JP6086662B2 - 成形体およびその製造方法 - Google Patents

成形体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6086662B2
JP6086662B2 JP2012125878A JP2012125878A JP6086662B2 JP 6086662 B2 JP6086662 B2 JP 6086662B2 JP 2012125878 A JP2012125878 A JP 2012125878A JP 2012125878 A JP2012125878 A JP 2012125878A JP 6086662 B2 JP6086662 B2 JP 6086662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cnf
resin
composite material
cellulose
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012125878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013248824A (ja
Inventor
徳近 福島
徳近 福島
航平 白水
航平 白水
小尾 邦寿
邦寿 小尾
敬 真柄
敬 真柄
遠藤 哲也
哲也 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2012125878A priority Critical patent/JP6086662B2/ja
Publication of JP2013248824A publication Critical patent/JP2013248824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6086662B2 publication Critical patent/JP6086662B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する複合材料で構成される成形体およびその製造方法に関する。
機械装置の軸受や歯車などの機構部品としては、従来、金属製のものが用いられているが、近年、樹脂製のものも用いられるようになっている。機構部品には、機械的強度等の機械的物性が求められ、特に表面には硬度と耐摩耗性が求められる。そのため樹脂を材料としてこれらの部品を加工しようとする場合には、樹脂材料の機械的物性を補うことが一般的に行われている。機械的強度や硬度の向上にはガラス繊維、炭素繊維などの繊維強化材の添加、耐摩耗性の向上にはフッ素系樹脂の添加といった方法が採用されている。
例えば特許文献1には、繊維強化樹脂製歯車の製造方法として、連続繊維(長繊維)に未硬化の樹脂を含浸させた帯状のプリプレグを歯車の輪郭形状に倣って成形して帯状半成形品とし、これを所定の長さで切断し、丸めて筒状とした後、内部に歯車形状の空間を有する射出成形型の内面に取り付け、その内側の空間に短繊維強化樹脂からなる二次材料を加圧充填して硬化させる方法が開示されている。この方法によれば、歯車の歯の表面が強度に優れた連続繊維で補強されるため、強度と耐摩耗性が向上するとされている。
特開2011−25466号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、成形加工の手順が複雑で作業性が悪い。また、適用できるのが、歯が歯車の軸と平行の所謂平歯車のみに限定され、はす歯や笠歯などの歯車には適用できない。また、歯車の表面のうち、連続繊維で補強できるのが外周面に限定され、高硬度と低摩耗性が求められる他の部分、例えば歯車の内周面を補強することはできない。
また、特許文献1では、連続繊維として、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などを挙げているが、これらの繊維材料を含有する成形体は、廃棄時のリサイクルが困難なため環境負荷が大きい。さらに、これらの繊維材料は、繊維直径が10μm前後であり、例えば小型の歯車では、歯先部分に繊維材料が充填されず、充分な補強効果が得られない場合がある。
したがって、表面が高硬度で低摩耗性であるなど、機構部品に適した機械的物性を持ち、且つ環境負荷が小さい成形体、これを簡便な加工手順で製造でき、多様な機構部品に適用できる製造方法が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、機構部品に適した機械的物性を持ち、環境負荷が小さく、簡便な加工手順で製造できる成形体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1] セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する複合材料で構成される成形体であって、
セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する第一の複合材料からなる芯材部と、
セルロースナノファイバーを前記第一の複合材料の樹脂と同じ樹脂中に含有する第二の複合材料からなり、前記芯材部の表面を被覆する表面層と、
を備え、
前記樹脂がポリカーボネート樹脂であり、
前記第一の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含まず、前記第二の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含むことを特徴とする成形体。
[2] 前記第一の複合材料のセルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバー凝集塊を含まないか、または最小太さが700nm以下のセルロースナノファイバー凝集塊を含有する[1]に記載の成形体。
[3]セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する複合材料で構成される成形体を製造する方法であって、
セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する第一の複合材料で芯材部を成形する工程と、
前記芯材部の表面上に、セルロースナノファイバーを前記第一の複合材料の樹脂と同じ樹脂中に含有する第二の複合材料で表面層を成形する工程と、
を有し、
前記樹脂がポリカーボネート樹脂であり、
前記第一の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含まず、前記第二の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含むことを特徴とする成形体の製造方法。
本発明によれば、機構部品に適した機械的物性を持ち、環境負荷が小さく、簡便な加工手順で製造できる成形体およびその製造方法を提供できる。
成形体1(歯車)の円周方向における概略断面図である。 成形体1の軸方向における概略断面図である。 成形体1の歯の部分の寸法を説明する図である。 成形体1の製造方法の第一実施形態を説明するプロセスフロー図である。 成形体1の製造方法の第二実施形態を説明するプロセスフロー図である。 成形体1の製造方法の第三実施形態を説明するプロセスフロー図である。
本発明の成形体は、セルロースナノファイバー(以下、CNFと略記する。)を樹脂中に含有する複合材料で構成される成形体であって、
最小太さが1μm以上のCNF凝集塊を含まない第一の複合材料からなり、当該成形体の中心部分を構成する芯材部と、
最小太さが1μm以上のCNF凝集塊を含む第二の複合材料からなり、前記芯材部の表面を被覆する表面層と、を備える。
なお、以下においては、CNF凝集塊を単に凝集塊ということがある。
木綿、パルプ等の含セルロース原料においては、複数のセルロース分子が相互接着してCNFを形成し、これがさらに相互に接着して長さ数mmに及ぶセルロース繊維を形成している。セルロース分子やCNFの相互接着は、表面に存在する水酸基の水素結合による強固なものである。CNFは、このようなセルロース繊維を解繊して得られるが、解繊度の低いCNF中には最小太さが1μm以上の凝集塊もある。また、解繊後にCNFが再び相互接着して凝集塊を形成することもある。CNFの製造において最小太さが1μm以上の凝集塊は通常、精製工程で取り除かれ廃棄されている。
本発明においては、表面層を構成する第二の複合材料として、最小太さが1μm以上のCNF凝集塊を含むものを使用することで、成形体表面に高硬度と低摩耗性を付与できる。ただし表面層は、最小太さが1μm以上のCNF凝集塊を含むことから、弾性が低く、構造材料としての補強効果は弱い。そこで芯材部を構成する第一の複合材料として、最小太さが1μm以上のCNF凝集塊を含まないものを使用することで、中心部分が高弾性、高靭性を有し、表面部分が高硬度、低摩耗性を有する成形体が得られる。
このように成形体の表面部分と中心部分に異なる特性を付与(表面部分:高硬度、耐摩耗性、中心部分:高弾性、高靭性)することは機構部品としての性能向上に寄与する。
例えば第二の複合材料で成形体表面を構成することで該表面の防傷性、耐摩耗性が向上する。また、第一の複合材料で中心部分を構成することで、構造部材としての強度が向上する。
具体例を挙げると、歯車の歯には、他の歯車の歯と接触により力が加わるため、歯元からの折損や歯面の摩耗が生じてしまう。本発明においては、歯車の歯の表面を第二の複合材料で構成することで、歯面の摩耗を抑制できる。また、歯車の中心部を第一の複合材料で構成することで、歯元からの折損を抑制できる。
また、CNFは、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などに比べて環境負荷が小さい。
また、補強材としてCNFを含有する複合材料は、補強材としてガラス繊維や炭素繊維を含有する複合材料に比べ、射出成形加工時に金型表面やスプルー、ランナー、ゲートなどの表面を、溶融状態で流動する材料中の補強材が擦過することによる摩耗発生が少ないため、金型や射出成形機の損耗が軽減し、経済的にも有利である。
また、射出成形工程で不可避のランナーやスプルーなどは、ガラス繊維や炭素繊維などを含む複合樹脂材料に較べて、油化、リペレットなどの処理が容易であり、資源の再利用が可能である。従って、環境負荷軽減にも有用である。
さらに、CNFの製造工程で遠心分離等によって分離される解繊度の低い(凝集度の高い)CNFは、従来は、余剰物質として廃棄されていたが、該CNFを第一の複合材料に有効利用できることも副次効果として挙げられる。
以下、本発明の成形体について、図面を用い、実施形態例を示して説明する。
図1〜2に、本発明の一実施形態の成形体1を示す。成形体1は歯車である。図1は成形体1の円周方向における断面図であり、図2は、成形体1の軸方向における断面図である。
成形体1は、第一の複合材料からなる芯材部2と、第二の複合材料からなる表面層3から構成される。
芯材部2は、筒状の本体の外周面に複数の歯が一体成形されている。
表面層3は、芯材部2の表面の一部、具体的には芯材部2の本体の内周面と、歯部が設けられている領域の外周面と、それらの面を連絡する先端面を被覆するように設けられている。
<芯材部2>
芯材部2を構成する第一の複合材料は、CNFを樹脂中に含有し、かつ最小太さが1μm以上のCNF凝集塊(以下、凝集塊Lという。)を含まないものである。凝集塊Lを含まないことで、芯材部2が高弾性、高靭性を有するものとなる。
凝集塊Lの有無は、開繊処理されたCNFを含む懸濁液やCNFを含む樹脂成形体に対する走査型電子顕微鏡(SEM)による観察で確認できる。
第一の複合材料は、最小太さが1μm未満のCNF凝集塊を含んでいてもよい。
第一の複合材料は、CNF凝集塊を含まないか、または最小太さが700nm以下のCNF凝集塊を含有することが好ましい。CNF凝集塊を含まないか、または含んでいても最小太さが700nm以下であれば、補強効果に優れ、芯材部2の弾性、靭性が充分に高くなる。
第一の複合材料中のCNFおよびその凝集塊の平均最小太さ(短軸方向の平均直径)は、300nm超700nm以下であることが好ましく、50nm超300nm以下であることがより好ましく、50nm付近が特に好ましい。
上述の最小太さ及び平均最小太さは、走査型電子顕微鏡(SEM)により求めることができる。詳細には、凝集塊を含むCNFが分散した分散液を基板上にキャストしてSEMで観察し、得られた1枚の画像当たり20個以上の粒子(CNF、凝集塊)について短軸方向の直径(最小太さ)の値を読み取る。これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30個の粒子の最小太さの情報を得る。得られた粒子の最小太さのデータから平均最小太さを算出することができる。
CNF、樹脂についてはそれぞれ後で詳細に説明する。
第一の複合材料において、CNFの含有量(凝集塊を形成しているものを含む)は、樹脂とCNFとの総量100質量%に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。5質量%以上で樹脂の機械的強度には明確な向上が認められ、30質量%以下とすることで、射出成形等の塑性加工に必要な流動性の確保が可能である。
第一の複合材料は、CNFおよび樹脂の他、フィラー、難燃助剤、難燃剤、酸化防止剤、離形剤、分散剤等の添加剤を、機械的物性が阻害されない程度に含有しても良い。
フィラーとしては、例えばCNF以外のセルロース繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、クレー、酸化チタン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、マイカ、モンモリロナイト、硫酸バリウム、バルーンフィラー、ビーズフィラー、カーボンナノチューブなどが挙げられる。尚、上記酸化チタン、炭酸カルシウム、マイカ等は、着色剤を兼ねて用いてもよい。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、膨張性黒鉛などを使用できる。
難燃助剤としては、ポリフルオロオレフィン、酸化アンチモン等などを使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤などを使用できる。
離型剤としては、高級アルコール、カルボン酸エステル、ポリオレフィンワックス、ポリアルキレングリコールなどを使用できる。
分散剤としては、CNFの樹脂への分散性を向上できるものであればよく、アニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性の界面活性剤、高分子型分散剤等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<表面層3>
表面層3を構成する第二の複合材料は、CNFを樹脂中に含有し、かつ最小太さが1μm以上の凝集塊Lを含むものである。凝集塊Lを含むことで、表面層3が高硬度、低摩耗性を有するものとなる。
凝集塊Lの最小太さは、1μm以上20μm以下の範囲であることが好ましい。
凝集塊Lの最小太さの上限は、表面層3の厚さ、成形体の形状、CNFが混合される樹脂の流動性等を考慮して適宜設定すればよい。例えば5μm以下であれば小型の歯車の場合でも、歯先部分にまで凝集塊Lが充填され、高硬度、低摩耗性が充分に得られる。
第二の複合材料において、凝集塊Lの含有量は、樹脂とCNFとの総量100質量%に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。5質量%以上とすることで、成形体1の表面の硬度、耐摩耗性等の向上効果に優れる。30質量%以下とすることで、射出成形等の塑性加工に必要な流動性の確保が可能である。
第二の複合材料は、最小太さが1μm未満のCNF凝集塊を含有していてもよい。
第二の複合材料に用いられるCNFとしては、第一の複合材料に用いられるCNFと同様のものが挙げられる。ただし第二の複合材料に用いられるCNFは、少なくとも一部が凝集塊Lを形成している。
第二の複合材料において、CNFの含有量(凝集塊を形成しているものを含む)は、樹脂とCNFとの総量100質量%に対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
第二の複合材料に用いられる樹脂としては、第一の複合材料に用いられる樹脂と同様のものが挙げられる。
第二の複合材料に用いられる樹脂と第一の複合材料に用いられる樹脂は同じでも異なってもよい。成形加工時における第一と第二の複合材料間の融着の確保の点では、同じ樹脂が好ましい。
第二の複合材料は、CNFおよび樹脂の他、フィラー、難燃助剤、難燃剤、酸化防止剤、離形剤、分散剤等の添加剤を、機械的物性が阻害されない程度に含有しても良い。
これらの添加剤の具体例としてはそれぞれ前記と同様のものが挙げられる。
表面層3の厚さは、第二の複合材料の成形加工時の流動性、芯材部2の形状、所望の物性、CNFが混合される樹脂の流動性等を考慮して適宜設定できる。
例えば表面層3を、後述する製造方法の具体例で示すように、先に形成した芯材部2の表面と成形型との間の隙間に第二の複合材料を流入させて形成する場合、第二の複合材料の成形加工時の流動性によって、形成可能な厚さの下限が決まる。流動性が高いほど、第二の複合材料を流入させるのに必要な隙間が薄くなり、薄い表面層3を形成できる。
具体例を挙げると、樹脂としてポリカーボネート樹脂、例えば帝人化成のパンライトL−1225Y(標準・低粘度グレード、11cm/10min/ISO 1133)を使用する場合、芯材部2の表面と成形型との隙間に第二の複合材料を流入させ、充填するためには、流動長にも拠るが、0.6mm〜1.0mm程度の隙間(肉厚・層厚)が必要である。
一方、ポリカーボネート樹脂の代わりに、より流動性の高い芳香族ポリエステル系樹脂である液晶ポリマー(液晶ポリエステル)を用いると、表面層3の厚さを例えば0.2mmにすることができる。
表面層3の厚さとしては、樹脂の種類によっても異なるが、0.2〜2mmの範囲内が好ましく、0.5〜1mmの範囲内がより好ましい。0.2mm以上であると、表面層3の物性が充分優れたものとなる。また、0.5mm〜1mmの厚さであれば表面層3を成形しやすい。
本実施形態において、表面層3は、芯材部2の本体の内周面、歯部が設けられている領域の外周面、それらの面を連絡する先端面にそれぞれ設けられているが、各面を被覆する表面層3の厚さは同じでも異なってもよい。
なお、成形体1として製造し得る歯車の最小の大きさも、表面層3を形成する第二の複合材料の成形加工時の流動性に依存する。
例えば、芯材部2の歯部を被覆している表面層3の厚さをt1、歯たけ(歯底から歯先までの高さ)の1/2の高さの基準線上での芯材部2の厚さ(歯部の厚さ)をt2とすると、基準線上での全体の歯厚sは、t1×2+t2である(図3参照)。表面層3の厚さt1を0.6mm、芯材部2の厚さt2を1.2mmと仮定したときの歯厚sは2.4mmである。この寸法を歯車の大きさの試算の根拠として以下の試算を行う。
まず、歯厚s2.4mmを元に歯車の大きさを試算する。
歯厚sとモジュールmの関係は、s=πm/2となる。従って、仮設定したs=2.4mmに近いモジュールmは1.5である。モジュールmが1.5のときの歯厚sは、上式によれば2.36mmとなる。また、歯車のピッチpは、p=πmにより求められ、モジュールmが1.5の歯車のピッチpは4.7mmである。
歯数zに対する基準円(ピッチ円)直径dはd=zmにより求められ、歯数zを15枚と仮定した場合の基準円直径dは22.5mmとなる。
したがって、t1が0.6mmの表面層3を形成できる場合は、例えばモジュールm=1.5、歯数z=15、基準円直径d=22.5mmの歯車に適用可能である。
同様の試算を行うと、t1が0.2mmの表面層3を形成できる場合は、例えばモジュールm=0.5、歯数z=10、基準円直径d=5mm程度の小型の歯車への適用も可能である。
<CNF>
成形体を構成する複合材料(第一の複合材料、第二の複合材料を含む)に用いられるCNFは、平均直径が3〜400nmであることが好ましく、3〜300nmであることがより好ましく、3〜100nmであることがさらに好ましい。
CNFは、補強効果の観点から、アスペクト比が10〜1000000であることが好ましく、50〜2000であることがより好ましい。アスペクト比が上記範囲内の場合、CNFは、分子同士の絡まりや網目構造が強固となり、成形体の機械的強度がより向上する。尚、本明細書において、「アスペクト比」とは、CNFにおける平均繊維長と平均直径の比(平均繊維長/平均直径)を意味する。
CNFの平均直径及び平均繊維長は、SEMにより測定できる。詳細には、CNFが分散した分散液を基板上にキャストしてSEMで観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の繊維について直径と長さの値を読み取り、これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30本の繊維の直径と長さの情報を得る。得られた繊維の直径のデータから平均直径を算出し、長さのデータから平均繊維長を算出することができ、数平均長さと数平均繊維径との比からアスペクト比を算出することができる。
CNFは、平均重合度が50以上30000以下であることが好ましい。該平均重合度は、600以上5000以下がより好ましく、800以上5000以下が特に好ましい。平均重合度が50以上であれば、補強効果が優れ、600以上の場合、補強効果が特に優れる。このような高平均重合度のCNFは、例えば後述するイオン液体を用いた方法で製造することができる。重合度が30000以下であれば、CNFと樹脂との複合化を、CNFを分散した分散液と樹脂とを混合することにより行う場合に、該分散液の粘性が高くならず、複合化しやすい。
CNFの平均重合度は、粘度法(参考文献:Macromolecules,18,2394−2401,1985)により求めることができる。
CNFは、Iα型結晶を主成分とするものでも、Iβ型結晶を主成分とするものでもよい。木綿などの高等植物由来セルロースはIβ型結晶成分が多く、バクテリアセルロースの場合はIα型結晶成分が多い。本発明においてはCNFとしてどちらを用いても良いが、Iβ型結晶を主成分とするCNFの方が、複合化される樹脂に対する補強効果が高い点から好ましい。
CNFの結晶構造は、例えば粉末X線回折装置Rigaku Ultima IV(株式会社リガク社製)を用いて分析できる。該分析により得られるX線回折パターンが、14≦θ≦18に1つ又は2つのピークと、20≦θ≦24に1つのピークとを有し、他にはピークを有さない場合にはIβ型結晶であると判定できる。
CNFは、セルロース由来の水酸基が化学修飾(水酸基の水素原子が修飾基で置換)されていることが好ましい。水酸基が化学修飾されたCNF(以下、修飾CNFということがある。)は、未修飾のCNFに比べて、CNF表面に存在する水酸基が減少しているため、CNF間の水素結合による強い密着が抑制され、樹脂中での分散性に優れている。また、修飾CNFは、未修飾のCNFに比べて、耐熱性も優れる。そのため、これを含有する成形体の耐熱性も向上する。
修飾CNFにおける化学修飾率(CNF中の全体の水酸基のうち、修飾基により化学修飾される割合)は、0.01%〜50%であることが好ましく、10%〜20%であることがより好ましい。
化学修飾率は、元素分析により得られた炭素、水素、酸素の元素割合から算出できる。
水酸基の修飾は、エーテル化、エステル化が、簡便で効率がよいため好ましい。
エーテル化としては、例えば、アルキルエーテル化、シリルエーテル化、ベンジルブロマイド等によるエーテル化等が挙げられる。
アルキルエーテル化では、アルキルエーテル化剤により修飾基としてアルキル基が導入される。アルキルエーテル化剤としては、メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化アルキル;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸ジアルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の硫酸ジアルキル;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等が好ましい。
シリルエーテル化では、シリルエーテル化剤により修飾基としてシリル基が導入される。シリルエーテル化剤としては、n−ブトキシトリメチルシラン、tert−ブトキシトリメチルシラン、sec−ブトキシトリメチルシラン、イソブトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、オクチルジメチルエトキシシラン又はシクロヘキシルオキシトリメチルシラン等のアルコキシシラン;ブトキシポリジメチルシロキサン等のアルコキシシロキサン;ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン等のジシラザン;トリメチルシリルクロライド、ジフェニルブチルクロライド等のシリルハライド;tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート等のシリルトリフルオロメタンスルホネート;などが挙げられる。これらの中でも、ケイ素原子に結合したアルキル基を有するアルキルシリルエーテル化剤が好ましい。
エステル化では、エステル化剤により修飾基として、アセチル基等のアシル基が導入される。エステル化剤としては、ヘテロ原子を含んでも良いカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物が挙げられ、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体が好ましく、酢酸、無水酢酸、無水酪酸がより好ましい。
エーテル化、エステル化の中でも、アルキルエーテル化、アルキルシリルエーテル化、アルキルエステル化が、樹脂、特に親油性樹脂への分散性を向上させるために好ましい。
CNFと複合化する樹脂が親油性樹脂である場合、CNFは、溶解性パラメータ(以下、SP値)8〜13の有機溶媒における飽和吸収率が300〜5000質量%であることが好ましい。前記SP値の有機溶媒に分散させたCNFは、親油性樹脂との親和性が高く、補強効果が高い。
CNFの飽和吸収率は、以下の手順で求めることができる。
重さ(W1)のCNFをジメチルアセトアミド(SP値11.1)に分散させ、2質量%の分散液を調製し、遠心分離瓶に入れてから4500Gで30分処理した後、上部透明な溶剤層を除いてから下部ゲル層の重さ(W2)を量り、飽和吸収率Rを、下記式により算出する。
R=W2/W1×100%
SP値が8〜13の有機溶媒としては、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、キシレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ジブチルフタレート、アセトン、2−プロパノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、エタノール、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、二硫化炭素、ピリジン、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ブタノール、ニトロメタン等が挙げられる。
SP値が8〜13の有機溶媒としては、非水溶性溶媒(25℃の水と任意の割合で混合しない溶媒)であるものがさらに好ましい。修飾CNFは、非水溶性溶媒中において分散し、未修飾のCNFでは困難であった親油性樹脂に容易に分散し得る。
非水溶性溶媒としては、キシレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロメタン、シクロヘキサン、四塩化炭素、塩化メチレン、酢酸エチル、二硫化炭素、シクロヘキサノール、ニトロメタン等が挙げられる。
CNF(未修飾のCNFまたは修飾CNF)は、公知の方法により製造できる。
CNFは、含セルロース原料に、機械的せん断、化学的処理等の解繊処理、及び必要に応じて化学修飾を施すことにより製造できる。
含セルロース原料としては、特に限定されないが、リンター、綿、麻などの天然セルロース原料;クラフトパルプ、サルファイトパルプなどの木材化学処理パルプ;セミケミカルパルプ;古紙またはその再生パルプ等が挙げられる。コスト面、品質面、環境面から、木材化学処理パルプ、木材化学処理パルプが好ましく、平均重合度の高いリンターがより好ましい。
含セルロース原料の形状は特に限定されないが、機械的せん断の容易さ、化学的処理における溶媒の浸透促進の観点から、含セルロース原料を適宜粉砕してから用いることが好ましい。
解繊処理には、機械的せん断、化学的処理の両方が利用できる。化学的処理としては、N−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMMO)法、銅アンモニア溶液法、イオン液体法等が挙げられる。
これらの中でも化学的処理が好ましく、その中でも、簡便に解繊度や結晶化度を制御できる、高分子量のCNFが得られやすい、CNFに与えるダメージが少なく、高耐熱性のものが得られる等の利点があることから、イオン液体法が好ましい。
イオン液体法は、イオン液体を含有する溶液(以下、処理液)を使用する方法で、この処理液を用いることにより、含セルロース原料を解繊処理できる。具体的には、処理液に含セルロース原料を添加し、撹拌すると、含セルロース原料が膨潤、溶解してCNFが得られる。このときの処理液中のイオン液体の種類や濃度、撹拌条件、処理時間等を調節することで、CNFの解繊度、結晶化度等を調節することができる。解繊度が高いほど、処理液中に含まれる凝集塊の最小太さが小さくなる。
イオン液体としては、例えば、下記化学式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006086662
[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基である。Xはハロゲンイオン、擬ハロゲン、炭素数1〜4のカルボキシレート、またはチオシアネートである。]
前記イオン液体としては、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
イオン液体のみで含セルロース原料を解繊処理することも出来るが、溶解力が高すぎで微細繊維まで溶解してしまうおそれがある場合、処理液としては、イオン液体と有機溶媒を含有する溶液を使用することが好ましい。イオン液体を有機溶媒で希釈することで溶解力を適度なものに調節でき、得られるCNFの結晶化度を調節しやすい。
イオン液体に添加する有機溶媒は、イオン液体との相溶性、セルロースとの親和性、混合溶媒の溶解性、粘度などを考慮し適宜選択すればよいが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルフォキサイド、アセトニトリル、メタノール、エタノールの内のいずれかの一種以上を使用することが好ましい。
前記処理液中のイオン液体の含有量は、含セルロース原料、イオン液体、有機溶媒の種類に依存するため適宜調整すればよいが、膨潤、溶解能力の観点から20質量%以上が好ましく、溶解力の高い有機溶媒を用いる場合には30質量%以上が好ましく、メタノール等の溶解力の低い有機溶媒を用いる場合には50質量%以上が好ましい。
前記処理液に対する含セルロース原料の添加量は、0.5〜30質量%の範囲内が好ましい。経済的な効率の観点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。解繊度の均一性の観点から30質量%以下が好ましく、20質量%がより好ましい。
前記処理液中で、解繊処理に続いて、化学修飾を行うことが好ましい。
化学修飾としては上述したような、エーテル化、エステル化によるものが好ましい。使用するエーテル化剤、エステル化剤はそれぞれ上記のとおりである。
エーテル化剤、エステル化剤の使用量は、CNF中の全体の水酸基のうち、修飾基により化学修飾される割合に応じて設定される。
上記のようにして解繊処理、及び任意に化学修飾を行った後の処理液をろ過することにより、CNFを回収できる。
回収したCNFは、樹脂と混練して複合材料とされる。このとき、必要に応じて分散媒を添加する。分散媒としては、上述した塩化メチレン等のSP値が8〜13の有機溶媒が好ましい。分散媒は、混練前にCNF、樹脂のいずれか一方または両方に添加してもよく、混練時に添加してもよい。
<樹脂>
複合材料に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
該樹脂は、親水性樹脂でも親油性樹脂でもよいが、耐水性等の点から、親油性樹脂が好ましい。親油性樹脂の例としては、水に難溶であればよく、耐水性が必要とされる工業用材料として広く使われている各種樹脂が利用できる。
親油性樹脂としては、例えば植物性由来樹脂、二酸化炭素を原料とした樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のアルキレン樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、フッ素樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが好適に用いられる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いても2種類以上の混合物を用いても良い。
樹脂としては、上記の中でも、衝撃強度が強いことから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、通常のものを使用できる。
例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを好ましく用いることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンが挙げられる。
カーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、カルボニルエステル、ハロホルメートが挙げられる。具体的には、ホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂として、芳香族基を含まないポリカーボネート樹脂を使用してもよい。芳香族基を含まないポリカーボネート樹脂としては、脂環式ポリカーボネートや脂肪族ポリカーボネートなどが例示できる。
ポリカーボネート樹脂は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、前記芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体を重合して得られる重合体と他の重合体との共重合体であってもよい。
前記ポリカーボネート樹脂は、従来公知の方法で製造できる。例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法などの種々の方法が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂以外の芳香族ポリエステル系樹脂を用いてもよい。該芳香族ポリエステル系樹脂としては、液晶ポリエステルが好ましい。液晶ポリエステルは、ポリカーボネート樹脂よりも流動性の高い液晶ポリマーである。例えば樹脂が第一の複合材料用である場合、流動性が高いことで、金型内に第二の複合材料を流入させて芯材部の成形加工する際に、微細な部分まで充填されやすく、小型の成形体や微細な構造を有する成形体を製造しやすい。また、樹脂が第二の複合材料用である場合、成形加工時、表面層3は、芯材部と金型との間の隙間に第二の複合材料を流入させて形成されるが、流動性が高いことで、第二の複合材料を流入させるのに必要な隙間が薄くなり、より薄い表面層3を形成できる。
<成形体1の製造方法>
成形体1の製造工程は、第一の複合材料および第二の複合材料をそれぞれ調製する材料調製工程と、調製した第一の複合材料および第二の複合材料を成形して成形体1を得る成形加工工程とに大別できる。
材料調製工程は、解繊度が高く凝集塊Lを含まないCNF、解繊度が低く凝集塊Lを含むCNFの2種のCNFをそれぞれ樹脂および任意の添加剤と混合し、CNFを樹脂中に分散することにより実施できる。
成形加工工程は、公知の2色成形法により実施できる。例えば、前記第一の複合材料で芯材部2を成形する工程と、芯材部2の表面上に、前記第二の複合材料で表面層3を成形する工程と、を行うことにより成形体1が得られる。
以下、成形体1の製造方法について、好適な具体例を示して説明する。ただし本発明は何らこれに限定されるものではない。
[第一実施形態]
図4に、成形体1の製造方法の第一実施形態を説明するプロセスフロー図を示す。
本実施形態の製造方法は、以下の工程(1)〜(4)を含む。これらのうち、工程(1)〜(2)が材料調製工程であり、工程(3)〜(4)が成形加工工程である。
(1)含セルロース原料からCNFを抽出し、解繊度が高く凝集塊Lを含まないCNFと、解繊度が低く凝集塊Lを含むCNFの2種のCNFを調製する工程。
(2)前記(1)で得た2種のCNFをそれぞれ樹脂に分散して第一の複合材料及び第二の複合材料を調製し、ペレット化して2種の樹脂ペレットを調製する工程。
(3)前記(2)で得た第一の複合材料の樹脂ペレットを用いて、射出成形により芯材部2を形成する工程。
(4)前記(3)で得た芯材部2上に、前記(2)で得た第二の複合材料の樹脂ペレットを用いて、射出成形により表面層3を形成する工程。
{工程(1)}
含セルロース原料(例えばアドバンテック東洋(株)製のB5ろ紙を3mm角に切断したもの)から繊維成分を以下の手順で抽出する。
含セルロース原料2gにN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略記する。)50mLとイオン液体(例えば塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム)60gを加えて膨潤(繊維成分の結合の緩和)させる。膨潤した含セルロース原料を含有する処理液を、回転刃式のミキサーを使って攪拌することにより含セルロース原料を解繊する。これにより、CNFを含む溶液(含CNF溶液)が得られる。回転刃式ミキサーは例えばビュッヒ・ラボテクニック社のB−400などの化学分析試料の前処理用に用いられる装置が利用可能である。
次に、得られた含CNF溶液を遠心機にかけ、遠心分離する。
次に、遠心分離した含CNF溶液の上層と下層とを分け、各含CNF溶液をろ過してCNFを抽出する。
本発明人らの実験に基づけば、上層の含CNF溶液には、平均繊維直径50nmのCNFが含まれ、短軸方向の直径が1,000nm(1μm)以上の凝集塊Lは存在しない。一方、下層の含CNF溶液には、短軸方向の直径が例えば平均で700nmの比較的大きなCNFの凝集塊が含まれ、中には短軸方向の直径1,000nm(1μm)以上の凝集塊Lも多数存在する。なお、市販のチタン酸カリウム繊維製強化材(大塚化学(株)ポチコン、ウィスタット)の事例を鑑みれば、平均繊維直径が700nm程度ならば、狭隘な成形金型の末端にまで樹脂と共に繊維が充分に充填され、所期の補強効果を得ることができる。
したがって、上層の含CNF溶液をろ過して得られるCNFは解繊度が高く凝集塊Lを含んでおらず、下層の含CNF溶液をろ過して得られるCNFは解繊度が低く凝集塊Lを含んでいる。
次に、各CNFを無水酢酸で化学修飾(アセチル化)し、10%程度の化学修飾率を持つアセチル化CNF(A−CNF)に加工する。
{工程(2)}
ポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解させて樹脂溶解物を調製する。ポリカーボネート樹脂は市販のグレードから適宜選択すればよく、例えば帝人化成のパンライトL−1225Y(標準・低粘度グレード)などが利用可能である。
工程(1)で得た2種のA−CNFそれぞれに、上記で調製した樹脂溶解物とジクロロメタンを加えて混合し、乾燥することで、それぞれ解繊度の異なるCNFを含有する2種類のCNF−ポリカーボネート複合物(第一の複合材料、第二の複合材料)を得る。
次に、調製された2種類のA−CNF−ポリカーボネート複合物をそれぞれペレット化する。得られた樹脂ペレットは、そのまま工程(3)、(4)の射出成形に供する。或いはCNFを含むマスターバッチ・ペレットとして、CNFを含まない樹脂ペレットに適当な比率で混合した後、工程(3)、(4)の射出成形に供することも可能である。
尚、前述の工程(1)〜(2)は、CNF−樹脂複合材料を得るための実験的な手法だが、植物繊維から成る原材料から微細径のCNFをほぐして抽出する解繊工程の後、解繊度の異なるCNFを抽出し、樹脂との相溶性を高めるための表面修飾を行い樹脂へ分散するという作業要素と順序は工業生産的規模でも同様である。
{工程(3)}
射出成形による芯材部2の形成は、一般的な射出成形機を使用して実施できる。
例えば表面層3の厚さ分小さなキャビティ形状を持つ成形型に、第一の複合材料(解繊度が高く凝集塊Lを含まないA−CNFをポリカーボネートに分散したCNF−ポリカーボネート複合物)を充填し、成形体(芯材部2)を得る。
{工程(4)}
工程(3)で得た芯材部2を、成形体1の最終形状に相当するキャビティを持つ金型内に固定し、芯材部2と金型の隙間に第二の複合材料(解繊度が低く凝集塊Lを含むA−CNFをポリカーボネートに分散したCNF−ポリカーボネート複合物)を充填して表面層3を形成する。
これにより、2種のCNF−ポリカーボネート複合物から成る成形体1を得ることができる。成形体1は、表面に、解繊度が低く凝集塊Lを含むCNFが分散した複合物で表面層3が形成されていることで、表面硬度が高まり、防傷性・低摩耗性が向上している。また、内部が、解繊度が高く凝集塊Lを含まないCNFが分散した複合物で形成されていることにより、高弾性・高靭性を有しており、構造部材としての強度に優れている。
[第二実施形態]
図5に、成形体1の製造方法の第二実施形態を説明するプロセスフロー図を示す。
本実施形態の製造方法は、以下の工程(1’)〜(4’)を含む。これらのうち、工程(2’)〜(4’)は、前記第一実施形態の工程(2)〜(4)と同様であり、詳細な説明は省略する。
(1’)含セルロース原料からCNFを抽出し、解繊度が高く凝集塊Lを含まないCNFと、解繊度が低く凝集塊Lを含むCNFの2種のCNFを調製する工程。
(2’)前記(1’)で得た2種のCNFをそれぞれ樹脂に分散して第一の複合材料及び第二の複合材料を調製し、ペレット化して2種の樹脂ペレットを調製する工程。
(3’)前記(2’)で得た第一の複合材料の樹脂ペレットを用いて、射出成形により芯材部2を形成する工程。
(4’)前記(3’)で得た芯材部2上に、前記(2’)で得た第二の複合材料の樹脂ペレットを用いて、射出成形により表面層3を形成する工程。
{工程(1’)}
含セルロース原料(例えばアドバンテック東洋(株)製のB5ろ紙を3mm角に切断したもの)から繊維成分を以下の手順で抽出する。
含セルロース原料2gにDMAc50mLとイオン液体(例えば塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム)60gを加えて膨潤(繊維成分の結合の緩和)させる。膨潤した含セルロース原料を含有する処理液を、回転刃式のミキサーを使って攪拌することにより含セルロース原料を解繊する。これにより、CNFを含む溶液(含CNF溶液)が得られる。回転刃式ミキサーは例えばビュッヒ・ラボテクニック社のB−400などの化学分析試料の前処理用に用いられる装置が利用可能である。
本発明人らの実験に基づけば、得られた溶液には平均繊維直径50nmのCNFが含まれるが、短軸方向の直径が例えば平均で700nmの比較的大きなCNFの凝集塊も含まれ、中には短軸方向の直径1,000nm(1μm)以上の凝集塊Lも多数存在する。
次に、得られた含CNF溶液を二つに分け、一方の溶液をさらに攪拌する。ここでは、細胞破砕や試料の乳化などに用いられる(株)マイクロテック・ニチオンのヒストコロンなどの回転式ホモジナイザーが利用可能である。この2回目の攪拌により前工程で残存した大きな凝集塊は破砕され、相対的に解繊度の高いCNFを含む含CNF溶液となる。
次に、撹拌を1回行って得た含CNF溶液、撹拌を2回行って得た含CNF溶液解をそれぞれろ過して、解繊度の異なる2種類のCNFを抽出する。
次に、各CNFを無水酢酸で化学修飾(アセチル化)し、10%程度の化学修飾率を持つA−CNFに加工する。
[第三実施形態]
図6に、成形体1の製造方法の第三実施形態を説明するプロセスフロー図を示す。
本実施形態の製造方法は、以下の工程(1”)〜(4”)を含む。これらのうち、工程(3”)〜(4”)は、前記第一実施形態の工程(3)〜(4)と同様であり、詳細な説明は省略する。
(1”)含セルロース原料からCNFを抽出し、解繊度が低く凝集塊Lを含むCNFを含む溶液を調製する工程。
(2”)前記(1”)で得た溶液を2つに分け、それぞれ、粘度が異なる樹脂溶解物と混合し、乾燥して第一の複合材料及び第二の複合材料を調製し、ペレット化して2種の樹脂ペレットを調製する工程。
(3”)前記(2”)で得た第一の複合材料の樹脂ペレットを用いて、射出成形により芯材部2を形成する工程。
(4”)前記(3”)で得た芯材部2上に、前記(2”)で得た第二の複合材料の樹脂ペレットを用いて、射出成形により表面層3を形成する工程。
{工程(1”)}
含セルロース原料(例えばアドバンテック東洋(株)製のB5ろ紙を3mm角に切断したもの)から繊維成分を以下の手順で抽出する。
含セルロース原料2gにDMAc50mLとイオン液体(例えば塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム)60gを加えて膨潤(繊維成分の結合の緩和)させる。膨潤した含セルロース原料を含有する処理液を、回転刃式のミキサーを使って攪拌することにより含セルロース原料を解繊する。これにより、CNFを含む溶液(含CNF溶液)が得られる。回転刃式ミキサーは例えばビュッヒ・ラボテクニック社のB−400などの化学分析試料の前処理用に用いられる装置が利用可能である。
本発明人らの実験に基づけば、得られた溶液には平均繊維直径50nmのCNFが含まれるが、短軸方向の直径が例えば平均で700nmの比較的大きなCNFの凝集塊も含まれ、中には短軸方向の直径1,000nm(1μm)以上の凝集塊Lも多数存在する。
上述の回転刃式ミキサーによる解繊で得られた含CNF溶液をさらに攪拌(解繊)する。ここでは、細胞破砕や試料の乳化などに用いられる(株)マイクロテック・ニチオンのヒストコロンなどの回転式ホモジナイザーが利用可能である。この2回目の攪拌により前工程で残存した大きな凝集塊は破砕され、相対的に解繊度の高いCNFを含む含CNF溶液となる。
次に、得られた含CNF溶液をろ過してCNFを抽出する。
次に、抽出したCNFを無水酢酸で化学修飾(アセチル化)し、10%程度の化学修飾率を持つA−CNFに加工する。
{工程(2”)}
ポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解させて樹脂溶解物を調製する。このとき、塩化メチレンに対するポリカーボネートの混合比を変えて粘度が異なる2種の樹脂溶解物を調製する。塩化メチレンの量に対するポリカーボネート樹脂の量が相対的に多ければ、溶解物の粘度は高く、逆に低ければ粘度は低くなる。ポリカーボネート樹脂は市販のグレードから適宜選択すればよく、例えば帝人化成のパンライトL−1225Y(標準・低粘度グレード)などが利用可能である。
次に、工程(1”)で得たA−CNFを2つに分け、一方に、上記で調製した樹脂溶解物のうち高粘度のものとジクロロメタンを加えて混合し、乾燥することで、凝集塊Lを含まないCNF−ポリカーボネート複合物(第一の複合材料)を得る。また、他方のA−CNFに、上記で調製した樹脂溶解物のうち低粘度のものとジクロロメタンを加えて混合し、乾燥することで、凝集塊Lを含むCNF−ポリカーボネート複合物(第二の複合材料)を得る。
樹脂溶解物の粘度が高いほど、A−CNFが分散しにくくなる。A−CNFが分散しにくい状態下での混合では、得られるCNF−ポリカーボネート複合物中でA−CNFが再び凝集し、相対的に大きな凝集塊が形成される。そのため、粘度が異なる2種の樹脂溶解物にそれぞれA−CNFを混合すると、含有する凝集塊の大きさが異なるCNF−ポリカーボネート複合物が得られる。
上記の他、塩化メチレン−ポリカーボネート溶解物へのA−CNFの分散度と凝集塊の有無・大きさは、混練に使用するミキサーの運転速度や運転時間によっても調節が可能である。
次に、調製された2種類のA−CNF−ポリカーボネート複合物をそれぞれペレット化する。得られた樹脂ペレットは、そのまま工程(3”)、(4”)の射出成形に供する。或いはCNFを含むマスターバッチ・ペレットとして、CNFを含まない樹脂ペレットに適当な比率で混合した後、工程(3”)、(4”)の射出成形に供することも可能である。
以上、本発明の成形体およびその製造方法を、実施形態例を示して説明したが、本発明はこれらの実施形態例に限定されるものではない。
たとえば、歯車も図1〜2に示す形状のものには限定されない。例えばはす歯や笠歯など各種形状の歯を有する歯車に適用可能である。
また、適用される成形体は歯車には限定されず、種々の成形体に適用できる。本発明は、特に機械装置の構造部品用途において有用である。構造部品としては、歯車のほか、軸受、各種装置の筺体等が挙げられる。
本発明の成形体は、芯材部と表面層との間に、CNFを樹脂中に含有する複合材料からなる中間層を有していてもよい。該中間層は1層でも複数層でもよい。例えば含有するCNFの凝集塊の濃度に傾斜が生じるように、表面層を構成する第一の複合材料よりも凝集塊Lを低濃度で含有する複合材料からなる層を設けてもよい。
成形体の製造方法の具体例としてはポリカーボネート樹脂を使用した例を示したが、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂を用いてもよい。
また、成形方法は射出成形には限定されず、多層構造の成形体の製造に用いられている公知の成形方法を使用できる。このような成形方法としては、例えば圧縮成形やトランスファ成形などが挙げられる。
1 成形体(歯車)
2 芯材部
3 表面層

Claims (3)

  1. セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する複合材料で構成される成形体であって、
    セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する第一の複合材料からなる芯材部と、
    セルロースナノファイバーを前記第一の複合材料の樹脂と同じ樹脂中に含有する第二の複合材料からなり、前記芯材部の表面を被覆する表面層と、
    を備え、
    前記樹脂がポリカーボネート樹脂であり、
    前記第一の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含まず、前記第二の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含むことを特徴とする成形体。
  2. 前記第一の複合材料のセルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバー凝集塊を含まないか、または最小太さが700nm以下のセルロースナノファイバー凝集塊を含有する請求項1に記載の成形体。
  3. セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する複合材料で構成される成形体を製造する方法であって、
    セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する第一の複合材料で芯材部を成形する工程と、
    前記芯材部の表面上に、セルロースナノファイバーを前記第一の複合材料の樹脂と同じ樹脂中に含有する第二の複合材料で表面層を成形する工程と、
    を有し、
    前記樹脂がポリカーボネート樹脂であり、
    前記第一の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含まず、前記第二の複合材料のセルロースナノファイバーが、最小太さが1μm以上のセルロースナノファイバー凝集塊を含むことを特徴とする成形体の製造方法。
JP2012125878A 2012-06-01 2012-06-01 成形体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP6086662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012125878A JP6086662B2 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 成形体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012125878A JP6086662B2 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 成形体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013248824A JP2013248824A (ja) 2013-12-12
JP6086662B2 true JP6086662B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=49847980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012125878A Expired - Fee Related JP6086662B2 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 成形体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6086662B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6895948B2 (ja) 2016-03-31 2021-06-30 古河電気工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物、セルロース強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法、セルロース強化樹脂成形品およびセルロース強化樹脂成形品の製造方法
CN108779310A (zh) 2016-03-31 2018-11-09 古河电气工业株式会社 热塑性树脂组合物、热塑性树脂组合物的制造方法、纤维素增强树脂成型品和纤维素增强树脂成型品的制造方法
EP3438207B1 (en) * 2016-03-31 2023-02-15 Furukawa Electric Co., Ltd. Thermoplastic resin composition, thermoplastic resin composition production method, cellulose-reinforced resin molded product, and cellulose-reinforced resin molded product manufacturing method
EP3677723A4 (en) * 2017-08-29 2021-05-26 Tokyo Rope Manufacturing Co., Ltd. METAL CABLE, PULLEY AND DRUM
WO2019066069A1 (ja) 2017-09-29 2019-04-04 古河電気工業株式会社 成形品
JP7203742B2 (ja) 2017-09-29 2023-01-13 古河電気工業株式会社 成形品
EP3689973A4 (en) 2017-09-29 2021-06-09 Furukawa Electric Co., Ltd. MOLDED BODY
JPWO2019088140A1 (ja) 2017-10-31 2020-09-24 古河電気工業株式会社 成形品
WO2019208514A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 旭化成株式会社 セルロース含有ギヤ
JP6621956B2 (ja) * 2018-04-23 2019-12-18 旭化成株式会社 セルロース含有樹脂製ギア
JP6738938B1 (ja) * 2019-05-27 2020-08-12 古河電気工業株式会社 樹脂成形体
JP7415163B2 (ja) 2020-02-21 2024-01-17 スターライト工業株式会社 樹脂製歯車用組成物及びその射出成形物である樹脂製歯車

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60225316A (ja) * 1984-04-21 1985-11-09 西堀 貞夫 事務機器用オペレーターキーの成形方法
JPH0522331U (ja) * 1991-04-12 1993-03-23 株式会社日本理化工業所 パルプモ−ルドパレツト
JP4025067B2 (ja) * 2001-12-26 2007-12-19 ダイセル化学工業株式会社 セルロース繊維強化樹脂の製造方法
JP2004018700A (ja) * 2002-06-17 2004-01-22 Minebea Co Ltd 低騒音用合成樹脂組成物及びその用途
JP4402333B2 (ja) * 2002-05-01 2010-01-20 出光興産株式会社 二色成形品およびその成形方法
EP1620506B1 (en) * 2003-05-02 2011-03-09 E.I. Du Pont De Nemours And Company Polyesters containing microfibers, and methods for making and using same
JP2005133025A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物
JP2006312688A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Toyota Industries Corp 摺動部材
JP5332210B2 (ja) * 2008-01-16 2013-11-06 三菱化学株式会社 セルロース繊維複合材料及びその製造方法
JP5327024B2 (ja) * 2009-12-03 2013-10-30 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 放熱部付き二色成形品及び発熱体付き機器
EP2511346B1 (en) * 2009-12-11 2016-09-07 Kao Corporation Composite material
JP5413167B2 (ja) * 2009-12-11 2014-02-12 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 パネルの成形方法
JP2011140632A (ja) * 2009-12-11 2011-07-21 Kao Corp 複合材料
JP5677754B2 (ja) * 2010-03-05 2015-02-25 オリンパス株式会社 セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013248824A (ja) 2013-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6086662B2 (ja) 成形体およびその製造方法
Lundahl et al. Spinning of cellulose nanofibrils into filaments: a review
WO2013031391A1 (ja) セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
WO2013031444A1 (ja) セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
Sheng et al. High-toughness PLA/Bamboo cellulose nanowhiskers bionanocomposite strengthened with silylated ultrafine bamboo-char
JP5677754B2 (ja) セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
Liu et al. Bamboo fiber and its reinforced composites: structure and properties
JP5838868B2 (ja) セルロースナノファイバーフィルム
EP3508623A1 (en) Graphene composite ultra-high molecular weight polyethylene fiber and preparation method thereof
EP2905291B1 (en) Method for producing cellulose nanofibers
Bandyopadhyay-Ghosh et al. The use of biobased nanofibres in composites
Lei et al. Influence of nanocrystalline cellulose extracted from different precursors on properties of polyurethane elastomer composites
JP2012167202A (ja) 複合樹脂組成物及び成形体
Ahsan et al. On the use of nano fibrillated kenaf cellulose fiber as reinforcement in polylactic acid biocomposites
Yang et al. Fabrication of renewable gutta percha/silylated nanofibers membrane for highly effective oil-water emulsions separation
Kang et al. Multiwalled carbon nanotube pretreatment to enhance tensile properties, process stability, and filler dispersion of polyamide 66 nanocomposites
JP6520619B2 (ja) 微細繊維状セルロース含有物
Mahmoudian et al. Bionanocomposite fibers based on cellulose and montmorillonite using ionic liquid 1-ethyl-3-methylimidazolium acetate
Mathew et al. Isora fibre: a natural reinforcement for the development of high performance engineering materials
De La Cruz Natera et al. Polylactic acid effectively reinforced with reduced graphitic oxide
Rahimi et al. Green hybrid composites from cellulose nanocrystal
JP2013221132A (ja) 樹脂多孔質体及びその製造方法
JP2019178267A (ja) 複合体及びその製造方法
Saba et al. A Review on Nano Fibre Technology in Polymer Composites.
Long et al. Novel nanocellulose-microcrystalline cellulose complex with hierarchical structure reinforcing polylactic acid as 3D printing materials

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170131

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6086662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees