JP2009286650A - 分割式ヒーターおよびこれを用いた単結晶引上げ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒形状をなす分割式ヒーター、およびこのヒーターを用いたCZ法による単結晶引上げ装置を提供する。
【解決手段】(1)ルツボ2内に供給される原料を加熱し、溶融状態に保持するための円筒形状のヒーター(発熱体)1であって、ヒーター1が長さ方向に3段以上に分割されている分割式ヒーター1である。各分割片1a、1b、1cの発熱量をそれぞれ調節して高さ方向における熱分布を制御することができる。(2)ルツボ2の外側に同心円状に配置され、ルツボ2内に供給される原料を加熱して溶融状態に保持するためのヒーター1を備え、ルツボ2内の溶融液5からCZ法により単結晶10を育成する単結晶引上げ装置であって、ヒーター1が組み込まれている引上げ装置である。特に大口径(例えば、直径450mm)のシリコン単結晶10の製造に好適である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ルツボ内に供給される原料を加熱して溶融状態に保持する際に使用する円筒形状をなす分割式ヒーター、およびこの分割式ヒーターが組み込まれた、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」と記す)により単結晶を育成し引き上げる単結晶引上げ装置に関する。
抵抗式の加熱炉(電気抵抗加熱装置ともいう)は、燃焼式の加熱炉に比べて操作、保守が簡単で、被処理物を高温度に加熱することができ、且つその温度を高精度で調節できることから、多くの工業分野で広く使用されている。
ルツボ内に供給された原料(例えば、半導体用シリコン原料)をルツボの外側から加熱する円筒形状の抵抗式加熱炉を例にとると、この加熱炉の主要部は、発熱体としての円筒形状のヒーターと、その外周近傍に取り付けられている同じく円筒形状の断熱材およびこの断熱材をヒーターの高温から保護するための断熱材保護円筒とから構成されている。ヒーターの材質としては、カーボン(炭素)が使用されている。
このように構成された抵抗式加熱炉は、例えばCZ法によるシリコン単結晶の引上げ装置において、ルツボ内に供給された原料を加熱し、溶融状態に保持するために同装置内に組み込まれ、使用されている。
図1は、CZ法によるシリコン単結晶の引上げ方法を実施するのに適した従来の引上げ装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。図1に示すように、この引上げ装置はルツボ2内に供給される原料(例えば、塊状、粒状の多結晶シリコン)を加熱し、溶融状態に保持するためのヒーター1がルツボ2の外側に概ね同心円状に配設され、その外周近傍には断熱材3およびこの断熱材3を保護するための断熱材保護円筒4が取り付けられている。さらに、この例では、引き上げられる単結晶を囲繞し、ルツボ2内のシリコン溶融液5の表面からの放熱を遮蔽するための熱遮蔽板6が取り付けられている。なお、図示していないが、ルツボ2の下方には円環状のボトムヒーターが設置されており、これらヒーターには通電用の電極が取り付けられている。
ヒーターはカーボン製であり、カーボン粉を型に入れ、静水圧をかけて固めるCIP(Cold Isostatic Pressing)法によりブロック状の素材を作り、この素材から削り出すことにより一体ものとして作製される。断熱材としては、一般に軽量で断熱効果の大きいフェルト材が用いられ、この断熱材を保護するため、断熱材のヒーターと向き合う面にカーボンや、CCM(Carbon Composite material)からなる断熱材保護円筒が配設される。
ルツボ2は二重構造で、有底円筒状をなす石英製の内層保持容器(以下、「石英ルツボ」という)2aと、その石英ルツボ2aの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器(以下、「黒鉛ルツボ」という)2bとから構成されており、回転および昇降が可能な支持軸7の上端部に固定されている。
溶融液5が充填された前記ルツボ2の中心軸上には、支持軸7と同一軸上で逆方向または同方向に所定の速度で回転する引上げワイヤー8が配設されており、その下端には種結晶9が保持されている。
このように構成された引上げ装置を用いてシリコン単結晶の引き上げを行う際には、ルツボ2内に所定量の半導体用シリコン原料(一般的には、塊状または粒状の多結晶シリコンを用いる)を投入し、減圧下の不活性ガス(通常はAr)雰囲気中でこの原料をルツボ2の周囲に配設したヒーター1により加熱、溶融した後、形成された溶融液5の表面近傍に引上げワイヤー8の下端に保持された種結晶9を浸漬する。続いて、ルツボ2および引上げワイヤー8を回転させつつワイヤー8を引き上げ、種結晶9の下端面に単結晶10を成長させる。
引き上げに際しては、その速度を調節して種結晶9の下端面に成長させる単結晶10の直径を減少させ、ネック部(絞り部)を形成するネッキングプロセス(工程)を経た後、引上げ速度を低下させ、結晶径を徐々に増大させて肩部を形成し、定径部の引き上げに移行する。定径部が所定長さに達した後、結晶径を徐々に減少させ、最先端部を溶融液5から引き離すことにより1回の引き上げが終了する。
このシリコン単結晶引上げの原料溶解工程において、ルツボ2内に供給される原料をヒーター1により加熱し、溶融する際、円筒形状をなすヒーター1全体が同じように発熱するので、原料が入っていないルツボ上部も原料が入っているルツボ下部と同様に加熱される。そのため、石英ルツボ2aの上部が変形し(以下、単に「ルツボ上部の変形」という)、内側に倒れ込むことがある。その場合は、倒れ込んだルツボ2aの上部が熱遮蔽板6と接触し、単結晶の引き上げが続行できなくなる。
また、ルツボ2内に供給された半導体用シリコン原料(塊状、粒状の多結晶シリコン)を加熱、溶融する際、一般に、原料の溶融はルツボ2内で均一には進行せず、特に、ルツボが大型になると原料は均一に溶解しにくくなり、未溶融の塊状、粒状の原料は溶融液面近傍に浮かんだ状態となる。
さらに、原料溶解工程に続く単結晶引上げ工程においては、シリコン溶融液面が次第に低下するので、支持軸7を上昇させてルツボを上方に移動させるが、それに伴うルツボ底部からの放熱が大きく、同底部内壁からの酸素溶出量が変化し、単結晶に取り込まれる酸素の濃度にばらつきが生じ易いという問題がある。
一方、近年の半導体デバイスの高集積化、低コスト化および生産性の向上に対応して、ウェーハも大口径化が要求されてきており、大口径のシリコン単結晶の製造に対する要請が極めて大きい。そのため、結晶引上げ用ルツボを大型化しなければならないが、上記の問題はいずれもルツボが大型になると特に顕著に現れ易い。
特開2007−261846号公報
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、特に大口径(例えば、直径450mm)のシリコン単結晶引き上げの原料溶解工程におけるルツボ上部の変形(内側への倒れ込み)を抑え、ルツボ内に供給された半導体用シリコン原料(塊状、粒状の多結晶シリコン)を効率よく、速やかに溶融することができ、さらには、引上げ工程において生じ易い単結晶における酸素濃度のばらつきをなくして結晶品質の均一性を確保できる円筒形状の分割式ヒーター、ならびにこの分割式ヒーターを用いたCZ法による単結晶引上げ装置の提供を目的としている。
上記の問題、例えば、シリコン単結晶引上げの原料溶解工程において、ルツボ上部が変形し、内側へ倒れ込むのを防止するためには、ルツボ上部の加熱を緩やかに行うことが有効である。また、ルツボ内に供給された半導体用シリコン原料(塊状、粒状の多結晶シリコン)を効率よく、速やかに溶融するためには、ルツボの下部を強く加熱して、ルツボ内の溶融液面近傍における塊状、粒状の原料の残存をなくし、もしくは少なくすることが効果的であると考えられる。
さらに、シリコン単結晶の引上げ工程において、ルツボの上昇に伴う放熱が大きいために、ルツボの底部内壁からの酸素溶出量が変化し、単結晶の酸素濃度にばらつきが生じ易いという問題に対しては、ルツボの底部近傍を強く加熱することが有効と考えられる。
そこで、本発明者は、円筒形状の一体もののヒーターをその円筒の長さ方向に3段以上に分割し(以下、分割された個々の部分を「分割片」という)、各分割片の出力を調節してそれぞれの発熱量を変化させる得る分割式ヒーターの適用を試みた。各分割片は、使用時に円筒形状に組み込まれ、円筒形状のヒーターとして使用に供される。
なお、前掲の特許文献1には、長手方向に少なくとも2分割されたマルチヒーターを使用したシリコン単結晶の製造方法が記載されている。しかし、この方法は、単結晶の引上げ速度と、ルツボおよび当該単結晶の回転速度と、前記マルチヒーター(2段分割ヒーター)における上段ヒーターの出力に対する下段ヒーターの出力の比とを調整することにより、単結晶の側面の温度勾配、固液界面の高さ、および単結晶の長手方向の酸素濃度を制御して無欠陥のシリコン単結晶を安定して高速で製造する方法であり、ヒーターを分割する目的が、本発明におけるヒーター分割の目的とは異なり、また分割の段数も具体例として示されているのは2段である。
前記の長さ方向に3段以上に分割されたヒーターを用いれば、ルツボの特定の部位(高さ方向部位)を緩やかに加熱したり、強熱したりすることができ、上記の原料溶解工程や引上げ工程における問題に対処することが可能である。
また、この分割式ヒーターをCZ法によるシリコン単結晶の引上げ装置に組み込めば、特に大口径の、例えば直径が450mmのシリコン単結晶を製造する場合においても、ルツボ上部の変形による内側への倒れ込みを抑え、ルツボ内に供給された塊状、粒状の多結晶シリコン原料を効率よく、速やかに溶融することができる。さらには、引上げ工程において生じ易いシリコン単結晶における酸素濃度のばらつきをなくして結晶品質の長さ方向における均一性を確保することが可能となる。
本発明の要旨は、下記(1)の分割式ヒーターおよびこのヒーターを備える下記(2)の単結晶引上げ装置にある。
(1)ルツボ内に供給される原料を加熱し、溶融状態に保持するための円筒形状のヒーターであって、前記ヒーターが長さ方向に3段以上に分割されていることを特徴とする分割式ヒーター。
ここで、「ヒーター」とは、前記のように、円筒形状の抵抗式加熱炉(電気抵抗加熱装置)の主要部構成部材の一つである発熱体を指す。なお、加熱炉の主要部構成部材とは、発熱体(ヒーター)、その外周近傍に取り付けられている断熱材および断熱材保護円筒をいう。
また、「長さ方向に分割されている」とは、円筒形状のヒーターがその円筒の長さ方向に分割されていることをいう(図2参照)。
(2)ルツボの外側に同心円状に配置され、ルツボ内に供給される原料を加熱して溶融状態に保持するためのヒーターを備え、前記ルツボ内の溶融液からCZ法により単結晶を育成する単結晶引上げ装置であって、当該ヒーターが前記(1)に記載される分割式ヒーターであることを特徴とする単結晶引上げ装置。
本発明の分割式ヒーターは、ルツボ内に供給される原料を加熱、溶融する円筒形状をなすヒーターであって、その円筒の長さ方向に分割されており、使用時に円筒形状に組み込まれ、使用に供されるヒーターである。各分割片の発熱量をそれぞれ調節して、被加熱物の高さ方向における熱分布を制御することができる。
このヒーターを用いた本発明の単結晶引上げ装置によれば、シリコン単結晶引き上げの原料溶解工程において、ルツボ上部の変形(内側への倒れ込み)を抑え、また、ルツボ内に供給された塊状、粒状のシリコン原料を効率よく、速やかに溶融することができる。さらに、引上げ工程において生じ易いシリコン単結晶における酸素濃度のばらつきをなくして結晶品質を均一化することができる。
本発明の単結晶引上げ装置は、特に大口径のシリコン単結晶の製造に好適であり、直径が450mm(引き上げ時の直径は460mm)のシリコン単結晶を支障なく安定して製造することができる。
本発明のヒーターは、ルツボ内に供給される原料を加熱し、溶融状態に保持するための円筒形状のヒーターであって、前記ヒーターが長さ方向に3段以上に分割されていることを特徴とする分割式ヒーターである。
図2は、本発明の分割式ヒーターの概略形状を模式的に例示する縦断面図である。図示した例では、ルツボ2の外側に同心円状に配置された本発明のヒーター1は、長さ方向に3分割(等分割)され、各分割片1a、1b、1cが円筒形状に組み込まれた分割式のヒーターである。各分割片1a、1b、1cには、図示していないが、それぞれ通電用の電極(正極および負極)が取り付けられており、出力を増減することによって分割片1a、1b、1cの発熱量を個別に調節できるように構成されている。
本発明のヒーターにおいて、ヒーターの形状を長さ方向に3段以上に分割された形とするのは、各段(各分割片)の発熱量を調節して、ルツボないしはルツボ内の被加熱物に対する熱量を高さ方向で制御するためである。これにより、例えば、特定の高さ方向部位で強くあるいは緩やかに加熱し、また全体を均一に加熱するなど、被加熱物の高さ方向における熱分布を任意に制御することが可能になる。
分割の段数は、2段では前記高さ方向における熱分布の精度の高い制御を行えないので、3段以上とする。分割段数の上限は限定しない。分割段数が多いほど熱分布の制御の幅を広げることができるので望ましいが、各分割片への電極の配置等の制約により段数は自ずと制限される。前記図2に例示したような形状のルツボの加熱などの場合であれば、3段〜5段とするのが望ましい。
ヒーターの分割の仕方は、図2に示した例では等分割されているが、これに限定されない。各分割片の幅は、特定の高さ方向部位で広くし、あるいは狭くするなど、ヒーターが取り付けられる加熱炉の用途や、加熱炉に要求される特性等に応じて適宜定めればよい。
本発明の単結晶引上げ装置は、ルツボの外側に同心円状に配置され、ルツボ内に供給される原料を加熱して溶融状態に保持するためのヒーターを備え、前記ルツボ内の溶融液からCZ法により単結晶を育成する単結晶引上げ装置であって、当該ヒーターが前述した本発明の分割式ヒーターであることを特徴とする引上げ装置である。
図3は、本発明の単結晶引上げ装置の概略構成例を模式的に示す縦断面図である。図3に示すように、この引上げ装置は、基本的な構成は前記図1に示した単結晶引上げ装置と異なるところはないが、ルツボ内に供給される原料(例えば、半導体用のシリコン原料)を加熱して溶融状態に保持するためのヒーター1は前記図2に例示した本発明の分割式ヒーターである。その外周近傍には断熱材3およびこの断熱材3を保護するための断熱材保護円筒4が取り付けられている。なお、この例では、ヒーター1は3段に分割されている。
本発明の単結晶引上げ装置において、ルツボ内に供給される原料を加熱、溶融するためのヒーターとして本発明の分割式ヒーターを用いるのは、以下に述べるように、原料溶解工程において、ルツボ上部の変形による内側への倒れ込みを抑え、ルツボ内に供給された塊状、粒状の多結晶シリコン原料を効率よく、速やかに溶融するとともに、引上げ工程で、シリコン単結晶に取り込まれる酸素濃度をコントロールして長さ方向に均質な単結晶を得るためである。
図3に示した本発明の引上げ装置を用いてシリコン単結晶の引き上げを行うに際しては、常法に従い、まず溶解工程で、石英ルツボ2a内に供給された所定量の半導体用シリコン原料(例えば、塊状、粒状のシリコン原料)をヒーター1により加熱、溶融する。続いて、引上げ工程に移行し、溶融液5の表面近傍に種結晶9を浸漬してルツボ2および引上げワイヤー8を回転させつつワイヤー8を引き上げ、種結晶9の下端面に単結晶10を成長させる。
この引上げ装置には、前述の被加熱物の高さ方向における熱分布を任意に制御することができる本発明の分割式ヒーター1が組み込まれており、図示するように、分割片1aがルツボ2の上部近傍に対応する高さ方向位置に、分割片1bがルツボ2の下方部近傍に対応する位置に、また、分割片1cがルツボ2の底部近傍とその下方の空間部に対応する位置にそれぞれ配置されている。
この引上げ装置を用いてシリコン単結晶の引き上げを行うにあたり、溶解工程において、分割片1aの出力を調節し発熱量を低下させて加熱を緩やかに行うことによって、ルツボ上部の過度の昇温を回避し、その変形(ルツボ上部の内側への倒れ込み)を防止してそれに起因する単結晶引き上げ続行が不能になるという事態を回避することができる。また、分割片1bの出力を増大させて発熱量を高めることにより、特にルツボ内の下方部近傍を強熱して、未溶融の塊状、粒状の原料の溶融液面近傍における残存をなくし、または著しく減少させることができるので、ルツボ内に供給された塊状、粒状の多結晶シリコン原料を効率よく、速やかに溶融することができる。
さらに、引上げ工程において、分割片1cの出力を調節して発熱量を高め、ルツボの底部近傍における放熱を補償して熱変動を抑えることによりルツボ底部の内壁からの酸素溶出量の変動を抑え、単結晶に取り込まれる酸素濃度のばらつきを抑制して、結晶品質の長さ方向における均一性を確保することができる。
原料溶解工程におけるルツボ上部の変形(内側への倒れ込み)や、未溶融の塊状、粒状原料の溶融液面近傍における残存、引上げ工程におけるシリコン単結晶の酸素濃度のばらつき等の問題は、大口径のシリコン単結晶を得るためにルツボを大型化した際に特に顕著に現れ易いが、本発明の単結晶引上げ装置を使用し、上記のように分割片1a、1b、1cの出力を適切に調節して高さ方向における熱分布を制御することにより充分に対処することができる。
例えば、直径が36〜44インチの大型の石英ルツボを使用し、供給される半導体用のシリコン原料を効率よく、速やかに溶融して、直径が450mmの大口径のシリコン単結晶を製造することもできる。なお、この場合、表面の削り代を考慮するので、実際に引き上げるシリコン単結晶の直径は460mm程度である。
前記各分割片1a、1b、1cの出力の増減幅やそのタイミング等、高さ方向における熱分布の具体的な制御方法については、個々のケースにおける実際の操業実績に基づいて定めることが望ましい。結晶引上げ用ルツボの大きさや、引き上げる単結晶の直径、使用するシリコン原料の粒度構成等、種々の要因により制御の仕方が異なるからである。
前記図3に例示した本発明の引上げ装置で用いられている分割式ヒーターは3段に分割されているが、4段またはそれ以上の段数に分割されたヒーターが組み込まれた引上げ装置を使用すれば、より精度の高い熱分布制御が可能である。
以上述べたように、本発明の単結晶引上げ装置を用いれば、高さ方向における熱分布を制御して、原料溶解工程におけるルツボ上部の変形(内側への倒れ込み)を防止し、また、ルツボ内に供給された塊状、粒状のシリコン原料を溶融液面近傍に残存させることなく速やかに溶融することができる。さらに、引上げ工程におけるシリコン単結晶の酸素濃度のばらつきをなくして結晶品質を均一化することができる。
また、例えば溶解工程において、過度の加熱を避けることにより石英ルツボの寿命延長にも資するという副次的な効果も期待できる。
本発明の分割式ヒーターは、ルツボ内の原料を加熱、溶融するヒーターで、円筒形状をなし、その円筒の長さ方向に分割されている。各分割片の発熱量をそれぞれ調節して被加熱物の高さ方向における熱分布を制御することができる。
本発明の単結晶引上げ装置はこのヒーターが組み込まれた引上げ装置であり、この引上げ装置によれば、ルツボ上部の変形による内側への倒れ込みを防止し、また、ルツボ内に供給された塊状、粒状のシリコン原料を効率よく、速やかに溶融することができる。さらに、引上げ工程において生じ易いシリコン単結晶における酸素濃度のばらつきをなくして結晶品質を均一にすることができる。特に大口径のシリコン単結晶の製造に好適であり、直径が450mmのシリコン単結晶を支障なく安定して製造することができる。
したがって、本発明の分割式ヒーターおよび単結晶引上げ装置は、半導体デバイス製造分野において、特に大口径のシリコン単結晶の製造に有効に利用することができる。
CZ法によるシリコン単結晶の引き上げ方法を実施するのに適した従来の引上げ装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。 本発明の分割式ヒーターの概略形状を模式的に例示する縦断面図である。 本発明の単結晶引上げ装置の概略構成例を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c:ヒーター、
2:ルツボ、 2a:石英ルツボ、 2b:黒鉛ルツボ、
3:断熱材、4:断熱材保護円筒、5:溶融液、
6:熱遮蔽板、 7:支持軸、 8:引上げワイヤー、
9:種結晶、 10:単結晶

Claims (2)

  1. ルツボ内に供給される原料を加熱し、溶融状態に保持するための円筒形状のヒーターであって、
    前記ヒーターが長さ方向に3段以上に分割されていることを特徴とする分割式ヒーター。
  2. ルツボの外側に同心円状に配置され、ルツボ内に供給される原料を加熱して溶融状態に保持するためのヒーターを備え、前記ルツボ内の溶融液からチョクラルスキー法により単結晶を育成する単結晶引上げ装置であって、
    前記ヒーターが請求項1に記載される分割式ヒーターであることを特徴とする単結晶引上げ装置。
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