JP2005078655A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】C/Nが高く、低コストで製造することができる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に、記録層と、中間層と、カバー層と、が順次形成され、前記カバー層側から380〜500nmの波長のレーザー光を照射することにより情報の記録再生が可能な光情報記録媒体であって、前記記録層が有機物の層であり、かつ前記中間層が前記波長のレーザー光の吸収率が10%以下の導電体の層であることを特徴とする光情報記録媒体である。前記導電体としては、ZnO単独、又はZnOと軽金属の酸化物との複合物を用いることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体に関し、特にヒートモードによる追記型光情報録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層したものである。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)によりその部分の光学的特性が変化することにより情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
【0003】
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このDVD−Rは、照射されるレーザ光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rの半分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有する記録層、反射層、および保護層をこの順に積層したディスク2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、あるいはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの情報の記録および再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可能である。
【0004】
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映開始も間近にひかえている。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の記録媒体が必要とされている。DVD−Rは現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要である。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高密度の記録を行なうことができる、より大容量の光情報記録媒体の開発が進められている。
【0005】
例えば、特許文献1〜15には、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の記録および再生を行う記録再生方法が開示されている。これらの方法では、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を含有する記録層を備えた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザ光を照射することにより情報の記録および再生を行っている。
【0006】
一方、DVDとして相変化型の光ディスクが知られているが、これは、記録層としてGeSbTe等の合金層を採用し、記録層にレーザー光で瞬間的に加熱して、結晶状態からアモルファス状態に相変化させ、相変化により変わる反射率を利用して記録再生する方式である。最近、ISOM2000で、この相変化型のDVDを用いて、青紫レーザーにより記録再生をおこなうDVR−Blueシステムが発表された。このDVR−Blueは、基板上に、少なくとも、反射層、記録層、カバー層をこの順に有し、カバー層側からレーザー光を照射し情報の記録再生を行う。このDVR−Blueシステムにより、高密度化という課題に対しては一定の成果が達成された。
【0007】
以上のDVR−Blueにおいて、記録層が有機物からなる場合、カバー層を接着剤によって接着すると、記録層を構成する有機物が接着剤に溶解し、C/Nが劣化するという問題があった。この問題は、記録層とカバー層との間に中間層を設けることにより解決することができる。中間層の材質としては、一般に、透明な誘電体が用いられるが、誘電体の成膜は、低コストで簡便なDCスパッタ法では不可能であり、特殊な処理をしない限りRFスパッタ法でしか成膜することができず、中間層に誘電体を用いることはコスト的に不利であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−74690号公報
【特許文献2】
特開平7−304256号公報
【特許文献3】
特開平7−304257号公報
【特許文献4】
特開平8−127174号公報
【特許文献5】
特開平11−53758号公報
【特許文献6】
特開平11−334204号公報
【特許文献7】
特開平11−334205号公報
【特許文献8】
特開平11−334206号公報
【特許文献9】
特開平11−334207号公報
【特許文献10】
特開2000−43423号公報
【特許文献11】
特開2000−108513号公報
【特許文献12】
特開2000−113504号公報
【特許文献13】
特開2000−149320号公報
【特許文献14】
特開2000−158818号公報
【特許文献15】
特開2000−228028号公報
【非特許文献1】
「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、C/Nが大きく、低コストで製造することができる光情報記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する手段は以下の通りである。即ち、
<1> 基板上に、記録層と、中間層と、カバー層と、が順次形成され、前記カバー層側から380〜500nmの波長のレーザー光を照射することにより情報の記録再生が可能な光情報記録媒体であって、前記記録層が有機物の層であり、かつ前記中間層が前記波長のレーザー光の吸収率が10%以下の導電体の層であることを特徴とする光情報記録媒体である。
【0011】
<2> 前記導電体が、ZnO単独、又はZnOと軽金属の酸化物との複合物である前記<1>に記載の光情報記録媒体である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光情報記録媒体の実施の形態について説明する。本発明の光情報記録媒体は、基板上に、記録層と、中間層と、カバー層と、が順次形成され、前記カバー層側から380〜500nmの波長のレーザー光を照射することにより情報の記録再生が可能な光情報記録媒体であって、前記記録層が有機物の層であり、かつ前記中間層が前記波長のレーザー光の吸収率が10%以下の導電体の層であることを特徴としている。以下、基板と記録層との間に反射層を有する形態の各層について説明する。
【0013】
<基板>
基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.4mmとすることが好ましい。
【0014】
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いることが好ましい。プレグルーブのトラックピッチは、300〜600nmである。また、プレグルーブの深さ(溝深さ)は、40〜150nmの範囲である。
【0015】
なお、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0016】
<反射層>
反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率としては、70%以上である。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
【0017】
反射層は、前述した光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
以上の反射層は、以下の記録層の反射率が十分大きい場合には必ずしも必要ではない。
【0018】
<記録層>
記録層は、上記反射層上に形成され、波長が380〜500nmのレーザ光により情報の記録再生が可能な有機物の層である。該レーザー光のレンズ開口率NAとしては0.7以上が好ましい。
【0019】
前記有機物としては、トリアゾール系化合物、フタロシアニン化合物、ポリフィリン系化合物、アミノブタジエン系化合物、シアニン系化合物等でこれらの少なくとも一種であることが好ましく、フタロシアニン化合物としては、アルコキシ置換体、スルホンアミド置換体、スルフォモイル置換体、スルホン酸置換体のついてものの少なくとも一種であることが好ましい。
【0020】
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素を併用することができる。
さらに、上記色素には限定されず、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、フタロシアニン化合物、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、アゾ化合物、オキソノールベンゾオキサゾール化合物、ベンゾトリアゾール誘導体等の有機化合物も好適に用いられる。これらの化合物の中では、ベンゾトリアゾール誘導体、フタロシアニン化合物が特に好ましい。
【0021】
記録層は、上記色素(有機物等)等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して記録層塗布液を調製し、次いでこの記録層塗布液を基板表面に形成された反射層上に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより形成される。記録層塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
【0022】
記録層塗布液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
【0023】
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0024】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;等を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0025】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
また、塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、さらに好ましくは25〜37℃である。
【0026】
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0027】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0028】
<中間層>
中間層は、上記記録層と後述する接着層との間に形成される。記録層上に接着層を形成すると、接着層の接着剤が記録層の有機物を溶解してしまうが、中間層を設けることにより、接着剤が記録層に直接接触せず、記録層が接着剤によって溶解されるのを防止することができる。上記中間層の層厚は、0.3〜100nmが好ましく、0.5〜10nmがより好ましい。
【0029】
本発明の光情報記録媒体において、中間層を構成する材料としては、380〜500nmの波長のレーザー光に対する吸収率が10%以下の導電体を用いる。上記導電体としては、ZnO単独、又はZnOと軽金属の酸化物との複合物であることが好ましく、具体的には、ZnO、ZnO−Al、ZnO−Ga、SnO、In等が挙げられ、ZnO−Ga、ZnO−Alが好ましい。
【0030】
前述のように、本発明の光情報記録媒体においては、記録層と接着層との間に位置する中間層を導電体の層としているが、中間層に導電体を用いることにより、中間層の成膜に、低コストで利便性の高いDCスパッタ法を採用することができ、設備コストを抑えることができる。また、380〜500nmの波長のレーザー光の吸収率が10%以下の導電体を用いることにより、熱拡散を制御し記録層の有機物を分解させることができ、C/Nを向上させることができる。
【0031】
<カバー層>
本発明の光情報記録媒体におけるカバー層(カバーシート)は、媒体内部への水分の侵入を防ぐために形成されるもので、記録再生に使用するレーザー光に対して、透過率80%以上の材質であることが好ましい。カバーシートの材料は、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、三酢酸セルロース等であり、より好ましくは、23℃50%RHでの吸湿率が5%以下の材料である。具体的には、ポリカーボネート(帝人製ピュアエース、帝人化成製パンライト)、三酢酸セルロース(富士フイルム製フジタック)、PET(東レ製ルミラー)が挙げられ、中でもポリカーボネート、三酢酸セルロースがより好ましい。
【0032】
カバー層は、真空脱気泡した前記UV硬化性接着剤を、所定温度で記録層上に塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜上に、カバーシートを貼り合わせて、このカバーシートの上から紫外線を照射して塗布膜を硬化させて形成される。このように形成されるカバー層の厚さは、0.01〜0.2mmの範囲であり、好ましくは0.03〜0.1mmの範囲、より好ましくは0.05〜0.095mmの範囲である。
【0033】
前記UV硬化性接着剤は、スピンコート法により、光情報記録媒体の内周から30mm以内の領域に吐出し、塗布することが好ましい。このとき、光情報記録媒体を、例えば30〜8000rpmまで変化させながら回転させ、該UV硬化性接着剤を全面に満遍なく広げる。このようにしてUV硬化性接着剤を塗布すると、よりカバー層の厚みムラを少なくすることができる。
【0034】
UV硬化性接着剤としては、ディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化性接着剤としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性接着剤を挙げることができる。
【0035】
UV硬化性接着剤の使用においては、以下の化合物に光重合開始剤を添加することが必要となる。光重合開始剤として芳香族ケトンが使用される。芳香族ケトンは、特に限定されないが、紫外線照射光源として通常使用される水銀灯の輝線スペクトルを生ずる。254,313,865nmの波長において吸光係数の比較的大なるものが好ましい。その代表例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−2ジエトキシアセトフェノン、Michler’sケトンなどがあり、種々の芳香族ケトンが使用できる。芳香族ケトンの混合比率は、化合物(a)100質量部に対し0.5〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。紫外線硬化型接着剤としてあらかじめ光開始剤を添加したものが市販しており、それを使用してもかまわない。
【0036】
紫外線光源としては、水銀灯あるいはUV照射機が用いられる。水銀灯は20〜200W/cmのランプを用い速度0.3m/分〜20m/分で使用される。基体と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
【0037】
UV照射機は、特に限定はないが、ディスクの反りを防止するため、パルス型のUV照射機が好ましく、特に、パルスの間隔がmsec以下あるいはμsec以下のパルス型のUV照射機が好ましい。パルス型のUV照射機を使用する場合、1パルスの照射ワットは、特に限定はないが、好ましくは3kW/cm以下、さらに好ましくは2kW/cm以下である。照射回数は、特に限定はなく、20回以下とすることが好ましく、10回以下とすることがより好ましい。
【0038】
前記接着剤としてUV硬化性接着剤を使用する場合は、該UV硬化性接着剤をそのまま、もしくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、記録層上にこれを塗布し、その上から紫外線を照射して、UV硬化性接着剤を硬化させることで、カバー層を形成することもできる。つまり、この場合、TACフィルムなどカバーシートを要せずカバー層を形成することができる。
【0039】
また、本発明の光情報記録媒体においては、反射層と記録層との間に、記録層の特性に応じて光透過層を形成することができる。例えば、記録層との接着性向上のための光透過層を設けてもよい。
光透過層としては、レーザー波長で90%以上の透過率があるものであれば如何なる材料をも使用することができる。
【0040】
上記光透過層は、従来公知の方法により形成することができ、光透過層の厚さは2〜50nmとすることが好ましい。
【0041】
【実施例】
本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
(実施例1〜9)
厚さ1.1mm、直径120mmのスパイラル状のグルーブ(トラックピッチ:340nm、溝深さ:40nm、溝幅:150nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして120nmの膜厚の反射層を形成し、その後、下記構造式で示される化合物1(有機物)を乳酸メチルと混合し3%として超音波振動機を用いて2時間かけて溶解し色素塗布液を調製した。この色素塗布液をスピンコート法により回転数を300〜4000rpmまで変化させながら23℃50%RHの条件で塗布し記録層を形成した。その後、80℃、1時間の条件でアニールを行った。次いで、DCスパッタ装置(バルザス社製、Cube)を用い、ZnO−Alを各実施例毎に表1の層厚となるようにスパッタし中間層を形成した。その後、UV硬化性接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、SD−640)をスピンコート法により100〜300rpmで塗布し、ポリカーボネートシート(ピュアエース、帝人社製、膜厚80μm)を重ね合わせ、300rpmから4000rpmまで変化させながら全面に接着剤を広げた後、UV照射ランプにて紫外線を照射して硬化させ、実施例1〜9の光情報記録媒体を作製した。
【0043】
【化1】
Figure 2005078655
【0044】
(実施例10〜18、比較例1)
厚さ1.1mm、直径120mmのスパイラル状のグルーブ(トラックピッチ:340nm、溝深さ:40nm、溝幅:150nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして120nmの膜厚の反射層を形成し、その後、有機物としてオラゾールブルーGN(cibaファインケミカル社製)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールと混合し3%として超音波振動機を用いて2時間かけて溶解し色素塗布液を調製した。この色素塗布液をスピンコート法により回転数を300〜4000rpmまで変化させながら23℃50%RHの条件で塗布し記録層を形成した。その後、DCスパッタ装置(バルザス社製、Cube)を用い、ZnOを各実施例毎に表1の層厚となるようにスパッタし中間層を形成した(比較例1に関しては中間層を形成していない。)。その後、UV硬化性接着剤(大日本インキ化学工業(株)製、SD−640)をスピンコート法により100〜300rpmで塗布し、ポリカーボネートシート(ピュアエース、帝人社製、膜厚80μm)を重ね合わせ、300rpmから4000rpmまで変化させながら全面に接着剤を広げた後、UV照射ランプにて紫外線を照射して硬化させ、実施例10〜18及び比較例1の光情報記録媒体を作製した。
【0045】
[評価]
前記各実施例及び比較例の光情報記録媒体を、波長405nm、レンズ開口率NA0.85のレーザー光源を搭載する光ディスクドライブ装置(パルステック工業(株)製、DDU−1000)を用いて2T信号を6mWで記録しその反射率、C/Nを測定した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2005078655
【0047】
表1より、実施例1〜18の光情報記録媒体はいずれも中間層に導電体を用いており、高反射率で、C/Nが大きいことが分かる。これに対して比較例1の光情報記録媒体は、中間層を設けておらず、低反射率で、C/Nが小さかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、C/Nが高く、低コストで製造することができる光情報記録媒体を提供することができる。

Claims (1)

  1. 基板上に、記録層と、中間層と、カバー層と、が順次形成され、前記カバー層側から380〜500nmの波長のレーザー光を照射することにより情報の記録再生が可能な光情報記録媒体であって、
    前記記録層が有機物の層であり、かつ前記中間層が前記波長のレーザー光の吸収率が10%以下の導電体の層であることを特徴とする光情報記録媒体。
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