JP5108434B2 - 光記録媒体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
タンパの離型性を良好にすることができると記載されている。また、特許文献3においては、環状ポリオレフィンが、放射線硬化型樹脂の硬化物からなる中間層に対するスタンパの離型性を特に良好にするとしている。
また、前記表面改質処理は、照射量50〜1000mJ/cm2の紫外線照射によることが好ましい(請求項3)。
また、前記表面改質処理は、加熱温度40〜120℃の加熱処理によることが好ましい(請求項4)。
さらに、前記接着体を得る工程における前記樹脂原料層の硬化は、半硬化状態までの硬化であることが好ましい(請求項5)。
さらに、前記樹脂原料層は複数の樹脂層から構成されていることが好ましい(請求項7)。
また、前記樹脂原料層が複数の樹脂層から構成され、且つ、前記複数の樹脂層のうち最外樹脂層の硬化が、半硬化状態までの硬化であることが好ましい(請求項8)。
図1(a)〜(h)は、本発明の第一実施形態が適用される光記録媒体の製造方法の好ましい一例を説明するための模式図である。なお、図1(a)〜(h)には、積層型多層光記録媒体の製造方法の例として、有機色素を含む2つの記録層を有するデュアルレイヤタイプの片面入射型の光記録媒体(片面2層DVD−R又は片面2層DVDレコーダブル・ディスク)の製造方法が示されている。
さらに、光記録媒体100の光情報の記録・再生は、第1基板101側から第1記録層102及び第2記録層105に照射されたレーザ光109により行われるようになっている。即ち、第1記録層102及び第2記録層105は、照射されるレーザ光109により情報が記録及び再生されるようになっている。
本実施形態の光記録媒体の製造方法は、第1記録層形成工程と、第1反射層形成工程と、樹脂原料層形成工程と、樹脂原料層硬化工程と、スタンパ剥離工程と、表面改質処理工程と、第2記録層形成工程と、第2反射層形成工程と、第2基板形成工程とを有する。
まず、第1基板101を用意する。第1基板101としては、図1(a)に示すように、表面に凹凸で、溝、ランド、及びプリピットが形成されたものを用意する。第1基板101は、例えばニッケル製スタンパ等を用いて射出成形等により作製することができる。
次に、第1記録層形成工程において、第1基板101上に第1記録層102を形成する。第1記録層102は、照射される光により情報が記録される層である。第1記録層102の形成方法に制限はないが、例えば以下の方法で形成することができる。即ち、有機色素を含有する塗布液を第1基板101の凹凸を有する側の表面にスピンコート等により塗布する。その後、塗布液に使用した溶媒を除去するために加熱等を行い、第1記録層102を成膜する。なお、本実施形態では、上記のように第1基板101上に直接第1記録層102を形成した例を示して説明するが、第1記録層102は、光記録媒体100の種類や構成などに応じて、第1基板101上に1層又は2層以上の他の層を介して形成するようにしてもよい。
第1記録層102を成膜した後、第1反射層形成工程において、第1記録層102上に第1反射層103を形成する。第1反射層103の形成方法に制限はないが、例えば、第1記録層102上にAg合金等をスパッタまたは蒸着することにより、第1記録層102上に第1反射層103を成膜することができる。
このように、第1基板101上に、第1記録層102及び第1反射層103を順に積層することによって、データ基板111を得る。なお、本実施の形態においては、データ基板111を透明にしているものとする。
続いて、樹脂原料層形成工程において、図1(b)に示すように、第1反射層103の表面(即ち、データ基板111の表面)全体に、樹脂原料層104aを形成する。即ち、第1記録層102上に、第1反射層103を介して樹脂原料層104aを形成する。
ここで形成する樹脂原料層104aは、光記録媒体100の完成時に中間層104を構成することになる層で、何らかの処理を施すことにより硬化しうる硬化性樹脂又はその前駆体により形成された層である。
ただし、樹脂原料層104aはこの後でスタンパ110(後述)により表面に凹凸が成形されることになるため、樹脂原料層硬化工程において成形される前には、不定形な状態(通常は、所定の粘度を有する液体状態)となっている。
次に、樹脂原料層硬化工程において、図1(c)に示すように、紫外線硬化性樹脂原料層104a上にスタンパ110を載置し、紫外線硬化性樹脂原料層104aを硬化させる。つまり、第1記録層102とは反対側の紫外線硬化性樹脂原料層104aの表面にスタンパ110が載置された状態となる。
スタンパ110は、中間層104に形成されることになる凹凸の形状(凹凸形状)に対応した形状(転写用凹凸形状)の凹凸(転写用凹凸)を表面に有する型である。そして、スタンパ110が有する転写用凹凸の転写用凹凸形状が紫外線硬化性樹脂原料層104aに転写されることにより、中間層104に、所望の凹凸形状の凹凸が形成されるよう、転写用凹凸形状は設定されている。
上記利点を顕著に発揮させる観点から、スタンパ110の材料としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。より好ましくは、ポリカーボネート系樹脂である。なお、スタンパ110の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
には、紫外線硬化性樹脂原料層104aに紫外線を照射すればよい。紫外線の照射方法は限定されず、スタンパ110を介して照射してもよいし、紫外線硬化性樹脂原料層104aの側面から照射してもよく、さらに、第1基板101側から照射するようにしてもよい。紫外線をスタンパ110側からの照射する場合には、スタンパ110として紫外線を透過しうるもの(光透過性のもの)を用いることが、工業的に好ましい。紫外線を第1基板101側から照射する場合には、紫外線の照射により第1記録層102がダメージを受けないようにすることが好ましい。紫外線の照射効率および紫外線による各層材料への悪影響軽減の観点から、紫外線はスタンパ110を介して照射することが好ましい。
る二重結合の割合を赤外分光光度計(FT−IR)またはラマン分光法で測定することによって定量することができる。具体的には、未硬化の紫外線硬化性樹脂の二重結合の吸収位置をあらかじめ特定しておき、スタンパ上に設けられた紫外線硬化性樹脂の膜の表面の硬化前後における吸収を測定することにより、硬化前後の二重結合の量の比率を算出して得ることができる。
本発明において、半硬化状態とは、スタンパ上に設けられた紫外線硬化性樹脂表面の、硬化処理を行った後における二重結合の残存率が、通常90%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下であることが望ましい。
以上のようにして、前記樹脂原料層104aを硬化させて、データ基板111(即ち、第1基板101、第1記録層102及び第1反射層103)、紫外線硬化性樹脂原料層104a、並びに、スタンパ110を備えた接着体112が得られる。
スタンパ剥離工程では、図1(d)に示すように、紫外線硬化性樹脂原料層104a(図1(c)参照)からスタンパ110を剥離させる。これにより、紫外線硬化性樹脂原料層104aにスタンパ110の転写用凹凸形状が転写される。そして、この転写された転写用凹凸形状に応じて凹凸形状が、中間層104に形成されることになる。なお、本明細書では、紫外線硬化性樹脂原料層104aとは、塗布後、硬化され、スタンパが剥離され、更に表面効果処理を施されるよりも以前のものを指す。また、中間層104とは、スタンパ110が剥離された後で表面効果処理を施された後のものを指す。したがって、紫外線硬化性樹脂原料層104a及び中間層104は同様の位置に形成された層を指すものであるが、その状態が異なるものである。
なお、接着体112の温度は、非接触型の温度計(例えば、KEYENCE社製の非接触型温度計IT2−60)により測定することができる。
本実施形態では、図1(e)に示すように、スタンパ110を剥離することによって樹脂原料層104aに転写用凹凸形状を転写した後で、樹脂原料層104aに表面改質処理を施す。これにより、樹脂原料層104aは硬化が進行し、中間層104が形成される。ここで、表面改質処理とは、樹脂原料層104aの硬化を促進する処理であれば限定されないが、放射線照射処理及び/又は加熱処理であることが好ましい。また、放射線の中でも、紫外線を用いることが好ましい。したがって、例えば樹脂原料層104aが紫外線硬化性樹脂で構成されている場合には、表面改質処理として紫外線照射及び加熱処理の何れを用いてもよいが、少なくとも紫外線照射を用いることが好ましい。また、例えば樹脂原料層104aが熱硬化性樹脂で構成されている場合にも、表面改質処理として紫外線照射及び加熱処理の何れを用いてもよいが、表面改質処理として、少なくとも加熱処理を用いることが好ましい。
また、加熱処理は、赤外線を用いた加熱方法も好ましい。赤外線を用いた加熱の場合は瞬時に加熱することが出来るため、数秒程度の加熱で十分な表面改質処理効果を得ることが出来る。このため、生産効率上、好ましい加熱方法である。
第2記録層形成工程では、図1(f)に示すように、中間層104上に第2記録層105を形成する。第2記録層105の形成方法に制限はないが、例えば以下の方法で形成することができる。即ち、有機色素を含む塗布液を、スピンコート等により中間層104表面に塗布する。そして、塗布液に使用した溶媒を除去するために加熱等を行い、第2記録層105を成膜する。[4.樹脂原料層形成工程]から[8.第2記録層形成工程]を繰り返すことによって、積層型多層光記録媒体を効率よく製造することができる。
第2反射層形成工程では、図1(g)に示すように、第2記録層105上に第2反射層106を形成する。第2反射層106の形成方法に制限はないが、例えば、Ag合金等をスパッタ蒸着することにより第2記録層105上に第2反射層106を成膜することができる。
第2基板形成工程においては、図1(h)に示すように、第2反射層106上に第2基板108を形成する。第2基板108の形成方法に制限はないが、例えば、第2基板108を、接着層107を介して第2反射層106に貼り合わせて形成することができる。なお、第2基板108に制限はないが、ここでは、ポリカーボネートを射出成形して得られた鏡面基板を第2基板108として用いているものとする。
を安定的に製造することができる、スタンパ110の材質によらず、良好な凹凸形状を有する中間層104を備える光記録媒体100を製造することが可能である、などの利点も得ることができる。また、表面改質処理を行ったことにより、凹凸形状を有するデータ記録領域に対する記録・再生を安定化できるという効果のみならず、BCA(バーストカッティングエリア)と呼ばれる媒体識別信号を記録する領域に対しても、良好な信号記録特性が得られる。これは、表面処理を行うことで硬化反応が進み、中間層104の弾性率が高くなったためと考えられる。
カバー層は、記録レーザ光に対して透明で複屈折の少ない材料が選ばれ、通常は、プラスチック板(以下適宜、「カバー層シート」という)を接着剤で貼り合せるか、液状の材料を塗布後に光、放射線、又は熱等により硬化して形成する。
本発明の光記録媒体の製造方法においては、光記録媒体の反りや、中間層上に形成される記録層の記録特性等を考慮し、樹脂原料層を複数の樹脂層から形成してもよい。この場合、樹脂原料層を構成する複数の樹脂層のうち、スタンパにより凹凸形状を形成される樹脂層が最外樹脂層となる。
図2(a),(b)は、本発明の第二実施形態が適用される光記録媒体の製造方法の樹脂原料層形成工程について説明するための模式図である。なお、図2(a),(b)において、図1(a)〜(h)と同様の部位については、図1(a)〜(h)と同様の符号を付して説明する。
また、第2樹脂層104a2の形成方法に制限はないが、例えば、スタンパ110の表面全体に、紫外線硬化性樹脂の前駆体をスピンコート等により塗布して成膜することができる。
以上のようにして、データ基板111、紫外線硬化性樹脂原料層104a及びスタンパ110を備えた接着体112'が得られる。なお、本実施形態の接着体112'においては、第1樹脂層104a1及び第2樹脂層104a2はいずれも半硬化状態となっているものとして説明する。
以上のようにすれば、第一実施形態と同様に、良好な凹凸形状を有する、欠陥の少ない中間層104を備えた光記録媒体100(図1(g)参照)を製造することができる。また、本実施形態の光記録媒体の製造方法によれば、第一実施形態と同様の利点を得ることができる。
上記の第一及び第二実施形態では、製造対象となる光記録媒体の例として、有機色素を含む2つの記録層を有するデュアルレイヤタイプの片面2層DVD−Rを例に挙げて説明したが、本発明の光記録媒体の製造方法を適用しうる光記録媒体はこれに限られるものではない。即ち、基板と、記録層と、凹凸形状を有する中間層とを有し、記録層上に、直接又は他の層を介して、樹脂原料層を形成し、樹脂原料層上に転写用凹凸形状を有するスタンパを載置し、樹脂原料層を硬化させた後、樹脂原料層からスタンパを剥離し、樹脂原料層にスタンパの転写用凹凸形状を転写して中間層を形成する工程を含む製造方法によって製造される光記録媒体又は光記録媒体用積層体であれば本発明を適用することができ、これにより、本発明の効果が良好に発揮される。したがって、追記型のDVD−Rのみならず、再生専用のDVD−ROM、書換可能型のDVD−RW、DVD−RAM等はもちろん、短波長青色レーザを用いることによって高密度記録を可能とするHD DVD−ROM、HD DVD−R、HD DVD−RW等にも好適に用いることが出来る。更に、上記いわゆる基板面入射型の光記録媒体のみならず、Blu−ray ディスク等(BD−ROM、BD−R、BD−RE等)のいわゆる膜面入射型の光記録媒体の製造においても、本発明の製造方法を適用することが出来る。
さらに、例えば、本発明の光記録媒体の製造方法は、記録層を3層以上有し、中間層を2層以上有する光記録媒体に適用することもできる。この場合、2層以上の中間層のそれぞれを形成するために、上記実施形態で説明した中間層の形成方法を適用することができる。
また、本発明の光記録媒体の製造方法を適用しうる光記録媒体としては、一度の記録のみ可能な追記型媒体(CD−RやDVD−RなどのWrite Once媒体)や、記録消去を繰り返し行なえる書き換え型媒体(CD−RWやDVD−RWなどのReWritable媒体)が好適であるが、再生専用媒体(CD−ROMやDVD−ROMなどのROM媒体)を排除するものではない。特に、本発明の光記録媒体の製造方法は、追記型媒体に適用した場合に、安定した記録・再生特性を発現することが出来るため好ましい。
第1基板101は、光透過性を有し、複屈折率が小さい等、光学特性に優れることが望ましい。一方、膜面入射型の構成の場合には、記録・再生用のレーザ光に対して透明性や複屈折に対する制限は無い。
第1基板101は、吸湿性が小さいことが望ましい。更に、第1基板101は、光記録媒体がある程度の剛性を有するよう、形状安定性を備えることが望ましい。
DVD系の光記録媒体では、溝深さは通常10nm以上、250nm以下である。青色レーザ用の光記録媒体では、溝深さは通常10nm以上、200nm以下である。
第1記録層102は、通常、CD−Rや片面型DVD−R等に用いられる光記録媒体に用いる記録層に比較して、より高感度であることが望ましい。例えば、上記の実施形態に適用する場合、光記録媒体100においては、通常、第1反射層103を半透明反射膜とする。このため、入射したレーザ光109の半分は第1反射層103を透過する。この結果、第1記録層102に入射するレーザ光109のパワーは半減することになる。したがって、入射したレーザ光の約半分のパワーで第1記録層102に対する記録が行われることになるために、第1記録層102は、特に感度が高いことが望ましい。
有機色素材料としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素等)、ピロメテン系色素、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。なお、これらの色素は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
第1反射層103は、記録再生光の吸収が小さく、光透過率が通常40%以上あり、かつ、適度な光反射率を有することが望ましい。第1反射層103の具体的な構成の例としては、反射率の高い金属を薄く設けることにより適度な透過率を持たせた層が挙げられる。さらに、第1反射層103は、ある程度の耐食性があることが望ましい。また、第1反射層103の上層(上記の実施形態では中間層104)からの他の成分の浸み出しにより第1記録層102が影響されないような遮断性を持つことが望ましい。
中間層104は、透明、且つ、溝やピットの凹凸形状が形成可能であり、また、接着力が高い樹脂から構成される。さらに、硬化接着時の収縮率が小さい樹脂を用いると、媒体の形状安定性が高く好ましい。
また、中間層104は、第一実施形態のような単層膜としてもよく、第二実施形態のような多層膜にしてもよい。
中間層104の材料の中でも、放射線硬化性樹脂が好ましく、その中でも、紫外線硬化性樹脂が好ましい。これらの樹脂の採用により、スタンパの凹凸形状の転写が行いやすくなる。
ラジカル系紫外線硬化性樹脂は、例えば、紫外線硬化性化合物(ラジカル系紫外線硬化性化合物)と光重合開始剤を必須成分として含む組成物が用いられる。ラジカル系紫外線硬化性化合物としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用いることができる。これらは、各々、一種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。なお、ここで、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称する。
また、光重合開始剤に制限はないが、例えば、分子開裂型または水素引き抜き型のものが好ましい。本発明においては、ラジカル重合型のアクリル酸エステルを主体とする未硬化の紫外線硬化樹脂前駆体を用いて、これを硬化させて中間層を得ることが好ましい。
また、カチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。
さらに、中間層104の膜厚は、正確に制御されることが好ましく、通常5μm以上、好ましくは10μm以上が望ましい。但し、通常、100μm以下、好ましくは70μm以下である。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いた中間層104は、適当な溶剤に熱可塑性樹脂等を溶解して塗布液を調製する。この塗布液を塗布し、乾燥(加熱)することによって、中間層104を形成することができる。
一方、放射線硬化性樹脂を用いた中間層104は、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。放射線硬化性樹脂を用いた中間層104は、この塗布液を塗布し、適当な放射線を照射して硬化させることによって形成することができる。
第2記録層105は、前述した第1記録層102の場合と同様に、通常CD−Rや片面型DVD−R等の光記録媒体に用いる記録層より高感度であることが望ましい。また、第2記録層105は、良好な記録・再生を実現するためには低発熱で高屈折率な色素であることが望ましい。更に、第2記録層105と第2反射層106との組合せにおいて、光の反射及び吸収を適切な範囲とすることが望ましい。
なお、第1記録層102と第2記録層105とに用いる材料は、同じでも良いし、異なっていてもよい。
第2記録層105に使用される具体的な化合物は限定されず、第1記録層102と同様の化合物が好適に使用される。
一般に、アモルファス半導体材料で構成される記録層に較べ、有機色素材料で構成される記録層の方が案内溝が深い。このため、特に第2記録層105を有機色素材料を含有する層とする場合、中間層104に形成された深い溝形状を維持したまま第2記録層105を形成することは困難になる。しかしながら、本発明においては、第2記録層として有機色素材料を含有する場合であっても、中間層104との親和性が良好であるため、中間層104上に形成された凹凸形状を記録層の凹凸として良好に反映することが出来る。従って、本発明によれば、特に第2記録層105として有機色素材料を含有する場合において、その効果は顕著である。
第2反射層106は、高反射率、かつ高耐久性であることが望ましい。
また、第2反射層106の上下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために、公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
接着層107は、接着力が高く、硬化接着時の収縮率が小さいと、光記録媒体100の形状安定性が高くなり、好ましい。また、接着層107は、第2反射層106にダメージを与えない材料からなることが望ましい。さらに、ダメージを抑えるために第2反射層106,接着層107の間に公知の無機系または有機系の保護層を設けることもできる。
また、接着層107の膜厚は、通常、2μm以上、好ましくは5μm以上である。但し、光記録媒体100をできるだけ薄くするために、また、硬化に時間を要して生産性が低下する等のことを抑制するために、接着層107の膜厚は、通常、100μm以下が好ましい。
なお、接着層107としては、感圧式両面テープ等も使用可能である。感圧式両面テープを第2反射層106と第2基板108との間に挟んで押圧することにより、接着層107を形成できる。
第2基板108は、機械的安定性が高く、剛性が大きいことが好ましい。また接着層107との接着性が高いことが望ましい。
このような第2基板108の材料としては、第1基板101に用いうる材料と同様のものを用いることができる。また、上記材料としては、例えば、Alを主成分としたAl−Mg合金等のAl合金基板や、Mgを主成分としたMg−Zn合金等のMg合金基板、シリコン、チタン、セラミックスのいずれかからなる基板やそれらを組み合わせた基板等を用いることもできる。また、第2基板108の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、光記録媒体100に十分な剛性を持たせるために、第2基板108はある程度厚いことが好ましく、第2基板108の厚さは、0.3mm以上が好ましい。但し、通常3mm以下、好ましくは1.5mm以下である。
光記録媒体100は、上記の積層構造において、必要に応じて1層又は2層以上の任意の他の層を挟んでもよい。或いは、光記録媒体100の最外面に1層又は2層以上の任意の他の層を設けてもよい。更に、光記録媒体100には、必要に応じて、記録光又は再生光の入射面ではない面に、インクジェット、感熱転写等の各種プリンタ、或いは各種筆記具にて記入(印刷)が可能な印刷受容層を設けてもよい。さらに、光記録媒体100を2枚、第1基板101を外側にして貼合わせてもよい。光記録媒体100を2枚貼り合わせることにより、記録層を4層有する大容量の媒体を得ることができる。
このような本実施形態の光記録媒体の製造方法は、例えば、図4に示すような光記録媒体の製造装置1により行なうことができる。即ち、この製造装置1は、第1記録層形成工程の操作を行なう第1記録層形成装置2と、第1反射層形成工程の操作を行なう第1反射層形成装置3と、樹脂原料層形成工程の操作を行なう樹脂原料層形成装置4と、樹脂原料層硬化工程の操作を行なう樹脂原料層硬化装置5と、スタンパ剥離工程の操作を行なうスタンパ剥離装置6と、樹脂原料層の表面改質処理工程の操作を行う表面改質処理装置7と、第2記録層形成工程の操作を行なう第2記録層形成装置8と、第2反射層形成工程の操作を行なう第2反射層形成装置9と、第2基板形成工程の操作を行なう第2基板形成装置10と、光記録媒体100及びその製造途中の中間品をこれらの各装置2〜10の間で前記の順に搬送する搬送装置11とを備えて構成される。
本実施例はHD DVD−R−DL(2層媒体)の例であるが、本発明の効果を確認するため、第1記録層および第1反射層は省略して光記録媒体を作製し、評価した。第1記録層および第1反射層を省略した場合であっても、本発明の効果がHD DVD−R−DLに適用できることは、以下の実施例により十分検証することができる。
(1−1)スタンパの用意
ポリカーボネート(PC)を材料として、射出成形法により、内径15mmの中心孔を有する、外径120mm、厚さ0.60mmの円盤状のスタンパ(以下、PC1スタンパという場合がある。)を形成した。射出成形は、トラックピッチ0.4μm、幅0.23μm、深さ65nmの案内溝を有するニッケル製原盤を使用した。なお、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により、PC1スタンパには、ニッケル製原盤の案内溝(凹凸)が正確に転写されたことが確認された。
ニッケルスタンパを用いてポリカーボネートを射出成形し、トラックピッチ0.4μm、幅0.23μm、深さ60nmの溝が形成された、直径120mm、厚さ0.58mmの基板(第1基板)を得た。
次に、第1基板上に、第1樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製SD6036)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約18μmの膜(第1樹脂層)を形成した。一方、PC1スタンパの案内溝が形成された面に、第2樹脂層(最外樹脂層)を形成するための所定の紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製MPZ388)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約7μmの膜(第2樹脂層)を形成した。
PC1スタンパを剥離した後、直ちに第2樹脂層の上から紫外線を照射することによって表面改質処理を行い、中間層を形成した。この際の紫外線の照射量は、350mJ/cm2とした。
第一基板上に中間層を設け、表面改質処理を施したものを、25℃、相対湿度42%のクリーンブース内で12時間放置した後、該中間層の上に、含金属アゾ色素のテトラフルオロプロパノール溶液(濃度1.0重量%)を滴下してスピナー法により塗布した。塗布後、70℃で30分間乾燥し、第2記録層を形成した。なお、第2記録層は、波長470nmのレーザでOD値が0.15となるように塗布条件を調整した。
さらに、第2反射層上に、紫外線硬化性樹脂をスピンコートして接着層を設けた。そして、この接着層上に直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を載置して第2基板とし、紫外線を照射し硬化接着させた。
このようにして、光記録媒体を製造した。
上記方法で製造した光記録媒体から得られるPush−Pull信号を測定した。数値が大きいほど、記録特性が良好である。なお、Push−Pull信号は下記式で定義される。
、(I1+I2)信号の最大値である。(I1+I2)minは(I1+I2)信号の最小値であ
る。また、(I1)は、光記録媒体からの再生信号を4分割フォトディテクタにより、4
分割されたディテクタ(PD1、PD2、PD3、PD4)として受光したとき、案内溝の仮想中心に対して左側に位置するPD1及びPD2の出力の和である(I1=PD1+
PD2)。(I2)は、案内溝の仮想中心に対して右側に位置するPD3及びPD4の出
力の和である(I2=PD3+PD4)。
接着体形成時の紫外線照射量および表面改質処理時の紫外線照射量を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造した。なお、何れの製造においても、PC1スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べ
とつきがあり、半硬化状態であることが確認された。
得られた光記録媒体を、実施例1と同様の方法にてPush−Pull信号の測定を行った。その結果を表1に示す。
PC1スタンパの代わりに非晶質ポリオレフィンを用いて実施例1と同様にしてスタンパを製造した(APO1スタンパという場合がある。)。このAPO1スタンパを用い、接着体形成時の紫外線照射量および表面改質処理時の紫外線照射量を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造した。なお、何れの製造においても、APO1スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べとつきがあり、半硬化状態であることが確認された。
得られた光記録媒体を、実施例1と同様の方法にてPush−Pull信号の測定を行った。その結果を表1に示す。
このことから、本発明の製造法によれば、光による情報の記録・再生が安定した光記録媒体を得られることが推察される。
(3)光記録媒体の作製
(3−1)スタンパの用意
ポリカーボネート(PC)を材料として、射出成形法により、内径15mmの中心孔を有する、外径120mm、厚さ0.60mmの円盤状のスタンパ(以下、PC2スタンパという場合がある。)を形成した。射出成形は、トラックピッチ0.74μm、幅0.32μm、深さ175nmの案内溝を有するニッケル製原盤を使用した。なお、原子間力顕微鏡により、PC2スタンパには、ニッケル製原盤の案内溝(凹凸)が正確に転写されたことが確認された。
ニッケルスタンパを用いてポリカーボネートを射出成形し、トラックピッチ0.74μm、幅0.33μm、深さ160nmの溝が形成された、直径120mm、厚さ0.57mmの基板(第1基板)を得た。
さらに、第1記録層上に、Ag−Bi(Bi:1.0原子%)からなるAg合金を用いて、厚さ17nmの半透明の第1反射層をスパッタリング法により成膜した。
次に、第1反射層上に、第1樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製SD6036)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約35μmの膜(第1樹脂層)を形成した。一方、PC2スタンパの案内溝が形成された面に、第2樹脂層(最外樹脂層)を形成するための所定の紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製MPZ388)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約13μmの膜(第2樹脂層)を形成した。
外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べとつきがあり、半硬化状態であることが確認された。
基板の上に第1記録層、第1反射層及び中間層を設け、表面改質処理を施したものを、25℃、相対湿度42%のクリーンブース内で12時間放置した後、該中間層の上に、含金属アゾ色素のテトラフルオロプロパノール溶液(濃度1.1重量%)を滴下してスピナー法により塗布した。塗布後、70℃で30分間乾燥し、第2の記録層を形成した。なお、第2記録層は、波長590nmのレーザでOD値が0.59となるように塗布条件を調整した。
さらに、第2反射層上に、紫外線硬化性樹脂をスピンコートして接着層を設けた。次いで、この接着層上に直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を載置して第2基板とし、紫外線を照射し硬化接着させた。
このようにして、2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した。
上記方法で製造した光記録媒体の第2記録層から得られるPush−Pull信号を測定した。数値が大きいほど、記録特性が良好である。なお、Push−Pull信号は、パルステック工業社製ODU1000を使用し、波長650nmのレーザ光を用い、再生パワー0.7mWとした。光記録媒体上の半径位置23mm、40mm、および58mmの位置でそれぞれ測定したPush−Pull信号の測定結果を表2に示す。
上記方法で製造した光記録媒体について、第2記録層形成前後における案内溝の溝深さ及び溝幅を、半径位置25mm、40mm及び55mmでそれぞれ測定した。測定は、dr.schwab社製、UMDS argus plusを用いた。第2記録層形成前については、表面改質処理後の中間層表面を測定した。第2記録層形成後については、さらに第2反射層を形成した後、第2反射層表面を測定した。その結果を表3に示す。
接着体形成時の紫外線照射量および表面改質処理時の紫外線照射量を表2に示す通りとした以外は実施例7と同様にして2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した。なお、何れの製造においても、PC2スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べとつきがあり、半硬化状態であることが確認された。
得られた光記録媒体を、実施例7と同様の方法にてPush−Pull信号の測定を行った。その結果を表2に示す。また、比較例5について、実施例7と同様の方法にて第2記録層形成前後の案内溝形状の測定を行った結果を表3に示す。
PC2スタンパの代わりに非晶質ポリオレフィンを用いて実施例7と同様にしてスタンパを製造した(APO2スタンパという場合がある。)。APO2スタンパを用い、接着体形成時の紫外線照射量および表面改質処理時の紫外線照射量を表2に通りとした以外は実施例7と同様にして2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した。なお、何れの製造においても、APO2スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べとつきがあり、半硬化状態であることが確認された。
得られた光記録媒体を、実施例7と同様の方法にてPush−Pull信号の測定を行った。その結果を表2に示す。
このことから、本発明の製造法によれば、光による情報の記録・再生が安定した光記録媒体を得られることが確認された。
(6)光記録媒体の作製
(6−1)スタンパの用意
非晶質ポリオレフィンを材料として、射出成形法により、内径15mmの中心孔を有する、外径80mm、厚さ0.60mmの円盤状のスタンパ(以下、APO3スタンパという場合がある。)を形成した。射出成形は、トラックピッチ0.74μm、幅0.32μm、深さ175nmの案内溝を有するニッケル製原盤を使用した。なお、原子間力顕微鏡により、APO3スタンパには、ニッケル製原盤の案内溝(凹凸)が正確に転写されたことが確認された。
ニッケルスタンパを用いてポリカーボネートを射出成形し、トラックピッチ0.74μm、幅0.33μm、深さ160nmの溝が形成された、直径80mm、厚さ0.57mmの基板(第1基板)を得た。
さらに、第1記録層上に、Ag−Bi(Bi:1.0原子%)からなるAg合金を用い
て、厚さ17nmの半透明の第1の反射層をスパッタリング法により成膜した。
次に、第1反射層上に、第1樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製SD6036)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約35μmの膜(第1樹脂層)を形成した。一方、APO3スタンパの案内溝が形成された面に、第2樹脂層(最外樹脂層)を形成するための所定の紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製MPZ388)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約13μmの膜(第2樹脂層)を形成した。
(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べとつきがあり、半硬化状態であることが確認された。
基板の上に第1記録層、第1の反射層及び中間層を設け、表面改質処理を施したものを、25℃、相対湿度42%のクリーンブース内に設置した後、直ちに、該中間層の上に、含金属アゾ色素のテトラフルオロプロパノール溶液(濃度1.1重量%)を滴下してスピナー法により塗布した。塗布後、70℃で30分間乾燥し、第2の記録層を形成した。なお、第2記録層は、波長590nmのレーザでOD値が0.59となるように塗布条件を調整した。
さらに、第2の反射層上に、紫外線硬化性樹脂をスピンコートして接着層を設けた。そして、この接着層上に直径80mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を載置して第2基板とし、紫外線を照射し硬化接着させた。
このようにして、2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した。
上記方法で製造した光記録媒体の第2記録層から得られるPush−Pull信号を測定した。数値が大きいほど、記録特性が良好である。
Push−Pull信号は、パルステック工業社製ODU1000を使用し、波長650nmのレーザ光を用い、再生パワー0.7mWとした。光記録媒体上の半径位置23mm、33mm、および38mmの位置でそれぞれ測定したPush−Pull信号の測定結果を表4に示す。
上記方法で製造した光記録媒体について、周方向に起こり易い溝抜けや半径方向に起こり易い剥離キズの有無を、光学顕微鏡で観察した。
接着体形成時の紫外線照射量および表面改質処理時の紫外線照射量を表4に示す通りとした以外は実施例12と同様にして2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した
。なお、実施例13、14、比較例9〜11の製造においては、APO3スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、べとつきがあり、半硬化状態であることが確認された。実施例15および比較例12の製造においては、APO3スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったところ、ほとんどべとつきは感じられなかった。
得られた光記録媒体を、実施例12と同様の方法にて、Push−Pull信号の測定及び剥離キズの確認を行った。その結果を表4に示す。
このことから、本発明の製造法によれば、光による情報の記録・再生が安定した光記録媒体を得られることが推察される。
(9)光記録媒体の作製
(9−1)スタンパの用意
スタンパとしては、実施例7で用いたPC2スタンパと同様のスタンパを用いた。このスタンパを、以下適宜、PC3スタンパという。
ニッケルスタンパを用いてポリカーボネートを射出成形し、トラックピッチ0.74μm、幅0.33μm、深さ160nmの溝が形成された、直径120mm、厚さ0.57mmの基板(第1基板)を得た。
燥し、第1記録層を形成した。なお、第1記録層は、波長590nmのレーザでOD値が0.53となるように塗布条件を調整した。
次に、第1反射層上に、第1樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製SD6036)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約35μmの膜(第1樹脂層)を形成した。一方、PC3スタンパの案内溝が形成された面に、第2樹脂層(最外樹脂層)を形成するための所定の紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製MPZ388)を円形に滴下し、スピナー法により厚さ約13μmの膜(第2樹脂層)を形成した。
基板の上に第1記録層、第1反射層及び中間層を設け、表面改質処理を施したものを、25℃、相対湿度42%のクリーンブース内で12時間放置した後、該中間層の上に、含金属アゾ色素のテトラフルオロプロパノール溶液(濃度1.1重量%)を滴下してスピナー法により塗布した。塗布後、70℃で30分間乾燥し、第2記録層を形成した。なお、第2記録層は、波長590nmのレーザでOD値が0.59となるように塗布条件を調整した。
さらに、第2反射層上に、紫外線硬化性樹脂をスピンコートして接着層を設けた。そして、この接着層上に直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を載置して第2基板とし、紫外線を照射し硬化接着させた。
このようにして、2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した。
上記方法で製造した光記録媒体の第2記録層から得られるPush−Pull信号を測定した。数値が大きいほど、記録特性が良好である。
Push−Pull信号は、パルステック工業社製ODU1000を使用し、波長650nmのレーザ光を用い、再生パワー0.7mWとした。光記録媒体上の半径位置23mm、40mm、および58mmの位置でそれぞれ測定したPush−Pull信号の測定結果を表5に示す。
接着体形成時の紫外線照射量および表面改質処理時の加熱処理条件を表5に示す通りとした以外は実施例16と同様にして2つの記録層を有する多層型の光記録媒体を製造した。なお、PC3スタンパを剥離した後に第2樹脂層(最外樹脂層)の表面を指で触ったと
ころ、何れも、ほとんどべとつきは感じられなかった。
得られた光記録媒体を、実施例16と同様の方法にてPush−Pull信号の測定を行った。その結果を表5に示す。
このことから、本発明の製造法によれば、光による情報の記録・再生が安定した光記録媒体を得られることが推察される。
2 第1記録層形成装置
3 第1反射層形成装置
4 樹脂原料層形成装置
5 樹脂原料層硬化装置
6 スタンパ剥離装置
7 表面改質処理装置
8 第2記録層形成装置
9 第2反射層形成装置
10 第2基板形成装置
11 運搬装置
100 光記録媒体
101 第1基板
102 第1記録層
103 第1反射層
104 中間層
104a 樹脂原料層(紫外線硬化性樹脂原料層)
104a1 第1樹脂層
104a2 第2樹脂層(最外樹脂層)
105 第2記録層
106 第2反射層
107 接着層
108 第2基板
109 レーザ光
110 スタンパ
111 データ基板
112,112' 接着体
113 光記録媒体用積層体
Claims (9)
- 凹凸形状を有する中間層を備えた光記録媒体の製造方法であって、
基板上に、直接又は他の層を介して、照射される光により情報が記録される第1記録層を形成する工程と、
前記第1記録層上に、直接又は他の層を介して、樹脂原料層と前記凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を有するスタンパとをこの順に載置した状態で、前記樹脂原料層を硬化させて、前記基板、前記第1記録層、前記樹脂原料層及び前記スタンパを備えた接着体を得る工程と、
前記樹脂原料層から前記スタンパを剥離して前記樹脂原料層に前記転写用凹凸形状を転写した後に、前記転写用凹凸形状が転写された前記樹脂原料層の硬化を促進させる表面改質処理を施して前記中間層を形成する工程と、
前記中間層上に、照射される光により情報が記録される第2記録層を形成する工程と、を有し、
前記第2記録層が、有機色素材料を含有する
ことを特徴とする、光記録媒体の製造方法。 - 前記表面改質処理が、放射線照射処理及び/又は加熱処理である
ことを特徴とする、請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。 - 前記表面改質処理が、照射量50〜1000mJ/cm2の紫外線照射による
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の光記録媒体の製造方法。 - 前記表面改質処理が、加熱温度40〜120℃の加熱処理による
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の光記録媒体の製造方法。 - 前記接着体を得る工程における前記樹脂原料層の硬化が、半硬化状態までの硬化であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
- 前記スタンパが、ポリカーボネート系樹脂製である
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光記録媒体の製造方法。 - 前記樹脂原料層が複数の樹脂層から構成されたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光記録媒体の製造方法。
- 前記樹脂原料層が複数の樹脂層から構成され、且つ、
前記複数の樹脂層のうち最外樹脂層の硬化が、半硬化状態までの硬化である
ことを特徴とする、請求項5記載の光記録媒体の製造方法。 - 基板、第1記録層、第2記録層、及び、凹凸形状を有する中間層を少なくとも備えた光記録媒体の製造装置であって、
前記基板上に、直接又は他の層を介して、前記第1記録層を形成する手段と、
前記第1記録層上に、直接又は他の層を介して、樹脂原料層を形成する手段と、
前記樹脂原料層上に、前記凹凸形状に対応した転写用凹凸形状を有するスタンパを載置した状態で、前記樹脂原料層を硬化させて、前記基板、前記第1記録層、前記樹脂原料層及び前記スタンパを備えた接着体を得る手段と、
前記接着体から前記スタンパを剥離し、前記樹脂原料層に前記転写用凹凸形状を転写する手段とを備え、かつ、
前記転写用凹凸形状が転写された前記樹脂原料層の硬化を促進させる表面改質処理を施す手段と、
前記樹脂原料層上に、有機色素原料を含有する前記第2記録層を形成する手段と、を有する
ことを特徴とする、光記録媒体の製造装置。
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