JP2007179716A - 被覆膜形成方法とその方法により形成された被覆膜を有する部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】被服対象となる部材を被覆するための光又は熱硬化性樹脂膜の厚みを均一かつ平滑化し、気泡を発生させることなく、高品質な被覆膜を形成できる被覆膜形成方法、その方法で被覆膜を形成した部材の提供。
【解決手段】(1)被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板を載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させたのち硬化させ、次いで平滑基板を剥離する被覆膜形成方法。
(2)熱又は光硬化性樹脂の塗工前、塗工中、展延中の少なくとも一つの段階において、被覆対象となる部材、該硬化性樹脂、平滑基板のうちの少なくとも一つに対し、円環状に塗工する際の回転中心に対して同心円状に熱エネルギーを付与する工程を含む(1)記載の被覆膜形成方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、機能形状(例えば光ディスクのプリグルーブ)を有する部材の被覆膜形成方法、及びその方法により形成された被覆膜を有する部材に関する。
近年、大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用した、いわゆる相変化型光記録媒体が実用化されている。記録材料としては、GeTe−SbTe擬似2元系組成を有する、GeSbTeなどの化合物組成に代表されるGe−Sb−Te3元合金材料、及びSb70Te30共晶組成近傍の材料を主成分とする、Ag−In−Sb−Teに代表されるSbTe共晶系材料がある。前者のGeSbTe系材料はDVD−RAMとして、後者のAgInSbTe共晶系材料は、CD−RW、DVD−RW及びDVD+RWとして広く実用化されている。これらの相変化型光記録媒体は、何れも螺旋状又は同心円状の溝を有するプラスチック基板(光透過層)上に、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層などを積層した構造を有し、記録層の結晶とアモルファスにおける光学定数変化及び前記積層構造の多重干渉を利用して反射率を制御し、2値情報の記録・再生を行うものである。
一方、デジタル化の進展やブロードバンドの普及に伴って扱う情報量が増大し、高密度かつ高速でデータを記録・再生できる新たな記録システムが求められている。このような背景から、記録再生波長の短波長化や開口数NA(Numerical Aperture)の増大により、集光ビーム径を小さくし、記録されるマークのサイズを小さくして、高密度化及び高速化を狙った光記録システムが提案されている。例えば現行の記録型DVDは、記録再生波長λ=650〜660nm、開口数NA=0.65で、記録容量が4.7GBであるが、記録再生波長λを400nm程度まで短波長化し、開口数NAを0.85とした記録容量20GB以上の光記録システムが提案されている(特許文献1、2)。
このように、開口数が大きい光記録システムでは、光情報記録媒体の反りや傾きに対する許容度、即ちチルトマージンが小さくなるため、十分なチルトマージンを確保するために光透過層の厚さを薄くする必要がある。例えば、NA=0.85、λ=405nmとした上記システムの場合、十分なチルトマージンを確保するためには、光透過層を100μm程度まで薄くすることが要求される。
しかしながら、光透過層の厚さが100μm程度になると、従来のように、ポリカーボネート等の射出成形法によってこれを成形した場合、十分な機械的強度、板厚分布、光学特性の面内均一性等が確保できなくなるという問題が生じる。このため、特許文献1及び2では、従来の基板とは反対側に光透過層を設ける構造が提案されている。即ち、ポリカーボネート等からなる基板上に反射層、誘電体層、相変化記録層、誘電体層及び光透過層をこの順に形成することによって、光透過層が薄膜化された相変化記録媒体を作製する。かかる方法においては、まずスタンパを用いてプリグルーブを有する基板を射出成形し、次に、プリグルーブが形成されている基板表面に、スパッタリング法等によって反射層、第1誘電体層、相変化記録層、第2誘電体層をこの順に成膜する。そして、第2誘電体層の表面に紫外線硬化型樹脂のスピンコートや、フィルムシートの貼り合わせによって光透過層を形成する。このようにして作製された光記録媒体においては、基板の反対側から記録・再生レーザが入射するため、基板を十分に厚くすることができる。したがって、このようなタイプの光記録媒体を用いれば、基板の機械的強度を十分に確保しつつ、高NAの光記録媒体用ヘッドを利用することが可能となる。
ところで、公知のスピンコーティング法は、ディスクの中心付近に紫外線硬化樹脂等の液状材料を供給し、ディスクを回転させて遠心力で該液状材料を展延し、ディスク表面に該液状材料の被膜を均一な厚さで形成するという技術である。しかし、スピンコーティング法により光透過層を形成する特許文献1の技術においては、以下2点の問題があった。
第1の問題点は、生産性の良い方法で膜厚分布の均一性を得るのが困難なことである。例えば、前記記録再生波長が400nm程度のブルーレーザー対応ディスクの光透過層の場合、球面収差を抑えるために、記録エリアにおいて100±2μmの膜厚分布が要求される。そこで、これを実現するために、特許文献2では、ディスクの中心に設けられた中心孔を塞ぐスピンコート法が提案されている。
しかしながら、この方法では、中心孔を塞ぐキャップ状治具を有機溶剤等で洗浄し再利用する必要があるため、治具の清浄度を保つのに多量の有機溶剤が必要となり、コストアップの原因となるばかりでなく、環境への負荷が高くなってしまう欠点があった。また、後述する第2の問題点で示すように、スピンコート中に部分的に紫外線を照射するようなプロセスを応用した場合、回り込んだ紫外線によりキャップ上の樹脂が硬化してしまい、有機溶剤等での除去が困難になる。そして部分的に樹脂が残留した洗浄不十分なキャップ治具でスピンコートを行うと、樹脂残留部を基点として膜厚の薄い部分が放射状に発生して歩留まりを落とす原因になっていた。
第2の問題点は、スキージャンプと呼ばれるディスク外周端での樹脂の盛り上がりである。スピンコーティング法により、ディスク中央付近に滴下された液状樹脂は、遠心力によりディスク全体に均一な膜厚で塗布されるが、回転が止まり遠心力がなくなると、液体の表面張力によりディスクの外周端で塗膜が盛り上がるなどの膜厚不均一を生ずる。このような現象は、コーティングされる液状材料の粘度が高いほど顕著になる。例えば、前記ブルーレーザー対応ディスクの光透過膜においては、スキージャンプがディスク外周部の記録領域にまで及んでしまい、外周付近でのトラッキング不良や信号品質の悪化を招いてしまう問題があった。このため、外周端でのスキージャンプの高さは、10μm未満が望ましいとされている。
そこで特許文献3では、スピンコーティング工程でディスクの回転を止める前に紫外線等を照射し、ディスク上に塗布されている液状材料の流動性を低下させる方法が提案されている。この方法によれば外周端のスキージャンプを軽減することができるが十分ではない。しかも、この方法の場合、照射した紫外線がスピンコート装置内のディスク周囲に配置された樹脂回収トレイにも照射されてしまうため、トレイ内に付着した樹脂が硬化して樹脂の再生利用が困難になるという問題があった。そのため、回収トレイの洗浄が必要になったり、樹脂の利用率が悪くなって、記録媒体のコストアップの原因になっていた。
一般に、情報記録媒体の基板は、フォトリソグラフィーにより凹凸微細パターンを形成したスタンパ(型)を用いて、射出成形法により作製する。そして基板の上に磁性膜又は相変化膜を記録層として形成した後、保護のために記録層表面を樹脂で被覆する。光ディスクに対するコーティング方式は、前述したようにスピンコートが一般的であるが、スピンコートの場合、円周方向の厚みは極めて均一に形成可能であるが、半径方向は厚みのばらつきが発生しやすい。記録層の最表面である誘電体膜(例えばZnS・SiO)上にスピンコートすると、その膜厚差が光学位相差となって干渉縞が顕著に現われ、記録再生特性に悪影響を及ぼすことが確認されている。更に、スピンコートされる樹脂液の下面は記録層表面を滑っていくが、上面は空気と触れているため、クリーンルーム内やHEPAフィルターを搭載したクリーンブース内であっても、浮遊する僅かなパーティクルが欠陥又はハレーションの核となって機能してしまい、低欠陥な被覆膜の形成が困難である。
平滑な被覆膜を形成する従来技術としては、光ディスクのセンターのフタをしてセンターから樹脂をスピンコートするもの(特許文献4〜9)、中心穴のないシートを載置し、スピンコートしてカバー層を形成するもの(特許文献10)、スピンコート済みの樹脂にシートを貼り合わせるもの(特許文献11)がある。特許文献5〜9の方法によれば、閉塞手段の円板部上に予め一様に塗布した樹脂を、スピンコートによりそのまま円板部上からディスク基板上へ放出させることで厚みムラを抑えることができるとされているが、この方法でもやはり、上面が開放されたディスク基板上に、遠心力のみで樹脂を展延させることに変わりはないため、塗布厚みの精度を高めるには、厚みを決定する樹脂の粘度やディスク基板の回転速度・回転時間などの条件設定が複雑となり、更に製造工程の管理も厳密にしなければならないという問題がある。特許文献10の方法は、穴無しシートを載置してカバー層を形成するもので、シートと樹脂が一体化するものであり、いわゆる媒体の被覆層とは概念が異なる。
また、特許文献12には、ディスク基板の板面に光硬化型樹脂を供給し、その上にダミー基板をセットして回転させ、次いで紫外線照射して樹脂を硬化させた後、ダミー基板を剥離することでカバー層を得る方法が開示されている。そして、ダミー基板の材料としては請求項にガラス材料が記載されており、実施の形態として、離型剤を塗布したガラス製のダミー基板が示されている。しかし、離型剤を均一な厚さで塗布することは極めて難しく、厚さのばらつきの影響を緩和するために離型剤の厚さを薄くするとアイランド状になりやすく、離型剤のないエリアは密着してしまうため、カバー層(本発明における被覆層に相当)がダミー基板の方へ持っていかれてしまう。また、好ましい態様として、カバー層の厚みを規定するため間隔設定部を設けているが、内周側の設定部に接触することにより光硬化型樹脂が放射状に均等に展延しなかったり、外周側の設定部に接触することにより光硬化型樹脂の記録エリア内への跳ね返りが発生し、ハレーションなどの欠陥を生じる。更に、ガラス自身は元々溌液性が強いので、振り切り後に内外周でエアーが入り込み、樹脂の戻りが発生しやすく、被覆層の形成されない記録エリアが発生する可能性もある。しかも離型剤処理することは、この溌液性を加速することとなり、本発明で想定しているような高度に均一な厚さのカバー層を全面に形成することは困難である。また、ガラス自身が高剛性なので、剥離の際に割れを生じやすいという欠点もある。
特許第3241560号公報 特開平11−213459号公報 特開2002−319192号公報 特開2005−141816号公報 特開2005−108375号公報 特開2005−85403号公報 特開2003−326535号公報 特開2003−16702号公報 特開2003−22586号公報 特開2003−242694号公報 特開2002−288895号公報 特開2004−134050号公報
本発明は、被覆対象となる部材、特に機能形状(例えば光ディスクのプリグルーブ)を有する部材を被覆するための光又は熱硬化性樹脂層の厚みを均一かつ平滑化し、気泡を発生させることなく、高品質な被覆膜を形成できる被覆膜形成方法、更に、被覆対象となる部材の両面を被覆し硬化時の収縮の影響を緩和させることにより大きな反りを発生させない被覆膜形成方法、及び、それらの方法で被覆膜を形成した部材、特に光透過層として該被覆膜を有する光情報記録媒体の提供を目的とする。ここで、厚みを均一かつ平滑化するとは、任意の半径位置において、円周方向の任意の1/100周区間における厚みのばらつきが0.1μm以下であるようにすることを意味する。
上記課題は、次の1)〜11)の発明(以下、本発明1〜11という)によって解決される。
1) 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板を載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させたのち硬化させ、次いで平滑基板を剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
2) 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板を載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材又は平滑基板に設けた展延拘束部まで展延させたのち遠心力により振り切り、次いで硬化させたのち平滑基板を剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
3) 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Aを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させ、硬化させない状態で反対側の面にも同様に液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Bを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させたのち、両面の硬化性樹脂を硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
4) 両面の硬化性樹脂を同時に硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離することを特徴とする3)記載の被覆膜形成方法。
5) 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Aを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材又は平滑基板Aに設けた展延拘束部まで展延させ、遠心力により振り切った後、硬化させない状態で反対側の面にも同様に液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Bを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材又は平滑基板Bに設けた展延拘束部まで展延させ、遠心力により振り切ったのち、両面の硬化性樹脂を硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
6) 平滑基板の剛性が5〜5000Paの範囲にあることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の被覆膜形成方法。
7) 熱又は光硬化性樹脂の粘度が10〜10000mPa・sの範囲にあることを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の被覆膜形成方法。
8) 熱又は光硬化性樹脂の塗工前、塗工中、展延中の少なくとも一つの段階において、被覆対象となる部材、該硬化性樹脂、平滑基板のうちの少なくとも一つに対し、該硬化性樹脂を円環状に塗工する際の回転中心に対して同心円状に熱エネルギーを付与する工程を含むことを特徴とする1)〜7)の何れかに記載の被覆膜形成方法。
9) 1)〜8)の何れかに記載の方法により形成された被覆膜を有することを特徴とする部材。
10) 基板上に情報記録層と光透過層とを備え、光透過層を介して情報記録層にレーザー光を照射することにより、データの記録及び/又は再生が行われる光情報記録媒体であって、1)〜8)の何れかに記載の被覆膜形成方法により光透過層(=被覆膜)が形成されており、レーザー光波長405±15nm、対物レンズの開口数NA=0.85±0.5の光学系により記録及び/又は再生が可能であることを特徴とする光情報記録媒体。
11) 光透過層の膜厚分布が100±2nmという条件を満たすことを特徴とする10)記載の光情報記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の重要な特徴は、遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する平滑基板を用いた点にあり、これにより被覆対象となる部材(以下、部材と略称する)と平滑基板を略平行に対向させることが可能となり、その平行な空間を利用して円環状に塗工された熱又は光硬化性樹脂を部材の周端又は展延拘束部まで展延させることが可能となる。そして本発明1のように、熱又は光を照射して樹脂を硬化させたのち平滑基板を剥離すると、欠陥の少ない、厚みの均一な被覆膜が形成できる。しかし、部材のもう一方の面にも被覆層を形成する場合や、フレキシブルな部材の場合は、樹脂の硬化収縮によりディスク形状の部材に撓みが発生し、サーボ特性が悪化することが懸念される。
そこで、本発明3のように、本発明1の場合と同様にして平滑基板Aを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させたのち、硬化させない状態で反対側の面にも同様に液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Bを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材または平滑基板Bに設けた展延拘束部まで展延させ、遠心力により振り切った後、熱又は光エネルギーを照射して両面の硬化性樹脂を硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離するようにすれば、被覆膜の厚みを均一かつ平滑化させ、硬化時の収縮の影響を緩和させることで、大きな反りを発生させず且つ気泡を発生させることなく、高品質な被覆膜を形成できる。
平滑基板の大きさは、通常の場合、部材と同じにする。平滑基板には熱又は光硬化性樹脂に対して剥離性を有するものを用いる必要があるが、ここでいう剥離性とは、例えばセロハンテープを用いて容易に剥離できる程度のレベルとする。また、本発明でいう平坦化とは、例えば光ディスクであれば、中心部と周辺部の高さの差Hと半径Rとの比(H/R)が0.1以下である程度に平坦であることを意味する。また、本発明でいう剛性とは、材料力学の片持ち梁で定義される、ヤング率×(厚み/半径)のことであり、平滑基板の剛性が5〜5000Paの範囲であることが望ましい。この範囲であれば、振り切り時の遠心力により、基板自身に適度なテンションが供給されるので平坦化が促進される。
平滑基板の平滑度は、任意の半径位置において、円周方向の任意の1/100周区間における厚みのばらつきが0.1μm以下であるようにする。
上記のような諸々の要件を満足する平滑基板の材料としては、東洋紡のコスモシャインPETなどが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、液状のポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、及びそれらの混合物が挙げられる。光硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリオレート等のオリゴマー(低重合体)などが挙げられる。
一般に2P(フォトポリマー)などの硬化性樹脂を、バレルやバルブタンクを用いて塗工すると、内容量の減量に応じて圧力が変動しやすく、圧力変動に準じて塗工量が変動するので、常に均一な塗工幅(量)を有する硬化性樹脂を円環状に塗工することは困難であり、厚みのばらつきを均一にすることができない。そこで塗工樹脂の円環の幅を均一にするためプランジャーポンプを利用する。プランジャーが常に一定ストロークで前進、後退するので所望の塗工量を安定供給でき、常に均一な塗工幅を有する円環状塗工が可能で、硬化樹脂膜の厚みを均一化できる。部材上に塗工する場合、部材とディスペンサーニードルとの距離を0.1〜30mmにすることが望ましい。この範囲であれば、常に1周で円環の幅が均一な塗工が可能である。0.1mmより近接すると、部材の厚みのばらつきなどによりディスペンサーニードルの先端が部材と干渉し、機能形状が損傷する危険性がある。30mmを越えると塗出初期の硬化性樹脂の塗工幅が本来の円環の幅以上に大きくなってしまい、1周で円環の幅がばらつくことにより均一な厚みを得にくく、気泡の巻き込みも起きやすい。
本発明2及び5のように、被覆対象となる部材又は平滑基板に展延拘束部を設けると、接液後に樹脂の展延最内周を真円に保持することが容易になるので好ましい。展延した樹脂が表面張力により展延拘束部で一時的に拘束されるので真円となる。その後、一気に振り切れば、樹脂の展延が高速で同心円状に広がるので厚みの均一な被覆膜の形成が可能となる。展延拘束部を設ける位置は、樹脂を展延させる範囲に合わせて適宜決定すればよいが、例えば光ディスクの場合には、記録エリアよりも内側とする。展延拘束部の形状としては、同心円状の溝やリソグラフィーで形成した微小突起パターンなどが挙げられる(図1〜図3、図19〜図20参照)。
被覆膜が気泡を巻き込みにくいプロセスとしては、塗工樹脂と接液する平滑基板の接触面積を小さくする工夫が挙げられる。一般に樹脂材料に対して外部から電圧を印加すると樹脂自身に分極が起こり樹脂の先端が尖ってくる。鋭意研究の結果、2.5kV以上印加すると平滑基板との接液面積を小さくでき、気泡を巻き込みにくいことが分かっている。
熱又は光硬化性樹脂の粘度は、10〜10000mPa・s程度とする。この範囲であれば回転停止後、硬化までの間、遠心力により平坦化した平滑基板を平坦のまま保持でき、硬化、平滑基板剥離後の被覆膜の厚みを均一化しやすいので好ましい。更に好ましい粘度範囲は、円環状塗工後の展延時に、熱エネルギーの付与によるアシストなしに均一展延が可能となることから10〜1000mPa・sである。
本発明8は、記録再生波長405±15nm、対物レンズの開口数NA=0.85±0.5の高NA光学系を用いて記録再生を行う光情報記録媒体の光透過層形成方法として好適である。一般に、高NAの光学系では、コマ収差(NAの3乗と光透過層厚さの積に反比例する)が大きくなってしまうため、光透過層の厚さを薄くする必要がある。このような光ディスクシステムの例としてBlu−ray disc規格がある。この規格では、光透過層の膜厚分布として100±2μmが要求される。このような厚さ100μmの光透過層を本発明1〜7の方法で形成する場合、熱又は光硬化性樹脂の粘度を1000〜数1000mPa・sと高くする必要があり、遠心力と載置した平滑基板の剛性のみによって100±2μmの膜厚均一性を得るのが困難になってしまう。
そこで、熱又は光硬化性樹脂を塗工する前、塗工中、展延中の少なくとも一つの段階において、被覆対象となる部材である光ディスク、該硬化性樹脂、平滑基板のうちの少なくとも一つに対し、該硬化性樹脂を円環状に塗工する際の回転中心に対して同心円状に熱エネルギーを付与するとよい。これにより、加熱部分の樹脂温度を上げて粘度を下げ、この部分よりも外周部の膜厚を薄くすることができる。熱エネルギーの付与は、樹脂を塗工する前、塗工中、展延中の何れのタイミングでもよく、これらを併用しても構わない。例えば、樹脂を塗工しながら光ディスク基板の中周付近に熱エネルギーを付与すると、平滑基板を載置して樹脂をスピンコートで展延する際に、光ディスク基板からの熱伝導によって、この部分を通過する樹脂の温度が内周よりも高くなり粘度が低くなるため、熱エネルギーを付与しない場合に比べて、中周から外周にかけての膜厚を平坦化(薄く)することができる。また、前述のスキージャンプに関しても、載置した平滑基板の平坦化作用により、樹脂の盛り上がりが残留しない。熱エネルギーを付与する対象は、光ディスク(基板)、熱又は光硬化性樹脂、平滑基板の何れでもよく、必要に応じて二つ以上同時に加熱してもよい。
上記同心円状に熱エネルギーを付与する方法について説明する。
光透過層の膜厚分布は、特に光ディスク駆動装置のピックアップの走査方向に均一であることが望ましい。このため理想的には、グルーブ溝の円周方向に均一で、円中心に対して同心円状に所望の温度分布を有することが望ましい。しかしながら、実際の生産においては、時間的照度変化のない熱エネルギー源を光ディスク基板の周方向に相対的に移動させ、光ディスク基板の回転中心に対してほぼ同心円状の温度分布を光ディスク基板に付与すればよい。したがって、本発明8における同心円状とは、文字通り同心円状でなくてもよく、ほぼ同心円状の温度分布を付与できる程度であればよい。より簡易的には、赤外線ランプやハロゲンランプのような熱エネルギー源を光ディスク基板上に固定し、光ディスク基板を回転しながら、光ディスク基板を周方向に加熱すればよい。この際、周方向の温度分布を無くすために、加熱時間(照射時間)に対し、エネルギー照射部分が十分に平均的に加熱されるような回転数で光ディスク基板を回転させたり、熱エネルギー源を周方向に複数配置するのがよい。光ディスク基板にどのような温度分布を与えればよいかは、樹脂の粘度やその温度−粘度特性、載置する平滑基板の剛性、振り切り時間、回転数等を考慮して、最適なエネルギー照射条件を選択する。
上記のような光ディスク基板の回転と熱エネルギー源の相対運動により得られる温度分布は、光ディスク基板の回転中心に対してほぼ同心円状となり、周方向の光透過層膜厚分布として100±2μm以下が容易に得られ、周方向の反射率変動やジッターの周内変動が実用上問題のない範囲にある光記録媒体が得られる。
なお、熱エネルギー源は上記ランプ類に限られるものではなく、加熱気体のような流体を吹き付けてもよく、マイクロ波のような電磁波等を用いてもよい。
上記の方法によれば、光透過層の膜厚不均一、特に媒体外周部のスキージャンプが無い高品位で高密度記録再生が可能な光ディスクを、従来のセンターマスク法などに比べて歩留まりよく安価に提供できる。
本発明10の一例である光情報記録媒体の構成例を図6に示す。
基板は、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの樹脂の射出成形により製造され、情報記録層積層側に螺旋状のグルーブ溝を有する。図6の記録媒体では、記録再生用のレーザビームの入射が光透過層側から行われるので、基板材料は必ずしも透光性である必要はなく、グルーブ溝の転写性や反り等の機械特性の良好な成形材料から選択しうるが、通常はCDやDVDにおいて実績があり安価なポリカーボネート樹脂を用いる。
情報記録層は、相変化型記録材料を含む相変化型情報記録層、あるいは色素材料や無機材料を含む追記型情報記録層である。相変化型情報記録層の場合、基板上に反射層、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層を公知のスパッタ法等によりこの順に形成する。
反射層にはAgを主成分とするAg合金が好ましく、十分な冷却能を有するため、その膜厚は100〜250nm程度とする。Ag合金の具体例としては、Ag−Bi、Ag−In、Ag−Pd−Cu、Ag−Nd−Cu等が挙げられる。添加元素は、Ag膜の高温環境下での凝集や結晶粒成長を抑制するために添加されるが、Agの良好な熱伝導率を損ねることのないよう、その総含有量は3原子%以下であることが望ましい。
第1誘電体層及び第2誘電体層には、金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物等の透明性が高い高融点材料を用いる。具体的には、SiOx、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrO、Ta等の酸化物、Si、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、TaS等の硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられ、単体又は混合物として、或いは2層以上からなる多層構造として用いることができる。好ましい材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。中でも、ZnSを60〜90モル%含むSiOとの混合膜は、繰り返し記録、高温環境下での膜自身の結晶化や化学変化、膜変形がないため望ましい。また、熱伝導率が0.5W/mK以下と低いため、記録層の溶融ピーク温度を高く保ち、変調度の高いアモルファスマークの形成に有利である点などからも、記録層に接する誘電体膜として最も適している。
相変化記録層には、GeSbTeに代表される公知のGeTe−SbTe擬似二元系材料や、AgInSbTeGeに代表されるSbTe共晶系材料を用いることができる。特に、記録再生波長405±15nm、対物レンズの開口数NA=0.85±0.5の光学系を用いる場合は、Ge、Sb、Sn及びMnからなる合金を主成分とする相変化記録材料が、再生光安定性と保存信頼性(アモルファスマークの安定性)に優れており好ましい。各元素の好ましい組成範囲は、5≦Ge≦20原子%、45≦Sb≦70原子%、10≦Sn≦20原子%、0<Mn≦20原子%である。Geは、結晶化温度を上げて保存性を高める一方で、繰り返し記録特性を悪化させるので、20原子%を越えないことが望ましい。逆に、高温高湿環境下での保存信頼性を確保するためには、5原子%以上が必要である。Snは、波長405nmにおける十分な反射率とコントラストを得るために、10原子%以上含む必要がある。しかし、Snが多すぎると、Ge同様、繰り返し記録特性を損ねるため、20原子%を越えないことが望ましい。Mnは、反射率低下や記録ジッターへの悪影響がGeよりも小さいため、結晶化速度を遅くする際にGeに代替して添加される。Mnの添加量は、Ge同様繰り返し記録特性を悪化させるので、20原子%を越えないことが望ましい。SnとSbは結晶化速度を速め、GeとMnは結晶化速度を遅くする元素なので、総合的な記録特性と狙いの記録線速を考慮して、各元素の組成比が最適化される。基本的には、狙いの記録線速をGe−Sb系で設計し、Geに対してMn、Sbに対してSnを適量に置換する。Sb+Snが90原子%を超えると、結晶化速度が速くなり過ぎ、アモルファスマークの形成が困難になるので、Sbの上限はSb≦70原子%が望ましい。また、10≦Sn≦20原子%において記録線速5〜30m/sとするには45原子%≦Sbが好ましい。また、Ge、Sb、Sn及びMnの総量が95原子%以上で、記録特性や保存信頼性等を改善するための5原子%以下の第五元素を含む構成としてもよい。
光透過層は、本発明の被覆膜形成方法を用いた紫外線硬化性樹脂層等からなる。光透過層の上に、スピンコート法等によりハードコート層を設けてもよい。記録再生波長405±15nm、対物レンズの開口数NA=0.85±0.5の光学系を用いて記録再生を行う場合、十分なチルトマージンを確保するための光透過層の厚みは、5〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜120μmである。
以上、相変化型光情報記録媒体の構成例を示したが、情報記録層は、相変化記録層以外にライトワンス用の色素記録層や無機記録層であってもよい。また、中間層を介して情報記録層を2層以上有する多層記録媒体であってもよい。
本発明によれば、被覆対象となる部材、特に機能形状(例えば光ディスクのプリグルーブ)を有する部材を被覆するための光又は熱硬化性樹脂膜の厚みを均一かつ平滑化し、気泡を発生させることなく、高品質な被覆膜を形成できる被覆膜形成方法、更に、被覆対象となる部材の両面を被覆し硬化時の収縮の影響を緩和させることにより大きな反りを発生させない被覆膜形成方法、及び、それらの方法で被覆膜を形成した部材、特に光透過層として該被覆膜を有する光情報記録媒体を提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
フォトリソグラフィーによりプリグルーブ形状が形成されたスタンパを用いて射出成形により直径120mmの転写ディスク基板を得た。
このディスク基板の転写面にスパッタリング法で、膜厚120nmのAg反射層、膜厚12nmのZnS−SiOからなる第1誘電体層、膜厚14nmのSbTeからなる相変化記録層、膜厚45nmのZnS−SiOからなる第2誘電体層を順に成膜し、その上に、プランジャーポンプ(ユニコントロールズ製;ハイバーポンプCV)を用いて光硬化性樹脂(大日本化学製ダイキュアクリアSD−715、粘度43mPa・s)を円環状に0.5cc塗工した。
次いで、塗工面上に、平滑基板である直径120mm、厚さ0.1mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)基板(東洋紡コスモシャインA4100、内周から外周までの基板剛性は、31〜339mPa・sの範囲となる)を載置接液して、3000rpmで20秒間振り切ったのち、フュージョン社製UVランプを5秒間照射して光硬化性樹脂を硬化させた。
その後、光硬化性樹脂膜とPET基板を剥離したところ、図12(写真)に示すように表面が滑らかな被覆膜を有する光ディスクが得られた。
また、相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化できた。
得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も図18(写真)にRF信号を示したように良好であった。
実施例2
実施例1の転写ディスク基板に代えて、プリグルーブ形状の他に基板の記録エリアより内周にYAGレーザーにより硬化性樹脂展延拘束用の同心円状の溝を形成した転写ディスク基板を用い、実施例1と同様にして、転写面に相変化記録層を成膜し、その上に光硬化性樹脂を塗工した(図2参照)。
次いで、塗工面と、平滑基板として載置するPET基板(東洋紡コスモシャインA4100)との間に直流電圧2.5kVを印加した。塗工樹脂に分極が起こり頂点が盛り上がったところでPET基板を載置接液した。
毛細管現象により光硬化性樹脂が同心円状の溝まで到達したら、3000rpmで20秒間振り切りフュージョン製UVランプを5秒照射して光硬化性樹脂を硬化させた。
その後、光硬化性樹脂膜とPET基板を剥離したところ、実施例1と同様に表面が滑らかで、図4に示すような展延最内周が真円である被覆膜を有する光ディスクが得られた。
また、相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化できた。
得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も実施例1と同様に良好であった。
なお、同心円状の溝は、図3に示すように、硬化性樹脂に載置接液する平滑基板に形成されていても同様の機能を発揮する。
実施例3
平滑基板として剛性の異なるPET基板を用いた点以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。表1に平滑基板の厚みと剛性の関係を示すが、厚みが0.05〜0.3mmの間において、半径位置25〜55mmにおける剛性が灰色に塗った部分にある場合、即ち、基板剛性が凡そ5〜5000Paの範囲において、遠心力により、段落0013に記載した本発明における平坦化が可能であった。そして、この範囲であれば、実施例1と同様の被覆膜を有する光ディスクが得られた。また、この範囲であれば、相変化記録層を全面で初期化でき、得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキング、再生信号特性も実施例1と同様に良好であった。
更には、光硬化性樹脂の粘度が10〜10000mPa・sの範囲であることにより、回転停止後、硬化させるまでの間、遠心力により平坦化した平滑基板を平坦のまま保持でき、硬化、平滑基板剥離後の被覆膜の厚みを均一化できた。
相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化でき、得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も、実施例1の場合(図18参照)と同様に、RF信号は良好であった。
実施例4
光硬化性樹脂を、熱硬化性樹脂である尿素樹脂(松下電工製:ナショナルライトユリア樹脂 Aタイプ)に変え、5000rpmで20秒間振り切ったのち、160℃で30分間加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた点以外は実施例1と同様にして被覆膜を有する光ディスクを作製した。
その結果、実施例1と同様に、得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキング、再生信号特性も良好であった。
実施例5
フォトリソグラフィーにより、プリグルーブと同時にプリグルーブエリアよりも内周に硬化性樹脂展延拘束用スパイラルパターンが形成されたスタンパを用いて転写成形基板を得た点以外は実施例2と同様にして被覆膜を有する光ディスクを作製した(図1参照)。
その結果、実施例2と同様に、得られた被覆膜の表面外観は平滑であり、フォーカス、トラッキング、再生信号特性も良好であった。
比較例1
PET基板を載置接液させることなく、光硬化性樹脂を塗工したのち直ちに振り切り、紫外線照射して被覆膜を形成した点以外は、実施例1と同様にして被覆膜を有する光ディスクを作製した。
その結果、図13(写真)に示すように、被覆膜には、半径方向に厚みばらつきに依存する干渉縞が見られ、図5に示すように、展延最内周が真円とならなかった。
また、記録層に初期化不能なエリアが発生し、ディスク全面での記録再生ができなかった。
比較例2
PET基板に代えて、PC(ポリカーボネート)基板(帝人製ピュアーエース)を載置接液して被覆膜を形成した点以外は、実施例1と同様にして被覆膜を有する光ディスクを作製した。
この場合、光硬化性樹脂を硬化した後、PC基板を剥離しようとすると、密着性が強く、図14(写真)に示すように、半面で被覆膜がPC基板側へ持っていかれ、品質のよい被覆膜形成ができなかった。
比較例3
PET基板に代えて、PE(ポリエチレン)基板を載置接液して被覆膜を形成した点以外は、実施例1と同様にして被覆膜を有する光ディスクを作製した。
この場合、光硬化性樹脂を硬化した後、PE基板を剥離しようとすると、密着性が強く、図15(写真)に示すように、半面で被覆膜がPEフィルム基板側へ持っていかれ、品質のよい被覆膜を形成できなかった。
比較例4
PET基板に代えて、ガラス基板を載置接液して被覆膜を形成した点以外は、実施例1と同様にして被覆膜を有する光ディスクを作製した。
この場合、光硬化性樹脂がガラス基板をはじきやすく、回転停止すると、展延した樹脂が内径では外周へ向かって、外径では内周に向かって移動し、ディスク全面に被覆膜を形成することが困難であった。また、剥離のバランスも安定せず、一部記録層がガラス基板側へ持っていかれた(即ち、はじきと密着過多が共存した)。これは、適度な剛性を有する本発明の基板のように反らせながら剥離することができないため、剥離時に記録層が被覆膜に強く引っ張られて剥離したものと思われ、品質のよい被覆膜を形成できなかった(図16〜図17=写真参照)。
実施例6
溝深さ21nm、溝幅0.16μm、トラックピッチ0.32μmのグルーブ溝を有する厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート基板(製品名ST3000、帝人バイエルポリテック社製)を用意し、その上に、以下の積層膜をスパッタリング法により順次形成した(カッコ内の数字は膜厚)。
・反射層 Ag−0.5原子%Bi(140nm)
・第1誘電体層 ZnS・20モル%SiO(8nm)
・相変化記録層 Ge11Sb62.5Sn20Mn6.5(14nm)
・第2誘電体層 ZnS・30モル%SiO(40nm)
次に、紫外線硬化樹脂(日本化薬BRD−130)を円環状に供給し、実施例1と同様の方法でPET基板(東洋紡コスモシャインA4100)を載置接液し、赤外線ランプ装置で媒体中周付近を加熱しながら、回転数1700rpmで6秒間樹脂を振り切った。赤外線ランプ装置は、図11に示したように、円周上に赤外線ランプを等間隔に複数配置し、ディスク基板中央部への照度が相対的に小さくなるように、基板の回転中心上に遮光部を設ける構造とした。
次に、1000mJ/cmの紫外線を照射して樹脂を硬化させた後、PET基板を剥離して図6に示す構造の光ディスクを得た。
干渉膜厚測定器ETA−RT(STEAG ETA−Optik社製)により、光透過層の膜厚分布を調べると、半径r=22.0〜58.5mm全面で、図7に示すように、Blu−ray disc規格内の100±2.0μm未満であり、図8に示すように、外周端の樹脂の盛り上がり、即ちスキージャンプは全く生じていなかった。なお、図8における基板外周端のダレのような形状は、成型時に面取り加工された形状を反映したものであり、光透過層の膜厚変動等によるものではない。
更に、記録再生装置(Pulstek社製ODU−1000)で信号評価を行ったところ、周内の反射率変動が無く、全面で記録ジッタが6.5%以下であった。
比較例5
赤外線ランプを用いなかった点以外は実施例6と同様にして光ディスクを作製し、光透過層の膜厚分布を調べたところ、図9のように外周で2割ほど厚くなってしまい、Blu−ray disc規格を満足することはできなかった。
なお、この比較例は、光透過層の膜厚分布が100±2.0μm以内というBlu−ray disc規格を満足する光ディスクを作製するには、本発明8の熱エネルギーを付与する工程が必要であるということを示すものであって、前述した実施例1〜5からも分るように、通常の場合には熱エネルギーを付与する必要はない。
比較例6
実施例1と同じ基板と情報記録層を用意し、基板の中心孔に直径22.5mmのセンターマスクを勘合して配置し、マスクの上から紫外線硬化樹脂BRD−130を滴下して、回転数1800rpmで5秒間樹脂を振り切った。このとき、回転を止める前の1秒間、センターマスク部を遮光しながら500mJ/cmの紫外線をディスク全面に照射した。次に、センターマスクを取り外し、600mJ/cmの紫外線を照射して樹脂を完全に硬化させ、図6に示す構造の光ディスクを得た。
実施例6と同様にして膜厚分布を調べたところ、図10に示すように、基板最外周端に幅約0.8mm、高さ約30μmのスキージャンプが残存してしまった。
実施例7
フォトリソグラフィーによりプリグルーブ形状が形成されたスタンパを用いて射出成形により直径120mmの転写ディスク基板を得た。
このディスク基板の転写面にスパッタリング法で、膜厚120nmのAg反射層、膜厚12nmのZnS−SiOからなる第1誘電体層、膜厚14nmのSbTeからなる相変化記録層、膜厚45nmのZnS−SiOからなる第2誘電体層を順に成膜し、その上に、プランジャーポンプ(ユニコントロールズ製;ハイバーポンプCV)を用いて光硬化性樹脂(大日本化学製ダイキュアクリアSD−715、粘度43mPa・s)を円環状に0.5cc塗工した。
次いで、塗工面上に、直径120mm、厚さ0.1mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)基板(東洋紡コスモシャインA4100、内周から外周までの基板剛性は、31〜339Paの範囲となる)を平滑基板Aとして載置接液して、3000rpmで20秒間振り切った。
その状態で、光ディスクの反対面にも、同様にして光硬化性樹脂を円環状に塗工したのち、塗工面上にPET基板を平滑基板Bとして載置接液し、3000rpmで20秒間振り切った。
次いで、フュージョン社製UVランプを両面に5秒間ずつ照射して各々の光硬化性樹脂を硬化させた。
その後、PET基板を剥離したところ、実施例1の場合(図12参照)と同様の表面が滑らかな被覆膜を両面に有する光ディスクが得られた。光ディスクの機械特性(反り)は図21に示すよう良好であった。なお、図21の横軸はディスク一周を表し、縦軸は面振れを表す。この図21と後述する比較例8の図22を対比すると、図21の方が明らかに面振れが小さいことが分る。これは光硬化性樹脂の硬化工程の相違に基づくものであり、本実施例の場合には、光硬化性樹脂の硬化収縮などの影響が光ディスクの両面で相殺されることによるものである。
また、相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化できた。
得られた被覆膜の表面の外観は何れも平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も実施例1の場合(図18参照)と同様に良好であった。
実施例8
図19−(1)(2)に示す工程により両面に被覆膜を有する光ディスクを作製した。
まず、フォトリソグラフィーにより、プリグルーブと同時にプリグルーブエリアよりも内周に硬化性樹脂展延拘束用スパイラルパターンが形成されたスタンパを用いて射出成形により直径120mmの転写ディスク基板を得た。
このディスク基板の転写面に、実施例7と同様にして、スパッタリング法で、反射層、第1誘電体層、相変化記録層、第2誘電体層を順に成膜し、その上に、光硬化性樹脂を円環状に0.5cc塗工した。
次いで、塗工面と、平滑基板Aとして載置する実施例7と同じPET基板との間に直流電圧2.5kVを印加した。塗工樹脂に分極が起こり頂点が盛り上がったところでPET基板を載置接液し、3000rpmで20秒間振り切った。
その状態で、ディスク基板の反対面にも、同様にして光硬化性樹脂を円環状に塗工し、直流電圧を印加したのち、実施例7と同じ材質のPET基板を平滑基板Bとして載置接液した。但し、平滑基板Bとしては、転写ディスク基板の記録エリアよりも内周に相当する位置に、YAGレーザーで硬化性樹脂展延拘束用の同心円状の溝を形成したものを用いた。そして、毛細管現象により光硬化性樹脂が同心円状の溝まで到達したら、3000rpmで20秒間振り切った。
次いで、フュージョン製UVランプを両面に5秒間ずつ照射して各々の光硬化性樹脂を硬化させた。
その後、PET基板を剥離したところ、実施例1の場合(図12参照)と同様の表面が滑らかで、図4に示すような展延最内周が真円である被覆膜を両面に有する光ディスクが得られた。
また、相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化できた。
得られた被覆膜の表面の外観は何れも平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も実施例1の場合と同様に良好であった。
なお、図20に示す工程により、塗工形成された光硬化性樹脂膜を両面同時に5秒間照射しても同様の結果が得られた。
実施例9
平滑基板として剛性の異なるPET基板を用いた点以外は、実施例7と同様にして両面に被覆膜を有する光ディスクを作製した。平滑基板の厚みと剛性の関係は実施例3で示した通りであるが、本実施例においても、平滑基板の剛性が5〜5000Paの範囲において、実施例7と同様の被覆膜が得られた。また、この範囲であれば、相変化記録層を全面で初期化でき、得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキング、再生信号特性も実施例7と同様に良好であった。
更には、光硬化性樹脂の粘度が10〜10000mPa・sの範囲であることにより、回転停止後、硬化させるまでの間、遠心力により平坦化した平滑基板を平坦のまま保持でき、硬化、平滑基板剥離後の被覆膜の厚みを均一化できた。
相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化でき、得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も、実施例1の場合(図18参照)と同様に、RF信号は良好であった。
実施例10
光硬化性樹脂を、熱硬化性樹脂である尿素樹脂(松下電工製:ナショナルライトユリア樹脂 Aタイプ)に変え、5000rpmで20秒間振り切るという条件で、実施例7と同様にして両面に被覆膜を有する光ディスクを得た。両面塗工後の加熱条件は120℃で30分間とした。
その結果、実施例7と同様に、得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキング、再生信号特性も良好であった。
実施例11
ホットインプリント工法によりスタンパのプリグルーブを170℃、10MPaで10分間保持して、厚み95μmのPC(ポリカーボネート)フィルム(帝人製ピュアーエース)に転写した。グルーブ転写面にスパッタリング法で、膜厚14nmのSbTeからなる相変化記録層を成膜し、その両面に実施例7と同様にして被覆膜を形成したところ、反りの小さい被覆膜を両面に有する光ディスクが得られた。
また、相変化記録層を初期化したところ、全面で初期化できた。
得られた被覆膜の表面の外観は平滑であり、フォーカス、トラッキングも良好で、再生信号特性も、実施例1の場合(図18参照)と同様に、RF信号は良好であった。
比較例7
PET基板に代えて、PC(ポリカーボネート)基板(帝人製ピュアーエース)を載置接液して被覆膜を形成した点以外は、実施例7と同様にして被覆膜を形成した。
この場合、光硬化性樹脂を硬化した後、PC基板を剥離しようとすると、密着性が強く、比較例4の場合(図17参照)と同様に、半面で被覆膜がPC基板側へ持っていかれ、品質のよい被覆膜形成ができなかった。
比較例8
実施例7と同様にして、塗工面上に平滑基板A(PET基板)を載置接液し、3000rpmで20秒間振り切ったのち、フュージョン社製UVランプを5秒間照射して光硬化性樹脂を硬化させた。同様にしてディスク基板の反対面にも光硬化性樹脂を円環状に塗工し、平滑基板B(同様のPET基板)を載置接液し、3000rpmで20秒間振り切ったのち、フュージョン社製UVランプを5秒間照射して光硬化性樹脂を硬化させた。
即ち、実施例7とは、平滑基板Bを載置する作業に入る前に、平滑基板Aに係る光硬化性樹脂を硬化させた点が異なる。
その後、PET基板を剥離したところ、実施例1の場合(図12参照)と同様の表面が滑らかな被覆膜を両面に有する光ディスクが得られたが、光ディスクの機械特性は実施例7と比べて悪化した(図22参照、縦軸と横軸は実施例7と同じ)。その結果、再生信号特性品質が低下した。
実施例5の被覆膜形成工程を示す図。(a)光硬化性樹脂を塗工する工程、(b)塗工面に平滑基板を載置接液し展延する工程、(c)光硬化性樹脂を振り切り、硬化する工程、(d)平滑基板を剥離する工程。 実施例2の被覆膜形成工程を示す図。(a)光硬化性樹脂を塗工する工程、(b)塗工面に平滑基板を載置接液し展延する工程、(c)光硬化性樹脂を振り切り、硬化する工程、(d)平滑基板を剥離する工程。 展延拘束用パターン(同心円状の溝)を平滑基板に設けた場合の被覆膜形成工程を示す図。(a)光硬化性樹脂を塗工する工程、(b)塗工面に平滑基板を載置接液し展延する工程、(c)光硬化性樹脂を振り切り、硬化する工程、(d)平滑基板を剥離する工程。 実施例2及び実施例8で展延最内周が真円である被覆膜が得られた状態を示す図。 比較例1で被覆膜の展延最内周が真円とならなかった状態を示す図。 相変化型光情報記録媒体の構成例を示す図。 実施例6の光ディスクの光透過層の膜厚分布を調べた結果を示す図。 実施例6の光ディスクの外周端にスキージャンプが全く生じていないことを示す図。 比較例5の光ディスクがBlu−ray disc規格を満足できなかったことを示す図。 比較例6の光ディスクの外周端にスキージャンプが残存してしまったことを示す図。 実施例6で用いた赤外線ランプ装置の構成を示す図。 実施例1の被覆膜の状態を示す図(写真)。 比較例1の被覆膜の状態を示す図(写真)。 比較例2の被覆膜の状態を示す図(写真)。 比較例3の被覆膜の状態を示す図(写真)。 比較例4の被覆膜の状態を示す図(写真)。 比較例4の被覆膜の状態を示す図(写真)。 実施例1で作製した光ディスクのRF信号を示す図(写真)。 実施例8の被覆膜形成工程を示す図。(a)光ディスクの一方の面に光硬化性樹脂を塗工する工程、(b)塗工面に平滑基板Aを載置接液し展延する工程、(c)光硬化性樹脂を振り切る工程、(d)光ディスクの反対面に光硬化性樹脂を塗工する工程。 実施例8の被覆膜形成工程を示す図(続き)。(e)塗工面に、硬化性樹脂展延拘束用の同心円状の溝を形成した平滑基板Bを載置接液し展延する工程、(f)光硬化性樹脂を振り切る工程、(g)平滑基板A側、平滑基板B側の順に光硬化性樹脂膜を硬化させたのち、平滑基板Aを剥離する工程、(h)平滑基板Bを剥離する工程。 実施例8において、塗工形成された光硬化性樹脂膜を両面同時に光照射する場合の工程を示す図。(f′)平滑基板B側の光硬化性樹脂を振り切る工程、(g′)両面同時に光硬化性樹脂膜を硬化させた後、平滑基板Aを剥離する工程、(h′)平滑基板Bを剥離する工程。 実施例7のディスクの機械特性を示す図。 比較例8のディスクの機械特性を示す図。

Claims (11)

  1. 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板を載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させたのち硬化させ、次いで平滑基板を剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
  2. 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板を載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材又は平滑基板に設けた展延拘束部まで展延させたのち遠心力により振り切り、次いで硬化させたのち平滑基板を剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
  3. 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Aを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させ、硬化させない状態で反対側の面にも同様に液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Bを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、遠心力により被覆対象となる部材の周端まで展延させたのち、両面の硬化性樹脂を硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
  4. 両面の硬化性樹脂を同時に硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離することを特徴とする請求項3記載の被覆膜形成方法。
  5. 被覆対象となる部材に対して、液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Aを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材又は平滑基板Aに設けた展延拘束部まで展延させ、遠心力により振り切った後、硬化させない状態で反対側の面にも同様に液状の熱又は光硬化性樹脂を円環状に塗工し、その上に該硬化性樹脂に対して剥離性を有し且つ遠心力をかけることにより平坦化する剛性を有する材質の平滑基板Bを載置して接液させ、該硬化性樹脂を、被覆対象となる部材又は平滑基板Bに設けた展延拘束部まで展延させ、遠心力により振り切ったのち、両面の硬化性樹脂を硬化させ、次いで平滑基板A、Bを剥離することを特徴とする被覆膜形成方法。
  6. 平滑基板の剛性が5〜5000Paの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の被覆膜形成方法。
  7. 熱又は光硬化性樹脂の粘度が10〜10000mPa・sの範囲にあることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の被覆膜形成方法。
  8. 熱又は光硬化性樹脂の塗工前、塗工中、展延中の少なくとも一つの段階において、被覆対象となる部材、該硬化性樹脂、平滑基板のうちの少なくとも一つに対し、該硬化性樹脂を円環状に塗工する際の回転中心に対して同心円状に熱エネルギーを付与する工程を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の被覆膜形成方法。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の方法により形成された被覆膜を有することを特徴とする部材。
  10. 基板上に情報記録層と光透過層とを備え、光透過層を介して情報記録層にレーザー光を照射することにより、データの記録及び/又は再生が行われる光情報記録媒体であって、請求項1〜8の何れかに記載の被覆膜形成方法により光透過層(=被覆膜)が形成されており、レーザー光波長405±15nm、対物レンズの開口数NA=0.85±0.5の光学系により記録及び/又は再生が可能であることを特徴とする光情報記録媒体。
  11. 光透過層の膜厚分布が100±2nmという条件を満たすことを特徴とする請求項10記載の光情報記録媒体。
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