JPWO2017082112A1 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素濃度が低いシリコン単結晶を製造することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供する。【解決手段】チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、カーボンヒータ15を用いて石英ルツボ11内のシリコン原料を加熱してシリコン融液5を生成する原料融解工程と、原料融解工程により生成されたシリコン融液5から単結晶を引き上げる結晶引き上げ工程とを備える。原料融解工程では、石英ルツボ11の上端11aよりも上方にあるヒータ15の第1の部分15zuの最高表面温度を1500℃未満に維持して、シリコン原料を加熱する。【選択図】図7

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)によるシリコン単結晶の製造方法に関し、特に、シリコン融液を生成する原料融解工程におけるシリコン原料の加熱方法に関するものである。
半導体デバイスの基板材料となるシリコン単結晶の多くはCZ法により製造されている。CZ法では石英ルツボ内に多結晶シリコンなどの原料を充填し、チャンバー内で原料を加熱して融解する。次に、引き上げ軸の下端に取り付けられた種結晶を石英ルツボの上方から降下させてシリコン融液に浸漬し、種結晶およびルツボを回転させながら種結晶を徐々に上昇させることにより、種結晶の下端に大きなシリコン単結晶を成長させる。
CZ法によるシリコン単結晶の製造方法としてマルチプリング法も知られている(例えば、特許文献1参照)。マルチプリング法では、シリコン単結晶を引き上げた後、同一の石英ルツボ内にシリコン原料を追加供給して融解し、得られたシリコン融液からシリコン単結晶の引き上げを行い、このような原料供給工程と単結晶引き上げ工程を繰り返すことにより、一つの石英ルツボから複数本のシリコン単結晶を製造する。マルチプリング法によれば、シリコン単結晶一本当たりの石英ルツボの原価コストを低減することが可能である。またチャンバーを解体して石英ルツボを交換する頻度を低減できるため、操業効率を向上させることが可能である。
シリコン原料の加熱方法には様々な方法があるが、例えば特許文献2には、ルツボの外側に配置された上側ヒータおよび下側ヒータにより原料を融解した後、下側ヒータへの電力供給を直ちに零に減少させて原料の固体層を形成し、その上に共存する溶融層からシリコン単結晶を成長させる方法が記載されている。また特許文献3には、ルツボの周囲を加熱するサイドヒータとルツボの底部を加熱するボトムヒータとで構成される分割ヒータを用いてルツボ内の原料を溶融することにより、原料を短時間で溶融する方法が開示されている。さらに特許文献4には、シリコン原料を溶融するための消費電力を抑制するため、シリコン原料の温度が200〜300℃の範囲の基準温度を超えるまではヒータの出力を低く抑え、基準温度を超えてからヒータの出力を上げる方法が記載されている。
シリコン単結晶中の炭素濃度の低減は重要な課題の一つである。シリコン単結晶中の炭素は酸素析出を促進させることが知られており、酸素析出物は電流リークの増加などのデバイス性能に影響を与えるからである。例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)においてキャリアライフタイムが電子ビーム放射およびアニールによって制御されるとき、炭素は飽和電圧などのデバイス特性に悪影響があることが報告されている。
シリコン単結晶中の炭素濃度の上昇は、主にカーボン製のヒータから発生したCOガスによって引き起こされるものと考えられている。シリコン融液から蒸発したSiOガスが高温のヒータと反応することによりCOガスが発生し、このCOガスが未溶融のシリコン原料に付着し、原料融解時にカーボンが溶け込むことにより融液中のカーボン濃度が上昇し、このシリコン融液から引き上げられるシリコン単結晶中のカーボン濃度も上昇する。特に、上述したマルチプリング法では引き上げ回数が増えるほど単結晶中の炭素濃度が上昇するため、炭素汚染の問題が顕著である。
炭素濃度が低いシリコン単結晶を引き上げるため、例えば特許文献5は、石英ルツボを保持するカーボン製のサセプタの上部に不活性ガスの流速を速める整流部材を設ける方法を提案している。整流部材が不活性ガスの流速を速めることにより、ヒータから発生するCOガスを効率よく排出させることが可能となる。
特開2010−018506号公報 特開平6−227890号公報 特開平2−221184号公報 特開2013−237586号公報 特開2012−201564号公報
しかしながら、特許文献5に記載の方法では、整流部材によってサセプタの高さが増すため、実際には石英ルツボを上昇させた時に整流部材がチャンバー内の構造体と衝突する可能性が高い。すなわち、単結晶の引き上げが進んで石英ルツボ内のシリコン融液が減少した時、液面レベルが一定に維持されるように石英ルツボを上昇させる制御が行われるが、このとき石英ルツボと一緒に上昇するサセプタに取り付けられた整流部材がチャンバー内の構造体に干渉するため、石英ルツボを上昇させることが不可能となる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、炭素濃度が低いシリコン単結晶を製造することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、カーボン製のヒータを用いて石英ルツボ内のシリコン原料を加熱してシリコン融液を生成する原料融解工程と、前記原料融解工程により生成された前記シリコン融液から単結晶を引き上げる結晶引き上げ工程とを備え、前記原料融解工程では、少なくとも前記石英ルツボの上端よりも上方にある前記ヒータの第1の部分の最高表面温度を1500℃未満に維持して、前記シリコン原料を加熱することを特徴とする。
本発明によれば、石英ルツボの上端よりも上方に位置するヒータの第1の部分からのCOガスの発生を抑制することができ、石英ルツボ内のシリコン原料へのCOガスの溶け込みを抑制することができる。したがって、カーボン濃度が低いシリコン単結晶を製造することができる。
本発明において、前記原料融解工程では、前記石英ルツボの上端よりも下方にある前記ヒータの第2の部分の最高表面温度を1500℃以上に昇温して、前記シリコン原料を加熱することが好ましい。ヒータの第2の部分の最高表面温度を1500℃以上に昇温することにより、石英ルツボ内のシリコン原料を十分に加熱して融解することができる。ヒータの第2の部分の最高表面温度、特に第2の部分全体の表面温度を1500℃以上とした場合、ヒータからのCOガスの発生は増加するが、石英ルツボの下方で発生するので石英ルツボ内に入り込みにくい。よってヒータの第2の部分の最高表面温度、あるいは第2の部分全体の表面温度を1500℃以上に昇温したとしてもカーボン濃度が低いシリコン単結晶を製造することができる。
本発明において、前記ヒータは、上下方向にそれぞれ分割配置された上部ヒータと下部ヒータとを含み、前記上部ヒータは前記第1の部分を含み、前記下部ヒータは前記第2の部分を含むことが好ましい。この場合、前記上部ヒータの上端は前記石英ルツボの上端よりも上方に位置し、前記下部ヒータの上端は前記石英ルツボの上端よりも下方に位置することが好ましい。この構成によれば、上下方向にそれぞれ分割配置された上部ヒータと下部ヒータとを用いてシリコン原料へのCOガスの溶け込みの抑制と原料の融解とを容易かつ確実に実施することができる。
本発明の前記原料融解工程において、前記石英ルツボの上端は、前記上部ヒータの上端と下端との間であって前記上端よりも前記下端に近い位置に配置されることが好ましい。上部ヒータの出力を抑えて下部加熱を優勢にすると、石英ルツボの底部の温度が上昇して石英ルツボにかかる熱負荷が増大し、ルツボ表面の荒れや溶損が加速し、シリコン単結晶の有転位化が増加するおそれがある。しかし、石英ルツボの上端が上部ヒータの下端よりも下方に配置することでルツボの底部の温度上昇を抑えることができ、単結晶の有転位化を抑制することができる。
本発明の前記原料融解工程において、前記石英ルツボの上方から前記石英ルツボおよび前記ヒータが収容されたチャンバー内に不活性ガスを導入すると共に、前記石英ルツボの下方から前記チャンバー内の前記不活性ガスを排気することが好ましい。ヒータの第2の部分の最高表面温度を1500℃以上に昇温した場合、ヒータの第2の部分からのCOガスの発生は増加するが、このCOガスは炉内を流れる不活性ガスの影響を受けて石英ルツボ内に入り込みにくいので、ヒータの第2の部分の最高表面温度を1500℃以上に昇温したとしてもカーボン濃度が低いシリコン単結晶を製造することができる。
本発明は、前記原料融解工程と前記結晶引き上げ工程とを交互に繰り返すことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本のシリコン単結晶を製造するマルチプリング方法によるシリコン単結晶の製造方法であって、複数の原料融解工程の各々では、前記ヒータの前記第1の部分の最高表面温度を1500℃未満に維持して、前記シリコン原料を加熱することが好ましい。マルチプリング法では引き上げ回数が増えるほど単結晶中の炭素濃度が上昇するため、炭素汚染の問題が顕著である。しかし、原料融解工程中のヒータの第1の部分の最高表面温度を1500℃未満に維持することにより、炭素汚染を抑制することができ、マルチプリング法において顕著な効果を奏することができる。
本発明によれば、炭素濃度が低いシリコン単結晶を製造することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略側面断面図である。 図2は、シリコン単結晶の製造工程を示すフローチャートである。 図3は、原料融解工程におけるシリコン原料の加熱方法を説明するための模式図である。 図4は、SiOとカーボンとの2つの反応の標準生成ギブスエネルギーの分布を示すグラフであり、横軸は温度、縦軸はギブスエネルギーをそれぞれ示している。 図5は、本発明の第2の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略側面断面図である。 図6は、本発明の第3の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略側面断面図である。 図7は、本発明の第4の実施の形態による単結晶製造装置の構成及び動作を説明するための図であって、特に単一のヒータを用いたシリコン原料の加熱方法をヒータの温度分布と共に説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略側面断面図である。
図1に示すように、単結晶製造装置1は、チャンバー10と、チャンバー10内に設置された石英ルツボ11と、石英ルツボ11を支持するカーボン製のサセプタ12と、サセプタ12の底部に接続された回転シャフト13と、回転シャフト13を回転および昇降駆動するシャフト駆動機構14と、石英ルツボ11内のシリコン原料を加熱するヒータ15と、チャンバー10の内側に設けられた断熱材17と、石英ルツボ11の上方に設けられた熱遮蔽体17と、石英ルツボ11の中央の上方に吊設された単結晶引き上げ用ワイヤ18と、チャンバー10の上方に配置されたワイヤ巻き取り機構19とを備えている。
チャンバー10は、メインチャンバー10aと、メインチャンバー10aの上部開口に連結された細長い円筒状のプルチャンバー10bとで構成されており、石英ルツボ11およびヒータ15はメインチャンバー10a内に設けられている。プルチャンバー10bにはチャンバー10内にアルゴンガス等の不活性ガス(パージガス)を導入するためのガス導入口10cが設けられており、メインチャンバー10aの下部にはアルゴンガスを排出するためのガス排出口10dが設けられている。また、メインチャンバー10aの上部には覗き窓10eが設けられており、石英ルツボ11内のシリコン融液の状態を観察可能となっている。
ヒータ15は、石英ルツボ11内に充填されたシリコン原料を融解して溶融状態を維持するために設けられている。ヒータ15は抵抗加熱式のカーボンヒータであり、石英ルツボ11の全周を取り囲むように設けられている。断熱材17はメインチャンバー10aの内側の側面および底面を覆っており、これによりシリコン原料の加熱効率が高められている。
本実施形態によるヒータ15は、上下方向に2分割された分割ヒータであり、上部ヒータ15aと下部ヒータ15bとで構成されている。上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bはそれぞれ独立に制御可能であり、上部ヒータ15aのパワーを下部ヒータ15bよりも大きくしたり小さくしたりすることができる。また、上部ヒータ15aと下部ヒータ15bは共に石英ルツボ11の側壁部と対向するように配置されたいわゆるサイドヒータを構成している。
熱遮蔽体17は石英ルツボ11の上方を覆う略逆円錐台形状のカーボン製の部材であり、固液界面付近の引き上げ軸方向の温度勾配の最適化が図られている。熱遮蔽体17は引き上げられる単結晶6の最大直径よりも大きな開口17aを有し、単結晶6は開口17aを通過して上方に引き上げられる。
サセプタ12、回転シャフト13およびシャフト駆動機構14は石英ルツボ11の回転昇降機構を構成している。回転シャフト13の下端部はメインチャンバー10aの底部中央を貫通しており、メインチャンバー10aの外側に設けられたシャフト駆動機構14に接続されている。
ワイヤ18およびワイヤ巻き取り機構19は結晶引き上げ機構を構成している。ワイヤ18は単結晶6の引き上げ軸であり、石英ルツボ11の回転中心軸と一致している。ワイヤ巻き取り機構19はプルチャンバー10bの上方に配置されており、ワイヤ18の下端はワイヤ巻き取り機構19からプルチャンバー10b内を通って下方に延びてメインチャンバー10aの内部空間まで達している。図1は、育成途中の単結晶6がワイヤ18に吊設された状態を示している。
シリコン単結晶6の製造工程では、まずサセプタ12内にセットされた石英ルツボ11内に多結晶シリコンなどの原料を充填し、ワイヤ18の下端にシードチャック(不図示)を介して種結晶を取り付ける。次に石英ルツボ11内のシリコン原料をヒータ15で加熱して融液5を生成する。次に種結晶を降下させて融液5に着液させた後、種結晶および石英ルツボ11をそれぞれ回転さながら、種結晶をゆっくり上昇させることにより、略円柱状のシリコン単結晶6を成長させる。シリコン単結晶6の直径は、その引き上げ速度やヒータ15のパワーを制御することにより制御される。
単結晶の製造工程中、チャンバー10内は減圧状態に保たれている。チャンバー10内には石英ルツボ11の上方に設けられたガス導入口10cからアルゴンガスが供給され、石英ルツボ11の下方に設けられたガス排出口10dからアルゴンガスが排気され、チャンバー10内の上方から下方に向かってアルゴンガスの流れが発生している。チャンバー10内で発生したSiOガスやCOガスはアルゴンガスと共にガス排出口10dから排気される。
図2は、シリコン単結晶の製造工程を示すフローチャートである。
図2に示すように、シリコン単結晶6の製造では、石英ルツボ11内のシリコン原料を加熱して融液5を生成する原料融解工程S11と、種結晶を融液5に着液させる着液工程S12と、結晶直径が細く絞られたネック部を形成するネッキング工程S13と、規定の直径(例えば約300mm)の単結晶を得るために結晶直径が徐々に広げられたショルダ部を形成するショルダ部育成工程S14と、規定の直径に維持されたボディ部を形成するボディ部育成工程S15と、引き上げ終了時に直径を細く絞り、最終的に液面から切り離すテール部育成工程S16が順に実施される。
図3は、原料融解工程S11におけるシリコン原料の加熱方法を説明するための模式図である。
図3に示すように、シリコン融液5を生成する原料融解工程S11では、上部ヒータ15aの最高表面温度を1500℃未満に維持すると共に、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上に昇温する。また原料融解工程S11において、石英ルツボ11の高さ方向の位置は、上部ヒータ15aの上端15aが石英ルツボ11の上端11aよりも上方に位置し、下部ヒータ15bの上端15bが石英ルツボ11の上端11aよりも下方に位置するように設定される。このように、上部ヒータ15aの最高表面温度を1500℃未満にすることで上部ヒータ15aとSiOガスとの反応を抑えてCOガスの発生を抑制することができ、石英ルツボ11内のシリコン原料へのCOガスの溶け込みを防止することができる。また下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上にすることにより、石英ルツボ11内のシリコン原料を十分に加熱して融解することができる。
上記のように、シリコン単結晶6の炭素汚染はヒータ15から発生したCOガスに由来する。すなわち、シリコン融液5から蒸発したSiOガスが高温のヒータ15と反応してCOガスが発生し、このCOガスが未溶融のシリコン原料の表面に付着し、原料融解時にカーボンがシリコン融液中に溶け込むことにより、融液中のカーボン濃度が上昇し、融液から引き上げられる単結晶中のカーボン濃度も上昇する。
チャンバー10内でのSiOとカーボンの反応には2つの反応があり、一つは(1)式で示すSiOとカーボンからSiCとCOガスが発生する反応であり、もう一つは(2)式で示すSiOとカーボンからSiCとSiOが発生する反応である。
SiO+2C=SiC+CO ・・・(1)
SiO+1/2・C=1/2・SiC+1/2・SiO ・・・(2)
上記のように、(1)式(第1の反応式)の反応ではCOガスが発生するが、(2)式(第2の反応式)の反応ではCOガスが発生しない。そのため、前者よりも後者の反応を優勢にすることによってCOガスの増加を抑え、これにより単結晶中のカーボン濃度を低減することが可能となる。2つの反応の優劣は各々の標準生成ギブスエネルギーから知ることができ、標準生成ギブスエネルギーが低いほうの反応が優勢となる。
図4は、上記2つの反応の標準生成ギブスエネルギーの温度変化を示すグラフであり、横軸は温度、縦軸はギブスエネルギーをそれぞれ示している。
図4に示すように、(1)式および(2)式の反応の標準生成ギブスエネルギーはともに温度変化に対してリニアなグラフとなり、特に、(1)式の反応のグラフの傾きは小さく、(2)式の反応のグラフの傾きは大きい。2つのグラフの交点の位置の温度は1500℃であり、1500℃以上では2つの反応のうちCOガスが発生する(1)式の反応が優勢であるのに対し、1500℃未満ではCOガスが発生しない(2)式の反応が優勢であることが分かる。したがって、ヒータの最高表面温度を1500℃未満にすることでカーボン濃度上昇の原因となるCOガスの発生を抑えることができ、これによりシリコン単結晶中のカーボン濃度上昇を抑えることが可能となる。
原料融解工程S11では、石英ルツボ11の上端11aが上部ヒータ15aの下端15aを下回らない程度まで石英ルツボ11を降下させることが好ましい(図3参照)。上部ヒータ15aの最高表面温度を低く抑える代わりに下部ヒータ15bの最高表面温度を非常に高くして下部加熱を優勢にすると、ルツボ底部の温度が過度に上昇して石英ルツボ11にかかる熱負荷が増大し、ルツボ表面の荒れや溶損が加速し、シリコン単結晶の有転位化が増加するおそれがある。しかし、石英ルツボ11の上端11aが上部ヒータ15aの下端15aを下回らない程度まで石英ルツボ11を下方に引き下げた場合には、上部ヒータ15aからの輻射熱が石英ルツボ11内のシリコン原料に直接照射されるようになるので、シリコン原料の加熱効率を高めることができる。したがって、下部ヒータ15bの最高表面温度を非常に高くすることなくシリコン原料を融解することができ、ルツボ底部の温度上昇を抑えて単結晶の有転位化を抑制することができる。
下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上した場合、下部ヒータ15bからのCOガスの発生は増加する。しかし、下部ヒータ15bは石英ルツボ11の上端よりも下方に位置し、さらにチャンバー10内にはその上方から下方に向かってアルゴンガスの流れが発生しているので、下部ヒータ15bから発生するCOガスはアルゴンガスの流れの影響を受けて石英ルツボ11内に入り込みにくい。したがって、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上したとしても問題はなく、下部ヒータ15bの最高表面温度を高くすることでシリコン原料を確実に融解することができる。
上部ヒータ15aは、その全体の表面温度が1500℃未満であってもよく、石英ルツボ11の上端11aの高さ位置よりも上方にある上部ヒータ15aの上部15au(図3参照)の最高表面温度が1500℃未満であってもよい。少なくとも上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度が1500℃未満であれば、上部ヒータ15aとSiOガスとの反応によって発生するCOガスが石英ルツボ11内のシリコン原料に溶け込む確率を十分に低減することができる。また上部ヒータ15aの全体の表面温度が1500℃未満である場合には、上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度も1500℃未満となるので問題はない。
上部ヒータ15aの最低表面温度は1300℃以上であることが好ましい。上部ヒータ15aの最低表面温度が1300℃よりも低い場合には原料の融解に長時間を要し、生産性の低下を招くからである。
下部ヒータ15bの最高表面温度は1850℃以下であることが好ましく、上部ヒータ15aの上部15au(第1の部分)よりも下方の部分(上部ヒータ15aの下部15al(第2の部分))の最高表面温度も下部ヒータ15bと同様に1850℃以下であることが好ましい。ヒータの表面温度を高くすることにより石英ルツボ11内の原料を短時間で融解することができるが、石英ルツボ11はその温度が1600℃を超えると軟化して変形する。そのため、下部ヒータ15bおよび上部ヒータ15aの下部15alは1850℃以下とすることが好ましい。
本実施形態において下部ヒータ15bの最高表面温度が1500℃以上であることは重要である。上部ヒータ15aの少なくとも上部15auの最高表面温度を1500℃未満としているため、石英ルツボ11内の原料を融解するのは主に下部ヒータ15bからの輻射熱であり、シリコン原料の融点が1412℃であるため、下部ヒータ15bの最高表面温度が1500℃以上でなければシリコン原料を融点以上にすることができないからである。原料融解時間を短縮して生産性を向上させるためには、下部ヒータ15bの表面全体の温度を1500℃以上とすることが好ましい。すなわち、下部ヒータ15bの最低表面温度を1500℃とすることにより、シリコン融液5から蒸発したSiOガスが高温のヒータ15と反応してCOガスが発生するにもかかわらず、単結晶に取り込まれるカーボン濃度を低下しつつ、原料溶解を短時間に行うことができる。
上部ヒータ15aは上端15aよりも下端15aの表面温度のほうが常に高くなる温度分布をもつものであってもよい。上部ヒータ15aがそのような温度分布を持つ場合には、原料融解工程における上記加熱制御を比較的簡単に実施することができる。
なお上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bが所定の表面温度を得るために必要なパワーは単結晶製造装置の熱シミュレーションから求めることができる。シミュレーション結果から算出したパワーを上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bにそれぞれ供給することにより、上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bの各々を所定の表面温度で実際に発熱させることができる。
原料融解工程S11の終了後(着液工程S12以降)において、上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bの表面温度は特に限定されない。COガス中の炭素は液体状態のシリコンに溶け込みにくく、シリコン融液中のカーボン濃度はCOガスの影響をほとんど受けないからである。したがって、上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bの最高表面温度を共に1500℃以上にすることも可能である。あるいは、上部ヒータ15aおよび下部ヒータ15bの最高表面温度を共に1500℃未満に維持してもよい。
原料融解工程とその後の結晶引き上げ工程とを交互に繰り返すことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本のシリコン単結晶を製造するマルチプリング方法を実施する場合、複数の原料融解工程の各々で上部ヒータ15aの最高表面温度を1500℃未満に維持すると共に、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上に昇温して、シリコン原料を加熱すればよい。上記のように、マルチプリング法では引き上げ回数が増えるほど単結晶中の炭素濃度が上昇するため、炭素汚染の問題が顕著である。しかし、本実施形態のように原料融解工程中の上部ヒータ15aの最高表面温度を1500℃未満に維持することにより、炭素汚染を抑制することができ、マルチプリング法において顕著な効果を奏することができる。
以上説明したように、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法は、原料融解工程S11において上部ヒータ15aの最高表面温度を1500℃未満に維持し、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上に昇温するので、上部ヒータ15aがSiOガスと反応することによる多量のCOガスの発生を抑制することができ、これによりシリコン単結晶6中のカーボン濃度の上昇を抑えることができる。
図5は、本発明の第2の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略側面断面図である。
図5に示すように、この単結晶製造装置2の特徴は、ヒータ15の上部ヒータ15aが石英ルツボ11の側壁部と対向するように配置されたいわゆるサイドヒータを構成しており、下部ヒータ15bが石英ルツボ11の底部と対向するように配置されたボドムヒータを構成している点にある。また、上部ヒータ15aは図1に示した上部ヒータ15aよりも高さ方向の幅が広く、広範囲を加熱できるようになっている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施形態においても、原料融解工程S11において上部ヒータ15aの少なくとも上部の最高表面温度を1500℃未満に維持し、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上に昇温する。また石英ルツボ11の上端11aが上部ヒータ15aの下端15aを下回らない程度まで石英ルツボ11を降下させた位置においてシリコン原料の融解を実施する。このようにすることで、上部ヒータ15aがSiOガスと反応することによるCOガスの発生を抑制することができ、これによりシリコン単結晶中のカーボン濃度の上昇を抑えることができる。
図6は、本発明の第3の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略側面断面図である。
図6に示すように、この単結晶製造装置2の特徴は、ヒータ15が上部ヒータ15aとその下方に配置された第1の下部ヒータ15bおよび第2の下部ヒータ15bとの組み合わせからなることを特徴としている。第2の下部ヒータ15bは第1の下部ヒータ15bの下方に位置しており、第1の下部ヒータ15bはサイドヒータ、第2の下部ヒータ15bはボトムヒータをそれぞれ構成している。なお第2の下部ヒータ15bをサイドヒータとして構成してもよい。
このように、本発明は3段以上の多段ヒータを用いた原料融解工程に適用することも可能である。この場合、少なくとも最上段のヒータ(上部ヒータ)の石英ルツボの上端よりも上方にあるヒータ部分の最高表面温度を1500℃未満に維持し、その他のヒータ(下部ヒータ)の最高表面温度を1500℃以上に昇温すればよい。
図7は、本発明の第4の実施の形態による単結晶製造装置の構成及び動作を説明するための図であって、特に単一のヒータを用いたシリコン原料の加熱方法をヒータの温度分布と共に説明するための模式図である。
図7に示すように、この単結晶製造装置4の特徴は、上下方向に温度勾配を持たせることができる単一のヒータ15(サイドヒータ)を用いる点にある。原料融解工程において、ヒータ15の上端15zは石英ルツボ11の上端11aよりも上方に位置し、ヒータ15の下端15zは石英ルツボ11の上端11aよりも下方に位置する。そのため、ヒータ15は、石英ルツボ11の上端11aよりも上方にある第1の部分(上側部分)15zuと、石英ルツボ11の上端11aよりも下方にある第2の部分(下側部分)15zlとを有する。
原料融解工程において、ヒータ15の第1の部分15zuの最高表面温度は1500℃未満に維持される。また、原料融解工程において、ヒータ15の第2の部分15zlの最高表面温度は1500℃以上に昇温されることが好ましい。したがって、例えば、ヒータ15の温度分布はグラフTGのようにヒータ15の下端15zから上端15zに向かって例えば1600℃〜1400℃の範囲内でリニアに変化し、1500℃となる位置Pzは石英ルツボ11の上端11aよりも下方に位置している。
ヒータ15の第2の部分15zlの最高表面温度は、原料融解工程の最初から最後まで一貫して1500℃以上であることが好ましい。あるいは、ヒータ15の第2の部分15zlの最高表面温度は、例えば温度分布のグラフTGのように原料融解工程の開始時には1500℃未満であるが、原料融解工程の進行と共に徐々に上昇し、原料融解工程の中盤又は終盤でグラフTGのように1500℃以上(例えば1600℃)に達してもよい。さらに原料の融解が可能である限り、ヒータ15の第2の部分15zlの最高表面温度は、原料融解工程の最初から最後まで常に1500℃未満を維持してもかまわない。
以上説明したように、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法は、単一のヒータ15を用いた原料融解工程S11において、石英ルツボ11の上端11aよりも上方に位置するヒータ15の第1の部分15zuの最高表面温度を1500℃未満に維持するので、ヒータ15がSiOガスと反応することによる多量のCOガスの発生を抑制することができ、これによりシリコン単結晶6中のカーボン濃度の上昇を抑えることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上に昇温したが、下部ヒータ15bの最高表面温度は1500℃以上でなくてもよく、下部ヒータ15bのパワーを上部ヒータ15aのパワーよりも大きくすればよい。このようにすることで上部ヒータ15aの最高表面温度を抑えることによるヒータ全体の出力不足を補うことができ、下部ヒータ15bによる加熱を強めることでシリコン原料の融解が可能となる。
原料融解工程においてヒータ15の表面温度条件を以下の条件1〜4まで変えて育成したシリコン単結晶中のカーボン濃度を評価した。シリコン単結晶の引き上げには図1に示した単結晶製造装置を用いた。条件1〜4におけるヒータの表面温度をシミュレーションから求めたところ、表1に示すように、条件1における上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度は1406℃、下部ヒータ15bの表面温度は1421〜1445℃であった。また条件2における上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度は1527℃、下部ヒータ15bの表面温度は1537〜1549℃であった。また、条件3における上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度は1482℃、下部ヒータ15bの表面温度は1507〜1590℃であった。さらにまた、条件4における上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度は1464℃、下部ヒータ15bの表面温度は1489〜1573℃であった。
次に、原料融解工程で生成されたシリコン融液から直径約300mmのシリコン単結晶インゴットをCZ法により引き上げ、シリコン単結晶インゴットの最下端部のカーボン濃度をFT−IR法により測定した。なおシリコン単結晶インゴットの最下端部のカーボン濃度を測定する理由は、シリコン単結晶インゴット中のカーボン濃度は偏析によって引き上げ軸方向の最下端の濃度が最も高くなり、カーボン濃度を最も評価しやすいからである。
表1に示すように、条件1(比較例1)では、上部ヒータ15aのみならず下部ヒータ15bの表面温度が1500℃未満と低すぎたため、原料を融解させることができず、シリコン単結晶を育成することができなかった。また条件2(比較例2)では、上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度が高く、シリコン単結晶中のカーボン濃度が相対的に高くなった。
一方、条件3(実施例1)では、上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度が1500℃未満であり、下部ヒータ15bの最低表面温度が1500℃以上であったため、シリコン単結晶中のカーボン濃度を相対的に低くすることができ、条件2に対するカーボン濃度の相対値は91となった。
また、条件4(実施例2)では、上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度が条件3と同様に1500℃未満であったが、下部ヒータ15bの最低表面温度が1500未満であった。しかし、下部ヒータ15bの最高表面温度が1573℃(1500℃以上)であったため、原料を融解することができ、シリコン単結晶を育成することができた。そしてシリコン単結晶中のカーボン濃度は条件3よりもさらに低くなり、条件2に対するカーボン濃度の相対値は84となった。
以上の結果から、原料融解工程において上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度を1500℃未満とし、下部ヒータ15bの最高表面温度を1500℃以上とした場合のシリコン単結晶中のカーボン濃度は、上部ヒータ15aの上部15auの最高表面温度を1500℃以上とした場合よりも低くなることが明らかとなった。
1,2,3,4 単結晶製造装置
5 シリコン融液
6 シリコン単結晶
10 チャンバー
10a メインチャンバー
10b プルチャンバー
10c ガス導入口
10d ガス排出口
10e 覗き窓
11 石英ルツボ
11a 石英ルツボの上端
12 サセプタ
13 回転シャフト
14 シャフト駆動機構
15 ヒータ(カーボンヒータ)
15a 上部ヒータ
15au 上部ヒータの上部
15al 上部ヒータの下部
15a 上部ヒータの上端
15a 上部ヒータの下端
15b 下部ヒータ
15b 上部ヒータの上端
15b 上部ヒータの下端
15z ヒータ15の上端
15z ヒータ15の下端
15zu ヒータの第1の部分(上側部分)
15zl ヒータの第2の部分(下側部分)
16 断熱材
17 熱遮蔽体
17a 熱遮蔽体の開口
18 ワイヤ
19 ワイヤ巻き取り機構
本発明の前記原料融解工程において、前記石英ルツボの上端は、前記上部ヒータの上端と前記上部ヒータの下端との間であって前記上部ヒータの上端よりも前記上部ヒータの下端に近い位置に配置されることが好ましい。上部ヒータの出力を抑えて下部加熱を優勢にすると、石英ルツボの底部の温度が上昇して石英ルツボにかかる熱負荷が増大し、ルツボ表面の荒れや溶損が加速し、シリコン単結晶の有転位化が増加するおそれがある。しかし、石英ルツボの上端上部ヒータの下端よりも上方に配置することでルツボの底部の温度上昇を抑えることができ、単結晶の有転位化を抑制することができる。
図1に示すように、単結晶製造装置1は、チャンバー10と、チャンバー10内に設置された石英ルツボ11と、石英ルツボ11を支持するカーボン製のサセプタ12と、サセプタ12の底部に接続された回転シャフト13と、回転シャフト13を回転および昇降駆動するシャフト駆動機構14と、石英ルツボ11内のシリコン原料を加熱するヒータ15と、チャンバー10の内側に設けられた断熱材16と、石英ルツボ11の上方に設けられた熱遮蔽体17と、石英ルツボ11の中央の上方に吊設された単結晶引き上げ用ワイヤ18と、チャンバー10の上方に配置されたワイヤ巻き取り機構19とを備えている。
ヒータ15は、石英ルツボ11内に充填されたシリコン原料を融解して溶融状態を維持するために設けられている。ヒータ15は抵抗加熱式のカーボンヒータであり、石英ルツボ11の全周を取り囲むように設けられている。断熱材16はメインチャンバー10aの内側の側面および底面を覆っており、これによりシリコン原料の加熱効率が高められている。
シリコン単結晶6の製造工程では、まずサセプタ12内にセットされた石英ルツボ11内に多結晶シリコンなどの原料を充填し、ワイヤ18の下端にシードチャック(不図示)を介して種結晶を取り付ける。次に石英ルツボ11内のシリコン原料をヒータ15で加熱してシリコン融液5を生成する。次に種結晶を降下させてシリコン融液5に着液させた後、種結晶および石英ルツボ11をそれぞれ回転さながら、種結晶をゆっくり上昇させることにより、略円柱状のシリコン単結晶6を成長させる。シリコン単結晶6の直径は、その引き上げ速度やヒータ15のパワーを制御することにより制御される。
図5に示すように、この単結晶製造装置2の特徴は、ヒータ15の上部ヒータ15aが石英ルツボ11の側壁部と対向するように配置されたいわゆるサイドヒータを構成しており、下部ヒータ15bが石英ルツボ11の底部と対向するように配置されたボトムヒータを構成している点にある。また、上部ヒータ15aは図1に示した上部ヒータ15aよりも高さ方向の幅が広く、広範囲を加熱できるようになっている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図6に示すように、この単結晶製造装置の特徴は、ヒータ15が上部ヒータ15aとその下方に配置された第1の下部ヒータ15bおよび第2の下部ヒータ15bとの組み合わせからなることを特徴としている。第2の下部ヒータ15bは第1の下部ヒータ15bの下方に位置しており、第1の下部ヒータ15bはサイドヒータ、第2の下部ヒータ15bはボトムヒータをそれぞれ構成している。なお第2の下部ヒータ15bをサイドヒータとして構成してもよい。


Claims (6)

  1. チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
    カーボン製のヒータを用いて石英ルツボ内のシリコン原料を加熱してシリコン融液を生成する原料融解工程と、
    前記原料融解工程により生成された前記シリコン融液から単結晶を引き上げる結晶引き上げ工程とを備え、
    前記原料融解工程では、
    少なくとも前記石英ルツボの上端よりも上方にある前記ヒータの第1の部分の最高表面温度を1500℃未満に維持して、前記シリコン原料を加熱することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記原料融解工程では、
    前記石英ルツボの上端よりも下方にある前記ヒータの第2の部分の最高表面温度を1500℃以上に昇温して、前記シリコン原料を加熱する、請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記ヒータは、上下方向にそれぞれ分割配置された上部ヒータと下部ヒータとを含み、
    前記上部ヒータは前記第1の部分を含み、
    前記下部ヒータは前記第2の部分を含む、請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記原料融解工程において、前記石英ルツボの上端は、前記上部ヒータの上端と下端との間であって前記上端よりも前記下端に近い位置に配置される、請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記原料融解工程において、前記石英ルツボの上方から前記石英ルツボおよび前記ヒータが収容されたチャンバー内に不活性ガスを導入すると共に、前記石英ルツボの下方から前記チャンバー内の前記不活性ガスを排気する、請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 前記原料融解工程と前記結晶引き上げ工程とを交互に繰り返すことにより、同一の石英ルツボを用いて複数本のシリコン単結晶を製造するマルチプリング方法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
    複数の原料融解工程の各々では、前記ヒータの前記第1の部分の最高表面温度を1500℃未満に維持して、前記シリコン原料を加熱する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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