JP2003331463A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2003331463A
JP2003331463A JP2002138832A JP2002138832A JP2003331463A JP 2003331463 A JP2003331463 A JP 2003331463A JP 2002138832 A JP2002138832 A JP 2002138832A JP 2002138832 A JP2002138832 A JP 2002138832A JP 2003331463 A JP2003331463 A JP 2003331463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
substrate
resin
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002138832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003331463A5 (ja
JP4238518B2 (ja
Inventor
Hideji Takeshima
秀治 竹島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2002138832A priority Critical patent/JP4238518B2/ja
Publication of JP2003331463A publication Critical patent/JP2003331463A/ja
Publication of JP2003331463A5 publication Critical patent/JP2003331463A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4238518B2 publication Critical patent/JP4238518B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/244Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only
    • G11B7/246Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only containing dyes
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/244Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only
    • G11B7/246Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only containing dyes
    • G11B7/2467Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only containing dyes azo-dyes

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 片側から記録・再生可能な複数の色素記録層
を有する大容量光記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明な第1基板上に、色素を含む第1記
録層、半透明反射層、中間樹脂層、色素を含む第2記録
層、反射層、接着層、第2基板をこの順に有してなる光
記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体に関し、
特に大量のデータが記録可能な、記録層を2層有する大
容量の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、CD−R、CD−RW、MO等の
各種光記録媒体は、大容量の情報を記憶でき、ランダム
アクセスが容易であるために、コンピュータのような情
報処理装置における外部記憶装置として広く認知され普
及しつつある。さらに取り扱う情報量の増大により、記
録密度の高めることが望まれている。
【0003】種々の光記録媒体の中でもCD−RやDV
D−Rなど、有機色素を含む記録層(以下、色素記録層
と称すことがある)を有する光ディスクは、比較的安価
で、かつ、再生専用の光ディスクとの互換性を有するた
め、特に広く用いられている。一例として、有機色素を
含む記録層を有する光ディスクとして代表的なCD−R
などの媒体は、透明ディスク基板上に色素記録層と反射
層をこの順に有し、これらの記録層や反射層を覆う保護
層を有する積層構造であり、基板を通してレーザ光にて
記録・再生を行うものである。
【0004】同じく代表的な片面型DVD−Rは、第1
の透明ディスク基板上に色素記録層、反射層、これらを
覆う保護層をこの順に有し、更に保護層の上に、接着層
を介して或いは介さずに、第2の透明ディスク基板上に
反射層を設けたいわゆるダミーディスクを設けた積層構
造であり、第1の透明ディスク基板を通してレーザ光に
て記録・再生を行うものである。ダミーディスクは透明
ディスク基板のみであってもよいし、反射層以外の層を
設けていても良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら光記録媒体の記
録容量を更に大容量化するための一つの手段として、1
枚の媒体に記録層を複数層、例えば2層設けることが挙
げられる。しかしながら、記録層を2層設けると、通
常、片側からは1層ずつしか記録・再生ができず利便性
に欠ける。
【0006】図3は従来の記録層を2層設けた光記録媒
体の代表例である両面型DVD−Rの層構成を示す模式
的な断面図である。この光記録媒体は、透明基板21
と、その上に順次に形成された記録層22及び反射層2
3を有する積層ディスクを2枚、反射層23を内側にし
て接着層24を介して貼合せてなり、基板を通してレー
ザ光にて記録・再生を行うものである。ここで、反射層
23上には保護層を設けることもある。
【0007】しかしながら、記録・再生に用いるレーザ
光は反射層23により遮られるため、片側から両方の記
録層22に記録・再生を行うことはできない。このため
従来は、両方の記録層22に記録・再生を行うために
は、ドライブ(記録・再生装置)側に両面に対応する2
つの光ヘッドを持たせる必要があり、ドライブが複雑か
つ高価になるという問題があった。或いはドライブ側が
片面に対応する1つの光ヘッドしか持たない場合には、
ユーザが適宜、光記録媒体を裏表入れ替える必要があ
り、利便性に欠けるという問題があった。このため片側
から2層とも記録・再生したいという要請があった。
【0008】ところで再生専用の光ディスクであるDV
D−ROMにおいては、半透明反射層を用いることで2
層の情報を片側から再生できる積層構造が知られてい
る。凹凸による情報を有する透明な第1基板上に、半透
明反射層、接着層、反射層、凹凸による情報を有する第
2基板、をこの順に設けた積層構造であり、第1基板を
通したレーザ光によって、第1基板、第2基板それぞれ
に形成された凹凸による情報を再生することができる。
【0009】しかし、色素記録層を有するDVD−Rな
どの光記録媒体は、DVD−ROMに比して複雑な層構
成を有し、様々な記録再生特性を満足する必要があるた
め、実現された例がなかった。これに鑑み本願発明は、
片側から記録・再生可能な複数の色素記録層を有する大
容量光記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の要旨は、透
明な第1基板上に、色素を含む第1記録層、半透明反射
層、中間樹脂層、色素を含む第2記録層、反射層、接着
層、第2基板をこの順に有してなることを特徴とする光
記録媒体に存する。第1基板及び中間樹脂層にはそれぞ
れ凹凸が形成されてなることが好ましい。また、第1基
板の凸部及び中間樹脂層の凸部を記録トラックとして記
録再生を行うのが好ましい。
【0011】本発明によれば、記録層を少なくとも2層
設け、それぞれ異なる情報を記録できるので、従来の光
記録媒体に比べて記録容量を飛躍的に大容量化すること
ができる利点がある。また、この層構成とすることで、
第1基板側から光ビームを入射すれば、第1記録層、第
2記録層ともに記録・再生を良好に行うことができると
いう利点がある。これにより、ユーザが媒体を反転させ
るなどの作業が不要なので利便性が高まる。ドライブが
記録再生用光ヘッドを2個以上有する必要もなく、ドラ
イブを簡素な構成で安価なものにできる。
【0012】また、色素記録層が第1基板、中間樹脂層
に近接することにより、記録に伴う樹脂層の変形が起こ
りやすく、変調度が大きくジッタ特性に優れた記録が行
えるという利点がある。更に、本媒体は第1記録層、第
2記録層ともに同じ凸部を記録トラックとして記録再生
が行えるので、トラッキングの極性等を層によって変え
る必要もなく、比較的簡単に、良好な記録再生が行える
という利点もある。
【0013】そして、この層構成とすることで、第2基
板は透明である必要がないので材料選択の幅が広がる利
点もある。例えば、第1基板と第2基板の機能を分け、
第2基板を形状安定性に優れた材料で構成して光記録媒
体に十分な剛性を付与し、これにより第1基板を薄くす
ることもできる。対物レンズを記録層により近づけるこ
とができるため、レンズの開口数を上げて記録密度を大
きくでき、さらに大容量化できるので好ましい。
【0014】或いは、本層構成の光記録媒体を2枚、第
1基板を外側にして貼合せて、記録層を4層有する、よ
り大容量媒体とすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。図1は本発明に係る光記録媒体の一例を示す
模式的な断面図である。ディスク状の透明な第1基板1
上に、色素を含む第1記録層(以下、色素記録層と称す
ることがある。)2、半透明反射層3、中間樹脂層4、
色素記録層5、反射層6、接着層7、基板8をこの順に
有してなる。光ビームは第1基板1側から照射され、記
録・再生が行われる。本発明において、透明であるとは
光記録媒体の記録・再生に用いる光ビームに対して透明
であることを言う。
【0016】透明な第1基板1、中間樹脂層4上にはそ
れぞれ凹凸が形成され、それぞれ記録トラックを構成す
る。透明な第1基板1上の記録トラック11は、光の入
射方向に対して凸部で構成される。中間樹脂層4上の記
録トラック12も、光の入射方向に対して凸部で構成さ
れる。この他に必要に応じ凹凸ピットを有することもあ
る。特に断らない限り、本発明において凹凸は記録・再
生に用いる光の入射方向に対して定義される。
【0017】次に、各層について説明する。 [1]光記録媒体の構成について (1)第1基板1について 透明な第1基板1は、透明であるほか複屈折率が小さい
など光学特性に優れることが望ましい。また射出成形が
容易であるなど成形性に優れることが望ましい。吸湿性
は小さいことが望ましい。
【0018】更に、光記録媒体がある程度の剛性を有す
るよう、形状安定性を備えるのが望ましい。但し上述の
ように第2基板8が十分な形状安定性を備えていれば、
第1基板1は形状安定性が大きくなくても良い。このよ
うな材料としては、例えばアクリル系樹脂、メタクリル
系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂
(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、
ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂からなるも
の、ガラスからなるものを用いることができる。或い
は、ガラス等の基体上に、光硬化性樹脂等の放射線硬化
性樹脂からなる樹脂層を設けたもの等も使用できる。
【0019】なお、光学特性、成形性などの高生産性、
コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からはポリカー
ボネートが好ましい。耐薬品性、低吸湿性などの点から
は、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また、高速応答
性などの点からは、ガラス基板が好ましい。対物レンズ
と記録層の距離が小さいほど記録密度を上げやすいた
め、第1基板1は薄い方が好ましく、通常厚さは2mm
以下が好ましく、より好ましくは1mm以下である。但
し光学特性、吸湿性、成形性、形状安定性を十分得るた
めにはある程度の厚みが必要であり、通常10μm以上
が好ましく、より好ましくは30μm以上である。
【0020】本発明においては、第1記録層及び第2記
録層の両方に良好に記録再生を行うために、対物レンズ
と両記録層との距離を適宜調節することが望ましい。対
物レンズの焦点が両記録層のほぼ中間地点となるように
する。具体的には、片面型DVD−Rシステムにおいて
は、基板厚さ0.6mmのときに対物レンズと記録層の
距離が最適になるよう調節されている。
【0021】従って本層構成において片面型DVD−R
互換の場合は、第1基板1の厚さは、0.6mmから、
中間樹脂層4の膜厚の2分の1を減じた厚さであること
が最も好ましい。このとき、両記録層のほぼ中間地点が
約0.6mmとなり、両記録層にフォーカスサーボがか
けやすい。第2記録層と半透明反射層3の間にバッファ
ー層や保護層など他の層がある場合は、0.6mmか
ら、それらの層と中間樹脂層4の膜厚の和の2分の1を
減じた厚さであることが最も好ましい。
【0022】第1基板1には凹凸が螺旋状又は同心円状
に設けられ、溝及びランドを形成する。通常、このよう
な溝及び/又はランドを記録トラックとして、色素記録
層2に情報が記録・再生される。通常、波長650nm
のレーザを開口数0.6から0.65の対物レンズで集
光して記録再生を行うDVD−Rディスクの場合、色素
記録層2は塗布形成されるので溝部で厚膜となり記録再
生に適する。本発明においては第1基板1の溝部、即ち
光の入射方向に対して凸部を記録トラック11とするの
が好ましい。ここで、凹部、凸部はそれぞれ光の入射方
向に対する凹部、凸部を言う。通常、溝幅は200〜5
00nm程度であり、溝深さは120〜250nm程度
である。また記録トラックが螺旋状である場合、トラッ
クピッチは0.1〜2.0μm程度であることが好まし
い。この他に必要に応じ、ランドプリピット等の凹凸ピ
ットを有してもよい。
【0023】このような凹凸を有する基板は、コストの
観点から、凹凸を持つスタンパから射出成形により製造
するのが好ましい。ガラス等の基体上に光硬化性樹脂等
の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける場合は、樹
脂層に記録トラックなどの凹凸を形成してもよい。 (2)第2基板8について 第2基板8は光記録媒体がある程度の剛性を有するよ
う、形状安定性を備えるのが望ましい。即ち機械的安定
性が高く、剛性が大きいことが好ましい。また接着層7
との接着性が高いことが望ましい。
【0024】上述のように第1基板1が十分な形状安定
性を備えていない場合は、第2基板8は特に形状安定性
が高い必要がある。この点で吸湿性が小さいことが望ま
しい。但し第2基板8は透明である必要はない。また第
2基板8は鏡面基板で良く、凹凸を形成する必要はない
ので射出成形による転写性は必ずしも良い必要はない。
【0025】このような材料としては、第1基板1に用
いうる材料と同じものが用い得るほか、例えば、Alを
主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板
や、Mgを主成分とした例えばMg−Zn合金等のMg
合金基板、シリコン、チタン、セラミックスのいずれか
からなる基板やそれらを組み合わせた基板などを用いる
ことができる。
【0026】なお、生産性、コスト、低吸湿性、形状安
定性などの点からはポリカーボネートが好ましい。耐薬
品性、低吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィン
が好ましい。また、高速応答性などの点からは、ガラス
基板が好ましい。光記録媒体に十分な剛性を持たせるた
めに、第2基板8はある程度厚いことが好ましく、厚さ
は0.3mm以上が好ましい。但し薄いほうが記録再生
装置の薄型化に有利であり、好ましくは3mm以下であ
る。より好ましくは1.5mm以下である。
【0027】第2基板8は凹凸を持たない鏡面基板で良
いが、生産しやすさの観点から、射出成型により製造す
るのが望ましい。第1基板と第2基板の好ましい組合せ
の一例は、第1基板と第2基板が同一材料からなり、厚
さも同一である。剛性が同等でバランスが取れているの
で、環境変化に対しても媒体として変形しにくく好まし
い。この場合、環境が変化したときの変形の程度や方向
も両基板で同様であると好ましい。
【0028】他の好ましい組合せの一例は、第1基板が
0.1mm程度と薄く、第2基板が1.1mm程度と厚
いものである。対物レンズが記録層に近づきやすく記録
密度を上げやすいため好ましい。このとき第1基板はシ
ート状であってもよい。 (3)第1色素記録層2について 第1色素記録層2は、通常CD−Rや片面型DVD−R
等に用いられる光記録媒体に用いる記録層より高感度で
ある必要がある。本発明においては、入射した光ビーム
のパワーが半透明反射層の存在等で2分され、第1色素
記録層の記録と第2色素記録層の記録とに振り分けられ
るため、約半分のパワーで記録するために、特に感度が
高い必要があるのである。
【0029】また、良好な記録再生特性を実現するため
には低発熱で高屈折率な色素であることが望ましい。更
に、第1色素記録層2と半透明反射層3との組合せにお
いて、光の反射、透過及び吸収を適切な範囲とすること
が望ましい。記録感度を高くし、かつ記録時の熱干渉を
小さくできる。
【0030】このような有機色素材料としては、大環状
アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシ
アニン色素、ポルフィリン色素など)、ピロメテン系色
素、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色
素、スタワリリウム色素など)、アントラキノン系色
素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属イ
ンドアニリン系色素などが挙げられる。これらの中でも
含金属アゾ系色素は、耐久性および耐光性に優れている
ため好ましい。
【0031】上述の各種有機色素の中でも含金属アゾ系
色素は、記録感度に優れ、かつ耐光性に優れるため好ま
しい。特に下記一般式(I)又は(II)
【0032】
【化1】
【0033】(環A1及びA2は、各々独立に置換基を有
していてもよい含窒素芳香族複素環であり、環B1及び
2は、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環
である。Xは、少なくとも2個のフッ素原子で置換され
ている炭素数1〜6のアルキル基である。)で表される
化合物が好ましい。なお、この色素は、構造式から予想
されるように、記録時に色素の分解によりSO2等の腐
食性ガスが発生する。しかしながら、本発明の光記録媒
体は、その反射層の耐食性がきわめて高いので、この腐
食性ガスによって腐食を受けることがなく、長期にわた
り保存安定性に優れる。
【0034】本発明の記録層に使用される有機色素は、
350〜900nm程度の可視光〜近赤外域に最大吸収
波長λmaxを有し、青色〜近赤外線レーザでの記録に
適する色素化合物が好ましい。通常CD−Rに用いられ
るような波長770〜830nm程度の近赤外レーザ
や、DVD−Rに用いられるような波長620〜690
nm程度の赤色レーザ、あるいは波長410nmや51
5nmなどのいわゆるブルーレーザなどでの記録に適す
る色素がより好ましい。
【0035】色素は一種でもよいし、同じ種類のものや
異なる種類のものを二種以上混合して用いても良い。さ
らに、上記複数の波長の記録光に対し、各々での記録に
適する色素を併用して、複数の波長域でのレーザ光によ
る記録に対応する光記録媒体とすることもできる。また
記録層は、記録層の安定や耐光性向上のために、一重項
酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例え
ば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチ
オール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α
−ジケトン等)等や、記録感度向上のために金属系化合
物等の記録感度向上剤を含有していても良い。ここで金
属系化合物とは、遷移金属等の金属が原子、イオン、ク
ラスター等の形で化合物に含まれるものを言い、例えば
エチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニル
ヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジ
ヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニ
トロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系
錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯
体、ポルフィリン系錯体のような有機金属化合物が挙げ
られる。金属原子としては特に限定されないが、遷移金
属であることが好ましい。
【0036】さらに本発明の記録層には、必要に応じ
て、バインダー、レベリング剤、消泡剤等を併用するこ
ともできる。好ましいバインダーとしては、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げら
れる。
【0037】記録層の膜厚は、記録方法などにより適し
た膜厚が異なるため、特に限定するものではないが、十
分な変調度を得るためには通常5nm以上が好ましく、
より好ましくは10nm以上であり、特に好ましくは2
0nm以上である。但し、本発明においては適度に光を
透過させるためには厚すぎない必要があるため、通常3
μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましく
は200nm以下である。記録層の膜厚は通常、溝部と
ランド部で異なるが、本発明において記録層の膜厚は基
板の溝部における膜厚を言う。
【0038】記録層の成膜方法としては、真空蒸着法、
スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、
スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成
法が挙げられるが、量産性、コスト面からはスピンコー
ト法が好ましい。また厚みの均一な記録層が得られると
いう点からは、塗布法より真空蒸着法の方が好ましい。
【0039】スピンコート法による成膜の場合、回転数
は10〜15000rpmが好ましく、スピンコートの
後、加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても
良い。ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート
法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する場合の
塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であればよく、
特に限定されない。例えば、ジアセトンアルコール、3
−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンア
ルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−オクタン等
の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキ
サン、n−ブチルシクロヘキサン、tert−ブチルシ
クロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶
媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペン
タノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロ
アルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、
2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン
酸エステル系溶媒等が挙げられる。
【0040】真空蒸着法の場合は、例えば有機色素と、
必要に応じて各種添加剤等の記録層成分を、真空容器内
に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポ
ンプで10-2〜10-5Pa程度にまで排気した後、るつ
ぼを加熱して記録層成分を蒸発させ、るつぼと向き合っ
て置かれた基板上に蒸着させることにより、記録層を形
成する。 (4)第2色素記録層5 第2色素記録層5は、通常CD−Rや片面型DVD−R
等に用いられる光記録媒体に用いる記録層より高感度で
ある必要がある。本発明においては、入射した光ビーム
のパワーが半透明反射層の存在等で2分され、第1色素
記録層の記録と第2色素記録層の記録とに振り分けられ
るため、約半分のパワーで記録するために、特に感度が
高い必要があるのである。
【0041】また、良好な記録再生特性を実現するため
には低発熱で高屈折率な色素であることが望ましい。更
に、第2色素記録層5と反射層6との組合せにおいて、
光の反射及び吸収を適切な範囲とすることが望ましい。
記録感度を高くし、かつ記録時の熱干渉を小さくでき
る。
【0042】第2色素記録層5の材料、成膜方法等につ
いてはほぼ第1色素記録層2と同様に説明されるため、
異なる点のみ説明する。記録層の膜厚は、記録方法など
により適した膜厚が異なるため、特に限定するものでは
ないが、十分な変調度を得るためには通常10nm以上
が好ましく、より好ましくは30nm以上であり、特に
好ましくは50nm以上である。但し、適度な反射率を
得るためには厚すぎない必要があるため、通常3μm以
下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは20
0nm以下である。
【0043】第1色素記録層2と第2色素記録層5に用
いる材料は同じでも良いし異なっていてもよい。 (5)半透明反射層3 半透明反射層3は、光の吸収が小さく、光透過率が40
%以上あり、かつ適度な光反射率がある必要がある。例
えば、反射率の高い金属を薄く設けることにより適度な
透過率を持たせることができる。また、ある程度の耐食
性があることが望ましい。更に、中間樹脂層4の浸み出
しにより第1色素記録層2が影響されないよう遮断性を
持つことが望ましい。
【0044】高透過率を確保するために、半透明反射層
3の厚さは通常、50nm以下が好適である。より好適
には30nm以下である。更に好ましくは20nm以下
である。但し、第1色素記録層2が中間樹脂層4により
影響されないために、ある程度の厚さが必要であり、通
常3nm以上とする。より好ましくは5nm以上とす
る。
【0045】半透明反射層3の材料としては、再生光の
波長で反射率が適度に高いもの、例えば、Au、Al、
Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd、M
g、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、F
e、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、S
i、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi及び希土類金
属などの金属及び半金属を単独あるいは合金にして用い
ることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反
射率が高く半透明反射層3の材料として適している。こ
れらを主成分とする以外に他成分を含んでいても良い。
【0046】なかでもAgを主成分としているものはコ
ストが安い点、反射率が高い点から特に好ましい。ここ
で主成分とは含有率が50%以上のものをいう。半透明
反射層3は膜厚が薄く、膜の結晶粒が大きいと再生ノイ
ズの原因となるため、結晶粒が小さい材料を用いるのが
好ましい。純銀は結晶粒が大きい傾向があるためAgは
合金として用いるのが好ましい。
【0047】中でもAgを主成分とし、Ti、Zn、C
u、Pd、Au及び希土類金属よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有するこ
とが好ましい。Ti、Zn、Cu、Pd、Au及び希土
類金属のうち2種以上含む場合は、各々0.1〜15原
子%でもかまわないが、それらの合計が0.1〜15原
子%であることが好ましい。
【0048】特に好ましい合金組成は、Agを主成分と
し、Ti、Zn、Cu、Pd、Auよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有
し、かつ少なくとも1種の希土類元素を0.1〜15原
子%含有するものである。希土類金属の中では、ネオジ
ウムが特に好ましい。具体的には、AgPdCu、Ag
CuAu、AgCuAuNd、AgCuNdなどであ
る。
【0049】半透明反射層3としてはAuのみからなる
層は結晶粒が小さく、耐食性に優れ好適である。ただ
し、Ag合金に比べて高価である。また、半透明反射層
3としてSiからなる層を用いることも可能である。金
属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積
み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可
能である。
【0050】半透明反射層3を形成する方法としては、
例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸
着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反
射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向
上等のために公知の無機系または有機系の中間層、接着
層を設けることもできる。 (6)反射層6 反射層6は、高反射率である必要がある。また、高耐久
性であることが望ましい。
【0051】高反射率を確保するために、反射層6の厚
さは通常、20nm以上が好適である。より好適には3
0nm以上である。更に好ましくは50nm以上であ
る。但し、記録感度を上げるためにはある程度薄いこと
が好ましく、通常400nm以下とする。より好ましく
は300nm以下とする。反射層6の材料としては、再
生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、A
l、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びP
dの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能で
ある。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射
層の材料として適している。これらを主成分とする以外
に他成分として下記のものを含んでいても良い。他成分
の例としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、
W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Z
n、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Bi及び希土類金属などの金属及び半金属を
挙げることができる。
【0052】なかでもAgを主成分としているものはコ
ストが安い点、高反射率が出やすい点、更に後で述べる
印刷受容層を設ける場合には地色が白く美しいものが得
られる点等から特に好ましい。ここで主成分とは含有率
が50%以上のものをいう。反射層6は高耐久性(高耐
食性)を確保するため、Agは純銀よりもAgは合金と
して用いるのが好ましい。
【0053】中でもAgを主成分とし、Ti、Zn、C
u、Pd、Au及び希土類金属よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有するこ
とが好ましい。Ti、Zn、Cu、Pd、Au及び希土
類金属のうち2種以上含む場合は、各々0.1〜15原
子%でもかまわないが、それらの合計が0.1〜15原
子%であることが好ましい。
【0054】特に好ましい合金組成は、Agを主成分と
し、Ti、Zn、Cu、Pd、Auよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有
し、かつ少なくとも1種の希土類元素を0.1〜15原
子%含有するものである。希土類金属の中では、ネオジ
ウムが特に好ましい。具体的には、AgPdCu、Ag
CuAu、AgCuAuNd、AgCuNdなどであ
る。
【0055】反射層6としてはAuのみからなる層は高
耐久性(高耐食性)が高く好適である。ただし、Ag合
金に比べて高価である。金属以外の材料で低屈折率薄膜
と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反
射層として用いることも可能である。反射層6を形成す
る方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーテ
ィング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。ま
た、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の
改善、密着性の向上等のために公知の無機系または有機
系の中間層、接着層を設けることもできる。 (7)中間樹脂層4 中間樹脂層4は、透明である必要があるほか、凹凸によ
り溝やピットが形成可能である必要がある。また接着力
が高く、硬化接着時の収縮率が小さいと媒体の形状安定
性が高く好ましい。
【0056】そして、中間樹脂層4は、色素記録層5に
ダメージを与えない材料からなることが望ましい。但
し、中間樹脂層4は通常、樹脂からなるため色素記録層
5と相溶しやすく、これを防ぎダメージを抑えるために
両層のあいだに後述のバッファー層を設けることが望ま
しい。さらに、中間樹脂層4は、半透明反射層3にダメ
ージを与えない材料からなることが望ましい。但し、ダ
メージを抑えるために両層のあいだに後述のバッファー
層を設けることもできる。
【0057】本発明において、保護層の膜厚は正確に制
御することが好ましい。保護層の膜厚は、通常5μm以
上が好ましい。2層の記録層に別々にフォーカスサーボ
をかけるためには両記録層のあいだにある程度の距離が
ある必要がある。フォーカスサーボ機構にもよるが、通
常5μm以上、好ましくは10μm以上が必要である。
一般に、対物レンズの開口数が高いほどその距離は小さ
くてよい傾向がある。
【0058】但しあまり厚いと2層の記録層にフォーカ
スサーボを合わせるのに時間を要し、また対物レンズの
移動距離も長くなるため好ましくない。また硬化に時間
を要し生産性が低下するなどの問題があるため、通常、
100μm以下が好ましい。中間樹脂層4には凹凸が螺
旋状又は同心円状に設けられ、溝及びランドを形成す
る。通常、このような溝及び/又はランドを記録トラッ
クとして、色素記録層5に情報が記録・再生される。通
常、色素記録層5は塗布形成されるので溝部で厚膜とな
り記録再生に適する。本発明においては中間樹脂層4の
溝部、即ち光の入射方向に対して凸部を記録トラック1
2とするのが好ましい。ここで、凹部、凸部はそれぞれ
光の入射方向に対する凹部、凸部を言う。通常、溝幅は
200〜500nm程度であり、溝深さは120〜25
0nm程度である。また記録トラックが螺旋状である場
合、トラックピッチは0.1〜2.0μm程度であるこ
とが好ましい。この他に必要に応じ、ランドプリピット
等の凹凸ピットを有してもよい。
【0059】このような凹凸は、コストの観点から、凹
凸を持つ樹脂スタンパ等から光硬化性樹脂などの硬化性
樹脂に転写、硬化させて製造するのが好ましい。以下、
このような方法を2P法と称することがある。中間樹脂
層4の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂(遅延硬化
型を含む)等を挙げることができる。
【0060】熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な
溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布し、乾燥す
ることによって形成することができる。紫外線硬化性樹
脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を
調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外光を照射して硬
化させることによって形成することができる。紫外線硬
化性樹脂には様々な種類があり、透明であればいずれも
用いうる。またそれらの材料を単独であるいは混合して
用いても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いて
も良い。
【0061】塗布方法としては、記録層と同様にスピン
コート法やキャスト法等の塗布法等の方法が用いられる
が、この中でもスピンコート法が好ましい。或いは、粘
度の高い樹脂はスクリーン印刷等によっても塗布形成で
きる。紫外線硬化性樹脂は、生産性を20〜40℃にお
いて液状であるものを用いると、溶媒を用いることなく
塗布でき好ましい。また、粘度は20〜1000mPa
・sとなるように調製するのが好ましい。
【0062】さて、紫外線硬化性接着剤としては、ラジ
カル系紫外線硬化性接着剤とカチオン系紫外線硬化性接
着剤があるが、いずれも使用可能である。ラジカル系紫
外線硬化性接着剤としては、公知の全ての組成物を用い
ることができ、紫外線硬化性化合物と光重合開始剤を必
須成分として含む組成物が用いられる。紫外線硬化性化
合物としては、単官能(メタ)アクリレートや多官能
(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用い
ることができる。これらは、各々、単独または2種類以
上併用して用いることができる。ここで、本発明では、
アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)ア
クリレートと称する。
【0063】本発明に使用できる重合性モノマーとして
は例えば以下のものが挙げられる。単官能(メタ)アク
リレートとしては例えば、置換基としてメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、
オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブ
トキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエ
チル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒド
ロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエ
チルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒド
ロフルフリル,カプロラクトン変性テトラヒドロフルフ
リル、イソボルニル,ジシクロペンタニル,ジシクロペ
ンテニル,ジシクロペンテニロキシエチル等の如き基を
有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0064】また、多官能(メタ)アクリレートとして
は例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタ
ノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレン
オキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得
たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
A1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピ
レンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以
上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド
を付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチ
レンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加し
て得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0065】また、重合性モノマーと同時に併用できる
ものとしては、重合性オリゴマーとしてポリエステル
(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート等がある。更に、本発明に使用する光
重合開始剤は、用いる重合性オリゴマーおよび/または
重合性モノマーに代表される紫外線硬化性化合物が硬化
できる公知のものがいずれも使用できる。光重合開始剤
としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本
発明に好適である。
【0066】このような例としては、ベンゾインイソブ
チルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシ
ド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,
6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル
ペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さ
らにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4
−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−
1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型
光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベ
ンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−
4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
【0067】また光重合開始剤に対する増感剤として例
えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、
トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェ
ノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジ
ルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベン
ゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさな
いアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光
重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性
に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用い
ることが好ましい。
【0068】また、カチオン系紫外線硬化性接着剤とし
ては公知のすべての組成物を用いることができ、カチオ
ン重合型の光開始剤を含むエポキシ樹脂がこれに該当す
る。カチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩およびジアゾニウム塩等がある。ヨ
ードニウム塩の1例を示すと以下の通りである。ジフェ
ニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェード、ジフェ
ニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ
フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフ
ェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウ
ム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェ
ニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオ
ロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メ
チルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨー
ドニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフ
ェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウ
ム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニ
ル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム
テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−
(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げら
れる。
【0069】エポキシ樹脂は、ビスフェノールA−エピ
クロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、
臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジ
ルエーテル型、複素環式系等種々のものがいずれであっ
てもかまわない。エポキシ樹脂としては、反射層にダメ
ージを与えないよう、遊離したフリーの塩素および塩素
イオン含有率が少ないものを用いるのが好ましい。塩素
の量が1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5
重量%以下である。
【0070】カチオン型紫外線硬化性樹脂100重量部
当たりのカチオン重合型光開始剤の割合は通常、0.1
〜20重量部であり、好ましくは0.2〜5重量部であ
る。なお、紫外線光源の波長域の近紫外領域や可視領域
の波長をより有効に利用するため、公知の光増感剤を併
用することができる。この際の光増感剤としては、例え
ばアントラセン、フェノチアジン、ベンジルメチルケタ
ール、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられ
る。
【0071】また、紫外線硬化性接着剤には、必要に応
じてさらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、ヒン
ダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等
に代表される酸化防止剤、可塑剤およびエポキシシラ
ン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代
表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良す
る目的で配合することもできる。これらは、紫外線硬化
性化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害
しないものを選択して用いる。 (8)接着層7 接着層7は、透明である必要はないが、接着力が高く、
硬化接着時の収縮率が小さいと媒体の形状安定性が高く
好ましい。
【0072】また、接着層7は反射層6にダメージを与
えない材料からなることが望ましい。但し、ダメージを
抑えるために両層のあいだに公知の無機系または有機系
の保護層を設けることもできる。本発明において、接着
層7の膜厚は、通常2μm以上が好ましい。所定の接着
力を得るためにはある程度の膜厚が必要である。より好
ましくは5μm以上である。但し媒体をできるだけ薄く
するために、また硬化に時間を要し生産性が低下するな
どの問題があるため、通常、100μm以下が好まし
い。
【0073】接着層7の材料は、中間樹脂層4の材料と
同様のものが用いうるほか、感圧式両面テープ等も使用
可能である。感圧式両面テープを反射層6と基板8のあ
いだに挟んで押圧することにより、接着層7を形成でき
る。 (9)その他の層について 上記積層構造において、必要に応じて任意の他の層を挟
んでも良い。或いは媒体の最外面に任意の他の層を設け
ても良い。具体的には、半透明反射層3と中間樹脂層4
のあいだ、中間樹脂層4と色素記録層5のあいだ、反射
層6と接着層7のあいだ、などにバッファー層を設けて
もよい。
【0074】バッファー層は2つの層の混和を防止し、
相溶を防ぐものである。バッファー層が混和現象を防止
する以外の他の機能を兼ねていても良い。また必要に応
じてさらに他の中間層を挟んでも良い。バッファー層の
材料は、色素記録層5や中間樹脂層4と相溶せず、か
つ、ある程度の光透過性をもつ必要があるが、公知の無
機物及び有機物が用いうる。特性面からは、好ましくは
無機物が用いられる。例えば、(1)金属又は半導体、
(2)金属又は半導体の酸化物、窒化物、硫化物、酸硫
化物、フッ化物又は炭化物、もしくは(3)非晶質カー
ボン、などが用いられる。中でも、ほぼ透明な誘電体か
らなる層や、ごく薄い金属層(合金を含む)が好まし
い。
【0075】具体的には、酸化珪素、特に二酸化珪素
や、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム等の酸
化物;硫化亜鉛、硫化イットリウムなどの硫化物;窒化
珪素などの窒化物;炭化珪素;酸化物とイオウとの混合
物;および後述の合金などが好適である。また、酸化珪
素と硫化亜鉛との30:70〜90:10程度(重量
比)の混合物も好適である。また、イオウと二酸化イッ
トリウムの混合物を酸化亜鉛との混合物(Y22S−Z
nO)も好適である。
【0076】金属や合金としては、銀、又は銀を主成分
とし更にチタン、亜鉛、銅、パラジウム、及び金よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜15
原子%含有するものが好適である。また、銀を主成分と
し、少なくとも1種の希土類元素を0.1〜15原子%
含有するものも好適である。この希土類としては、ネオ
ジウム、プラセオジウム、セリウム等が好適である。
【0077】その他、バッファー層作製時に記録層の色
素を溶解しないようなものであれば樹脂層でも構わな
い。特に、真空蒸着やCVD法で作製可能な高分子膜が
有用である。バッファー層の厚さは2nm以上が好まし
く、より好ましくは5nm以上である。バッファー層の
厚さが過度に薄いと、上記の混和現象の防止が不十分と
なる虞がある。但し2000nm以下が好ましく、より
好ましくは500nm以下である。バッファー層が過度
に厚いと、混和防止には不必要であるばかりでなく、光
の透過率を低下させる恐れもある。また無機物からなる
層の場合には成膜に時間を要し生産性が低下したり、膜
応力が高くなったりする虞があり200nm以下が好ま
しい。特に、金属の場合は光の透過率を過度に低下させ
るため、20nm以下程度が好ましい。
【0078】また、記録層や反射層を保護するために保
護層を設けても良い。保護層の材料としては、記録層や
反射層を外力から保護するものであれば特に限定されな
い。有機物質の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げる
ことができる。また、無機物質としては、酸化ケイ素、
窒化ケイ素、MgF2、SnO2等が挙げられる。
【0079】熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な
溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布、乾燥する
ことによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂
は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化
させることによって形成することができる。紫外線硬化
性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポ
キシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのア
クリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料
は単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけで
はなく多層膜にして用いても良い。
【0080】保護層の形成方法としては、記録層と同様
にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法
や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピ
ンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、一般に0.1
〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3〜
50μmが好ましい。
【0081】更に、上記光記録媒体には、必要に応じ
て、記録・再生光の入射面ではない面に、インクジェッ
ト、感熱転写等の各種プリンタ、或いは各種筆記具にて
記入(印刷)が可能な印刷受容層を設けてもよい。或い
は、本層構成の光記録媒体を2枚、第1基板を外側にし
て貼合せて、記録層を4層有する、より大容量媒体とす
ることもできる。 [2]光記録媒体の製造法について 次に、本発明に係る光記録媒体の製造法の好ましい一例
について図1及び図2を用いて説明する。図2は本製造
法を説明するための模式図である。
【0082】まず、表面に凹凸で溝及びランド、プリピ
ットが形成された透明な第1基板1を、スタンパをもと
に射出成形または2P法等により作成する。次に、少な
くとも有機色素を溶媒に溶解させた後、透明基板1の凹
凸を有する側の表面にスピンコート等により成膜し色素
記録層2を形成する。更にその上に、Ag合金などをス
パッタまたは蒸着することにより半透明反射層3を成膜
する。
【0083】この上に、中間樹脂層4を形成するにあた
り、型を用いて表面に凹凸を形成する。型としては、生
産性、コストなどの観点から、樹脂からなるスタンパを
用いるのが好ましい。樹脂スタンパ15は中間樹脂層と
なるべき樹脂に対して十分な剥離性を有していれば良
い。透明である必要はないが、成形性が良く、形状安定
性が良いことが望ましい。生産性及びコストの観点か
ら、望ましくは、樹脂スタンパ15は複数回の転写に使
用可能であるのが望ましい。また、使用後のリサイクル
が可能であることが望ましい。
【0084】樹脂スタンパ15は樹脂基板16上に1層
以上のセパレート層17を有しても良いし、樹脂基板1
6のみからなってもよいが、後者のほうが生産性やコス
トの観点から好ましい。まず、上述のスタンパとは凹凸
が逆(ネガ)の金属製スタンパを用い、射出成形や2P
法等により樹脂基板16を作製する。樹脂基板16は透
明である必要はないが、成形性が良く、形状安定性が良
いことが望ましい。
【0085】このような材料としては、例えばアクリル
系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポ
リエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等
の樹脂からなるものが挙げられる。樹脂スタンパ15が
樹脂基板16上に1層以上のセパレート層17を有する
構成であれば、樹脂基板はセパレート層との密着性が高
い樹脂である必要があり、その他成形性などの高生産
性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からポリカ
ーボネートが好ましい。
【0086】樹脂スタンパ15が樹脂基板16のみから
なる構成であれば、樹脂基板は中間樹脂層4を構成する
樹脂との密着性が低く剥離性が高いことが望ましい。そ
の他他成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状
安定性などの点から非晶質ポリオレフィンが好ましい。
樹脂基板16の厚さは、形状安定性及びハンドリングの
容易さの点で、0.5mm以上とするのが望ましい。厚
さの上限は特にないが、通常、3mm以下で十分であ
る。
【0087】セパレート層17は中間樹脂層4を構成す
る樹脂との密着性が低く剥離性が高いことが望ましい。
また、成膜されたときに樹脂基板の凹凸を忠実に反映し
た凹凸が形成されることが望ましい。セパレート層17
の材料としては、中間樹脂層4の樹脂との剥離性の点か
ら金属または合金が好ましく、通常、Ag、Au、C
u、Pt及びPdから選ばれる金属またはそれらの合金
が用いられる。セパレート層17の厚さは、中間樹脂層
4からの剥離性を確保するためにはある程度の膜厚が必
要で、2nm以上とするのが好ましい。一方、基板の凹
凸を忠実に反映するためには厚すぎないことが望まし
く、通常、200nm以下が好ましい。
【0088】基板1上に形成された半透明反射層3上に
紫外線硬化性樹脂等をスピンコート等により成膜したの
ち、樹脂スタンパ15を載置し、紫外線硬化性樹脂に凹
凸を転写する。このとき、中間樹脂層4の膜厚が所定範
囲になるように調節しつつ行う。この状態で半透明反射
層3側から紫外線を照射するなどして樹脂を硬化させ、
十分硬化したところで樹脂スタンパ15を剥離して、表
面に凹凸が形成された凹凸が形成された中間樹脂層4を
形成する。或いは紫外線を媒体の側面から照射すること
もできる。いずれにせよ、この紫外線により色素記録層
がダメージを受けないように注意が必要である。
【0089】続いて図1に示すように、中間樹脂層4の
凹凸を有する側の表面に、少なくとも有機色素を溶媒に
溶解させた後、スピンコート等により成膜し色素記録層
5を形成する。更に、Ag合金などをスパッタ、蒸着す
ることにより反射層6を成膜する。また、ポリカーボネ
ートを射出成形して鏡面基板8を得る。基板1の積層構
造上に、接着層7を介して鏡面基板8を貼合せ、光記録
媒体を製造することができる。接着層7は不透明であっ
たり、多少表面が粗くてもよく、遅延硬化型の接着剤を
問題なく使用できる。反射層6上に接着剤をスクリーン
印刷等で塗布し紫外線を照射してから鏡面基板8を載置
し押圧して接着層7を形成できる。或いはまた、感圧式
両面テープを用い、積層構造A、B間に該テープを挟ん
で押圧することにより、接着層を形成することもでき
る。 [3]光記録媒体の記録再生方法について 次に、本発明に係る光記録媒体の記録再生方法の好まし
い一例について説明する。
【0090】上記のようにして得られた本発明の光記録
媒体への記録は、記録層に直径0.5〜1μm程度に集
束したレーザ光を第1基板側から照射することにより行
う。レーザ光の照射された部分には、レーザ光エネルギ
ーの吸収による、分解、発熱、溶解等の記録層の熱的変
形が起こり、光学特性が変化する。記録された情報の再
生は、レーザ光により、光学特性の変化が起きている部
分と起きていない部分の反射率の差を読みとることによ
り行う。
【0091】2層の記録層には以下のようにして個別に
記録再生する。集束したレーザの集束位置をナイフエッ
ジ法、非点収差法、フーコー法等で得られるフォーカス
エラー信号によって、第1記録層2と第2記録層5とは
区別できる。すなわち、レーザ光を集束する対物レンズ
を上下に動かすと、レーザの集束位置が第1記録層に対
応する位置と第2記録層に対応する位置で、それぞれS
字カーブが得られる。どちらのS字カーブをフォーカス
サーボに用いるかにより、第1記録層と第2記録層のど
ちらを記録再生するかを選択可能である。
【0092】本発明において好ましくは、第1基板及び
中間樹脂層にそれぞれ凹凸が形成されてなり、第1基板
の凸部及び中間樹脂層の凸部を記録トラックとして記録
再生を行うものとする。通常、色素記録層は塗布形成さ
れるので溝部で厚膜となり記録再生に適する。本発明に
おいては第1基板1の溝部、即ち光の入射方向に対して
凸部を記録トラック11とし、中間樹脂層の溝部、即ち
光の入射方向に対して凸部を記録トラック12とするの
が好ましい。
【0093】本発明の光記録媒体について使用されるレ
ーザ光は、N2、He−Cd、Ar、He−Ne、ルビ
ー、半導体、色素レーザなどが挙げられるが、軽量であ
ること、コンパクトであること、取り扱いの容易さ等か
ら半導体レーザが好適である。使用されるレーザ光は、
高密度記録のため波長は短いほど好ましいが、特に35
0〜530nmのレーザ光が好ましい。かかるレーザ光
の代表例としては、中心波長405nm、410nm、
515nmのレーザ光が挙げられる。
【0094】波長350〜530nmの範囲のレーザ光
の一例は、405nm、410nmの青色または515
nmの青緑色の高出力半導体レーザを使用することによ
り得ることができるが、その他、例えば、(a)基本発
振波長が740〜960nmの連続発振可能な半導体レ
ーザ、または(b)半導体レーザによって励起され、且
つ基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な
固体レーザのいずれかを第二高調波発生素子(SHG)
により波長変換することによっても得ることができる。
【0095】上記のSHGとしては、反転対称性を欠く
ピエゾ素子であればいかなるものでもよいが、KDP、
ADP、BNN、KN、LBO、化合物半導体などが好
ましい。第二高調波の具体例としては、基本発振波長が
860nmの半導体レーザの場合、その倍波の430n
m、また半導体レーザ励起の固体レーザの場合は、Cr
ドープしたLiSrAlF6結晶(基本発振波長860
nm)からの倍波の430nmなどが挙げられる。
【0096】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)まず、溝及びプリピットを形成したNiス
タンパを用いて、ポリカーボネートを射出成形すること
により、溝ピッチ0.74μm、溝幅0.3μm、溝深
さ150〜180nmの溝及びプリピットが形成された
直径120mm、厚さ0.6mmの基板1を得た。
【0097】次に、前記一般式(II)で表される含金
属アゾ色素をオクタフルオロペンタノールに溶解し、2
重量%に調整した。これを基板1上に滴下し、スピナー
法により塗布し、塗布後、100℃で30分間乾燥し記
録層2を形成した。この塗布膜の最大吸収波長(λma
x)は約600nmであった。次に、Ag−Cu(0.
9原子%)−Au(1.0原子%)−Nd(0.7原子
%)なるAg合金を16nmの厚さにスパッタリングし
半透明反射層3を成膜した。この上に紫外線硬化性樹脂
からなる保護層を5〜10μmの厚さに設けた。
【0098】次に樹脂スタンパ15を作製した。すなわ
ち上で用いたNiスタンパとはほぼ逆の凹凸を有するN
iスタンパを用いて、ポリカーボネートを射出成形する
ことにより、ランドピッチ0.74μm、ランド幅0.
3μm、ランド高さ150〜180nmのランド及びプ
リピット(凸状)が形成された直径120mm、厚さ
0.6mmのスタンパ基板16を得た。ここにAgを6
0nmの厚さにスパッタリングしセパレート層17を成
膜し、樹脂スタンパ15を得た。
【0099】このように作製した基板1の積層構造上
に、紫外線硬化性樹脂(三菱レーヨン社製)を塗布し、
樹脂スタンパ15を凹凸面を基板1側に向けて載置し
た。その後基板1側から半透明反射層3を介して紫外線
を照射し、硬化させて樹脂スタンパ15を剥離すること
で、凹凸が転写された厚さ約55μm(ランド部同士で
の測定値)の中間樹脂層4を形成した。
【0100】続いて、同じ色素溶液を同様に塗布、乾燥
して記録層5を形成し、同じAg合金を、130nmの
厚さにスパッタリングし反射層6を成膜した。この上に
紫外線硬化性樹脂からなる保護層を5〜10μmの厚さ
に設けた。また、ポリカーボネートを射出成形すること
により、直径120mm、厚さ0.6mmの鏡面基板8
を得た。
【0101】このように作製した積層構造上に、カチオ
ン重合型紫外線硬化性樹脂(遅延硬化型、ソニーケミカ
ル社製、SK7000)からなる接着剤をスクリーン印
刷にて塗布した後、紫外線を照射し、鏡面基板8を載置
し硬化接着させることで厚さ約55μmの接着層7と
し、光記録媒体を製造した。この光記録媒体に対し、波
長650nm、開口数0.65の記録再生評価機で記録
再生を行った。記録再生光は基板1側から入射し、第1
基板の凸部及び第2基板の凹部を記録トラックとして評
価を行ったところ、色素記録層2及び色素記録層5の両
方について記録再生が可能であった。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、記録層を少なくとも2
層設け、それぞれ異なる情報を記録できるので、従来の
光記録媒体に比べて記録容量を飛躍的に大容量化するこ
とができる利点がある。また、この層構成とすること
で、第1基板側から光ビームを入射すれば、第1記録
層、第2記録層ともに記録・再生を良好に行うことがで
きるという利点がある。これにより、ユーザが媒体を反
転させるなどの作業が不要なので利便性が高まる。ドラ
イブが記録再生用光ヘッドを2個以上有する必要もなく
ドライブを簡素な構成で安価なものにできる。
【0103】また、色素記録層が第1基板、中間樹脂層
に近接することにより、記録に伴う樹脂層の変形が起こ
りやすく、変調度が大きくジッタ特性に優れた記録が行
えるという利点がある。更に、本媒体は第1記録層、第
2記録層ともに同じ凸部を記録トラックとして記録再生
が行えるので、トラッキングの極性等を層によって変え
る必要もなく、比較的簡単に、良好な記録再生が行える
という利点もある。
【0104】更に、この層構成とすることで、第2基板
は透明である必要がないので材料選択の幅が広がる利点
もある。例えば、第1基板と第2基板の機能を分け、第
2基板を形状安定性に優れた材料で構成して光記録媒体
に十分な剛性を付与し、これにより第1基板を薄くする
こともできる。対物レンズを記録層により近づけること
ができるため、レンズの開口数を上げて記録密度を大き
くでき、さらに大容量化できるので好ましい。
【0105】或いは、本層構成の光記録媒体を2枚、第
1基板を外側にして貼合せて、記録層を4層有する、よ
り大容量媒体とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光記録媒体の一例を示す模式図
である。
【図2】 本発明に係る光記録媒体の製造法の一例を説
明するための模式図である。
【図3】 従来の光記録媒体の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 色素記録層 3 半透明反射層 4 中間樹脂層 5 色素記録層 6 反射層 7 接着層 8 基板 11 凸部からなる記録トラック 12 凸部からなる記録トラック 15 樹脂スタンパ 16 スタンパ基板 17 セパレート層 21 透明基板 22 色素記録層 23 反射層 24 接着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な第1基板上に、色素を含む第1記
    録層、半透明反射層、中間樹脂層、色素を含む第2記録
    層、反射層、接着層、第2基板をこの順に有してなるこ
    とを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第1基板及び中間樹脂層にはそれぞ
    れ凹凸が形成されてなる、請求項1に記載の光記録媒
    体。
JP2002138832A 2002-05-14 2002-05-14 光記録媒体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4238518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138832A JP4238518B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 光記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138832A JP4238518B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 光記録媒体及びその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003331463A true JP2003331463A (ja) 2003-11-21
JP2003331463A5 JP2003331463A5 (ja) 2005-09-29
JP4238518B2 JP4238518B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=29700170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002138832A Expired - Fee Related JP4238518B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 光記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4238518B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005104117A1 (ja) * 2004-04-23 2005-11-03 Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. 光記録媒体
WO2006016538A1 (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. 光ディスク
JP2008310917A (ja) * 2007-06-18 2008-12-25 Ricoh Co Ltd 複数層光ディスク及び記録再生方法
US8192821B2 (en) 2006-07-10 2012-06-05 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Ultraviolet-curable resin composition and use thereof

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005104117A1 (ja) * 2004-04-23 2005-11-03 Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. 光記録媒体
US7371449B2 (en) 2004-04-23 2008-05-13 Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. Optical recording medium
WO2006016538A1 (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. 光ディスク
US8192821B2 (en) 2006-07-10 2012-06-05 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Ultraviolet-curable resin composition and use thereof
JP2008310917A (ja) * 2007-06-18 2008-12-25 Ricoh Co Ltd 複数層光ディスク及び記録再生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4238518B2 (ja) 2009-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7672215B2 (en) Optical recording medium and recording/reading method therefor
JP2009259399A (ja) 光記録媒体、光記録媒体の記録方法
TWI360122B (ja)
JP4642539B2 (ja) 光記録媒体
JP2004199757A (ja) 光記録媒体,光記録媒体の記録再生方法及び光記録媒体の記録再生装置
JP4322105B2 (ja) 光記録媒体の記録方法及び記録装置
WO2005104116A1 (ja) 光記録媒体
WO2006109722A1 (ja) 光記録媒体
JP2004247024A (ja) 光記録媒体及びその記録再生方法
JP2006236574A (ja) 光記録媒体,光記録媒体の記録再生方法及び光記録媒体の記録再生装置
JP4238518B2 (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2003331473A (ja) 光記録媒体
JP4238170B2 (ja) 光記録媒体
JP4171674B2 (ja) 光記録媒体、光記録媒体の膜厚測定方法、膜厚制御方法、製造方法、膜厚測定装置及び膜厚制御装置
TWI377572B (ja)
JP4050993B2 (ja) 光記録媒体、光記録媒体の膜厚測定方法、膜厚制御方法及び製造方法
JP2004288264A (ja) 光記録媒体、光記録媒体の製造方法
JP3978402B2 (ja) 光記録媒体の製造方法及び光記録媒体用積層体の製造方法
JP2006196035A (ja) 光ディスク
WO2004055790A1 (ja) 光記録媒体、光記録媒体の記録再生方法及び記録再生装置
JP4603996B2 (ja) 光記録媒体
JP2005071396A (ja) 光記録媒体の記録方法及び記録装置
JP2006048905A (ja) 光記録媒体
JP2004318985A (ja) 光記録媒体,光記録媒体の記録再生方法及び光記録媒体の製造方法
JP2007066354A (ja) 光記録媒体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050428

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4238518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees