JP2008310917A - 複数層光ディスク及び記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】青色レーザーピックアップにより記録再生を行う片面記録再生型複数層光ディスクであって、ピックアップ入射手前側の基材には光学特性の良い透明材料を用い、もう一方の基材には光学特性フリーでかつ高剛性材料を用いることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明者らは、ディスクに対して静止しているスタビライザーに近接してフレキシブルなディスクを回転させて面振れを小さく保ったまま、10000rpm以上の高速回転可能なスタビライザーを提案している(平坦なスタビライザーについては、特開2006−107698号公報及び特開2006−107699号公報,また、Δθずらすスタビライザーについては特願2005−317913号参照)。しかしながら、この手法はディスクの片面は再生面、この反対側は記録再生をせず、スタビライザーを近接させてディスクを安定化させる面になる。ディスクが定常回転しているときは問題ないが、ディスクの回転起動時や停止時に一時的にディスク面振れが大きくなって、ディスクとスタビライザーが摺動してディスクに傷がつく恐れがある。このため、両面タイプのディスクを用いることが難しい。
本発明の目的は、短波長青色ピックアップレーザーで記録再生する複数層光ディスクにおいて、光学特性等の高品質化と、ディスクの低面振れ化を同時に達成可能な複数層ディスクを提供するものである。本発明の他の目的は、片面からすべての記録層にアクセスでき、この再生面と反対側を空気安定化することで記録再生できる光ディスクシステムを提供するものである。
(1) 青色レーザーピックアップにより記録再生を行う複数層光ディスクにおいて、ピックアップ入射手前側の基材は光学特性の良い透明材料を用い、もう一方の基材は光学特性フリーで、高剛性材料で構成されていることを特徴とする複数層ディスク。
(2) 上記(1)に記載の複数層光ディスクを用いた情報の記録再生方法であって、光照射側からみて、奥側の基材表面に対して安定化機構を近接させ、ディスクの面振れ(チルト)を安定化させた状態で記録再生を行うことを特徴とする記録再生方法。
なお、上記の複数層光ディスクとは、少なくとも2以上の記録層を有し、それら記録層への光照射は光学特性の良い透明材料を用いた基材側から行われるタイプ(片面記録再生型)のものであり、追記型、相変化型いずれの光ディスクであってもよい。また、光学特性の良い透明材料とは、レーザー光に対して透明でかつ低複屈折を示す材料を意味し、高剛性材料とは、安定化機構を近接させた状態でディスクを10000rpm程度の回転させても、面振れが生じない程度に機械的強度を有している材料を意味している。
(2)請求項2に記載の発明は、奥側基材の表面に対して安定化部材を近接させることで、光ディスク面振れを安定化させた状態で記録再生を行うことにより、空気安定化を可能とすべくディスク剛性の調整が、奥側基材の剛性、厚みで容易に調整可能である。
本発明の複数層光ディスクは、ピックアップ入射手前側の基材は光学特性の良い透明材料を用い、もう一方の基材(ピックアップ入射側とは反対側の基材)は光学特性フリーで、高剛性材料で構成されている。即ち、本発明の光ディスクは、光学特性の良いフィルムと機械特性、特に剛性の高いフィルムを貼りあわせて複数層構造のディスクであり、記録再生は光学特性の良好な面から行なわれる。ディスク面振れ安定化は高剛性フィルム面側から行なわれる。
これにより、光ディスクとしての光学特性と空気安定化薄型ディスクに必要な剛性要素を機能分離して独立に設定することができる。
なお一般には、光入射側より、記録層14及び/又は半透明記録層24を挟むように、上側誘電体層、下側誘電体層が設けられている。記録再生時、基材11側に安定化機構(スタビライザー)を近接させ、レーザー光の照射は基材21側から行われる。
to Roll)方式等によって製造することができる。
図3、図4及び図5に基づいて、この方式を用いる光ディスクの製造方法を説明する。
(a)フォトリソグラフィーによりプリグルーブ形状(S21)が形成された型であるスタンパ(S2)を回転テーブルにセット後、光硬化性樹脂であるアクリレートモノマー材料(wet2P樹脂)221を円環状に塗工し、PCフィルム21を接液させてから高速回転で所定の時間振り切る。UV光を照射して、アクリレートモノマー材料221を光硬化させて2P転写層22を形成させた後、スタンパ(S2)を剥離し、2P転写層22に記録層24aを形成してPCフィルムディスク2を作成する(図3参照)。この記録層24aは、光入射の手前側であるPC基板(L1)には、光入射側より、上側誘電体層/相変化記録層/下側誘電体層/半透明反射層となるように成膜する。
(b)同様に、スタンパ上に光硬化性樹脂を円環状に塗工し、PETフィルムを接液させ、上記のPCフィルムディスク2の作成と同様にして、PETフィルムディスク1を得る(図4参照)。ここでは、スタンパとして図示していないスタンパ(S1)が用いられる。記録層14aは、奥側であるPETフィルム基板(L0)には、光入射側より、上側誘電体層/相変化記録層/下側誘電体層/反射層で構成されている(図4参照)。
(c)上記のPETフィルムディスク1とPCフィルムディスク2とを、貼り合わせ用光硬化性樹脂3にて貼り合わせて2層光ディスクを作成する(図5)。PETフィルムディスク1を下側にして外周を所望の寸法にカットすることで、外径にバリ・カエリ99の軽微な2層光ディスク100が得られる(図10参照)。
図8に基づいて、この方式を用いる光ディスクの製造方法を説明する。
(a)ローラーで、PETフィルムとdry2P(半硬化UV硬化樹脂シート)を貼合せて貼合せフィルムAを作成する。(b)ローラーで、貼合せフィルムAをスタンパ(S1)に貼合せる。(c)UVランプ4からのUV光を照射し、dry2Pを硬化させる。(d)スタンパ(S1)から貼合せフィルムAを離型する。(e)一方、ローラーで、PCフィルムとdry2P(半硬化UV硬化樹脂シート)を貼合せて貼合せフィルムBを作成する。(f)ローラーで、貼合せフィルムBをスタンパ(S2)に貼合せる。(g)UV光を照射し、dry2Pを硬化させる。(h)スタンパ(S2)から貼合せフィルムBを離型する。
これらの貼合せフィルムA及びBのそれぞれに記録層が形成されて、PETフィルムディスク1とPCフィルムディスク2とされる。
続いて、(i)ローラーを用いて、PETフィルムディスク1とdry2PとPCフィルムディスク2とを貼合せる(貼合せフィルムC)。(j)この貼合せフィルムCにUV光を照射し、dry2Pを硬化させて2層光ディスク100が得られる。
図9に基づいて、この方式を用いる光ディスクの製造方法を説明する。
本発明におけるロールツウロール方式とは、ロール状に巻いたフレキシブル基材を繰り出して、間欠的、或いは連続的に搬送しながら基材上のUV硬化性樹脂にスタンパの微細凹凸パターンを転写し、熱硬化させて2P転写層を形成し、再びロールに巻き取る方式である。
この光ディスク製造方法においては、上側加圧ローラー51の側面に貼り合わされたスタンパ(S2)に対して、巻き出しローラー61から転写前dry2Pフィルム71〔外側がPCフィルム、内側がdry2Pフィルム(半硬化UV硬化樹脂フィルム)からなる積層フィルム〕を供給し、上側加圧ローラー51と下側加圧ローラー52の間でスタンパ(S2)をdry2Pフィルムに押圧し、その後UV光を照射して前記dry2Pフィルム(半硬化UV硬化樹脂フィルム)を硬化させた後、スタンパ(S2)からdry2Pフィルムを剥離して、巻き取りローラー62で転写済みのdry2Pフィルムを巻き取る(図9参照)。図中、72は転写後dry2Pフィルム72(外側がPCフィルム、内側がdry2Pフィルム(硬化UV硬化樹脂フィルム)からなる積層フィルム)、81及び82はガイドローラーである。
巻き取られた転写済みdry2Pフィルムをロール成膜装置の巻き出しローラーにセットし、緊張力を付与し、冷却ローラーで冷却しながら、記録層を成膜し、巻き取りローラーで成膜済みdry2Pフィルムディスク(PCフィルムディスク)を巻き取る。また、スタンパ(S2)をスタンパ(S1)に変えて転写済みdry2Pフィルムを作成し、更に記録層を成膜してdry2Pフィルムディスク(PETフィルムディスク)を得る。
以降は、上記のwet又はdry2P方式による本発明の光ディスクの製造方法と同様にして2層ディスクを得る。
本発明における熱インプリント方式とは、基板上に形成したいパターンと同じパターンの凹凸を有する加熱されたスタンパを、被転写基板表面に形成されたレジスト膜層に対して型押しすることで所定のパターンを転写する方式である。
従って、この光ディスク製造方法においては、PETフィルムディスクの作製は、上記のwet又はdry2P方式による本発明の光ディスクの製造方法と同様にして作製するが、PCフィルムディスクの作製は、140〜160℃、好ましくは145〜155℃に加熱されたスタンパをPCフィルムに対して、10〜18MPa好ましくは12〜16MPaの加圧下で、5〜15分間好ましくは8〜12分間インプリントすることで作製する。
安定化部材30は図7(a),(b)及び(c)で示すように、一方向に湾曲した略円筒状の湾曲面を有する。具体的には、例えば図7(c)に示すように、中心部に幅2Sの平坦部を有し、この平坦部を挟む両翼の面が円筒状に一方向に湾曲した形態があげられる。例えば、平坦部の幅2Sを30mmとし、両翼の面の曲率半径をR1000mmとした場合には、図7(a)におけるΔθの好適な設定は10°付近となる。安定化部材の外径は、光ディスクの外径よりも大きくすることが好ましく、例えば、光ディスクを外径φ120mmとした場合には、φ122mm以上の外径が好適である。この安定化部材30は、金属部材、あるいは導電処理(導電皮膜、導電材料の混入)をした樹脂材料などの、少なくとも光ディスクに対して作用させる面を導電性とした材料で作成されるのが好ましい。
フォトリソグラフィーによりプリグルーブ形状が形成された型であるスタンパを回転テーブルにセット後、光硬化性樹脂であるアクリレートモノマー材料を円環状に塗工した後、厚さ90μmのPCフィルムを接液させてから高速回転(5000rpm)で1分振り切る。これにUV光を照射して、PCフィルム基板を得た(図3参照)。同様に、スタンパ上に光硬化性樹脂(アクリレートモノマー材料)を円環状に塗工した後、PETフィルムを接液させて前記PCフィルムの時と同様にして、PETフィルム基板を得た。
PCフィルム基板及びPETフィルム基板のそれぞれには以下のようにして記録膜を成膜して、PCフィルムディスク及びPETフィルムディスクを作成した。即ち、奥側であるPETフィルム基板(L0)には、光入射側より、上側誘電体層ZnS−SiO2(45nm)/相変化記録層Sb3Te(12nm)/下側誘電体層ZnS−SiO2(10nm)/反射層Ag(150nm)をスパッタリング法で成膜する。
一方、手前側であるPCフィルム基板(L1)には、光入射側より、上側誘電体層ZnS−SiO2(30nm)/相変化記録層GeSnSbTe(6nm)/下側誘電体層GeN(8nm)/反射層Ag(8nm)/ITO(60nm)をスパッタリング法法で成膜する。
上記記録層を形成後、貼り合わせ用光硬化性樹脂にて、PCフィルムディスクとPETフィルムディスクPCフィルム基板とを貼り合わせ、PETフィルム基板を下側にして外周を所望の寸法に(小型サーボプレスSLP−S3000:山岡製作所製)を用いてカットすることで、外径にバリやカエリの軽微な図5に示す2層光ディスクが得られた。
光ディスクを、光ディスク評価装置(商品名:LM330A)のスタビライザーを下記のものに変更した試作装置を用いて、10000rpmで回転させ、PETフィルムディスク側をスタビライザーに近接させ、光ディスクの機械特性(面振れ)が安定化したら、ピックアップサーボをかける(図1参照)ことで平坦な反射率(RF信号)再生信号が得られた。前記スタビライザーには図7に示す凹面状の部材を用いた。スタビライザーの主要部の形状は以下の通りとした。
・中心孔:φ32mm、
・外径: φ125mm
・断面C−C’の中心部35mm幅の部位は平坦
・断面C−C’の中心部35mm幅を除く両翼の曲率半径はR1000
・Δθ: 10度
また、スタビライザーによるディスクの安定化においては、スタビライザーのディスク回転軸方向の位置、図7(b)におけるCbd(中心φ34mm付近の平坦部とディスク面の距離)が150μmとなるように設定した。
ローラーにより、厚み75μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA−4300)と、Dry2P(リンテック製、半硬化UV硬化樹脂シート)とを貼合せて、貼合せフィルムAを作成し、この貼合せフィルムAをスタンパ(S1)に貼り合わせる。これにUV光を照射し、Dry2Pを硬化させた後、スタンパ(S1)から貼合せフィルムAを剥離する。一方、ローラーにより、厚み90μmのPCフィルム(帝人化成製、ピュアーエース)と、Dry2P(リンテック製、半硬化UV硬化樹脂シート)とを貼合せて、貼合せフィルムBを作成し、この貼合せフィルムBをスタンパ(S2)に貼り合わせる。これにUV光を照射し、Dry2Pを硬化させた後、スタンパ(S2)から貼合せフィルムBを剥離する。
これら貼合せフィルムA及びBのそれぞれに、実施例1と同じ上側誘電体層/相変化記録層/下側誘電体層/反射層を成膜して、PETフィルムディスク及びPCフィルムディスクを作成した後、ローラーにより、貼り合わせ用光硬化性樹脂を用いて、PETフィルムディスク及びPCフィルムディスクを貼合せ、UV光を照射し貼り合わせ用光硬化性樹脂を硬化させた後、これをローラーから貼り合わせフィルムCを離型して2層光ディスクを得た。
この光ディスクを実施例1に記載の試作ドライブにより10000rpmで回転させ、PETフィルムディスク側をスタビライザーに近接させ、ディスクの機械特性(面振れ)が安定化したら、ピックアップサーボをかけることで平坦な反射率(RF信号)再生信号が得られた。
また、このdry2P方式にて製造される例えば記録層が4層のROMディスクに関しては、奥側から順にL0、L1、L2、L3・・・として、BDの多層の命名法に準ずることとする。トラックピッチは0.32μm、ピット高さは65nm、すべての反射膜はAgPdCuであり、L1、L2及びL3は5nm、L0は50nmで構成した。
この光ディスクを実施例1と同様にして記録再生したところ、平坦な反射率(RF信号)再生信号が得られた。
実施例1と同様にして2層光ディスクを作製する。ただし図9において、上側加圧ローラー51の側面に貼り合わされたスタンパ(S2)に対して、巻き出しローラー61から転写前dry2Pフィルム71(外側がPCフィルム、内側がdry2P)を供給し、上側加圧ローラー51と下側加圧ローラー52間でスタンパ(S2)を転写前dry2Pフィルム71に押圧し、UV光を照射して2Pを硬化させた後、スタンパ(S2)から転写後dry2Pフィルム72を剥離し、巻き取りローラー62で転写済みのdry2Pフィルムを巻き取る。その後、巻き取られた転写済みdry2Pフィルムを図示していないロール成膜装置の巻き出しローラーにセットし、緊張力を付与し、冷却ローラーで冷却しながら、記録層を成膜し、巻き取りローラーで成膜済みdry2Pフィルムディスクを巻き取る。同様にして、スタンパ(S1)によりdry2Pフィルムディスクを作成した。
これら2つのdry2Pフィルムディスクを貼り合せて作製された2層ディスクを実施例1と同様にして記録再生したところ、平坦な反射率(RF信号)再生信号が得られた。
PCフィルムディスクは、150℃に加熱されたスタンパ(S2)をPCフィルムに対して、14MPaで10分間インプリントすることで作製した。また、PETフィルムディスクは実施例1と同様にして2層光ディスクを作製した。
作製された2層光ディスクを実施例1と同様にして記録再生したところ、平坦な反射率(RF信号)再生信号が得られた。
ピックアップ入射手前側の基材、及びもう一方の基材ともPCフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして2層光ディスクを作成した。この2層光ディスクを実施例1と同様にして外径カットしたところ、PC基材のみであるため、カット時にバリが発生しやすい(図11参照)ので、安定化部材を近接させてもディスク面振れを安定化できず、良好な記録再生特性を得ることができなかった。
ピックアップ入射手前側の基材、及びもう一方の基材ともPCフィルムを用いた以外は、実施例4と同様にして2層光ディスクを作製した。この光ディスクは両面が光学特性の良いPCなので、材料コストが嵩み、また2層の記録再生にはディスクを表裏交換する必要があり、アクセス時間が長くなった。
2 PCフィルムディスク
3 中間貼り合わせ層
4 UVランプ
11 PET基材(PETフィルム)
12 転写層
13 反射層
14 記録層
20 中心孔部
21 PC基材(PCフィルム)
22 転写層
23 半透明反射層
24 半透明記録層
24a 半透明記録層
30 安定化部材(スタビライザー)
31 ハブ
32 円形開口部(中心孔)
41 PCフィルムディスク
42 PCフィルムディスク
51 上側加圧ローラー
52 下側加圧ローラー
61 巻き出しローラー
62 巻き取りローラー
71 転写前dry2Pフィルム
72 転写後dry2Pフィルム
81 ガイドローラー
82 ガイドローラー
99 バリ・カエリ
100 2層光ディスク
121 dry2P
221 光硬化性樹脂
S1 スタンパ
S11 プリグルーブパターン
S2 スタンパ
S21 プリグルーブパターン
Claims (2)
- 青色レーザーピックアップにより記録再生を行う複数層光ディスクにおいて、ピックアップ入射手前側の基材は光学特性の良い透明材料を用い、もう一方の基材は光学特性フリーで、高剛性材料で構成されていることを特徴とする複数層ディスク。
- 請求項1に記載の複数層光ディスクを用いた情報の記録再生方法であって、光照射側からみて、奥側の基材表面に対して安定化機構を近接させ、ディスクの面振れを安定化させた状態で記録再生を行うことを特徴とする記録再生方法。
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