JP5930129B2 - I型結晶含有再生セルロース長繊維 - Google Patents

I型結晶含有再生セルロース長繊維 Download PDF

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Description

セルロース原料をイオン液体に溶解して、紡糸により溶媒中で再析出させることにより得られる再生セルロース繊維において、I型結晶構造を調節して得る再生セルロース長繊維、及びその製造方法に関する。I型結晶構造を調節して紡糸することが可能となることから、所望の強度と弾性率の再生セルロース長繊維を得ることができるので、ガラス繊維の代替となるような高強度かつ高弾性再生セルロース長繊維を得ることが可能となる。
プラスチックの機械的特性と剛性を高めるために、ガラス繊維等の無機フィラーを配合した繊維強化複合材料が自動車部品、スポーツ用品、建材、雑貨等、様々な分野で使用されている。
軽量高強度材料として用いられてきたガラス繊維強化複合材料は、使用中は優れた特性を発揮する。しかしながら、強化繊維としてガラス繊維を用いると、廃棄時に残渣が生じることから環境への負荷が大きいことが問題となっている。
そこで、高い機械的特性、寸法安定性、低熱膨張、低比重といった優れた特性を有するセルロースを複合材料の強化繊維として利用する価値が見出されている。セルロースは、植物由来であり生分解性を有することから、廃棄時に残渣が生じることがなく、生産、廃棄に関する環境負荷が小さい。
機械的特性の高い繊維強化複合材料を得るために、セルロース系の天然繊維である綿や麻、ケナフ、竹などを強化繊維として用いることも検討されているが、強度のバラつきが多く、また、短繊維であるために全ての用途に応用できないなどの問題が生じていた。そのため、セルロース純度が高く、品質が安定しており、長繊維として製造することができる再生セルロース繊維が、ガラス繊維に替わる繊維強化複合材料用の強化繊維として求められている。
セルロース繊維の機械的特性は、含まれるセルロースの結晶構造によることが知られている。セルロースは様々な結晶構造をとることが知られているが、結晶構造は天然繊維に含まれるI型と再生セルロース長繊維等に含まれるII型に大きく分類することができる。I型は、Iα、Iβ、III型という結晶構造に細分され、II型はII、IIIII、IVIIという結晶構造に細分される。さらに、結晶構造を形成していない非晶質部分があることも知られている。
セルロースのI型結晶構造は、多くの植物の細胞壁やバクテリアセルロースなどに含まれる結晶構造であり、人工的に合成することはできない。セルロースI型結晶構造を含む天然のセルロースは一般に強度・弾性率が高いが、これは、I型結晶構造に由来している。
工業的に生産されている再生セルロース長繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維等が知られおり、それらは大部分がII型結晶構造と非晶質構造から形成されている。そのため、いずれの再生セルロース長繊維を用いても機械的特性の高い複合材料を製造することが困難であった。
また、上記の再生セルロース長繊維は、いずれも毒性の強い溶媒、あるいは、爆発等の危険性の高い溶媒を用いる等、製造工程に危険性を伴っている。そのため、安全性及び生産性が高く、かつ強度や弾性率の高い再生セルロース長繊維の製造方法が求められていた。
近年、セルロース長繊維を安全性及び生産性高く製造する方法として、セルロース原料をイオン液体に溶解し、得られた原料溶液を、該イオン液体と相溶性がありセルロースが不溶の液体中に押し出すことにより凝固させて紡糸する方法が開発されている。(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2008−248466号公報 特開2009−203467号公報 特開2012−21048号公報
B.G.Ranby, Acta Chem. Scand. (1952), Vol. 6, p.116
キュプラ等の従来の再生セルロース長繊維を製造する方法においても、イオン液体に溶解し再生セルロース長繊維を製造する方法においても、これまで結晶分率を調節して原料溶液を調製し、紡糸するということは今までに行われていない。
上述のようにI型結晶構造がセルロースの強度及び弾性率を高めることから、I型結晶構造を含んだ原料溶液を用いて紡糸することができれば、強度及び弾性率の高い再生セルロース長繊維を得ることができるものと考えられる。しかしながら、これまでガラス繊維代替材料となり得るほどの強度、弾性率を有するI型結晶構造を含有するような再生セルロース長繊維は得られていない。
本発明は、高強度かつ高弾性再生セルロース長繊維を、イオン液体に溶解し、紡糸することにより、安全性及び生産性高く得ることを課題とする。
本発明のI型結晶含有再生セルロース長繊維は、I型結晶分率が0.5%以上〜25%以下であり、かつ、平均重合度が800以上〜1000以下であって、繊維長が15cm以上であることを特徴とする。
セルロースにはI型結晶が含まれており、I型結晶分率と強度や弾性率との関係も報告されていた。しかしながら、I型結晶分率を調整して、再生セルロース長繊維を紡糸することは本発明者らが初めて試みたことであり、その結果、高強度かつ高弾性率の再生セルロース長繊維を得ることに成功した。
I型結晶分率が0.5%以上〜25%以下の範囲であれば、紡糸性が良く、かつ所望の強度及び弾性率の再生セルロース長繊維を紡糸することができる。これまでI型結晶を所望の割合で含有することにより、高強度かつ高弾性率の再生セルロース長繊維を紡糸するという技術的思想はなかった。
本発明のI型結晶構造含有再生セルロース長繊維は、繊維径が10μm以上〜50μm以下であることを特徴とする。
繊維径が10μm以上〜50μm以下であれば、I型結晶分率を調整することにより、高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を得ることができるからである。
本発明のI型結晶構造含有再生セルロース長繊維は、比熱が1.00J/g・K以上〜2.00J/g・K以下であることを特徴とする。
比熱が上記範囲であれば、強度が0.42GPa以上、弾性率が24GPa以上の高強度かつ高弾性再生セルロース長繊維を得ることができるからである。
紡糸した再生セルロース長繊維の比熱を測定したところ、強度、弾性率と相関があることが認められた。比熱と強度、弾性率とが相関する機構については明らかではない。しかし、I型結晶構造を有するセルロースの比熱が小さいことから、I型結晶構造が存在している割合が多いと比熱が小さくなるものと考えられる。また、繊維径が細い繊維を紡糸することにより結晶化度、結晶配向度が高くなることも、比熱の値に影響しているものと考えられる。
本発明による再生セルロース長繊維では、比熱が1.00J/g・K以上〜2.00J/g・K以下の範囲であれば、キュプラやリヨセルのような従来の再生セルロース長繊維と同等以上の強度かつ弾性率の再生セルロース長繊維を得ることができる。
本発明のI型結晶構造含有再生セルロース長繊維は、セルロース原料を1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドのみに溶解して、紡糸することにより得られる。
1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドのみによりセルロース原料を溶解し、セルロース溶液を得る場合には、温度や時間を調節することにより、セルロース原料に含まれるI型結晶構造を残し、紡糸性良く再生セルロース長繊維を製造できる。
本発明のI型結晶含有再生セルロース長繊維の製造方法は、セルロース原料を1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドのみに溶解して、紡糸することにより再生セルロース長繊維を得る方法であって、セルロース原料をI型結晶分率が0.5%以上〜25%以下、かつ、平均重合度が800以上〜1000以下となるように溶解し、紡糸することを特徴とする。
セルロース原料を1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドのみを用い、温度、時間等の溶解条件を調節して溶解することによって、所望の割合でI型結晶構造を保持したまま、紡糸可能な原料溶液を調製することができる。そのため前記原料溶液を用いて、セルロースI型結晶構造が残存した高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を紡糸することが可能である。
また、本発明のI型結晶構造含有再生セルロース長繊維の製造方法は、繊維径が10μm以上〜50μm以下になるように紡糸することを特徴とする。
繊維径が細いほど、高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維が紡糸できることは、本発明者らがすでに見出していることであるが、I型結晶を原料溶液に含有している場合には、10μm以上〜50μm以下になるように繊維を紡糸することにより、紡糸性良く、高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を得ることが可能である。
また、本発明の成形体は、前記I型結晶構造含有再生セルロース長繊維樹脂中に含有する複合樹脂組成物からなることを特徴とする。
I型結晶構造を含有する再生セルロース長繊維を強化繊維として樹脂中に含有してなる複合樹脂組成物を成形することによって、機械的特性の高い成形体を製造することが可能となる。
なお、複合樹脂組成物用強化繊維の形状としては、長繊維から得られるヤーン、ストランド、織物、チョップドストランド、ロービング、ミルドファイバー、組布、編布、不織布、マット、三軸組布、四軸組布等、どのようなものを用いても良い。
また、複合樹脂組成物に含まれる樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂等、どのようなものを用いても良い。
以下、実施例を示しながら本発明を説明する。本発明で高強度かつ高弾性再生セルロース長繊維というのは、繊維長が15cm以上であり、強度0.42GPa、弾性率24GPa以上のものをいう。
[再生セルロース長繊維の製造方法]
本発明の再生セルロース長繊維は、セルロース原料をイオン液体に溶解して原料溶液を得て、原料溶液をイオン液体が可溶であると共にセルロースが不溶である液中に押し出して、原料溶液に含まれるセルロースを凝固させて製造する。
セルロース原料としては、I型結晶構造を含有していれば基本的にどのようなものでも良く、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、コットン、コットンリンター、麻等の天然セルロース原料、紙を用いることができる。その中でも溶解パルプのような精製されたセルロース原料はセルロース含量が多いことなどから好ましい。さらに溶解パルプの原料は、竹やコットンリンターなどの高重合度セルロース原料が高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を得るためにより好ましい。
セルロース原料のセルロース含有量が高いと、油脂分やリグニン、ヘミセルロース等の夾雑物が少なく、溶解性や紡糸性を阻害しない。また、セルロース原料の平均重合度は、得られる繊維の強度、弾性率を考慮すると、最低500以上が好ましく、溶解性から5000以下が望ましい。
イオン液体としては、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ピリミジニウム系イオン液体等を用いることができる。好ましくは、イミダゾリウム系イオン液体である。
イミダゾリウム系イオン液体としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチル−ホスフェート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド等のイミダゾリウム系イオン液体を挙げることができる。
より好ましくは、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチル−ホスフェートを挙げることができる。
これらのイオン液体を用いることにより、平均重合度1000以上の比較的大きな重合度のセルロース原料も容易に溶解することができる。セルロース原料の平均重合度及び水分率、またイオン液体の種類及び水分率、セルロース濃度や溶解量によって、溶解時間や溶解温度を調整し、所望のI型結晶分率になるように溶解すればよい。
加熱手段は任意であるが、オーブンによる加熱、水浴や油浴による加熱、マイクロウェーブによる加熱等、一般的な加熱手段を用いることができる。
また、加熱にあたっては、セルロース原料の溶解を促進するために、攪拌を行うことが好ましい。攪拌手段も任意であり、攪拌子や攪拌はねによる機械的攪拌、容器の振とうによる攪拌、超音波照射による攪拌など、公知の攪拌法の中から、スケール等に応じて適切な手段を採用すればよい。
セルロース原料をイオン液体に溶解して得られた原料溶液は、そのまま後の工程に用いてもよく、ろ過してから用いてもよい。
また、得られた溶液は即時に使用してもよいが、成形性、並びに成形物の強度及び可とう性を維持できる限り、所定時間保存した後に使用してもよい。特に溶解後、25℃以下の吸湿を防ぐことが可能な環境であれば長期間保存することができる。
溶解した原料溶液は凝固液中にノズルから押出すことにより紡糸する。凝固液は、0℃〜100℃の範囲の温度の水、又は−40℃〜100℃の範囲の温度の低級アルコールであることが好ましい。経済性及び作業性を考えると水を用いることが好ましい。なお、低級アルコールとは炭素数1〜5のアルコールをいう。
[再生セルロース長繊維の物理的性質の測定]
上記方法により得られた再生セルロース長繊維の物理的特性は以下の方法で測定した。
(繊維径)
繊維径は、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S−3400N)により測定した。再生セルロース長繊維切片(繊維長20mm)から10点の繊維径を測長し、その平均値を繊維径とした。なお、本明細書中で「繊維径」とは平均繊維径を意味する。
(強度、弾性率)
強度、弾性率は、引張試験機(オリエンテック製、TENSILON RTC−1150A)を用い、試験片長:50mm、引張試験速度:5mm/mIn、ロードセル荷重:2Nの条件で試験を行った。試験片は110℃、1時間、絶乾処理を行い、デシケータ内で乾燥された状態で保管し評価を行った。
(比熱測定)
比熱は示差走査熱量計(SII製、DSC6220)を用いて測定した。測定のための容器にはアルミ製密閉容器を用いた。試験片は繊維を粉状にしたものを5.0mg用いた。また、標準物質は5.3mgのα-アルミナを用いた。測定温度範囲は30℃から200℃までとし、昇温速度は毎分5℃とした。
試験片の比熱は、試験片の質量と、標準物質の質量と、空の容器と試験片を入れた容器との測定で得たDSC曲線差と、空の容器と標準物質を入れた容器との測定で得たDSC曲線差と、α-アルミナの比熱とから、下式により算出した。アルミナの比熱(Cpr)は、0.871J/g・Kで計算した。なお、表2〜4の結果は350Kでの熱容量値を示す。
Cps=(Ys/Yr)×(Mr/Ms)×Cpr
Cps:試験片の比熱
Cpr:標準物質の比熱
Ys:空容器と試験片のDSC曲線差
Yr:空容器と標準物質のDSC曲線差
Mr:標準物質質量
Ms:試験片質量
(I型結晶分率)
I型結晶分率は、次のように算出した。まず、原料溶液を蒸留水で再析出させ、熱風乾燥し粉砕したサンプルを得た。このサンプルをX線回折測定に供した。 装置はリガク社製、MultI Flexを用い、反射法で行った。測定条件は以下の通りである。試料台にサンプルを載せ120rpmで試料台を回転させながら、X線を照射し、5°〜40°の測定範囲を測定速度1°/mInで測定した。検出器はシンチレーションカウンターを用いた。
次に、得られた回折プロファイルを基にRanbyが定義した方法(非特許文献1参照)で、下式のようにII型結晶分率を算出した。
rII=2III/(I+2III)×100
+2III=1.0
rII:セルロースI型とII型が混在する場合のII型結晶分率
:I型結晶(1,−1,0)及び(1,1,0)由来の回折強度(2θ=14.9°付近、16.6°付近)
II:II型結晶(1,−1,0)由来の回折強度(2θ=12.5°付近)
次に、II型以外をI型とし、下式によりI型結晶分率を求めた。
rI=100− IrII
rI:セルロースI型とII型が混在する場合のI型結晶分率
なお、測定サンプルとして紡糸した繊維を用いた場合、結晶化度及び結晶配向度の変化により、I型結晶分率の値に対して5%の範囲で変化する。
[I型結晶構造を含む原料溶液の調製]
本発明者らは、イオン液体を用いてセルロース原料を溶解することにより、温度、時間等の溶解条件によって、原料溶液中に含まれるセルロースI型結晶分率を調節することができることを見出した。
表1に1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドを用い、60℃で溶解時間を変えて溶解を行った際のI型結晶分率の割合を示す。試料1〜10で示すように、溶解時間を変えることにより、I型結晶分率及び平均重合度を調節した原料溶液を調製することができる。ここでは、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドを用いているが、他のイオン液体を用いた場合でも、溶解温度、溶解時間を変えることによって、I型結晶分率を調節することができる。
溶解条件を変えて、I型結晶分率を調節した原料溶液を作製することは本願発明者らが初めて見出したことである。I型結晶分率を調節することはイオン液体を用いて原料溶液を調製することにより初めて達成することができたものであり、他の調製方法では達成することができなかった。
重合度は平均重合度を表し、表中「−」は測定していないことを示す。しかしながら、同一のイオン液体を用い、温度同一で溶解した場合には、溶解時間と平均重合度の間には相関があることは確認している。
また、試料9、10はI型結晶分率は0.1%と同じであるが、試料10の方が溶解時間が長いため平均重合度はより小さくなっている。
なお、平均重合度は、再生セルロース繊維をセルローストリカルバニレートに誘導体化し、テトラヒドロフランに溶解させ、GPCで分子量分布を測定した。
本願発明者らはすでに、繊維径によって強度、弾性率が変化することを見出しており、繊維径が細いものほど、高強度かつ高弾性になることを明らかにしている。したがって、繊維径をほぼ一定にして、強度及び弾性率を比較、検討する必要がある。まず、繊維径30μm程度と比較的太い長繊維になるように試料1〜10の原料溶液を紡糸し、得られた繊維長が10m以上の再生セルロース長繊維について、I型結晶分率の違いによって強度及び弾性率がどのように変わるかの解析を行った。結果を表2に示す。
(紡糸性の評価)
×:紡糸不可能
△:長繊維を紡糸可能だが、糸切れが発生することがある
○:長繊維を連続紡糸可能だが、まれに糸切れが発生することがある
◎:糸切れすることなく連続的に安定した長繊維の紡糸が可能
なお、原料溶液を用いて紡糸した長繊維のうち、本発明の強度及び弾性率を満たした、試料1〜8を用いて紡糸した再生セルロース長繊維を実施例1〜8とし、強度及び弾性率を満たさなかった試料9、10で紡糸した再生セルロース長繊維を参考例9、10、比較試料1、2で紡糸した再生セルロース長繊維を比較例1、2とする。
試料1〜8の原料溶液を用いて紡糸した実施例1〜8の再生セルロース長繊維は、強度が0.42GPa以上、弾性率が24GPa以上と、現在市販されており、機械的特性が強いといわれているリヨセルやキュプラ等の再生セルロース長繊維と同程度以上の強度及び弾性率であった。
繊維径が30μm程度と比較的太い場合においても、I型結晶分率0.3%以上〜35%以下の範囲であれば、強度0.42GPa、弾性率24GPaの再生セルロース長繊維を紡糸することができる。
特に、試料1〜6の原料溶液、すなわち、I型結晶分率1.0%以上35%以下の試料を用いて紡糸した実施例1〜6では、強度が0.55GPa以上、弾性率が30.0GPa以上と、高強度・高弾性な再生セルロース長繊維を実現できた。
一方、繊維径が30μmと比較的太い場合、I型結晶分率が0.1%以下の試料9、10の原料溶液で紡糸した再生セルロース長繊維(参考例9.10)では所望の強度及び弾性率を出すことができない。
また、比較例1で示すようにI型結晶分率40%以上では繊維径が30μm程度と比較的太い場合であっても、紡糸性が悪く、繊維化することができない。
しかし、繊維径が50μmより太い繊維であれば、I型結晶分率が高い試料であっても紡糸性の点では問題を生じなかった。そこで、試料1、試料3の溶液を用いて紡糸し、強度、弾性率を測定した。その結果、I型結晶分率が31.5%の試料1を用いた場合には、繊維径51.6μmの繊維で、強度0.31GPa、弾性率17.9GPa、I型結晶分率が15.3%の試料3を用いた場合には、繊維径55.1μmの繊維で、強度0.26GPa、弾性率14.6GPaであり、いずれも高強度、高弾性率の繊維を得ることができなかった。したがって、平均繊維径は50μm以下とすることが好ましい。
さらに、比較例2のように完全にセルロース原料を溶解させ、I型結晶構造を全く含まない場合は、強度も弾性率も、ともに高い再生セルロース長繊維を紡糸することができない。
本願発明者らは、上述のように、すでに繊維径と強度や弾性率に相関があり、繊維径の細い再生セルロース長繊維を紡糸することによって、高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を紡糸することを見出している。そこで、20μm程度の細い再生セルロース長繊維を紡糸することにより、I型結晶分率の異なる上記原料溶液を用いてどの程度の強度、弾性率の繊維が紡糸可能か検討を行った。結果を表3に示す。
なお、表1に記載のイオン液体で溶解した原料溶液を用いて紡糸したが、再生セルロース長繊維を紡糸することができなかった試料1〜6を参考例1−2〜6−2、本発明の強度、弾性率を満たした、試料7〜10を用いて紡糸した再生セルロース長繊維を実施例7−2〜10−2、比較試料1、2で紡糸した再生セルロース長繊維を比較例1−2、2−2という。
I型結晶分率が1.1%以上(試料1〜6で紡糸した参考例1−2〜6−2)の原料溶液では、20μm程度の繊維径の糸を工業的に安定して紡糸することができなかった。しかしながら、実施例7−2〜10−2で示すように、I型結晶分率が0.1%以上〜1.0%以下の原料溶液では、20μm程度の繊維径の糸を紡糸可能であり、強度0.60GPa以上、弾性率35.0GPa以上の高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を紡糸することが可能であった。
上記表2、表3からも明らかなように、同一の原料溶液を用いても、繊維径が細いほど強度、弾性率の高い再生セルロース長繊維を得ることができる。そこで、表1の試料を用いて繊維径を変えて紡糸を行い、繊維径による強度、弾性率の解析を行った。結果を表4に示す。
表4に示すように、同一の原料溶液を用いても繊維径が細いほど、強度、弾性率の高い長繊維を得ることができる。例えば、試料7のI型結晶分率が0.5%の原料溶液を用いて紡糸した場合、繊維径が47.0μmの場合は強度0.42GPa、弾性率25.5GPaであるのに対し、繊維径が16.4μmの場合は、強度0.88GPa、弾性率46.4GPaと、同じ原料溶液を用いても繊維径の細い糸を紡糸することにより高強度かつ高弾性な再生セルロース長繊維を得ることができる。
本発明によれば、I型結晶分率と繊維径のバランスによって、所望の強度、弾性率の再生セルロース長繊維を得ることが可能である。すなわち溶解条件を調節することによって、まず所望のI型結晶分率の原料溶液を得て、さらに繊維径を選択して紡糸することによって、所望の強度及び弾性率の再生セルロース長繊維を得ることができる。紡糸性の観点からは、I型結晶分率は0.1%以上〜5.0%以下に調節することが好ましく、0.1%以上〜0.5%以下がさらに好ましい。
強度や弾性率の観点からは、イオン液体に溶解した繊維は、繊維径の細いものほど、強度及び弾性率の高いものが得られることから、繊維径は10μm以上〜30μm以下が好ましく、10μm以上〜20μm以下がさらに好ましい。
繊維径が25μm以上〜50μm以下の比較的太い繊維径の場合は、強度及び弾性率の観点からは、I型結晶分率が0.3%以上〜35%以下であることが好ましく、0.5%以上〜32%以下であることがより好ましく、1.0%以上〜30%以下であることがさらに好ましく、2.0%以上〜28%以下であることが特に好ましく、4.0以上〜25%以下であることが最も好ましい。
また、繊維径が25μm以上〜50μm以下の比較的太い繊維径の場合には、紡糸性、強度及び弾性率の両立という観点からは、I型結晶分率が0.3%以上〜35%以下であることが好ましく、0.5%以上〜25%以下であることがより好ましく、1.0%以上〜5.0%以下であることがさらに好ましく、2.0%以上〜4.5%以下であることが特に好ましい。
繊維径が10μm以上〜25μm未満の比較的細い繊維径の場合は、紡糸性、強度及び弾性率の両立という観点から、I型結晶分率が0.1%以上〜1.0%以下であることが好ましく、0.1%以上〜0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以上〜0.3%以下であることがさらに好ましい。
本発明のように溶解条件によってI型結晶分率を調節し、さらに繊維径を変えることにより、所望の強度及び弾性率を備えた再生セルロース長繊維を紡糸するという技術は今までにはない。
また、本発明により得られる再生セルロース長繊維は、ガラス繊維に替わる繊維強化複合材料の強化繊維として十分な強度及び弾性率を備えている。したがって、本発明の再生セルロース長繊維を樹脂に含有させて製造した成形体は、十分な機械的特性を保ちながら、環境に対する負荷の小さい製品とすることができる。

Claims (6)

  1. I型結晶分率が0.5%以上〜25%以下であり、かつ、平均重合度が800以上〜1000以下であって、繊維長が15cm以上であることを特徴とするI型結晶含有再生セルロース長繊維。
  2. 請求項1記載のI型結晶含有再生セルロース長繊維であって、
    繊維径が10μm以上〜50μm以下であることを特徴とするI型結晶含有再生セルロース長繊維。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のI型結晶含有再生セルロース長繊維であって、
    比熱が1.00J/g・K以上〜2.00J/g・K以下であることを特徴とするI型結晶含有再生セルロース長繊維。
  4. セルロース原料を1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライドのみに溶解して、紡糸することにより再生セルロース長繊維を得る方法であって、
    セルロース原料をI型結晶分率が0.5%以上〜25%以下、かつ、平均重合度が800以上〜1000以下となるように溶解し、
    紡糸することを特徴とするI型結晶含有再生セルロース長繊維の製造方法。
  5. 請求項4記載のI型結晶含有再生セルロース長繊維の製造方法であって、
    繊維径が10μm以上〜50μm以下になるように紡糸することを特徴とするI型結晶含有再生セルロース長繊維の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のI型結晶含有再生セルロース長繊維を樹脂中に含有する複合樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。
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