JP2003016689A - 光情報記録媒体 - Google Patents
光情報記録媒体Info
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Abstract
でも情報を記録することが可能で、安定した記録再生特
性を有する光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 トラックピッチ200〜400nm、溝
深さ20〜150nmの基板上に、光反射層と、波長6
00nm以下のレーザ光により情報の記録が可能で色素
を含有する記録層と、カバー層と、が順次形成された光
情報記録媒体であって、前記記録層が、300〜450
nmに吸収極大を持ち、記録レーザー波長での吸光度が
0.07以上である2以上の有機溶剤溶解性化合物、を
含有していることを特徴とする光情報記録媒体である。
Description
関し、特にヒートモードによる追記型光情報記録媒体に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知ら
れている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−
R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基
板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる光
反射層、さらに樹脂製の保護層(カバー層)がこの順に
積層したものである。そしてこのCD−Rへの情報の記
録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波
長のレーザ光)をCD−Rに照射することにより行わ
れ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度
上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの
生成)によりその部分の光学的特性が変化することによ
り情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)も
また記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光をCD−R
に照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変
化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録
部分)との反射率の違いを検出することにより行われて
いる。 【0003】近年、記録密度のより高い光情報記録媒体
が求められている。このような要望に対して、追記型デ
ジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)
と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日
経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発
行)。このDVD−Rは、照射されるレーザ光のトラッ
キングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rの半
分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成
された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有す
る記録層、光反射層、および保護層をこの順に積層した
ディスク2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、
あるいはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを
記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そ
して、このDVD−Rへの情報の記録および再生は、可
視レーザ光(通常は、630nm〜680nmの範囲の
波長のレーザ光)を照射することにより行われており、
CD−Rより高密度の記録が可能である。 【0004】最近、インターネット等のネットワークや
ハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDT
V(High Definition Televis
ion)の放映開始も間近にひかえている。このような
状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができ
る大容量の記録媒体が必要とされている。DVD−Rは
現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たし
ているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であ
り、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要で
ある。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高
密度の記録を行なうことができる、より大容量の記録媒
体の開発が進められている。 【0005】例えば、特開平4−74690号公報、特
開平7−304256号公報、特開平7−304257
号公報、特開平8−127174号公報、同11−53
758号公報、同11−334204号公報、同11−
334205号公報、同11−334206号公報、同
11−334207号公報、特開2000−43423
号公報、同2000−108513号公報、同2000
−113504号公報、同2000−149320号公
報、同2000−158818号公報、および同200
0−228028号公報には、有機色素を含む記録層を
有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層
側に向けて波長530nm以下のレーザ光を照射するこ
とにより、情報の記録および再生を行う記録再生方法が
開示されている。これらの方法では、ポルフィリン化合
物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色
素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル
骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等
を含有する記録層を備えた光ディスクに、青色(波長4
30nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)
のレーザ光を照射することにより情報の記録および再生
を行っている。 【0006】また、現在使用されているCD−Rシステ
ムとの互換性という観点から、2つの異なる波長領域の
レーザ光で記録および再生が可能な光情報記録媒体が提
案されている。例えば、特開2000−141900号
公報、同2000−158816号公報、同2000−
185471号公報、同2000−289342号公
報、同2000−309165号公報には、CD−Rに
用いられる色素とDVD−Rで用いられる色素とを混合
して用いることによって、780nm付近の近赤外域の
レーザ光、および650nm付近の可視レーザ光の何れ
のレーザ光によっても記録および再生が可能な光情報記
録媒体が提案されている。 【0007】しかしながら、本発明者の検討によれば、
上記公報に記載された光ディスクでは、波長600nm
以下、特に450nm以下の短波長レーザ光の照射によ
り情報を記録する場合には、実用上必要とされる感度を
得ることができず、また、反射率や変調度等の他の記録
特性も満足できるレベルではなく、更に改良を要するこ
とが判明した。特に、上記公報に記載された光ディスク
では、波長450nm以下のレーザ光を照射した場合に
記録特性の低下が確認された。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明は、
波長600nm以下の短波長レーザ光の照射でも情報を
記録することが可能で、安定した記録再生特性を有する
光情報記録媒体を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明により達成される。すなわち、本発明は、 <1> トラックピッチ200〜400nm、溝深さ2
0〜150nmの基板上に、光反射層と、波長600n
m以下のレーザ光により情報の記録が可能で色素を含有
する記録層と、カバー層と、が順次形成された光情報記
録媒体であって、前記記録層が、300〜450nmに
吸収極大を持ち、記録レーザー波長での吸光度が0.0
7以上である2以上の有機溶剤溶解性化合物、を含有し
ていることを特徴とする光情報記録媒体である。。 【0010】本発明において、前記有機溶剤溶解性化合
物が、フタロシアニン化合物であることが好ましい。ま
た、前記レーザー光は、その波長が405nmのもので
あることが好ましい。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、基板
上に、少なくとも光反射層、記録層、カバー層が順次形
成された構成を有する。前記カバー層は、接着層を介し
て記録層上に形成されていることが好ましい。以下、基
板および各層について説明する。 【0012】<1.基板>基板としては、従来の光情報
記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を
任意に選択して使用することができる。具体的には、ガ
ラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等
のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体
等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポ
リオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;
等を挙げることができ、所望によりこれらを併用しても
よい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低
価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリ
オレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好まし
い。また、基板の厚さは、1.1±0.3mmとするこ
とが好ましい。 【0013】基板には、トラッキング用の案内溝または
アドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が
形成されている。より高い記録密度を達成するためにC
D−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチ
のプレグルーブが形成された基板を用いることが好まし
い。プレグルーブのトラックピッチは、200〜400
μmの範囲にすることを必須とし、好ましくは、250
〜350nmの範囲とする。また、プレグルーブの深さ
(溝深さ)は、20〜150nmの範囲にすることを必
須とし、好ましくは、50〜120nmの範囲とする。 【0014】なお、後述する光反射層が設けられる側の
基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、
下塗層を形成することが好ましい。該下塗層の材料とし
ては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸
・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共
重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリ
ルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロル
スルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイ
ミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤
等の表面改質剤;を挙げることができる。下塗層は、上
記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製
した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、
エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に
塗布することにより形成することができる。下塗層の層
厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ま
しくは0.01〜10μmの範囲である。 【0015】<2.光反射層>光反射層には、レーザ光
に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該
反射率は、70%以上であることが好ましい。反射率の
高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、R
e、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、P
t、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、I
n、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金
属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることがで
きる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、
あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いて
もよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、
Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼であ
る。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれら
の合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこ
れらの合金である。 【0016】光反射層は、例えば、上記光反射性物質を
蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングする
ことにより基板上に形成することができる。光反射層の
層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50
〜200nmの範囲とすることが好ましい。 【0017】<3.記録層>記録層は、上記光反射層上
に形成され、波長600nm以下のレーザ光により情報
の記録が可能で、色素を含有している。該色素として
は、少なくとも、300〜450nmに吸収極大を持
ち、記録レーザー波長での吸光度が0.07以上である
2以上の有機溶剤溶解性化合物、を含有している。な
お、前記「吸収極大」とは、300〜450nmの範囲
で吸収が極大となる場合だけでなく、吸光度が0.2以
上となる場合をもいう。 【0018】記録レーザー波長での吸光度が0.07以
上である2以上の有機溶剤溶解性化合物を含有すること
で、光の吸収量を制御し、大きな変調度をもたらす構成
とすることが可能となる。なお、「記録レーザー波長」
とは、光情報記録媒体に照射するレーザの波長をいい、
DVDの場合は、635もしくは650nm、DVR
(ソニー(株)が提唱する高密度記録媒体 22.5G
B/枚)の場合は、405nmである。また、「吸光
度」とは、有機溶剤溶解性化合物が、アモルファス状態
で光の吸収する度合を表わす量をいい、吸収によってそ
の光の強さI0からIになったときのlog10(I0/
I)の値をいう。具体的には、有機溶剤溶解性化合物を
ポリカーボネートのフラット基板上に固体膜として形成
(膜厚は例えば、100nm)した際の分光光度計
((株)島津製作所製uv−3100)で透過率を測定
することで得られる。 【0019】記録レーザー波長での吸光度が0.07以
上の有機溶剤溶解性化合物が2つである場合に、前記有
機溶剤溶解性化合物をXおよびYとすると、これらを混
合する際の混合質量比(X/Y)は、0.1/99.9
〜99.9/0.1であることが好ましく、1/99〜
99/1であることがより好ましい。0.1/99.9
未満だと、その物質の特性を有効に発揮できないことが
あり、99.9/0.1を超えると、その物質の性質そ
のものになることがある。 【0020】記録レーザー波長での吸光度が0.07以
上の有機溶剤溶解性化合物が3つ以上である場合は、記
録層中に最も多く含まれている有機溶剤溶解性化合物X
と、最も少なく含まれている有機溶剤溶解性化合物Y
と、の質量混合比が、上記混合質量比を満たしていれば
よい。 【0021】また、2以上の有機溶剤溶解性化合物は、
記録層中に50〜100質量%含有されていることが好
ましく、70〜100質量%含有されていることがより
好ましい。50質量%未満とすると、吸収が少なくな
り、記録特性が低下することがある。 【0022】有機溶剤溶解性化合物としては、フタロシ
アニン化合物、ポルフィリン化合物、トリアゾール化合
物、アミノブタジエン化合物、シアニン化合物であるこ
とが好ましく、前記フタロシアニン化合物としては、ア
ルコキシ置換体、スルホンアミド置換体、スルファモイ
ル置換体、スルホン酸置換体を有するもの等を使用する
ことが好ましい。 【0023】図1に有機溶剤溶解性化合物としてのフタ
ロシアニン化合物である和光純薬社製のFOM561の
吸収スペクトルを、一具体例として示す。図1に示すよ
うに、DVRの記録レーザ波長(405nm)での吸光
度は、0.1146である。つまり、このような2以上
の有機溶剤溶解性化合物を使用することにより、既述の
ような効果が得られる。 【0024】また、特開平4−74690号公報、特開
平8−127174号公報、同11−53758号公
報、同11−334204号公報、同11−33420
5号公報、同11−334206号公報、同11−33
4207号公報、特開2000−43423号公報、同
2000−108513号公報、および同2000−1
58818号公報等に記載されている色素を併用するこ
とができる。さらに、上記色素には限定されず、トリア
ゾール化合物、トリアジン化合物、シアニン化合物、メ
ロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、フタロシ
アニン化合物、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、アゾ
化合物、オキソノールベンゾオキサゾール化合物、ベン
ゾトリアゾール化合物等の有機化合物も好適に用いられ
る。これらの化合物の中では、シアニン化合物、アミノ
ブタジエン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、フタロ
シアニン化合物が特に好ましい。 【0025】記録層は、上記色素(有機溶剤溶解性化合
物等)等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶
解して色素塗布液を調製し、次いでこの色素塗布液を基
板表面に形成された光反射層上に塗布して塗膜を形成し
たのち乾燥することにより形成される。色素塗布液中の
記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲
であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好
ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.
5〜3質量%の範囲である。また、記録物質等を溶解処
理する方法としては、超音波処理、デスパー、ホモジナ
イザー、加温等の方法を適用することができる。 【0026】色素塗布液を調製する際の溶剤としては、
酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエ
ステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,
2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水
素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘ
キサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセト
ンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラ
フルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができ
る。 【0027】上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考
慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用す
ることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV
吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて
添加してもよい。 【0028】結合剤を使用する場合に、結合剤の例とし
ては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロ
ジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭
化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系
樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
エチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物等の合成有機高分子;等を挙げることが
できる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、
結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍
量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.
1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調
製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01
〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量
%の範囲にある。 【0029】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げるこ
とができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記
録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、
好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好まし
くは50〜100nmの範囲にある。 【0030】記録層には、該記録層の耐光性を向上させ
るために、種々の褪色防止剤を含有させることができ
る。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチ
ャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、
既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用す
ることができる。その具体例としては、特開昭58−1
75693号公報、同59−81194号公報、同60
−18387号公報、同60−19586号公報、同6
0−19587号公報、同60−35054号公報、同
60−36190号公報、同60−36191号公報、
同60−44554号公報、同60−44555号公
報、同60−44389号公報、同60−44390号
公報、同60−54892号公報、同60−47069
号公報、同63−209995号公報、特開平4−25
492号公報、特公平1−38680号公報、および同
6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許3503
99号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号
第1141頁等に記載のものを挙げることができる。 【0031】前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止
剤の使用量は、記録層を構成する化合物の量に対して、
通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、
0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40
質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲で
ある。 【0032】<4.接着層>接着層は、上記記録層と、
後述するカバー層との密着性を向上させるために形成さ
れる任意の層である。接着層を構成する材料としては、
光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防
止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。この
ような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インク社
製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化
性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。ま
た、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜10
00μmの範囲が好ましく、5〜500μmの範囲がよ
り好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ましい。 【0033】<5.カバー層>カバー層は、光情報記録
媒体内部への水分の侵入を防ぐために形成され、透明な
材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカー
ボネート、三酢酸セルロース等であり、より好ましく
は、23℃50%RHでの吸湿率が5%以下の材料であ
る。なお、「透明」とは、記録光および再生光の光に対
して、該光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透
明であることを意味する。 【0034】カバー層は、接着層を構成する光硬化性樹
脂を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗
布液を所定温度で記録層上に塗布して塗布膜を形成し、
該塗布膜上に、例えばプラスチックの押出加工で得られ
た三酢酸セルロースフィルム(TACフィルム)をラミ
ネートし、ラミネートしたTACフィルムの上から光を
照射して塗布膜を硬化させて、形成される。前記TAC
フィルムとしては、紫外線吸収剤を含むものが好まし
い。カバー層の厚さは、0.01〜0.2mmの範囲で
あり、好ましくは0.03〜0.1mmの範囲、より好
ましくは0.05〜0.095mmの範囲である。 【0035】粘度制御のため、塗布温度は23〜50℃
の範囲が好ましく、24〜40℃の範囲がより好まし
く、25〜37℃の範囲がさらに好ましい。ディスクの
反りを防止するため、塗布膜への紫外線の照射はパルス
型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行う
のが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、
μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特
に制限されないが、3kW/cm2以下が好ましく、2
kW/cm2以下がより好ましい。また、照射回数は特
に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下
がより好ましい。 【0036】また、本発明の光情報記録媒体において
は、光反射層と記録層との間に、記録層の特性に応じて
誘電体層または光透過層を形成することができる。例え
ば、記録物質として上記有機溶剤溶解性化合物(A)お
よび(B)を含有する記録層を設けた場合には、当該記
録層との接着性向上のための光透過層を設けてもよく、
相変化型の記録層を設けた場合には、放熱のための誘電
体層を設けてもよい。誘電体層としては、Zn、Si、
Ti、Te、Sm、Mo、Ge等のいずれか1以上から
なる酸化物、窒化物、炭化物、硫化物等の材料で、それ
らがZnS−SiO2のようにハイブリット化していて
もよい。光透過層としては、レーザ波長で90%以上の
透過率を有する材料であれば特に限定されることなく使
用することが可能で、例えば、前記誘電体層と同様の材
料を使用することができる。 【0037】上記誘電体層または光透過層は、従来公知
の方法により形成することができる。誘電体層の厚さ
は、1〜100nmとすることが好ましく、光透過層の
厚さは、1〜50nmとすることが好ましい。 【0038】 【実施例】本発明を以下に示す実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0039】(実施例1〜9)表1に示す溝深さ、トラ
ックピッチおよび幅を有し、厚さ1.2mm、直径12
0mmのスパイラル状のグルーブを有するそれぞれの射
出成形ポリカーボネー卜樹脂(帝人社製ポリカーボネー
ト:商品名パンライトAD5503)基板のグルーブを
有する面上に、Agをスパッタリングして100nmの
膜厚の反射層を形成し、その後、オラゾールブルGN
(フタロシアニン化合物、吸光度0.07、cibaス
ペシャリティケミカル社製)95質量%とFOM−56
1(フタロシアニン、吸光度0.1、和光純薬社製)5
質量%と、の混合物20gを2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール1リットル中で混合し、2時間超音
波処理を行って溶解し、色素塗布液を調製した。なお、
それぞれの吸光度について、オラゾールブルGNは、ま
ず、これをポリカーボネートのフラット基板上に固体膜
(膜厚:100nm)として形成し、以下に示す装置お
よび条件により吸光度を測定した。FOM−561につ
いても同様にして吸光度を測定した。 【0040】測定装置:分光光度計((株)島津製作所
製uv−3100−PC) スキャンスピード:高速 スキャン範囲:300nm〜800nm 温湿度:23℃50%RH 【0041】調製した色素塗布波を、スピンコート法に
より回転数を300rpmから4000rpmまで変化
させながら23℃50%RHの条件で塗布し、記録層を
形成した。その後、23℃50%RHで1時間保存し、
その後、UV硬化接着剤(大日本インキ化学社製SD−
347)をスピンコート法により100〜300rpm
で記録層上に塗布し、カバー層としてのポリカーボネー
トシート(ピュアエース帝人社製 膜厚70μm)を重
ね合わせ、その後300rpmから4000rpmで変
化させながら全面に接着剤を広げた後、UV照射ランプ
にて紫外線を照射して硬化させ、サンプルを作製した。 【0042】(比較例1)実施例1〜9と同様の厚さお
よび直径を有するスパイラル状のグルーブ(深さ100
nm、幅0.11μm、トラックピッチ0.3nm)を
有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカ
ーボネート商品名パンライトAD5503)基板のグル
ーブを有する面上に、Agをスパッタリングして100
nmの膜厚の反対層を形成した。その後、オラゾールブ
ルGN20gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパ
ノール1リットル中に添加し、2時間超音波処理を行っ
て溶解した。この色素塗布波をスピンコート法により回
転数を300rpmから4000nmまで変化させなが
ら23℃50%RHの条件で塗布した。その後、23℃
50%RHで1時間保存し、その後、UV硬化接着剤
(大日本インキ化学社製SD−347)をスピンコート
法により100〜300rpmで塗布し、ポリカーボネ
ートシート(ピュアエース帝人社製膜厚80μm)を重
ね合わせ、その後300rpmから4000rpmまで
変化させながら全面に接着剤を広げた後、UV照射ラン
プにて紫外線をパルス照射して硬化させ、サンプルを作
製した。 【0043】(比較例2)実施例1〜9と同様の厚さお
よび直径を有するスパイラル状のグルーブ(深さ100
nm、幅0.11μm、トラックピッチ0.3nm)を
有する射出成形ポリカーボネー卜樹脂基板のグルーブを
有する面上に、Agをスパッタリングして100nmの
膜厚の反射層を形成した。その後、20gのFOM56
1を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに添
加し、2時間超音波処理を行って溶解し、色素塗布液を
調製した。この色素塗布液をスピンコート法により回転
数を300rpmから4000rpmまで変化させなが
ら23℃50%RHの条件で塗布した。その後、23℃
50%RHで1時間保存し、その後、UV硬化接着剤
(大日本インキ化学社製SD−347)をスピンコート
法により100〜300rpmで塗布し、ポリカーボネ
ートシート(ピュアエース、帝人社製、膜厚80μm)
を重ね合わせ、その後300rpmから4000rpm
まで変化させながら全面に接着剤を広げた後、UV照射
ランプにて紫外線をパルス照射して硬化させ、サンプル
を作製した。 【0044】−光記録媒体の評価− 実施例1〜9および比較例1および2で得られたサンプ
ル(光情報記録媒体)について、記録再生テストを行っ
て光情報記録媒体の評価を行った。当該評価は以下に示
すようにして行った。まず、上記で得られた光情報記録
媒体について405nmのレーザーを発することができ
るDDU−1000(パルステック社製)を用いて、記
録パワー5mWでの3T−14T信号を記録し、その全
体の変調度および反射率を測定した。結果を表1に示
す。 【0045】 【表1】【0046】表1より、実施例1〜9では、比較例1お
よび2より、変調度が高かった。すなわち、記録レーザ
ー波長での吸光度が0.07以上である2以上の有機溶
剤溶解性化合物を混合することのよって、レーザの蓄熱
をうまく制御でき、変調度を上げることが可能であるこ
とがわかった。また、反射率についても同様で、吸光度
を制御することで、高い反射率を維持することが可能で
あることがわかった。 【発明の効果】本発明の光情報記録媒体は、波長600
nm以下の短波長レーザ光の照射でも情報を記録するこ
とが可能で、安定した記録再生特性を発揮することがで
きる。
ルを示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 トラックピッチ200〜400nm、溝
深さ20〜150nmの基板上に、光反射層と、波長6
00nm以下のレーザ光により情報の記録が可能で色素
を含有する記録層と、カバー層と、が順次形成された光
情報記録媒体であって、 前記記録層が、300〜450nmに吸収極大を持ち、
記録レーザー波長での吸光度が0.07以上である2以
上の有機溶剤溶解性化合物、を含有していることを特徴
とする光情報記録媒体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001202008A JP2003016689A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 光情報記録媒体 |
DE60207487T DE60207487T2 (de) | 2001-06-04 | 2002-06-03 | Optisches Aufzeichungsmedium |
EP02012245A EP1265233B1 (en) | 2001-06-04 | 2002-06-03 | Optical information recording medium |
US10/158,834 US6699591B2 (en) | 2001-06-04 | 2002-06-03 | Optical information recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001202008A JP2003016689A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 光情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003016689A true JP2003016689A (ja) | 2003-01-17 |
Family
ID=19038888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001202008A Abandoned JP2003016689A (ja) | 2001-06-04 | 2001-07-03 | 光情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003016689A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7778145B2 (en) | 2004-07-16 | 2010-08-17 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium and optical recording method of the same |
US8114496B2 (en) | 2006-01-13 | 2012-02-14 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium |
US9581514B2 (en) | 2012-03-16 | 2017-02-28 | Oxsensis Limited | Optical pressure sensor |
US11201683B2 (en) | 2019-05-30 | 2021-12-14 | Advanced New Technologies Co., Ltd. | Monitoring video broadcasts |
-
2001
- 2001-07-03 JP JP2001202008A patent/JP2003016689A/ja not_active Abandoned
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7778145B2 (en) | 2004-07-16 | 2010-08-17 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium and optical recording method of the same |
US8114496B2 (en) | 2006-01-13 | 2012-02-14 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium |
US9581514B2 (en) | 2012-03-16 | 2017-02-28 | Oxsensis Limited | Optical pressure sensor |
US11201683B2 (en) | 2019-05-30 | 2021-12-14 | Advanced New Technologies Co., Ltd. | Monitoring video broadcasts |
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