記録媒体10は、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
図1において、2はディスク中心穴であり、情報記録再生装置に情報記録媒体10を装着する際にスピンドル中心軸に挿入するための穴である。3は接着領域であり、第1の実施形態の場合、後述のように熱圧着又は超音波融着によって各薄型フレキシブル光ディスク1が接着されている部分である。4は非接着内周領域であり、ディスク中心穴2を熱圧着によって変形させないようにするために設けられた領域(クリアランス)である。5は非接着外周領域であり、ディスク内周部における接着領域の終端から溝形状を形成した領域(溝形成領域)6の開始端までを含む領域である。6は溝形成領域であり、例えばディスク半径22mm以上の部分である(記録領域は半径24mm以上の部分)。7は溝形成領域外周領域である。また、8は各層(各薄型フレキシブルディスク)間の隙間を示している。
このように、少なくとも2枚以上の薄型フレキシブルディスク1に対しディスク(回転)中心穴2を合わせて重ね、接着領域3(つまり溝形成領域6以外の内周の局所領域)において、超音波融着や熱圧着等の接着技術により各薄型フレキシブル光ディスクを接着して多層化を実現しているので、カートリッジ容量の大幅改善が可能となるのである。なお、接着剤で接着する場合には接着層の厚み分だけ全体が厚くなり、カートリッジ収容可能枚数が減ってしまうので、容量の観点を重視するならば熱圧着や超音波融着を用いるのが好ましいといえる。
また、本実施形態の情報記録媒体10は、ナノインプリント技術で作製した独立の薄型フレキシブル光ディスク1を複数重ねて接着しているので、2P法で1枚1枚丁寧に作るN枚多層膜に比べて、極めて低コストな多層化構造を実現することができる。つまり、2P法では、多層化ディスク作製後にしか各層の検査ができないので、そのうち1層でも欠陥が見つかればディスク全体が欠陥製品となってしまう。これに対して、本実施形態では多層化ディスク(情報記録媒体10)全体を作製する前に各層を構成する各薄型フレキシブル光ディスク1を検査でき、欠陥があればそのディスクだけを廃棄すればいいので、製造効率もよく、製造コストを低く抑えることができるのである。また、各薄型フレキシブル光ディスク1をナノインプリント技術で光ディスク用の溝を形成するので、光ディスクとして大きな課題となっているリタデーション(樹脂波面による光の複屈折)や基板厚ムラを極めて小さくできる。したがって、これを厚板基板に貼合わせることで厚みむらを比較的容易に抑えることができ、量産化も容易になって生産コスト低減を図ることができるようになる。
図2は、図1で示される情報記録媒体10の製造装置の概略構成を示す図である。図2において、20は載置台であり、中心軸22が載置台20に一体的に成形されているか、固定されている。21は上蓋であり、載置台20と共に情報記録媒体10に対して圧力をかけるように作用する。23及び24は接着部位作成部材であり、ヒーター或いは超音波素子を備えている。また、25はディスク中心穴2の半径、26はヒーター或いは超音波素子が作用する最大領域の内周半径、27はヒーター或いは超音波素子が作用する最大領域の外周半径を示している。
図2に示すように、まず載置台20に接着部位作成部材24をセット、その上に薄型フレキシブル光ディスク1をN枚、載置台20に固着(或いは一体化)されている中心軸22に通して重ねる。このように中心軸22にN枚の薄型フレキシブル光ディスク1が挿入され、それらの中心穴2が揃うのでディスクの偏芯を少なくすることができ、又スピンドルへの着脱も容易にできるようになる。
そして、N枚重ねられたディスクの上に接着部位作成部材23をセットし、さらにその上に上蓋21をかぶせる。このような準備が完了すると、接着部位作成部材23及び24のヒーター又は超音波素子によって接着部位の樹脂を溶かしつつ、載置台20及び上蓋21の上下から或いは、上蓋21の上から圧力を掛けてN枚のディスクを押さえこむ。そして、製造装置全体を回転させながら熱圧着或いは超音波融着を実行する。
このような熱圧着或いは超音波融着によれば、各薄型フレキシブル光ディスク1は基板が薄いため、熱はN枚のディスクに伝播しやすいので容易に接着することができる。ただし、内周穴ぎりぎりまで接着すると、接着時の変形がディスク中心穴2にまで達してしまうためスピンドルへのとりつけ公差をつぶしてしまう。
そこで、接着領域3(図1参照)を一定の範囲に抑えなければならないが、図3を参照してこの接着領域3の範囲について考察する。
図3は、熱源からの熱のディスク上の各位置への伝播状態を示す図である。なお、図3は、熱源がガウス分布していることを前提とした計算結果である。そして、図3において、グラフa乃至gはそれぞれ、熱源(熱圧着ヘッド231)に対して異なる断熱状況の下、加熱ポイント(原点)から離れるにつれてどのような温度分布で熱がディスク上を伝播していくか示している。ここではグラフgが断熱効果の一番低い場合の分布であり、f、e、d・・・となるにつれて完全断熱に近い分布になっている。
各薄型フレキシブル光ディスク1は、例えばポリカーボネートシートで構成されており、その接着温度は約180℃であるので、熱源からの熱は180℃以上で情報記録媒体10の厚さTに達しなければ全体を接着することはできない(ポリカーボネートの場合、実験では、そのガラス転移温度よりも30℃以上高温でプレスする必要があることがわかっている)。これに対し、ポリカーボネートシートのガラス転移温度は約140℃であるので、熱源からの熱が140℃以上でディスク中心穴2にまで到達してしまうとディスク中心穴2が変形してしまう。このため、熱源の熱が接着温度以上で熱圧着させたい厚さTだけ到達するがガラス転移温度未満でディスク中心2に到達するという条件を満足すればよいことがわかる。例えば、図3の7つのグラフの中で一番高温での熱の広がりを持つグラフgについて見ると、熱源の位置(原点)から約0.85mmの位置まで接着温度以上の熱が伝わり、原点から約1.85mmの位置までガラス転移温度以上の熱が伝わっている。ここではディスク中心穴2の縁は原点から3mmの位置にあるので、グラフgの分布を持つ熱源であっても上述の条件は充足している。なお、その他のグラフa乃至fはグラフgよりも急峻な特性を有しているので、図3の熱源の位置であれば条件を充足しているのは明らかである。
第1の実施形態のように、N枚の薄型フレキシブル光ディスクを積層して接着する情報記録媒体10において接着部位(接着領域3)を内周エリアに設ける場合、ディスク中心穴半径をRi、光ディスクとしての溝形状開始半径をRds、接着部位の接着開始半径をRis、接着終了半径をRie、接着すべきN枚の薄型フレキシブル光ディスク(情報記録媒体10)の全体の厚みをTとするとき、Ris>Ri+T、及びRie<Rds−Tの関係式を満足すれば、ドライブへのセット時の問題は余裕を持って解消できる。
なお、多層ディスクとして使うためには、少なくとも1枚の薄型ディスクの厚みは記録再生する光の波長をλとすると、t=0.063×λnm以下のディスクの厚みにする必要がある。記録再生光として赤色レーザーを用いる場合、λ=約650nmであるから、t=0.04mmとなる。例えば、多層ディスクとして6層分積層した場合、全体の厚みTは0.24mmとなる。
さらに、より限界的な条件を図3から考察すると、接着領域3の中心位置((Ris+Rie)/2)とディスク中心穴(Ri)及び溝形状開始位置までの距離がそれぞれ1.85mm以上離れていればよいことがわかる。計算式では、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、Rds−(Ris+Rie)/2>1.85mmとなる。
続いて、以上のような情報記録媒体10に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置40及び50について説明する。図4及び5は、それぞれ情報記録再生装置の概略構成を示す図であり、図4はDVDやHDDVDと本発明の情報記録媒体10との互換性を保証するための構成であり、図5はBlu−rayDiscと本発明の情報記録媒体10との互換性を保証するための構成である。
図4において、情報記録媒体10は例えば6層(L0層からL5層)の多層化光ディスクであるとする。そして、41は光ピックアップであり、赤色レーザー光や青色レーザー光を対物レンズから各記録層へ照射するものである。43はターンテーブルであり、情報記録媒体10がそこに載置される。44はスピンドルであり、それを情報記録媒体10の中心穴2に挿入し、クランパ45を情報記録媒体10の上に被せてチャッキングする。42は光学補正板であり、L0からL5の各記録層へのレーザー光照射位置を調整するために設けられたものである。この光学補正板42は、図示されるように、例えば、L0、L1及びL2層用スリット421とL3層用光学補正板422とL4層用光学補正板423とL5層用光学補正板424とを備えている。光学補正板42の構成は記録層の数によって異なるが、各層対応の光学補正板を切り換えることによって多層化ディスクにも確実に情報の記録再生を行うことができるのである。つまり、1つの記録層に対して情報の記録再生動作を実行する場合には、光ピックアップ41(対物レンズ)を図4の矢印Aの方向に移動させる(駆動手段については図示せず)。別の層に対して情報の記録再生動作を実行する場合には、光ピックアップ41を矢印Bの方向に移動させて目標の記録層に少なくとも情報記録可能な程度に焦点が合うように制御される。なお、その他の構成(例えば、レーザー駆動回路、記録/再生データを処理する記録・再生制御回路等)は従来のものと同様なので説明を省略する。
図5は、ターンテーブル43が情報記録媒体10の上に取り付けられる情報記録再生装置の構成である。それ以外の構成及び動作は図4と同様なのでここでは説明を省略する。
ところで、例えば20μm(0.02mm)厚のディスクを5層重ねた薄型ディスクの基板厚みは100μmであり、依然薄型ディスクである。これは高速回転の遠心力で比較的フラットなディスクにすることができるが、高速記録再生時には面ブレ加速度が大きくなり、実用的に好ましくない。そこで、本発明では、上述のターンテーブル43を設けるか、剛性の高いガラス等の基板を回転安定板として用いれば、高速回転においても薄型ディスクとして利用可能になる。
<第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)60の断面及び平面の構造を示す図である。情報記録媒体60も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)60の断面及び平面の構造を示す図である。情報記録媒体60も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
図6に示されるように、第2の実施形態では、接着領域(接着部位)61が最外周に設けられている。ディスクの製造装置としては、図2で示したものを用いることができるが、熱圧着或いは超音波融着部分はディスク最外周となるので、接着部位作成部材23及び24は、ディスク最外周がヒーター或いは超音波素子が作用するように構成しなければならないのはもちろんである。
熱圧着や超音波融着等の接着処理によって光ディスクとしての最外周データエリアを破壊することがあってはならない。つまり、溝形成領域6を変形させてはならない。したがって、これを回避するためには、N枚の薄型フレキシブル光ディスクを接着する情報記録媒体60において接着部位を外周エリアに設ける場合、光ディスクとしての溝形状終了半径をRde、接着部位の接着開始半径をRos、接着終了半径をRoe、接着すべきN枚の薄型フレキシブル光ディスク全体の厚みをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足すれば溝形成領域6破壊の問題は余裕を持って回避できる。なお、第1の実施形態の場合と同様に、より限界的な条件を図3から考察すると、接着領域61の中心位置(ディスク中心からRocの位置とする)と溝形状終了位置(ディスク中心からRdeの位置)までの距離が1.85mm以上離れていればよいことがわかる。つまり、関係式では、Roc−Rde>1.85mmとなる。
なお、第2の実施形態に係る情報記録媒体60も、図4及び5で示される情報記録再生装置40及び50で情報の記録再生を実行することができる。
<第3の実施形態>
図7は、本発明の第3の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)70の断面及び平面の構造を示す図である。情報記録媒体70も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)70の断面及び平面の構造を示す図である。情報記録媒体70も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
図7において、71は接着領域であり、73は非接着領域である。このように接着領域71は周内に連続的である必然性はなく断続的であっても構わない。また、情報記録媒体70は薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けて構成されるので、各薄型フレキシブル光ディスク間の隙間8に局所的にエア噛みを生じる可能性がある。このエア噛みはサーボ信号を正確に取ることができなくなる等の問題を生じさせる。そこで、接着領域71の間にエアフロー用の穴72を形成し、そこから空気の流れがディスクの隙間8に生じるようにしてエア噛みを防止するようにしてもよい。
なお、断続的な接着領域は、内周だけでなく、内周及び最外周部(図6の61に相当する領域に断続的に)或いは、最外周部のみに設けるようにしてもよいことはもちろんである。また、第3の実施形態に係る情報記録媒体70も、図2で説明したものと同様の工程によって製造することができ、図4及び5で示される情報記録再生装置40及び50で情報の記録再生を実行することができる。
<第4の実施形態>
図8は、本発明の第4の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)80の断面及び平面の構造を示す図である。情報記録媒体80も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)80の断面及び平面の構造を示す図である。情報記録媒体80も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。
例えば熱圧着や超音波融着で各ディスクを接着した場合、貼り付け時の圧力によって接着領域の厚みは情報記録媒体全体の厚みTよりも多少薄くなると共に、熱によって接着面に凸凹が形成されてしまう可能性があるため、その接着領域をクランプエリアとして使用するのは好ましくない。そこで、厚み変動が少ない(接着領域以外の)領域をクランプエリアとして確保する必要がある。
図8はこのような問題点を解決する構成を提供している。つまり、82を接着領域、81をクランプエリアとしている。83は接着領域82とクランプエリアとの間に設けられたクリアランス、84は接着領域82と溝形成領域6との間に設けられたクリアランスである。これらのクリアランスは、上述同様、クランプエリア81及び溝形成領域6の変形を回避するために設けられたものである。
このようにしてクランプエリア81を平坦に保つことができるので、情報記録媒体80に対して安定して情報の記録再生を実行することができるようになる。
なお、第4の実施形態に係る情報記録媒体80も、図2で説明したものと同様の工程によって製造することができ、図4及び5で示される情報記録再生装置40及び50で情報の記録再生を実行することができる。
<第5の実施形態>
図9は、本発明の第5の実施形態に係る情報記録媒体90の断面(図9A)と2P法によって作製した多層化ディスクの断面(図9B及びC)の構造を示している。
図9は、本発明の第5の実施形態に係る情報記録媒体90の断面(図9A)と2P法によって作製した多層化ディスクの断面(図9B及びC)の構造を示している。
情報記録媒体90も、上記情報記録媒体10と同様に、独立した一枚の薄型フレキシブル光ディスク1を複数枚貼り付けることによって構成されている。ただし、第1乃至4の実施形態の情報記録媒体では局所的に接着領域が熱圧着或いは超音波融着によって形成されているのに対し、第5の実施形態の情報記録媒体90は、媒体平面全体に亘って接着剤により接着されている。
図9Aに示されるように、情報記録媒体90は、複数の独立した薄型フレキシブル光ディスク1が接着剤によって貼り合わされており、ディスク間の隙間にはその接着剤92が充填されている。また、情報記録媒体90の端部には媒体全周に亘って媒体保護帯部91が形成されている。この媒体保護帯部91は情報記録媒体90の最上面端から最下面端に均等な表面エネルギーを持って湾曲して形成されている。媒体保護帯部91はディスク端部を腐食等から保護することができ、耐環境性に優れた情報記録媒体を提供することができるようになる。
続いて、情報記録媒体90の製造工程について説明する。図10は、第5の実施形態に係る情報記録媒体90の製造工程を示す図である。
まず、1枚目の薄型フレキシブル光ディスク1を製造装置の載置台101に載置し、UV接着樹脂をUV樹脂タンク104からパイプ105を介して必要量だけ塗布する(図10A)。
次に、2枚目の薄型フレキシブル光ディスク1をUV接着樹脂が塗布されたディスクの上に載置する。そして、その上に再度UV接着樹脂を必要量だけ塗布する(図10B)。この工程は所望の枚数分だけ繰り返され、所望の枚数分だけ積層したら積層ディスクを高速で回転させる。この回転(スピンコート)によって塗布したUV接着樹脂がディスク外周に向かって伸ばされて塗布膜厚が均一になると共に、余分なUV接着樹脂がディスク端部から排出される。このときUV接着樹脂の表面エネルギーによって上述の媒体保護帯部91に相当する部分が形成される(まだ固まっていない状態)。
最後に、UVランプ106によって全体を紫外線照射してUV樹脂を硬化させる(最後に一回のみ照射)。これによってディスク間のUV接着樹脂及び端部からはみ出したUV接着樹脂(91に相当する部分)が硬化し、各薄型フレキシブル光ディスク1が貼り合わされるとともに媒体保護帯部91が最終的に形成される。
これに対して、2P法によって多層化ディスクを形成すると図9B及びCに示されるようになる。つまり、まず基板に1層目の記録層を形成し、その上にUV接着樹脂をスピンコートで塗布した後2層目の記録層を形成し、UVランプによって紫外線を照射してUV接着樹脂を硬化させる。そして、この工程を所望数の記録層を形成するまで繰り返す。この方法では、各層にUV接着樹脂を塗布する度にスピンコートでその樹脂を伸ばしているが、ディスク端部では樹脂の表面張力によって僅かではあるが盛り上がってしまう(図9B参照)。しかし、この盛り上がりが各層では僅かであっても累積的に効いてくるので、媒体全体としては無視できないほどの変位となってしまう。そこで、2P法では、図9Cで示されるように、盛り上がった外周部をカットして最終的なディスク製品としている。従って、ディスク端部は外気に晒されることになり、その耐環境性は図9Aの情報記録媒体90と比べて劣る。耐環境性を改善するためには端部に保護膜を形成すればよいが、製造工程が増えてしまって製造コストがアップしてしまうという欠点がある。また、2P法では外周部をカットするので、その部分が産業廃棄物となってしまい環境保護の観点からも問題がある。さらに、各層を形成するごとにUVランプによる紫外線照射を行っているので、記録層を構成する色素の被爆の程度が強くなってしまうという欠点もある。
第5の実施形態による情報記録媒体及びその製造方法によれば、2P法による様々な問題点を解決することができる。
なお、ここでは、N枚の薄型フレキシブル光ディスクを、UV接着樹脂を塗布しながら重ね、最終的にそれを交差おっ回転させながら紫外線を照射して樹脂を硬化させているが、この方法に限られず、次のようにしてもよい。つまり、まず薄いシートの内周上に必要分樹脂をたらして2層目を重ねて高速回転する。次に、回転を停止して更に内周部分に樹脂をたらして3層目を重ねて高速回転する。この工程を繰り返してN層ディスクを作り、最後に紫外線を照射して樹脂を硬化させる。
また、上記ではUV接着樹脂(UV硬化樹脂)を用いているが、熱硬化樹脂を接着剤といて用いてもよい。
<その他の実施形態>
本発明による情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)におけるエア噛みの問題を解決するための構成として、上述で説明したもの以外にも以下のようなものが考えられる。
本発明による情報記録媒体(多層化薄型フレキシブル光ディスク)におけるエア噛みの問題を解決するための構成として、上述で説明したもの以外にも以下のようなものが考えられる。
(A)UV硬化樹脂を各層間にスピン法で形成し、記録膜を形成するための色素を塗ってある部分はマスクして内周と外周端にのみUVを照射して硬化する方法である。この方法で作製された情報記録媒体は、空気が入り込まないように外周と内周が接着されているのでエア噛みの問題が解消される。また、色素がUV被爆しないので記録膜へのダメージも回避することができる。
(B)(A)の方法でUV硬化でなく内周と外周を熱圧着する。(A)と同様の効果を奏するものである。
(C)熱硬化樹脂を各層間にスピン法で形成し、80℃で熱硬化する。各層が接着されるので、エア噛みの問題が解消されると共に、色素は80℃であれば劣化しないため、記録膜へのダメージも回避できる。
(D)色素を使わず無機材料とする。無機材料はSi/Cu2層膜で記録部分は合金になり反射率が低下するという原理を用いるものである。無機材料であればUV効果による劣化もなく熱圧着でも劣化しないので全面接着が可能となり、エア噛みの問題も解消できる。
<まとめ>
本発明の情報記録媒体は、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに、溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において接着されている。例えば、1枚の薄型ディスクの厚さを0.02mmとすると、5層にしてもまだ0.1mm(100μm)であるので、一般に薄型とされる0.3mmよりも薄い。従って、カートリッジ容量の増大を図ることができる。また、独立した薄型ディスクを用いているので、各ディスクに欠陥が無いか検査した後に張り合わせることができ、歩留まりを向上させることができる。
本発明の情報記録媒体は、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに、溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において接着されている。例えば、1枚の薄型ディスクの厚さを0.02mmとすると、5層にしてもまだ0.1mm(100μm)であるので、一般に薄型とされる0.3mmよりも薄い。従って、カートリッジ容量の増大を図ることができる。また、独立した薄型ディスクを用いているので、各ディスクに欠陥が無いか検査した後に張り合わせることができ、歩留まりを向上させることができる。
また、接着領域は、熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着されている。このように接着技術は現存のものを用いることができるので、既存の設備を流用することも可能である。
接着領域を熱圧着又は超音波融着によって内周領域に設ける場合、中心穴半径をRi、溝形成領域の開始半径をRds、接着領域の開始半径をRis、接着領域の終了半径をRieとすると、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、かつRds−(Ris+Rie)/2>1.85mmの関係式を満足させることにより、ディスク中心穴の変形を回避することができ、よって、より正確にディスクからの信号を取得することができる。さらに、情報記録媒体の全体の厚みをTとすると、Ris>Ri+T、かつRie<Rds−Tの関係式を満足するようにすれば、画一的に接着領域を設定することができ、さらに、ディスク中心穴及び溝形成領域とのクリアランスに関し、かなりの余裕を持って接着領域を設定することができる。
接着領域を外周領域に設ける場合、接着領域の中心位置までの半径をRoc、溝形成領域の終了半径をRdeとすると、Roc−Rde>1.85mmの関係式を満足させることにより、溝形成領域への影響を回避することができる。さらに、接着領域の開始半径をRos、接着領域の終了半径をRoe、情報記録媒体の全体の厚さをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足させれば、画一的に接着領域を設定することができ、さらに、溝形成領域とのクリアランスに関し、かなりの余裕を持って接着領域を設定することができる。
なお、接着領域は、内周領域及び/又は外周領域で断続的に設けるようにしてもよい。また、この場合、内周領域に情報記録媒体を回転させたときに空気の流れを生じさせるためのエアフロー用穴が形成するようにすれば、エア噛みの問題も同時に解消することができるようになる。
また、本発明の情報記録媒体では、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに接着樹脂によって全面的に接着され、情報記録媒体の端部には接着樹脂によってディスク端部保護部が形成されている。このような構造の情報記録媒体は、端部に反り(スピンコートによってできた接着樹脂の変位(盛り上がり))が無く、しかも接着に用いた余分な接着樹脂によって端部を保護することもできるようになっている。
本発明では、情報記録媒体の製造方法も提供されている。本発明の情報記録媒体の製造方法は、独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層し、薄型ディスクの溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において、各薄型ディスクを接着するようにしている。このような製造方法を用いれば、カートリッジ容量を増大させることができる情報記録媒体を提供することができる。このような多層の情報記録媒体であっても、例えば、1枚の薄型ディスクの厚さを0.02mmとすると、5層にしてもまだ0.1mm(100μm)であるので、一般に薄型とされる0.3mmよりも薄いのである。また、独立した薄型ディスクを用いているので、各ディスクに欠陥が無いか検査した後に張り合わせることができ、歩留まりを向上させることができる。
接着する工程は、また、接着領域は、熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着されている。このように接着技術は現存のものを用いることができるので、既存の設備を流用することも可能である。
また、接着する工程は、接着領域を熱圧着又は超音波融着によって内周領域に設ける場合、中心穴半径をRi、前記溝形成領域の開始半径をRds、前記接着領域の開始半径をRis、前記接着領域の終了半径をRieとすると、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、かつRds−(Ris+Rie)/2>1.85mmの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着する。ディスク中心穴の変形を回避することができ、よって、より正確にディスクからの信号を取得することができる。さらに、情報記録媒体の全体の厚みをTとすると、Ris>Ri+T、かつRie<Rds−Tの関係式を満足するようにすれば、画一的に接着領域を設定することができ、さらに、ディスク中心穴及び溝形成領域とのクリアランスに関し、かなりの余裕を持って接着領域を設定することができる。
また、接着する工程は、前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって外周領域に設ける場合、前記接着領域の中心位置までの半径をRoc、前記溝形成領域の終了半径をRdeとすると、Roc−Rde>1.85mmの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着するので、溝形成領域への影響を回避することができる。さらに、接着領域の開始半径をRos、接着領域の終了半径をRoe、情報記録媒体の全体の厚さをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足させれば、画一的に接着領域を設定することができ、さらに、溝形成領域とのクリアランスに関し、かなりの余裕を持って接着領域を設定することができる。
接着領域を内周領域及び/又は外周領域で断続的に設けるようにしてもよく、この場合、さらに内周領域に、情報記録媒体を回転させたときに空気の流れを生じさせるためのエアフロー用穴を形成するようにすれば、エア噛みの問題も同時に解消することができるようになる。
本発明の別の情報記録媒体の製造方法は、独立した単体としての薄型ディスクを載置台に載置する工程と、載置された薄型ディスクに接着樹脂を塗布する工程と、塗布された接着樹脂の上にさらに別の薄型ディスクを載せる工程と、塗布する工程と別の薄型ディスクを載せる工程を所望回繰り返して中間積層ディスクを作製する工程と、中間積層ディスクを高速回転させて塗布した接着樹脂を伸ばす工程と、伸ばす工程後に、中間積層ディスクに紫外線を照射して接着樹脂を硬化させる工程と、を備える。これにより、情報記録媒体端部に生じる接着樹脂の盛り上がり(変位)を防止することができる。また、従来の2P法とは異なり、盛り上がった端部を切り落として産業廃棄物にする必要もなく、環境にやさしいディスク製造方法を提供することができる。
本発明の情報記録再生装置は、上述の情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であり、情報記録媒体に対して記録再生光を照射するための光ピックアップと、厚みの異なる複数種類の補正板を有し、情報記録媒体に前記光ピックアップによって光を照射する際に照射する目標層に応じて、複数種類の補正板を切り換える光学補正手段と、を備える。このような構成を採ることにより、各層の光の照射距離に変動があっても確実に記録再生動作を実行することができる。また、DVDやBlu−rayDiscと本発明の情報記録媒体との互換性も保証することができる。
本発明は、以上説明してきた本発明の実施形態によって限定されるものではく、本発明の本質的な範囲を逸脱しない限り、構成の変形・追加・代用が可能であることはもちろんである。
Claims (19)
- 複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体であって、
独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに、溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において接着されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 前記接着領域は、熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって内周領域に設ける場合、中心穴半径をRi、前記溝形成領域の開始半径をRds、前記接着領域の開始半径をRis、前記接着領域の終了半径をRieとすると、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、かつRds−(Ris+Rie)/2>1.85mmの関係式を満足することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- さらに、前記情報記録媒体の全体の厚みをTとすると、Ris>Ri+T、かつRie<Rds−Tの関係式を満足することを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
- 前記接着領域を外周領域に設ける場合、前記接着領域の中心位置までの半径をRoc、前記溝形成領域の終了半径をRdeとすると、Roc−Rde>1.85mmの関係式を満足することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- さらに、前記接着領域の開始半径をRos、前記接着領域の終了半径をRoe、前記情報記録媒体の全体の厚さをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足することを特徴とする請求項5に記載の情報記録媒体。
- 前記接着領域が内周領域及び/又は外周領域で断続的に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録媒体。
- 前記内周領域には、前記情報記録媒体を回転させたときに空気の流れを生じさせるためのエアフロー用穴が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の情報記録媒体。
- 複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体の製造方法であって、
独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層する工程と、
前記薄型ディスクの溝形状が形成された溝形成領域以外の局所的な接着領域において、各薄型ディスクを接着する工程と、
を備えていることを特徴とする製造方法。 - 前記接着する工程は、前記接着領域を熱圧着、超音波融着、或いは接着樹脂によって接着することを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
- 前記接着する工程は、前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって内周領域に設ける場合、中心穴半径をRi、前記溝形成領域の開始半径をRds、前記接着領域の開始半径をRis、前記接着領域の終了半径をRieとすると、(Ris+Rie)/2−Ri>1.85mm、かつRds−(Ris+Rie)/2>1.85mmの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着することを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
- 前記接着する工程は、さらに前記情報記録媒体の全体の厚みをTとすると、Ris>Ri+T、かつRie<Rds−Tの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着することを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
- 前記接着する工程は、前記接着領域を熱圧着又は超音波融着によって外周領域に設ける場合、前記接着領域の中心位置までの半径をRoc、前記溝形成領域の終了半径をRdeとすると、Roc−Rde>1.85mmの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着することを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
- 前記接着する工程は、さらに前記接着領域の開始半径をRos、前記接着領域の終了半径をRoe、前記情報記録媒体の全体の厚さをTとするとき、Ros>Rde+Tの関係式を満足するように各薄型ディスクを接着することを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
- 前記接着する工程は、前記接着領域を内周領域及び/又は外周領域で断続的に設けることを特徴とする請求項9又は10に記載の製造方法。
- さらに、前記内周領域に、前記情報記録媒体を回転させたときに空気の流れを生じさせるためのエアフロー用穴を形成する工程を備えることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
- 複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体であって、
独立した単体としての薄型ディスクを複数枚、回転中心穴を合せて積層して構成され、それぞれの薄型ディスクは互いに接着樹脂によって全面的に接着され、前記情報記録媒体の端部には前記接着樹脂によってディスク端部保護部が形成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 複数の記録層を多層的に有する情報記録媒体の製造方法であって、
独立した単体としての薄型ディスクを載置台に載置する工程と、
前記載置された薄型ディスクに接着樹脂を塗布する工程と、
塗布された接着樹脂の上にさらに別の薄型ディスクを載せる工程と、
前記塗布する工程と前記別の薄型ディスクを載せる工程を所望回繰り返して中間積層ディスクを作製する工程と、
前記中間積層ディスクを高速回転させて前記塗布した接着樹脂を伸ばす工程と、
前記伸ばす工程後に、前記中間積層ディスクに紫外線を照射して前記接着樹脂を硬化させる工程と、
を備えることを特徴とする製造方法。 - 請求項1乃至8、及び17の何れか1項に記載の情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、
前記情報記録媒体に対して記録再生光を照射するための光ピックアップと、
厚みの異なる複数種類の補正板を有し、前記情報記録媒体に前記光ピックアップによって光を照射する際に照射する目標層に応じて、前記複数種類の補正板を切り換える光学補正手段と、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
Priority Applications (1)
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JP2006199181A JP2008027517A (ja) | 2006-07-21 | 2006-07-21 | 情報記録媒体及びその製造方法、並びに情報記録再生装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-07-21 JP JP2006199181A patent/JP2008027517A/ja not_active Withdrawn
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