JP2004220634A - 光情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面に記録層を形成することで高い記憶容量を有し、取り扱い性や保存性に優れ、両面の記録特性にバラツキがない光情報記録媒体の製造方法および当該製造方法により製造される光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】両面にグルーブを有する基板のそれぞれの面上に色素を含有する色素含有液を塗布した後、アニール処理を施して記録層を形成する工程を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
また、上記製造方法により製造されたことを特徴とする光情報記録媒体である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体およびその製造方法に関し、特にヒートモードによる光情報記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録容量(記録密度)のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行)。このDVD−Rは、照射されるレーザ光でトラッキングするための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rの半分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有する記録層、反射層、および保護層をこの順に積層したディスク2枚を、記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの情報の記録および再生は、可視レーザ光(通常は、630nm〜680nmの波長のレーザ光)を照射することにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可能である。
【0003】
しかし、上記のように2枚の基板を貼り合わせるDVDのような構成(例えば、特許文献1〜3参照)では、記録密度の増加に伴ってレーザ波長を短くした場合に、貼り合わせ基板の厚みが薄くなり剛性が不充分となって、取り扱い性や保存性に問題が発生することがある。
【0004】
一方、基板の両面それぞれに記録層、保護層等を順次形成したDVD型の光情報記録媒体も知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、このような構成の光情報記録媒体では、ある程度の剛性は確保されるものの両面に形成された記録層の再生特性にバラツキが生じてしまう問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−195104号公報
【特許文献2】
特開2000−108515号公報
【特許文献3】
特開平9−161320号公報
【特許文献4】
特開2000−177248号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、本発明は、下記目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、両面に記録層を形成することで高い記憶容量を有し、取り扱い性や保存性に優れ、両面の記録特性にバラツキがない光情報記録媒体の製造方法および当該製造方法により製造される光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、本発明者は、記録層となる塗布膜を基板の両面に形成した後、両面同時に、かつ、同一の条件でアニール処理を施す工程を設けることで、高い記憶容量を有し、基板の剛性を維持しながら、両面それぞれの記録特性にバラツキがない光情報記録媒体を製造することができることを見出し、下記本発明に想到した。
すなわち、本発明の光情報記録媒体の製造方法は、両面にグルーブを有する基板のそれぞれの面上に色素を含有する色素含有液を塗布した後、アニール処理を施して記録層を形成する工程を含むことを特徴とする。
前記基板に形成されたグルーブのトラックピッチは、300〜600nmであることが好ましい。また、アニール処理の温度は50〜100℃とすることが好ましい。
前記アニール処理は、一方の面に前記色素含有液を塗布し、他の一方の面に前記色素含有液を塗布した後に行うことが好ましい。
また、本発明の光情報記録媒体は、上記の製造方法により製造されたことを特徴とする。当該光情報記録媒体への情報の記録再生に使用されるレーザの波長は、350〜500nmとすることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
〔光情報記録媒体の製造方法〕
本発明の光情報記録媒体は、所定のグルーブが形成されている基板の表および裏の両面に、反射層、記録層、光透過層等が順次形成されて製造される。
以下、基板のそれぞれの面(両面)上に記録層、反射層、光透過層が形成された光情報記録媒体を例に、本発明の光情報記録媒体の製造方法について説明する。
【0009】
まず、基板の両面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブまたはグルーブという)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−R等に比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いることが好ましい。
具体的には、プレグルーブのトラックピッチは、200〜600nmであることが好ましく、250〜500nmであることがより好ましく、300〜420nmであることがさらに好ましい。また、プレグルーブの深さ(溝深さ)は、10〜150nmであることが好ましく、20〜120nmであることがより好ましく、25〜100nmであることがさらに好ましい。
【0010】
上記所定のグルーブが両面に形成された基板は、例えば、図1に示す射出成型機20により作製することができる。
射出成型機20は、一般的な射出成型機に改良を加えたもので、可動側金型21および固定側金型22が型締めされて形成されるキャビティー26側にスタンパ27a、27bが設けられた構成となっている。スタンパ27a、27bには、所定のグルーブが形成されている。また、キャビティー26内に溶融樹脂を射出するシリンダ25を有する。
シリンダ25内の樹脂(基板材料)はヒータ23により加熱されて溶融状態となる。溶融した樹脂をスクリュー24により、可動側金型21と固定側金型22とが型締めされて形成されるキャビティ26内に押し出す。その後、冷却処理等を施して、スタンパ27a、27bに形成されたグルーブが転写された基板が作製される。
【0011】
また、板状樹脂とスタンパとの間に紫外線硬化樹脂等を充填し硬化させるいわゆる2P法等により作製することもできる。
【0012】
以上のように、基板の両面にグルーブを形成し、それぞれの面上に後述する記録層等を形成することで、大きな記憶容量を実現することが可能で、かつ、良好な剛性を維持しながら取り扱い性を向上させることができる。
【0013】
基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
【0014】
基板の厚さは、充分な剛性を得る観点から、0.9〜1.2mmであることが好ましく、1〜1.15mmであることがより好ましい。
ここで、特に上記「基板の厚さ」とは、記録層が形成される領域の平均の厚さをいう(以下、同様)。
【0015】
なお、後述する反射層が設けられる前の基板の両面には、平面性の改善、接着力向上の目的で、下塗層を形成してもよい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0016】
次に、基板の両面に反射層、記録層を順次形成する。このとき、反射層および記録層の形成順序は、下記(1)〜(4)のいずれかの順序で行うことが好ましい。
【0017】
(1)基板の一方の面に反射層を形成し、他方の面に反射層を形成する。その後、一方の反射層上に記録層を形成するための色素含有液を塗布し、他方の面にも色素含有液を塗布する。このように両面に順次色素含有液を塗布した後に所定の条件で、アニール処理を施して両面に記録層を形成する。
(2)基板の一方の面に反射層を形成した後、記録層を形成するための色素含有液を塗布し、他方の面に反射層を形成した後、色素含有液を順次塗布する。このように両面に色素含有液を塗布した後に所定の条件で、アニール処理を施して両面に記録層を形成する。
(3)基板の両面に同時に反射層を形成した後、一方の面に記録層を形成するための色素含有液を塗布し、他方の面にも色素含有液を順次塗布する。このように両面に色素含有液を塗布した後に所定の条件で、アニール処理を施して両面に記録層を形成する。
(4)基板の両面に同時に反射層を形成した後、両面の反射層上に同時に記録層を形成するための色素含有液を塗布する。このように両面に色素含有液を塗布した後に所定の条件で、アニール処理を施して両面に記録層を形成する。
【0018】
上記(1)〜(4)のなかでも、(1)および(2)の形成順序がより好ましく、(1)の形成順序を適用することがさらに好ましい。
【0019】
基板の両面に形成される反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率としては、70%以上であることが好ましい。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。
【0020】
これらのうち好ましいものとしては、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼が挙げられる。そして、さらに好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金が挙げられ、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金が挙げられる。
【0021】
反射層は、前述した光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、10〜300nmとすることが好ましく、50〜200nmの範囲とすることがより好ましい。
なお、当該反射層は、以下の記録層の反射率が十分大きい場合には必ずしも必要ではない。
【0022】
基板のグルーブが形成された面(反射層が形成されている場合は当該反射層)上に形成される記録層は、色素(有機色素)を含有している。
前記有機色素としては、トリアゾール系化合物、フタロシアニン化合物、ポリフィリン系化合物、アミノブタジエン系化合物、メロシアニン化合物、シアニン系化合物等でこれらの少なくとも一種であることが好ましい。フタロシアニン化合物としては、アルコキシ置換体、スルホンアミド置換体、スルフォモイル置換体、スルホン酸置換体の少なくとも一種であることが好ましい。
【0023】
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素を併用することができる。
【0024】
記録層は、上記色素(有機物等)等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して色素含有液を調製し、次いでこの色素含有液を基板もしくは基板上に形成された反射層上に塗布して塗膜を形成した後、アニール処理を施すことにより形成される。
ここで、上記アニール処理は、色素含有液を両面に塗布した後に、両面同時に行う。同時に行うことで、同じ条件でアニール処理を施すことが可能となって、両面の記録特性にバラツキが生じることを防ぐことができる。
【0025】
アニール処理の温度は、余分な溶剤を効率よく除去できる温度として、50℃以上とすることが好ましく、55℃以上とすることがより好ましく、60℃以上とすることがさらに好ましい。また、処理温度が高すぎると、記録層の変質が生じたり、アニール処理後に室温まで冷却するのに時間がかかることがある。従って、アニール処理温度は、100℃以下とすることが好ましく、95℃以下とすることがより好ましく、90℃以下とすることがさらに好ましい。
【0026】
アニール処理の時間は、上記処理温度にもよるが、余分な溶剤を効率よく除去できる時間として、5分以上とすることが好ましく、10分以上とすることがより好ましく、30分以上とすることがさらに好ましい。また、製造時間を短縮して高い生産性を得る観点から、6時間以下とすることが好ましく、4時間以下とすることがより好ましく、3時間以下とすることがさらに好ましい。
アニール処理の雰囲気としては、特に限定されないず、適宜設定することが好ましい。
【0027】
また、色素含有液中の記録物質の濃度は、0.01〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲であることがより好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることがさらに好ましく、0.5〜3質量%の範囲であることが最も好ましい。
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
【0028】
色素含有液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
【0029】
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0030】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;等を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0031】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。なかでも、スピンコート法が好ましい。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の厚さは、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
また、塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、さらに好ましくは25〜37℃である。
【0032】
記録層には、その耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0033】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0034】
光透過層は、保護層としての役割を果たし、水分の侵入やキズの発生を防止する。光透過層を構成する材料としては、粘着剤からなる粘着層が形成された透明シート(もしくは透明フィルム)や、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましい。
光透過層は、レーザー光路として使用されるため、透明性を有することが必要とされる。ここで、「透明」とは、記録光および再生光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
【0035】
透明シートの材質としては、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、三酢酸セルロース等である。
また、光透過層として透明シートを用いる場合の透明シートの厚さは、0.05〜0.4mmとすることが好ましく、0.08〜0.2mmとすることがより好ましい。
透明シートの厚さが0.05mm未満では、粘着剤からなる粘着剤層の厚みが厚くなり、厚みムラが発生することがある。また、0.4mmを超えると、光透過層の厚さの規格を満足することが困難になることがある。
【0036】
粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等が挙げられるが、ポリマー設計の容易さ、耐久性および透明シートとの接着性等を考慮すると、アクリル系を使用することが好ましい。
【0037】
一方、透明シートを使用しない場合の光透過層の厚さは、3〜150μmであることが好ましく、20〜110μmであることがより好ましい。
紫外線硬化樹脂を光透過層に使用する場合、その紫外線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ社製の「SD−640」等の紫外線硬化樹脂を挙げることができる。また、SD−347(大日本インキ社製)、SD−694(大日本インキ社製)、SKCD1051(SKC社製)等を使用することができる。
【0038】
紫外線硬化樹脂等を使用する場合、光透過層は、スピンコート法により形成されることが好ましい。スピンコート法を適用することで、基板等にダメージを与えることなく光透過層を形成することができる。スピンコートする際の回転数は、均一な層形成の観点から、50〜8000rpmとすることが好ましく、100〜5000rpmとすることがより好ましい。
なお、光透過層に紫外線硬化樹脂を使用した場合は、スピンコート法により光透過層を形成した後、該光透過層上から紫外線照射ランプ(メタルハライドランプ)により紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させる。
また、形成する光透過層の厚みムラを無くすため、樹脂を硬化させる前に一定時間放置する等の処理を適宜行ってもよい。
【0039】
基板の両面に形成される光透過層はそれぞれ同じ厚さであることが好ましい。同じ厚さとすることで、両面を同じピックアップで記録・再生することが可能で、また、製造工程においても両面を同じ装置(条件)で形成することができる。さらに、両面同じであることにより、製造時や高温高湿等の耐環境に対しても反りなどを生じにくいといった効果が得られる。
【0040】
以上のようにして、基板のそれぞれの面(両面)上に記録層、光透過層、反射層が形成された光情報記録媒体が製造される。
【0041】
〔光情報記録媒体〕
既述の本発明の光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体は、例えば、図2に示すような構成を有する。
すなわち、基板10の両面に反射層11、記録層12、光透過層13が形成された構成となっている。
当該光情報記録媒体は、両面に記録層12が形成されているので高い記憶容量を有し、2枚の基板を貼り合わせる構成でなく、基板10の両面に記録層12が形成されているため取り扱い性や保存性、剛性に優れる。また、両面同時で、かつ、同一の条件でアニール処理を施して記録層12が形成されているため、両面の記録特性にバラツキがない。
【0042】
なお、図2に示す光情報記録媒体は例示であって、その他に、種々の層を適宜設けてもよい。
例えば、光透過層上にはさらに、ハードコート層が形成してもよい。ハードコート層を形成することで、光情報記録媒体の表面を傷などから保護することが可能となり、保存性や取り扱い性をさらに向上させることができる。
なお、当該ハードコート層は、片側面の光透過層上だけに形成してもよく、両面に形成してもよい。
【0043】
ハードコート層の材質としては、放射線硬化樹脂であることが好ましい。例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。
ハードコート層の厚さは、1〜20μmであることが好ましく、3〜10μmであることがより好ましい。
ハードコート層は、放射線硬化樹脂を含有する塗布液を調製し、これを光透過層上に塗布し、放射線(電子線もしくは紫外線)を照射して硬化させることで形成することができる。
【0044】
また、記録層と光透過層との間には、記録層を保護する観点から中間層を設けてもよい。
上記中間層の厚さは、1〜300nmが好ましく、3〜110nmがより好ましい。
【0045】
中間層を構成する材料としては、レーザー光を透過する材料であれば、特に制限はないが、誘電体であることが好ましく、より具体的には、ZnS、TiO、SiO、ZnS−SiO、GeO、Si、Ge、MgF、等の無機酸化物、窒化物、硫化物が挙げられ、なかでもZnS−SiO、もしくはSiOが好ましい。
【0046】
〔光情報記録媒体の情報記録方法〕
次に、本発明の光情報記録媒体への情報の記録・再生方法について説明する。
当該光情報記録媒体への情報の記録は、例えば、次のようにして行われる。
まず、光情報記録媒体を定線速度にて回転させながら、いずれかの光透過層側から記録用のレーザ光を照射する。500nm以下(好ましくは、350〜500nm)のレーザ光を照射することができる。
【0047】
このレーザ光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変化する。この光学的特性の変化により、情報が記録される。
【0048】
500nm以下の発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長約430nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、500nm以下の発振波長を有するレーザ光源を使用する場合、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.6以上が好ましく、0.80以上がより好ましい。
【0049】
また、上記のようにして記録した情報を再生する場合には、例えば、以下に説明するように行うことができる。
すなわち、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら、情報の記録に使用したレーザと同一波長もしくはそれ以下の波長のレーザ光を光透過層側から照射して、その反射光を検出することにより行う。
【0050】
【実施例】
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
〔実施例1〕
2P法にて、厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmの基板(帝人化成社製ポリカーボネート、商品名パンライトAD5503)の両面に、スパイラル状のグルーブ(深さ35nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を形成した射出成形ポリカーボネート樹脂基板を作製した。
基板の両面に、Agをスパッタリングして100nmの膜厚の反射層を形成した。膜厚の調整はスパッタリング時間を制御することで行った。
【0052】
その後、下記化学式で表される色素2gを2,2,3,3,−テトラフロロ−プロパノール100mlに添加し、2時間超音波処理を行って溶解し、色素含有液を調製した。この色素含有液を、スピンコート法により回転数を300rpmから4000rpmまで変化させながら23℃50%RHの条件で、一方の面の反射層上に塗布し、塗布膜(厚さ約100nm)を形成した。同様にして他方の反射層上にも、塗布膜(厚さ約100nm)を形成した。
【0053】
【化1】
Figure 2004220634
【0054】
塗布膜を両面に形成した後、クリーンオーブンにて80℃1時間保持するアニール処理を施して記録層を形成した。
【0055】
RFスパッタリング処理により、それぞれの記録層上にZnS−SiO(質量比8:2)からなる厚さ5nmのバリア層を両面に形成した。
バリア層を形成した後、光透過層として粘着剤付き透明シート(帝人社製のピュアエース)をそれぞれのバリア層上に貼り合わせて、光情報記録媒体を作製した。なお、透明シート貼り合わせ後の粘着剤からなる粘着剤層と透明シートとの厚さは、約100μmであった。
【0056】
〔実施例2〕
射出成形ポリカーボネート樹脂基板の一方の面に反射層を形成し、基板の他方の面に反射層した後、一方の面の反射層上に塗布膜を形成し、他方の面の反射層上に塗布膜を形成し、クリーンオーブンにて80℃1時間保持するアニール処理を施して両面に記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を作製した(基板の構成、反射層、記録層等の形成条件や材質等は実施例1と同様)。
【0057】
〔比較例〕
実施例1と同様にして射出成形ポリカーボネート樹脂基板を作製し、基板のそれぞれの面上に、Agをスパッタリングして100nmの膜厚の反射層を形成した。
その後、実施例1と同様の色素含有液を、スピンコート法により回転数を300rpmから4000rpmまで変化させながら23℃50%RHの条件で、一方の面の反射層上に塗布し、塗布膜(厚さ約100nm)を形成した。
塗布膜を形成した後、クリーンオーブンにて80℃1時間保持するアニール処理を施して片面にのみ記録層を形成した。
【0058】
記録層形成後、記録層を形成していない他方の反射層上に、上記と同様にして塗布膜(厚さ約100nm)を形成し、クリーンオーブンにて80℃1時間保持するアニール処理を施して前記他方の面にも記録層を形成した。
両面に記録層を形成した後は、実施例1と同様にして、さらにバリア層、光透過層(粘着剤付き透明シート)を両面に設けて光情報記録媒体を作製した。
【0059】
〔評価〕
実施例1、2および比較例で作製した光情報記録媒体について、光情報記録媒体の特性評価(キャリアノイズ比の測定)を行った。
【0060】
なお、特性評価としてのキャリヤノイズ比(C/N)は、25℃50%RHの室温条件で以下のようにして、両面それぞれのC/Nを測定した。
すなわち、作製した光情報記録媒体を、403nmのレーザおよびNA0.85のピックアップを搭載した記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)にてクロック周波数66MHz、線速5.4m/sにて単一周波数の信号(2T=0.13μm)を記録、再生しスペクトルアナライザー(パルステックMSG2)にてC/Nを測定した。なお、記録パワーおよび再生パワーはそれぞれ、6mWおよび0.4mWとした。
【0061】
実施例1および実施例2のそれぞれの光情報記録媒体は、C/Nが両面とも50dBで良好な値であった。これに対し、比較例の光情報記録媒体では一方の面のC/Nが50dBであったが、他方の面が48dBで、バラツキがあり両面で良好なディスク特性が得られなかった。
上記結果より、実施例1および2の光情報記録媒体は、実用に充分供することが可能であることが確認された。
【0062】
また、実施例1および2で作製した光情報記録媒体の保存性の評価として、それぞれの光情報記録媒体を80℃、85%RHの条件で保存し、その反り量を観察した。その結果、反り量の変化は、0.3°以内であり、かかる観点からも、充分実用に供するものであった。
【0063】
【発明の効果】
以上から、本発明の光情報記録媒体の製造方法によれば、両面の記録特性にバラツキがない光情報記録媒体を製造することができる。そして、かかる製造方法により作製される光情報記録媒体は、両面に記録層を形成することで高い記憶容量を有し、取り扱い性や保存性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成型機の概略断面図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体の層構成例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
20…射出成型機
21…可動側金型
22…固定側金型
24…スクリュー
25…シリンダ
26…キャビティー
27a、27b…スタンパ

Claims (2)

  1. 両面にグルーブを有する基板のそれぞれの面上に色素を含有する色素含有液を塗布した後、アニール処理を施して記録層を形成する工程を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 請求項1の製造方法により製造されたことを特徴とする光情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9905260B2 (en) 2013-02-27 2018-02-27 Fujifilm Corporation Method for manufacturing optical information recording medium

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