JP2004018700A - 低騒音用合成樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

低騒音用合成樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差が小さく、スティック−スリップ(stick−slip)現象を起こしにくく、その結果スティック−スリップ(stick−slip)による騒音を引き起こさない、低騒音用合成樹脂組成物及びその用途を提供する
【解決手段】RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散した低騒音用合成樹脂組成物及びこれで成型した機械要素。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、スティック−スリップ(stick−slip)現象が起きにくい低騒音用合成樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
まず、スティック−スリップ(stick−slip)現象について説明する。ある材料でできた円盤1上で、軸受4により回転自在に保持されたステイック2の先端部2’に一定荷重Wをかけ、ステイック2の中間部にバネ3を固定して、駆動装置5により円盤1を矢印方向に回転させる装置を図1〜図2に示す。
駆動装置5により円盤1の回転が始まると、円盤1とスティック2の先端部2’の接触面において、静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差により、スティック2は静止位置Aからバネ3の力と釣り合ったところのAに移動して、安定状態になる。さらに静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)のが大きい場合は、Aを越えてに、Aまで行きバネ3に定常値以上の歪が加えられると、バネの復元力によりA−1の位置まで戻され、ついでAに戻る。
この状態のまま、円盤1を回転させ続けると、スティツク2は、A−1の間で同じことを繰り返すこととなり、スティツク2は振動し、騒音を発生する。
この現象は、静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差により、引き起こされる現象であり、樹脂組成物を機械要素に成型したとき、その機械要素を用いた機械装置の騒音となって現れる。
ポリアセタールなどのエンジニアリングプラスチックを用いて、OA機器、自動車用品、機械分野などで、歯車、カム、軸受などの部品の樹脂化が進められ、軽量化、コストダウンに大きく貢献してきた。しかし、摺動時に発生する騒音が大きいため、これを防止すべく、グリースを塗布したり、樹脂自体の弾性率を低下させることが試みられた。前者はグリースの飛散による周辺メカへの汚染の危険性、後者は高トルク、強度低下、性能低下問題があり、摺動時に発生する騒音の問題は解決していない。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリアセタールなどのエンジニアリングプラスチックにおいて、静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差が小さく、スティック−スリップ(stick−slip)現象を起こしにくく、その結果スティック−スリップ(stick−slip)による騒音を引き起こさない、騒音防止用合成樹脂組成物を提供する。
本発明の第一発明者である堀切川 一男は、以下に説明するように、米ぬかから得られる脱脂ぬかを利用して新しい炭素材料であるRBセラミックス(以下RBCという。)及びCRBセラミックス(以下CRBCという。)を開発した。
日本において90万トン/年、世界中で3300万トン/年も排出されている米ぬかを利用して、多孔質炭素材料を得ようとすることは、堀切川 一男の研究により知られている。(機能材料 1997年 5月号 Vol.17 No.5
p24〜28参照)
ここには、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂を混合して混錬し、加圧成型した成型体を乾燥させた後、乾燥成型体を不活性ガス雰囲気中で焼成した炭素材料であるRBセラミックス及びその製造方法が示されている。熱硬化性樹脂は、熱硬化しさえすればどのようなものでも良く、代表的にはフェノール系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂が挙げられる。とくにフェノール系樹脂が好適に用いられる。 脱脂ぬかと熱硬化性樹脂の混合割合は、質量比で、50〜90:50〜10であるが、好適には75:25 が用いられる。
焼成温度は、700℃〜1000℃であり、通常はロータリーキルンが用いられ、焼成時間は約40分から120分である。
RBセラミックスをさらに改良した炭素材料であるCRBセラミックスは、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂とから得られるRBセラミックスの改良材であって、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂を混合して混錬し、不活性ガス中700℃〜1000℃で一次焼成した後、100メッシュ程度以下に粉砕して炭化粉末とし、該炭化粉末と熱硬化性樹脂を混合して混錬し、圧力20MPa〜30MPaで加圧成型した後、成型体を不活性ガス雰囲気中で再び300℃〜1100℃で熱処理して得られる黒色樹脂ないし多孔質セラミックスである。
【0004】
RBC及びCRBCは、次のような優れた特徴を持っている。
・硬度が高い。
・膨張係数が非常に小さい。
・組織構造がポーラスである。
・電気伝導性を有する。
・比重が小さく軽い。
・摩擦係数が非常に小さい。
・耐摩耗性に優れる。
・材料が米ぬかで地球環境への悪影響が少なく、省資源に繋がる。
本発明においては、RBC及びCRBCを平均粒子径300μm以下、好ましくは20〜150μmに微粉末化して用い、合成樹脂と混合することにより得られる合成樹脂組成物が、特異的な摩擦特性を有することを見出し、特定の用途に利用する技術に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、RBC(RBセラミックス)又はCRBC(CRBセラミックス)の特異性に着目し、鋭意研究した結果、 RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散し、とくに、RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、30〜90:70〜10とし、この合成樹脂組成物を成型すると、その表面の静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差を小さく出来ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
典型的には、本発明の低騒音用合成樹脂組成物は、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂の融点付近の温度で、上記の割合で混合し、混錬することにより、RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散することにより得られる。
【0006】
【本発明の実施の形態】
本発明において用いるRBC又はCRBCの微粉末は、通常、平均粒子径300μm以下のものが用いられる。特に平均粒子径20〜150μmのものが、摩擦係数の良い表面状態を作り出し、低騒音用合成樹脂組成物として適している。
【0007】
本発明において用いることが出来る合成樹脂としては、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、POM、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、ナイロン6(ポリカプラミド)、ナイロン11(ポリウンデカンアミド)、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。とくに、POM、ナイロン66、ナイロン11、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が好ましく用いられる。これら熱可塑性樹脂は、1種でも2種以上を混合して用いても良い。
【0008】
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を併用することも出来る。このような熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂などが挙げられる。
合成樹脂の添加割合は、RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、30〜90:70〜10であることが必要である。合成樹脂の添加割合が70質量%を超えると、静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差が大きくなり、10質量%以下では、成型が難しくなる。
【0009】
成型は、通常、押出成型または射出成型で行われる。
また、金型の温度をやや低めに設定すると良いことが解っている。基本的には合成樹脂のガラス転移点ないし融点の範囲の温度が良い。さらに、金型は、急冷するよりも徐冷する方が、良い表面状態の成型物が得られることがわかっている。
合成樹脂組成物中に、グラスファイバー、ロックウール、カーボン繊維等の無機質繊維、ポリエステル、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイン、アクリル等の合成繊維又は木材パルプ、マニラ麻等の天然パルプ繊維を添加して、成型物の強度を高めることが出来る。
【0010】
本発明の低騒音用合成樹脂組成物は、任意の形状に成型することができ、機械要素のあらゆるところに適用することができる。例えば、ネジ、軸受(滑り軸受、転がり軸受)、軸継手、カム機構、シリンダとピストン、歯車、摩擦車、ベルトとプーリ、チエーンとスプロケット、弁、管などが挙げられる。
【0011】
本発明の実施の形態をまとめると、以下のとおりである。
(1)RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散した低騒音用合成樹脂組成物。
(2) RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、30〜90:70〜10である上記1に記載した低騒音用合成樹脂組成物。
(3) 合成樹脂が、ポリアセタール、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンから選ばれる樹脂の1種又は2種以上である上記1又は上記2に記載した低騒音用合成樹脂組成物。
(4) RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、300μm以下である上記1ないし上記3のいずれかひとつに記載した低騒音用合成樹脂組成物。
(5) RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、20〜150μmである上記4に記載した低騒音用合成樹脂組成物。
(6) 無機質繊維、合成繊維、天然パルプ繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維を含む上記1ないし上記5のいずれかひとつに記載した低騒音用合成樹脂組成物。
(7) 上記(1)〜(6)の低騒音用合成樹脂組成物を用いて成型した機械要素成型物。
(8) 機械要素が、ネジ、軸受(滑り軸受、転がり軸受)、軸継手、カム機構、シリンダとピストン、歯車、摩擦車、ベルトとプーリ、チエーンとスプロケット、弁、管のいずれかひとつである上記7に記載した機械要素成型物。
【0012】
(実施例)
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例1
(RBC微粉末の製造)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75Kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25Kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中900℃で120分焼き上げ、得られた炭化焼成物をついで170メッシュの篩にかけて、平均粒径が145〜155μmであるRBC微粉末を得た。
(RBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
得られたRBC微粉末(平均粒子径150μm)500g、ポリアセタール樹脂(POM)ペレット500gを180℃〜230℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリアセタール樹脂(POM)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。190℃の温度で金型(115℃〜135℃)に圧入し、厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図3に示す。
【0013】
実施例2
(RBC微粉末の製造)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75Kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25Kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中1000℃で120分焼き上げ、得られた炭化焼成物をついで170メッシュの篩にかけて、平均粒径が145〜155μmであるRBC微粉末を得た。
(RBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
得られたRBC微粉末(平均粒子径150μm)200g、ポリアセタール樹脂(POM)ペレット800gを180℃〜200℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の作成)
RBC微粉末とポリアセタール樹脂(POM)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。190℃の温度で金型(115℃〜135℃)に圧入し、厚さ厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図3に示す。
【0014】
実施例3
(RBC微粉末の製造)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75Kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25Kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中900℃で120分焼き上げ、得られた炭化焼成物を、さらに粉砕し、800メッシュの篩にかけて、平均粒径が30μmであるRBC微粉末を得た。
(RBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
得られたRBC微粉末(平均粒子径30μm)500g、ポリアミド(ナイロン66)ペレット500gを260℃〜280℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリアミド(ナイロン66)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。270℃の温度で金型(130℃〜150℃)に圧入し、厚さ厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図4に示す。
【0015】
実施例4
(RBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
実施例3で得られたRBC微粉末(平均粒子径30μm)300g、ポリアミド(ナイロン66)ペレット700gを260℃〜280℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリアミド(ナイロン66)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。270℃の温度で金型(110℃〜130℃)に圧入し、厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図4に示す。
【0016】
実施例5
(RBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
実施例1で得られたRBC微粉末(平均粒子径150μm)300g、ポリアミド(ナイロン66)ペレット700gを260℃〜280℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリアミド(ナイロン66)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。270℃の温度で金型(130℃〜140℃)に圧入し、厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図4に示す。
【0017】
実施例6
(RBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
実施例2で得られたRBC微粉末(平均粒子径150μm)300g、ポリアミド(ナイロン66)ペレット700gを260℃〜280℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。次いで、グラスファイバー繊維100g混入し、均一になるまで混合した。
(試験片の成型)
RBC微粉末とグラスファイバー繊維とポリアミド(ナイロン66)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。270℃の温度で金型(130℃〜140℃)に圧入し、厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図5に示す。
【0018】
実施例7(CRBC微粉末の製造)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中で900℃で100分焼き上げた。得られた炭化焼成物を、粉砕機を用いて粉砕し、ついで100メッシュの篩にかけて、平均粒径が240μm〜260μmのRBC微粉末を得た。
得られたRBC微粉末75Kgと固体状のフェノール樹脂(レゾール)50Kgを50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
次いで、可塑物を圧力22MPaで直径約1cmの球形に加圧成型した。金型の温度は150℃であった。
金型から成型体を取り出し、窒素雰囲気中で500℃までは2℃/分の昇温速度で温度を上げ、500℃で60分間保持し、900℃で約120分焼成した。
次いで500℃までは2〜3℃/分の冷却速度で、温度を下げ、500℃以下になると自然放冷した。
得られたCRBC成型物を、粉砕機を用いて粉砕し、170メッシュの篩にかけて、平均粒径が145〜155μmであるCRBC微粉末を得た。
(CRBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
得られたCRBC微粉末(平均粒子径150μm)600g、ポリアミド(ナイロン11)ペレット400gを190℃〜200℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリアミド(ナイロン11)を溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。200℃の温度で金型(90℃〜110℃)に圧入し、厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図6に示す。
【0019】
実施例8(CRBC微粉末の製造)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中で950℃で120分焼き上げた。得られた炭化焼成物を、粉砕機を用いて粉砕し、ついで100メッシュの篩にかけて、平均粒径が240μm〜260μmのRBC微粉末を得た。
得られたRBC微粉末65Kgと固体状のフェノール樹脂(レゾール)35Kgを50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
次いで、可塑物を圧力22MPaで直径約1cmの球形に加圧成型した。金型の温度は150℃であった。
金型から成型体を取り出し、窒素雰囲気中で500℃までは3℃/分の昇温速度で温度を上げ、500℃で30分間保持し、1000℃で約120分焼成した。
次いで500℃までは2〜3℃/分の冷却速度で、温度を下げ、500℃以下になると自然放冷した。
得られたCRBC成型物を、粉砕機を用いて粉砕し、170メッシュの篩にかけて、平均粒径が145〜155μmであるCRBC微粉末を得た。
(CRBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
得られたCRBC微粉末(平均粒子径150μm)600g、ポリブチレンテレフタレート粉末400gを240℃〜260℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリブチレンテレフタレートを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。260℃の温度で金型(80℃〜100℃)に圧入し、厚さ3mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図7に示す。
【0020】
実施例9
(CRBC微粉末と合成樹脂混合物の作成)
実施例8で得られたCRBC微粉末(平均粒子径150μm)700g、ポリプロピレン粉末300gを190℃〜210℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
(試験片の成型)
RBC微粉末とポリプロピレンを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とした。220℃の温度で金型(80℃〜90℃)に圧入し、厚さ5mmφ50mmの試験片を作成した。
(摩擦特性の測定)
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−0.01m/sについて)、エステル系潤滑油下、ボールSUJ2φ2mmを用いて、摩擦特性(摩擦係数、すべり速度)を計測した。
その結果を図8に示す。
【0021】
【本発明の効果】
図3〜図8の結果からも明らかなように、本発明のRBC又はCRBCの微粉末を含む合成樹脂組成物が、静止摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)の差が小さく、スティック−スリップ(stick−slip)現象を起こしにくい材料であることが確認でき、低騒音用合成樹脂組成物として、各種の機械要素を成型できる幅広い用途をもつものであることが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】スティック−スリップ(stick−slip)の装置斜視図
【図2】装置の断面図
【図3】ポリアセタール成型物の摩擦特性図
【図4】ポリアミド(ナイロン66)成型物の摩擦特性図
【図5】グラスファイバー入りポリアミド(ナイロン66)成型物の摩擦特性図
【図6】ポリアミド(ナイロン11)成型物の摩擦特性図
【図7】ポリブチレンテレフタレート成型物の摩擦特性図
【図8】ポリプロピレン成型物の摩擦特性図
【符号の説明】
1 円盤
2 スティック
2’スティック先端部
3 バネ
4 軸受
5 駆動装置

Claims (8)

  1. RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散した低騒音用合成樹脂組成物。
  2. RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、30〜90:70〜10である請求項1に記載した低騒音用合成樹脂組成物。
  3. 合成樹脂が、ポリアセタール、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンから選ばれる樹脂の1種又は2種以上である請求項1又は請求項2に記載した低騒音用合成樹脂組成物。
  4. RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、300μm以下である請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載した低騒音用合成樹脂組成物。
  5. RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、20〜150μmである請求項4に記載した低騒音用合成樹脂組成物。
  6. 無機質繊維、合成繊維、天然パルプ繊維から選ばれる1種又は2種以上の繊維を含む請求項1ないし請求項4のいずれかひとつに記載した低騒音用合成樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6の低騒音用合成樹脂組成物を用いて成型した機械要素成型物。
  8. 機械要素が、ネジ、軸受(滑り軸受、転がり軸受)、軸継手、カム機構、シリンダとピストン、歯車、摩擦車、ベルトとプーリ、チエーンとスプロケット、弁、管から選ばれるひとつである請求項7に記載した機械要素成型物。
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