JP7231313B2 - 血圧を降下させるための組成物 - Google Patents
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Description
[1]乳タンパク質酵素分解物を有効成分として含んでなる、血圧を降下させるための組成物および血圧降下剤であって、前記乳タンパク質酵素分解物が、GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドを含む、組成物および用剤。
[2]乳タンパク質酵素分解物が、ホエイタンパク質酵素分解物である、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[3]ホエイタンパク質酵素分解物を、ヒト1日当たり0.01~100g(固形分換算)で摂取させる、上記[1]または[2]に記載の組成物および用剤。
[4]GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドを有効成分として含んでなる、血圧を降下させるための組成物および血圧降下剤。
[5]前記ペプチドを、ヒト1日当たり0.01~100mg(固形分換算)で摂取させる、上記[1]または[4]に記載の組成物および用剤。
[6]食品の形態である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の組成物および用剤。
・血圧が気になる方に
・血圧が高めの方(正常高値の方)に
・血圧を健康に保つ
・血圧を正常に維持する
・高めの血圧を改善する
(1)タブレットの調製
ホエイ分解物(HW-3、雪印メグミルク社製)と、賦形剤および結合剤を混合して練り合わせた後、打錠することによりホエイ分解物含有タブレット(300mg/粒)を製造した。タブレット1粒中のホエイ分解物の含有量は168mgであった。上記ホエイ分解物は、ホエイタンパク質にタンパク質分解酵素を含む酵素製剤を作用させ、次いで膜処理を行って未分解物を除去し、乾燥させて得られた製品であり、後述のようにテトラペプチドGTWYおよびジペプチドWYを含有するものである。
上記(1)で調製したタブレット100粒(約30g)を乳鉢でよくすり潰し、その20mgを秤量し、滅菌水1mLを加えてよく懸濁させた。懸濁液を遠心分離(15000rpm、室温、3分)して得られた上清500μLを限外ろ過フィルター(10kDa)でろ過し、ろ液を1000倍希釈して測定試料とした。
上記(2)で得られた測定試料中のテトラペプチドGTWYおよびジペプチドWYの濃度をLC/MS/MS法により下記の分析条件で定量した。なお、AQUA Peptide(Sigma Aldrich社製)を標準試料とする検量線法により測定試料のGTWY濃度を算出した。
質量分析装置:4000Q TRAP(エービー・サイエックス社製)
HPLC装置:Agilent 1200 Series(アジレント・テクノロジー社製)
カラム:TSK gel ODS-100V 3μm 2.0mm I.D.X150mm(東ソー社製)
カラム温度:70℃
移動相A:0.1%ギ酸水溶液
移動相B:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
グラジエント条件:表1に示すグラジエント条件を適用した。
試料注入量:2μL
イオン化法:ESI(正イオン検出モード)
カーテンガス:40psi
ネブライザーガス:50psi
乾燥ガス:80psi
乾燥ガス温度:600℃
コリジョンガス:窒素
イオン化電圧:5000V
設定質量数(m/z)/コリジョンエネルギー(eV):526.4→159.2/47、526.4→368.3/23
DP電圧(V):36
設定質量数(m/z)/コリジョンエネルギー(eV):368.2→351.1/19、368.2→159.2/33
DP電圧(V):51
ホエイ分解物含有タブレット1粒(300mg)中にテトラペプチドGTWYは0.27mg(0.097質量%)、ジペプチドWYは0.10mg(0.033質量%)それぞれ含まれていることが確認された。
(1)試験の概要
ホエイ分解物およびホエイ分解物に含まれるペプチド(GTWY、WY)について血圧調節に関与する系であるアンジオテンシン変換酵素阻害活性を評価した。
アンジオテンシン変換酵素阻害活性の測定は、Le Hoang Lamらの報告(Biochem.,2007, 364, 104.)およびLe Hoang Lamらの報告(Anal. Sci., 2008, 24, 1057.)に基づく測定キット(同仁化学社ACE Kit-WST)を使用した。該キットは、3-ヒドロキシブチリル-Gly-Gly-Gly(3HB-GGG)にアンジオテンシン変換酵素(ACE)を作用させたときに産生する3-ヒドロキシ酪酸(3HB)の量を、発色を利用した酵素法により450nmの吸光度として求めるものである。被験試料の希釈倍率を変えた7点の測定試料と共存させたときに得られる発色強度と被験試料非共存時の発色強度から被験試料の50%阻害濃度(IC50)を算出した。
アンジオテンシン変換酵素阻害活性の測定の結果、ホエイ分解物、GTWY、WYのIC50はそれぞれ32.0μg/mL、12.0μg/mL、5.0μg/mLであった。
ホエイ分解物、GTWY、WYにはそれぞれACE阻害活性が認められることがわかった。また、ホエイ分解物のACE阻害活性に関してGTWYのACE阻害効果の寄与は小さくないものと考えられた。
(1)試験の概要
ホエイ分解物が血圧低下に及ぼす効果を検証するヒト試験を実施した。本試験は、プラセボを対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験とした。試験期間は12週間とし、試験期間中は試験食品または対照食品を摂取させた。具体的には、50歳以上75歳以下の健康な男女に試験食品として「ホエイ分解物含有タブレット」を、対照食品として「ホエイ分解物非含有タブレット」をそれぞれ摂取させて、ホエイ分解物の血圧低下に対する効果を確認した。
事前検査において医師から健常と判断された者を試験食品群(51名)と対照食品群(53名)に無作為に割り付けた。被験者には、試験期間中は試験期間前と同様の生活を継続させた。
試験期間中(12週間)、試験食品群には6粒の試験食品を、対照食品群には6粒の対照食品(以下、「プラセボ」ということがある。)を1日1回水またはぬるま湯と共に毎日摂取させた。試験食品としては、「ホエイ分解物含有タブレット」(タブレット6粒中にGTWYを乾燥質量換算で174mg含有し、WYを乾燥質量換算で0.60mg含有する)を用いた。また、対照食品としてはホエイ分解物に代えて、マルトデキストリンを配合する以外は同様の方法によって製造した「ホエイ分解物非含有タブレット」を用いた。1粒あたりの試験食品の処方は表3に示す通りである。
被験者に対して非観血式血圧計を用いて血圧測定を行った。具体的には、試験食品摂取開始前、摂取開始後6週時および摂取開始後12週時の被験者の来院時に1回実施した。なお、6週時および12週時において、試験食品の摂取は測定の30分前を目安に行った。
各測定時期における測定値から試験食品摂取開始前の測定値を差引いた値(差分、以下「血圧変化量」という)を評価した。血圧変化量については対応のないt検定を用いて群間比較した。
ア 被験者
解析対象者は、試験食品群では51名(男性17名、女性34名)、対照食品群では53名(男性20名、女性33名)であり、解析対象者の年齢(平均値±標準偏差)は試験食品群が60.7±5.7歳、対照食品群が61.2±5.6歳であった。被験食品摂取開始前の血圧は表4のとおりであり、収縮期血圧、拡張期血圧とも群間差は認められなかった。
収縮期血圧についての結果を図1に、拡張期血圧についての結果を図2に示した。各測定時期における血圧変化量(平均値±標準偏差)は、概ね試験食品群の方が低く推移し、収縮期血圧については摂取85日目において群間の有意差が認められた(P<0.05)。
GTWYとWYを含有するホエイ分解物は、血圧を降下させる作用を有することがわかった。本ヒト試験の被験者が健常な者であることを考慮すると、GTWYとWYを含有するホエイ分解物による降圧効果は、高血圧傾向のある被験者に対してはより顕著に作用することが予想された。さらに、例2の結果(ホエイ分解物によるACE阻害効果にGTWYによるACE阻害効果の寄与が大きかったこと)とあわせて考えると、GTWYもまた血圧を降下させる作用を有すると考えられた。
Claims (8)
- 乳タンパク質酵素分解物を有効成分として含んでなる、血圧を降下させるための組成物であって、前記乳タンパク質酵素分解物が、GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列からなるテトラペプチドを含む、組成物。
- 乳タンパク質酵素分解物が、ホエイタンパク質酵素分解物である、請求項1に記載の組成物。
- ホエイタンパク質酵素分解物を、ヒト1日当たり0.01~100g(固形分換算)で摂取させる、請求項1または2に記載の組成物。
- アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害するためのものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列からなるテトラペプチドを有効成分とする、血圧降下剤。
- GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列からなるテトラペプチドを有効成分とする、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤。
- 前記テトラペプチドを、ヒト1日当たり0.01~100mg(固形分換算)で摂取させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物、または請求項5または6に記載の剤。
- 食品の形態である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物または請求項5~7のいずれか一項に記載の剤。
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Ortiz-Chao, P. et al.,Production of novel ACE inhibitory peptides from β-lactoglobulin using Protease N Amano,International Dairy Journal,2009年,Vol.19, No.2,p.69-76,doi:10.1016/j.idairyj.2008.07.011 |
Pihlanto-Leppala, A. et al.,Angiotensin I Converting Enzyme Inhibitory Peptides Derived from Bovine Milk Proteins,International Dairy Journal,1998年,Vol.8, No.4,p.325-331,doi:10.1016/S0958-6946(98)00048-X |
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