JP2678639B2 - 打粉ミックス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は打粉ミックス、更に詳細には天ぷら、トンカ
ツ等のフライ食品の衣付に先だち用いられる打粉ミック
スに関する。

〔従来の技術〕

従来、各種のフライ食品を製造するに際しては、一般
に小麦粉や澱粉等の穀粉類が打粉として使用せられてい
た。

〔発明が解決しようとする課題〕 然しながら、小麦粉、澱粉等の穀粉類を打粉として用
いる場合には、粉の粒度が細かいため、流動性が悪く、
ダマを作り易く、その取り扱いが難かしいものであっ
た。特に、機械作業による場合は、打粉の付着が不均一
になり易いため、次工程の衣付けの際に衣液が均一に付
着せず、従ってまたパン粉が均一につかない、あるいは
フライ時に衣が剥離する等の問題を避け得なかった。そ
のため、手作業による打粉づけをせざるを得ないのが実
状であり、その改善は当業者の等しく要望するところで
あった。

斯かる実状に於て、打粉の顆粒化等の改善も試みられ
たが、粒子が粗いため打粉としての機能が低下したり、
顆粒の経時的破壊に伴なう作業性の悪化を避け得ない等
の問題が生じていた。

そこで、本発明者は斯かる従来の問題点を解消し、当
該要望に応えるべく種々研究を重ねた結果、特定の重合
度のデキストリンを添加配合すれば、小麦粉、澱粉等の
穀粉類の打粉としての性質が著しく改良されることを見
い出し、本発明を完成した。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち、本発明は穀粉類と重合度10〜20のデキスト
リンからなり、該デキストリンの配合割合が、該デキス
トリンと穀粉類の合計重量に基づいて、内割で10〜50重
量％である打粉ミックスである。

本発明で云う穀粉類とは、小麦粉、コーンフラワー等
の穀粉やコーンスターチ、馬鈴薯澱粉等の澱粉類を指称
する。

また、本発明で云う重合度10〜20のデキストリンと
は、重合度が10〜20のものを約70％以上含有するものを
指称する。重合度がこの範囲であると、甘味が少なく、
サラサラして流動性があり、ダマになりにくい。重合度
が10未満であると流動性が悪く、打粉の付着が不均一
で、衣液の付着も不均一となり、甘味が強く、フライ製
品の揚色が濃すぎると云う欠点があり、また逆に重合度
が20を超えると流動性が悪く、打粉の付着が不均一とな
り、衣液の付着も不均一になると云う欠点があり、何れ
も本発明の目的を達し得ない。

斯かるデキストリンを上記の如き澱粉類に配合するに
際しては、該デキストリンと穀粉類の合計重量に基づい
て、内割で10〜50重量％の割合で配合することが必要で
ある。10重量％未満の配合割合であると、穀粉類の流動
性の改善やダマ形成防止の効果が顕著でなく、50重量％
を超えると流動性もさほど改善されず、吸湿性が高いた
めにべとついて衣の付着も不均一となり、しかも衣の甘
味が強く、揚げ色も濃いものとなる。

本発明の打粉ミックスには、前記の穀粉類及びデキス
トリンの他に食塩、調味料、香辛料、糖類、卵粉、脱脂
粉乳等を目的に応じて少量添加配合してもよい。

〔作用及び効果〕

本発明の打粉ミックスはサラサラして流動性の富み、
ダマになりにくいので、特に機械作業性に優れている。
また、具に均一に付着するために次工程の衣液の付着も
均一になり、フライ時に衣の剥離が生じることがなく、
優れたフライ食品を得ることができる。

〔実施例〕

以下実施例並びに比較例を挙げて本発明を更に説明す
る。

実施例１〜５並びに比較例１〜２ 下表の配合でそれぞれ打粉ミックスを試作し、白身魚
切身（大きさ35g）に打粉してその作業性及び打粉の付
着状態を比較した。

また、小麦粉100部、水200部を均一に混合した衣液に
それぞれ浸し、打粉をほどこした魚切身への衣液の付着
状態を比較した。結果を下表に示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】穀粉類と重合度10〜20のデキストリンから
   なり、該デキストリンの配合割合が、該デキストリンと
   穀粉類の合計重量に基づいて、内割で10〜50重量％であ
   る打粉ミックス。