JPWO2017010538A1 - 動植物由来ペプチド含有血清カルノシン分解酵素阻害用組成物 - Google Patents

動植物由来ペプチド含有血清カルノシン分解酵素阻害用組成物 Download PDF

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Abstract

カルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害するための素材の使用、及びカルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法を提供する。動植物由来ペプチドがカルノシンジペプチダーゼ1阻害作用を有することを見出した。本発明は、認知機能低下等の予防又は改善に資する、効果的かつ新たな手段を提供する。

Description

本発明は、血清カルノシン分解酵素阻害用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、動植物由来ペプチドを有効成分として含むカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害するための動植物由来ペプチドの使用、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法、及び動植物由来ペプチドとカルノシンとを含む組成物に関する。
カルノシンは、β−アラニンとヒスチジンとからなるジペプチドであり、ヒト等の哺乳動物では筋肉や神経組織に高濃度に存在している。カルノシンの作用としては、(1)プロトンバッファーリング活性、(2)カルシウム分泌とカルシウム感受性制御、(3)抗酸化作用、(4)金属イオンキレート作用、(5)ヒスチジン/ヒスタミンの細胞外供与体、(6)高血糖改善作用、(7)抗炎症作用等が知られている。また、カルノシンの作用については、終末糖化産物の生成抑制や、脳虚血による細胞死の抑制、アルツハイマー病(AD)モデルマウスにおけるアミロイドβの蓄積作用、免疫調節作用等も報告されている。このようにカルノシンは体内における様々な機能に寄与しているが、カルノシン分解酵素によって分解されることがその薬理学的作用の発揮にとって課題となっている。
カルノシン分解酵素には血清カルノシナーゼ(carnosine dipeptidase 1;CNDP1)と組織カルノシナーゼ(carnosine dipeptidase 2;CNDP2)との2種類が存在することが知られている。このうちCNDP1は、高等霊長類(ヒト及び大型のサル)にのみ存在し、ほとんどの他の哺乳動物には存在しないことが示されている(非特許文献1)。これらCNDP1及びCNDP2は互いに相同性の高いタンパク質ではあるが、組織分布や酵素的特性は異なっており、両者はそれぞれ異なる機能を有するものと考えられている。
CNDP2に関しては、例えば、ベスタチンがその阻害剤として知られており(非特許文献2)、その他にはβ−アラニン、並びにGly-L-His及びL-Pro-L-Hisのような直鎖状ジペプチドがCNDP2の阻害に有効であることが報告されている(特許文献1)。一方、CNDP1については、例えばフェナントロリンがその阻害剤として報告されているが(非特許文献3)、CNDP1の活性阻害に着目したカルノシン分解抑制剤はあまり知られていないのが現状である。
上述した通りCNDP1及びCNDP2は互いに異なるタンパク質であることから、それぞれの酵素に対する阻害剤も互いに異なるものと考えられている。実際、上記のCNDP2阻害剤であるベスタチンはCNDP1の阻害には効果を持たないことが明記されている(非特許文献4)。また、上記に示したフェナントロリンは、CNDP1の阻害活性を有するものの、その副作用として経口毒性を示すことが知られている。そのため、より安全なCNDP1の阻害剤を見出すことができれば、CNDP1の活性に関連する疾患や症状への臨床適用も可能になるものと考えられている。
CNDP1に関しては、非特許文献5において、db/dbマウスにヒト血清カルノシナーゼ(CNDP1)を遺伝子導入した動物モデルにおいて、若年期より空腹時血糖値とHbA1cが高値を示し、体重減少を示すなどの糖尿病様症状が現れることを認めている。即ち、血清カルノシナーゼ(CNDP1)によるカルノシン分解亢進が、疾患発症原因になる可能性が示唆されている。従って、血清カルノシン分解酵素(CNDP1)阻害剤は、L−カルノシンを血漿、標的器官あるいはその他の器官に効率的に送達させ、糖尿病や酸化ストレス、終末糖化産物の産生に起因する各種疾患に対して予防効果を高めるためのアプローチとして考えられている。
また、非特許文献6等の複数の文献において、血清カルノシナーゼ(CNDP1)遺伝子における特定の遺伝子多型((CTG)n)と糖尿病性腎障害の発症との間に相関が認められていることが報告されている。これに関連して、非特許文献7においてはホモ接合型(CTG)5保持者において糖尿病性腎障害の発症リスクが低く、血清カルノシナーゼ活性が低いという報告が存在している。従って、血清カルノシナーゼ活性を抑制することがカルノシン濃度の維持に重要であり、関連する疾患の予防や治療に有効である可能性があると考えられている。
また、ヒトにおけるカルノシン経口摂取後の体内動態試験の検証例としては、非特許文献8が挙げられる。当該文献によれば、カルノシン60mg/kg摂取後各時間におけるカルノシン血中濃度の個人差は大きく、摂取前と比較して血中カルノシン濃度に著しい上昇が認められない被験者も存在し(25名中17名)、上昇が認められた群ではそうではない群と比較して血清カルノシナーゼの活性やタンパク質量が有意に低かった。このことから血清カルノシナーゼ(CNDP1)の働きを抑制することが血中カルノシン濃度維持に有効である可能性が高いと考えられている。
このようにCNDP1は、哺乳動物として特にヒトの体内において様々な影響を及ぼしていることから、この活性を効果的に阻害するための安全性の高い薬剤が強く求められている。
国際公開WO2004/064866号
Clin. Chim. Acta, 1991, 196, 193-205. Biol. Chem. Hoppe Seyler, 1988, 369, 1281-1286. Molecules, 2014, 19, 2299-2329 Clin. Chim. Acta 1982, 123, 221-231. Diabetes, 2007, 56, 2425-2432. Epub 2007 Jun 29. Diabetes, 2007, 56, 2410-2413. Diabetes, 2005, 54, 2320-2327. Am. J. Physiol. Renal. Physiol., 2012, 302(12), F1537-F1544.
本発明の課題は、生物安全性が高く、カルノシンの血中濃度の維持に寄与する血清カルノシン分解酵素(CNDP1)阻害用組成物を提供することにある。また、本発明の課題は、CNDP1を阻害するための素材の使用、CNDP1を阻害する方法、及び生物安全性が高く、カルノシンの血中濃度の維持に寄与する組成物等を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、コラーゲンペプチド、茶ペプチド及び大豆ペプチドが血清カルノシン分解酵素(CNDP1)の阻害活性を有することを初めて見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関するが、これらに限定されない。
(1)動植物由来ペプチドを含有する、カルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(2)動植物由来ペプチドが、コラーゲン、茶、又は大豆由来である、(1)に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(3)認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善用である、(1)又は(2)に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(4)動植物由来ペプチドが熱処理物である、(1)〜(3)のいずれかに記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(5)カルノシンジペプチダーゼ1阻害により発揮される機能の表示を付した、(1)〜(4)のいずれかに記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(6)機能の表示が、「認知機能の低下を抑制する」、「認知機能の維持を期待する」、「血糖値の上昇を抑制する」、「免疫機能を高める」、「抗酸化作用を期待する」、「酸化ストレスを低減する」、「抗糖化作用を期待する」、「糖化ストレスを低減する」、「血管の炎症を抑制する」、「アルツハイマー症の予防若しくは改善を期待する」、「自閉症の予防若しくは改善を期待する」、「ストレスを予防する」、「ストレスを軽減する」、「ストレスを緩和する」、「血圧低下を期待する」、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧の上昇を緩やかにする」、「高血圧症を予防する」、及び「高血圧症の改善に役立つ」からなる群から選択されるものである、(5)に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(7)前記組成物が剤である、(1)〜(6)のいずれかに記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
(8)カルノシンジペプチダーゼ1を阻害するための、動植物由来ペプチドの使用。
(9)動植物由来ペプチドが熱処理物である、(8)に記載の使用。
(10)動植物由来ペプチドを使用する、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法。
(11)動植物由来ペプチドが熱処理物である、(10)に記載の方法。
(12)動植物由来ペプチド及びカルノシンを含有する組成物であって、
動植物由来ペプチドがシクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、を含有し、シクロフェニルアラニルフェニルアラニンとカルノシンとの重量比が1:1000〜1:1である、前記組成物。
(13)動植物由来ペプチドが大豆ペプチド又はその熱処理物である、(12)に記載の組成物。
本発明によって、優れた血清カルノシン分解酵素(CNDP1)阻害効果を有する組成物を提供することができる。本発明の組成物を利用すれば、CNDP1の機能抑制に伴うカルノシンの分解遅延効果が得られるため、より高濃度のカルノシンを血漿、標的器官あるいはその他の器官に効率的に送達させることが可能となる。そのため、本発明の組成物は、元来カルノシンに関して知られている各種薬理学的作用(統合失調症などに伴う認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管や組織の炎症、酸化ストレスに起因する各種疾患発症、アルツハイマー、自閉症、ストレス、高血圧症に対する予防、改善効果)の向上に有効であり得る。
本発明の組成物に含まれる動植物由来ペプチドは、その多くが食品素材として利用されていることなどから安全性は高く、副作用は従来の医薬品に比して極めて少ないと考えられる。
図1は、カルノシンの体内動態を示すグラフである。 図2は、茶ペプチド熱処理物の血清中カルノシン分解抑制作用を調べたグラフである。 図3は、抑うつ及び落込みの変化を示すグラフである。グラフの縦軸は、飲料摂取前(SCR)を0としたときの[抑うつ・落込み]項目でのT得点変化量を示し、グラフの横軸はアンケートの実施時期を示す。また、グラフ中にプロットしたデータは、平均値±標準偏差を示す。 図4は、ネガティブな気分状態の変化を示すグラフである。グラフの縦軸は、飲料摂取前(SCR)を0としたときのTMD(total mood disturbance)総合得点の変化量を示し、グラフの横軸はアンケートの実施時期を示す。グラフ中にプロットしたデータは、平均値±標準偏差を示す。 図5は、血圧の変化を示すグラフである。グラフの縦軸は、飲料摂取前(SCR)を0としたときの収縮時血圧の変化量(mmHg)を示し、グラフの横軸は血圧測定時期を示す。グラフ中にプロットしたデータは、平均値±標準偏差を示す。
1.カルノシンジペプチダーゼ1及びカルノシンジペプチダーゼ1阻害
本明細書において「カルノシンジペプチダーゼ1」とは、カルノシン(L−カルノシン)をβ−アラニンとヒスチジンとに分解することができる血清型のカルノシン分解酵素をいう。カルノシンジペプチダーゼ(カルノシン分解酵素)は、CNDP(carnosine dipeptidase)と省略して表すことができ、また、カルノシナーゼ又はカルノシダーゼとも称される。カルノシンジペプチダーゼには血清(型)カルノシン分解酵素であるCNDP1と組織(型)カルノシン分解酵素であるCNDP2とが含まれる。これらのうち、本発明で対象とされるカルノシンジペプチダーゼはCNDP1であり、CNDP2とは区別される。
本明細書において「カルノシンジペプチダーゼ1阻害」とは、カルノシンジペプチダーゼ1のカルノシン分解活性を阻害することをいう。カルノシンジペプチダーゼ1の阻害作用は、公知の方法に従って評価することができる。例えば、カルノシンとカルノシンジペプチダーゼ1とを接触させるとカルノシンからヒスチジンが生成され、このときヒスチジンの存在によりヒスチジン特有の蛍光が測定可能であることから、その蛍光強度の低下を調べることによりカルノシンジペプチダーゼ1の阻害作用を評価することができる。
2.動植物由来ペプチド
本発明において「動植物由来ペプチド」は、動物由来ペプチド及び植物由来ペプチドの2つの概念を包含する。ここで「動物由来ペプチド」とは、特に断りがない限り、動物由来のタンパク質、又はタンパク質を含む動物組織に既知の分解処理(熱や圧力による分解処理、酸やアルカリによる分解処理、酵素による分解処理等)を施して低分子化することにより生じるペプチドを意味する。また「植物由来ペプチド」とは、特に断りがない限り、植物由来のタンパク質、又はタンパク質を含む植物体若しくは植物組織に既知の分解処理(熱や圧力による分解処理、酸やアルカリによる分解処理、酵素による分解処理等)を施して低分子化することにより生じるペプチドを意味する。また、本発明における動植物由来ペプチドは、このようにして得られたペプチドにさらに加熱等の処理を加えたものであってもよい。
本発明で用いられるペプチドは、動物又は植物から入手可能な1種類のペプチドであってもよいし、2種類以上のペプチドの混合物であってもよい。動植物由来ペプチドを構成するアミノ酸の個数は、特に限定されないが、2〜数十個(具体的には、2〜10個、2〜15個、2〜20個、2〜25個、2〜30個、2〜35個、又は2〜40個)が好ましく、2〜数個(具体的には、2〜3個、2〜4個、2〜5個、2〜6個、2〜7個、2〜8個、又は2〜9個)(即ち、オリゴペプチド)がより好ましい。
本発明において動植物由来ペプチドは、分子量5000以下のペプチドの割合が高いものを用いるのが好ましく、分子量3000以下のペプチドの割合が高いものを用いるのがより好ましく、分子量1000以下のペプチドの割合が高いものを用いるのが特に好ましい。ここで、「ペプチドの割合が高い」とは、動植物由来ペプチド全体の少なくとも50%がそのペプチドに該当している状態を意味する。当該分子量の測定は、当業者に周知の方法及び装置(HPLC等)を用いて行うことができる。
動物由来ペプチドとしては、特に限定されないが、例えば、哺乳動物(ウシ、ブタ等)、鳥類(ニワトリ等)、魚類(鯵、鰯、鮭、鰹等)、卵(鶏卵等)、乳(牛乳等)等から得られるペプチドが利用可能である。これらから得られるペプチドの具体例としては、コラーゲン、アルブミン、カゼイン、プラセンタ、グロブリン等に由来するペプチドが挙げられる。本発明では、動物由来ペプチドとしてコラーゲン由来のペプチドが好適に利用される。
植物由来ペプチドとしては、特に限定されないが、例えば、豆類、葉類、種子類、芋類等の植物由来のペプチドが利用可能である。豆類としては、例えば、大豆、小豆、黒豆等が挙げられる。葉類としては、茶(緑茶、紅茶、烏龍茶)等が挙げられる。種子類としては、例えば、大麦、小麦(小麦胚芽を含む)、麦芽、胡麻、米等が挙げられる。芋類としては、例えば、さつまいも、じゃがいも等が挙げられる。本発明では、植物由来ペプチドとして、大豆又は茶由来のペプチドが好ましく、茶由来のペプチドがより好ましい。
本明細書では、動植物由来ペプチド(動物由来ペプチド及び植物由来ペプチド)について「由来の」の記載を省略する場合がある。例えば、「コラーゲン由来のペプチド」の場合、これを「コラーゲンペプチド」と称することがある。また、例えば、「大豆由来のペプチド」の場合、これを「大豆ペプチド」と称することがある。このとき、両者は互換可能に使用される。
動植物由来ペプチドは、特に限定されないが、動物由来のタンパク質又はタンパク質を含む動物組織、或いは植物由来のタンパク質又はタンパク質を含む植物体若しくは植物組織を、従来公知の方法で分解処理することによって得ることができる。かかる分解処理としては、熱や圧力による分解処理、酸やアルカリによる分解処理、酵素による分解処理等が挙げられる。いずれの処理においても、水やエタノール等が溶媒として使用可能である。酵素による分解処理であれば、種々のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)をその目的に応じて適宜使用することができる。
動植物由来ペプチドは、公知の方法を用いて自ら調製したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販の動物由来ペプチドとしては、例えばニッピペプタイド(株式会社ニッピ)、イクオスHDL、コラーゲンペプチド800F、スーパーコラーゲンペプチドSCP、発酵コラーゲンペプチドLCP(以上、新田ゼラチン株式会社)等のコラーゲンペプチド等が挙げられる。また、市販の植物由来ペプチドとしては、例えばハイニュートAM、ハイニュートDC、ハイニュートHK(以上、不二製油社製)等の大豆ペプチド、オリザペプチド−P60(オリザ油化社製)等のコメペプチド、グルタミンペプチドGP−1N、グルタミンペプチドGP−N(以上、日清ファルマ社製)等の小麦ペプチド、ゴマペプチドKM−20(KISCO社製)等のゴマペプチドが挙げられる。
本発明において動植物由来ペプチドは、上記のペプチドに対してさらに熱処理を施したものでもよい。熱処理は、例えば、当業者に周知の耐圧性抽出装置、圧力鍋、及びオートクレーブ等を用いて行うことができるが、これらに限定されない。本発明における動植物由来ペプチドの熱処理は、国際公開第2014/200000号に記載の方法を参考にして行ってもよい。また、動植物由来ペプチドは、熱処理の前及び/又は後において固液分離を行ったものであってもよい。固液分離の処理を行うことにより液部を回収することができ、固体のみで取り扱うことが可能となる。固液分離には、ろ過及び/又は遠心分離等の手段が用いられる。また、動植物由来ペプチドは、熱処理後に精製処理をさらに施したものであってもよい。精製処理は、公知の方法及び装置を用いて行うことができる。また、動植物由来ペプチドは、清澄化処理をさらに行ったものであってもよい。清澄化処理は、公知の方法及び装置を用いて行うことができ、当該処理により動植物由来ペプチドを添加する組成物の設計の自由度を増すことができる。また、動植物由来ペプチドは、公知の方法及び装置を用いて凍結乾燥又は粉末化したものであってもよい。
本発明における動植物由来ペプチドは、特に限定されないが、100℃以上の温度かつ大気圧を越える圧力で熱処理をすることができる。当該温度は、好ましくは105℃以上、110℃以上、115℃以上、120℃以上、125℃以上、130℃以上、又は135℃以上である。また、当該温度は、好ましくは170℃以下、165℃以下、160℃以下、155℃以下、150℃以下、145℃以下、又は140℃以下である。なお、この温度は、加熱装置として耐圧性抽出装置を用いた場合には抽出カラムの出口温度を測定した値を示し、加熱装置としてオートクレーブを用いた場合には、圧力容器内の中心温度の温度を測定した値を示す。
熱処理の圧力条件については、大気圧を越える圧力である限りその数値は特に限定されないが、好ましくは0.101MPa以上、0.15MPa以上、0.2MPa以上、0.25MPa以上、又は0.3MPa以上である。また、当該圧力は、好ましくは0.79MPa以下、0.75MPa以下、0.7MPa以下、0.65MPa以下、0.6MPa以下、0.55MPa以下、0.5MPa以下、又は0.48MPa以下である。
熱処理の処理時間も、特に限定されるものではない。当該処理時間は、例えば、15分〜600分程度であり、好ましくは30分〜500分程度であり、より好ましくは60分〜300分程度である。なお、本発明において動植物由来ペプチド熱処理物を得るためのより適した熱処理条件は、例えば、横軸を時間(min.)、縦軸を温度(℃)とした座標系において、次の座標系(i)〜(vi)によって囲まれる時間及び温度の範囲内で保持される加熱処理である。(i)(170℃, 30 min.)、(ii)(150℃, 30 min.)、(iii)(115℃, 180 min.)、(iv)(105℃, 480 min.)、(v)(135℃, 480 min.)、(vi)(150℃, 180 min.)
本発明における熱処理の条件は、特に限定されないが、温度、圧力及び時間に関して例えば以下の通り設定することができる:
(温度、圧力、時間)=
(105℃〜170℃、0.101MPa〜0.79MPa、15分〜600分)、
(105℃〜170℃、0.101MPa〜0.79MPa、30分〜500分)、
(105℃〜170℃、0.101MPa〜0.79MPa、60分〜300分)、
(105℃〜170℃、0.15MPa〜0.48MPa、15分〜600分)、
(105℃〜170℃、0.15MPa〜0.48MPa、30分〜500分)、
(105℃〜170℃、0.15MPa〜0.48MPa、60分〜300分)、
(110℃〜150℃、0.101MPa〜0.79MPa、15分〜600分)、
(110℃〜150℃、0.101MPa〜0.79MPa、30分〜500分)、
(110℃〜150℃、0.101MPa〜0.79MPa、60分〜300分)、
(110℃〜150℃、0.15MPa〜0.48MPa、15分〜600分)、
(110℃〜150℃、0.15MPa〜0.48MPa、30分〜500分)、
(110℃〜150℃、0.15MPa〜0.48MPa、60分〜300分)、
(120℃〜140℃、0.101MPa〜0.79MPa、15分〜600分)、
(120℃〜140℃、0.101MPa〜0.79MPa、30分〜500分)、
(120℃〜140℃、0.101MPa〜0.79MPa、60分〜300分)、
(120℃〜140℃、0.15MPa〜0.48MPa、15分〜600分)、
(120℃〜140℃、0.15MPa〜0.48MPa、30分〜500分)、
(120℃〜140℃、0.15MPa〜0.48MPa、60分〜300分)等。
本発明における動植物由来ペプチドの好適な態様としては、コラーゲンペプチド、茶ペプチド、及び大豆ペプチドである。以下、これらの動植物由来ペプチドについて説明する。
(コラーゲンペプチド)
本明細書でいう「コラーゲンペプチド」とは、コラーゲンそのもの又はコラーゲンの粉砕物を酵素処理や熱処理を施し、コラーゲンを低分子化することによって得られる低分子ペプチドをいう。コラーゲンは動物の結合組織の主要なタンパク質であり、ヒトを含めた哺乳類の身体に最も大量に含まれるタンパク質である。得られた低分子ペプチドは、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理をさらに行ってもよい。
(茶ペプチド)
本明細書でいう「茶ペプチド」とは、茶(茶葉や茶殻を含む)そのもの又は茶抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる茶由来の低分子ペプチドをいう。抽出原料となる茶葉としては、茶樹(学名:Camellia sinensis)を用いて製造された茶葉の葉、茎など、抽出して飲用可能な部位を使用することができる。また、その形態も大葉、粉状など制限されない。茶葉の収穫期についても、所望する香味に合わせて適宜選択できる。得られた低分子ペプチドは、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理をさらに行ってもよい。
本発明で使用される茶抽出物は、副生成物の含有量が少なく、香味のよいものが好ましい。この香味の観点から、原料となる茶葉は、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、かぶせ茶、甜茶等の蒸し製の不発酵茶(緑茶)や、嬉野茶、青柳茶、各種中国茶等の釜炒茶等の不発酵茶を用いることが好ましい。
(大豆ペプチド)
本明細書でいう「大豆ペプチド」とは、大豆タンパク質そのもの又は大豆タンパク質に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる低分子ペプチドをいう。原料となる大豆(学名:Glycine max)は品種や産地などの制限なく用いることができ、粉砕品などの加工品段階のものを用いることもできる。得られた低分子ペプチドは、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理をさらに行ってもよい。
3.カルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物
3−1.動植物由来ペプチド含有カルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物
本発明の一態様は、動植物由来ペプチドを有効成分として含むカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物である。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物における動植物由来ペプチドの含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、動植物由来ペプチドの含有量は、本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の全重量に対して0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上である。また、動植物由来ペプチドの含有量は、本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の全重量に対して30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。典型的には、動植物由来ペプチドの含有量は、本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の全重量に対して0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.2重量%〜20重量%、より好ましくは0.3重量%〜10重量%である。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いる「重量%」は、重量/容量(w/v)を意味する。
3−2.作用メカニズム
上述した通り、カルノシンジペプチダーゼ1が阻害されることで、カルノシンジペプチダーゼ1により分解されるカルノシンのヒト等の哺乳動物における体内濃度が維持、又は当該濃度の低下が抑制される。カルノシンの作用としては、プロトンバッファーリング活性、カルシウム分泌とカルシウム感受性制御、抗酸化作用、金属イオンキレート作用、ヒスチジン/ヒスタミンの細胞外供与体、高血糖改善作用、抗炎症作用、終末糖化産物の生成抑制、脳虚血による細胞死の抑制、アルツハイマー病(AD)モデルマウスにおけるアミロイドβの蓄積作用、免疫調節作用、抗ストレス作用、血圧低下作用等が挙げられる。そのため、カルノシンの体内濃度を高く保持することによって、アミロイドβの蓄積作用に基づいて統合失調症などに伴う認知機能低下やアルツハイマー、自閉症の予防又は改善効果が得られ、高血糖改善作用に基づいて糖尿病又は酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患発症の予防又は改善効果が得られ、抗炎症作用に基づいて血管や組織の炎症の予防又は改善効果が得られ、免疫調節作用に基づいて免疫機能低下の予防又は改善効果が得られ、抗ストレス作用に基づいてストレス(精神的ストレス)の予防又は改善効果が得られ、血圧低下作用に基づいて高血圧症の予防又は改善効果が得られる。
3−3.他の成分
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、その形態に応じて、動物若しくは植物由来素材の他に、任意の添加剤、通常用いられる任意の成分を含有することができる。これらの添加剤及び/又は成分の例としては、ビタミンE、ビタミンC等のビタミン類、ミネラル類、栄養成分、香料などの生理活性成分の他、製剤化において配合される賦形剤、結合剤、乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、着色剤、凝固剤、又はコーティング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
3−4.用途
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、前述の動物若しくは植物由来素材(即ち、動植物由来ペプチド)を有効成分として含有することを特徴としており、当該素材がカルノシンジペプチダーゼ1の活性を阻害して、カルノシンジペプチダーゼ1により分解されるカルノシンの体内濃度が維持、又は当該濃度の低下が抑制される。体内においてカルノシンが高い濃度で保持されることで、認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善を効果的に行うことができる。従って、本発明の組成物は、認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善に用いられる。これらの用途に基づき、本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善用組成物ともなり得る。なお、本明細書において「予防又は改善」には、現在の状態をより良い状態にすることと現在の状態よりも悪い状態になることを防ぐこととの両方の概念が包含されることから、治療、回復、軽減、緩和等の用語もこれに含まれ得る。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、公知の方法に従って、錠剤(被覆錠剤を含む)、顆粒剤、散剤、粉末剤、又はカプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、又は乳剤等の液剤等に製剤化することができる。これらの組成物はそのまま水等と共に服用することができる。また、容易に配合することが出来る形態(例えば、粉末形態や顆粒形態)に調製後、例えば、医薬品の原材料として用いることができる。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。当該剤をそのまま組成物として、或いは当該剤を含む組成物として提供することもできる。本発明の組成物としては、医薬組成物、飲食品組成物、食品組成物、飲料組成物、化粧用組成物等が挙げられるが、これらに限定されない。食品組成物の限定的でない例として、機能性食品、健康補助食品、栄養機能食品、特別用途食品、特定保健用食品、栄養補助食品、食事療法用食品、健康食品、サプリメント、食品添加剤等が挙げられる。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、治療的用途(医療用途)又は非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品及び化粧料等としての使用が挙げられ、また、薬事法上はこれらに属さないが、認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善効果等を明示的又は暗示的に訴求する組成物としての使用が挙げられる。
本発明は、別の側面では、カルノシンジペプチダーゼ1阻害により発揮される機能の表示を付した、前記カルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物に関する。このような表示又は機能表示は特に限定されないが、例えば、「認知機能の低下を抑制する」、「認知機能の維持を期待する」、「血糖値の上昇を抑制する」、「免疫機能を高める」、「抗酸化作用を期待する」、「酸化ストレスを低減する」、「抗糖化作用を期待する」、「糖化ストレスを低減する」、「血管の炎症を抑制する」、「アルツハイマー症の予防若しくは改善を期待する」、「自閉症の予防若しくは改善を期待する」、「ストレスを予防する」、「ストレスを軽減する」、「ストレスを緩和する」、「血圧低下を期待する」、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧の上昇を緩やかにする」、「高血圧症を予防する」、及び「高血圧症の改善に役立つ」等、或いは、これらと同視できる表示又は機能性表示が挙げられる。本明細書において、当該表示及び機能表示のような表示は、組成物自体に付されてもよいし、組成物の容器又は包装に付されていてもよい。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。本発明の組成物は、例えば、経口用固形製剤、内服液剤若しくはシロップ剤等の経口用液体製剤、又は注射剤、外用剤、坐剤若しくは経皮吸収剤等の非経口用製剤などの形態とすることができるが、これらに限定されない。なお、本明細書において「摂取」とは、摂取、服用、又は飲用等の全態様を含むものとして用いられる。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の適用量は、その形態、投与方法、使用目的及び投与対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではない。本発明の組成物の有効ヒト摂取量は一定ではないが、例えば、その有効成分である動物若しくは植物由来素材(即ち、動植物由来ペプチド)の重量として、体重50kgのヒトで一日あたり、好ましくは100mg以上、より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは1000mg以上であり、好ましくは10g以下、より好ましくは5g以下、さらに好ましくは3g以下ある。また、投与は所望の投与量範囲内において、1日内において単回又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。なお、本発明の組成物の有効ヒト摂取量とは、ヒトにおいて有効な効果を示す本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の摂取量のことであり、当該組成物に含まれる動植物由来ペプチドの種類は特に限定されない。
本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の適用対象は、好ましくはヒトであるが、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物であってもよい。ヒト以外の動物を対象に投与する場合、ラット1個体当たり約20gに対して1日あたりの使用量は、組成物中の有効成分の含有量、適用対象者の状態、体重、性別及び年齢等の条件により異なるが、例えば、動物若しくは植物由来素材(即ち、動植物由来ペプチド)の総配合量として、好ましくは100mg/kg以上、より好ましくは500mg/kg以上、さらに好ましくは1000mg/kg以上であり、好ましくは10g/kg以下、より好ましくは5g/kg以下、さらに好ましくは3g/kg以下を摂取できる量にするとよい。
3−5.カルノシンとの組み合わせ(併用)
上述した動植物由来ペプチドは、カルノシンと併用することができる。そのため本発明は、一つの態様として、上述した動植物由来ペプチドとカルノシンとを組み合わせてなる(動植物由来ペプチド及びカルノシンを含有する)組成物(以下、「本発明の併用組成物」とも称する)を提供することができる。
上記の動植物由来ペプチドとカルノシンとを組み合わせて用いることによって、当該動植物由来ペプチドのカルノシンジペプチダーゼ1阻害作用がカルノシンジペプチダーゼ1からのカルノシンの分解を遅延させ、標的とする組織や器官に効果的に当該カルノシンを送達することができる。体内に元来存在しているカルノシンのみならず、本発明に係る動植物由来ペプチドとカルノシンとを併用することで、体内のカルノシン濃度をより高く維持することができ、カルノシンの作用を効果的に増強させることができる。
本発明の併用組成物は、動植物由来ペプチドを含むことからカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物となり得る。また、本発明の併用組成物は、特に限定されないが、カルノシン作用効果の増強という観点から、上記3−4で説明した用途に用いることが好ましい。即ち、本発明の併用組成物は、好ましくは、認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善用組成物である。
本発明の併用組成物は、特に限定されないが、上述したカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物と同様に、一例として剤(併用剤)の形態で提供することができる。当該剤をそのまま組成物として、或いは当該剤を含む組成物として提供することもできる。本発明の併用組成物は、医薬組成物、飲食品組成物、食品組成物、飲料組成物、化粧用組成物等とすることができるが、これらに限定されない。食品組成物の限定的でない例として、機能性食品、健康補助食品、栄養機能食品、特別用途食品、特定保健用食品、栄養補助食品、食事療法用食品、健康食品、サプリメント、食品添加剤等が挙げられる。
本発明におけるカルノシンはβ−アラニンとヒスチジンとで構成されるジペプチドであり、β−アラニルヒスチジンとも称する。カルノシンには、D体(D−カルノシン)、L体(L−カルノシン)及びDL体(DL−カルノシン)のいずれもが含まれるが、本発明では、好ましくはL体(L−カルノシン)及びDL体(DL−カルノシン)、より好ましくはL体(L−カルノシン)である。なお、D体(D−カルノシン)のCAS登録番号は5853−00−9であり、L体(L−カルノシン)のCAS登録番号は305−84−0である。
本発明において用いられるカルノシンは、その入手方法については特に限定されず、動物に由来する天然のもの、或いは化学合成法等により得られるもののいずれであってもよい。本発明では、好適には市販されているカルノシンが使用される。また、本発明の併用組成物におけるカルノシンの含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。
本発明の併用組成物における動物若しくは植物由来素材(即ち、動植物由来ペプチド)とカルノシンとの量比は、本発明の所望の効果が得られるような比であればよく、特に限定されるものではない。例えば、本発明の併用組成物における当該比(動物若しくは植物由来素材:カルノシン)は、重量比として、1:300〜300:1、好ましくは1:30〜30:1、より好ましくは1:10〜10:1、さらに好ましくは1:3〜3:1である。
本発明の併用組成物において、動植物由来ペプチドとカルノシンとの量比は、動植物由来ペプチドに含有される一成分を指標として設定することもできる。そのような成分としては、特に限定されないが、例えばシクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕等が挙げられる。
動植物由来ペプチドがシクロフェニルアラニルフェニルアラニンを含有する場合、動植物由来ペプチドとカルノシンとの量比は、例えば、シクロフェニルアラニルフェニルアラニンとカルノシンとの重量比(シクロフェニルアラニルフェニルアラニン:カルノシン)が1:1000〜1:1であるようにすることができる。当該重量比は、好ましくは1:950〜1:50、より好ましくは1:900〜1:100とすることができる。
シクロフェニルアラニルフェニルアラニンを含有する動植物由来ペプチドとしては、特に限定されないが、好ましくは大豆ペプチド熱処理物である。
4.カルノシンジペプチダーゼ1を阻害するための動物若しくは植物由来素材の使用
本発明の一態様は、動物若しくは植物由来素材(即ち、動植物由来ペプチド)のカルノシンジペプチダーゼ1を阻害するための使用である。
本発明の使用には、例えば、認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症を予防又は改善するための、動物若しくは植物由来素材の使用が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、当該使用は、ヒト又は非ヒト動物における使用であり、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為、即ち、治療による人体への処理行為を含まない概念である。
5.カルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法
本発明の一態様は、動物若しくは植物由来素材(即ち、動植物由来ペプチド)を有効成分として使用する、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法である。また、当該方法に関する別の態様は、カルノシンジペプチダーゼ1の阻害を必要とする対象に、動物若しくは植物由来素材を有効成分として治療有効量を投与することを含む、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法である。
上記方法において、カルノシンジペプチダーゼ1の阻害を必要とする対象とは、本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物の前記適用対象と同様である。また、本明細書中において治療有効量とは、本発明のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物を上記対象に投与した場合に、投与していない対象と比較して、カルノシンジペプチダーゼ1のカルノシン分解活性が阻害される量のことである。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的及び対象の年齢、体重、症状等によって適宜設定され一定ではない。
本発明の方法においては、前記治療有効量となるよう、前記動物若しくは植物由来素材をそのまま、或いは、動物若しくは植物由来素材を含有する組成物として投与してもよい。
本発明の方法によれば、副作用を生じることなくカルノシンジペプチダーゼ1を阻害することが可能になる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の方法を種々変更、修飾して使用することが可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
実施例1.茶ペプチドの調製
植物体として、茶葉(鹿児島県産の一番茶茶葉(品種:やぶきた))を用いた。この茶に対して、まず、水溶性タンパク質を低減する前処理(3回の前抽出)を行った。すなわち、茶10gに対して、熱湯200gを加えて適宜攪拌し、5分間抽出を行った。抽出終了後、140メッシュでろ過し、抽出残渣(茶滓)を回収した。この茶滓に対して、200gの熱湯を注ぎ5分間抽出を行って茶滓を回収した。再度、この茶滓に対して同様に抽出処理を行い茶滓を回収した。
次に、この前抽出を行った茶(茶滓)に対して、酵素による分解処理を行った。茶滓(全量)に対して50℃の湯を200g注ぎ、プロテアーゼ(商品名:プロチンNY100、大和化成社製)を1g添加し、攪拌子で攪拌(300rpm)しながら、55℃のウォーターバス内にて3時間反応させた。その後、95℃、30分間保持して酵素を失活させた。この酵素処理液を、凍結乾燥処理することにより、茶ペプチドを調製した。
実施例2.血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性阻害効果の検討
コラーゲンペプチド(HACP-50、ゼライス社)、大豆ペプチド(ハイニュートAM、不二製油社製)、及び上記の茶ペプチドを試験に供した。ヒト血清カルノシナーゼCNDP1は、recombinant Human Carnosine Dipeptidase 1/CNDP1(R&D systems)を用いた。カルノシンは、東京化成工業社製のものを用いた。以下の手順で、室温で血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性阻害効果を検討した。
1.5mLエッペンドルフチューブに、バッファー(50mM Tris, pH7.5)に溶解させた2ng/μL CNDP1溶液50μLと各種動植物由来ペプチドの水溶液25μLとを添加し、同じくバッファーに溶解させた4mMカルノシン溶液25μLを添加することで反応を開始した。反応溶液を室温で60分間インキュベートした後、脱イオン水で溶解した1% Trichloroacetic acid (TCA) (Sigma)水溶液50μLを添加し、ボルテックスにて混和することで反応を終結させた。反応終了後のサンプルに、5mg/mL o-Phthaldialdehyde (OPA) (Sigma)含有1.8M水酸化ナトリウム水溶液(10% DMSO含有)を添加し、混和後室温でさらに30分間インキュベートした。バッファーを用いてL-ヒスチジン希釈系列を15.625〜250μMの範囲内で作成し、同様にTCAおよびOPAを添加した後、30分間インキュベートしたものを検量線溶液とした。なお、各種動植物由来ペプチドの代わりに同含有率のDMSOを含有した水を添加したものをコントロールとした。サンプルおよび検量線溶液全量を96 well black plate に添加し、蛍光光度計を用いて励起波長360nm、蛍光波長460nmにおける蛍光強度を測定した。
結果については、酵素(CNDP1)の代わりにバッファーを添加したサンプルにおける蛍光強度を差し引くことで補正値を算出し、コントロールにおける蛍光強度の補正値を100%としたときの各種動植物由来ペプチドを含有するサンプルにおける蛍光強度の補正値をCNDP1残存活性(%)とした。その結果を表1〜3に示す。
Figure 2017010538
Figure 2017010538
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表1〜3に示される通り、コラーゲンペプチド、茶ペプチド、及び大豆ペプチドはいずれも血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性の阻害作用を有することが明らかとなった。
実施例3.動植物由来ペプチド熱処理物のCNDP1活性阻害効果の検討
実施例2で用いた各種ペプチドの熱処理物を試験に供した。各種ペプチドの熱処理物は、下記の通り製造した。
(1)コラーゲンペプチド熱処理物
実施例2で使用したコラーゲンペプチドを液体中にて高温高圧処理してコラーゲンペプチド熱処理物を製造した。具体的には、コラーゲンペプチドを蒸留水に250mg/mLとなるよう加え、オートクレーブ(トミー精工社製)に入れて、135℃、0.31MPa、10時間の条件で高温高圧処理を行った。
(2)茶ペプチド熱処理物
実施例1で得られた酵素処理液を固液分離せずに茶液体混合物の形態で、加熱処理を施した。加熱処理は、オートクレーブ(トミー精工社製)に入れて、135℃、0.31MPa、3時間の高温高圧流体による加熱処理とした。処理後の液体を140メッシュでろ過し、茶ペプチド熱処理物を得た。
(3)大豆ペプチド熱処理物
実施例2で使用した大豆ペプチドを液体中にて高温高圧処理して大豆ペプチド熱処理物を製造した。具体的には、大豆ペプチド3gに、それぞれ15mlの蒸留水を加え、オートクレーブ(トミー精工社製)に入れて、135℃、0.31MPa、3時間の条件で高温高圧処理を行った。
上記の各種ペプチド熱処理物以外の材料は実施例2と同一のものを用い、実施例2と同様の方法で各種ペプチド熱処理物による血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性の阻害作用を調べた。その結果を表4〜6に示す。なお、各種ペプチド熱処理物は、上記(1)〜(3)に記載の熱処理物をスプレードライ処理して粉末状にしたものを使用した。
Figure 2017010538
Figure 2017010538
Figure 2017010538
表4〜6に示される通り、コラーゲンペプチド熱処理物、茶ペプチド熱処理物、及び大豆ペプチド熱処理物はいずれも血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性の阻害作用を有することが明らかとなった。
実施例4.直鎖状ジペプチドによる血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性阻害効果の検討
組織カルノシナーゼ(CNDP2)阻害活性が知られている直鎖状ジペプチドに関して、血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性阻害効果を検討した。各種直鎖状ジペプチド標品は、BACHEM社より購入したものを試験に供した。その他の材料は実施例2と同一のものを用い、実施例2と同様の方法で直鎖状ジペプチドによる血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性の阻害作用を調べた。その結果を表7に示す。
Figure 2017010538
表7に示される通り、CNDP2阻害活性が知られている直鎖状ジペプチドは濃度を500μMとした場合であっても血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性の阻害効果は見られなかった。この結果から、CNDP2阻害活性が知られている直鎖状ジペプチドは血清カルノシナーゼ(CNDP1)活性の阻害作用を有していないことが明らかとなった。上記の結果から、CNDP2阻害活性が知られているCNDP1の阻害物質と組織カルノシナーゼ(CNDP2)の阻害物質とは互いに異なり関連性を持たないことが示唆された。
実施例5.茶ペプチド熱処理物併用がカルノシンのヒト体内動態に与える影響
カルノシン単独摂取あるいはカルノシン及び茶ペプチド熱処理物摂取時の血中カルノシン濃度を検討する目的から以下の試験を実施した。茶ペプチド熱処理物は、実施例3で使用したものと同じものを用いた。カルノシン(被験食品1)を0日目(Day0)に摂取し、カルノシン血中濃度を測定するために採血を行った。1日目〜6日目は、茶ペプチド熱処理物(被験食品2)を規定量毎日摂取した。7日目(Day7)には、カルノシン及び茶ペプチド熱処理物(被験食品3)を摂取し、血中カルノシン濃度を測定するために採血を行った。具体的な試験方法は下記の通りである。
(1)被験者
健康な成人男女10名(男性:5名、女性:5名)
(2)被験食品
Figure 2017010538
(3)被験食品の摂取方法
被験食品1および被験食品3は、試験当日に水250mLに溶かして経口摂取した。また、被験食品2のカプセル剤(1回4カプセル)は、午前中に、水250mLと共に経口摂取した。
(4)採血及び血液処理
被験食品1及び3の摂取前、摂取15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分後に採血を行った。なお、採血後の血液中におけるカルノシン分解を防ぐため、採血時に以下の手順で前処理を施した。血液は氷冷しておいた採血管(EDTA処理)にて採血し、遠心分離(3,000rpm/5分間/4℃)により血漿を得た。さらに氷冷した2%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を血漿の半分量だけ添加して混合し、氷冷下に10分間静置の後、再び遠心分離(15,000rpm/10分間/4℃)を行った。上清を回収し、-20℃に設定した冷凍庫で分析まで冷凍保存した。
(5)カルノシン分析方法
(5)−1.前処理
冷凍保管した前処理済みの血漿を融解し、そのうち80μLに水40μLと内部標準物質を含有する水溶液40μLとを加え、撹拌した。そこにアセトニトリル320μLを添加して再度撹拌し、遠心分離(15,000rpm/10分間/4℃)を行った後、上清に関して下記条件でLC-MS/MSによりカルノシン分析を行った。定量解析に用いるための検量線は、サンプル血漿をブランク血漿に、水をカルノシン標準水溶液に置き換えて作成した。
(5)−2.HPLC条件
高速液体クロマトグラフ:UFLCシステム[prominence](島津製作所社)
分析カラム:Scherzo SS-C18 2.0 mm I.D.×100 mm, 3 μm, (Imtakt社)
カラム温度:40℃
移動相:A:水/アセトニトリル/ギ酸(50/50/0.5)
B:50mM(終濃度)ギ酸アンモニウム含有アセトニトリル/水 (50/50)
流量:0.4 mL/min
Figure 2017010538
オートサンプラー洗浄液:アセトニトリル/水 (50:50, v/v)
オートサンプラー温度:4℃
注入量:10μL
(5)−3.MS/MS条件
質料分析装置:API5000 AB Sciex Pte. Ltd.
API interface:Turbo Spray(ESI)
ガス温度:600℃
Ionspray voltage:5500 V
Nebulizer gas setting (GS1):50 psi, air
Heated gas setting (GS2):70 psi, air
Curtain gas setting:20 psi, nitrogen
Collision gas setting:4, nitrogen
Ionization mode:MRM mode,positive ion detection mode
MRM条件:
カルノシン:m/z 227 → m/z 110
内部標準物質(フェニトイン):m/z 206 → m/z 60
(5)−4.その他
サンプルの測定に先立って、対象物質に関してクロマトグラムにおけるピークの選択性および添加検量線の直線性を確認した。サンプルの測定によって得られた各被験者の血中濃度データ(Day0、Day7)に基づいて、それぞれ台形法によりAUC(血漿中薬物濃度-時間曲線下面積)(単位:ng・hr/mL)を算出した。
図1に各被験者におけるAUCの変動を示す。Day7のAUCは各被験者に関してDay0のAUCを1とした場合の比率で表した。なお、解析はAUCが他9名の平均値と比較して10倍以上の乖離が認められた1名を除外して実施した。
Day0と比較したDay7のAUCは、解析対象被験者9名中6名が10%以上の上昇率を示し、9名の平均値は約20%上昇した。10%以内の変動であった被験者は2名であり、10%以上の低下を示した被験者は1名であった。以上の結果から、カルノシン摂取前の茶ペプチド熱処理物の連続投与ならびにカルノシン及び茶ペプチド熱処理物の併用により、カルノシンの血漿濃度が上昇する傾向が認められた。(Paired t-testを実施したところ、p値は0.21であった。)
実施例6.茶ペプチド熱処理物がヒト血清中におけるカルノシン分解に与える影響
ヒト血清中において、茶ペプチド熱処理物がカルノシン分解抑制効果を示すかどうかを検討した。
1.5mLエッペンドルフチューブを用いて、ヒト血清(コージンバイオ社製)100μL及びバッファー(50mM Tris, pH7.5)300μLに、最終濃度の10倍の濃度となるように調製した被験物質(茶ペプチド熱処理物)含有水溶液50μLを加え、軽く撹拌した後に37℃でプレインキュベーションを行った。次に、あらかじめ37℃で保温しておいたカルノシン(東京化成工業社製)1000μM含有バッファーを50μL添加し、軽く撹拌することでカルノシン分解反応を開始した。一連のカルノシン分解反応は37℃で実施した。反応開始0、10、20分後に反応液を50μL回収し、氷冷下で、あらかじめ1%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を25μL分注したエッペンドルフチューブに添加することで反応を停止した。アセトニトリル150μLを添加して遠心分離し(15,000rpm/10分間/4℃)、上清150μLを0.1%ギ酸水溶液450μLに希釈して分析サンプルとした。LC-MS/MSを用いてカルノシン濃度を定量し、反応0分後のカルノシン濃度に対する各時間におけるカルノシン濃度から、残存率(%)を算出した。カルノシンの定量は実施例5と同様にして行った。
図2に、反応開始時(反応0分後)のカルノシン濃度を100%としたときの各時間におけるカルノシン残存率(%)を示す(平均値±標準偏差)。試験数はn=3であり、グラフ中の茶ペプチド熱処理物水溶液の濃度は反応時の終濃度を表す。
この結果から、カルノシンはヒト血清の存在下でのみ分解され、茶ペプチド熱処理物はヒト血清中におけるカルノシンの分解を抑制することが示された。
実施例7.カルノシン及び大豆ペプチド熱処理物の摂取によるストレス反応及び血圧に与える影響
カルノシン及び大豆ペプチド熱処理物を摂取した場合のストレス値低下反応及び血圧への影響を検討する目的から、以下の試験を実施した。大豆ペプチド熱処理物は、実施例3で使用したものと同じものを用いた。なお、当該大豆ペプチド熱処理物には、大豆ペプチド熱処理物1g当たり約0.623mgのシクロフェニルアラニルフェニルアラニンが含まれる。カルノシン及び大豆ペプチド熱処理物を配合した飲料(被験飲料)とこれらが非含有の飲料(対照飲料)とを準備し、当該飲料の摂取前、摂取4週間後、及び摂取8週間後にストレス反応の評価をProfile of Mood States 2nd Edition日本語版(POMS2)により行い、同時に血圧を測定した。具体的な試験方法は下記の通りである。
(1)被験者
試験前のPOMS2によるストレス値が高かった成人男女60名(男性:31名、女性:29名)を被験者とし、被験飲料群及び対照飲料群の2群に30名ずつ分けた。なお、被験者はいずれもストレス値以外は健常であった。
(2)試験飲料
Figure 2017010538
(3)被験飲料の摂取方法
被験飲料および対照飲料は、8週間にわたって毎日午前中に一本(350mL)を経口摂取した。
(4)ストレス値低減効果の評価
飲料の摂取前(SCR)、摂取4週間後(4W)、及び摂取8週間後(8w)にPOMS2を用いてストレスアンケートを実施した。抑うつ及び落込みの変化について、T得点が55以上の被験者の層別解析を行った。その結果を図3に示す。また、ネガティブな気分状態について、T得点が60以上の被験者の層別解析を行った。その結果を図4に示す。
図3及び4に示される通り、被験飲料を摂取した被験者の方が、対照飲料を摂取した被験者よりも、抑うつ及び落込みの項目並びにネガティブな気分状態についてのストレス値が低下する傾向が見られた。また、その他の項目に関するストレス値においても、被験飲料を摂取した被験者の方が、対照飲料を摂取した被験者よりも、そのストレス値が低下する傾向が見られた([怒り−敵意](p=0.25)、[混乱−当惑](p=0.31)、[疲労−無気力](p=0.40)、[緊張−不安](p=0.17)(p値は、層別解析をしない状態での二元分散分析による各群間の主効果を示す))。
以上の結果より、大豆ペプチド熱処理物及びカルノシンを配合する飲料のストレス値低減効果が確認され、特に、抑うつ及び落込みや、ネガティブな気分状態については顕著な改善効果がみられた。
(5)血圧低下作用の評価
飲料の摂取前(SCR)、摂取4週間後(4W)、及び摂取8週間後(8w)に、収縮期血圧及び拡張期血圧を測定した。血圧変化に関する結果を図5に示す。
以上の結果より、大豆ペプチド熱処理物及びカルノシンを配合する飲料の有意な血圧低下効果が確認された。このような血圧低下作用は、カルノシンを含むイミダゾールジペプチドのヒトでの報告はない。かかる血圧低下作用は、大豆ペプチド熱処理物のカルノシン分解抑制作用によってカルノシンが有する交感神経抑制作用が高められたために得られたものと考えられる。
本発明は、動植物由来ペプチドを有効成分として含有するカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物を提供するものである。本発明は、認知機能低下等の予防又は改善に資する新たな手段を提供するものであるため、産業上の利用性が高い。

Claims (10)

  1. 動植物由来ペプチドを含有する、カルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
  2. 動植物由来ペプチドが、コラーゲン、茶、又は大豆由来である、請求項1に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
  3. 認知機能低下、糖尿病、免疫機能低下、血管若しくは組織の炎症、酸化ストレス若しくは終末糖化産物の産生に起因する各種疾患、アルツハイマー、自閉症、ストレス、又は高血圧症の予防又は改善用である、請求項1又は2に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
  4. カルノシンジペプチダーゼ1阻害により発揮される機能の表示を付した、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
  5. 機能の表示が、「認知機能の低下を抑制する」、「認知機能の維持を期待する」、「血糖値の上昇を抑制する」、「免疫機能を高める」、「抗酸化作用を期待する」、「酸化ストレスを低減する」、「抗糖化作用を期待する」、「糖化ストレスを低減する」、「血管の炎症を抑制する」、「アルツハイマー症の予防若しくは改善を期待する」、「自閉症の予防若しくは改善を期待する」、「ストレスを予防する」、「ストレスを軽減する」、「ストレスを緩和する」、「血圧低下を期待する」、「血圧の上昇を抑制する」、「血圧の上昇を緩やかにする」、「高血圧症を予防する」、及び「高血圧症の改善に役立つ」からなる群から選択されるものである、請求項4に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
  6. 前記組成物が剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカルノシンジペプチダーゼ1阻害用組成物。
  7. カルノシンジペプチダーゼ1を阻害するための、動植物由来ペプチドの使用。
  8. 動植物由来ペプチドを使用する、カルノシンジペプチダーゼ1を阻害する方法。
  9. 動植物由来ペプチド及びカルノシンを含有する組成物であって、
    動植物由来ペプチドがシクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、を含有し、シクロフェニルアラニルフェニルアラニンとカルノシンとの重量比が1:1000〜1:1である、前記組成物。
  10. 動植物由来ペプチドが大豆ペプチド又はその熱処理物である、請求項9に記載の組成物。
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