JP4642539B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の目的は、透明基板上に設けられた複数の記録層の記録特性が良好な光記録媒体を提供することにある。
上述の通り、中間層の上に形成された記録層の記録特性を劣化させる要因の1つとして、記録層の発熱による、中間層に形成された溝の変形が考えられる。従って、中間層に形成された溝の変形を抑制することにより、上記記録層の記録特性を改良できると考えられる。この観点から、中間層上に形成される記録層の記録特性の改良を実現する手段として、以下のものを挙げることができる。
つまり、第1は、中間層の耐熱性を上げて、熱による溝の変形を抑制する手段である。第2は、記録層で発生する熱の放熱性を上げることにより、中間層に拡散する熱を低減して、熱による中間層の溝の変形を抑制する手段である。第3は、上記第1と上記第2とを合わせる手段である。つまり、中間層の耐熱性と記録層の放熱性とのバランスをとることによって、中間層の溝の変形を抑制する手段である。
最外樹脂層には、中間層を形成する他の樹脂層とは異なる弾性率を有する樹脂を用いる。
最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とする。
基板を樹脂で形成し、(最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率)≧(基板を形成する樹脂の150℃における弾性率)とする。
最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を、中間層を形成する他の樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率よりも高くする。
最外樹脂層に用いる樹脂の収縮率を6%以上とする。
最外樹脂層の厚さを、中間層全体の厚さの5%以上とする。
最外樹脂層以外の樹脂層に、30℃における弾性率が1500MPa以下の樹脂を用いる。
最外樹脂層以外の樹脂層に、収縮率が4%以下の樹脂を用いる。
中間層を、3層の樹脂層で構成する。
つまり、中間層が、第1層と第2層とから構成され、それぞれの層に弾性率が異なる樹脂を用いる態様である。
上記態様においては、上記中間層は、第1層と第2層とから構成され、第2層を構成する樹脂が、第1層を構成する樹脂よりも高い弾性率を有することが好ましい。第2層を構成する樹脂を高い弾性率を示す樹脂を用いて構成することにより、第2層に形成されたグルーブの変形が防止される。
上記態様においては、中間層は、第1層と第2層とから構成され、第2層を構成する樹脂の150℃における弾性率が300MPa以上であることが好ましい。このような弾性率を有する樹脂を用いることによって、第2層に接する記録層の記録特性を向上させることができる。
上記態様においては、第2層を構成する樹脂の収縮率が6%以上であることが好ましい。第2層を構成する樹脂の収縮率が6%以上であることを特徴とすれば、樹脂スタンパとの剥離性が改善される。
上記態様においては、第1層の厚さ(Da)と第2層の厚さ(Db)との関係が、(Da/Db)=(1/4)〜(4/1)であることが好ましい。積層構造である中間層を構成する第1層の厚さ(Da)と第2層の厚さ(Db)との関係がこのような範囲である場合、基板の反りを効果的に抑制することが可能である。
上記態様においては、中間層は、30℃における弾性率が1500MPa以下の樹脂からなる第1層と、第1層上に積層され、150℃における弾性率が300MPa以上である樹脂からなる第2層と、から構成されることが好ましい。
上記態様においては、第1層を構成する樹脂の収縮率が4%以下であることが好ましい。
本発明においては、中間層を構成する樹脂層が紫外線硬化性樹脂から構成されることが好ましい。紫外線硬化性樹脂は、透明度が高く、硬化時間が短く製造上有利である。また、中間層を構成する樹脂層の層構成の制御も容易である。このため、第2の記録層におけるパワーマージンを広げやすくなる。
また、本発明においては、記録層が有機色素を含有することが好ましい。記録の際に、有機色素は融解又は化学反応して発熱する。そして、この発熱によって、中間層に形成された溝の変形が起き易くなる。このため、記録層に有機色素を用いることによって、本発明の効果がより顕著に発揮されることとなる。
また、本発明においては、第1の記録層と中間層との間に第1の反射層を、第2の記録層の上に第2の反射層を設け、(第2の反射層の膜厚)/(第1の反射層の膜厚)を、2以上、20以下とすることが好ましい。つまり、第2の反射層の膜厚を第1の反射層の膜厚よりも十分厚くすることにより、第2の記録層での放熱性を確保しやすくなる。この結果、第2の記録層のパワーマージン等の記録特性を良好にしやすくなる。
本実施の形態が適用される光記録媒体は、基板上に設けられ、照射された光により情報の記録再生が可能な少なくとも2個の記録層と、2個の記録層間に設けられた中間層と、を備え、2個の記録層のうち、基板からみて近い側の記録層を第1の記録層、基板からみて遠い側の記録層を第2の記録層とし、中間層の両面のうち基板側とは反対側の面に、記録トラック用の所定の溝が形成されており、中間層が複数の樹脂層から構成され、記録トラック用の所定の溝を形成する樹脂層を最外樹脂層とし、第1の記録層におけるパワーマージンよりも、第2の記録層におけるパワーマージンの方が広いことを特徴とする。
パワーマージンの規定方法として、より具体的には、以下の方法を挙げることができる。つまり、DVD等の光ディスクの種類によって決められる規格の下で、記録とジッタの測定とを行う。そして、ジッタが9%以下となる記録パワーP1、P2を求める。さらに、(P2−P1)/{(P2+P1)/2}を算出して、これをパワーマージンと規定する。
(a)中間層の耐熱性を上げて、熱による溝の変形を抑制する手段。
(b)記録層で発生する熱の放熱性を上げることにより、中間層に拡散する熱を低減して、熱による中間層の溝の変形を抑制する手段。
(c)中間層の耐熱性と記録層の放熱性とのバランスをとることによって、中間層の溝の変形を抑制する手段。
(I)中間層による実現
第2の記録層のパワーマージンを第1の記録層におけるパワーマージンよりも広くする具体的な例を以下に示す。
つまり、中間層を複数の樹脂層で構成し、記録トラック用の所定の溝を形成する樹脂層を最外樹脂層とする。さらに、下記(1)〜(3)の少なくとも1つを満たすようにする。
(1)最外樹脂層には、中間層を形成する他の樹脂層とは異なる弾性率を有する樹脂を用いる。
(2)最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とする。
(3)基板を樹脂で形成する場合に、(最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率)≧(基板を形成する樹脂の150℃における弾性率)とする。
図3は、本実施の形態が適用される光記録媒体の一例を示す模式図である。図3に示された光記録媒体300は、表面に形成された記録トラック用の溝を有するディスク状の光透過性の第1の基板301と、この第1の基板301上に、第1の基板301を介して照射されたレーザ光310により情報の記録・再生が行われる第1の記録層302と、第1の基板301側から入射したレーザ光310のパワーを振り分ける半透明の第1の反射層303と、中間層304と、が積層されている。さらに、中間層304上に、中間層304を透過したレーザ光310により情報の記録再生が行われる第2の記録層305と、第2の記録層305を透過したレーザ光310を反射する第2の反射層306と、が順番に積層されている。そして、第2の反射層306上に、接着層307と、最外層を形成するダミー基板である第2の基板308とが、順番に積層された構造を有している。
ここで、中間層304は、第1の基板301の側とは反対側の面(面A)に、記録トラック用の所定の溝が形成されている。そして、中間層304は、複数の樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b・・・最外樹脂層304c)から構成されている。
尚、通常、第1の反射層303により反射されたレーザ光310の一部及び第2の反射層306により反射されたレーザ光310の一部は、それぞれ、レーザ光310を集光するためのフォーカシング(図示せず)に利用される。また、通常、ダミー基板である第2の基板308は、接着層307により第2の反射層306上に積層される。そして、第2の基板308は、光記録媒体300の最外層を形成すると共に、光記録媒体300に剛性を付与する。これにより、光記録媒体300の形状の安定性が保たれる。上述の通り、第1の基板301及び中間層304上にはそれぞれ凹凸状の溝が形成され、それぞれ記録トラックを構成している。
「光透過性(又は透明)」とは、具体的には、記録・再生のための光の波長について50%以上、好ましくは60%以上の透過性があることをいう。尚、光透過性の上限は、理想的には100%である。
(1)最外樹脂層304cには、中間層304を形成する他の樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b・・・)とは異なる弾性率を有する樹脂を用いる。
(2)最外樹脂層304cに用いる樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とする。
(3)第1の基板301を樹脂で形成する場合に、(最外樹脂層304cに用いる樹脂の150℃における弾性率)≧(第1の基板301を形成する樹脂の150℃における弾性率)とする。
本発明者等の検討によれば、最外樹脂層304cの溝形状が大きく変形すると、第2の記録層305における記録特性(例えば、ジッタ特性やPush−Pull特性)が不充分になりやすいことが分かった。このため、本発明においては、上記(1)〜(3)の少なくとも1つの条件を満たすようにする。これら(1)〜(3)は、具体的には、最外樹脂層304cを、溝の変形を抑制するような硬い樹脂(耐熱性の高い樹脂)で形成することが好ましいことを示すものである。
尚、弾性率とは、所定の動的粘弾性測定機にて測定された動的弾性率である。
つまり、第1の理由は、最外樹脂層304cの耐熱性を上げて、第2の記録層305の発熱に起因する溝の変形を抑制するためである。また、第2の理由は、最外樹脂層304cに用いる材料と第1の基板301に用いる材料とのバランスを考慮することにより、第2の記録層305の発熱に起因する、最外樹脂層304cに形成された溝の変形を抑制するためである。
第2の記録層305は、記録を行った場合に発熱が生じる。従って、記録トラック用の溝が形成された最外樹脂層304cも、記録層の発熱により温度が上昇する。このような高温の状態においても、最外樹脂層304cが弾性体としての性質を保つことができれば、最外樹脂層304cの変形が抑制されやすくなると考えられる。そして、最外樹脂層304cの変形が抑制されれば、第2の記録層305の記録特性を良好にしやすい。従って、最外樹脂層304cは、150℃という高温において、所定の弾性率を有することが好ましいと考えられる。換言すれば、最外樹脂層304cは、150℃という高温において弾性体としての性質を保つことが好ましいと考えられる。
即ち、従来、色素を記録層に用いる光ディスクの分野においては、150℃における弾性率が200MPa程度の紫外線硬化性樹脂等が使用されていた。このような高温(150℃)における弾性率が比較的低い樹脂を用いて、色素を含有する2個の記録層の間に中間層を形成すると、第2層目の記録層に記録を行う場合に、記録層に含まれる色素の化学変化に伴う発熱により、中間層に形成された溝形状が変形しやすいことが分かった。そして、その結果、第2層目の記録層の記録特性が低下しやすくなることが分かった。
これに対して、表面に記録トラックの溝を有する最外樹脂層304cを、150℃における弾性率が300MPa以上である樹脂を用いて形成すると、第2の記録層305の表面に形成された記録トラックのグルーブが充分な強度を有する。このため、第2の記録層305に情報を記録する際に、色素の発熱反応に起因すると考えられるグルーブの変形が抑制されるのである。
第2の理由は、最外樹脂層304cに用いる材料と第1の基板301に用いる材料とのバランスを考慮することにより、第2の記録層305の発熱に起因する、最外樹脂層304cに形成された溝の変形を抑制するためである。つまり、第1の基板301を樹脂で形成する場合には、記録の際の第1の記録層302の発熱による第1の基板301の溝の変形を抑制するために、第1の基板301は、十分な硬さを有する樹脂で形成されるのが通常である。これは、上記最外樹脂層304cの場合と同様に、記録の際に第1の基板301の溝の変形を抑制することにより、第1の記録層302の記録特性を向上させるためである。
このため、最外樹脂層304cを形成する樹脂の150℃における弾性率を、ポリカーボネート樹脂の150℃での弾性率以上とすれば、第2の記録層305での記録特性の向上が期待できる。例えば、最外樹脂層304cに用いる樹脂の150℃における弾性率を950MPa以上とすれば、実質的に、第1の基板301以上の硬さを、中間層304に付与できると考えられる。この結果、例えば、第2の記録層305のパワーマージンを第1の記録層302のパワーマージンよりも広くすることができる利点が発揮されやすくなる。
尚、150℃における弾性率が300MPa以上の場合は、一般的に、樹脂のガラス転移温度が高くなる傾向にある。具体的には、150℃における弾性率が300MPa以上の樹脂のガラス転移温度は、通常、140℃以上となる。一方、ガラス転移温度の上限は、通常、200℃となる。
一方で、現実的には、(最外樹脂層304cに用いる樹脂の150℃における弾性率)≦3×(第1の基板301を形成する樹脂の150℃における弾性率)となる。
このとき、最外樹脂層304c以外の樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b、・・・)には、最外樹脂層304cと同一の樹脂を用いてもよいし、異なる樹脂を用いてもよい。
最外樹脂層304cに用いる樹脂の収縮率は、通常6%以上、好ましくは9%以上、より好ましくは9.5%以上、さらに好ましくは10%以上である。但し、通常、収縮率は、20%以下である。ここで、収縮率とは、比重法により測定した収縮率である。また、収縮率は、JIS K71126.1等に従い測定することもできる。
逆に、樹脂スタンパの剥離性が不十分である場合は、最外樹脂層304cの一部が樹脂スタンパに固着する。これは、最外樹脂層304cの表面が剥ぎ取られることを意味する。そして、最外樹脂層304cの表面の平滑性が損なわれることを意味する。これにより、信号ノイズが上昇し、ジッタが不良となりやすくなるため、その結果、第2の記録層305のパワーマージンが狭くなる傾向となる。
一方で、最外樹脂層304cを比較的収縮率の大きい樹脂で形成する結果、最外樹脂層304cの成膜時の収縮が大きくなる傾向にある。これは、光記録媒体300が反りやすくなることを意味する。
尚、中間層304全体の反りをより良好に抑えるためには、最外樹脂層304cの下方に位置する樹脂層に用いる樹脂は、常温での弾性率が小さくかつ収縮率の小さい樹脂を用いることが好ましい。
本実施の形態において、中間層304を複数の樹脂層で形成する利点の一つは、それぞれの樹脂層に用いる樹脂の弾性率を精密に制御して、第1の基板301の反りをより低減しやすくなる点にある。
例えば、最外樹脂層304cの下方に位置する樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b・・・)に用いる樹脂の30℃における弾性率を制御する場合、下方の樹脂層に行くほど上記弾性率が低い樹脂を用いてもよい。つまり、樹脂層それぞれに用いる樹脂の弾性率の制御方法として、最外樹脂層304cの下面に接する樹脂層、・・・、第2樹脂層304b、第1樹脂層304aとなるにつれ、用いる樹脂の30℃における弾性率を徐々に小さくする方法を挙げることができる。このようにすることによって、第1の基板301の反りをより効果的に低減できると予想される。ここで、各樹脂層に用いる樹脂それぞれの30℃における弾性率は、第1の基板301の反りを低減できるように変化させればよい。各樹脂層に用いるそれぞれの樹脂の弾性率の変化の方法の具体例を以下に説明する。
また、例えば、最外樹脂層304cの下方に位置するそれぞれの樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b・・・)に用いる樹脂の30℃における弾性率の制御方法として、以下のような方法を挙げることもできる。つまり、最外樹脂層304cに用いる樹脂の30℃における弾性率を1としたときに、最外樹脂層304cの下面に接する樹脂層に用いる樹脂の30℃における弾性率は2/3以下とする。そして、最外樹脂層304cの下面に接する樹脂層のさらに下側に位置する樹脂層については、それぞれの樹脂層に用いる樹脂の弾性率をほぼ同一としてもよい。ここで、弾性率を同一とするためには、例えば、それぞれの樹脂層に同一の樹脂を用いる方法をあげることができる。
例えば、最外樹脂層304cの下方に位置する樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b・・・)に用いる樹脂の収縮率を制御する場合、下方の樹脂層に行くほど上記収縮率が低い樹脂を用いてもよい。つまり、樹脂層それぞれに用いる樹脂の収縮率の制御方法として、最外樹脂層304cの下面に接する樹脂層、・・・、第2樹脂層304b、第1樹脂層304aとなるにつれ、用いる樹脂の収縮率を徐々に小さくする方法を挙げることができる。このようにすることによって、第1の基板301の反りをより効果的に低減できると予想される。ここで、各樹脂層に用いる樹脂それぞれの収縮率は、第1の基板301の反りを低減できるように変化させればよい。
また、例えば、最外樹脂層304cの下方に位置するそれぞれの樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b・・・)に用いる樹脂の収縮率の制御方法として、以下のような方法を挙げることもできる。
つまり、最外樹脂層304cに用いる樹脂の収縮率を1としたときに、最外樹脂層304cの下面に接する樹脂層に用いる樹脂の収縮率は0.9以下とする。そして、最外樹脂層304cの下面に接する樹脂層のさらに下側に位置する樹脂層については、それぞれの樹脂層に用いる樹脂の収縮率をほぼ同一としてもよい。ここで、収縮率を同一とするためには、例えば、それぞれの樹脂層に同一の樹脂を用いる方法をあげることができる。
上記目的で第1樹脂層304aを設ける場合、第1樹脂層304aに用いる樹脂として、最外樹脂層304cに用いることが可能な樹脂を用いてもよい。このような観点から、用いる樹脂の30℃での弾性率は、通常1500MPa以上、好ましくは2000MPa以上とする。一方、第1樹脂層304aに用いる樹脂の30℃での弾性率は、通常4000MPa以下とする。尚、弾性率とは、所定の動的粘弾性測定機にて測定された動的弾性率である。
また、第1樹脂層304aの膜厚は、第1の反射層303を保護する等のために、中間層304全体の膜厚の、通常0.1%以上、好ましくは1%以上とする。一方、第1樹脂層304aの膜厚は、光記録媒体300の反りに影響を与えないために、中間層304全体の膜厚の、通常10%以下とする。より具体的には、第1樹脂層304aの膜厚は、第1の反射層303を保護するために、通常0.05μm以上、好ましくは0.5μm以上とする。一方、第1樹脂層304aの膜厚は、光記録媒体300の反りに影響を与えないために、通常5μm以下とする。
一方、第1の基板301の反りを効果的に抑制する等の観点から、最外樹脂層304cの厚さは、中間層304全体の厚さの80%以下とするのが通常である。最外樹脂層304cの厚さは、中間層304全体の厚さの75%以下とすることが好ましい。より好ましくは、最外樹脂層304cの厚さは、中間層304全体の厚さの70%以下とする。
但し、生産効率の観点からは、中間層304を構成する樹脂層の数は、2層以上、5層以下とすることが好ましい。生産効率の観点から特に好ましいのは、中間層304を構成する樹脂層の数を、2層又は3層構造とすることである。
中間層304の各樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b、・・・、最外樹脂層304c)に用いる樹脂の弾性率や収縮率は、樹脂に含まれる組成物、樹脂の結晶化度、架橋度等を適宜調整することにより、変化させることができる。
各樹脂層(第1樹脂層304a、第2樹脂層304b、・・・、最外樹脂層304c)を構成する材料(樹脂)としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂(遅延硬化型を含む)等を挙げることができる。材料は、上記樹脂から適宜選択すればよい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は、適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。その後、この塗布液を塗布し、乾燥(加熱)することによって、樹脂層を形成することができる。
紫外線硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。その後、この塗布液を塗布し、紫外光を照射して硬化させることによって、樹脂層を形成することができる。
上記材料は単独または混合して用いても良い。
塗布方法としては、スピンコート法やキャスト法等の塗布法等の方法が用いられ、この中でもスピンコート法が好ましい。高粘度の樹脂を用いた樹脂層は、スクリーン印刷等によっても塗布形成できる。紫外線硬化性樹脂は、20℃〜40℃において液状であるものを用いると、生産性の観点から、溶媒を用いることなく塗布できるので好ましい。また、塗布液の粘度は20mPa・s〜1000mPa・sとなるように調製するのが好ましい。
カチオン系紫外線硬化性樹脂は、収縮率が小さい性質を有するので、光記録媒体300の反りを低減するために用いることが好ましい。具体的には、カチオン系紫外線硬化性樹脂は、最外樹脂層304c以外の樹脂層に用いることが好ましい。
更に、ラジカル系紫外線硬化性樹脂には、通常、光重合開始剤を配合する。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが好ましい。このような光重合開始剤として、分子開裂型としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
(高温(例えば150℃)での弾性率の高い樹脂を得る方法)
本実施の形態においては、高温での弾性率を高くするような樹脂を用いて樹脂層(特に最外樹脂層304c)を形成することが好ましい。このような樹脂層を形成する手法としては、様々考えられるが、紫外線硬化性樹脂(より具体的には、ラジカル系紫外線硬化性樹脂)を用いて樹脂層を形成する場合における具体的な手法を以下に説明する。
紫外線硬化性樹脂の高温の弾性率を高くするためには、硬化させて得られる架橋構造のブラウン運動が束縛されるようにすればよい。つまり、架橋密度が高くなるようにすればよい。より具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、例えば、以下の(1)〜(3)を行うことにより、高温の弾性率が高い紫外線硬化性樹脂を得ることができる。
(1)架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーを用いる。
(2)架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーを用いる。
(3)架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーと架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーとを組み合わせて用いる。
多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、1、3−ブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1、8−オクタンジオール、1、9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
このようなアクリルモノマーの具体例としては、ノルボリナンジメタノールジアクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサオイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
高温での弾性率を高くできる観点から特に好ましいのは、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレートである。
本実施の形態においては、収縮率の比較的大きな樹脂を用いて樹脂層(特に最外樹脂層304c)を形成することが好ましい。このような樹脂層を形成する手法としては、様々考えられるが、紫外線硬化性樹脂(より具体的には、ラジカル系紫外線硬化性樹脂)を用いて樹脂層を形成する場合における具体的な手法を以下に説明する。
紫外線硬化性樹脂の場合、収縮度とは硬化収縮度のことをいう。硬化収縮度は、硬化前の密度に対する硬化時の密度変化の割合である。このため、収縮度を大きくするためには、硬化時の密度変化が大きくなるようにすればよい。具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、アクリロイル基の密度が高くなるようにすればよい。換言すれば、架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーを用いればよい。
高温(例えば150℃)での弾性率を高くして、かつ、収縮度を比較的大きくするような樹脂を得る場合には、例えば、上記「高温(例えば150℃)での弾性率の高い樹脂を得る方法」で説明したように、架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーを併用すればよい。架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーの含有量は、所望される弾性率及び収縮率を得られるような含有量とすればよい。
本実施の形態においては、30℃における弾性率が小さい樹脂を用いて樹脂層(例えば、第2樹脂層304b・・)を形成することが好ましい。このような樹脂層を形成する手法としては、様々考えられるが、紫外線硬化性樹脂(より具体的には、ラジカル系紫外線硬化性樹脂)を用いて樹脂層を形成する場合における具体的な手法を以下に説明する。
紫外線硬化性樹脂の30℃における弾性率を小さくするためには、硬化時の密度変化が小さくなるようにすればよい。具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、アクリロイル基1個あたりの分子量が大きく、柔軟な構造を有するアクリルオリゴマーと単官能アクリルモノマーを組み合わせる方法を挙げることができる。柔軟な構造を有するアクリルオリゴマー及び単官能アクリルモノマーの含有比率は、所望の弾性率を得るために、適宜制御すればよい。
単官能アクリルモノマーの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロー2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本実施の形態においては、収縮率が小さい樹脂を用いて樹脂層(例えば、第2樹脂層304b・・)を形成することが好ましい。このような樹脂層を形成する手法としては、様々考えられるが、紫外線硬化性樹脂(より具体的には、ラジカル系紫外線硬化性樹脂)を用いて樹脂層を形成する場合における具体的な手法を以下に説明する。
紫外線硬化性樹脂の場合、収縮度とは硬化収縮度のことをいう。硬化収縮度は、硬化前の密度に対する硬化時の密度変化の割合である。このため、収縮度を小さくするためには、硬化時の密度変化が小さくなるようにすればよい。具体的には、アクリルモノマーを用いて紫外線硬化性樹脂を形成する場合には、アクリロイル基1個あたりの分子量が大きく、分子中のアクリロイル基が少ないアクリルオリゴマー及びアクリルモノマーを組み合わせればよい。アクリルオリゴマー及びアクリルモノマーの含有比率は、所望の弾性率を得るために、適宜制御すればよい。
本実施の形態においては、記録層は少なくとも2個設ける。記録層の数の上限に制限はないものの、現実的には10層以下となる。実用化の観点から、最も好ましくは、2層以上、4層以下とすることである。
光記録媒体300の記録層(図3では、第1の記録層302、第2の記録層305)に用いる材料としては、特に限定はなく、無機材料も有機材料のいずれも使用することができる。
尚、記録層に無機材料を用いる場合には、通常、記録層の上下に保護層を設ける。保護層は、通常、誘電体材料(例えば、ZnS−SiO2)で形成される。
記録層に無機材料を用いる場合の記録層や保護層等については、相変化型の光記録媒体として公知の技術(例えば、記録層材料、記録層膜厚、記録層の成膜方法、保護層材料、保護層膜厚、及び保護層の成膜方法等)を用いればよい。
本発明において好ましいのは、記録層(図3では、第1の記録層302、第2の記録層305)に色素を用いることである。特に、第2の記録層305に色素を用いると本発明の効果が顕著に発揮されるようになる。つまり、第2の記録層305に色素を用いると、記録時の色素の発熱により、最外樹脂層304cに形成された溝形状が変形しやすくなる。このため、最外樹脂層304cに所定の弾性率を有する樹脂を用いる意義が大きくなる。
尚、記録層の詳細については、「(IV)光記録媒体の好ましい態様」で説明する。
図3を用いて、第2の記録層305でのパワーマージンを広げるための有効な一手段を以下説明する。
最外樹脂層304cに用いる樹脂の弾性率や収縮率を制御することにより、第2の記録層305の記録特性を良好となりやすくなる点については、上述した通りである。また、最外樹脂層304cに用いる樹脂の弾性率と第1の基板301の弾性率との関係を制御することにより、第2の記録層305の記録特性を良好に確保できる点についても上述した通りである。
第2の記録層のパワーマージンを広げる観点から、本発明においては、中間層が2層構造であり、弾性率が異なる少なくとも2つの樹脂からなる積層構造を有することが好ましい。つまり、中間層が、第1層と第2層とから構成され、それぞれの層に弾性率が異なる樹脂を用いることが好ましい。このような、中間層を用いた光記録媒体の好ましい例について説明する。
図1に示された光記録媒体100は、表面に記録トラック用の溝が設けられ、光透過性の材料により形成されたディスク状の第1の基板101を有している。この第1の基板101上に、第1の基板101を介して照射されたレーザ光110により情報の記録・再生が行われる色素を含む第1の記録層102と、第1の基板101側から入射したレーザ光110のパワーを振り分ける半透明の第1の反射層103とが積層されている。さらに、第1の反射層103上に、第1の中間層104a及び第2の中間層104bと、第1の中間層104a及び第2の中間層104bを透過したレーザ光110により情報の記録再生が行われる色素を含む第2の記録層105と、第2の記録層105を透過したレーザ光110を反射する第2の反射層106とが積層されている。そして、第2の反射層106上に、接着層107と、最外層を形成するダミー基板である第2の基板108とが、順番に積層された構造を有している。ここで、第1の中間層104a及び第2の中間層104bは、光透過性材料である紫外線硬化性樹脂から構成される。そして、第2の中間層104bは、表面に形成された溝を有し、最外樹脂層となる。
第2の中間層104bを、収縮率が6%以上の樹脂を用いて形成することにより、以下の利点が発揮される。つまり、後述するように、樹脂スタンパを用いて第2の中間層104bを形成する際に、樹脂スタンパからの剥離性が良好となる。樹脂スタンパの剥離性が良好な理由としては、例えば、樹脂スタンパの溝に入った樹脂が硬化する際に収縮し、わずかな歪又は隙間が生じることによるものと考えられる。
また、第1の中間層104aを構成する樹脂の収縮率は、通常4%以下、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは3%以下とする。但し、収縮率は、理想的には0%である。
第1の中間層104aを構成する樹脂の弾性率が1500MPa以下である場合、又は、収縮率が4%以下である場合、表面に形成された溝を有する第1の基板101の反りを効果的に抑制することができる。
尚、中間層の弾性率は、樹脂に含まれる組成物、樹脂の結晶化度、架橋度等を適宜調整することにより、変化させることが出来る。
さらに、第1の中間層104aの厚さ(Da)と第2の中間層104bの厚さ(Db)との比は、通常、Da/Db=(1/4)〜(4/1)、好ましくはDa/Db=(1/3)〜(3/1)、さらに好ましくはDa/Db=(1/2)〜(2/1)とする。第1の中間層104aの厚さ(Da)と第2の中間層104bの厚さ(Db)との比がこの範囲であることにより、第1の基板101の反りを効果的に抑制し、記録層の記録特性を向上させることができる。
第2の中間層104bは、最外樹脂層となる。従って、第2の記録層105に記録される際に、第2の中間層104bに形成された溝の変形が抑制されるような材料で形成されることが好ましい。より具体的には、高温での弾性率が高い樹脂、及び/又は、収縮率の比較的大きい樹脂で形成することが好ましい。
一方、第1の中間層104aは、第2の中間層104bと同一の材料を用いてもよい。但し、第1の中間層104aは、第1の基板101の反りを低減させるような機能を有することが好ましい。このため、第1の中間層104aに用いる材料としては、30℃での弾性率が小さい樹脂、及び/又は、収縮率の小さい樹脂を用いることが好ましい。このような性質を有する樹脂の具体的な材料等については、すでに説明したので、ここでの説明は省略する。
(第1の基板)
第1の基板101は、光透過性を有し、複屈折率が小さい等光学特性に優れることが望ましい。また射出成形が容易である等成形性に優れることが望ましい。さらに、吸湿性が小さいことが望ましい。更に、光記録媒体100がある程度の剛性を有するよう、形状安定性を備えるのが望ましい。第1の基板101を構成する材料としては、特に限定されない。材料としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ガラス等が挙げられる。また、ガラス等の基体上に、光硬化性樹脂等の放射線硬化樹脂からなる樹脂層を設けたもの等も使用できる。これらの中でも、光学特性、成形性等の高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性等の点からはポリカーボネートが好ましい。また、耐薬品性、低吸湿性等の点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また、高速応答性等の点からは、ガラス基板が好ましい。
第1の記録層102は、通常、例えば、CD−R、DVD−R、DVD+R等の片面型記録媒体に用いられる記録層と同程度の感度を有する。第1の記録層102に使用される色素は、350nm〜900nm程度の可視光〜近赤外域に最大吸収波長λmaxを有し、青色〜近マイクロ波レーザでの記録に適する色素化合物が好ましい。中でも、通常CD−Rに用いられるような波長770nm〜830nm程度の近赤外レーザ(例えば、780nm、830nm)、DVD−Rに用いられるような波長620nm〜690nm程度の赤色レーザ(例えば、635nm、650nm、680nm)、波長410nm又は515nm等のいわゆるブルーレーザ等による記録に適する色素がより好ましい。
第1の反射層103は、記録再生光の吸収が小さいことが好ましい。第1の反射層103は、通常光透過率が40%以上あり、且つ、通常30%以上の適度な光反射率を有する必要がある。例えば、反射率の高い金属を薄く設けることにより適度な透過率を持たせることができる。また、ある程度の耐食性があることが望ましい。更に、第1の反射層103の上層(ここでは中間層104)からの他の成分の浸み出しにより第1の記録層102が影響されないような遮断性を持つことが望ましい。
第2の記録層105は、入射したレーザ光110のパワーに比べて、第1の記録層102と第1の反射層103の存在等により約半分程度に減少したパワーにより記録が行われる。このため、第2の記録層105は、通常、例えば、CD−R、DVD−R、DVD+R等の片面型記録媒体に用いられる記録層より高い感度の色素を使用することが好ましい。また、良好な記録再生特性を実現するためには低発熱で高屈折率な色素を用いることが望ましい。更に、第2の記録層105と第2の反射層106との組合せにおいて、光の反射及び吸収を適切な範囲とすることが望ましい。
上記観点(例えば、適度な反射率及び放熱性を確保する観点)から、第2の記録層105の膜厚は、通常3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下とする。一方、第2の記録層105の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは30nm以上、特に好ましくは50nm以上とする。
第1の記録層102と第2の記録層105とに用いる材料は同じでも良いし異なっていてもよい。
第2の反射層106は、高反射率、かつ高耐久性であることが望ましい。高反射率を確保するために、第2の反射層106の厚さは、通常20nm以上、好ましくは30nm、更に好ましくは50nm以上とする。但し、生産上のタクトタイムを短縮しコストを低減するためには、第2の反射層106は、通常、400nm以下、好ましくは300nm以下とする。
第2の記録層105での放熱性を確保して、第2の記録層105のパワーマージンを広げるために、第2の反射層106は、第1の反射層103と以下の関係にあることが好ましい。
具体的には、第2の記録層105での放熱性を確保して、第2の記録層105のパワーマージンを広げるために、第2の反射層106は、第1の反射層103と以下の関係にあることが好ましい。つまり、(第2の反射層106の膜厚)/(第1の反射層103の膜厚)は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは5以上とする。一方、パワーマージン以外の記録特性、例えば、第1の記録層102と第2の記録層105との反射率や感度のバランスから、(第2の反射層106の膜厚)/(第1の反射層103の膜厚)は、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下とする。上記範囲とすれば、第2の記録層105のパワーマージンを第1の記録層102のパワーマージンよりも広くしやすくなる。
接着層107は、接着力が高く、硬化接着時の収縮率が小さいと媒体の形状安定性が高く好ましい。また、接着層107は、第2の反射層106にダメージを与えない材料からなることが望ましい。但し、ダメージを抑えるために両層の間に公知の無機系または有機系の保護層を設けることもできる。接着層107の膜厚は、通常、2μm以上、好ましくは5μm以上である。但し光記録媒体をできるだけ薄くするために、また硬化に時間を要し生産性が低下する等の問題があるため、接着層107の膜厚は、通常、100μm以下とする。接着層107の材料は、中間層104の材料と同様のものが用いうるほか、感圧式両面テープ等も使用可能である。感圧式両面テープを第2の反射層106と第2の基板108との間に挟んで押圧することにより、接着層107を形成できる。
第2の基板108は、機械的安定性が高く、剛性が大きいことが好ましい。また接着層107との接着性が高いことが望ましい。このような材料としては、第1の基板101に用いうる材料と同じものが用い得る。このほか、Alを主成分とした、例えば、Al−Mg合金等のAl合金基板や、Mgを主成分とした、例えば、Mg−Zn合金等のMg合金基板、シリコン、チタン、セラミックスのいずれかからなる基板やそれらを組み合わせた基板等を用いることができる。
光記録媒体100は、上記積層構造において、必要に応じて任意の他の層を挟んでも良い。或いは媒体の最外面に任意の他の層を設けても良い。具体的には、第1の反射層103と中間層104との間、中間層104と第2の記録層105との間、第2の反射層106と接着層107との間等にバッファー層を設けてもよい。バッファー層の厚さは2nm以上が好ましく、より好ましくは5nm以上である。バッファー層の厚さが過度に薄いと、上記の混和現象の防止が不十分となる虞がある。但し、バッファー層の厚さは、2000nm以下が好ましく、より好ましくは500nm以下である。バッファー層が過度に厚いと、混和防止には不必要であるばかりでなく、光の透過率を低下させる恐れもある。また無機物からなる層の場合には成膜に時間を要し生産性が低下したり、膜応力が高くなったりする虞がある。このため、バッファー層の膜さは、200nm以下が好ましい。特に、金属の場合は光の透過率を過度に低下させるため、バッファー層の膜さは、20nm以下程度が好ましい。
上記説明したような、第2の記録層のパワーマージンが、第1の記録層のパワーマージンよりも広くなるような光記録媒体を製造する具体的な例について以下に説明する。
具体的な光記録媒体の製造方法としては、例えば、中間層を複数の樹脂層を順次積層して形成する。そして、最後に形成する樹脂層に、下記(1)〜(3)の少なくとも1つを満たす樹脂を用いる。その後、最後に形成する樹脂層の表面に、記録トラック用の所定の溝を形成する。
(1)最後に形成する樹脂層に、中間層を形成する他の樹脂層とは異なる弾性率を有する樹脂を用いる。
(2)最後に形成する樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とする。
(3)基板と樹脂を用いて形成する場合に、基板を形成する樹脂の150℃における弾性率よりも、最後に形成する樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を大きくする。
(1)他の樹脂層とは異なる弾性率を有する紫外線硬化性樹脂を用いる。
(2)最後に形成する樹脂層に用いる紫外線硬化性樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とする。
(3)基板を形成する樹脂の150℃における弾性率よりも、最後に形成する樹脂層に用いる紫外線硬化性樹脂の150℃における弾性率を大きくする。
さらに、この最後に形成する樹脂層の表面に、透明スタンパ(詳細は後述する。)を押し当てる。その後、透明スタンパ側から紫外線を照射して、各樹脂層を構成する紫外線硬化性樹脂を硬化させる。硬化後、透明スタンパを剥離すれば、記録トラック用の所定の溝が最外樹脂層に形成される。
以下、本実施の形態が適用される光記録媒体を製造する方法の好ましい一例(中間層が2層構造の例)について説明する。
図2は、本実施の形態が適用される光記録媒体を製造する方法を説明する模式図である。先ず、図2(a)に示すように、表面に溝及びランド、グルーブ及びプリピットが形成された第1の基板201を、スタンパを用いて射出成形法等により作製する。次に、有機色素を溶媒に溶解させた塗布液を第1の基板201の凹凸を有する側の表面にスピンコート等により塗布する。そして、必要に応じて乾燥を行う。このようにして、第1の記録層202を成膜する。第1の記録層202を成膜した後、Ag合金等をスパッタまたは蒸着することにより、第1の記録層202上に、半透明な第1の反射層203を成膜する。
(1)光記録媒体の調製
ニッケルスタンパを用いてポリカーボネート(150℃での弾性率は950MPa、30℃での弾性率は2300MPa)を射出成形し、ピッチ0.74μm、幅0.33μm、深さ160nmの溝が形成された、直径120mm、厚さ0.57mmの基板を得た。
一方、非晶質ポリオレフィンを原料として用い、射出成形法により、内径15mmの中心孔を有する、外径120mm、厚さ0.6mmの円盤状の光透過性スタンパを形成した。射出成形は、トラックピッチ0.74μm、幅0.32μm、深さ175nmの案内溝を有するニッケル製原盤を使用した。尚、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により、光透過性スタンパには、ニッケル製原盤の案内溝が正確に転写されたことが確認された。
開口数0.65の記録再生評価機により、予め調製された2個の記録層を有する光記録媒体の第1の基板側から第2の記録層に波長657nmのレーザ光を照射し、記録線速度9.1m/s、基準クロック周期16nsの条件で、8−16変調のEFM+信号を記録パワーを変化させながら記録した。次に、再生線速度3.8m/s、再生パワー0.7mWの条件で記録信号を再生し、ジッタを測定した(単位:%)。
ここで、ジッタは、ジッタ測定を行う記録トラックの両隣の記録トラックにも記録マークが存在する状態で測定されている。つまり、ここでのジッタは、Multi Track Jitterとなっている。
尚、ジッタとは以下のようにして求められる値である。つまり、再生信号をイコライザとLPFを通過させた後に、スライサにより2値化信号とする。そして、この2値化信号のリーディングエッジとトレーリングエッジとのPLLクロックに対する時間のずれの標準偏差(ジッタ)を、タイムインターバルアナライザで測定する。さらに、その値を基準クロック周期Tで規格化したものがジッタとなる。ジッタは9%以下であれば、光記録媒体の記録特性が良好といえる。
チルト測定装置(Dr.Shwab社製:Argus)を用いて、平行光を光記録媒体に照射して反射光と入射光との間の角度によりチルトを測定した(単位:deg)。数値が小さいほど光記録媒体の基板の反りが少ない。
予め調製した2個の記録層を有する光記録媒体の第2の記録層から得られるPush−Pull信号を測定した。数値が大きいほど、記録特性が良好である。尚、Push−Pull信号は下記式で定義される。
光透過性スタンパの中心孔部分から紫外線硬化性樹脂の非塗布部にナイフエッジを差し込んだ。そして、力を加えて、光透過性スタンパと中間層とを剥離させた。剥離後の光透過性スタンパの表面について、蛍光灯下の目視検査又は光学顕微鏡観察を行い、以下の基準により、剥離性を評価した。
○:容易に剥離でき、光透過性スタンパ表面に紫外線硬化性樹脂の残渣が無い。
△:比較的容易に剥離でき、光学顕微鏡により、光透過性スタンパ表面に紫外線硬化性樹脂の残渣が認識される。
×:剥離が困難、又は、剥離後の光透過性スタンパ表面に紫外線硬化性樹脂の残渣が目視検査で認識される。
動的粘弾性試験機(レオバイブロン(Rheovibron)社製:DDVシリーズ)を使用し、測定周波数3.5Hz、昇温速度3℃/minの条件で、温度150℃、温度30℃における樹脂の動的弾性率を測定した(単位:MPa)。同時に、樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定も行った。
比重法により樹脂の収縮率を測定した(単位:%)。
上記(2)のジッタの測定方法を用いて、第1の記録層及び第2の記録層のそれぞれのジッタ測定を行った。そして、ジッタが9%以下となる記録パワーP1、P2を求めた。パワーマージンは、ジッタが9%を下回る記録パワー幅(P2−P1)をその中心値(P2+P1)/2で割った値として求めた。
より具体的には、第1の記録層及び第2の記録層それぞれの半径23mm位置において、上記(2)に示す方法に倣って記録を行なった。その後、上記(2)に示す方法に倣ってジッタの測定を行った。そして、ジッタが9%以下とするようなP1、P2を求め、[(P2−P1)/{(P2+P1)/2}]を算出した。
表1に示す6種類の紫外線硬化性樹脂(A〜F)を用いた。尚、表1中の紫外線硬化性樹脂(A〜F)は以下のとおりである。
樹脂A:ラジカル系紫外線硬化性樹脂:大日本インキ株式会社製
樹脂B:ラジカル系紫外線硬化性樹脂:大日本インキ株式会社製SD694
樹脂C:ラジカル系紫外線硬化性樹脂:大日本インキ株式会社製SD394
樹脂D:ラジカル系紫外線硬化性樹脂:大日本インキ株式会社製SD347
樹脂E:カチオン系紫外線硬化性樹脂:大日本インキ株式会社製SD4016
樹脂F:ラジカル系紫外線硬化性樹脂:大日本インキ株式会社製SD6036
また、上記樹脂A〜Fの収縮率、弾性率及びガラス転移温度を表1に示す。但し、表1中、(*1)及び(*2)で示したデータ(150℃の弾性率の欄に記載された、樹脂E、Fのデータ)は、100℃での弾性率の測定結果である。150℃の弾性率は、100℃での弾性率のデータよりも小さくなると考えられる。
樹脂Aとしては、架橋密度が高くなるようなアクリルモノマーと架橋構造に剛直な構造を有するアクリルモノマーとを組み合わせて用いることにより、弾性率及び収縮率を制御した。
樹脂Fとしては、アクリロイル基1個あたりの分子量が大きく、柔軟な構造を有するアクリルオリゴマーと単官能アクリルモノマーを組み合わせて用いることにより、弾性率及び収縮率を制御した。
また、樹脂Eは収縮率が最も小さいが、これは、カチオン系樹脂を用いているからである。尚、樹脂B、樹脂C及び樹脂Dについても、モノマー構造を適宜制御して、所望の弾性率・収縮率を得た。
実施例1の光記録媒体においては、第1の記録層のおけるP1は18.57mW程度であり、P2は22.73mW程度であった。これに対して、第2の記録層における、P1は21.52mW程度であり、P2は30.09mW程度であった。これらの結果を用いて、パワーマージンを算出すると、第1の記録層は20.1%、第2の記録層は33.2%となった。
実施例2の光記録媒体においては、第1の記録層のおけるP1は18.21mW程度であり、P2は22.33mW程度であった。これに対して、第2の記録層における、P1は21.76mW程度であり、P2は30.09mW程度であった。これらの結果を用いて、パワーマージンを算出すると、第1の記録層は20.3%、第2の記録層は32.2%となった。
実施例3の光記録媒体においては、第1の記録層のおけるP1は18.61mW程度であり、P2は22.59mW程度であった。これに対して、第2の記録層における、P1は21.13mW程度であり、P2は30.40mW程度であった。これらの結果を用いて、パワーマージンを算出すると、第1の記録層は19.3%、第2の記録層は36.0%となった。
実施例4の光記録媒体においては、第1の記録層のおけるP1は18.48mW程度であり、P2は22.75mW程度であった。これに対して、第2の記録層における、P1は21.80mW程度であり、P2は31.37mW程度であった。これらの結果を用いて、パワーマージンを算出すると、第1の記録層は20.7%、第2の記録層は36.0%となった。
尚、比較例1と比較例2の光記録媒体については、Push−Pull信号が極めて小さいためにトラキングサーボがかからず、記録再生評価が出来なかった。このため、第2の記録層のパワーマージンの評価を行うこともできなかった。
上記の「(1)光記録媒体の調製」における、中間層の形成方法を以下のようにして、中間層を3層の樹脂層からなる構造とした。以下の中間層の形成方法以外は、上記「(1)光記録媒体の調製」と同様にして光記録媒体を調製した。
(中間層の形成方法)
第1の反射層上に、紫外線硬化性樹脂(樹脂D)を滴下し、スピナー法により、厚さ約4μmの塗膜を形成した。その後、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させて、第1樹脂層を形成した。この第1樹脂層は、反射層を保護する為に用いるものである。
第1樹脂層の上に、第2樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂1(樹脂F)を円形に滴下した。そして、スピナー法により厚さ約23μmの塗膜を形成した。
一方、予め成形しておいた光透過性スタンパの案内溝が形成された面に、第3樹脂層(最外樹脂層)を形成するための所定の紫外線硬化性樹脂2(樹脂A)を円形に滴下した。そして、スピナー法により厚さ約23μmの塗膜を形成した。
次に、この紫外線硬化性樹脂1の塗膜と紫外線硬化性樹脂2の塗膜とが対向するように、第1の基板と光透過性スタンパとを貼り合わせた。次いで、光透過性スタンパ側から紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂1及び紫外線硬化性樹脂2を硬化接着させた。その後、光透過性スタンパを剥離した。
以上の工程を経て、第1樹脂層、第2樹脂層、第3樹脂層(最外樹脂層)が積層された厚さ約50μmの中間層を製造した。尚、AFMにより、第2の中間層の表面には光透過性スタンパ上に形成された案内溝が転写されていることを確認した。
この光記録媒体に対して、上記(2)のJitter測定、上記(4)の光記録媒体のPush−Pull信号の測定、及び上記(8)のパワーマージンの測定、を行った。第2の記録層のJitter及びPush−Pull信号の測定結果を表3に示す。尚、Jitter、Push−Pullの測定は、光記録媒体の半径23mm位置、40mm位置、58mm位置について行った。
実施例5において中間層の形成方法を以下のようにしたこと以外は、実施例5と同様にして光記録媒体を調製した。
(中間層の形成方法)
第1の反射層上に、紫外線硬化性樹脂(樹脂D)を滴下し、スピナー法により、厚さ約4μmの塗膜を形成した。その後、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させて、第1樹脂層を形成した。この第1樹脂層は、反射層を保護する為に用いるものである。
ここで、実験作業の都合から、1週間ほどサンプルを放置した後に以後の作業を行った。
第1樹脂層の上に、第2樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂1(樹脂F)を円形に滴下した。そして、スピナー法により所定の厚さの塗膜を形成した。
一方、予め成形しておいた光透過性スタンパの案内溝が形成された面に、第3樹脂層(最外樹脂層)を形成するための所定の紫外線硬化性樹脂2(樹脂A)を円形に滴下した。そして、スピナー法により所定の厚さの塗膜を形成した。
次に、この紫外線硬化性樹脂1の塗膜と紫外線硬化性樹脂2の塗膜とが対向するように、第1の基板と光透過性スタンパとを貼り合わせた。次いで、光透過性スタンパ側から紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂1及び紫外線硬化性樹脂2を硬化接着させた。その後、光透過性スタンパを剥離した。
以上の工程を経て、第1樹脂層、第2樹脂層、第3樹脂層(最外樹脂層)が積層された厚さ約50μmの中間層を製造した。第2樹脂層の膜厚及び第3樹脂層(最外樹脂層)のおおよその膜厚を、表4に示す。
上記のようにして得た光記録媒体に対して、上記(3)のチルトの測定、(4)のPush−Pull信号(半径23mm位置)の測定を行った。その結果を表4に示す。
Claims (18)
- 基板上に設けられ、照射された光により情報の記録再生が可能な少なくとも2個の記録層と、
前記2個の記録層間に設けられた中間層と、を備え、
前記記録層は、情報の記録の際の化学変化に伴い発熱する有機色素を含有し、
前記2個の記録層のうち、基板からみて近い側の記録層を第1の記録層、基板からみて遠い側の記録層を第2の記録層とし、
前記中間層の両面のうち前記基板側とは反対側の面に、記録トラック用の所定の溝が形成されており、
前記中間層が複数の樹脂層から構成され、前記記録トラック用の所定の溝を形成する樹脂層を最外樹脂層とし、
情報の記録の際の化学変化に伴う前記発熱による前記記録トラック用の前記溝の変形が抑制されるように、前記最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を300MPa以上とし、当該発熱による当該記録トラック用の当該溝の変形が抑制され、
前記第1の記録層におけるパワーマージンよりも、前記第2の記録層におけるパワーマージンの方が広いことを特徴とする光記録媒体。 - 前記最外樹脂層には、前記中間層を形成する他の樹脂層とは異なる弾性率を有する樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記基板を樹脂で形成し、
(前記最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率)≧(前記基板を形成する樹脂の150℃における弾性率)とすることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。 - 前記最外樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率を、前記中間層を形成する他の樹脂層に用いる樹脂の150℃における弾性率よりも高くすることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記最外樹脂層に用いる樹脂の収縮率を6%以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記最外樹脂層の厚さを、前記中間層全体の厚さの5%以上80%以下とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記最外樹脂層以外の樹脂層に、30℃における弾性率が1500MPa以下の樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記最外樹脂層以外の樹脂層に、収縮率が4%以下の樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記中間層を、3層の樹脂層で構成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記中間層が、前記第1の記録層側に設けた第1層と前記最外樹脂層を構成する第2層とから構成され、それぞれの層に弾性率が異なる樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記中間層は、前記第1層と前記第2層とから構成され、当該第2層を構成する樹脂が、当該第1層を構成する樹脂よりも高い弾性率を有することを特徴とする請求項10に記載の光記録媒体。
- 前記中間層は、前記第1層と前記第2層とから構成され、当該第2層を構成する樹脂の150℃における弾性率が300MPa以上であることを特徴とする請求項10に記載の光記録媒体。
- 前記第2層を構成する前記樹脂の収縮率が6%以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記第1層の厚さ(Da)と前記第2層の厚さ(Db)との関係が、(Da/Db)=(1/4)〜(4/1)であることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記中間層は、30℃における弾性率が1500MPa以下の樹脂からなる前記第1層と、当該第1層上に積層され、150℃における弾性率が300MPa以上である樹脂からなる前記第2層と、から構成されることを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記第1層を構成する前記樹脂の収縮率が4%以下であることを特徴とする請求項10乃至請求項15のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記中間層を構成する樹脂層が紫外線硬化性樹脂から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 前記第1の記録層と前記中間層との間に設けた第1の反射層と、前記第2の記録層の上に設けた第2の反射層と、を有し、
(当該第2の反射層の膜厚)/(当該第1の反射層の膜厚)が、2以上20以下とすることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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