JPWO2017170747A1 - 熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法、セルロース強化樹脂成形品およびセルロース強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法、セルロース強化樹脂成形品およびセルロース強化樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

熱可塑性合成樹脂100質量部に対してセルロースを10〜70質量部含有し、かつ有機過酸化物を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化樹脂成形品及びセルロース強化樹脂組成物もしくは成形品の製造方法。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法、セルロース強化樹脂成形品およびセルロース強化樹脂成形品の製造方法
に関する。
さらに詳しくは、高い機械的強度を有する、熱可塑性樹脂とセルロース強化剤からなるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化樹脂成形品およびこれらの製造方法に関する。また、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得るための熱可塑性樹脂組成物に関する。
セルロース繊維は、軽量、高強度、高弾性率、低線熱膨張といった優れた特性を有することから、樹脂等の補強材料として広く知られている。しかしながら、セルロース繊維は、非常に親水性が高いため、ポリプロピレンやポリエチレン等の疎水性の高い樹脂とは親和性が乏しく、二軸押出機械等で機械的に混練しただけでは、均一に混合することができない。このため、得られる複合材料の機械的物性は必ずしも満足できるものでなく、不十分であった。
一般に、セルロース繊維を含む成形材料を製造する際に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の疎水性の高い熱可塑性樹脂を用いた場合、セルロース繊維の分散性が悪く、さらなる機械的強度を得ることが非常に困難である。
このような課題に対して、セルロースの樹脂中での分散性を改善させる目的で、相溶化剤を用いる。あるいは、セルロース、もしくは樹脂を変性剤等によって変性処理し、樹脂中におけるセルロースの分散性を向上させようとする試みがなされている(例えば、特許文献1〜4参照)。
例えば、特許文献1、2では、セルロース系材料とポリオレフィンからなる樹脂組成物において、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物を相溶化剤もしくは界面補強剤として使用することが提案されている。また、特許文献3では、ミクロフィブリル化セルロースの水酸基の一部に疎水変性剤として多価塩基酸無水物を用い、得られた疎水変性セルロース繊維を樹脂の補強材料として用いることが提案されている。 さらに、特許文献4では、セルロースに存在する水酸基に対し親和性を有するカルボキシ基をもつ単量体を特定の方法でグラフト化したポリエチレンを用いることによって、セルロースの分散性を向上させることが提案されている。
上記いずれの方法を用いても、セルロースの補強効果が得られ、成形体の機械的強度は向上するが、さらなる機械的強度の向上が望まれていた。
特開昭62−39642号公報 米国特許出願公開第2008/0146701号明細書 特開2012−214563号号公報 特許第347961号公報
本発明は、従来のセルロース強化熱可塑性樹脂の製造方法における問題点を鑑み、疎水性の高い樹脂中にセルロースを簡便かつ均一に分散させることができ、しかも得られる樹脂組成物を成形してなる成形材料の機械的強度を向上させることができる熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化樹脂成形品を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、上記のようなセルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化樹脂成形品を簡便かつ低コストで製造できるこれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物に、セルロース繊維、疎水性樹脂の熱可塑性合成樹脂および有機過酸化物を含有させ、該樹脂組成物を、加熱混練することにより、セルロース繊維の分散性を向上させた。この結果、得られる成形材料の機械的強度が大きく向上することがわかった。
上記知見に基づき、さらに検討した結果、上記課題は、下記構成により達成されることがわかった。
(1)熱可塑性合成樹脂100質量部に対してセルロースを10〜70質量部含有し、かつ有機過酸化物を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(2)前記熱可塑性合成樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)前記有機過酸化物の1分間半減期温度が、130〜190℃であることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)前記有機過酸化物が、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステルおよびモノパーオキシカーボネートから選択される少なくとも1種の有機過酸化物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜0.3質量部であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(6)前記熱可塑性合成樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含み、該不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)前記熱可塑性合成樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂との混合樹脂であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(8)前記セルロースが、植物繊維のセルロースであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(9)セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有するセルロース強化熱可塑性樹脂組成物であって、該複合体中に占めるセルロース成分の含有量が、9.1〜41質量%であり、該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上であることを特徴とするセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
(10)前記カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子が2箇所以上で結合した架橋構造のポリオレフィン樹脂であることを特徴とする(9)に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
(11)前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の変性前のポリオレフィン樹脂と、前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂とが、異なったポリオレフィン樹脂であることを特徴とする(10)に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
(12)前記セルロースが、植物繊維のセルロースであることを特徴とする(9)〜(11)のいずれか1項に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
(13)セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を、加熱混練して含有成分を反応させることを特徴とするセルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(14)セルロースの水酸基と、カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有するセルロース強化樹脂成形品であって、該複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.1〜41質量%であり、該セルロース強化樹脂成形品のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上であることを特徴とするセルロース強化樹脂成形品。
(15)セルロース強化樹脂からなる成形品の製造方法であって、(9)〜(12)のいずれか1項に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物または(13)に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法で製造されたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して成形することを特徴とするセルロース強化樹脂成形品の製造方法。
(16)前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物で成形されてなることを特徴とするセルロース強化樹脂成形品。
本発明により、疎水性の高い樹脂中に簡便かつセルロースを均一に分散させることができ、しかも得られる樹脂組成物を成形してなる成形材料の機械的強度を向上させることができる熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化樹脂成形品を提供することが可能となった。
さらに、本発明により、上記のようなセルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化樹脂成形品を簡便かつ低コストで製造できるこれらの製造方法を提供することが可能となった。
本発明のセルロース強化樹脂組成物もしくはその成形品が広く使用されることで、軽量化、高強度化、薄肉化、廃棄時の焼却灰の低減などにも期待できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性合成樹脂、セルロースおよび有機過酸化物を含有する。
セルロースの含有量は、上記熱可塑性合成樹脂100質量部に対して10〜70質量部である。
また、熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である。
本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびセルロース強化熱可塑性樹脂成形品は、上記熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して含有成分を反応させて得られるものである。
このため、熱可塑性合成樹脂とセルロース繊維のセルロースとの間に架橋構造を有し、さらに、セルローの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有し、該複合体中に占めるセルロース成分の含有量が、9.1〜41質量%である。上記セルロース強化熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂およびセルロース強化熱可塑性樹脂成形品のJIS K7161に準拠して測定した引張強度は40MPa以上である。
<<引張強度>>
本発明において、熱可塑性樹脂組成物の引張強度はこの熱可塑性樹脂組成物の特性もしくは物性であり、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、含有成分を反応させることで得られるセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠する引張強度評価に適合した形態に試験片を加工して評価する。
一方、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、既に含有成分が反応しており、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠する引張強度評価用に適合した形態に試験片に加工するのみである。
ラジカル重合開始剤として有機過酸化物を使用して、熱可塑性樹脂組成物中の含有成分を反応させるには、一般的に、有機過酸化物が熱分解して、ラジカル反応が開始する温度以上、具体的には有機過酸化物の1分間半減期温度以上(好ましくは、1分間半減期温度より20℃高い温度)であればよく、一般的な二軸押出機で、加熱混練すれば、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物をペレットとして作製できる。
以下に、加熱混練の条件を記載するが、これは、本発明における製造方法を規定するものでなく、物性、特性としてのパラメーターである引張強度を測定するための条件である。
熱可塑性樹脂組成物の混練温度は、組成物中に存在する有機過酸化物が分解する温度以上であり、好ましくは、使用する有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高い温度である。なお、撹拌は、特に限定されるものではないが、例えば、スクリュー径15mm、L/D=45により回転速度100rpmで行えば十分である。
この加熱混練は、製造に使用する加熱混練機でなく、モデル的な加熱混練機でも構わない。
二軸押出機〔例えば、(株)テクノベル製 KZW15TW−45MG−NH〕で加熱混練する場合、各成分をそれぞれ時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより、スクリュー径15mm、L/D=45の二軸押出機のホッパーに投入し、混練ゾーンのパレル温度は有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高く設定し、スクリュー回転速度は100rpmで加熱混練する。
引張強度の測定は、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して含有成分を反応させて得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠して、引張試験片を作製し、JIS K7161に準拠して測定する。
なお、二軸押出機で加熱混練する場合、二軸押出機で加熱混練して得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃、24時間乾燥し、射出成形機〔例えば、ファナック(株)製 ロボットショット α−30C〕で、上記試験片を作製する。
引張強度は、引張試験機〔例えば、インストロン社製のインストロン試験機 5567型〕により、票線間距離25mm、試験速度:50mm/minの条件で測定する。
これらの引張強度は、高いほど好ましく、本発明では、40MPa以上であるが、45MPa以上がより好ましく、50MPa以上がさらに好ましく、55MPa以上が特に好ましい。
なお、引張強度の上限は、現実的には100MPaである。
引張強度は、上記の各樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂、セルロース強化熱可塑性樹脂成形品中に含有する成分の種類および含有量で調整できるが、特に、有機過酸化物の配合量を調整するのが効果的であり、有機過酸化物と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの配合量をバランス良く併用することで調整するのがさらに効果的である。
以下に、熱可塑性樹脂組成物から順に説明する。
<<熱可塑性樹脂組成物>>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、少なくとも、熱可塑性合成樹脂、セルロースおよび有機過酸化物を含有する。熱可塑性合成樹脂に、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含有してもよい。
最初に、熱可塑性合成樹脂から説明する。
<熱可塑性合成樹脂>
本発明では、ベース樹脂が熱可塑性合成樹脂であり、このうちの1種が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂であってもよい。
〔ベース樹脂〕
ベース樹脂とは、熱可塑性樹脂組成物中に含有する熱可塑性合成樹脂の中で最も含有量の多い樹脂成分であり、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と同質量以上含有してもよい。なお、以下では、説明のため、便宜上、ベース樹脂と不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂とに分けて説明する。
ただし、セルロースは合成樹脂でないことから、熱可塑性合成樹脂には含まれない。
本発明で使用するベース樹脂の熱可塑性合成樹脂は、特に限定されるものではなく、一般的に熱可塑性合成樹脂として使用されているものであればどのような合成樹脂でも構わない。このため、後述する不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂であっても構わない。
ベース樹脂の熱可塑性合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、セルロースアシレート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂などが挙げられる。
このうち、本発明では、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、少なくとも1種のオレフィンを重合してなるポリオレフィン樹脂であり、単独重合体であっても共重合体であっても構わない。
このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、イソブテン(1−ブテン)を含む炭素原子数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
なお、炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリイソブテン樹脂、ポリイソプレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、(メタ)アクリル樹脂(いわゆるアリル樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
これらの樹脂のうち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)が好ましく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂がなかでも好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などが挙げられる。
なお、密度もしくは形状で分類した場合、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)のいずれでも構わない。
ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂[塩化ビニルモノマーの単独重合体(ポリ塩化ビニル樹脂など)、塩化ビニル単量体と他の単量体との共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)など]、ビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコールなどの単独重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの共重合体など)、ポリビニルホルマールなどのポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。これらのビニル系樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂は架橋性ポリオレフィン樹脂が好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテンブロック共重合体、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂、エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂、エチレンーブチルアクリレート共重合樹脂などが挙げられる。
ベース樹脂のポリオレフィン樹脂は、単独で使用しても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、複数のポリオレフィン樹脂を用いた場合には、特に断らない限り、その総量をポリオレフィン樹脂100質量部として、その他の成分の配合量を規定する。
ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、通常、0.01〜400g/10分であり、機械的強度や生産安定性を高めるという観点から、好ましくは1〜400g/10分であり、より好ましくは0.1〜50g/10分であり、さらに好ましくは0.4〜10g/10分である。
なお、本発明では、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂も含め、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)である。
〔不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂〕
熱可塑性合成樹脂は、例えば、代表的なポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレンでは、炭素原子と水素原子のみから構成されており、疎水性が極めて高い。
一方、セルロース繊維の表面は、水酸基を有する極性の高い表面であり、疎水性の高い熱可塑性樹脂との相溶性が低く、セルロース繊維を均一に分散することが困難である。
本発明では、疎水性が高い熱可塑性合成樹脂中に、極性基の水酸基を有し、親水性の高いセルロース繊維を均一に分散させるため、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を使用する。
不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂に存在するカルボキシ基(−COH)や酸無水物に基づく−C(=O)−O−C(=O)−結合は、セルロース繊維の表面の水酸基(−OH)と水素結合や双極子相互作用などの相互作用により、セルロース繊維の表面との親和性、相溶性が高い。
一方、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂のポリオレフィン部分は、熱可塑性合成樹脂と同様に疎水性が高く、構造も類似しており、相溶性、親和力が高い。
このため、熱可塑性合成樹脂中に、セルロース繊維を均一に分散することを促す。
不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂は、上記のように、分子内に、疎水性の熱可塑性樹脂と親水性のセルロースと相互作用する部分構造を併せ持ち、疎水性の熱可塑性樹脂と親水性のセルロースとを結びつける仲介役としての働きをすることから、カップリング剤に分類される。
しかも、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸もしくはその無水物構造部分が、上記のように、セルロース繊維表面の水酸基と極めて近い距離に存在することから、セルロースの水酸基とのエステル化反応が容易かつ効率的に起こり、セルロースと不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が、化学結合した複合樹脂が形成される。
本発明では、有機過酸化物の分解からなるラジカルにより、ベース樹脂とセルロース繊維のセルロースの間に架橋反応が進行し、強固な複合樹脂が形成され、さらに該有機化酸化物が不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂とベース樹脂のラジカル反応による架橋構造を形成させることで、セルロース、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂およびベース樹脂のいずれもが、化学結合(共有結合)し、より強固な複合樹脂が形成されることになる。
不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂におけるグラフト変性する不飽和カルボン酸もしくはその無水物は、鎖状の化合物でも環状の化合物でも構わないが、本発明では、環状の化合物が好ましく、環状の不飽和カルボン酸無水物がより好ましい。
不飽和カルボン酸もしくはその無水物によるグラフト変性量は、未変性のポリオレフィン樹脂100質量部に対し、不飽和カルボン酸もしくはその無水物0.1〜25質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.1〜4質量部がさらに好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
不飽和カルボン酸無水物のうち、環状の酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物(メチルマレイン酸無水物)、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、2−(2−カルボキシエチル)−3−メチルマレイン酸無水物、2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイン−2,3−ジカルボン酸無水物、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイン酸無水物などのマレイン酸骨格の酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ジフタル酸無水物、4−(1−プロピニル)フタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物などのフタル酸骨格の酸無水物が挙げられる。
不飽和カルボン酸無水物のうち、鎖状の酸無水物としては、例えば、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸の各酸無水物、および、これらの不飽和カルボン酸と飽和脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヘテロ環カルボン酸との混合酸無水物が挙げられる。
本発明では、環状の不飽和カルボン酸無水物が好ましく、マレイン酸骨格の酸無水物がより好ましく、マレイン酸無水物が特に好ましい。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンのポリオレフィンはベース樹脂との相溶性が良ければ特に限定されない。無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリスチレンが好ましいが、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンがより好ましい。
なお、エチレン、プロピレンおよびスチレンから選択される2種の共重合体の無水マレイン酸変性共重合体も好ましい。
無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとしては、無水マレイン酸変性のエチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性のエチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体など)、無水マレイン酸を含む基を有するスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)が挙げられる。また、グラフトもしくは共重合される極性基として無水マレイン酸のみでなく、極性基〔アルキレングリコール系、(メタ)アクリル酸系のモノマー成分〕を含有していてもよい。
この中でも特に好ましいのは、無水マレイン酸変性ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはそれらの共重合体)、無水マレイン酸変性のエチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性のエチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体など)、無水マレイン酸を含む基を有するスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)である。
無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸変性ポリエチレンが最も好ましい。
特に、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.3〜10g/10分の無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましい。また、赤外吸収スペクトルで測定した赤外吸収スペクトルの相対強度比が0.1〜0.2の無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましい。
赤外吸収スペクトルの相対強度比は、無水マレイン酸変性ポリエチレンを150℃、200kgf/cmで5分間熱プレスして、厚さ100μmのフイルムを作製し、このフイルムの赤外吸収スペクトルを測定する。
1791cm−1付近の吸収強度(無水マレイン酸由来の飽和5員環酸無水物のC=O伸縮振動の吸収ピーク)/719cm−1付近の吸収強度(ポリエチレン由来のメチレン基の横揺れ振動吸収ピーク)の比から、無水マレイン酸変性ポリエチレンの相対強度比を求めることで測定できる。
赤外吸収スペクトルの相対強度比が、0.1〜0.2であることによって、熱可塑性樹脂組成物をセルロースと強固にその界面を密着させることができる。
赤外吸収スペクトルの相対強度比は、0.15〜0.2がより好ましい。
本発明では、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂は、変性前のポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィンベース樹脂とが、異なったポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
ここで、異なるとは、樹脂成分の種類、構成するモノマー成分の差、MFRのような物性の差を含むものである。
不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、ベース樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の含有量が少なすぎる場合、セルロースと樹脂の界面密着効果が十分に得られず、樹脂組成物の機械強度の向上効果が十分に得られず、含有量が多すぎる場合ベース樹脂の強度に悪影響を与え、樹脂組成物全体の強度が低下する。
<有機過酸化物>
有機過酸化物は、ベース樹脂や不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性合成樹脂のポリマー分子間をラジカル反応により架橋する重合開始剤である。
有機過酸化物としては、少なくとも炭素原子と−O−O−結合を有する化合物であり、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、アルキルパーエステル、ジアシルパーオキサイド、モノパーオキシカーボネート、パーオキシジカーボネートが挙げられる。
このうち、本発明では、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステルおよびモノパーオキシカーボネートが好ましく、特にジアルキルパーオキサイドが好ましい。
有機過酸化物を一般式で示すと、としては下記一般式(1)〜(9)で表される有機過酸化物が好ましい。
Figure 2017170747
式中、R〜Rは各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を示す。ここで、RとR、RとRが互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜6の整数を表す。
上記アルキル基は直鎖でも分岐していても構わない。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましい。
上記シクロアルキル基の環員数は3〜7が好ましく、5または6がより好ましい。シクロアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜12がより好ましい。例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
上記のアルキル基およびシクロアルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルボキシ基が挙げられる。
上記アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられ、フェニルが好ましい。
とRが互いに結合して形成する環は、5または6員環の飽和炭素環が好ましく、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が好ましい。
とRが互いに結合して形成する環は、7〜12員環が好ましく、該環を構成する結合に、−O−O−を含んでもよい。
一般式(2)で表される有機過酸化物は、RとRが互いに結合して環を形成し、下記一般式(2a)のようなビス体となったものも好ましい。
Figure 2017170747
式中、RおよびRは、一般式(2)のRおよびRと同義であり、好ましい範囲も同じである。Lは2価の連結基を示し、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、アルキレン基またはアリーレン基が好ましい。
一般式(4)で表される有機過酸化物は、Rが置換基を有するアルキル基の場合、下記一般式(4a)のようなビス体となったものも好ましい。
Figure 2017170747
式中、Rは、一般式(4)のRと同義であり、好ましい範囲も同じである。R4aは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を示し、Lは2価の連結基を示し、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、アルキレン基、エテニレン基、エチニレン基またはアリーレン基が好ましい。
一般式(1)〜(9)で表される有機過酸化物のうち、一般式(2)、(4)、(6)〜(8)で表される有機過酸化物が好ましく、特に一般式(4)で表される有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物は、以下の具体例が挙げられる。
(1)ケトンパーオキサイド化合物
シクロヘキサノンパーオキサイド、鎖状メチルエチルケトンパーオキサイド等
(2)パーオキシケタール化合物
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、環状メチルエチルケトンパーオキサイド等
(3)ハイドロパーオキサイド化合物
t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等
(4)ジアルキルパーオキサイド化合物
ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
(5)アシルパーオキサイド化合物
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等
(6)アルキルパーエステル化合物
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等
(7)ジアシルパーオキサイド化合物
ジアセチルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ビス(m−トルオイル)パーオキサイド等
(8)モノパーオキシカーボネート化合物
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等
(9)パーオキシジカーボネート化合物
ジn−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジs−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシルジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等
本発明では、有機過酸化物の1分間半減期温度は、130〜190℃が好ましい。
ここで、有機過酸化物の半減期とは、有機過酸化物が熱によって分解して、その活性酸素量が分解前の量の半分になるまでの時間である。
有機過酸化物の1分間半減期温度が高すぎると二軸押出機での温度設定が困難になり、逆に低すぎると有機過酸化物自体が不安定となり、保管中に分解してしまう。
有機過酸化物の1分間半減期温度を上記のような範囲とすることで、通常に行われる二軸押出機で加熱混練が可能となり、疎水性の高い樹脂中にセルロースを均一に分散させることが可能となる。
有機過酸化物の1分間半減期温度は、ベンゼン等の比較的不活性な溶剤を使用し、0.1モル/L濃度の有機過酸化物溶液を調整して、熱分解させたときの有機過酸化物濃度の時間変化を測定して求められる(「架橋剤ハンドブック(初版)」大成社発行、第162頁参照)。
有機過酸化物の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、0.01〜0.30質量部が好ましく、0.05〜0.20質量部がより好ましく、0.05〜0.1質量部がさらに好ましい。
有機過酸化物の含有量が少なすぎる場合、樹脂組成物の機械強度の向上効果が十分に得られず、多すぎる場合、樹脂組成物の熱流動性が低くなり成形加工が困難となる。
有機過酸化物の分解からなるRO・(ラジカル)は、ベース樹脂およびセルロースの水素原子をそれぞれ引き抜き、これらのラジカルを生成する。生成したベース樹脂のラジカルとセルロースのラジカルが結合反応して、ベース樹脂とセルロース間の界面が接着すると推測される。
上記の界面密着反応を、ベース樹脂をポリエチレンとした場合を例にすると、下記の通りである。
Figure 2017170747
ここで、PE−Hはポリエチレン、Cellulose−Hはセルロースであり、PE・、Cellulose・は生じたラジカルである。
<セルロース>
本発明で使用するセルロースは、繊維状のセルロースであり、植物繊維のセルロースが好ましく、特に、微細な植物繊維状のセルロース(粉状パルプ)が好ましい。
パルプは、紙の原料ともなるもので、植物から抽出される仮道管を主成分とする。化学的に見ると、主成分は多糖類であり、その主成分はセルロースである。
植物繊維のセルロースは、特に限定されるものではないが、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物(例えば、麦や稲などの藁、とうもろこし、綿花などの茎、サトウキビ)、布、再生パルプ、古紙などの植物に由来のものが挙げられるが、本発明では、木材もしくは木材由来のものが好ましく、クラフトパルプが特に好ましい。
なお、クラフトパルプは、木材もしくは植物原料から、苛性ソーダなどの化学処理によって、リグニン・ヘミセルロースを除去し、純粋に近いセルロースを取り出したパルプの総称である。
本発明で使用するセルロースは、直径が1〜30μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。また長さ(繊維長)は10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
セルロースの配合量は、本発明では、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む熱可塑性合成樹脂100質量部に対して、5〜70質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。
セルロースの配合量が5質量部未満であると、充分な樹脂補強効果が得られなく、逆に70質量部を超えると、樹脂組成物の熱流動性が低下して成形加工性が低下したり、場合によっては機械強度が低下することもある。
<その他の添加物>
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、無機系の充填剤、例えばタルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維等、あるいは有機系の充填剤、例えばポリエステル、ポリアミド繊維等、その他に難燃剤、安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤等の各種添加剤、染料、顔料の着色剤を添加することができる。
本発明では、熱可塑性樹脂組成物を構成する成分は、熱可塑性合成樹脂または不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含む熱可塑性合成樹脂100質量部に対してセルロースを10〜70質量部含有すること以外は、一般的な範囲にある量で配合することができるが、全ての成分が好ましい範囲にある量で配合するのが最も好ましい。
ただし、特定の成分が好ましい範囲にあり、かつ他の成分が一般的な範囲にある量で配合することも好ましい態様であることに変わりがない。
<<セルロース強化熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法>>
本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、前述の熱可塑性樹脂組成物から製造される。
本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、前述の熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、含有成分が反応したものである。
上記の反応で、ラジカル反応開始剤である有機過酸化物により熱可塑性合成樹脂およびセルロース繊維のセルロースの水素原子が反応し、熱可塑性樹脂とセルロース繊維との間に架橋反応が進行する。さらに、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂とセルロースが反応し、セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合が形成される。
従って、本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性合成樹脂とセルロース繊維のセルロースとの間に架橋構造を有し、さらに、セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有する。ここで、該複合体中に占めるセルロース成分の含有率は、9.1〜41質量%であり、該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度は40MPa以上である。
上記に加えて、ラジカル反応開始剤である有機過酸化物により起こる架橋反応は、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子が2箇所以上で結合した架橋構造も形成する。
本発明では、上記のように、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練して、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物を製造する。
加熱混練に用いられる装置としては、有機過酸化物が熱分解する温度で加熱混練が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ブレンダー、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、一軸もしくは二軸の押出機などが挙げられる。
このうち、本発明では、二軸押出機が好ましい。
二軸押出機では、各成分を重量フィーダーにより二軸押出機のホッパー部へ直接投入し、二軸押出機で混練ゾーンの設定温度を上記温度に設定して混練し、この混練物を加熱下で反応させることで、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
セルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を別途調製して製造したものを使用してもよいが、本発明では、例えば、押出機〔例えば、(株)テクノベル製 KZW15TW−45MG−NHなどの二軸押出機〕でセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を製造する段階において、この押出機に各成分をそれぞれ時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより押出機のホッパーに投入し、この結果、得られた熱可塑性樹脂組成物を加熱混練することで、製造するのが好ましい。
このような方法では、設備変更なく、既存の装置、設備が使用でき、本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製と同時に、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物が製造できる。
上記のように、各成分を押出機のホッパーに投入し、例えば、混練ゾーンのパレル温度を有機過酸化物が熱分解する温度に設定して加熱混練する。
混練温度は、有機過酸化物の1分間半減期温度より高く設定する。本発明では有機過酸化物の1分間半減期温度より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、15℃以上高い温度がさらに好ましく、20℃以上高い温度が最も好ましい。
本発明では、一般的な有機過酸化物を使用する場合、混練温度は150〜200℃が好ましい。
加熱混練は、例えば、スクリュー径15mm、L/D=45で、スクリュー回転速度は100rpmで加熱混練すれば十分である。
混練時間は、特に制限されるものでないが、通常の有機過酸化物を使用する際の一般的な反応時間でよい。
押出機を用いてセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を製造した場合、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物をペレットとすることで、どのようなセルロース強化熱可塑性樹脂成形品の製造にも使用できる。
なお、本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、有機過酸化物を配合しているので、加熱混練して反応することにより有機過酸化物の分解残渣が残留することもあり、この結果、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物に含まれていても構わない。
<<セルロース強化樹脂成形品およびその製造方法>>
本発明のセルロース強化樹脂もしくはセルロース強化樹脂成形品は、本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して成形する。
セルロース強化樹脂成形品の製造は、本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用すること以外は、目的とする成形品に応じて、これらの成形品を製造する通常の方法で製造される。
本発明のセルロース強化樹脂成形品は、本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して成形することから、セルロース強化樹脂成形品は、セルロースと、熱可塑性合成樹脂との結合複合樹脂を含有するセルロース強化樹脂成形品であって、該複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.1〜41質量%であり、該セルロース強化樹脂成形品のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上である。
本発明のセルロース強化樹脂成形品は、前述のように、熱可塑性合成樹脂とセルロースとの界面密着性が改善されているため、各種成形により得られた成形品は機械的強度、例えば引張強度などに優れている。
しかも、前述のように、製造設備、装置の新設や改造せずに、既存の設備、装置が利用できるため、製造コストが安くなる。
本発明のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物で形成される成形品の用途としては、例えば、自動車、二輪車などの車両用材料、ロボットアームの構造部材、アミューズメント用ロボット部品、義肢部材、家電材料、OA機器筐体、建材部材、排水設備、トイレタリー材料、各種タンク、コンテナー、シート、玩具、スポーツ用品等が挙げられる。
車両用材料としては、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、コンソール、ロッカーパネル、アームレスト、ドアーインナーパネル、スペアタイヤカバー、ドアノブ等の内装部品や、バンパー、スポイラー、フェンダー、サイドステップ、ドア・アウターパネル等の外装部品、その他エアインテークダクト、クーラントリザーブタンク、ラジエターリザーブタンク、ウインドウ・ウオッシャータンク、フェンダーライナー、ファン等の部品、また、フロント・エンドパネル等の一体成形部品等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
使用した素材を以下に示す。
<使用素材>
(1)熱可塑性合成樹脂
・ベース樹脂:高密度ポリエチレン(HDPE)
MFR(190℃/2.16kg)=5g/10分
密度=0.953g/cm
(2)セルロース
・パルプ〔日本製紙ケミカル(株)製 商品名 KCフロックW−200、平均粒径約32μmの粉末状セルロース〕
(3)無水マレイン酸変性ポリエチレン
・無水マレイン酸変性ポリエチレンA
MFR(190℃/2.16kg)=9.0g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.15
・無水マレイン酸変性ポリエチレンB
MFR(190℃/2.16kg)=0.4g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.14
・無水マレイン酸変性ポリエチレンC
MFR(190℃/2.16kg)=3.4g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.10
・無水マレイン酸変性ポリエチレンD
MFR(190℃/2.16kg)=4.4g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.16
・無水マレイン酸変性ポリエチレンE
MFR(190℃/2.16kg)=1.3g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.17
・無水マレイン酸変性ポリエチレンF
MFR(190℃/2.16kg)=1.2g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.16
・無水マレイン酸変性ポリエチレンG
MFR(190℃/2.16kg)=1.1g/10分
赤外吸収スペクトルの相対強度比=0.12
(4)有機過酸化物
・パーオキシケタール〔日油(株)製 商品名 パーヘキサC〕
・ジアルキルパーオキサイドA〔日油(株)製 商品名 パーヘキサ25B〕
・ジアルキルパーオキサイドB〔日油(株)製 商品名 パークミルD〕
・ジアルキルパーオキサイドC〔日油(株)製 商品名 パーブチルD〕
・ジアシルパーオキサイド〔日油(株)製 商品名 ナイパーFF〕
・アルキルパーオキシエステル〔日油(株)製 商品名 パーブチルA〕
・モノパーオキシカーボネート〔日油(株)製 商品名 パーヘキシルI〕
Figure 2017170747
最初に、各実施例、比較例で行う共通の製造方法、成形方法および物性評価方法を示す。
<セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
上記(1)熱可塑性合成樹脂、(2)セルロース、(3)無水マレイン酸変性ポリエチレンおよび(4)有機過酸化物をそれぞれ時間当たり供給質量で制御したフィーダーにより、スクリュー径15mm、L/D=45の二軸押出機〔(株)テクノベル製 KZW15TW−45MG−NH〕のホッパーに投入した。パレル温度は有機過酸化物の1分間半減期温度より20℃高く設定し、スクリュー回転速度は100rpmで、加熱混練してセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を得た。
<引張強度評価のための成形品の成形方法>
前記で得られたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃、24時間乾燥し、射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α−30C〕により、JIS K7127の試験片タイプ2号に準拠して、引張試験片を作製した。
(引張強度の評価方法)
上記で作製した引張試験片の引張強度(MPa)をJIS K7161に準拠して、引張試験機〔インストロン社製のインストロン試験機 5567型〕により、票線間距離25mm、試験速度:50mm/minの条件で測定した。
<使用素材の物性測定>
熱可塑性合成樹脂のベース樹脂と無水マレイン酸変性ポリエチレンA〜GのMFR、無水マレイン酸変性ポリエチレンA〜Gの赤外吸収スペクトルの相対強度比および使用する有機過酸化物の1分間半減期温度は、以下のようにして測定した。
(MFRの測定方法)
JIS K7210に準拠し、メルトインデクサー〔(株)東洋精機製作所製〕を用いて、190℃、2.16kg荷重下で10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)を求めた。
(赤外吸収スペクトルの相対強度比の測定方法)
各無水マレイン酸変性ポリエチレンを150℃、200kgf/cmで5分間熱プレスして、厚さ100μmのフイルムを作製した。このフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1791cm−1付近の吸収強度/719cm−1付近の吸収強度の比から、相対強度比を求めた。
(有機過酸化物の1分間半減期温度測定方法)
有機過酸化物が熱によって分解して、その活性酸素量が分解前の量の半分になるまでの時間である半減期は、0.1モル/L濃度の有機過酸化物のベンゼン溶液を調整し、熱分解させたときの有機過酸化物濃度の時間変化を測定して求めた。
実施例1
高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 1質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.1質量部からなる熱可塑性樹脂組成物を、二軸押出機〔(株)テクノベル製 KZW15TW−45MG−NH〕にて加熱混練して、セルロース強化熱可塑性樹脂のペレットを得た。
次に、上記のペレットを射出成形機〔ファナック(株)製 ロボットショット α−30C〕で、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例2〜5
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレンAの配合量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例6
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 2質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例7
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例8
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 10質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例9
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.01質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例10
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.03質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例11
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.12質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例12
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース43質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.1質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例13
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース67質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドA 0.1質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例14
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレンAを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例15〜20
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、無水マレイン酸変性ポリエチレンの種類を下記表2に示す種類に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例21
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、パーオキシケタール0.1質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例22
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドB 0.17質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例23
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアシルパーオキサイド0.30質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例24
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、ジアルキルパーオキサイドC 0.09質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例25
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、アルキルパーオキシエステル0.16質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
実施例26
実施例1の熱可塑性樹脂組成物において、高密度ポリエチレン100質量部に対して、セルロース11質量部、無水マレイン酸変性ポリエチレンA 5質量部、モノパーオキシカーボネート0.14質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
比較例1
無水マレイン酸変性ポリエチレンAおよび有機過酸化物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
比較例2
有機過酸化物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、引張強度評価用の成形品としての試験片を作製した。
得られた結果を、まとめて下記表1〜5に示す。
なお、表中の各素材成分がブランクのものは、未使用であること、または、このため未評価であることを示す。
Figure 2017170747
Figure 2017170747
Figure 2017170747
Figure 2017170747
Figure 2017170747
上記表1〜5からも明らかなように、本発明の実施例1〜26のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、比較例1、2のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物に比べて、JIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上を達成し、簡便で、安価な製造コストで引張強度を40MPa以上にすることができた。
本発明の実施例1〜26のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物は、引張強度が向上し、セルロース強化熱可塑性樹脂の強化効率が高いこと、およびこれを簡便かつ安価な方法で製造できることから、セルロース強化樹脂としての各種成形品として有用であることがわかる。

Claims (16)

  1. 熱可塑性合成樹脂100質量部に対してセルロースを10〜70質量部含有し、かつ有機過酸化物を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性合成樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記有機過酸化物の1分間半減期温度が、130〜190℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記有機過酸化物が、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステルおよびモノパーオキシカーボネートから選択される少なくとも1種の有機過酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜0.3質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性合成樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂を含み、該不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性合成樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂との混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記セルロースが、植物繊維のセルロースであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. セルロースの水酸基とカルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有するセルロース強化熱可塑性樹脂組成物であって、該複合体中に占めるセルロース成分の含有量が、9.1〜41質量%であり、該セルロース強化熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上であることを特徴とするセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
  10. 前記カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子と不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂の主鎖の炭素原子が2箇所以上で結合した架橋構造のポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項9に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
  11. 前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物のグラフト変性ポリオレフィン樹脂の変性前のポリオレフィン樹脂と、前記不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性されていないポリオレフィン樹脂とが、異なったポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項10に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
  12. 前記セルロースが、植物繊維のセルロースであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物。
  13. セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を、加熱混練して含有成分を反応させることを特徴とするセルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  14. セルロースの水酸基と、カルボキシ基を有する架橋構造のポリオレフィン樹脂とのエステル結合複合樹脂を含有するセルロース強化樹脂成形品であって、該複合樹脂中に占めるセルロース成分の含有量が、9.1〜41質量%であり、該セルロース強化樹脂成形品のJIS K7161に準拠して測定した引張強度が40MPa以上であることを特徴とするセルロース強化樹脂成形品。
  15. セルロース強化樹脂からなる成形品の製造方法であって、請求項9〜12のいずれか1項に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物または請求項13に記載のセルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法で製造されたセルロース強化熱可塑性樹脂組成物を使用して成形することを特徴とするセルロース強化樹脂成形品の製造方法。
  16. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物で成形されてなることを特徴とするセルロース強化樹脂成形品。
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