JP2008234715A - 多層光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過層の層厚分布に優れた多層光記録媒体を効率良く製造する方法の提供。
【解決手段】中心孔を有さない透光性平面基体上の回転中心に放射線硬化性樹脂組成物を供給する工程(A)と、基体を回転中心で回転させて、遠心力により樹脂組成物を展延する工程(B)と、樹脂組成物にグルーブ溝形状が形成されたスタンパを密着させて樹脂組成物を硬化させて放射線硬化性樹脂層を形成する工程(C)と、スタンパを樹脂層との界面で剥離しスタンパの溝形状を樹脂層に転写する工程(D)と、基体上の溝形状面に情報層を成膜する工程(E)と、一方の面にグルーブ溝形状と第1情報層とを有する第1基板と、情報層が形成された基体とを情報層同士で貼り合わせる工程(F)と、基体を樹脂層との界面から剥がして光記録媒体中間体を作製する工程(G)と、中間体の略中心にセンターホールを形成する工程(H)とを含む多層光記録媒体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光透過層の層厚分布に優れた高品位で安価な多層光記録媒体及び該多層光記録媒体を効率良く製造することができる多層光記録媒体の製造方法に関する。
ブロードバンドやデジタルハイビジョン放送の普及に伴って扱う情報量が増大し、高密度かつ高速でデータを記録・再生できる光記録システムが求められている。一例として、405nmの青色レーザと開口数(NA)=0.85の光学系を用いたBlu−ray disc規格が提案され、既に商品化が始まっている。
このBlu−ray disc規格では、高NAの光学系においてチルトマージンを確保するため、記録及び再生光を従来の基板側からではなく、0.1mm程度の厚さに設定されたカバー層を通して照射するように設計されている。
これらに用いられる光記録媒体としては、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用したいわゆる相変化型光記録媒体や、光吸収により非可逆的な光学特性の変化(吸収係数や屈折率)を起こす色素材料や無機材料を用い、一度だけ記録が可能な追記型光記録媒体が知られている。
後者の追記型光記録媒体の記録材料として、本願出願人は、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3において、金属、又は半金属の酸化物、特に酸化ビスマスを主成分とする記録層の有用性を提案している。また、特許文献4には、構成元素の主成分がビスマスであり、かつ酸化ビスマスを含有する記録層を有し、該記録層が更にB、P、Ga、As、Se、Tc、Pd、Ag、Sb、Te、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Po、At、及びCdから選択される少なくとも1種の元素を含有する追記型光記録媒体が提案されている。
ところで、近年、このような光記録媒体の大記憶容量化に対する要求が高まってきており、これに対応するべく、例えば、特許文献5などには、2層又はそれ以上の層の記録層を設けた多層光記録媒体が提案されている。
図1は、このような2層の光記録媒体(Blu−ray disc規格)の断面模式図である。この図1の光記録媒体は、中心部にセンターホールを有した略円盤形状をしており、基板1上に、第1情報層2、中間層3、第2情報層4、及びカバー層5を形成した断面構造を有する。情報を記録又は再生するには、光記録媒体をセンターホール7部で図示していないドライブ駆動装置にクランプし、一定線速又は一定回転速度で回転駆動させながら、光記録媒体中の各情報層に対して、例えば開口数(NA)=0.85の対物レンズ8で波長405nmのレーザ光9を照射して行う。
図1に例示した光記録媒体の構造は以下の通りである。まず、基板1は厚さが約1.1mmで、ポリカーボネートなどの射出成形により、一方の面にグルーブ溝形状が設けられた構造を有している。このグルーブ溝形状は、レーザービームの案内溝であるとともに、そのトラックサーボ信号から光記録媒体上のアドレス情報の再生等に用いられる。
基板の溝表面には、第1情報層2が形成されている。この第1情報層は、例えば光記録媒体が相変化型記録媒体の場合は、レーザービームの入射側から、誘電体膜、相変化記録膜、誘電体膜、及び反射膜がこの順番で積層されている。一般に、これらの膜は公知のスパッタリング法によって形成される。また、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。
第1情報層2の上(図1では下)には、中間層3が形成されている。この中間層3は、第1情報層2と第2情報層4とをフォーカスサーボ信号によって分離可能とするために設けられ、2層Blu−ray discの場合は、25μm程度の厚さである。中間層3表面には、基板と同様のグルーブ溝形状が形成され、その上(図1では下)に第2情報層4が設けられている。同様に、光記録媒体が相変化型記録媒体の場合、第2情報層4はレーザービームの入射側から、誘電体層、相変化記録層、誘電体層、反射層などがこの順番で積層されている。なお、第2情報層4は、奥側の第1情報層2の記録再生を可能とするために、光を半透過するような層構成となっている。
第2情報層4の上には、保護層として紫外線硬化樹脂等からなるカバー層5が形成されている。このカバー層5は、その最表面にハードコート層等を備えた多層構造でもよく、2層Blu−ray discの場合、トータルの厚さは75μm程度である。
カバー層5表面から、第1情報層及び第2情報層までのトータルの層をそれぞれ第1光透過層及び第2光透過層と呼ぶ。即ち、図1の場合、第1光透過層6はカバー層5と第2情報層4及び中間層3とを合わせた層であり、第2光透過層はカバー層と同一である。カバー層や中間層の層厚分布がばらつくと、第1光透過層及び第2光透過層の厚みが変化し、光学収差の差となって記録再生特性に悪影響を及ぼすので、これらの層厚分布は非常に均一であることが要求される。即ち、カバー層や中間層に許容される層厚分布は、これらの層に対しては直接規定されず、第1光透過層及び第2光透過層の層厚分布に対して規定される。例えば、Blu−ray disc規格では、第1光透過層の厚みは95μm〜105μm(光透過層の屈折率を1.6としたとき)、第2光透過層の厚みは70μm〜80μm(光透過層の屈折率を1.6としたとき)、許容される層厚分布はいずれも±2μmである。
例えば、図2に示すように、第1情報層2、第2情報層4、第3情報層11、及び第4情報層13の4層になると、第1光透過層6、第2光透過層14、第3光透過層15、及びカバー層(第4光透過層)5に対して層厚分布が規定され、奥側の情報層ほど手前側の中間層の層厚分布が重畳されることになるため、製造上要求される中間層の層厚分布は、多層化するほどより高い均一性が求められるようになる。なお、図2中、3は第1中間層、10は第2中間層、12は第3中間層、6は第1光透過層、14は第2光透過層、15は第3光透過層をそれぞれ表す。
このような多層光記録媒体を記録及び再生するには、カバー層側からレーザ光を入射し、対物レンズの光記録媒体からの距離を調整して、いずれかの情報層に焦点を合わせることにより、各層に選択的に記録及び再生を行う。
例えば特許文献5には、このような情報層を複数有する多層光記録媒体の製造方法が開示されている。この特許文献5の方法は、センターホールのないポリカーボネート等からなるフィルム基板を貼り合わせてカバー層にする方法で、フィルム基板側に樹脂を塗布することで、カバー層や中間層の良好な層厚分布を得ようとするものである。
このように回転中心に樹脂を供給し、高速回転で振り切ることによって、極めて均一な樹脂塗布層が形成できることは、特許文献6にも開示されている。即ち、粘度η、密度ρを有する液体を、回転角速度ω、回転時間tでスピン塗布したとき、半径方向の厚みTは、半径位置rと回転中心から塗布開始位置までの距離r0を用いて、以下のような数式1で示されることが開示されている。
T={(3η/4ρωt)×[1−(r/r0)−4/31/2 ・・・数式1
この数式1によれば、樹脂塗布位置の回転中心に対するばらつき(r0のばらつき)やその距離が大きいほど、厚みが半径方向で不均一になることがわかる。このため、光記録媒体のセンターホールを何らかの方法で閉塞して、回転中心付近に樹脂供給することを可能とし、距離r0とそのばらつきを小さくして塗布厚みの均一化を図ることが知られている。
ところが、前記特許文献6の方法には、以下のような問題がある。
第1に、厚み80μm以下の薄いフィルム基板に中間層や情報層を積層していくため、中間層の硬化収縮や情報層の成膜応力によってフィルム基板に様々な反りが生じてしまい、製造装置内での搬送や、樹脂塗布時あるいはスパッタ成膜時の基板固定がうまくできなかったりする不具合があった。特に、樹脂塗布時のフィルム基板の平面保持性が悪いと、樹脂の塗布ムラを生じて中間層の層厚分布を悪化させてしまい、多層光記録媒体の品質を著しく悪化させてしまうという問題がある。
第2に、フィルム基板が薄く熱容量が小さいため、スパッタ時の熱により基板が熱変形を起こしたり、最悪の場合は溶融してしまったりして、不良となることが多かった。これを防ぐには、スパッタ時の成膜レートを落として、フィルム基板への入熱量を減らしたり、フィルム基板の冷却機構をスパッタ装置に設けるなどの方法が有効であったが、生産タクトが著しく長くなったり、装置コストが高くなったりして、安価な光記録媒体を提供する上で問題がある。
第3に、2層よりも更に多層の光記録媒体を作製する場合、中間層厚みを薄くしながら、カバー層となるフィルム基板の厚さも薄くする必要があるため、上記問題点がより顕在化し、スループットと歩留まりが更に悪化して、安価な多層光記録媒体を提供することが困難となる。
特開2003−48375号公報 特開2005−161831号公報 特開2005−108396号公報 特開2006−247897号公報 特開2003−242694号公報 特開平11−213459号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光透過層の層厚分布に優れた高品位で安価な多層光記録媒体、及び該多層光記録媒体を効率良く製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> レーザ光の照射によりデータの記録及び再生の少なくともいずれかが行われる少なくとも2つの情報層を有し、中心にセンターホールを有する略円盤形状の多層光記録媒体の製造方法であって、
中心孔を有さない透光性平面基体上の回転中心に放射線硬化性樹脂組成物を供給する樹脂供給工程(A)と、
前記透光性平面基体を回転中心で回転させて、遠心力により放射線硬化性樹脂組成物を展延する樹脂展延工程(B)と、
展延した放射線硬化性樹脂組成物にグルーブ溝形状を有するスタンパを密着させて放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、放射線硬化性樹脂層を形成する硬化工程(C)と、
スタンパを放射線硬化性樹脂層との界面で剥離し、スタンパの溝形状を放射線硬化性樹脂層に転写する転写工程(D)と、
前記樹脂供給工程(A)〜転写工程(D)により、前記透光性平面基体上に形成された溝形状面に情報層を成膜する情報層形成工程(E)と、
一方の面にグルーブ溝形状と第1情報層とを有する第1基板と、前記樹脂供給工程(A)〜転写工程(E)により、少なくとも1層の情報層が形成された透光性平面基体とを情報層同士が向き合うように貼り合わせる貼合工程(F)と、
透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がして、光記録媒体中間体を作製する中間体作製工程(G)と、
得られた光記録媒体中間体の略中心にセンターホールを形成するセンターホール形成工程(H)と、
を含むことを特徴とする多層光記録媒体の製造方法である。
<2> 第1基板よりも外径が大きい透光性平面基体を用いる前記<1>に記載の多層光記録媒体の製造方法である。
<3> 中間体作製工程(G)において、透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がす前に、第1基板よりもはみ出した放射線硬化性樹脂組成物部分の一部及び第1基板に沿った外周のいずれかを切断する切断工程(G1)を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法である。
<4> 透光性平面基体がガラス基板であり、樹脂供給工程(A)の前に、放射線硬化性樹脂組成物を供給するガラス基板面に酸素雰囲気下で紫外線を照射する照射工程(A1)を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法である。
<5> 樹脂供給工程(A)〜情報層形成工程(E)を1回以上繰り返す前記<1>から<4>のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法により製造されたことを特徴とする多層光記録媒体である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、樹脂供給工程(A)及び樹脂展延工程(B)により、中心孔を有さない透光性平面基体上に放射線硬化性樹脂を供給し展延するので、カバー層及び中間層の均一な層厚分布が得られる。特に、樹脂供給工程(A)〜情報層形成工程(E)の繰り返しによって、2層以上の多層光記録媒体を製造する際も、透光性平面基体の適度な剛性により、樹脂展延工程(B)において常に放射線硬化性樹脂を塗布する面の平面性が保たれるので、±1μm以下の良好な層厚分布が再現よく得られ、各光透過層の層厚分布に優れた高品位な多層光記録媒体を効率よく製造することが可能である。
本発明の多層光記録媒体の製造方法は、レーザ光の照射によりデータの記録及び再生の少なくともいずれかが行われる少なくとも2つの記録層を有し、中心にセンターホールを有する略円盤形状の多層光記録媒体を製造する方法であって、
少なくとも、樹脂供給工程(A)と、樹脂展延工程(B)と、硬化工程(C)と、転写工程(D)と、情報層形成工程(E)と、貼合工程(F)と、中間体作製工程(G)と、センターホール形成工程(H)とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−樹脂供給工程(A)−
前記樹脂供給工程(A)は、中心孔を有さない透光性平面基体上の回転中心に放射線硬化性樹脂組成物を供給する工程である。
前記透光性平面基体が、光ディスク基板のような中心孔を有しないため、例えば、放射線硬化性樹脂組成物を透光性平面基体の回転中心付近に供給し、スピンコートを行うことにより、極めて均一な層厚分布の樹脂層を得ることができる。
前記透光性平面基体としては、透光性を有し、中心孔を有さない以外は、形状、大きさ、材料等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記大きさ及び形状としては用途等に応じて適宜選択することができる。
前記材料としては、ガラス、セラミックス、樹脂などが挙げられる。前記樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ガラスが特に好ましい。
前記透光性平面基体の外径は、後述する第1基板よりも外径が大きいものを用いることが好ましい。これは、以下の理由からである。樹脂展延工程(B)において紫外線硬化樹脂組成物を塗布した時に、透光性平面基体の外周端部において、図4に示すような表面張力による紫外線硬化樹脂組成物の溜まりが生じ、この部分で樹脂の層厚分布が極めて悪化する。したがって、カバー層や中間層の層厚分布が、このような液溜まり部分の影響を受けないように、透光性平面基体の外径は、第1基板の外径よりも2mm〜30mm大きいことが好ましく、5mm〜20mm大きいことがより好ましい。前記外径差が2mm未満であると、図4に例示した液溜まりの悪影響が硬化樹脂層の層厚分布に出てしまい好ましくない。一方、外径差が30mmを超えると、品質上は問題ないが、センターホール形成工程(H)で除去される外周の樹脂部分が多くなり、コスト的に好ましくない。
更に、Ni等の強磁性金属製のスタンパを用いる場合は、前記透光性平面基体の外径をスタンパよりも大きくすることが好ましい。これにより、転写工程(D)において、透光性平面基体がスタンパから露出した部分に垂直な外力を加え、外部の磁力でスタンパ側を変形しないように保持しながら、両者を容易に剥離することが可能となる。このような離型方法によれば、スタンパが転写面に対して極めて垂直に剥がれるため、転写溝とスタンパとのこすれや無理な変形等がなく、転写される溝の品質を損ねることがない。一方、スタンパを外周の一端から斜めに剥がしたりすると、上述したような不具合が生じ、光記録媒体の残留トラッキングエラーや残留フォーカスエラーを悪化させてしまい、特に高速記録再生時のトラッキング特性や信号特性を悪化させてしまう。
なお、紫外線硬化樹脂組成物の溜まりに積層され、第1基板からはみ出した紫外線硬化樹脂組成物部分は、後述する切断工程(G1)或いはセンターホール形成工程(H)で切断除去される。
前記透光性平面基体は、硬化した放射線硬化性樹脂層が容易に剥離するような材料を選択するか、透光性基体上に剥離しやすくするための表面処理を施すことが好ましい。例えば、透光性基体表面にフッ素含有有機物層を有するものがよく、層の形成手段としては、3M社製 Novec EGC−1720のようなフッ素系表面処理剤への浸漬や、フルオロアルキルシラン処理等が好適である。その他、ダイヤモンドライクカーボン、シリコンカーバイド等の無機物からなる薄膜層を表面に形成する方法、白金等の表面不活性な金属薄膜を表面に形成する方法なども好適である。これら表面処理層の厚みは、前記透光性平面基体の透光性が失われないように、透過率が40%〜100%となるような厚みで処理されることが好ましい。
−樹脂展延工程(B)−
前記樹脂展延工程(B)は、前記透光性平面基体を回転中心で回転させて、遠心力により放射線硬化性樹脂組成物を展延する工程である。
前記放射線硬化性樹脂組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、少なくとも紫外線硬化樹脂と、反応性希釈剤と、光重合開始剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記紫外線硬化樹脂としては、例えばウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの中でも、エポキシ(メタ)アクリレートは、硬化物の硬度や硬化速度を向上させる機能があるため、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートの少なくともいずれかと併用して用いるのが好ましい。
前記反応性希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば一分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも一個有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。これらの成分としては、(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する単官能化合物及び2つ以上有する多官能化合物のいずれかの化合物を用いてもよく、樹脂の粘度や反応性の調整あるいは硬化物の弾性率やガラス転移温度などの物理特性を制御する目的で、適当な比率で併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記放射線硬化性樹脂組成物の展延は、透光性平面基体を回転中心に紫外線硬化樹脂等の液状材料を供給し、透光性平面基体を回転させて、その回転による遠心力で液状材料を展延し、透光性平面基体表面に液状材料の被膜を均一な厚さで形成する、いわゆるスピンコーティングで行われる。
また、擦り傷防止や皮脂等の汚れの拭き取り性を改善するためのハードコート層を設ける場合には、予め、上記同様の樹脂供給工程(A)〜樹脂展延工程(B)によって、ハードコート層用紫外線硬化樹脂を透光性平面基体上に塗布し、紫外線硬化させて、ハードコート層を形成し、該ハードコート層上に、上記樹脂供給工程(A)〜樹脂展延工程(B)で放射線硬化性樹脂層を形成すればよい。このように、透光性平面基体上には多層構造の樹脂層を形成しても差し支えない。
−硬化工程(C)−
前記硬化工程(C)は、展延した放射線硬化性樹脂組成物にグルーブ溝形状が形成されたスタンパを密着させて放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、放射線硬化性樹脂層を形成する工程である。
前記スタンパとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニッケルのような金属製スタンパ、ガラススタンパ、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等を射出成形した樹脂スタンパのいずれでもよい。
前記スタンパの放射線硬化性樹脂組成物に密着させる側の面には、グルーブ溝が形成されている。グルーブ溝の形状、大きさなどについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記硬化は、紫外線等の放射線を照射させることにより行う。ニッケルスタンパのように、紫外線硬化樹脂を硬化させうるのに十分な光透過性が無いときは、ガラス基板側から紫外線を照射する。ガラススタンパや樹脂スタンパのように、スタンパ自身に光透過性がある場合には、紫外線はスタンパ側、又はガラス基板側のいずれから照射してもよい。
前記放射線としては、紫外線が好ましく、該紫外線光源としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等が用いられ、例えば、波長365nmで100mJ/cm〜2,000mJ/cmのエネルギー量を照射する。
なお、前記硬化工程(C)において、スタンパを紫外線硬化樹脂層に密着させる際は、気泡等の混入を防ぐために、雰囲気を減圧下に保持して行うことが好ましい。
−転写工程(D)−
前記転写工程(D)は、スタンパを放射線硬化性樹脂層との界面で剥離し、スタンパの溝形状を放射線硬化性樹脂層に転写する工程である。
前記転写工程(D)において、スタンパの離型をスムーズに行うため、予めスタンパ表面に表面処理を施しておくことが好ましい。前記スタンパの紫外線硬化樹脂層との離型性を良好にする表面処理方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スタンパ最表面にフッ素基を有するシラン化合物等の有機物を化学吸着させる方法、ダイヤモンドライクカーボン、シリコンカーバイド等の無機物からなる薄膜層を表面に形成する方法、白金などの表面不活性な金属薄膜を表面に形成する方法などがある。これら表面処理層の厚みは、いずれも、スタンパの溝形状に悪影響を及ぼさない程度の単分子層〜10nm程度が好適である。
−情報層形成工程(E)−
前記情報層形成工程は、前記工程(A)〜工程(D)により、前記透光性平面基体上に形成された溝形状面に情報層を成膜する工程である。
前記樹脂供給工程(A)〜前記情報層形成工程(E)の繰り返しによって、2層以上の多層光記録媒体を製造することができる。
前記情報層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用したいわゆる相変化型記録層を含むものや、光吸収により非可逆的な光学特性(吸収係数や屈折率)の変化を起こす色素材料や無機材料からなる追記型記録層を含むものが好適である。
前記情報層が相変化型記録層又は無機系追記型記録層の場合には、通常、誘電体層、記録層、誘電体層、反射層等がこの順番で成膜される。前記情報層は、レーザービームから見て手前側の情報層になるため、奥に配置される情報層の記録再生を可能とするため、通常、透過率が30%〜60%となるように設計される。なお、情報層を構成する膜の材料や層構成、層数などは、記録材料の種類や設計によって異なる。
前記情報層を構成する膜の成膜は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スパッタリング法が特に好ましい。前記スパッタリング法としては、単物質のスパッタリングあるいは反応性ガス雰囲気下での反応性スパッタリングで行うのが好ましい。
前記相変化型記録層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、GeTe−SbTe擬似2元系組成を有していて、GeSbTeなどの化合物組成に代表されるGe−Sb−Te系3元合金材料や、Sb70−Te30共晶組成近傍を主成分とし、Ag−In−Sb−Teに代表されるSbTe共晶系材料、その他、Ge−Sb系材料、Ga−Sb系材料、In−Sb系材料等が好適である。無機系追記型記録層としては、Te−O−Pd系材料、Bi−B−O系材料などが好適である。
なお、グルーブ溝を有するスタンパの代わりに、記録データに対応する長さのピット配列が形成されたスタンパを用い、情報層の代わりに銀合金やアルミニウムなどの反射層を成膜することにより、再生専用(ROM)型の光記録媒体とすることもできる。
−貼合工程(F)−
一方の面にグルーブ溝形状と第1情報層とを有する第1基板と、前記樹脂供給工程(A)〜情報層形成工程(E)により、少なくとも1層の情報層が形成された透光性平面基体とを情報層同士が向き合うように貼り合わせる工程である。
前記第1基板の材料としては、ガラス、セラミックス、樹脂などが挙げられ、これらの中でも、樹脂が成形性、コストの点から好適である。
前記樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が特に好ましい。
前記第1基板は準拠する規格に適した大きさ、厚み、溝形状を有するように成形したものを用いる。
前記第1情報層としては、前記情報層形成工程(E)と同様の材料を用い、同様の方法により形成することができる。
前記一方の面にグルーブ溝形状を有し、スパッタリング法等により表面に第1情報層が形成された第1基板を、前記樹脂供給工程(A)〜情報層形成工程(E)を経た情報層側に貼り合わせる。その際、樹脂供給工程(A)〜樹脂展延工程(B)と同様にして、情報層の上に中間層用の紫外線硬化樹脂をスピン塗布しておく、2層光記録媒体の場合、中間層の厚みとしては25μm±1μmが好ましい。
前記貼合工程(F)に用いる紫外線光源としては、前記硬化工程(C)に用いたものと同様の光源が使用できる。この場合、紫外線の照射は、ガラス基板側及び第1基板側のいずれからでもよい。通常、第1情報層が相変化型記録層又は無機系追記型記録層の場合、第1基板側からは十分な強度の紫外線を透過できないので、この場合は透光性平面基体側から紫外線を照射するのが好ましい。なお、硬化工程(C)と同様、貼合工程(F)においても、第1基板を紫外線硬化樹脂層に密着させる際は、気泡等の混入を防ぐために、雰囲気を減圧下に保持して行うことが好ましい。
−中間体作製工程(G)−
前記中間体作製工程は、透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がして、光記録媒体中間体を作製する工程である。
前記中間体作製工程(G)において、透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がす前に、第1基板よりもはみ出した放射線硬化性樹脂組成物部分の一部及び第1基板に沿った外周のいずれかを切断する切断工程(G1)を含むことが好ましい。
前記中間体作製工程(G)においては、ガラス基板を紫外線硬化樹脂層との界面から剥がす前に、貼合工程(F)の図3中B部で示した第1基板よりも紫外線硬化樹脂組成物がはみ出した部分の一部又は第1基板に沿った外周を切断工程(G1)によって切断し、この該切断面を起点としてガラス基板を剥離することが好ましい。前記切断工程(G1)について図5に示した。この方法によれば、紫外線硬化樹脂層の該切断面を剥離の起点とするので、多層に積層された第1光透過層を第1基板上に残しつつ、情報層が層間剥離等を起こすことなく、ガラス基板をスムーズにかつ再現性よく、第1基板側から剥離することが可能である。
具体的には、炭酸ガスレーザのような高エネルギービームを第1基板よりもはみ出した放射線硬化性樹脂組成物部分の一部、又は第1基板に沿った外周に沿って走査し、熱エネルギー等によって照射部の放射線硬化性樹脂組成物を分解すればよい。
前記中間体作製工程(G)においては、光記録媒体中間体から剥離されたガラス基板は、紫外線硬化樹脂を硬化させるための紫外線光源と同じものを用い、酸素雰囲気下で紫外線を照射する照射工程(A1)を含むことで、発生するオゾンによってガラス表面の有機物を分解除去ができる。このようにして、表面が清浄化されたガラス基板は、再び樹脂供給工程(A)から製造ラインに戻すことができるので、ガラス基板のリサイクル性が実現でき、廃棄物が少なく環境への負荷が少ない生産方式を実現することができる。
−センターホール形成工程−
前記センターホール形成工程は、得られた光記録媒体中間体の略中心にセンターホールを形成する工程である。
前記センターホールの大きさ、形状などは特に制限はなく、通常の多層光記録媒体と同様である。
前記光記録媒体中間体の略中心にセンターホールを形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金型を用いてパンチングするような方法などが挙げられる。
なお、前記中間体作製工程(G)において、第1基板よりも紫外線硬化樹脂組成物がはみ出した部分をそのまま残して剥離を行い、センターホール形成工程(H)において、センターホール加工と同時に外径加工を行って、多層光記録媒体を作製することもできる。
本発明の多層光記録媒体の製造方法によれば、上記工程(A)〜工程(H)により、光透過層の層厚分布に優れた高品位で安価な多層光記録媒体を効率よく製造することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−2層光記録媒体の作製−
図3は、本発明による2つの情報層を有する2層光記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、樹脂供給工程(A)により、透光性平面基体としてのガラス基板上にカバー層を形成するための紫外線硬化樹脂組成物を、樹脂展延工程(B)でのほぼ回転中心を狙って供給した。なお、透光性平面基体の外径としては、後述する第1基板の外径よりも20mm大きいもの、即ち、直径140mmのものを用いた。
樹脂供給工程(A)で用いた紫外線硬化性樹脂組成物の組成を下記表1に示した。
ガラス基板は、図示を省略している真空吸着機構等により回転ステージに固定されており、樹脂展延工程(B)で所定の厚みを狙って紫外線硬化樹脂組成物をスピン塗布した。
−スピン塗布の条件、装置名、製造会社名−
エイブル社製スピナー装置を用い、振り切り時間6.5秒間、振り切り回転数1080rpm,立ち上がり時間5秒間、立ち下がり時間1秒間で行った。
以上の樹脂供給工程(A)〜樹脂展延工程(B)において、ガラス基板上の回転中心付近に放射線硬化性樹脂組成物を供給し、展延することにより、75±1μm以下の均一な層厚分布のカバー層が形成できた。
次に、硬化工程(C)により、深さ21nm、溝幅0.16μm、溝ピッチ0.32μmのグルーブ溝形状が形成されたニッケル製スタンパを、樹脂展延工程(B)でカバー樹脂層が塗布されたガラス基板上に、減圧下に保持して密着させた。
ガラス基板側から紫外線を照射した。紫外線光源としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等が用いられ、例えば、波長365nmで100mJ/cm〜2,000mJ/cmのエネルギー量を照射した。
次に、転写工程(D)により、スタンパを紫外線硬化樹脂層との界面で剥離し、スタンパの溝形状を紫外線硬化樹脂層に転写した。
次に、情報層形成工程(E)により、ガラス基板上の紫外線硬化樹脂層表面に転写された溝形状面に、以下のようにして第2情報層を成膜した。
下記表2の組成のターゲットを用いてマグネトロンスパッタリング法により、各層を順次形成し、第2情報層とした。
次に、貼合工程(F)により、一方の面にグルーブ溝形状を有し、以下のようにして表面に第1情報層が形成された第1基板を、前記樹脂供給工程(A)〜前記情報層形成工程(E)を経た第2情報層側に貼り合わせた。その際、樹脂供給工程(A)〜樹脂展延工程(B)と同様にして、第2情報層の上に、下記表4の組成の中間層用の紫外線硬化樹脂をスピン塗布し、厚み25μm±1μmの中間層を形成した。
第1情報層の成膜は、上記第2情報層と同様にマグネトロンスパッタリング法で行い、下記表3の組成のターゲットを用いて順次成膜して、第2情報層を形成した。
貼合工程(F)に用いる紫外線光源としては、前記硬化工程(C)で用いたものと同様の光源が使用して、ガラス基板側から紫外線を照射した。また、前記硬化工程(C)同様、貼合工程(F)においても、第1基板を紫外線硬化樹脂層に密着させる際は、気泡等の混入を防ぐために、雰囲気を減圧下に保持して行った。
次に、中間体工程(G)により、ガラス基板をカバー層表面にあたる紫外線硬化樹脂との界面から剥離を行い、光記録媒体の中間体を作製した。図3では、第1基板よりも紫外線硬化樹脂がはみ出した部分をそのまま残して剥離を行い、続くセンターホール形成工程(H)において、センターホール加工と同時に外径加工を行って、図1に示す2層光記録媒体を作製した。なお、センターホール形成工程(H)のセンターホールの具体的な加工方法としては、金型を用いてパンチングする方法を用いた。
以上により、図1に示すような、2層光記録媒体を作製した。
得られた実施例1の2層光記録媒体について、光透過層の層厚分布をDr.Shenck社製のMT−200.Blueを用いて測定したところ、±1μm以下の良好な層厚分布であった。
(実施例2)
−4層光記録媒体の作製−
実施例1における樹脂供給工程(A)〜情報層形成工程(E)を3回繰り返し、第2〜第4情報層は、マグネトロンスパッタリング法で下記表5の組成のターゲットを用いて積層膜を順次成膜した以外は、実施例1と同様にして、図2に示すような、4層光記録媒体を作製した。
得られた実施例2の4層光記録媒体について、干渉膜厚測定器ETA−RT(STEAG ETA−Optik社製)により、層厚分布を評価したところ、±1μm以下の良好な層厚分布であった。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
本発明の多層光記録媒体の製造方法により製造された多層光記録媒体は、光透過層の層厚分布に優れた高品位であり、特に2層以上のBlu−ray discに好適なものである。
図1は、2層光記録媒体の一例を示す断面模式図である。 図2は、4層光記録媒体の一例を示す断面模式図である。 図3は、本発明の多層光記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。 図4は、樹脂展延工程(B)で紫外線硬化樹脂組成物を塗布した時に、透光性平面基体の外周端部に生じた紫外線硬化樹脂組成物の溜まりを示す図である。 図5は、透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がす前に、第1基板よりもはみ出した放射線硬化性樹脂組成物部分の一部及び第1基板に沿った外周のいずれかを切断する切断工程(G1)の一例を示す図である。
符号の説明
1 第1基板
2 第1情報層
3 中間層
4 第2情報層
5 カバー層
6 第1光透過層
7 センターホール
8 対物レンズ
9 記録再生ビーム
10 中間層
11 第3情報層
12 中間層
13 第4情報層
14 第2光透過層
15 第3光透過層

Claims (6)

  1. レーザ光の照射によりデータの記録及び再生の少なくともいずれかが行われる少なくとも2つの情報層を有し、中心にセンターホールを有する略円盤形状の多層光記録媒体の製造方法であって、
    中心孔を有さない透光性平面基体上の回転中心に放射線硬化性樹脂組成物を供給する樹脂供給工程(A)と、
    前記透光性平面基体を回転中心で回転させて、遠心力により放射線硬化性樹脂組成物を展延する樹脂展延工程(B)と、
    展延した放射線硬化性樹脂組成物にグルーブ溝形状を有するスタンパを密着させて放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、放射線硬化性樹脂層を形成する硬化工程(C)と、
    スタンパを放射線硬化性樹脂層との界面で剥離し、スタンパの溝形状を放射線硬化性樹脂層に転写する転写工程(D)と、
    前記樹脂供給工程(A)〜転写工程(D)により、前記透光性平面基体上に形成された溝形状面に情報層を成膜する情報層形成工程(E)と、
    一方の面にグルーブ溝形状と第1情報層とを有する第1基板と、前記樹脂供給工程(A)〜転写工程(E)により、少なくとも1層の情報層が形成された透光性平面基体とを情報層同士が向き合うように貼り合わせる貼合工程(F)と、
    透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がして、光記録媒体中間体を作製する中間体作製工程(G)と、
    得られた光記録媒体中間体の略中心にセンターホールを形成するセンターホール形成工程(H)と、
    を含むことを特徴とする多層光記録媒体の製造方法。
  2. 第1基板よりも外径が大きい透光性平面基体を用いる請求項1に記載の多層光記録媒体の製造方法。
  3. 中間体作製工程(G)において、透光性平面基体を放射線硬化性樹脂層との界面から剥がす前に、第1基板よりもはみ出した放射線硬化性樹脂組成物部分の一部及び第1基板に沿った外周のいずれかを切断する切断工程(G1)を含む請求項1から2のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  4. 透光性平面基体がガラス基板であり、樹脂供給工程(A)の前に、放射線硬化性樹脂組成物を供給するガラス基板面に酸素雰囲気下で紫外線を照射する照射工程(A1)を含む請求項1から3のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  5. 樹脂供給工程(A)〜情報層形成工程(E)を1回以上繰り返す請求項1から4のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の多層光記録媒体の製造方法により製造されたことを特徴とする多層光記録媒体。
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