JP4071956B2 - 多層光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機材料によって形成された記録層と、エネルギー線硬化樹脂によって形成され記録層の上層としての樹脂層とを少なくとも含む組を、中心部に装着用中心孔が形成された基材上に複数積層して構成された多層光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の多層光記録媒体として、図11に示すように、一例として2層に構成された多層光記録媒体31が知られている。この多層光記録媒体31は、いわゆる片面多層光記録媒体であって、中心部に装着用中心孔Hが形成された平板状(一例として円板状)の基材Dの上に、第1樹脂層としてのカバー層C、第1記録層としての記録層L0、第2樹脂層としてのスペーサ層SP、および第2記録層としての記録層L1が基材Dに対して遠い側からこの順に積層されている。この場合、基材Dは、ポリカーボネート等の樹脂材料を用いて製造され、カバー層C側の表面(同図中の上面)にグルーブ(案内溝)やランド等の微細凹凸(図示せず)が形成されている。また、第2記録層としての記録層L1は、このグルーブやランド等の上に、記録用レーザービームおよび再生用レーザービーム(以下、区別しないときには「レーザービーム」ともいう)を反射する反射膜、記録用レーザービームを照射することによって光学的定数の変化に伴って光反射率が変化する相変化膜、および相変化膜を保護する保護膜などを積層して構成されている。この場合、反射膜、相変化膜および保護膜は、例えば、金属材料や無機材料などの非有機材料をスパッタリングすることにより薄膜状に形成されている。
【0003】
また、第2樹脂層としてのスペーサ層SPは、光透過性樹脂で形成され、カバー層C側の表面にグルーブやランド等の微細凹凸(図示せず)が形成されている。また、第1記録層としての記録層L0は、このグルーブやランド等の上に、相変化膜や保護膜などを積層して構成されている。この場合、記録層L0の相変化膜や保護膜も、記録層L1と同様にして、例えば、非有機材料をスパッタリングすることによって薄膜状に形成されている。第1樹脂層としてのカバー層Cは、光透過性樹脂で形成されている。
【0004】
この場合、図11に示すように、各記録層L0,L1は、その内周縁が全周に亘ってスペーサ層SPおよびカバー層Cの内周縁から距離E(具体的には約1ミリメートル)だけ外周側に位置し、かつ、その外周縁が全周に亘ってスペーサ層SPおよびカバー層Cの外周縁から距離F(具体的には約1ミリメートル)だけ内周側に位置するように形成されている。
【0005】
この多層光記録媒体31では、同図の矢印Aの向きで(基材Dにおける記録層L1,L0等が積層された積層面側から)光ピックアップによって生成されたレーザービームが照射されることにより、記録層L0,L1に対する記録データの記録、または記録層L0,L1からの記録データの読み出しが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した多層光記録媒体31には、以下の問題点がある。すなわち、この多層光記録媒体31では、有機材料との密着性に劣る無機材料で形成された記録層L1が基材Dとスペーサ層SPとの間に広い面積で介在し、かつ、有機材料との密着性に劣る無機材料で形成された記録層L0がスペーサ層SPとカバー層Cとの間にも広い面積で介在している。したがって、この多層光記録媒体31には、有機材料で形成されて密着性の良好な基材Dとスペーサ層SPとの接触面積(結合部位の面積、以下同じ)、および有機材料で形成されて密着性の良好なスペーサ層SPとカバー層Cとの接触面積が共に少ないため、スペーサ層SPが基材Dおよび記録層L1から、またカバー層Cがスペーサ層SPおよび記録層L0からそれぞれ剥離し易いという問題点がある。特に、エネルギー線硬化樹脂によって形成されるスペーサ層SPやカバー層Cでは硬化収縮時に応力が生じる結果、スペーサ層SPとカバー層Cの密着性は、スペーサ層SPと基材Dの密着性より劣る。このため、特に、スペーサ層SPと記録層L0との間、カバー層Cと記録層L0との間、およびカバー層Cとスペーサ層SPとの間で剥離がそれぞれ生じ易い。また、この場合、発明者の実験によれば、特に内周縁側部位が剥離し易いことが確認されている。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、基材に最も隣接する記録層を除く他の記録層、およびエネルギー線硬化樹脂によって形成され、この記録層の上層および下層としての各樹脂層のそれぞれの内周縁側部位の剥離を回避し得る多層光記録媒体を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る多層光記録媒体は、無機材料によって形成された記録層と、エネルギー線硬化樹脂によって形成され前記記録層の上層としての樹脂層とを少なくとも含む組を、中心部に装着用中心孔が形成された基材上に複数積層して構成された多層光記録媒体であって、前記基材に最も隣接する前記記録層を除く他の前記記録層は、当該他の記録層の上層および下層としての前記各樹脂層のうちの内周径が大きい方の樹脂層の内周縁に対して、その内周縁が2ミリメートル以上15ミリメートル以下の範囲内で外周側に位置するように形成されている。なお、本発明における無機材料とは、金属材料も含む概念である。
【0009】
また、本発明に係る多層光記録媒体は、記録用または再生用のレーザービームを前記基材における前記組が積層された積層面側から照射することによって記録または再生が可能に構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る多層光記録媒体の好適な実施の形態について説明する。
【0011】
最初に、一例として2層の多層光記録媒体1の構成について、図1を参照して説明する。なお、多層光記録媒体31と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0012】
多層光記録媒体1は、無機材料で形成された記録層(例えば、相変化記録層)を複数備えたいわゆる片面多層光記録媒体(書き換え型光記録媒体)であって、記録層L1および記録層L1の上層としての樹脂層(スペーサ層SP)を少なくとも含む組と、記録層L0および記録層L0の上層としての樹脂層(カバー層C)を少なくとも含む組とを、基材D上にこの順に積層して構成されている。具体的には、多層光記録媒体1は、基材D上に、第1樹脂層としてのカバー層C、第1記録層としての記録層L0、第2樹脂層としてのスペーサ層SP、および第2記録層としての記録層L1が基材Dに対して遠い側からこの順に積層されて構成されている。
【0013】
基材Dは、有機材料(例えば、ポリカーボネート等の樹脂)を射出成形して、中心部に装着用中心孔Hが形成された平板状(一例として円板状)に形成されている。また、基材Dの一方の面(図1における上面)には、装着用中心孔Hの周辺に規定されたクランピングエリア(Clamping Area )CLAよりも外周側の領域に、微細凹凸としてのレーザービームガイド用のグルーブ(図示せず)やランド(図示せず)等が螺旋状に形成されている。記録層L1は、基材Dの表面に形成されたグルーブ上やランド等の上部に、反射膜、相変化膜、および保護膜などを積層して構成されている。この場合、反射膜は、金属材料をスパッタリングすることにより薄膜状に形成され、また相変化膜や保護膜は、無機材料をスパッタリングすることにより薄膜状に形成されている。
【0014】
スペーサ層SPは、有機材料としての光透過性樹脂(具体的には、光透過性を有するエネルギー線硬化樹脂(一例として紫外線硬化樹脂))で形成され、そのカバー層C側の表面にグルーブ(図示せず)やランド(図示せず)等が形成されている。記録層L0は、スペーサ層SPの表面に形成されたグルーブやランド等の上に、相変化膜や保護膜などを積層して構成されている。この場合、記録層L0の相変化膜は、記録層L1の相変化膜と同様の構成を備えている。また、相変化膜や保護膜は、無機材料をスパッタリングで蒸着させることによって薄膜状に形成されている。カバー層Cは、記録層L0の傷付きを防止すると共に光路の一部(レンズ)としての役割を有する層であって、有機材料としての光透過性樹脂(具体的には、光透過性を有するエネルギー線硬化樹脂(一例として紫外線硬化樹脂))で形成されている。
【0015】
また、図1に示すように、記録層L0は、その上層および下層としてのカバー層Cおよびスペーサ層SPのうちの内周径(直径)が大きい方(一例としてカバー層C)の内周縁に対して、その内周縁が全周に亘って距離E(2ミリメートル以上15ミリメートル以下)だけ外周側に位置し、かつ、その外周縁が全周に亘ってスペーサ層SPおよびカバー層Cの外周縁(基材Dの最外縁部)から距離F(約1ミリメートル)だけ内周側に位置するように形成されている。したがって、スペーサ層SPとカバー層Cとの内周側での接触面積が、多層光記録媒体31と比較して、2倍以上に増加している。この結果、この多層光記録媒体1では、スペーサ層SPとカバー層Cとの間での密着力が2倍以上に強化されている。一方、スペーサ層SPは、その外周縁側が基材Dの外側面に回り込み、またカバー層Cは、その外周縁側がスペーサ層SPの外側面に回り込んで形成されている。このため、この多層光記録媒体1では、基材Dとスペーサ層SPとの外周側での接触面積、およびスペーサ層SPとカバー層Cとの外周側での接触面積が共に増加して密着力が強化されている。
【0016】
なお、発明者は、カバー層Cの内周径をスペーサ層SPの内周径よりも大径に設定すると共に、カバー層Cの内周縁から記録層L0の内周縁までの距離Eを互いに異ならせた各光記録媒体1に対して所定の高温高湿試験を実施して、スペーサ層SPと記録層L0との間、カバー層Cと記録層L0との間、カバー層Cとスペーサ層SPとの間での剥離発生の有無をそれぞれ確認した。この場合、スペーサ層SPとカバー層Cの内周側での接触面積は、カバー層Cの内周縁から記録層L0の内周縁までの距離Eによって規定される。図10は、この実験結果を示す。この実験結果によれば、この距離Eを1.9ミリメートル以下に規定して作製した多層光記録媒体1では、スペーサ層SPと記録層L0との間、カバー層Cと記録層L0との間、カバー層Cとスペーサ層SPとの間の各内周縁側部位のいずれかの界面で剥離するのを確認した。一方、この距離Eを2.0ミリメートル以上に規定して作製した多層光記録媒体1では、この剥離が発生しないことを確認した。また、スペーサ層SPおよびカバー層Cの外周縁側部位での剥離の発生は確認できなかった。したがって、スペーサ層SPあるいはカバー層Cのうち内周径の大きい層の内周縁から記録層L0の内周縁までの距離Eを2.0ミリメートル以上に規定することにより、スペーサ層SPと記録層L0との間、カバー層Cと記録層L0との間、カバー層Cとスペーサ層SPとの間の各内周縁側からの剥離を有効に防止することができる。この結果、信頼性の高い多層光記録媒体1を製造することができる。ただし、記録層L0における記憶容量を必要量確保するためには、距離Eの最大値を約15ミリメートル以下に規定する必要がある。したがって、距離Eとして、2.0ミリメートル以上15ミリメートル以下に規定するのが好ましい。なお、この実験結果は、その外径が120ミリメートルで、かつ中央部に直径が15ミリメートルの装着用中心孔Hが形成された基材Dを使用して製造された光記録媒体1を、相対湿度が85%RHで、温度が80℃の高温高湿度環境下に50時間放置した後に、その剥離の発生を検査して得ている。
【0017】
この多層光記録媒体1では、図1の矢印Aの向きで(基材Dにおける記録層L1,L0等が積層された積層面側から)光ピックアップによって生成された記録用レーザービーム(例えば波長が405nmのレーザービーム)が記録層L1,L0に照射されることにより、この記録層L1,L0が非晶質状態と結晶状態との間で可逆的に相変化させられて記録マークの記録および消去が行われる。具体的には、記録層L1,L0に記録用レーザービームが照射された際に、その照射部分が融点以上に加熱された後に急速に冷却(急冷)されることによって非晶質化されて、2値記録データに応じて記録マークが形成される。また、記録層L1,L0は、記録用レーザービームが照射された際に、その照射部分が結晶化温度以上に加熱された後に徐々に冷却(徐冷)されることによって結晶化されて、記録マークが消去される。さらに、同図の矢印Aの向きで光ピックアップから再生用レーザービームが照射されることにより、記録層L0,L1からの記録データの読み出しが行われる。
【0018】
次に、多層光記録媒体1の製造方法について、図1〜図8を参照して説明する。
【0019】
まず、基材Dの表面に形成するグルーブやランド等の微細凹凸と反転する向きの反転微細凹凸が表面に形成された金属製スタンパーを樹脂成形用金型内にセットする。次いで、その金型内に樹脂材(例えば、PC(ポリカーボネート))を射出して成形することにより、図2に示すように、表面(同図中の上面)にグルーブやランド等の微細凹凸(図示せず)が形成(転写)された基材Dを作製する。
【0020】
次に、図3に示すように、作製した基材Dの微細凹凸形成面上に、例えばスパッタ法によって記録層L1を成膜(形成)する。
【0021】
次いで、基材Dおよび記録層L1の上に、スペーサ層SPを成膜(形成)する。具体的には、図4に示すように、基材Dの中央部に傘状の円盤状部材DSC1を載置し、その上面に塗液Rを滴下した後にスピンコートによって塗液Rを塗布する。その後、基材Dの回転を停止させて、円盤状部材DSC1を基材D上から取り外す。これにより、図5に示すように、その内周から外周に亘って目標塗布厚でほぼ均一に塗布された塗液Rの層が形成される。この場合、基材Dの装着用中心孔HとクランピングエリアCLAとを円盤状部材DSC1で覆った状態で塗液Rを塗布したことにより、スペーサ層SPはクランピングエリアCLA内に形成されることなく、記録層L1上に形成される。一例として、基材Dに当接する部位の直径が36ミリメートルの円盤状部材DSC1を使用した場合、塗布した塗液Rの層の内周径は36ミリメートルに規定される。また、スピンコートの際に、基材Dの最外縁部に達した余分な塗液Rは、その一部が基材Dに加わる遠心力によって基材Dから飛散する。一方、飛散せずに基材Dの最外縁部に留まった一部は基材Dの外周面に回り込んだ状態となる。
【0022】
続いて、基材Dの回転を停止させた後に、図6に示すように、基材Dの上にスタンパーRSを載置する。この場合、スタンパーRSは光透過性の樹脂材料を用いて作製され、その一方の面(同図中の下面)には、前述した金属製スタンパーと同じ向きの反転微細凹凸が形成されている。次いで、塗液RがスタンパーRSの下面に馴染むのを待って、基材Dに対してエネルギー線としての紫外線(UV)を照射する。この際には、スタンパーRSを透過して紫外線が照射されることにより、基材DとスタンパーRSとの間の塗液Rおよび基材Dの外周面に回り込んだ塗液Rが硬化し、これにより、スペーサ層SPの成膜が完了する。
【0023】
次に、図7に示すように、基材DからスタンパーRSを取り外す。次いで、図8に示すように、スペーサ層SPの微細凹凸形成面上に、例えばスパッタ法によって記録層L0を成膜(形成)する。この場合、記録層L0の外周縁がスペーサ層SPの成膜範囲SPRにおける外周縁(ディスクの最外縁部)から距離F(約1ミリメートル)だけ内周側に位置し、スペーサ層SP(の成膜範囲SPR)およびカバー層C(の成膜範囲CR)のうちの内周径が大きい方の内周縁から距離E(2ミリメートル以上15ミリメートル以下。本実施の形態では、一例として2ミリメートル)だけ外周側に位置するように、記録層L0を成膜する。一例として、本実施の形態では、カバー層Cの内周径(後述するように37ミリメートル)の方がスペーサ層SPの内周径(前述のように36ミリメートル)よりも大きいため、カバー層Cの内周縁を基準として記録層L0を成膜する。したがって、記録層L0は、その内周径が41ミリメートルとなるように成膜される。この後、基材D(正確にはスペーサ層SP)に当接する部位の直径が円盤状部材DSC1よりも大径(一例として37ミリメートル)の円盤状部材DSC2を使用してスピンコートを行うことにより(図9参照)、塗液R1を記録層L0およびスペーサ層SPの表面に均一の膜厚で塗布する。次いで、塗布した塗液Rに紫外線を照射して硬化させることによって、カバー層Cを形成する。この場合、円盤状部材DSC2によって、基材Dの装着用中心孔HとクランピングエリアCLAとが覆われるため、カバー層CはクランピングエリアCLA内に形成されることなく、記録層L0上に形成される。また、スピンコートの際には、スペーサ層SPの成膜時と同様にして、飛散せずにスペーサ層SPの最外縁部に留まった紫外線硬化樹脂がスペーサ層SPの外周面に回り込み、その状態で硬化する。以上の工程を経て、図1に示すように、多層光記録媒体1の製造が完了する。
【0024】
このように、この多層光記録媒体1によれば、記録層L0の内周縁を全周に亘ってスペーサ層SPおよびカバー層Cのうち内周径の大きい層の内周縁から距離E(2ミリメートル以上15ミリメートル以下)だけ外周側に位置させたことにより、従来の多層光記録媒体31と比較して、スペーサ層SPの内周部とカバー層Cの内周部との間での密着力を強化することができる結果、スペーサ層SPと記録層L0、カバー層Cと記録層L0、カバー層Cとスペーサ層SPとの間の内周縁側での剥離を有効に防止することができる。このため、高い信頼性を有する多層光記録媒体1を量産することができる。また、スペーサ層SPおよびカバー層Cをスピンコート法によって形成する際に、円盤状部材DSC1および円盤状部材DSC2をそれぞれ使用することにより、スペーサ層SPおよびカバー層Cの各内周縁をクランピングエリアCLAよりも外周側にきれいな円形状に形成することができる。このため、スペーサ層SPやカバー層Cの一部のクランピングエリアCLA内への入り込みを有効に防止することができ、クランピングエリアCLA内にはポリカーボネート等の高硬度の樹脂を用いて射出成形された基材Dのみを露出させることができる。したがって、クランピングエリアCLAの平坦性および表面硬度の双方が良好に確保されて、記録再生装置によるクランプ(チャッキング)を確実化し得る多層光記録媒体1を量産することもできる。
【0025】
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、上記した発明の実施の形態では、一例として、カバー層Cの内周径がスペーサ層SPの内周径よりも大きいため、記録層L0を、その内周縁がカバー層Cの内周縁から距離Eだけ外周側に位置するように成膜する例について説明したが、円盤状部材DSC2よりも大径の円盤状部材DSC1を使用してスペーサ層SPの内周径をカバー層Cの内周径よりも大きく形成し、記録層L0を、その内周縁がスペーサ層SPの内周縁から距離Eだけ外周側に位置するように成膜することもできる。この場合には、カバー層Cの内周部がスペーサ層SPの内周縁に回り込みつつ基材Dと直接的に接するように構成されるため、スペーサ層SPの内周部とカバー層Cの内周部との間での密着力を強化することができると共に、さらにカバー層Cの最内周部と基材Dとが密着する結果、剥離に対する強度をより一層強化することができる。
【0026】
また、多層光記録媒体1を製造する際におけるスペーサ層SPやカバー層Cの形成時に、円盤状部材DSC1や円盤状部材DSC2を使用せずに、スペーサ層SPの成膜範囲SPRやカバー層Cの成膜範囲CRの内周側に塗液Rをそれぞれ滴下するスピンコート法を採用することもできる。さらに、スペーサ層SPは、クランピングエリアCLAの内周側から作製することもできる。この場合、硬度の高い樹脂を基材D上にクランピングエリアCLAの内周側からスピンコート法によって塗布し、クランピングエリアCLAに塗布された樹脂に対向する面が平坦面に形成されたスタンパーRSを基材Dに載置して、このスタンパーRSの平坦面をクランピングエリアCLA内に位置するスペーサ層SPの表面に転写する。一方、カバー層Cは、その内周部がクランピングエリアCLA内に入り込まないように形成する。これにより、表面が平坦面に形成されて硬度の高い樹脂によって形成されるスペーサ層SPがクランピングエリアCLA内に露出して構成される。したがって、平坦性と硬度とを兼ね備えたクランピングエリアCLAを多層光記録媒体に形成することができる。なお、スペーサ層SPをクランピングエリアCLAの内周側から作製する場合、一例として、装着用中心孔H内に弾性変形可能なセンターチャッキングを進入させ、その後にセンターチャッキングを弾性変形させて装着用中心孔Hを閉塞させることによって基材Dをチャッキングし、この状態のセンターチャッキングの上に塗液Rを滴下してスピンコートすることでスペーサ層SPを形成することができる。
【0027】
また、上記した発明の実施の形態では、一例として、スピンコート法でカバー層Cを形成した多層光記録媒体を説明したが、最上層の樹脂層の上にポリカーボネート(PC)などからなるシート(中心に任意の孔径の装着用孔が形成された円板状シート)を接着して保護カバーとする構成の多層光記録媒体にも本発明を適用することができる。この場合、最上層の樹脂層(エネルギー線硬化樹脂)は接着層として機能する。この構成の多層光記録媒体であっても、基材Dからの樹脂層の剥離を有効に回避することができる。また、上記した発明の実施の形態では、一例として、書き換え型の多層光記録媒体1を製造する例について説明したが、各記録層L0,L1に無機材料を用いた追記型の多層光記録媒体に適用することもできる。特に、基材D側からではなくカバー層C側から記録用または再生用のレーザービームを照射する多層記録媒体に対して有効である。さらに、基材Dは円板状に限らず、長方形等の多角形や楕円等の各種形状に形成することができる。また、本発明の実施の形態では、2層の記録層L1,L0を有する多層光記録媒体1を例に挙げて説明したが、3層以上の記録層を有する多層光記録媒体にも、本発明を有効に適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る多層光記録媒体によれば、基材に最も隣接する記録層を除く他の記録層を、この他の記録層の上層および下層としての各樹脂層のうちの内周径が大きい方の樹脂層の内周縁に対して、その内周縁が2ミリメートル以上15ミリメートル以下の範囲内で外周側に位置するように形成したことにより、この他の記録層の上層および下層としての各樹脂層間での密着力を強化することができる結果、従来の多層光記録媒体において発生し易かった他の記録層とその下層としての樹脂層との間、他の記録層とその上層としての樹脂層との間、および各樹脂層間の各内周縁側部位での剥離を有効に防止することができる。このため、高い信頼性を有する多層光記録媒体を量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層光記録媒体1の構成を示す側面断面図である。
【図2】その表面に微細凹凸が形成された基材Dの側面断面図である。
【図3】その表面に記録層L1が形成された基材Dの側面断面図である。
【図4】円盤状部材DSC1の表面に塗液Rを滴下した状態の基材Dの側面断面図である。
【図5】スピンコート法によって表面に塗液Rを均一の膜厚で塗布した状態の基材Dの側面断面図である。
【図6】塗液Rによる膜が形成された基材D上にスタンパーRSを載置して、紫外線を照射して硬化させる際の基材DおよびスタンパーRSの側面断面図である。
【図7】スタンパーRSを取り外してスペーサ層SPを形成した状態の基材Dの側面断面図である。
【図8】スペーサ層SPの表面に記録層L0が形成された状態の基材Dの側面断面図である。
【図9】円盤状部材DSC2の表面に塗液R1を滴下した状態の基材Dの側面断面図である。
【図10】距離Eを変化させて光記録媒体1におけるスペーサ層SPやカバー層Cについての剥離の有無を示す実験結果図である。
【図11】多層光記録媒体31の構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 多層光記録媒体
C カバー層
D 基材
H 装着用中心孔
L0,L1 記録層
R 塗液
SP スペーサ層
Claims (2)
- 無機材料によって形成された記録層と、エネルギー線硬化樹脂によって形成され前記記録層の上層としての樹脂層とを少なくとも含む組を、中心部に装着用中心孔が形成された基材上に複数積層して構成された多層光記録媒体であって、
前記基材に最も隣接する前記記録層を除く他の前記記録層は、当該他の記録層の上層および下層としての前記各樹脂層のうちの内周径が大きい方の樹脂層の内周縁に対して、その内周縁が2ミリメートル以上15ミリメートル以下の範囲内で外周側に位置するように形成されている多層光記録媒体。 - 記録用または再生用のレーザービームを前記基材における前記組が積層された積層面側から照射することによって記録または再生が可能に構成された請求項1記載の多層光記録媒体。
Priority Applications (4)
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