JPWO2018008710A1 - 衣付揚げ物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

具材に打ち粉、衣材を順次付着させた後で該具材を油ちょうする、衣付揚げ物の製造方法において、打ち粉の付着量を具材100質量部に対して、10〜30質量部、好ましくは15〜25質量部とする。具材に打ち粉を付着させる方法としては、具材の表面に水分を付着させた状態で打ち粉を付着させる方法が好ましい。このような本発明の衣付揚げ物の製造方法によれば、調理後に時間が経過しても揚げたてのような食感を保ち、しかも電子レンジ等により再加熱しても品質の低下が少ない衣付揚げ物を得られる。

Description

本発明は、天ぷら、フライなどの衣付揚げ物の製造方法に関する。
揚げ物は各種の食材を油ちょうにより加熱調理する食品であり、素揚げなど一部を除いては、油ちょうの際に具材の表面にバッターやパン粉のような衣材を付着させた衣付揚げ物が多い。衣材が付着した具材を高温の油中で加熱することより、衣材の表面付近の水分が油と置き換わり、その結果得られた衣付揚げ物においては、衣は、サクミのある独特の食感と風味を有し、具材は、その内部が具材自身の水分で蒸されたように火が通っていて旨味が凝縮されたものとなる。しかしながら、このような衣付揚げ物の特長が顕著なのは調理直後から比較的短い時間の間だけで、調理直後から具材の水分が経時的に衣に移行するため、調理直後から一定時間以上が経過すると、衣が柔らかくなって独特の食感が失われやすいという問題がある。特に近年では、工場やスーパー等の小売店で調理されあるいはさらに冷凍された衣付揚げ物を消費者が購入して喫食する形態が普及しているところ、斯かる衣付揚げ物の流通形態では、衣付揚げ物が調理されてから喫食されるまでに相当の時間が経過しており、しかも喫食する直前に電子レンジ等で衣付揚げ物を再加熱する場合もあり、前記の衣付揚げ物の食感の経時劣化の問題はより一層深刻なものとなり得る。
また、衣付揚げ物の製造においては従来、具材と衣との密着性を高める目的で、具材に衣付けする前に、衣材とは別の打ち粉と呼ばれる粉体を具材に直接まぶすことが行われている。衣付揚げ物において具材と衣との間に水や空気の層が存在すると、衣が剥がれる、油ちょうの際に破裂する等の不都合が生じるおそれがあるが、衣材の付着に先立って打ち粉を具材に付着させることで、こうした不都合を防止することが可能となる。
通常、打ち粉を用いて衣付揚げ物を製造する場合には、非特許文献1に記載されているように、具材の表面の水分をできる限り除去してから、その表面に小麦粉などの打ち粉をまぶし、その上からさらに、衣材例えばバッター液やパン粉等を付着させる方法が採られる。また一般に、具材に対する打ち粉の付着量は、調理をする者の感覚的な判断によるところが多く、打ち粉の付着量について技術的な観点から言及している公知文献はあまり見られないが、例えば特許文献1の〔0030〕には、穀粉、澱粉及びゼラチンを含有する打ち粉の付着量について、具材100質量部に対して8〜9質量部の量で付着させることが好ましい旨記載されている。また、この〔0030〕には、打ち粉の付着方法として、打ち粉を具材の表面に振り掛ける方法、打ち粉の入ったトレイの中に具材を埋没又は回転させながら付着させる方法が記載されており、さらに、これらの方法によって具材の表面に打ち粉を付着させた後、その具材を軽く振ることによって余分な打ち粉を落とすことが記載されている。
前記の衣付揚げ物の食感の経時劣化の問題に対し、打ち粉による改善方法が提案されている。例えば特許文献2には、調理から長時間経過しあるいは電子レンジ加熱等を行っても、調理直後の衣のクリスピー感を持続し得る打ち粉として、膨張剤を含有させたものが提案されている。しかしながら、特許文献2記載の打ち粉を使用して衣付揚げ物を製造すると、膨張剤の作用により具材と衣との間に空隙が生じ、衣が剥がれやすくなるという問題がある。また特許文献3には、衣付揚げ物における衣の結着性を向上させ且つ食感の経時劣化の少ない衣を形成し得る打ち粉として、油脂加工リン酸架橋澱粉を含有させたものが提案されている。しかしながら特許文献3記載の打ち粉は、衣の結着性には優れるものの、油脂加工リン酸架橋澱粉に影響もあってネチャついた食感が強くなるという問題がある。尚、特許文献2及び3には、打ち粉の付着量については特に言及されていない。
太田静行、湯木悦二、「フライ食品の理論と実際」、改訂第2刷、株式会社幸書房、1994年10月20日発行、p.196−197
特開2015−123002号公報 特開平10−229835号公報 特開2007−28905号公報
本発明の課題は、調理後に時間が経過しても揚げたてのような食感を保ち、しかも電子レンジ等により再加熱しても品質の低下が少ない衣付揚げ物を得られる、衣付揚げ物の製造方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明者らは、衣付揚げ物について種々の調理方法を検討した。その結果、具材に対する打ち粉の付着量を、常識的な範囲を超えた多量とすることで、前記課題を解決し得ることを見出して本発明を完成した。前述した通り、特許文献1には打ち粉の付着量の例示として、具材100質量部に対して8〜9質量部が記載されており、また一般的な打ち粉の付着量は、一説には、具材100質量部に対して4〜5質量部程度と言われているが、このような常識量よりも多量の打ち粉の使用が、衣付揚げ物の食感の経時劣化の防止に有効であることは、本発明者らが見出した新たな知見である。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、具材に打ち粉、衣材を順次付着させた後で該具材を油ちょうする、衣付揚げ物の製造方法において、打ち粉の付着量が具材100質量部に対して10〜30質量部である、衣付揚げ物の製造方法である。
本発明の衣付揚げ物の製造方法によれば、調理後に時間が経過しても揚げたてのような食感を保ち、しかも電子レンジ等により再加熱しても品質の低下が少ない衣付揚げ物が得られる。
本発明の衣付揚げ物の製造方法は、具材に打ち粉、衣材を順次付着させた後で該具材を油ちょうする工程を有する。斯かる工程を経て得られる衣付揚げ物としては、例えば、天ぷら、フリッター、バッター液タイプのから揚げ、パン粉付フライを例示することができる。言い換えれば、本発明で製造する衣付揚げ物は、具材と衣材との間に打ち粉の層が存在する構成である。本発明の衣付揚げ物の製造方法は、このように打ち粉及び衣材の双方を使用するものであるから、打ち粉及び衣材の何れか一方のみを使用する態様、具体的には例えば、素揚げやまぶし粉タイプのから揚げ、ブレダータイプのから揚げなどの製造方法は、本発明には含まれない。
本発明の衣付揚げ物の製造方法では、具材として種々のものを用いることができ、例えば、鶏、豚、牛、羊、ヤギなどの畜肉類;イカ、エビ、アジなどの魚介類;野菜類が挙げられる。特に、加熱により収縮する肉類や魚介類は、本発明において具材として好適に用いることができる。必要に応じ、打ち粉を付着させる前に、具材に下味をつけても良い。
本発明の衣付揚げ物の製造方法の主たる特徴の1つとして、具材に対する打ち粉の付着量が具材100質量部に対して10〜30質量部、好ましくは12〜25質量部、さらに好ましくは14〜21質量部である点が挙げられる。このような比較的多量の打ち粉を具材に付着させることにより、そうして得られる衣付揚げ物は、調理直後から時間が経過しても揚げたてのような食感を保ち、しかも電子レンジ等により再加熱しても品質の低下が少ないものとなる。打ち粉の付着量が具材100質量部に対して10質量部未満であると、油ちょうして得られた衣付揚げ物の保管中に、具材の水分が経時的に衣に移行すること起因して、衣が柔らかくなり食感が低下する。また、打ち粉の付着量が具材100質量部に対して30質量を超えると、衣内部がネチャついた食感となり、具材の食感が感じられなくなる。
このような比較的多量の打ち粉を具材に付着させることは、非特許文献1に記載されているような従来の打ち粉の付着方法、即ち、具材の表面の水分をできる限り除去した後に、打ち粉を具材の表面に振り掛ける方法では達成するのは困難である。具材100質量部に対して10〜30質量部、という多量の打ち粉を具材に付着させ得る好ましい方法として、具材の表面に水分を付着させた状態で打ち粉を付着させる方法が挙げられる。
より具体的には例えば、具材を水中に浸漬してから引き揚げ、その具材の表面の水分を拭き取ること無しに、濡れた状態のままの具材の表面に打ち粉を付着させる方法(以下、「非乾燥法」ともいう)が挙げられる。この非乾燥法においては、具材全体を水中に浸漬することが好ましく、それにより、具材全体にほぼ均一に打ち粉を付着させ得る。具材が浸漬される水の種類は特に制限されず、またその水の温度は任意に設定して良く、例えば冷水でも常温の水でも温水でも良い。また、具材の水中での浸漬時間は、基本的に特段長くとる必要は無く、要は具材の表面全体に水分が付着すれば良いので、具材の種類等に応じて、斯かる目的が達成できる範囲で適宜設定すれば良く、さっと水通しするだけの態様もあり得る。
また前記非乾燥法において、水中から引き揚げた具材に打ち粉を付着させる方法としては、打ち粉を具材の表面に振り掛ける方法でも良いが、より好ましい方法は、打ち粉が入った容器、好ましくは容器内部の底面全体が打ち粉で覆われる程度に打ち粉が入った容器に、表面が濡れた状態の具材を投入し、その容器内の打ち粉の上で具材を転動させる方法である。その際、容器内の具材の上方から該具材に対して打ち粉を振り掛けたり、あるいは具材を上から押さえつけたりしても良い。
前記非乾燥法以外の他の打ち粉の付着方法としては、例えば、具材に打ち粉をまぶした後霧吹き等で水を付着させ、さらに打ち粉をまぶす操作を繰り返す方法が挙げられる。さらに他の打ち粉の付着方法として、打ち粉に加水して粘土状にしたものを具材に付着させる方法が挙げられる。しかしながら前記非乾燥法は、具材に対する物理的衝撃が比較的少なく、また具材に伝わる熱を最小限にすることができるため、具材100質量部に対して10〜30質量部という多量の打ち粉を具材に付着させる方法として特に好ましい。
具材に対する打ち粉の付着量は、打ち粉を付着させた具材の総重量から打ち粉を付着させる前の具材の重量を差し引くことで算出される。また、前記非乾燥法のように、打ち粉の付着に先立って具材の表面に水分を付着させる方法を採る場合は、先ず、水中浸漬前後の具材の重量差(A)を算出し、次に、水中浸漬後の具材に打ち粉を付着させ、その打ち粉付着前後の重量差(B)を算出し、重量差(B)から重量差(A)を差し引くことで、目的とする具材に対する打ち粉の付着量を求めることができる。
本発明で用いる打ち粉としては、衣付揚げ物の製造に通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には例えば、穀粉及び澱粉からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する打ち粉が挙げられる。
打ち粉に使用可能な穀粉としては例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、そば粉等が挙げられる。また、打ち粉に使用可能な澱粉としては例えば、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の未加工澱粉;未加工澱粉に、油脂加工、α化、エーテル化、エステル化、架橋、酸化等の加工処理の1種又は2種以上を施して得られる加工澱粉;デキストリンが挙げられる。
本発明で用いる打ち粉の好ましい一例として、油脂加工澱粉又はデキストリンを含む打ち粉が挙げられる。斯かる打ち粉を用いることで、衣付揚げ物における衣の結着性及び食感、特に衣の結着性が一層向上し得る。油脂加工澱粉としては例えば、油脂加工アセチル化澱粉、油脂加工リン酸架橋澱粉、油脂加工酢酸澱粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
打ち粉における油脂加工澱粉及びデキストリンの総含有量は、打ち粉の全質量に対して、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは45〜75質量%である。これらの総含有量が少なすぎるとこれらを使用する意義に乏しく、逆に多すぎると、経時後の食感のサクサク感が低下するおそれがある。
本発明で用いる打ち粉の好ましい他の一例として、蛋白質素材を含む打ち粉が挙げられる。斯かる打ち粉を用いることで、衣の結着性やサクサク感が一層向上し得る。蛋白質素材は、前記の油脂加工澱粉、デキストリンと併用することができる。蛋白質素材としては例えば、全卵粉、卵白粉、大豆蛋白質、小麦蛋白質、カゼイン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
打ち粉における蛋白質素材の含有量は、打ち粉の全質量に対して、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは15〜65質量%である。蛋白質素材の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、逆に多すぎると、衣にネチャついた食感が現れるおそれがある。
本発明で用いる打ち粉の好ましいさらに他の一例として、糖類を含む打ち粉が挙げられる。斯かる打ち粉を用いることで、衣のボリュームやサクサク感が一層向上し得る。糖類は、前記の油脂加工澱粉、デキストリン、蛋白質素材と併用することができる。糖類としては例えば、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース等の単糖類;マルトース、ラクトース、トレハロース等の二糖類;キシリトール、ソルビトール、ラクチトール等の糖アルコール類;イヌリン(フラクオリゴ糖)、ガラクトオリゴ糖等の多糖類等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい糖類は二糖類であり、その二糖類の中でもトレハロースが最も好ましい。
打ち粉における糖類の含有量は、打ち粉の全質量に対して、好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは6〜12質量%である。糖類の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、逆に多すぎると、食味に影響するおそれがある。
本発明で用いる打ち粉の好ましいさらに他の一例として、膨張剤を含む打ち粉が挙げられる。斯かる打ち粉を用いることで、衣が硬くなりすぎる不都合がより一層抑制され得る。膨張剤は、前記の油脂加工澱粉、デキストリン、蛋白質素材、糖類と併用することができる。打ち粉に膨張剤を含有させると、膨張剤の作用により具材と衣との間に空隙が生じ、衣が剥がれやすくなることが懸念されるが、本発明では打ち粉の付着量が通常よりも多く、衣の結着性が通常よりも高いことに起因して、打ち粉に膨張剤を含有させても衣の剥がれは起こり難い。膨張剤としては例えば、重曹、及びベーキングパウダーやイスパタ等の重曹を含む公知の膨張剤を使用することができる。
打ち粉における膨張剤の含有量は、打ち粉の全質量に対して、好ましくは0.3〜3質量%、さらに好ましくは0.7〜2質量%である。膨張剤の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、逆に多すぎると、衣の剥がれが起こりやすくなるおそれがある。
本発明で用いる打ち粉には、必要に応じて、前記成分以外の他の成分、例えば、増粘剤;食塩、粉末醤油、発酵調味料、粉末味噌、アミノ酸等の調味料;香辛料;香料;ビタミン等の栄養成分;着色料;粉末油脂などから選択される1種又は2種以上を含有させることができる。他の成分として具体的にどのようなものを選択するかは、所望する衣付揚げ物の特性等に応じて適宜決定すれば良い。例えば、パン粉付フライの風味(例えば中華風、和風、洋風等)に応じて、適切な調味料及び/又は香辛料を配合すれば良い。また、打ち粉における前記成分以外の他の成分の含有量は、所望する衣付揚げ物の特性等に応じて適宜調整すれば良く特に制限されないが、打ち粉の全質量に対して、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
本発明の衣付揚げ物の製造方法においては前記の通り、具材に比較的多量の打ち粉を付着させた後、さらに衣材を付着させる。衣材としては、衣付揚げ物の製造に通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。衣材は通常、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉などの小麦粉を主体とし、必要に応じ、澱粉;全卵粉、卵白粉等の卵粉;増粘剤;食塩、粉末醤油、発酵調味料、粉末味噌、アミノ酸等の調味料;香辛料;香料;ビタミン等の栄養成分;着色料;粉末油脂などが含有される。衣材における小麦粉の含有量は、通常70〜95質量%程度である。衣材の付着方法は特に制限されず、具材に直接まぶしても良く、水と混合してバッター液としてから具材に付着させても良い。例えば天ぷらを製造する場合は、打ち粉が付着した具材にバッター液を付着させから油ちょうするという工程を採ることができ、またフライを製造する場合は、打ち粉が付着した具材に卵液又はバッター液を付着させた後、さらにパン粉を付着させてから油ちょうするという工程を採ることができる。
本発明の衣付揚げ物の製造方法においては、打ち粉及び衣材が付着した具材を油ちょうする。これにより目的とする衣付揚げ物が得られる。油ちょう方法は、所望する衣付揚げ物の特性等に応じて適宜選択すれば良い。油ちょう方法としては例えば、深底の調理器具あるいは油槽を用いて多量の油で具材全体を一度に加熱するいわゆるディープフライ法、あるいは、浅底の調理器具(油槽)を用いて少量の油で具材を部分的に複数回にわたって加熱する(例えば、具材の一部ずつあるいは片面ずつ加熱する)揚げ焼き法が挙げられる。
本発明の衣付揚げ物の製造方法においては、打ち粉及び衣材が付着した具材を油ちょうした後、そうして得られた衣付揚げ物を冷却し、包装材で包装して揚げ物包装体としても良い。この揚げ物包装体は、一般的な冷蔵、チルド又は冷凍の温度下で長期保存が可能である。この揚げ物包装体における衣付揚げ物を電子レンジ等で再加熱した後に喫食しても、揚げたてのような食感を有する。衣付揚げ物の冷却を真空冷却により行うと、品質の経時劣化がさらに抑制できるため好ましい。真空冷却は、食品を密閉された空間に置いて該空間を真空にすることによって、該食品の水分の一部を蒸発させ、その潜熱で該食品を冷却する公知の方法である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜8及び比較例1〜3〕
具材としてのむきえび(1尾あたり質量10g)の表面に、打ち粉(薄力小麦粉50%とワキシーコーンスターチ50%との混合粉)を所定量付着させた後、その打ち粉が付着した具材にバッター液(薄力小麦粉100質量部に水150質量部を加えたもの)を絡め、170℃の油槽で2分間油ちょうしてえび天ぷらを製造した。実施例1〜8及び比較例1〜3においては、打ち粉の付着量は互いに異なるが、バッター液の付着量は互いに同じである。得られたえび天ぷらを室温まで放冷後、ポリエチレン製の袋に封入し、庫内温度4℃の冷蔵庫内で保存した。
実施例1〜8及び比較例1〜2における打ち粉の付着方法は、前記非乾燥法であり、具体的には次の通りである。具材(むきえび)を、容器入りの冷水にその全体が浸漬するようにさらした後、速やかに引き揚げ、その具材の表面の水分を拭き取ること無しに濡れた状態のまま、打ち粉が充填された容器の該打ち粉の上に、水が滴らないよう慎重に投入し、さらに打ち粉の上で転動させたり上方から打ち粉をふり掛けて押さえつけたりして、具材に打ち粉を付着させた。打ち粉の付着量の調整は、具材の転動の程度や打ち粉を押さえつける程度を適宜変更することで行った。
一方、比較例3における打ち粉の付着方法は、冷水から引き揚げた具材の表面をペーパータオルでよく拭いて、該表面に付着していた水分をほぼ完全に除去してから、具材を打ち粉入りの容器に投入した点以外は、実施例1における打ち粉の付着方法と同じ、即ち具材の転動の程度や打ち粉を押さえつける程度が実施例1と同じである。
〔実施例9〜16〕
打ち粉の配合を下記表2に示す通りにした以外は、前記〔実施例1〜8及び比較例1〜3〕と同様にしてえび天ぷらを製造し、ポリエチレン製の袋に封入し、庫内温度4℃の冷蔵庫内で保存した。
〔試験例〕
各実施例及び比較例のえび天ぷらを冷蔵庫から取出し、皿に並べて500Wの電子レンジで1尾あたり15秒間再加熱した。再加熱後のえび天ぷらの食感を、10名のパネラーに下記評価基準に従い評価してもらった。その結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1及び表2に示す。
(衣の食感の評価基準)
5点:サクサクとして歯もろさに富み、極めて良好。
4点:サクサクとしており、良好。
3点:ややサクサク感に欠ける。
2点:やや硬いか又はややネチャついており、サクサク感に乏しい。
1点:硬すぎるか又はネチャつきが大きく、サクサク感がなく、不良。
(衣と具材の食感の評価基準)
5点:衣と具材との食感のバランスが非常に良く、極めて良好。
4点:衣と具材との食感のバランスが良く、良好。
3点:衣がやや硬いか又はやや柔らかいが、具材とのバランス感はある。
2点:衣が硬いか又は柔らかく、具材とのバランスが悪い。
1点:衣が硬すぎるか又はネチャついており、具材とのバランスが極めて悪い。
Figure 2018008710
表1から明らかなように、各実施例は、打ち粉の付着量が具材100質量部に対して10〜30質量部の特定範囲にあり、それに起因して、打ち粉の付着量が該特定範囲から外れている各比較例に比して高評価であった。このことから、衣付揚げ物(えび天ぷら)の電子レンジ再加熱後の食感を向上するためには、打ち粉の付着量を前記特定範囲に設定するのが有効であることがわかる。特に実施例2〜6が高評価であったことから、打ち粉の付着量は具材100質量部に対して12〜21質量部の範囲が好ましく、とりわけ、実施例3〜5に対応する14〜19質量部の範囲が好ましいことがわかる。また、実施例1と比較例3との対比から、打ち粉の付着量を前記特定範囲のような比較的多量に設定するためには、水にさらした具材を乾燥せずにそのまま打ち粉付着に利用する前記非乾燥法が有効であることがわかる。
Figure 2018008710
表2から明らかなように、実施例12〜15は、使用した打ち粉が穀粉及び/又は澱粉に加えてさらに卵白粉(蛋白質素材)を含むことに起因して、卵白粉を含まない他の実施例に比して高評価であった。また、実施例4と実施例9との対比、あるいは実施例11と実施例16との対比から、打ち粉としては、実施例9,16のように穀粉及び澱粉の何れか一方を単独で使用するよりも、実施例4,11のように両方を混合して使用することが好ましいことがわかる。また、実施例4と実施例10と実施例11との対比から、打ち粉に使用する澱粉としては実施例11のように油脂加工澱粉が特に好ましいことがわかる。

Claims (5)

  1. 具材に打ち粉、衣材を順次付着させた後で該具材を油ちょうする、衣付揚げ物の製造方法において、打ち粉の付着量が具材100質量部に対して10〜30質量部である、衣付揚げ物の製造方法。
  2. 打ち粉の付着量が具材100質量部に対して15〜25質量部である請求項1に記載の衣付揚げ物の製造方法。
  3. 打ち粉が油脂加工澱粉又はデキストリンを含む請求項1又は2に記載の衣付揚げ物の製造方法。
  4. 打ち粉が蛋白質素材を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の衣付揚げ物の製造方法。
  5. 具材に打ち粉を付着させる方法が、具材の表面に水分を付着させた状態で打ち粉を付着させる方法である請求項1〜4の何れか1項に衣付揚げ物の記載の製造方法。
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