JP2006351057A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光記録媒体において、高トラック密度と優れた量産性とを両立する。
【解決手段】光記録媒体1は、支持基板7と、支持基板7よりも薄く、光ビームBが入射する側に設けられた保護層2と、支持基板7と保護層2との間に挟まれた記録層4,6とを有している。記録層4,6は、情報が記録される記録トラックのトラック間ギャップとなる凹部41,61と、凹部41,61より厚く、保護層2に向かって凸となるように形成されている、記録トラックとなる凸部42,62とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は光記録媒体に関し、特に、光ビームが保護層側から入射するようにされた多層光記録媒体に関する。
近年光記録媒体は、コンピュータをはじめ、オーディオビジュアルなどの分野で各種情報を記録する記録媒体として応用されつつある。更に、モバイルコンピュータの普及や、情報の多様化が進み、小型大容量の光記録媒体が要求されている。
これらの情報の記録もしくは再生を光によって行う光記録媒体としては、従来から、単板構成や貼り合せ構成の光記録媒体が知られている。前者は、基板上にトラッキングサーボ信号等を得るためのピットや案内溝等の微細凹凸パターンが形成され、その上に記録層および必要に応じて反射層が形成され、更に有機保護層が形成された光記録媒体である。後者は、2枚の基板を記録層または反射層を対向させて貼り合せた構成の光記録媒体である。
近年では、更なる高記録密度化の要求に伴い、一方の基板面に複数の記録層が形成された光記録媒体が提案されている(特許文献1参照)。この記録媒体は、単板構成や貼り合わせ構成の記録媒体が一方の基板面に記録層を1つしか持たないのに対し、一方の基板面に複数の記録層を有している。信号パターンが形成された支持基板上に記録層が形成され、更に、記録層上に、信号パターンが形成された微細凹凸パターン形成層を介して、別の記録層が形成されている。必要に応じて、信号パターン形成層と記録層とが更に繰り返し形成され、最後の記録層上に有機保護層が形成されている。情報の記録・再生および消去を行うための光の入射面は、支持基板側でもよく、記録層上の有機保護層側でもよい。しかし、有機保護層の方が光透過基板の厚さを薄くすることが容易なため、有機保護層側から光を入射させる方がピックアップの対物レンズの開口数(NA)を高めることができ、高記録密度化を図るうえで有利である。
図7を用いて、多層記録媒体の第1の従来技術について説明する。本技術は、DVD(Digital Versatile Disc)の構造としてよく知られているものである。記録層を支持する支持基板107には、トラッキングサーボ信号等を得るための案内溝等の微細凹凸パターンが形成されている。支持基板107の微細凹凸パターン上には、第1の記録層104が塗布されている。第1の記録層104を有機材料で形成すれば、光記録媒体101は、追記型の光記録媒体となる。追記型の光記録媒体は、安価に製造できるため広く普及している。
有機材料を塗布する一般的な工程について、図8を用いて説明する。支持基板107をスピンコータ回転部23にセットし、有機材料24を有機材料供給ノズル25から支持基板107上に滴下する。その後、スピンコータ回転部23を所定の回転数で回転させ、有機材料24が所望の膜厚となるように塗布する。
再び図7に戻る。このような製造法による光記録媒体では、有機材料が、支持基板107上の案内溝間のランド172よりもグルーブ(案内溝)171に厚く形成されるため、グルーブ171に形成された有機材料を記録トラックとするのが好都合である。実際に追記型DVDでは、グルーブ171に形成される第1の記録層104に、光ビームBによって記録再生が行われている。必要に応じて、第1の記録層104上に半透明膜(図示せず)を形成してもよい。
多層構成光記録媒体を製造する方法としては、以下に述べる方法がある。まず、第1の記録層104上に紫外線硬化性樹脂を塗布する。次に、紫外線硬化性樹脂に透明スタンパ(図示せず)を重ね合わせる。次に、透明スタンパを介して紫外線を照射することにより紫外線硬化性樹脂を硬化させる。これによって、透明スタンパ上に形成された案内溝等の微細凹凸パターンが紫外線硬化性樹脂に転写され、信号パターン形成層173が形成される。その後、透明スタンパは、信号パターン形成層173から剥離される。
この信号パターン形成層173の形成方法は、従来のフォトポリマー(Photo Polymer)法(以下、2P法という。)を応用したものである。従来の2P法では、金属製スタンパ上に紫外線硬化性樹脂および透明支持基板を重ね合わせ、透明支持基板側から紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させていた。一方、多層構成光記録媒体では、支持基板107上に反射層または記録層が形成されているため、支持基板107側から紫外線を照射しても紫外線エネルギーの減衰が生じ、紫外線硬化性樹脂を充分に硬化させることができない。このため、透明なスタンパを用いて、透明スタンパ側から紫外線を照射する方法が用いられている。
その後、図8で説明した工程を繰り返し、信号パターン形成層173上に有機材料を塗布し、第2の記録層106を形成する。この場合も、第1の記録層104と同様に、有機材料は、信号パターン形成層173上のグルーブに、グルーブ間のランドよりも厚く充填される。第2の記録層106の上には反射層112を設けることもある。これによって、光入射面から遠い方に位置する第2の記録層106からの反射光量を増加させることができる。さらに、その上に接着剤113を、図8と同様の方法によって塗布し、接着剤113を介して、第2の記録層106上に保護層102を形成する。接着剤113には、例えば紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
多層記録媒体には、さらに別の構成が知られている。図9は、多層記録媒体の第2の従来技術を示す断面図である。第2の従来技術では、第1の従来技術が支持基板107側から光ビームを入射したのに対し、保護層202側から光ビームを入射する構成となっている。保護層202側から光ビーム入射を行う方が、光透過基板の厚さを薄くすることが容易なため、ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を高めることができ、高記録密度化を図る上で有利なためである。保護層202は、用いられる対物レンズのNAに応じて薄くする必要があり、NA=0.85の場合、光記録媒体のチルトで生ずるコマ収差の影響を軽減するため、少なくとも0.3mm以下である必要がある。第2の従来技術の一例では、0.05mmの有機保護層が、2層の記録層204,206を覆うように、1.1mmの支持基板207上に設けられている。
そのため、記録層の形成は第1の従来技術の光記録媒体と逆順に行われるのが一般的である(図9の白抜き矢印の向き)。まず、支持基板207に、トラッキングサーボ信号等を得るための案内溝等の微細凹凸パターンが形成され、反射層212がスパッタ等によって成膜される。微細凹凸パターン上には第2の記録層206が塗布される。第2の記録層206は例えば有機材料で形成され、その場合記録媒体201は、追記型の光記録媒体となる。有機材料を塗布する工程は、図8で説明したのと同様、スピンコート法が用いられる。有機材料は、支持基板207上のグルーブ(案内溝)271に、グルーブ271間のランド272よりも厚く充填される。
続いて、第2の記録層206の上に第1の記録層204を形成する。この工程は、図7で説明したのと同様、透明スタンパを用いた方法による。すなわち、紫外線硬化性樹脂を塗布後に透明スタンパを押圧し、透明スタンパ側から紫外線を照射することにより、透明スタンパ上に形成された案内溝等の微細凹凸パターンを樹脂層に転写し、信号パターン形成層273を形成する。その後、透明スタンパは信号パターン形成層273から剥離される。引き続き、第1の記録層204を形成するため、図8で説明した工程を繰り返し、信号パターン形成層273上に有機材料が塗布される。この場合も、第2の記録層206と同様に、有機材料は、信号パターン形成層273上のグルーブに、グルーブ間のランドよりも厚く充填される。また、必要に応じて、第1の記録層204と信号パターン形成層273との間に半透明膜(図示せず)を形成してもよい。さらに、その上に接着剤213が塗布され、最後に保護層202が積み重ねられ接着される。接着剤213には、例えば紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
特開2003−77191号公報
第1、第2の従来技術の光記録媒体について、記録パワーマージンを見積もったシミュレーション結果を図10に示す。同図(A)は、第1の従来技術の一例を示し、記録トラックが光ビームBに対して凸である場合の記録トラック上の温度分布である。同図(B)は、第2の従来技術の一例を示し、記録トラックが光ビームBに対して凹である場合の記録トラック上の温度分布である。横軸は、トラックと直交する方向の距離で縦軸は温度である。シミュレーションは、記録波長=405nm、対物レンズのNA=0.85、トラックピッチ=0.32μmとして行った。これは第2の従来技術における代表的な仕様であるが、DVDの仕様(記録波長=660nm、対物レンズのNA=0.6、トラックピッチ=0.74μm)とは波長、NA、およびトラックピッチ換算でほとんど同等である。したがって、記録トラック上の温度分布の状態、ひいては記録パワーマージンを見積もるためには、このシミュレーション結果だけで十分傾向を窺い知ることができる。
第1の従来技術の例では、光ビームBは光ビームに対して凸となる部分に入射するので、図10(A)に示すように、温度が大きく上昇する範囲は記録トラックの凸部71に限定される。凹部72への熱の拡散が抑えられるため、隣接トラックの昇温はわずかである。一方、第2の従来技術の例では、グルーブ内の相対的に厚い有機材料層に記録再生を行おうとすると、光ビームBは光ビームに対して凹となる部分73に入射しなければならない。しかしこの場合、図10(B)に示すように、温度分布のサイドピークが光ビームに対して凸となる部分74に現れ、隣接した記録トラックに熱が拡散しやすくなる。このため、記録時に隣接トラックをクロスライトしてしまう可能性が高まり、記録パワーマージンは狭まる。
以上述べたことをまとめると、以下のようになる。光記録媒体において、ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を高めて高記録密度化を図ろうとすると、光透過基板の厚さを薄くし易い保護層側から光ビーム入射を行う方式が望ましい。すなわち、第2の従来技術のほうが有利である。ところが、記録トラックを、有機材料層が相対的に厚く分布する部位に設定する場合、スピンコート法等によって有機材料を塗布して記録層を形成する記録媒体では、この部分は保護層の方向とは反対側の方向に突き出す形状、すなわち光ビームに対して凹となる部位となってしまう。これは、支持基板から積層していく積層順序のためである。この結果、記録パワーマージンが狭まり、トラック密度を高めることが難しくなってしまう。
これを回避するために、光ビームを、光ビームに対して凸となる部分に入射させて記録再生を行うことも考えられる。しかし、この場合、有機材料層が相対的に薄く分布する部分を記録トラックとして使用することになり、記録層の膜厚を著しく増加する必要が生じ、生産効率や生産コスト上不利である。
また、他の方策として、図9に示す記録媒体を保護層202側から、図7に示すDVDと同じ順番で積層していく方法も考えられる。すなわち、この方法では、案内溝等の微細パターンを0.1mm厚程度の基板(保護層202)上にあらかじめ形成し、記録層を塗布する。さらにその上に案内溝等の微細パターンを形成した樹脂層を積層し、次の記録層を塗布し、最後に支持基板を、接着剤によって貼り合わせる。しかし、この方法には2つの大きな問題がある。第一に、0.1mm厚程度の基板上に、DVDと同様に射出成形等の安価な方法で、案内溝等の微細パターンを形成するのは極めて困難である。第二に、樹脂層などを用いて0.1mm厚程度の基板上に案内溝を設けたとしても、その後の記録層の塗布工程で、取り扱い上の多大な煩雑さを免れることはできない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、保護層側から光ビームを入射させる構成を有し、スピンコート法などで有機材料を塗布して記録層を形成する光記録媒体において、高トラック密度と優れた量産性とを両立することを目的とする。
本発明の光記録媒体は、支持基板と、支持基板よりも薄く、光ビームが入射する側に設けられた保護層と、支持基板と保護層との間に挟まれた記録層とを有している。記録層は、情報が記録される記録トラックのトラック間ギャップとなる凹部と、凹部より厚く、保護層に向かって凸となるように形成されている、記録トラックとなる凸部とを有している。
また、本発明の光記録媒体の製造方法は、シート状基材に凹凸パターンを形成する工程と、シート状基材の凹凸パターン上に、凹部を埋めるように記録層を形成する記録層形成工程と、凹凸パターンと記録層とが形成されたシート状基材と、支持基板とを位置合わせし、互いに重ね合わせて接合する接合工程とを有している。
このような光記録媒体においては、光ビームは光透過基板の厚さを薄くし易い保護層側から入射するため、ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を高めて高記録密度化を図る上で有利である。また、記録トラックとして記録層の凸部が用いられるので、記録層の層厚の大きな部位を有効に利用でき、記録層の塗布量を抑制することができる。さらに、凸部は、保護層に向かって凸となるように形成されているので、光ビームの熱的影響が隣接する凹部やそれに隣接する凸部に及びにくくなり、クロスライトなどの問題が生じにくくなる。また、本発明の光記録媒体の製造方法は、このような光記録媒体の効率的な製造を可能とする。この結果、本発明によれば、高トラック密度と優れた量産性とを両立する光記録媒体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である光記録媒体の層構成を示す断面図である。本発明の光記録媒体は記録層が1層または3層以上の記録媒体にも適用でき、同様な構成をとることができるが、ここでは、2層構成について説明する。
光記録媒体1は、支持基板7と、支持基板7よりも薄く、光ビームBが入射する側に設けられた保護層2とを備えている。支持基板7と保護層2との間には、保護層2から支持基板7に向かって、第1のシート3と第2のシート5とが形成されている。第1のシート3は、第1のシート状基材33とその面上に形成された第1の記録層4とを有している。第2のシート5は、第2のシート状基材53とその面上に形成された第2の記録層6とを有している。光ビームBが保護層2側から入射する構成としているのは、前述したように、光透過基板の厚さを薄くすることが容易であり、ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を高めることができ、高記録密度化を図るうえで有利なためである。保護層2は、用いられる対物レンズの開口数NAに応じて薄くする必要があり、NA=0.85の場合、光ディスクのチルトで生ずるコマ収差の影響を軽減するため、0mmより大きく、少なくとも0.3mm以下である必要がある。本実施形態においては、保護層2の厚さは0.05mm、支持基板7の厚さは1.1mmである。
保護層2の上には、第1のシート3が設けられている。第1のシート状基材33には、トラッキングサーボ信号等を得るためのグルーブ(案内溝)31と、グルーブ31間のランド32とからなる微細凹凸パターンが形成されている。第1のシート状基材33の面上には、有機材料からなる第1の記録層4が、第1のシート状基材33のグルーブ31を埋め、更に全体に広がるように形成されている。有機材料は、第1のシート状基材33上のグルーブ31上に、ランド32よりも厚く充填される。この結果、第1の記録層4には、ランド32に対応する凹部41と、グルーブ31に対応し、凹部41より厚い凸部42とが形成されている。凸部42は情報が記録される記録トラックとなり、入射する光ビームBに対して、すなわち保護層2に向かって凸となるように形成されている。凹部41は、記録トラックのトラック間ギャップとなる。
第1の記録層4の上には、接着剤11が塗布され、第2のシート状基材53が設けられている。必要に応じて、第1の記録層4と第2のシート状基材53との間に半透明膜(図示せず)を形成してもよい。第2のシート状基材53には、第1のシート3と同様に、グルーブ51と、グルーブ51間のランド52とからなる微細凹凸パターンが形成されている。第2のシート状基材53の面上には、第1の記録層4と同様に有機材料からなる第2の記録層6が、第2のシート状基材53のグルーブ51を埋め、更に全体に広がるように形成されている。第2の記録層6には、第1の記録層4と同様に、凹部61と、凹部61より厚い凸部62とが形成されている。凸部62は記録トラックとなり、入射する光ビームBに対して、すなわち保護層2に向かって凸となっている。凹部61は、記録トラックのトラック間ギャップとなる。
第2の記録層6の上には、スパッタ等によって反射層12が形成されている。その上に、第1のシート3と第2のシート5とを支持する支持基板7が、接着剤13を介して積層されている。支持基板7は平坦であり、トラッキングサーボ信号等を得るための案内溝等の微細凹凸パターンは形成されていない。
このような構成の光記録媒体によれば、光ビームBは光ビームBに対して凸である記録トラックに入射するので、温度分布は図10(A)に示したような分布となる。温度が大きく上昇する範囲は凸部42,62に限定され、隣接トラックの昇温はわずかであり、記録パワーマージンを広げる効果が生じる。記録再生は、相対的に厚い凸部42,62に対して行われるため、有機材料を必要以上に厚く塗布する必要もなく、生産コストや生産効率上も有利である。
次に、以上説明した光記録媒体の製造方法について説明する。図2は、光記録媒体の製造方法を示す概略ステップ図である。
まず、ステップ1に示すように、ランドやグルーブ等の微細な凹凸パターンが形成されたスタンパ14から、微細凹凸パターンを基材に転写して、第1のシート状基材33を形成する。次に、ステップ2に示すように、微細凹凸パターンが転写された第1のシート状基材33に、凹凸パターンの凹部を埋め、さらに全体に広がるように、有機材料43をスピンコート法によって塗布して、第1の記録層4を形成する。有機材料43の上には、必要に応じて半透明膜(図示せず)を設けてもよい。次に、ステップ3に示すように、第1の記録層4上に接着剤11を塗布し、第1の記録層4が形成された第1のシート3が完成する。
次に、ステップ4に示すように、ランドやグルーブ等の微細な凹凸パターンが形成されたスタンパ15から、微細凹凸パターンを基材に転写して、第2のシート状基材53を形成する。次に、ステップ5に示すように、微細凹凸パターンが転写された第2のシート状基材53に、有機材料63をスピンコート法によって塗布して、第2の記録層6を作製する。次に、ステップ6に示すように、第2の記録層6上に反射層12をスパッタ法等で成膜する。次に、ステップ7に示すように、反射層12上に接着剤13を塗布し、第2の記録層6が形成された第2のシート5が完成する。
ここで、第1のシート3を作成するステップ1〜3と、第2のシート5を作成するステップ4〜7とは独立した工程であるので、どちらを先におこなってもよく、同時におこなってもよい。
次に、ステップ8に示すように、微細凹凸パターンが転写され、第1、第2の記録層4,6が各々形成された2枚のシート3,5を、支持基板7と位置合わせして、互いに重ね合わせて接合する。シート状基材33,53上に形成された記録層4、6は、図9に示す第2の従来技術の場合と異なり、支持基板7に近い方の面となるように(支持基板7に面する向きで)位置合わせされ、重ね合わされる。さらに、支持基板7から最も離れたシート状基材(この場合はシート状基材33)に接して保護層2を形成する。保護層2は、必要に応じて接着剤を塗布して接合してもよいし、接着剤付のシートを使用してもよい。保護層2はまた、樹脂等を支持基板よりも薄い厚さで塗布することによって形成してもよい。
次に、ステップ9に示すように、接着剤を硬化させるとともに、重ね合わされたシート3,5を所定の形状に加工し、光記録媒体1が完成する。なお、保護層2を塗布によって形成する場合には、当該工程を本ステップでおこなってもよい。
次に、以上説明した光記録媒体の製造方法について、図3から図6を参照してさらに詳しく説明する。
まず、図2のステップ1または4において、スタンパから案内溝等を転写して、シート状基材を形成する工程について説明する(ステップ1を例に説明するがステップ4についても同様である。)。図3は、シート状基材の製造工程を示す模式図である。
まず、シート状に加工された基材34を準備する。基材34に案内溝等を形成するには以下のように種々の方法を用いることができる。まず、基材34が熱可塑性樹脂からなる場合、スタンパ14上に基材34を重ね合わせて、加圧、加熱またはその両者を行う方法をとることができる。その後、必要に応じて冷却を行い、スタンパ14を剥離すれば、基材34に案内溝等が直接形成される。また、基材34またはスタンパ14に、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、またはドライフォトポリマーの膜(図示せず)を形成し、スタンパ14または基材34を重ね合わせて、紫外線などのエネルギー線や加熱により樹脂層を硬化させてもよい。その後、スタンパ14を剥離すれば、基材34上に信号パターン形成層が形成される。さらに、スタンパ14上に、未硬化もしくは半硬化状態の液状またはシート状の樹脂を塗布し、または重ね合わせ、紫外線や加熱などにより樹脂を硬化させて、案内溝等を有する第1のシート状基材33を形成してもよい。樹脂としては、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、またはドライフォトポリマーを用いることができる。樹脂の少なくとも一方に後工程で剥離可能な保護シートを形成してもよい。保護シートを形成することで、スタンパ上で樹脂と保護シートを介して加圧することが可能になり、均一な膜厚の第1のシート状基材33を得られやすく、また、基材34の搬送や取り扱いも容易となる。本発明では、基材34に所定の案内溝等を形成できればよく、案内溝等形成方法は以上説明した方法に限定されない。
また、各工程で必要に応じて、基材34の両面または一方に剥離可能な保護シートを形成し、任意の工程で保護シートを剥離するようにしてもよい。これによって、基材34が保護されると共に、基材34の搬送や位置出し工程などでの取り扱い上の問題を解消しやすくなる。保護シートの厚さは任意に設定することができる。保護シートの剥離時には、静電気が発生しやすく、ゴミ付着による欠陥が発生しやすいため、保護シートに帯電防止加工を行ったり、除電環境で作業を行うことが望ましい。
各層間距離が短い場合は、基材34を薄くする必要があるため、基材34上に樹脂層を形成しない方が望ましい。
基材34、および案内溝等を形成する樹脂層の材料は、記録・再生・消去を行う上で光学的に支障のない材料であれば、特に限定されない。しかし、用いられる光の波長はCDで785nm、DVDで660nmと短波長化されており、本発明では405nmの波長が用いられることもあるため、これらの波長域での吸収や反射が少なく、かつ複屈折が少ない材料が望ましい。具体的には、信号パターン形成層を形成するベースのシート状基材および熱可塑性シート基材としては、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはアクリル樹脂が適しているが、これらに限定されない。紫外線硬化型樹脂、熱硬化樹脂、およびドライフォトポリマーの材料としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、または各種変性系材料を用いることができる。ただし、上記波長域での吸収の少ない材料が望ましく、特に光重合開始剤の吸収域が記録・再生・消去に用いる光の波長域と異なる材料を用いるのがよい。
基材34は任意の膜厚でよく、1μm〜300μm程度の膜厚が好ましいが、構成される記録層の層数や球面収差補正機構のダイナミックレンジなどにより最適な膜厚を選択することができる。また、積層されるシート状基材および接着剤の厚さは、各層で異なる厚さにすることができ、シートの厚さを最適化することで任意の層間距離を高精度で形成することができる。
基材34は、生産性の観点からはロール状に巻き上げられたものを用いることが好ましい。しかし、必ずしもロール状に巻き上げられている必要はなく、1枚ごとに必要サイズに切り分けられたシート形状であってもよい。その際の形状は任意であり、四角形状でも丸形状でもよく、中心孔の開口はあってもなくてもよく、特に限定されない。ただし、位置調整や搬送を行う上でシートを適切に保持できる領域が確保された形状にすることが望ましい。
以下、基材34として熱可塑性樹脂を用いた例で説明する。基材34は搬送ローラ16等の搬送手段によって、成形装置17へと搬送される。図3においてはローラを搬送手段としているが、要求される搬送の精度を満足していれば、ベルトコンベア方式や産業用ロボットによる搬送等でもよく、特に限定されない。搬送された基材34は、成形装置17の金型18に取り付けられたスタンパ14によって案内溝等が転写される。続いて、案内溝を転写された基材34は打ち抜き装置19に搬送され、外形を加工する金型20によって円形に打ち抜かれる。以上の工程により、案内溝を転写された第1のシート状基材33が完成する。
成形装置17は、加熱や加圧あるいはその両方によってスタンパ形状を転写するプレス型を用いることができる。必要に応じて、転写工程後に冷却を行い、スタンパからシート基材を剥離することができる。温度や圧力および移動距離、更に冷却時間などの成形条件は、案内溝等や転写材料やシート厚さなどに応じて最適な製造条件を選択すればよく、特に限定されない。
次に図4を参照して、第1、第2のシート状基材に記録層を塗布する工程について説明する。これは、ステップ2または5に相当する(ステップ2を例に説明するがステップ5についても同様である。)。図4は、スピンコート法による記録層の塗布方法を示す概略図である。案内溝等を転写された第1のシート状基材33は、続いて記録層コート装置27へ搬送される。記録層コート装置27において、第1の記録層4となる有機材料43が、案内溝形成面にスピンコートされる。有機材料43には、シアニン系やフタロシアニン系やアゾ系などの有機色素系の材料を用いることができる。第1の記録層4の膜厚は任意に設定できるが、光入射面側から各記録層および反射層で光の減衰が生じるため、用いる光の波長における透過率を入射面側に近い層程高めることが望ましい。すなわち、第1の記録層4の透過率を第2の記録層6の透過率よりも高めることが望ましい。また、これと同時に、各記録層および反射層の組成や膜厚を調整して各層の記録・再生・消去に支障のない構成にすることが好ましい。各シート状基材および支持基板毎に、組成や膜厚および成膜条件などを最適化することで、任意の透過率と反射率の記録層を形成することができる。本発明では必要とされる光記録媒体に適した記録層材料が用いられる限り、これらの組成や膜厚および成膜条件は特に限定されない。
第1のシート状基材33は、シート固定治具21に取り付けられ、吸着固定などによって、スピンコーター回転部23に取り付けられる。有機材料43を第1のシート状基材33の有効部22に、有機材料供給ノズル25から滴下する。第1のシート状基材33の有効部22外には、必要に応じて余剰な有機材料43がトラップできる有機材料溜り26が設けられている。有機材料溜り26は、シート固定治具21の形状を工夫することにより容易に形成できる。
光入射面から遠い記録層を備えた第2のシート5には、反射層12を成膜してもよい。これは、図2のステップ6に相当する。反射膜材料としてはAl、Al合金、Si、SiN、Ag、またはAg合金などが用いられる。
続いて、信号パターン上に記録層が形成された各シートを重ね合わせる工程について説明する。図5は、シートの重ね合わせ工程を示す概略図である。
作製する記録層数に応じた記録層が形成され、シート固定治具21に取り付けられた各シート3,5は、接着剤11を介して重ね合わされる。接着剤の塗布方法は、図4に示したようなスピンコータを用いてもよいし、シートの有効部22上に滴下し重ね合わせてもよい。各層のシートを重ね合わせる際、積層するシート間に空気を残留させない必要がある。また、接着剤を塗布するのはシートの両面でもよいし、片面だけでもよい。保護シートに挟まれたシート状の接着層を用いてもよく、予め転写層の反対の面に粘着剤や接着剤が塗布されたシート状基材を用いて、接着剤の塗布工程を省略してもよい。接着剤としては、カチオン系接着剤、熱硬化性接着剤、2液性接着剤、UV接着剤、ホットメルト、感圧性接着剤等が挙げられるが、光透過率や反射率等の光記録媒体として必要な仕様を満たすのであれば、特に限定されない。第2のシート5と支持基板7との重ね合わせも以上の説明と同様である。各シートおよび支持基板を積層する場合、接着剤を介して各層を仮止めしてもよいし、接着剤を介さずに真空吸着や静電気力によって仮止めしてもよい。
図6は、光記録媒体形状への加工工程を示す概略図である。まず、多層シートの積層体を、形状加工装置27によって一括して光記録媒体形状1の形状に形成する。その後、各層の仮止めに接着剤を用いた場合は、接着剤を硬化させる。接着剤の硬化工程は、形状加工工程の前に行うこともできる。各シートを重ね合わせる工程では、空気や異物の混入を防止するために、各シートを真空中で重ね合わせることが望ましい。また、真空中あるいは大気中で多層シートの積層体を上下から平坦な板で挟み、水平に加圧することで層間の距離を均一化させて接着層を硬化させることも望ましい。更に、真空中あるいは大気中で多層シートを上下から水平に加圧した状態で形状加工を行えば、より確実で好ましい。形状加工は、打ち抜きプレス機による形状加工の他、レーザ加工や機械的な切削での切り出しによる形状加工など他の方法を用いても可能であり、特に限定されない。
シート状基材の重ね合わせおよび形状加工では、記録層あるいは反射層を有する支持基板を挿入してもよいし、記録層あるいは反射層を有さない支持基板を挿入してもよい。支持基板としては、主にポリカーボネイト樹脂やポリオレフィン樹脂や、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられるが、特に限定されない。支持基板は、予めシート基材に重ね合わせて挿入してもよく、シートの積層体を光記録媒体形状に形成した後に重ね合わせてもよい。
光記録媒体の形状に加工された記録媒体は、図示しないアーム等のハンドリング手段によって形状加工装置27から取り出される。形状加工装置27による形状加工工程は、夫々の記録層の中心位置合わせ(以下、芯出し)工程を併せ持っている必要がある。シートの進行方向と直交する方向およびシートの進行方向の位置合わせは、ガイド部28に内蔵された位置合わせ用駆動装置によって、シート固定治具21を介して、精密に行われる。本実施形態においては、ある程度の密着性を持たせる積層化と大まかな位置調整機構をガイド部に設けることで行っているが、特に限定されない。
芯出しのための位置情報は、各シートの情報記録部外にアライメントマーク(図示せず)を設け、打ち抜き部の脇に設けたセンサー29で検出することによって得ることができる。アライメントマークは、スタンパ14上の有効領域外に設けられており、成形装置17によってシート状基材上に信号パターン形状を転写する際に同時に転写することができる。ただし、成膜によってマークが検出できない状態となってはならないため、成膜を行うエリアは有効領域より大きく、かつ光記録媒体形状の外径よりも小さく形成されており、更にその外側にアライメントマークが形成されていることが好ましい。アライメントマークは、読み取り方式によって、成膜により反射率が向上されて精度が高くなる場合もあり、任意な領域に設けることができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を、第1〜6図を参照しながら説明する。まず、基材34に微細な凹凸パターンを転写するため、ニッケル(Ni)製のスタンパ14を用意した。スタンパ14は、従来から広く用いられている方法で容易に作成できる。本発明の光記録媒体の製造方法では、多数回繰り返し使用することが可能なNi製のスタンパ14を使用することができ、成形毎に使い捨てする樹脂製の透明スタンパを使用する必要はない。
次に、片面に凹凸形状を転写できるポリカーボネイト樹脂のシート状の基材34を準備した。基材34の厚さは25μmとし、基材34には、保持・固定しやすいよう厚み100μmの保護シートを片面に形成して厚みを持たせた。基材34は、ロール上に巻いて供給した。
基材34を、ガイド機構を兼ね備えた搬送用ローラ16によって、プレス型の成形装置17へ搬送し、搬送された基材34をスタンパ14が取り付けられた金型18で加熱・加圧して、微細凹凸パターン形状を転写した。このとき、後の積層工程で使用するアライメントマーク(図示せず)を、最終的に形成される基板外径よりも外側へ3箇所転写した。
次いで、金型を冷却して基材34の温度をガラス転移点および熱変形温度よりも下げた後、金型を開いて、基材34とスタンパ14を剥離した。ポリカーボネイト樹脂のガラス転移点は140℃、熱変形温度は約120℃であり、金型を開いた時の基材の温度は約30〜40℃であった。
次に、微細凹凸パターン形状が転写された基材34を打ち抜き装置19へ搬送した。基材34を、打ち抜き装置19に取り付けられた外形を加工する金型20によって円形に打ち抜いた。この際、基材34は、後でシート固定治具に取り付けられる分だけ有効径外の寸法に余裕を持たせて、φ140mmに加工した。これより、案内溝が転写された第1のシート状基材33が完成した。同様にして、第2のシート状基材53も製作した。
次に、第1のシート状基材33をシート固定治具21に取り付け、スピンコート装置において、第1のシート状基材33の微細凹凸パターン上に、膜厚25nmの有機材料を塗布して、第1の記録層4を形成した。また、第2のシート状基材53を同様にシート固定治具21に取り付け、スピンコート装置において、第2のシート状基材53の微細凹凸パターン上に膜厚25nmの有機材料を塗布して、第2の記録層6を形成した。その後、成膜装置によりAg合金の反射層12を成膜した。なお、最終的に形成された多層構成光記録媒体において、第1のシート状基材33上の第1の記録層4の反射率は、第2のシート状基材53上の第2の記録層6の反射率より小さかった。反射率は、塗布条件を異ならせて膜厚を変えるのではなく、反射層12の追加で最適化した。
次いで、第1のシート3、第2のシート5に貼り合わせ用の接着剤11,13を塗布した。接着剤11,13にはカチオン系接着剤を用い、シートの凹凸パターンのある側の面に塗布した。接着剤11,13をシート上に適量滴下後、図5に示すようにシートをシート固定治具21ごと重ね合せて押圧し、その圧力によって膜厚を制御した。膜厚は3μmであった。
次に、2枚のシート3,5を、シート固定治具21ごと形状加工装置27に装着し、ガイド部28によってシート固定治具21を保持しながら、シート同士がある程度密着した状態で積層した。その後、厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmのポリカーボネイト製の支持基板7を、形状加工装置27に装着されたシートの最下部に挿入した。この際、ガイド部28には積層するシート間に空気や異物を残留させないよう、形状加工装置27の内部を真空状態にした。支持基板7は、ディスク形状に限らず、シート状であってもよい。
形状加工装置27による打ち抜き工程においては、芯出しの際に、打ち抜き部の脇に設けたセンサ29によってアライメントマーク(図示せず)を検出した。本実施例では3点のアライメントマークによって、パターンの中心位置を合わせた。シートの位置合わせについては、ガイド部28に内蔵された位置合わせ用駆動装置によって、精密な位置合わせを行った。
積層後、第1、第2のシート3,5を、形状加工装置27によって、内外径を支持基板7と同じ大きさに一括して打ち抜き、光記録媒体の形状に形成し、その後接着剤を硬化させた。その後、図示しないアーム等のハンドリング手段によって形状加工装置27から取り出した。
得られた2層構成光記録媒体を取り出した後、紫外線硬化型樹脂(日本化薬製:INC−118)を、積層面上に通常のスピンコート法で塗布した。その後UV硬化装置によって全面硬化した。この結果、膜厚50μmの全面均一な保護層2が形成され、2層構成の光記録媒体1が完成した。
保護層2として樹脂を塗布する替わりに、各シートを重ね合わせる時に、信号パターンを有しないシート状基材を接着剤によって第1のシート上に重ね合わせ、各シートと共に一括してディスク状に加工することもできる。また、第1の記録層4が形成される第1のシート状基材の厚さを75μmにして、第1のシート状基材と保護コート層を一括して製作することも可能である。その場合、スピンコートなどによる保護層形成工程が不要になり、保護層2となる基材を積層するだけでよいので、生産性を向上することができる。
完成した2層構成の光記録媒体に、保護層2側から光ビームを入射させ、情報の記録再生を行った。各層において支障なく記録再生ができ、記録パワーマージンは±30%以上を確保することができた。また、5℃の低温、45℃の高温環境下でも支障なく記録再生ができた。一方、同様な有機材料を用いて、従来技術の2層構成で製作した光記録媒体では、記録パワーマージンは±10%しか確保することができず、45℃の高温環境下では記録再生に失敗した。
以上説明してきたように、本発明の光記録媒体およびその製造方法によれば、保護層側から光ビーム入射を行う方式が採用でき、光透過基板の厚さを薄くし易くなる。このため、ピックアップの対物レンズの開口数(NA)を高めて高密度化を図ることができる。また、記録パワーマージンの拡大による高トラック密度と優れた量産性とを両立することができる。
本発明の一実施形態である光記録媒体の層構成を示す断面図である。 図1に示す光記録媒体の製造方法を示す概略ステップ図である。 シート状基材の製造工程を示す模式図である。 スピンコート法による記録層の塗布方法を示す概略図である。 シートの重ね合わせ工程を示す概略図である。 光記録媒体形状への加工工程を示す概略図である。 多層記録媒体の第1の従来技術を示す断面図である。 従来技術の、有機材料を塗布する一般的な工程の説明図である。 多層記録媒体の第2の従来技術を示す断面図である。 記録パワーマージンを見積もったシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
1 光記録媒体
2 保護層
3 第1のシート
31 グルーブ
32 ランド
33 シート状基材
第1の記録層4
41 凹部
42 凸部
5 第2のシート
53 シート状基材
6 第2の記録層
61 凹部
62 凸部
7 支持基板
B 光ビーム

Claims (10)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板よりも薄く、光ビームが入射する側に設けられた保護層と、
    前記支持基板と前記保護層との間に挟まれた記録層と
    を有し、
    前記記録層は、
    情報が記録される記録トラックのトラック間ギャップとなる凹部と、
    前記凹部より厚く、前記保護層に向かって凸となるように形成されている、前記記録トラックとなる凸部と
    を有する光記録媒体。
  2. 前記記録層は複数層形成されている、請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記記録層は有機材料を含んでいる、請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 前記保護層の厚みは0mmより大きく、0.3mm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. シート状基材に凹凸パターンを形成する工程と、
    前記シート状基材の前記凹凸パターン上に、凹部を埋めるように記録層を形成する記録層形成工程と、
    前記凹凸パターンと前記記録層とが形成された前記シート状基材と、支持基板とを位置合わせし、互いに重ね合わせて接合する接合工程と、
    を有する、光記録媒体の製造方法。
  6. 前記接合工程は、前記記録層が前記支持基板に面する向きで、前記シート状基材と支持基板とを位置合わせし、重ね合わせて接合することを含んでいる、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記接合工程は、前記凹凸パターンと前記記録層とが形成された前記シート状基材層を、複数枚位置合わせし、互いに重ね合わせて接合する工程を含んでいる、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記記録層形成工程は、前記記録層をスピンコート法によって形成することを含んでいる、請求項5から7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 少なくとも前記接合工程の後で、前記支持基板から最も離れた前記シート状基材に、該支持基板よりも薄い保護層を形成する工程を有する、請求項5から8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 重ね合わされた前記シート状基材および支持基板を所定の形状に加工する工程を有する、請求項5から9のいずれか1項に記載の製造方法。
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