JP2009020946A - 多層情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層情報記録媒体のスペーサ層形成において、スペーサ層厚み精度の良い媒体とその製造方法を提供する。
【解決手段】表面に光スポット案内溝及び/又はピットからなる凹凸パターンを有する基板上に、情報記録層、透光性スペーサ層を少なくとも2組以上積層する多層情報記録媒体において、情報ゾーン内における透光性スペーサ層の平均厚みを15μm以下とし、かつ、スペーサ層の厚みの最小値と最大値の差を2μm以下とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の情報層を有する多層情報記録媒体及びその製造方法に関する。
従来の光ディスク基板の作製方法について説明する。金属スタンパを設置した金型内に高温融解させたポリカーボネートなどのプラスチック基板材料を高圧で注入した後に冷却して取り出すと、表面に凹凸パターンが複製されたプラスチック基板が完成する。この射出成型法(インジェクション法)は、現在のCD−Audio、CD−R、CD−ROMをはじめDVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、Blu-ray Disc、MOなどのプラスチック基板作製で一般的に用いられている方法である。そして、凹凸パターンの面にスパッタリングにより反射膜あるいは記録積層膜をつけて情報層とし、傷が付かないように保護するために紫外線(UV)硬化樹脂により保護層を形成して、媒体を形成する。
媒体の記録容量を大容量化するための手段として、絞り込みレンズの開口数(NA)を大きくする方法と、媒体の情報層を多層にする方法がある。特開平8−297861号公報には、それぞれが2層の記録層を有する2枚の基板を記録層同士が向かい合うように張り合わせた構造を持つ4層構造の光記録媒体が示されている。多層情報媒体において、各情報層には光スポット案内溝及び/又はピットからなる凹凸パターンが必要であり、パターンの形成には主にインジェクション法と2P法とが用いられるが、いずれもパターン転写の母型となるスタンパを用いたパターン転写方法である。情報層と情報層を切り分けるために必要な間隔がスペーサ層となるため、スペーサ層は所望の厚みに制御されていると同時に情報層の凹凸パターンを兼ね備えていることが必要である。
スペーサ層の作製方法について、特開平9−73671号公報には、紫外線硬化樹脂を用い、スピンコート法により形成する方法が示されている。スピンコート法とは、液体を基板の中心穴に近い部分にノズルから滴下し、回転させることにより遠心力で液体を広げ、紫外線で硬化する方法である。International Symposium on Optical Memory 2001 Technical Digest, p312には、光入射側と反対側の厚い基板に奥の記録積層膜を形成した上に接着性の良い紫外線硬化樹脂を塗布し、一方、ポリカーボネートのスタンパに転写性とポリカーボネートからの剥離性の良い樹脂を塗布し、これらをスピンしながら張り合わせて紫外線で硬化させる方法が述べられている。硬化後ポリカーボネートスタンパーを剥がすと表面にパターンが転写されているので、この上に光入射側から見て手前となる記録積層膜を形成し、さらに0.1mm厚のカバー層を形成する。特開平11−273147号公報には、感圧性粘着シート又はドライフォトポリマーシートを用いた別のスペーサ層作製方法が示されている。あらかじめ一定の厚みに形成されているシートをスペーサ層に用いるため厚みムラのないスペーサ層を形成することができる。さらに、スペーサの層数を3層とした4層光ディスクについて、International Symposium on Optical Memory 2003 Technical Digest, p10に報告されている。スペーサ層材質としてドライフォトポリマーシートを使用している。
上記方法とは別に、レンズの開口数(NA)を大きくして記録データを高密度化することによる大容量化も検討されている。通常、集光した光スポットのサイズは、入射光の波長をλとすると、λ/NAに比例する。即ち、入射光の波長が短く、かつレンズのNAが大きい方が光スポットのサイズが小さくなり、記録マークを小さくすることができ、高密度化が可能となる。NAが1よりも大きいレンズを使用することによって光スポットサイズを小さくする試みがなされている。このようなレンズを固浸レンズ(Solid Immersion Lens;SIL)と呼ぶ。しかし、NAが1よりも大きくなると、レンズから出射される光のうち、NA>1の成分を有する光が伝播せず、レンズの光入射面付近に局在する。この局在した光を近接場光と呼ぶ。この近接場光は、光を伝播する物質に接すると伝播光に変換される。このため、SILを利用するには、SILを媒体表面から約20nm以内に常に保つ必要がある。
上記のSILと多層記録とを組み合わせる試みが、例えばProceedings of SPIE, vol.6282, 62820Qに報告されている。ここではNAが1.6のSILを用い、4層記録をする場合の計算結果が示されている。この報告によれば、媒体のカバー層、第1から第3スペーサ層の厚さをそれぞれ2.0μm、2.6μm、2.2μm、2.4μmとすればよい。NAが大きいため、層間距離が変化すると隣接層からの信号が急激に低減する。このことにより、層間距離を小さくすることが可能である。逆に、層間距離が大きく、かつレンズのNAが大きい場合、レンズから遠い点に光を集光することができないからである。レンズから遠い点に集光するには、レンズ径を大きくすることが必要となるが、レンズを大きくするとレンズの重量が増え、レンズを高速に動かすことができなくなる。このことにより、例えばレンズと媒体の間の距離を高速に制御することが不可能なため、レンズと媒体が衝突するなどの問題が起こる。
特開平8−297861号公報 特開平9−73671号公報 特開平11−273147号公報 International Symposium on Optical Memory 2001 Technical Digest, p312 International Symposium on Optical Memory 2003 Technical Digest, p10 Proceedings of SPIE, vol.6282, 62820Q
多層媒体において全ての情報層を精度よく記録・再生するには、各層間での光学的距離が変化することによって生じる球面収差を許容値内に抑えることが重要である。現実には、球面収差補正量が有限であるため、多層媒体の層数に制限がでてくる。例えば、球面収差補正量が最大45μmの装置で記録・再生する場合、各層は45μmの範囲内に設けることが好ましい。5層ディスクであればスペーサ層は10μm程度となり、現在Blu-ray Discで用いられているスペーサ層25μmと比較してかなり薄くしなければならない。
薄いスペーサ層程、均一な厚み精度が求められ、厚みバラツキを小さくすることは必須となる。例えば、Blu-rayの2層ディスクの場合、スペーサ層とカバー層と合わせた厚みバラツキの許容範囲は±4μm、最大差8μmである。例えばスペーサ層とカバー層で2分すると各々±2μm、最大差4μmである。さらに多層にして層数を増やす場合には、厚みバラツキの許容範囲は層数の増加とともに厳しくなる。つまり、3層の場合の厚みバラツキ許容範囲は最大差8μmを3分した2.66μmとなる。同じように4層の場合では2μm、5層の場合では1.6μm、6層の場合では1.33μm、8層の場合では1μmとなり、薄いスペーサ層を均一に精度良く作製することは難しい。前述したようにスペーサ層の厚みは層数とともに薄くなり、例えば球面収差補正量が最大45μmの装置では、3層、4層、5層、6層、8層ディスクの場合、それぞれのスペーサ層厚みの平均は、22.5μm、15.0μm、11.2μm、9.0μm、6.4μmとなる。球面収差補正量、装置性能が異なることで層数に対する平均スペーサ層厚みとカバー層の設計は異なってくるが、薄いスペーサ層を均一に形成する難しさは同様である。多層媒体プロセスは、薄いスペーサ層のハンドリングの難しさを考えると、基本となる厚い基板(例えば1mm程度)の上にスペーサ層及び情報層を順次重ねていく方法が適している。
薄いスペーサ層を形成する場合に問題となるのは、インジェクションで射出成型するポリカーボネート基板の板厚分布、反り、バリなどである。表面研磨を行わないプラスチックの射出成型において、板厚バラツキを数nmに抑えることは非常に難しく、少なくとも数μmのバラツキが生じる。同様に反りやバリにおいても、例えばSiウエハ並みの精度を要求することは困難である。このような基板を用いてパターン転写を行う際、母型となるスタンパが平坦で硬いものの場合、基板自体が持つ板厚分布、反り、バリの影響は、基板とスタンパとの間に挟みこんで形成するスペーサ層が受けることになり、スペーサ層の厚みバラツキとなる。スタンパが反っていた場合にはスタンパと基板の両方の影響からスペーサ層に厚みバラツキが生じる。厚いスペーサ層を形成する場合にはポリカーボネート基板のこれらの影響は小さく、問題にならなかった。また、スペーサ層の平均厚みが55μmのDVD2層ディスクの場合は、厚みバラツキの許容範囲が45μm〜65μmと広かったため、この点においても問題にならなかった。
インジェクション法で作製したポリカーボネート基板の板厚をマイクロゲージで測定した結果の一例を図1に示す。測定は直径120mmの基板の半径55mm付近で行い、周方向12ヶ所で行った。0.6mm厚の基板の場合、平均厚みは604μmで最小値と最大値の差は9μmであり、1.1μm厚の基板の場合、平均厚みは1099μmで最小値と最大値の差は8μmであった。この結果から単純に考えると、例えばこの1.1mm厚の基板と0.6mm厚の基板を重ね合わせた場合(どちらかがスタンパとなる)、その隙間は最大で17μmとなり、この隙間を利用してスペーサ層を形成すると、これがスペーサ層厚のバラツキとなる。板厚が平坦なNiスタンパを用いた場合でも、一方の基板の板厚ムラが残るため、その影響を受けてスペーサ層厚バラツキが生じる。
2層ディスクを作製し、スペーサ層の厚みに対する情報ゾーン内の厚みバラツキを測定した結果の一例を図2に示す。基板はインジェクションで作製した1.2mmのポリカーボネート基板を用い、スタンパとしては0.6mm厚のポリオレフィン基板を用いた。スペーサ層材として紫外線硬化樹脂を用い、スピンコートによる2P法でスペーサ層を形成した。
スペーサ層の厚みはキーエンス製のレーザ変位計(LT−9000:レーザ波長408nm、最大出力0.9mW)を用いて測定した。直径120mmのディスク100枚について、半径23mmから57mmの情報ゾーン範囲内において、半径2mmおき、周方向24ヶ所、計408ヶ所を測定し、最小値と最大値の差を厚みバラツキとした。形成するスペーサ層の平均厚みが25μmから20μmの場合は厚みバラツキを2μm以下にすることができたが、スペーサ層の平均厚みが15μm以下では厚みバラツキが増加した。スペーサ層の厚みバラツキの増加は層間切り替えを不安定にし、ジッタ特性やエラーレート特性に悪い影響を与える。
多層SILの場合には、層間距離が2〜3μmと小さい。かつ、SILは高NAであるため、層間距離の変動による信号品質の変化が大きい。そのため、層間厚ムラを小さくする必要がある。
本発明の目的は、15μm以下の薄い透光性スペーサ層においても厚みバラツキが小さく、特性が良好な多層情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
<媒体>
本発明による多層情報記録媒体は、インジェクション法で作製された、表面に凹凸パターンを有するプラスチック基板と、基板上に設けられた第1の情報記録層と、第1の情報記録層上に積層された、表面に凹凸パターンを有する透光性スペーサ層と当該透光性スペーサ層上に形成された情報記録層との組を少なくとも1組備え、透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが15μm以下であり、厚みの最小値と最大値の差が2μm以下であることを特徴とする。これにより、実用に必要な目標エラー率1×10−5以下の多層情報記録媒体が得られる。
さらに、ドライブの球面収差補正範囲を考えた場合、上記厚みの最小値と最大値の差は1μm以下が望ましい。厚みの最小値と最大値の差が1μm以下であれば、レーザ照射側からもっとも近い情報層と遠い情報層までの全体の厚みバラツキは4層の場合3μm以内、5層の場合でも4μm以内となり、現在のBDの厚さバラツキ許容範囲以下となるため、現在のドライブでも十分対応可能であるという利点がある。また、さらに優位には上記厚みの最小値と最大値の差は0.8μm以下であることが望ましい。厚みの最小値と最大値の差が0.8μm以下であれば、3層以上の情報層を有する多層媒体に特有の、本来の再生信号と同じように検出器上で焦点を結び重大な層間クロストークを生じる、いわゆるゴーストスポットの発生を抑制する効果が大きいため、より好ましい。
透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが12μm以下のとき、厚みの最小値と最大値の差が1.8μm以下である。情報ゾーン内における平均厚みが8μm以下の透光性スペーサ層は、厚みの最小値と最大値の差が1μm以下である。情報ゾーン内における平均厚みが6μm以下の透光性スペーサ層は、厚みの最小値と最大値の差が0.7μm以下である。情報ゾーン内における平均厚みが3μm以下の透光性スペーサ層は、厚みの最小値と最大値の差が0.5μm以下である。
透光性スペーサ層のうち少なくとも1層を、複数の層を積層した層構造とすることにより、情報層に対するスペーサ層の接着性を向上し、寿命特性の良い多層情報記録媒体を得ることができる。
また、基板を少なくとも2つの材料からなる層構造とし、基材と凹凸パターンの転写層とを分け、それぞれに適した材料を選ぶことにより、微小なサイズの凹凸パターンを忠実に転写することが可能となり、より高密度な情報層を持つ基板を得ることができる。
<製造方法>
本発明による多層情報記録媒体の製造方法は、インジェクション法により表面に凹凸パターンを有するプラスチック基板を成型する工程、基板上に第1の情報層を製膜する工程、第1の情報層の上に、液状の紫外線硬化樹脂層を挟んで、厚さが0.085mm以上、0.27mm以下で透光性を有し、下面に凹凸パターンが形成された柔軟なシート状のスタンパを重ね合わせる工程、スタンパとの間に紫外線硬化樹脂層を挟んだ状態で基板を回転させ、紫外線硬化樹脂層の膜厚を調整する工程、スタンパを通して紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射し、硬化させる工程、スタンパを剥離する工程、硬化した紫外線硬化樹脂層からなる透光性スペーサ層上に情報層を製膜する工程を有し、透光性スペーサ層上に情報層を製膜する工程を反復して、それぞれが透光性スペーサ層で隔離された複数の情報層を形成する。この方法により、基板が持つ厚みバラツキ、反り、バリなどの影響を受けない透光性スペーサ層を形成することができる。
薄型透光性スタンパ材を有機化合物で作ることにより、厚さが薄くても柔軟で強度耐性のあるスタンパが得られる。また、薄型透光性スタンパを、有機化合物を主体として有機化合物又は無機化合物との積層構造にすることで、凹凸パターンを転写する際の剥離にかかる力(ストレス)が低下し、スタンパ寿命が増す。
<製造装置>
本発明の多層情報記録媒体を製造する装置としては、表面に光スポット案内溝及び/又はピットからなる凹凸パターンを有する基板上に製膜する手段と、透光性スペーサ材と基板と透光性薄型スタンパとを重ね合わせる手段と、透光性薄型スタンパを剥離する手段を有し、回転手段、紫外線照射手段、加圧手段と、加熱手段、減圧雰囲気にする手段のうち、少なくとも2つの手段を有する。本発明によると、厚さが15μm以下のスペーサ層においても、情報ゾーン内における厚みバラツキが2μm以下の均一なスペーサ層を形成することができる。
本発明によると、厚さが15μm以下のスペーサ層においても、厚みバラツキが2μm以下の均一なスペーサ層が形成され、安定な層間切り替えと優れた特性を有する多層情報記録媒体を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
作製した多層情報記録媒体の断面構造の一部を図3(a)、図3(b)に示す。基板101上に4層の情報層102,104,106,108を設け、その上にカバー層109を設けた構造である。各情報層102,104,106,108の間には透光性スペーサ層103,105,107を介在させた。図3(a)は各スペーサ層の厚みがほぼ同じである構造を示し、図3(b)は各スペーサ層の厚みが異なる構造を示している。
製造工程及びフローを図4、図5に示す。ここで説明する製造工程は、図3(a)に示した各スペーサ層の厚みがほぼ同じである媒体に対しても、図3(b)に示した各スペーサ層の厚みが異なる媒体に対しても適用可能である。また、ここでは一例としてROM膜を有する媒体について説明する。
まず、図4(a)に示すように、表面に光スポット案内溝及び/又はピットからなる凹凸パターンを有する基板として、ポリカーボネート基板101を通常のインジェクション法で成型した(S11)。ポリカーボネート基板101の直径は120mm、厚さ1.1mmである。また、マイクロゲージで測定した基板厚さの結果の一例を図1に示す。測定は直径120mmの基板の半径55mm付近で行い、周方向12ヶ所で行った。1.1μm厚の基板の場合、平均厚みは1099μmで最小値と最大値の差は8μmであった。0.6mm厚の基板の場合の測定結果も示したが、平均厚みは604μmで最小値と最大値の差は9μmであった。これら基板は既存のDVDやBD用にインジェクション法で作製したものであり、通常のDVDやBD等の用途においては問題のない厚みムラである。
次に、図4(b)に示すように、ポリカーボネート基板101上にスパッタリングによりAg合金を50nm製膜して情報層102とした(S12)。次に、図4(c)に示すように、15μm厚の透光性スペーサ層103を形成した(S13)。このスペーサ層表面には情報層104のデータに相当するピットパターンが形成されている。次に、図4(d)に示すように、その表面にスパッタリングによりAg合金を15nm製膜して情報層104とした(S14)。次に、図4(e)に示すように、9μm厚の透光性スペーサ層105を形成した。このスペーサ層表面には情報層106のデータに相当するピットパターンが形成されている(S15)。その表面に、図4(f)に示すように、スパッタリングによりAg合金を10nm製膜して情報層106とした(S16)。さらに、図4(g)に示すように、12μm厚の透光性スペーサ層107を形成し(S17)、図4(h)に示すように、スパッタリングによりAg合金を5nm製膜して情報層108とした(S18)。スペーサ層107の表面には、情報層108に相当するピットパターンが形成されている。最後に、図4(i)に示すように、厚さ55μmのカバー層109を形成した(S19)。
ピットパターンの一例を図6(a)〜(g)に示す。図6(a)と図6(b)、図6(c)と図6(d)とは、互いに凹凸が反転したピットパターンの例である。ピット以外のパターンとして、図6(e)(f)にラインパターンの一例を示した。混在するパターン例については図6(g)に示したがこれに限った訳ではなく、図6(a)と図6(e)、図6(a)と図6(f)などのパターンが混在したパターンでも良い。
図7(a)に、スペーサ層を形成する工程(パターンを転写する工程)で使用する部材について示す。情報層付基板101を台501にセットし、スペーサ層となる材料を母型となる薄型透光性スタンパ502との間に挟みこんで硬化させた後に、薄型透光性スタンパ502との境界で剥離するとパターンが転写されたスペーサ層が形成される。パターン転写の模式図を図7(b)に示す。スペーサ層103の表面に転写された情報層(104)となる凹凸パターンは、薄型透光性スタンパ502の凹凸を反転したパターンである。
スタンパ材として0.1mm厚のポリカーボネートを用いた場合の、薄型透光性スタンパの作製方法を図8(a)に示す。従来どおり、レジストヘの露光及び現像を行って得た原盤からNiスタンパを電鋳により作製する。その後、Niスタンパ601上に0.1mm厚のポリカーボネートシート602を加熱しながら加圧ローラー603で押し付ける。加熱及び加圧することで熱可塑性であるポリカーボネートシート表面は柔らかくなり、Niスタンパ601のパターンに沿って充填される。その後、自然冷却したポリカーボネートシート602をNiスタンパ601から剥離すると、Niスタンパのパターンが転写された薄型透光性スタンパ502が作製できた。加熱ローラーの表面温度は室温より高い35℃からゴムなどの柔らかい材質が変形しない175℃までの範囲が望ましい。スタンパとポリカーボネートシートを重ね合わせる工程を減圧雰囲気中で行うと、気泡による欠陥が少ないスタンパが得られる。
必要なサイズに応じて内周及び/又は外周の加工を行えば良いし、その際に加工中心とパターン中心との偏芯を小さくすることもできる。Niスタンパからポリカーボネートシートを剥離する前に加工箇所の記し付けを行う又は、加工を行うと偏芯を小さくすることが容易にできる。この場合、多層情報記録媒体としての凹凸パターン転写の際に、内周及び/又は外周をガイドとして基板と重ね合わせることで偏芯調整をすることができる。また、図8(b)に示すように、加工した後に内周部及び/又は外周部に補強用ハブ604を取り付けるとなお良い。補強用ハブ604の材質としては、金属材でもよいし、プラスチック材でもよい。接着剤を挟んで補強用ハブとスタンパを重ね合わせ、加圧する。接着剤として紫外線硬化樹脂を使用する場合には、透光性のプラスチック材が好ましい。紫外線照射で瞬時に接着できる。その他アラルダイトのような2液混合タイプ、瞬間接着剤などを使用する場合には透光性でなくてもよく金属材でよい。磁石につく金属材とすると、スタンパの取扱い時に磁石を利用できるため搬送効率が良い。
スタンパ材料の他の例としてポリオレフィン(日本ゼオン製、ZEONOR1420)でも可能であった。溶剤に強いこの材料はスペーサ層との剥離性が良く、スペーサ層材料の選択の幅が広がる上、スタンパとしての寿命が長い。Niスタンパからの転写性や多層媒体を作製する条件は、ポリカーボネートと同等であった。
スタンパとしての寿命を高めるために、その表面に保護膜としてAl23膜を10nm形成した。スパッタによる製膜はポリカーボネートに対してAl23膜の接着性が高く、スタンパの保護膜としての効果が得られた。Al23の他にもZnSSiO2、SiO2などスペーサ層材料との剥離性に優れた膜を形成するのが望ましく、それによって剥離を繰り返すことによるダメージが少なくなり、スタンパとしての寿命が延びる。保護膜の膜厚は、凹凸パターンサイズにより多少の調整が必要である。例えは微小ピットの場合には、厚い膜を形成すると本来のピットサイズからズレが生じる。このため膜厚は20nm以下が適しており、例えば直径50nm以下の微小ピットの場合には、保護膜の膜厚は10nm以下が望ましい。
また、透光性薄型スタンパとして0.1mm厚のポリカーボネートと紫外線硬化樹脂の2層構造も用いることができる。Niスタンパからの凹凸パターン転写部分に紫外線硬化樹脂を用いると、さらに微細な凹凸パターンの転写が可能であった。この場合は、図9に示すように、前記Niスタンパ601と0.1mm厚のポリカーボネート602との間に紫外線硬化樹脂605としてHOD3200(日本化薬製)を挟んで重ね合わせた後に回転させて遠心力で膜厚の均一化を図った上で、ポリカーボネート側から照度1200mJ/cm2の紫外線606を照射し、硬化させた後にNiスタンパから剥離して凹凸パターンを転写した。紫外線照度はアイグラフィックス社製照度計UVPF−36を用いて測定した。剥離は、スタンパを反らせることで行い、外周からでも良いし、内周から浮かせる方法でも良い。また、薄いスタンパへのストレスが小さくなるように、スタンパを反らせるのではなく真空吸着させて剥がす方法でも良い。また、補強用ハブのマグネットチャッキングを利用して剥離する方法でも良い。紫外線硬化樹脂の厚みは0.8〜1.2μmであった。母型からの転写を繰り返すことで、多数枚の薄型透光性スタンパ502が作製できた。
また、あらかじめNiスタンパに紫外線硬化樹脂をスピン塗布しておき、減圧雰囲気中でポリカーボネートと重ね合わせ、加圧する方法でも同様に薄型透光性スタンパが作製できた。この方法は、空気の混入による欠陥が少なくなる点、スピン塗布時間を短縮させる点で効果がある。重ね合わせた後は同様にして紫外線を照射し、硬化させた後にNiスタンパからの剥離を行った。
また、凹凸パターンを転写する際の母型としてNiスタンパを電鋳する前の原盤を用いても良く、その表面が剥離性の良いSi原盤、SiO2が形成されたSi原盤又は石英原盤であれば同様に転写することができた。剥離性が悪いときにはAl23、ZnSSiO2、SiO2などの膜を表面に形成すれば良い。
透光性薄型スタンパの透光性は、光硬化性のスペーサ層材料を硬化させるのに必要な光を透過させることができればよい。硬化に用いる光源としては高圧水銀灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプなどが良い。
スペーサ層材料の一例として、液体の紫外線硬化樹脂PC−2(大日本インキ製)を用いた。図10(a)に示すように、基板101と0.1mmの透光性薄型スタンパ502との間に挟んだ液体の紫外線硬化樹脂701,702は、基板101を載せた台501を回転させることで余分な樹脂を振り切り、所望の厚さとすることができる。使用する紫外線硬化樹脂の粘度に合わせて回転数と時間をコントロールすることで、スペーサ層厚を制御することができる。粘度が180cpsのこの樹脂の場合、例えば5000rpm−60秒で5μm、3000rpm−60秒で8μmの平均厚みであった。粘度と回転条件の関係において、余分な樹脂を振り切った後にはさらに回転を続けても厚みがほとんど変化しなくなる条件があるため、所望の厚みにおいて厚みバラツキが2.0μm以下になる回転条件を用いればよい。
一例として、粘度と回転数における平均膜厚の関係を図11に示す。回転数は、所望の膜厚に応じて調整すればよい。図11に示されているように、回転数が早いほど遠心力で紫外線硬化樹脂が外に追い出され膜厚が薄くなる。粘度が高いほど回転数を高くすればよい。
さらに、ここでは接着性を良くするために紫外線硬化樹脂は2層構造にして用いた。スタンパ502に接し硬化後に剥離する紫外線硬化樹脂701として前記PC−2を用い、基板101側には接着性の良い紫外線硬化樹脂702としてHOD3200(日本化薬製)を予めスピン塗布し半硬化状態にして用いた。紫外線硬化樹脂によっては樹脂層を1層にすることが可能である。まず、基板側101にHOD3200(日本化薬製)を厚さが1μmとなるスピン条件で塗布し、照度600mJ/cm2の紫外線を照射する。その後、スタンパ502との間にPC−2を挟んで所望の厚さになる回転条件でスピン塗布した後に再度、照度1200mJ/cm2の紫外線を照射した。基板側の紫外線硬化樹脂には嫌気性の紫外線硬化樹脂を用いたため、半硬化状態にするための紫外線照度のマージンは大きい。
透光性薄型スタンパの場合、基板表面が平坦でなくてもその表面に薄板スタンパが自然にならい、基板と薄板スタンパの間にある紫外線硬化樹脂は回転条件に応じて自然に流れていくため、基板が持つ厚みバラツキ、反り、バリなどの影響を受けない均一な膜厚のスペーサ層を形成することができる。
Blu-rayディスクの2層を作製する典型的な従来プロセスではスペーサ層に紫外線硬化樹脂を用い、スタンパに0.6mm厚の透光性スタンパ(例えばポリカーボネート)を用いたスピン法を用いる。この際のスペーサ層の厚み範囲は20μmから30μmであり、厚みの最小値と最大値の差の許容範囲は4μmである。しかし、この従来プロセスによる多層媒体の作製では、平均厚み15μm以下の薄いスペーサ層を形成した場合に、厚みの最小値と最大値の差の許容範囲が2μm以下という要求性能に対応できなかったことから、本発明の薄型透光性スタンパを使用した。このことから以下の実施例においては、平均厚み15μm以下のスペーサ層厚を有する多層媒体を製造した結果について述べる。
スタンパ材及びスタンパ厚みに対するスペーサ層厚みバラツキについて評価した結果を表1に示す。表1は、それぞれのスタンパで作製した4層ディスクを評価した結果である。スペーサ層の厚みを測定する方法として、キーエンス製のレーザ変位計(LT−9000:レーザ波長408nm、最大出力0.9mW)を用いた。スタンパ材料としては、Ni、Si、ポリカーボネート、ポリオレフィンについて試した。Niスタンパの厚みは0.3mm、Siスタンパの場合は0.6mm、ポリカーボネート及びポリオレフィンスタンパの場合は1.2mm、0.6mm、0.4mm、0.3mm、0.27mm、0.2mm、0.1mm、0.085mm、0.05mm、0.04mm、0.02mmの厚さを用い作製した。スペーサ層材料には紫外線硬化樹脂を用い、スピン法で作製した。
基板上に形成した各透光性スペーサ層の情報ゾーン範囲内において、半径23mmから59mmまでを2mmおきに、周方向24ヶ所、計456点の厚みを測定し、最小値と最大値の差を厚みバラツキとした。厚みバラツキが1.00μm未満を◎、1.01〜2.00μmを○、2.01〜3.00μmを△、3.01μmを超えた場合を×とし、平均厚み15μm以下のスペーサ層を測定した結果の平均から評価した。また、スタンパ厚み0.02mmについては、薄過ぎることにより剥離の際にスタンパが破れてしまい、パターン転写が困難であったという点で×とした。スタンパ厚み0.05mm、0.04mmについても同様の点でスタンパとしての丈夫さの点から○△とした。スタンパ厚さ1.2mmで作製した4層ディスクの場合、内周部、外周部で欠陥が生じた。欠陥とは一部に生じた浮きのことで、スペーサ層の厚みバラツキが大きくなった。スタンパのバリの影響で基板との間に隙間ができたことが原因と思われる。
Figure 2009020946
ポリカーボネート及びポリオレフィンについては、スタンパ厚みとして片側に傷や汚れなどを防ぐために形成されているベースフィルム(例えばPETフィルム)を含めた場合でも合計厚みが同じであれば同じ結果が得られた。つまり、スタンパがプラスチック材料の場合、材質の違いではなく厚みによる効果が大きい。0.27mmから0.085mmの薄板透過性スタンパを用いることで、基板自身の持つ板厚バラツキ、反り、バリの影響を受けない、均一な厚みを持つスペーサ層を形成できた。より、均一なスペーサ層を得るには0.20mmから0.1mmの薄型透光性スタンパを用いることが好ましい。
このようにしてできた4層ディスクの一部を断面観察したところ、図3の模式図に示す形状であることを確認できた。基板表面のうねりに対し、各スペーサ層はほぼ同じように追従してうねっており、その結果、基板表面のうねりにもかかわらず、基板全面で均一な膜厚のスペーサ層を形成することができた。
ここでは、4層の情報面をもつディスクを例としてあげたが、本発明は5層、6層など4層以外の多層ディスクに対しても効果を発揮する。特に、5層以上の情報面を持つディスクにおいては、スペーサ層が4層ディスクよりも薄くなるために、本発明の効果は顕著に現れる。
次に、薄型透光性スタンパを用いて本発明の方法で作製した光ディスクの再生特性を評価した。光ディスクは、スタンパとして膜厚0.1mmのポリカーボネートとし、紫外線硬化樹脂でパターンを形成したスタンパを用いて作製した4層ディスクである。この4層ディスクは、図3(b)に示すように、レーザ入射側からみて、カバー層109、情報層108、スペーサ層107、情報層106、スペーサ層105、情報層104、スペーサ層103、情報層102が順に形成された構造を有する。情報層108,106,104,102はそれぞれ、厚みが5nm、10nm、15nm、50nmのAg合金で構成し、スペーサ層107,105,103の目標厚みはそれぞれ、12μm、9μm、15μmとした。スペーサ層107,105,103の厚みの最大値と最小値のバラツキは、それぞれ1.4μm、1.1μm、1.7μmであった。
評価には、波長405nmの半導体レーザを搭載した光ディスクドライブを用いた。レンズの開口数は0.85である。再生光を0.6mWとし、まずは基準面であるレーザからみて一番奥の層である情報層102にフォーカス、トラッキングをかけた。ラジアルチルトを−0.8〜0.8°まで変化させ、再生信号性能が最も高かったラジアルチルト0.1°を選択し、そのディスクの基準チルトとした。本実験では、再生信号性能は再生時のジッタで評価したが、その他、変調度、PRSNR、エラーレートなど他の再生信号評価指標を用いても良い。
次に、レーザからみて2番目に奥の層である情報層104にフォーカス、トラッキングをかけたところ、層間ジャンプは問題なく行うことができた。同様にして一番手前の情報層108まで最適チルトを測定したところ、各層の基準チルトとの差は0.1°以内に収まった。このディスクを用いて、層間ジャンプ後に再生チルト学習をせずに再生したが、再生チルト学習をした場合とほぼ同等のジッタが得られた。このように、各層の傾きバラツキの少ないディスクは学習時間を省略できるため、再生性能のバラツキが少ないというだけでなく、消費電力を少なくする、待ち時間を短くするという利点も有する。
次に、厚さ0.3mmのポリカーボネートからなる薄型透光性スタンパを用いて作製した4層ディスクを上記光ディスクドライブに搭載してフォーカス、トラッキングをかけた。上記と同様にして実験を行った結果、このディスクでは情報層102に対して最適ラジアルチルトを合わせた状態で、一番手前から二番目の情報層106へ層間ジャンプをした際、約15回に1回の割合で層間ジャンプエラーを起こした。スペーサ層107,105,103の目標厚みは、それぞれ、12μm、9μm、15μmとした。厚みの最大値と最小値のバラツキは、それぞれ4.2μm、5.8μm、4.5μmであった。
さらに、同じ装置において、スタンパ厚さ1.2mmのポリカーボネートからなる透光性スタンパを用いて作製した4層ディスクにフォーカス、トラッキングをかけた。基準面とした情報層102での最適ラジアルチルトは−0.15であったが、各情報層での最適チルトがディスク1周内でばたつくことがわかった。また、ディスク内周部分、外周部分ではスペーサ層の厚みムラが大きく、トラッキングがかからない、あるいは一瞬かかったとしてもはずれ易いという問題が生じた。スペーサ層107,105,103の目標厚みはそれぞれ、12μm、9μm、15μmとした。厚みの最大値と最小値のバラツキはそれぞれ4.3μm、6.5μm、4.8μmであった。
上記において、基準チルトを測定する基準面をレーザからみて一番奥の層としたが、基準面は任意であり、レーザに最も近い層を基準面としても同様の結果が得られた。
上記スタンパ厚み0.1mmの薄型透光性スタンパとインジェクション法で作製したプラスチック基板とを用いて作製した4層ディスクの厚みバラツキの測定結果の詳細を図12に示す。ディスク構造は次の通りである。図4(b)に示すように、ポリカーボネート基板上にスパッタリングによりAg合金を50nm製膜して情報層102とした。次に、図4(c)に示すように、15μm厚の透光性スペーサ層103を形成した。このスペーサ層表面には情報層104のデータに相当するピットパターンが形成されている。次に、図4(d)に示すように、その表面にスパッタリングによりAg合金を15nm製膜して情報層104とした。次に、図4(e)に示すように、9μm厚の透光性スペーサ層105を形成した。このスペーサ層表面には情報層106のデータに相当するピットパターンが形成されている。その表面に、図4(f)に示すように、スパッタリングによりAg合金を10nm製膜して情報層106とした。さらに、図4(g)に示すように、12μm厚の透光性スペーサ層107を形成し、図4(h)に示すように、スパッタリングによりAg合金を5nm製膜して情報層108とした。スペーサ層107の表面には、情報層108に相当するピットパターンが形成されている。最後に、図4(i)に示すように、厚さ55μmのカバー層109を形成した。
図12において、20μm厚、25μm厚のスペーサ層にはスタンパとして1.2mmのポリカーボネート基板を用い、15μm厚以下のスペーサ層にはスタンパとして0.1mmのポリカーボネートを用いた。
スペーサ層厚み15μm以下においても厚みバラツキを2μm以下にすることができた。また、スペーサ層厚み10μm以下においては厚みバラツキを1.5μm以下にすることができた。さらにスペーサ層厚み6μm〜1μmにおいては厚みバラツキを0.7μm以下とすることができた。スペーサ層の厚さ測定にはキーエンスのレーザ変位計を用い、基板上に形成した各透光性スペーサ層の情報ゾーン範囲内において、半径23mmから59mmまでを2mmおきに、周方向24ヶ所、計456点の厚みを測定し、最小値と最大値の差を厚みバラツキとした。6μm以下の厚み測定はキーエンスの変位計では分解能が足りなかったため、あらかじめ厚みを測定した薄型透光性スタンパ厚とスペーサ層厚を合わせて測定し、その合計から薄型透光性スタンパ厚分を差し引いてスペーサ層厚とした。
次に、上記ドライブを用いて各ディスクの詳細な評価としてエラー率を測定した。エラー率とは、ある数の信号(ビット)を読んだ場合、信号処理システムが正常な処理をできなかった信号(ビット)エラー数のことで、現在一般的であるエラーコードシステムにおいては、100000個の信号の内、エラー信号が10個以下であれば確実に正常に処理することができる。このため実用化に必要なエラー率を1×10-5以下としている。スペーサ層が薄くなるに従い層間クロストークが厳しくなることから、アパーチャを追加しての詳細測定とした。平均スペーサ層厚みに対する、厚みムラとエラー率の関係について図13に示す。スペーサ層と厚みムラをあらかじめ測定しておき、その後各ディスクのエラー率を測定した。この結果から、必要なエラー率を得るためには平均スペーサ層厚みが15μmの場合では厚みバラツキを2μm以下とすることが望ましいことがわかった。同様にして、平均スペーサ層厚みが12μmの場合では厚みバラツキを1.5μm以下に、平均スペーサ層厚みが8μmの場合では厚みバラツキを1μm以下に、平均スペーサ層厚みが6μmの場合では厚みバラツキを0.7μm以下にすることによりエラー率が1×10-5以下となり、ドライブにおける安定な動作を確認することができた。
前述と同じ方法で図3(a)に示すようなスペーサ層厚みをほぼ同じとした4層ディスクを作製した。各スペーサ層厚みはほぼ15μmであり、それぞれのスペーサ層厚みバラツキが1μm程度であったディスクについて調べた。このディスクは3つのスペーサ層全体(レーザ入射側から最も近い情報層と最も遠い情報層までの厚みバラツキ)での厚みバラツキは3.0μmであった。このディスクにおいては現在のBDドライブでもトラッキングが外れることなく、安定に測定を行うことができた。
さらに、上記スペーサ層厚みを1.5μmずつ変えたディスクを作製した。3つのスペーサ層厚みはレーザ入射側から13.0μm、15.0μm、16.5μmとし、それぞれの厚みバラツキが0.8μm以下のディスクについて調べた。各層の厚みバラツキを小さく抑えることで、3層以上の情報層を有する多層媒体に特有の、本来の再生信号と同じように検出器上で焦点を結び重大な層間クロストークを生じる、いわゆるゴーストスポットの発生を抑制する効果が得られ、さらに良い結果となった。
また、スペーサ層形成の際に、回転させるだけではなく、図10(b)に示すように、加圧板を用いた透光性薄型スタンパ502の加圧と回転とを組み合わせることで加工時間を短縮できた。フレキシブルな加圧板703、たとえばゴム製の加圧板を用いることにより、基板が持つ厚みバラツキ、反り、バリなどの影響を受けずにスペーサ層厚を制御することができた。この時の加圧は3kgとした。外径118mm、内径40mmの範囲を加圧した。約0.3kg/cm2である。加圧は使用するスペーサ層材料、目標厚みによって変化させればよい。
また、図10(c)に示すように、空気圧力704による加圧と回転との組み合わせでもスペーサ層厚を制御することができた。この時の空気圧は3kg/cm2とした。外径118mm、内径40mmの範囲で圧力をかけられるように専用の送風ホルダーを用いた。ディスクと向き合ったホルダーは目的の範囲内で圧力が均一となるように空気出口に直径2mmの複数個の穴を設けた。この穴を通過した空気が圧力を加える。また、空気口を穴ではなく、幅2mmのラインを渦巻状に配置した形状にしてもスペーサ層厚のバラツキを小さくすることができた。空気圧は使用するスペーサ層材料、目標厚みによって変化させればよい。透光性薄型スタンパは基板表面にフレキシブルに対応できるため、空気圧での制御が可能であった。装置構成を簡易化するにはこの方法が良い。
次に、スペーサ層材料としてドライシートを用いた例について説明する。図15(a)に作製方法を示す。用いたドライシート801は光硬化と熱硬化との組み合わせで作製するもので、まず光802を照射しておき、その後、加熱したローラー803で加圧しながら情報層付基板800と0.1μmの透光性薄型スタンパ502と基板の間に挟み重ね合わせた。ローラー表面はフレキシブルなゴム材であるため、透光性薄型スタンパ及びドライシートは基板表面に沿って接着する。その後、透光性薄型スタンパを剥離すると、ドライシート表面にはスタンパのパターンが転写されたスペーサ層が得られ、基板が持つ厚みバラツキ、反り、バリなどの影響を受けない、均一な厚みを持つスペーサ層を形成することができた。透光性薄型スタンパとドライシート及び基板を接着させる際に、減圧雰囲気中で行うと接着時における空気の混入を防ぐことができる。全体を減圧雰囲気にする必要はなく、例えば図15(b)に示すように、接着させる工程のみ減圧状態902にすればよい。このように減圧状態にする方法は図8に示した方法で透光性薄型スタンパを作製するときも同様で、同じ効果が得られる。
ドライシート材としては熱可塑性樹脂、カチオン重合性化合物、及び光カチオン性の重合開始剤から成るものを用いた。ドライシートは、光を照射することによって硬化反応のきっかけができ、その後加熱することで軟化が生じてスタンパパターンに充填されると同時に急速に硬化するため、加熱のみによる硬化よりも反応が速く短時間で硬化する。スタンパを剥離する際には接着シートは既に硬化しており、凹凸パターンが崩れてしまう等の心配が無く、きれいに剥離することが出来る。
熱可塑性樹脂としては、一般のホットメルト接着剤に使用される通常の熱可塑性樹脂が使用される。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ブロック共重合体系樹脂等であるが、特に限定されるものではなく、使用条件に合わせて使い分けることができる。
また、本発明で使用されるカチオン重合性化合物としては、分子内にカチオン重合性の官能基、例えばエポキシ基、ビニルエーテル基、水酸基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等を有する種々のモノマー、オリゴマー又はポリマーを用いることが出来る。また、これらの官能基を有する上記熱可塑性樹脂を用いても良い。
上記カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。上記カチオン重合性化合物としてより好ましいのは、反応性が高くて硬化時間が短い、エポキシ基を有するものである。例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル型、ビスフェノールFグリシジルエーテル型、フェノールノボラックグリシジルエーテル型、クレゾールノボラックグリシジルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹脂が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、上記エポキシ樹脂には、反応率を上げるためにオキセタン基を有する化合物を併用しても良い。
本発明で使用される重合開始剤としては、光カチオン系のものが好ましい。光ラジカル系の重合開始剤は、光を照射している間のみラジカル種が活性化されるため、Ni等のような不透光性なスタンパを使用できず、熱ラジカル・熱カチオン系の重合開始剤を用いた場合には長時間の加熱が必要となり、作業性に問題がある。
上記光カチオン重合開始剤としては、イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプのどちらを用いても良い。上記イオン性光酸発生タイプとしては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄―アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール―アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等を、非イオン性光酸発生タイプとしては、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等を用いることができる。上記光カチオン重合開始剤は、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。上記光カチオン重合開始剤は、上記カチオン重合性化合物に対して0.5〜10重量%の範囲で添加するのが好ましい。添加量が0.5重量%以下であると充分に硬化せず、また、10重量%以上であると光照射した際直ちに接着シートが硬化してしまう等の問題が生じる。
一定の膜厚に形成されたドライシートでも基板歪みや内周や外周にバリがあれば情報領域全体への均一な加圧ができず、浮きが原因の厚みムラやパターン転写欠陥が生じる。パターン転写の評価として調べた、スタンパ厚さと再生特性との関係を、図18を用いて説明する。スタンパには表1で用いたポリオレフィン製のスタンパ(厚さ0.04〜0.6mmの9種類)を用いて、BD−ROM密度の4層ディスクを作製し、レーザ照射側に最も近い情報層を、上述した波長405nmのレーザを搭載したドライブを用いて再生した。レーザ照射側に最も近い情報層は、スペーサ層3層を積層したあとに製膜されるため、BDのようにカバー層側から情報を再生する場合は、スペーサ層厚バラツキの影響をもっとも受けやすい。本実施例では、ディスク全面の再生性能を測定し、そのバラツキを調べた。ここではジッタを再生性能指標とした。
図18をみるとわかるように、スタンパ厚みが0.27mm以下の場合、8.5%以下の良好なジッタを得ることができた。BD−ROM規格では、2層ディスクの半透明層のジッタ上限を8.5%としており、8.5%以下であれば再生性能として実用的であるといえる。スタンパ厚さ0.085−0.2mmではジッタバラツキも少なく、データ転写性も良好であり、好ましい。スタンパ厚さ0.27mmではスタンパ厚さ0.2mmで作製したディスクよりも多少ジッタバラツキが多くなるが、最大ジッタは8.4%と8.5%以下であることから実用に耐えうるスタンパ厚さである。しかしながら、厚さ0.3mm以上のスタンパで作製したディスクは測定最大ジッタが8.5%をこえており、情報ピットの転写が場所により良質でないことがわかる。従って、スタンパ厚さは0.27mm以下がよい。スタンパ厚さ0.04mmと0.05mmで作製したディスクは、最大ジッタは8.5%と実用に耐えうる再生性能ではあったが、ディスク作製時に、スタンパが破けてしまい製膜に失敗するという問題もあった。そのため、スタンパ厚さは0.085以上が好ましい。
なお、上記ドライシートを透光性薄型スタンパとして用いても問題なく同等の結果が得られた。
次に、本発明を多層SILに適用した例について述べる。4層媒体を以下の手順で作製した。各層のスタンパ及び透光性スペーサ層の作製方法は、上記の実施の形態で述べた紫外線硬化樹脂を使う方法とほぼ同じであるが、異なる点は、データピットに相当するパターンを、電子線を用いて記録した点である。データはBlu-ray Discと同様に1−7PP変調によってバイナリデータが変換されており、ウィンドウ幅を40nmとした。トラックピッチは170nmとした。その他の条件はBlu-ray Discと同様とした。
図4に示すように、光入射面から最も遠い層のデータのピットパターンが形成された厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート基板をインジェクション法により作製した。その基板にAg合金50nmをスパッタによって製膜して情報層102とし、次に、2.4μmの厚さの透光性スペーサ層103を形成した。その透光性スペーサ層表面には情報層104のデータに相当するピットパターンが形成されている。その表面に、Ag合金15nmを製膜した。次に、2.2μmの厚さの透光性スペーサ層105を形成した。その透光性スペーサ層表面には情報層106のデータに相当するピットパターンが形成されている。その表面に、Ag合金10nmを製膜した。次に、2.6μmの厚さの透光性スペーサ層107を形成した。そのスペーサ層表面には情報層108のデータに相当するピットパターンが形成されている。その表面に、Ag合金5nmを製膜した。最後に厚さ2.0μmのカバー層109をスピン法で形成した。
NAが1.6のSILを作製し、アクチュエータに搭載した。媒体とレンズの距離が20nm以下に保たれるように制御した。その制御方法を記す。媒体からの反射光を光検出器で電気信号に変え、その信号を2つに分離した。一方は再生信号として用い、もう一方を距離制御に用いた。距離制御用信号はカットオフ周波数が10kHzの高域遮断フィルタに通し、その信号レベルが規定の値以内になるように、レンズのアクチュエータを動かすようにした。高域遮断フィルタにより、距離制御信号からデータ信号の周波数領域を遮断することができる。この場合、この信号の変動は、レンズと媒体の距離が変動することによる近接場光が伝播光に変換する結合効率の変化として現れる。この結合効率はレンズと媒体の距離に強く依存する。よって、この信号がある所定の範囲内になるようにアクチュエータを動かせば、レンズと媒体の距離を一定に保つことができる。この所定の範囲は、予めレンズと媒体の距離と得られる信号の大きさの関係を測定しておき、レンズと媒体の距離が10nm以上20nm以下になるように設定した。
作製した媒体の層間距離は、SILを用いたレーザ干渉計を用いて測定した。その結果、どの層間に関しても、ディスクの半径23mm〜58mmの全領域において、その厚さのムラは0.1μm以下であった。このディスクのビットエラー率を測定したところ、各層の全領域の中での最大ビットエラー率は、光入射側から最も遠い層から8×10-6、6×10-6、5×10-6、2×10-6であった。
層間距離に対する、厚みムラとエラー率の関係について図14に示す。この結果から、必要なエラー率を得るためには、スペーサ層の平均厚みが2μm、3μmの場合では厚みムラを0.5μm以下とすることが望ましいことがわかった。
また、基板101を少なくとも2つの材料からなる層構造とすることで、微細なパターンでも性能の良い基板を得ることができた。基板としては通常インジェクション法で凹凸パターンを転写したポリカーボネートを用いるが、転写すべき凹凸パターンが微細な場合として、従来のインジェクション法より転写性の良い2P法でパターンを転写した。一例として図9と同様のスピン法で作製した。インジェクション法で作製した基板の表面に、凹凸パターン転写層として紫外線硬化樹脂、SD301(大日本インキ製)を用い、母型として厚み0.1mmの薄型透光性スタンパを用いた。薄型透光性スタンパの表面に、剥離性を良くする目的でAl23膜を10nm形成した。
図16に、2層構造とした基板とその上に透過性スペーサ層を形成した多層情報記録媒体の一部についての断面模式図を示す。凹凸パターン転写層である901と基板101の屈折率はほぼ同じなので、その境界で光が散乱して多層媒体の読み出しなどに影響することは無い。新たに転写した凹凸パターン表面に製膜することで、この表面が情報層102となる。これにより凹凸パターン転写と同時にインジェクション基板が持つ反り、バリなどの影響が出ないような基板形状とすることができた。ここでは直径120mm、1.1mm厚の基板を用い、半径55mm付近の一周12ヶ所の基板厚をマイクロゲージで測定した。その結果、インジェクション直後の基板厚バラツキは8μmであったが0.1mmの薄型透過性スタンパで凹凸パターンを転写した後の基板厚バラツキは1.5μmであった。
本発明による製造装置構成の一例を、図17を用いて説明する。図17に示す製造装置は、基板形成装置、情報層製膜装置、透光性スペーサ層形成装置から構成されている。基板形成装置では射出形成装置などでポリカーボネート基板を作製する。情報層製膜装置ではスパッタ装置などで情報層、反射層、保護層などの製膜を行う。透光性スペーサ層形成装置では、多層媒体のスペーサ層やカバー層を形成する。図に示すように、樹脂供給部、回転部、紫外線照射部、剥離部、加熱部、加圧部、シート供給部、減圧機構部、などの各機能を制御部によって駆動制御している。
インジェクション法で作製した基板の板厚ムラの一例を示す図。 従来法によるスペーサ層厚みによる厚みバラツキの一例を示す図。 本発明による多層情報記録媒体の一例を示す断面図。 本発明による多層情報記録媒体の製造方法の一例を示す断面図。 本発明による多層情報記録媒体の製造フローを示す図。 本発明による凹凸パターンの一例を示す図 本発明による透光性スペーサ層を形成する構成部品の一例及びパターン転写を示す断面図。 本発明による薄型透光性スタンパの製造方法の一例を示す断面図。 本発明による薄型透光性スタンパの製造方法の一例を示す断面図。 本発明による多層情報記録媒体の製造方法の一例を示す断面図。 粘度と回転数に対する厚みの関係を示す参考図。 本発明によるスペーサ層厚みによる厚みバラツキの一例を示す図。 本発明による多層情報記録媒体の評価の一例を示す断面図。 本発明による多層情報記録媒体の評価の一例を示す断面図。 本発明による多層情報記録媒体の製造方法の一例を示す断面図。 本発明による多層情報記録媒体の一例を示す断面図。 本発明による製造装置構成の一例を示す図。 本発明による多層情報記録媒体の評価の一例を示す断面図。
符号の説明
101:基板
102:情報層
103:透光性スペーサ層
104:情報層
105:透光性スペーサ層
106:情報層
107:透光性スペーサ層
108:情報層
109:カバー層
110:傾き差
501:台
502:薄型透光性スタンパ
601:Niスタンパ
602:ポリカーボネートシート
603:加熱及び加圧ローラー
604:補強用ハブ
605:紫外線硬化樹脂
606:UV光
701:紫外線硬化樹脂a
702:紫外線硬化樹脂b
703:加圧板
704:空気圧
801:ドライシート
802:紫外線
803:加熱及び加圧ローラー
901:紫外線硬化樹脂
902:減圧状態

Claims (18)

  1. インジェクション法で作製された、表面に凹凸パターンを有するプラスチック基板と、
    前記基板上に設けられた第1の情報記録層と、
    前記第1の情報記録層上に積層された、表面に凹凸パターンを有する透光性スペーサ層と当該透光性スペーサ層上に形成された情報記録層との組を少なくとも1組備え、
    前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが15μm以下であり、厚みの最小値と最大値の差が2μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体。
  2. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが15μm以下のとき、厚みの最小値と最大値の差が1μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体。
  3. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが12μm以下のとき、厚みの最小値と最大値の差が1.8μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体。
  4. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが8μm以下のとき、厚みの最小値と最大値の差が1μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体。
  5. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが6μm以下のとき、厚みの最小値と最大値の差が0.7μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体。
  6. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが3μm以下のとき、厚みの最小値と最大値の差が0.5μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体。
  7. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記透光性スペーサ層のうち少なくとも1層は、複数の層を積層した層構造を有することを特徴とする多層情報記録媒体。
  8. 請求項1記載の多層情報記録媒体において、前記基板は少なくとも2つの材料からなる層構造を有することを特徴とする多層情報記録媒体。
  9. インジェクション法により表面に凹凸パターンを有するプラスチック基板を成型する工程と、
    前記基板上に第1の情報層を製膜する工程と、
    前記第1の情報層の上に、液状の紫外線硬化樹脂層を挟んで、厚さが0.085mm以上、0.27mm以下で透光性を有し、下面に凹凸パターンが形成された柔軟なシート状のスタンパを重ね合わせる工程と、
    前記スタンパとの間に前記紫外線硬化樹脂層を挟んだ状態で前記基板を回転させ、前記紫外線硬化樹脂層の膜厚を調整する工程と、
    前記スタンパを通して前記紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射し、硬化させる工程と、
    前記スタンパを剥離する工程と、
    硬化した紫外線硬化樹脂層からなる透光性スペーサ層上に情報層を製膜する工程とを有し、
    前記透光性スペーサ層上に情報層を製膜する工程を反復して、それぞれが透光性スペーサ層で隔離された複数の情報層を形成することを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  10. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記スタンパは厚さが0.1mm以上、0.2mm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  11. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記透光性スペーサ層は、情報ゾーン内における平均厚みが15μm以下であり、厚みの最小値と最大値の差が2μm以下であることを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  12. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記スタンパは有機化合物からなることを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  13. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記スタンパは、有機化合物を主体として有機化合物又は無機化合物との積層構造を有することを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  14. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記紫外線硬化樹脂層の膜厚を制御する工程では、前記基板を回転させながらフレキシブルな加圧板により前記スタンパを加圧することを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  15. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記紫外線硬化樹脂層の膜厚を制御する工程では、前記基板を回転させながら空気圧により前記スタンパを加圧することを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  16. 請求項9記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記情報層の上に前記液状の紫外線硬化樹脂層を挟んで前記スタンパを重ね合わせる工程を真空雰囲気中で行うことを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  17. インジェクション法により表面に凹凸パターンを有するプラスチック基板を成型する工程と、
    前記基板上に第1の情報層を製膜する工程と、
    前記第1の情報層の上に、ドライシートを挟んで、厚さが0.085mm以上、0.27mm以下で、下面に凹凸パターンが形成された柔軟なシート状のスタンパを重ね合わせる工程と、
    前記スタンパとの間に前記ドライシートを挟んだ状態で柔軟性を有するローラーにより加圧しながら加熱し前記ドライシートを硬化させる工程と、
    前記スタンパを剥離する工程と、
    硬化したドライシートからなる透光性スペーサ層上に情報層を製膜する工程とを有し、
    前記透光性スペーサ層上に情報層を製膜する工程を反復して、それぞれが透光性スペーサ層で隔離された複数の情報層を形成することを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  18. 請求項17記載の多層情報記録媒体の製造方法において、前記情報層の上に前記ドライシートを挟んで前記スタンパを重ね合わせる工程を真空雰囲気中で行うことを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
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