JP7179908B2 - ペプチド組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はペプチド組成物およびその製造方法に関する。
脳機能の維持、向上、改善は、若年層から老年層まで幅広い世代で求められている。記憶力や学習能力の維持、向上、改善は、受験、資格試験等に備えて勉強する学生や社会人だけではなく、日々の仕事や生活を行う上でも重要である。また、老年層では記憶力の低下、認知機能の低下は生活の質に関わるため、脳機能の低下を予防し、これを維持、向上、改善させることが求められている。
さらに、老年期においては、老化に伴う脳機能の低下に起因する精神障害の増加が高齢者の増加とともに社会問題となっている。脳機能の低下に起因する疾患としては、アルツハイマー病に代表される認知症だけではなく、うつ病、せん妄等の精神疾患も脳機能の低下が原因であることが報告されている(非特許文献1)。
脳機能の解明が進むにつれ、脳機能を増強させる物質の探索が盛んに行われている。特に、副作用を心配することがないことから、食品成分中に脳機能を向上させる物質が含まれていないか解析が行われている。例えば、脳内トリプトファン濃度を上昇させセロトニン濃度上昇を惹起させ脳機能に影響を与えることを目的に、ホエイタンパクを投与し血漿中トリプトファン濃度を上昇させる試みが記載されている(非特許文献2)。
特許文献1には、脳内トリプトファン濃度上昇に寄与しうる組成物として、トリプトファン含量を中性大型アミノ酸含量で除した値が特定の値より大きいものが記載され、特許文献2にはリゾチーム由来の本組成物を数10mg含む飲料を1日1本摂ることで効果が期待できることが記載されている。特許文献3にはトリプトファン含量を中性大型アミノ酸含量で除した値が特定の値より大きい組成物は、α-ラクトグロブリン等を好ましくは酸性プロテアーゼで加水分解して得ることができる旨記載されている。
特表2011-523547号公報 特表2015-524265号公報 特許4642321号公報
田中稔久、武田雅俊(2011)日本臨床、増刊号、52~56頁 Am.J.Clin.Nutr.,2005,81,1026-33
今般、本発明者らは、ホエイタンパク質の酵素分解物からなるペプチド組成物と該ペプチド組成物中のペプチドが脳機能の維持、向上、改善等に有効であることを見出した。本発明者らはまた、脳機能の維持、向上、改善等の機能を有するペプチド組成物を効率的に製造する方法を見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は機能性ペプチドを含有するペプチド組成物とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]全ペプチド含有量に対して0.00001~0.2質量%のWY、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.1質量%のWL、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.1質量%のWVおよび全ペプチド含有量に対して0.000005~0.2質量%のGTWY(配列番号1)からなる群から選択される1種または2種以上の成分(好ましくは上記4種のペプチド成分)を含んでなるペプチド組成物。
[2]KPTPEGDLEI(配列番号2)および/またはGYGGVSLP(配列番号3)をさらに含んでなり、全ペプチド含有量に対してKPTPEGDLEI含有量が0.000001~0.05質量%であり、GYGGVSLP含有量が0.000005~0.2質量%である、上記[1]に記載のペプチド組成物。
[3]全ペプチド含有量に対して、WY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPの合計含有量が0.00002~0.6質量%である、上記[1]または[2]に記載のペプチド組成物。
[4]溶液の形態である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のペプチド組成物。
[5]溶液中、WYの濃度が0.15ppm以上であり、WLの濃度が0.15ppm以上であり、WVの濃度が0.1ppm以上であり、GTWYの濃度が0.3ppm以上である、上記[4]に記載のペプチド組成物。
[6]溶液中のGTWY濃度が3ppm以上である、上記[4]または[5]に記載のペプチド組成物。
[7]溶液中のKPTPEGDLEI濃度が0.1ppm以上であり、GYGGVSLP濃度が0.1ppm以上である、上記[4]~[6]のいずれかに記載のペプチド組成物。
[8]溶液中のWY濃度、WL濃度、WV濃度、GTWY濃度、KPTPEGDLEI濃度およびGYGGVSLP濃度の合計が1ppm以上である、上記[4]~[7]のいずれかに記載のペプチド組成物。
[9]溶液中のWY濃度、WL濃度、WV濃度およびGTWY濃度の合計が0.5ppm以上である、上記[4]~[8]のいずれかに記載のペプチド組成物。
[10]溶液中のWY濃度、WL濃度およびWV濃度の合計が0.5ppm以上である、上記請求項[4]~[9]のいずれかに記載のペプチド組成物。
[11]摂取形態のペプチド組成物であって、160~70000μgのWY、100~60000μgのWV、100~60000μgのWLおよび50~40000μgのGTWYからなる群から選択される1種または2種以上の成分を含んでなるペプチド組成物。
[12]GTWYの含有量が100~30000μgである、上記[11]に記載のペプチド組成物。
[13]GYGGVSLPおよび/またはKPTPEGDLEIをさらに含んでなり、GYGGVSLPの含有量が50~50000μgであり、KPTPEGDLEIの含有量が160~70000μgである、上記[11]または[12]に記載のペプチド組成物。
[14]食品の形態である、上記[1]~[13]のいずれかに記載のペプチド組成物。
[15]食品が飲料である、上記[14]に記載の組成物。
[16]上記[1]~[13]のいずれかに記載のペプチド組成物が配合されてなる、食品。
[17]飲料である、上記[16]に記載の食品。
[18]脳機能の維持、向上および/または改善のための、上記[1]~[15]のいずれかに記載のペプチド組成物または上記[16]または[17]に記載の食品。
[19]有効量の上記[1]~[15]のいずれかに記載のペプチド組成物または上記[16]または[17]に記載の食品を、ヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、脳機能の維持方法、脳機能の向上方法および脳機能の改善方法。
[20]脳機能の維持、向上および/または改善のための組成物および食品の製造のための、上記[1]~[15]のいずれかに記載のペプチド組成物の使用。
[21]ホエイタンパク質に1種または2種以上のアスペルギルス・メレウス由来のタンパク質分解酵素を含む酵素製剤を作用させて酵素分解物を得る工程を含む、上記[1]~[15]のいずれかに記載のペプチド組成物の製造方法。
[22]ホエイタンパク質に酵素を作用させる工程を、作用温度45~55℃で一定時間保持した後に、作用温度60~75℃で一定時間保持することにより実施する、上記[21]に記載の製造方法。
[23]ホエイタンパク質の酵素分解物を希釈する工程またはホエイタンパク質の酵素分解物を濃縮する工程をさらに含む、上記[21]または[22]に記載の製造方法。
本発明によれば、脳機能の維持、向上、改善等の機能を発揮することができる6種のペプチドおよびこれらの一部または全部を含有するペプチド組成物が提供される。本発明の6種のペプチドと本発明のペプチド組成物は食品の酵素分解物を利用することができることから、ヒトを含む哺乳類に安全な機能性素材として利用できる点で有利である。
(A)はY字迷路試験の概要を示した図である。(B)はY字迷路試験の模式図を示した図である。 ホエイ分解物を摂取させたマウスの自発的交換行動変動率(A)とアームへの総進入数(B)を示した図である。 GTWYを摂取させたマウスの自発的交換行動変動率(A)とアームへの総進入数(B)を示した図である。 GYGGVSLPを摂取させたマウスの自発的交換行動変動率(A)とアームへの総進入数(B)を示した図である。 KPTPEGDLEIを摂取させたマウスの自発的交換行動変動率(A)とアームへの総進入数(B)を示した図である。 WY、WLおよびWVを摂取させたマウスの自発的交換行動変動率(A)とアームへの総進入数(B)を示した図である。
発明の具体的説明
本発明の第一の面によれば、ペプチドとしてWY、WL、WVおよびGTWYからなる群から選択される1種、2種、3種または4種の成分を含んでなるペプチド組成物(以下「第一のペプチド組成物」ということがある)が提供される。このペプチド組成物においては、組成物中の全ペプチド含有量に対して、WY含有量が0.00001~0.2質量%(好ましくは、0.00002~0.15質量%、より好ましくは0.05~0.2質量%)であり、WL含有量が0.000001~0.1質量%(好ましくは、0.000002~0.05質量%、より好ましくは0.025~0.055質量%)であり、WV含有量が0.000001~0.1質量%(好ましくは、0.000002~0.05質量%、より好ましくは0.015~0.045質量%)であり、GTWY含有量が0.000005~0.2質量%(好ましくは、0.00001~0.15質量%)である。
ここで「全ペプチド含有量」とは、アミノ態窒素を有する化合物のうち、分子量が10kDaより小さいペプチドの含有量を意味する。また、後述のように本発明の第一のペプチド組成物は好ましくはホエイ分解物由来とすることができることから、「全ペプチド含有量」の算出のもとになるペプチドはホエイ分解物由来のものとすることができる。
本発明の第一のペプチド組成物の好ましい態様によれば、ペプチドとして少なくともWY、WL、WVおよびGTWYを含んでなるペプチド組成物であってWY含有量、WL含有量、WV含有量およびGTWY含有量が上記の通りであるペプチド組成物が提供される。
本発明の第一のペプチド組成物はそのままあるいは濃縮または希釈してヒトを含む哺乳動物に摂取させることで脳機能の維持、向上、改善等の機能を発揮することができる。従って、本発明の第一のペプチド組成物は機能性食品や医薬品の原料として用いることができるとともに、機能性食品や医薬品として用いることもできる。
本発明の第一のペプチド組成物は、ペプチド以外の成分を含んでもよいが、組成物の全固形分質量に対する全ペプチド含有量は0.005%以上とすることができ、好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.05%以上である。なお、上限は100%とすることができ、この場合は組成物中の固形分はすべてペプチドにより構成されることになる。ここで、全ペプチド含有量はアミノ酸分析、紫外部吸光度測など常法により測定することができる。
本発明の第一のペプチド組成物においては、全ペプチド含有量に対するWY、WL、WVおよびGTWYの合計含有量は0.00005~0.4質量%とすることができ、好ましくは0.00002~0.35質量%、より好ましくは0.2~0.35質量%である。この場合、本発明の第一のペプチド組成物は、好ましくは、WY、WL、WVおよびGTWYを少なくとも含んでなるペプチド組成物であり、より好ましくは、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.2質量%のWY、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.1質量%のWL、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.05質量%のWVおよび全ペプチド含有量に対して0.000005~0.2質量%のGTWYを含んでなるペプチド組成物である。
本発明の第一のペプチド組成物は、WY、WL、WVおよびGTWYに加えて、KPTPEGDLEIおよび/またはGYGGVSLPをさらに含んでいてもよい。全ペプチド含有量に対するKPTPEGDLEI含有量は0.000001~0.05質量%(好ましくは、0.0000015~0.04質量%)とすることができ、全ペプチド含有量に対するGYGGVSLP含有量は0.000001~0.2質量%(好ましくは、0.000005~0.1質量%)とすることができる。
すなわち、本発明の第一のペプチド組成物の好ましい態様によれば、ペプチドとして少なくともWY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPを含んでなるペプチド組成物であって、WY含有量、WL含有量、WV含有量、GTWY含有量、KPTPEGDLEI含有量およびGYGGVSLP含有量が上記の通りであるペプチド組成物が提供される。
本発明の第一のペプチド組成物においては、全ペプチド含有量に対するWY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPの合計含有量は0.00002~0.6質量%とすることができ、好ましくは0.00004~0.5質量%、より好ましくは0.3~0.5質量%である。この場合、本発明の第一のペプチド組成物は、好ましくは、WY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPを少なくとも含んでなるペプチド組成物であり、より好ましくは、全ペプチド含有量に対して0.00001~0.2質量%のWY、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.1質量%のWL、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.05質量%のWV、全ペプチド含有量に対して0.000005~0.2質量%のGTWY、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.05質量%のKPTPEGDLEI、全ペプチド含有量に対して0.000005~0.2質量%のGYGGVSLPを含んでなるペプチド組成物である。
本発明において、WY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPの含有量の測定は、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC/MS/MS)により実施することができる。当業者であればその条件設定は容易に行うことができるが、たとえば後記実施例の条件を用いることができる。その際、標準ペプチドとしてLC/MS/MS測定用の純度のものを使用することはいうまでもないが、例えば、SIGMA-ALDRICH社製AQUAペプチドを使用することができる。
本発明の第一のペプチド組成物はタンパク質の酵素分解物由来とすることができ、好ましくはホエイタンパク質の酵素分解物(本明細書中、単に「ホエイ分解物」ということがある)由来とすることができる。本発明の第一のペプチド組成物は、ホエイ分解物そのもの、ホエイ分解物の濃縮物、ホエイ分解物の希釈物のいずれをも含むものである。ホエイタンパク質の分解物の製造方法は後述する。
本発明の第一のペプチド組成物は所定の含有比率でペプチドが含まれる限りその形態に特に限定はないが、例えば、固形、半固形、粉末、溶液の形態をとることができる。溶液は好ましくは水溶液である。
本発明の第一のペプチド組成物が溶液の形態である場合、該組成物中のペプチドの濃度は以下のようにすることができる。すなわち、WYの濃度は0.15ppm以上(例えば、0.15~100ppm)とすることができ、好ましくは1.5ppm以上(例えば、1.5~100ppm)、より好ましくは15ppm以上(例えば、15~100ppm)である。WLの濃度は0.15ppm以上(例えば、0.15~40ppm)とすることができ、好ましくは1.5ppm以上(例えば、1.5~40ppm)、より好ましくは15ppm以上(例えば15~40ppm)である。WVの濃度は0.1ppm以上(例えば、0.1~30ppm)とすることができ、好ましくは0.5ppm以上(例えば、0.5~30ppm)、より好ましくは1ppm以上(例えば1~30ppm)である。GTWYの濃度は0.3ppm以上(例えば、0.3~150ppm)とすることができ、好ましくは3ppm以上(例えば、3~150ppm)、より好ましくは30ppm以上(例えば、30~150ppm)である。
本発明の第一のペプチド組成物が溶液の形態である場合、KPTPEGDLEIおよび/またはGYGGVSLPを含むことができ、該組成物中のKPTPEGDLEI濃度は0.1ppm以上(例えば、0.1~30ppm)とすることができ、好ましくは1.0ppm以上(例えば、1.0~30ppm)、より好ましくは10ppm以上(例えば10~30ppm)であり、GYGGVSLP濃度は0.1ppm以上(例えば、0.1~100ppm)とすることができ、好ましくは1.0ppm以上(例えば、1.0~100ppm)、より好ましくは10ppm以上(例えば10~100ppm)である。
本発明の第一のペプチド組成物が溶液の形態である場合、該組成物中のWY濃度、WL濃度、WV濃度、GTWY濃度、KPTPEGDLEI濃度およびGYGGVSLP濃度の合計は1.0ppm以上(例えば、1.0~500ppm)とすることができ、好ましくは2ppm以上(例えば、2~500ppm)、より好ましくは10ppm以上(例えば、10~500ppm)、さらに好ましくは100ppm以上(例えば、100~500ppm)である。この場合、本発明の第一のペプチド組成物は、好ましくは、WY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPを少なくとも含んでなる、溶液形態のペプチド組成物であり、より好ましくは、0.15ppm以上のWY、0.15ppm以上のWL、0.1ppm以上のWV、0.3ppm以上のGTWY、0.1ppm以上のKPTPEGDLEI、0.1ppm以上のGYGGVSLPを含んでなる、溶液形態のペプチド組成物である。
本発明の第一のペプチド組成物が溶液の形態である場合、該組成物中のWY濃度、WL濃度、WV濃度、およびGTWY濃度の合計は0.5ppm以上(例えば、0.5~300ppm)とすることができ、好ましくは2ppm以上(例えば、2~300ppm)、より好ましくは10ppm以上(例えば、10~300ppm)、さらに好ましくは20ppm以上(例えば、20~300ppm)、最も好ましくは100ppm以上(例えば、100~300ppm)である。この場合、本発明の第一のペプチド組成物は、好ましくは、WY、WL、WVおよびGTWYを少なくとも含んでなる、溶液形態のペプチド組成物であり、より好ましくは、0.15ppm以上のWY、0.15ppm以上のWL、0.1ppm以上のWVおよび0.3ppm以上のGTWYを含んでなる、溶液形態のペプチド組成物である。
本発明の第一のペプチド組成物が溶液の形態である場合、該組成物中のWY濃度、WL濃度およびWV濃度の合計は0.5ppm以上(例えば、0.5~200ppm)とすることができ、好ましくは2ppm以上(例えば、2~200ppm)、より好ましくは5ppm以上(例えば、5~200ppm)、さらに好ましくは50ppm以上(例えば、50~200ppm)、最も好ましくは100ppm以上(例えば、100~200ppm)である。この場合、本発明の第一のペプチド組成物は、好ましくは、WY、WLおよびWVを少なくとも含んでなる、溶液形態のペプチド組成物であり、より好ましくは、0.15ppm以上のWY、0.15ppm以上のWLおよび0.1ppm以上のWVを含んでなる、溶液形態のペプチド組成物である。
本発明の第一のペプチド組成物の製造方法は、所定のペプチドを所定の含有比率で含む限り特に制限はないが、原料タンパク質にタンパク質分解酵素を含む酵素製剤を作用させることにより第一のペプチド組成物を製造することができる。
原料タンパク質の酵素処理は以下のようにして行うことができる。まず、原料となるタンパク質は、全乳、粉乳、カゼインまたはホエイを用いることができ、好ましくはホエイである。ここで、「ホエイ」とは、乳清、乳漿またはホエーともいい、乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液を意味する。ホエイはβ-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、血清アルブミン、免疫グロブリン等から構成される。本発明で使用するホエイの由来動植物は問わないが、牛乳由来ホエイを用いることが好ましい。
原料としてホエイタンパク質を用いる場合、酵素反応に供されるホエイタンパク質の濃度は、タンパク質が溶解し得る限り限定されないが、ゲル化や凝集を抑制し、濃縮の手間を省く観点から、1~30w/v%とすることが好ましく、より好ましくは1~20w/v%であり、さらに好ましくは5~15w/v%である。
原料タンパク質は、酵素反応が進行する限りいずれの水系溶媒に溶解させてもかまわないが、食品としての利用を考慮し、水または食品添加物グレードの緩衝液に溶解させることが好ましい。酵素反応で生じたアミノ酸により反応液のpHが変化しないようにするため緩衝液を使用することが好ましい。緩衝液の種類は任意であり、その後の利用や風味・味覚・ミネラル量を考慮して決定すればよいが、反応液のpHを4~9、好ましくは5~8、より好ましくは7~8に維持できるような組成が好ましい。最も好ましくはリン酸カリウム緩衝液である。緩衝液の濃度は緩衝効果が得られる範囲であれば任意であるが、風味・味覚・ミネラル量を考慮すると、0.01~0.5Mとすることができ、好ましくは0.05~0.2Mであり、より好ましくは約0.1Mである。
酵素はタンパク質分解酵素を含む酵素剤であればいずれも使用できるが、中性プロテアーゼを含む酵素製剤であることが好ましい。酵素製剤は、たとえばバチルス・サブティリス、アスペルギルス・オリゼ、アルペルギルス・メレウスなどの微生物を由来としたものを使用することができ、このうちアスペルギルス・オリゼ由来の酵素製剤とアルペルギルス・メレウス由来の酵素製剤が好ましく、より好ましくはアルペルギルス・メレウス由来の酵素製剤である。
本発明では市販の酵素製剤を使用することができ、例えば、天野エンザイム社、新日本化学工業社、DSM社、ダニスコ社、ノボザイム社、HBI社などから酵素製剤を入手可能である。酵素製剤の添加量は任意であるが、適度な加水分解反応速度と、コストを考慮すると、例えば、0.01~5w/v%、好ましくは0.05~4w/v%、より好ましくは0.1~0.5w/v%とすることができる。
酵素反応温度と酵素反応時間は原料タンパク質の加水分解が十分になされ、酵素分解物の品質が保たれるように設定することができる。すなわち、酵素反応温度は、例えば、30~70℃とすることができ、好ましくは40~70℃であり、より好ましくは45~65℃である。また、酵素反応時間は1~12時間とすることができ、好ましくは2~10時間であり、より好ましくは4~5時間である。
酵素反応は温度を上昇させながら行うことが好ましい。例えば、30℃から75℃にまで4~10時間かけて上昇させながら反応させることができる。好ましくは、35℃から75℃まで5~8時間かけて上昇させながら反応させることができ、より好ましくは35℃から75℃まで6~8時間かけて反応させることができる。温度上昇スピードは任意であるが、45℃から55℃の間での保持時間を長めにし(5~7時間)、その後60℃まですみやかに上昇させた後に60℃から75℃の間で長めに(たとえば1~3時間)保持することが好ましい。最も好ましいのは50℃で酵素を投入し、5~7時間保持後、任意の速度で昇温させ、60~65℃あるいは65~75℃の目標温度で1~3時間保持する方法である。
反応に際しては反応効率の観点から反応液を撹拌することが好ましい。基質が酵素とよく接するように、液撹拌速度は速い方がよいが、速すぎると反応液が飛び散る恐れがあるため、例えば、100~500rpmとすることができ、好ましくは200~400rpmであり、より好ましくは約250rpmである。
所望のペプチドが得られたら反応液は酵素反応を停止工程に付すことが好ましい。酵素反応停止工程では、反応液を高温にしたり、キレート剤を添加して酵素の化学構造を変化させたりする方法や、膜処理により酵素を除去する方法を採用することができる。好ましい手法は高温による失活処理である。該方法は80~90℃で5~30分、好ましくは80~90℃で20~30分間保持することで実施することができる。また、後述の濃縮工程で高温になる場合には、濃縮工程を兼ねて行うことができる。
酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(ペプチド組成物)は、さらに殺菌工程に付してもよい。殺菌工程としては、例えば、後述の膜処理工程や高温殺菌工程が挙げられる。加熱殺菌工程は酵素反応停止工程を兼ねることもでき、製造工程の簡略化の点で有利である。
酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(ペプチド組成物)は、さらに精製工程に付してもよい。精製工程としてはたとえば膜処理工程が挙げられ、好ましい膜処理は限外ろ過である。限外ろ過の分画分子量としては3~100kDaのものが好ましく、5~50kDaがより好ましく、10kDaがもっとも好ましい。精製工程を実施すると、実施しなかった場合と比較してペプチド組成物の風味を改善することができる点で有利である。また、精製工程は酵素反応停止工程および殺菌工程を兼ねることもでき、製造工程の簡略化の点でも有利である。
酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(ペプチド組成物)は、保管や運搬の観点からさらに濃縮工程に付してもよい。濃縮工程は任意の方法を選択することができるが、減圧濃縮、凍結乾燥および噴霧乾燥(スプレードライ)、膜処理による濃縮(例えば、逆浸透膜を用いる方法)による方法が好ましく、より好ましくは凍結乾燥および噴霧乾燥である。濃縮を大量かつ効率的に実施する観点から噴霧乾燥が特に好ましい。また、酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(ペプチド組成物)は、飲食品(特に飲料)として提供するために溶媒により希釈されてもよい。使用される溶媒に限定はないが、水系溶媒が好ましく、例えば、水、糖分含有水溶液、糖分および酸味寄与物質含有水溶液、任意の飲料液が挙げられる。
本発明の第一の面の好ましい態様によれば、ホエイタンパク質(より好ましくはフォンテラ社WPC472)を10%の濃度となるよう0.1Mリン酸カリウム緩衝液に溶解し(pH7.0)、天野エンザイム社製プロテアーゼP「アマノ」3SDを0.2%となるよう添加し、250rpmで撹拌しながら50℃×5時間保持、その後温度を上昇させ60℃に達したら3時間保持することで本発明の第一のペプチド組成物を製造することができる。
本発明の第二の面によれば、ペプチドとしてWY、WL、WVおよびGTWYからなる群から選択される特定量の1種、2種、3種または4種のペプチドを含んでなる、摂取形態のペプチド組成物(以下「第二のペプチド組成物」ということがある)が提供される。第二のペプチド組成物においては、該組成物中のペプチドの含有量は以下のように設定することができる。
WY:160~70000μg(好ましくは4000~60000μg)
WV:100~60000μg(好ましくは160~55000μg)
WL:100~60000μg(好ましくは160~55000μg)
GTWY:50~40000μg(好ましくは100~30000μg)
本発明の第二のペプチド組成物は、WY、WV、WLおよびGTWYからなる群から選択される1種または2種以上のペプチドに加えて、GYGGVSLPおよび/またはKPTPEGDLEIをさらに含んでいてもよい。GYGGVSLPの含有量は50~50000μg(好ましくは160~40000μg)とすることができ、KPTPEGDLEIの含有量は160~70000μg(好ましくは270~60000μg)とすることができる。
本発明の第二のペプチド組成物の製造方法は、所定のペプチドを所定の含有量で含む限り特に制限はないが、第一のペプチド組成物と同様に製造することができる。すなわち、全乳、粉乳、カゼインまたはホエイなどの原料タンパク質にタンパク質分解酵素を含む酵素製剤を作用させ、場合によっては所定のペプチドが所定の含有量で含まれるように濃縮あるいは希釈を行うことによりを製造することができる。酵素反応の詳細は第一のペプチド組成物の製造方法の記載を参照することができる。
本発明の第二のペプチド組成物は摂取形態であるため、そのままヒトを含む哺乳動物に摂取させることができ、脳機能の維持、向上、改善等の機能を発揮させることができる。従って、本発明の第二のペプチド組成物は機能性食品や医薬品として用いることができる。
後記実施例に示されるように、ホエイタンパク質の酵素分解物並びにWY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLP(以下「本発明の6種のペプチド」ということがある)は脳機能の維持、向上および改善作用を有する。従って、本発明の第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部は脳機能の維持、向上および/または改善のための組成物の有効成分として使用することができるとともに、脳機能の維持方法、脳機能の向上方法および脳機能の改善方法に使用することができる。また、第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部は脳機能の維持剤、脳機能の向上剤および脳機能の改善剤の有効成分として使用することができる。本発明において「脳機能」は記憶学習機能および認知機能を含む意味で用いられる。
すなわち、本発明によれば、有効量の本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物あるいは本発明の6種のペプチドの一部または全部を、ヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、脳機能の維持方法、脳機能の向上方法および脳機能の改善方法が提供される。本発明のこれらの方法を実施する場合にはそれを必要としているヒトを含む哺乳類に有効量の本発明の組成物または本発明のペプチドを投与することにより実施することができる。
本発明によればまた、脳機能の維持、向上および/または改善のための組成物および食品の製造のための、本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物あるいは本発明の6種のペプチドの一部または全部の使用が提供される。本発明によればさらに、脳機能の維持剤、脳機能の向上剤および脳機能の改善剤の製造のための、本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物あるいは本発明の6種のペプチドの一部または全部の使用が提供される。本発明によればさらにまた、脳機能の維持、向上および/または改善に用いるための本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物および本発明の6種のペプチドの一部または全部が提供される。
本発明において、「記憶学習機能の維持」とは、例えば、老年層等において、加齢に伴って生じる記憶力や学習能力の低下を抑制することなどを含む。また、「記憶学習機能の向上」とは、例えば、一過的な記憶学習機能の向上や、中長期的な記憶の定着を促進、ひいては、脳の発育を促進させることなどを含む。さらに、「記憶学習機能の改善」とは、例えば、加齢その他の要因により一旦低下した機能や低下の兆しがある機能について回復することなどを含む。
本発明において「認知機能の維持」とは、例えば、理解、判断、論理などの知的機能、すなわち認知能力の低下を予防することなどを含む。また、「認知機能の向上」とは、例えば、認知能力を現状より高めることなどを含む。さらに、「認知機能の改善」とは、例えば、いったん低下した認知能力や低下の兆しがある症状を回復させることなどを含む。
以下の理論に拘束されるものではないが、本発明の第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物が脳機能の維持、向上および改善作用を有するのは、これらの組成物に含まれるペプチドが神経伝達物質の産生を促すなどにより脳の仕組みを補強する結果として、脳機能の維持、向上および改善に繋がったものと考えられる。
本発明における本発明の第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの使用はヒトおよび非ヒト動物における使用であってもよく、治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。本明細書において、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。
本発明においては、また、本発明の第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部は脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療、予防および/または改善のための組成物の有効成分として使用することができるとともに、脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療方法、予防方法および改善方法に使用することができる。また、第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部は脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療剤、予防剤および改善剤の有効成分として使用することができる。
すなわち、本発明によれば、有効量の本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物あるいは本発明の6種のペプチドの一部または全部を、ヒトまたは非ヒト動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療方法、予防方法および改善方法が提供される。本発明の治療方法、予防方法および改善方法を実施する場合には治療、予防または改善を必要としているヒトを含む哺乳類に有効量の本発明の組成物または本発明のペプチドを投与することにより実施することができる。
本発明によればまた、脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療用組成物、予防用組成物および改善用組成物の製造のための、本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物あるいは本発明の6種のペプチドの一部または全部の使用が提供される。これら組成物は好ましくは医薬組成物である。本発明によればさらに、脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療剤、予防剤および改善剤の製造のための、本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物あるいは本発明の6種のペプチドの一部または全部の使用が提供される。本発明によればさらにまた、脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療、予防および改善に用いるための本発明の第一のペプチド組成物、第二のペプチド組成物および本発明の6種のペプチドの一部または全部が提供される。
脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状としては、記憶学習機能および認知機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状が挙げられ、より具体的には記憶障害(記憶を思い出すことができない、新たなことを覚えることができないという症状)、見当識障害(時間・場所・人物の失見当)、認知機能障害(計算能力の低下・判断力低下失語・失認・失行・実行機能障害)などが挙げられる。
本発明の脳機能の維持、向上および/または改善のための組成物および本発明の脳機能の維持剤、向上剤および/または改善剤並びに本発明の脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療用組成物、予防用組成物および改善用組成物および本発明の脳機能の改善がその治療、予防または改善に有効である疾患および症状の治療剤、予防剤および改善剤は、医薬品、医薬部外品、飲食品、飼料などの形態で提供することができ、下記の記載に従って実施することができる。また本発明の脳機能の維持方法、脳機能の向上方法、脳機能の改善方法並びに本発明の治療方法および予防方法は下記の記載に従って実施することができる。
本発明の有効成分である本発明の第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部はヒトおよび非ヒト動物に経口投与または非経口投与することができ、好ましくは経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、外用剤(例えば、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバターを担体として使用できる。
経口剤の製造方法は特に限定されずいずれの方法をも使用することができる。有効成分に賦形剤(例えば、乳糖、白糖、デンプン、マンニトール)、崩壊剤(例えば、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム)、結合剤(例えば、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)、安定化剤および/または滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)などの製剤用添加剤を配合して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため公知の方法でコーティングすることにより製造することができる。コーティング剤としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイドラギット(ローム社)などを用いることができる。カプセル剤は有効成分をそのまままたは有効成分にたとえば安定化剤、分散剤、着色剤および/または保存剤などの製剤用添加剤を配合して製造してもよい。また、カプセルはソフトカプセルでもハードカプセルでもよく、カプセルの素材は特に限定されずたとえばゼラチンや植物性繊維や澱粉などを用いることができ、付着防止措置を施してもよい。
非経口剤のうち注射剤は、有効成分を分散剤(例えば、Tween80(アトラスパウダー社))、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖、転化糖)などの製剤用添加剤と共に水性溶剤(例えば、蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液)あるいは油性溶剤(例えば、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコール)などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造することができる。この際、所望により溶解補助剤(例えば、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン)等の添加物を添加してもよい。
本発明の有効成分である第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部を食品として提供する場合には、これらをそのまま食品として提供することができ、あるいはこれらを食品に含有させて提供することができる。このようにして提供された食品は第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部を有効量含有した食品である。本明細書において、第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部を「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に後述するような範囲で第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部が摂取されるような含有量をいう。また「食品」とは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品(例えば、幼児用食品、妊産婦用食品、病者用食品)を含む意味で用いられる。
第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部は脳機能の維持、向上および/または改善作用を有するため、日常摂取する食品、さらにはサプリメントとして摂取する食品に含有させて提供することができる。この場合、第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの一部または全部は1食当たりに摂取する量が予め定められた単位包装形態で提供することができる。1食当たりの単位包装形態としては、例えば、パック、包装、缶、ボトル等で一定量を規定する形態が挙げられる。第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物並びに本発明の6種のペプチドの各種作用をよりよく発揮させるためには、後述する、本発明の6種のペプチドの1回当たりの摂取量に従って1食当たりの摂取量を決定できる。本発明の食品は、摂取量に関する説明事項が包装に表示されるか、あるいは説明事項が記載された文書等と一緒に提供されてもよい。
本発明の食品には脳機能の維持、向上および/または改善作用を有する旨の表示が付されてもよい。この場合、消費者に理解しやすい表示とするため本発明の食品には以下の一部または全部の表示が付されてもよい。なお、本発明において「脳機能の維持、向上および/または改善」が以下の表示を含む意味で用いられることはいうまでもない。
・記憶力を向上させる
・記憶力を増強する
・記憶力をサポートする
・認知機能を向上させる
・認知機能を増強する
・認知機能をサポートする
・記憶力の維持に役立つ
・うっかりを防止する
・記憶の定着を向上させる
・加齢に伴う記憶の低下を抑制する
「食品」の形態は特に限定されるものではなく、例えば、飲料の形態であっても、半液体やゲル状の形態であってもよい。例えば、乳、ヨーグルト、チーズ等の乳素材に前述の酵素製剤を作用させ、本発明の6種のペプチドの一部または全部を生成させた乳製品も本発明の食品の範囲内である。また、サプリメントとしては、本発明の6種のペプチドの一部または全部の乾燥粉末に賦形剤、結合剤等を加え練り合わせた後に打錠することにより製造された錠剤や、カプセルになどに封入されたカプセル剤が挙げられる。
また、本発明の食品には通常の食品の製造に使用される食品上許容される添加剤を配合できることはいうまでもないが、本発明のペプチド組成物の劣化防止および酸化防止の観点からこれらの効果が期待される成分を本発明の食品に配合してもよい。このような成分としてはペプチドの劣化防止作用や抗酸化作用を有するフレーバー製剤が挙げられ、天然物由来の組成物を好ましくは用いることができる。
本発明で提供される食品としては、飯類、麺類、パン類およびパスタ類等炭水化物含有飲食品;クッキーやケーキなどの洋菓子類、饅頭や羊羹等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、ヨーグルトやプリンなどの冷菓や氷菓などの各種菓子類;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、その他雑酒、酎ハイなどのアルコール飲料;果汁入り飲料、野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、清涼飲料水、炭酸飲料、牛乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、ドリンクタイプのゼリー、コーヒー、ココア、茶飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ニア・ウォーターなどの非アルコール飲料;卵を用いた加工品、魚介類や畜肉(レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味を含む)などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。なお、ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性のミネラルウォーターのいずれもが包含される。
茶飲料としては、発酵茶、半発酵茶および不発酵茶のいずれもが包含され、例えば、紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー、ローズ茶、キク茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)が挙げられる。
果汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、モモ、マンゴー、アサイー、ブルーベリーおよびウメが挙げられる。また、野菜汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる野菜としては、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、カボチャ、キュウリおよびスイカが挙げられる。
本発明の医薬品および食品はヒトが食品として長年摂取してきた乳由来の酵素分解物を利用することから、毒性も低く、それを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し安全に用いることができる。本発明の6種のペプチドの摂取量または投与量は、受容者の性別、年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与経路並びに組み合わせる薬剤等に依存して決定できる。本発明の6種のペプチドの成人(50kg)1回当たりの摂取量および投与量を例示すると以下の通りであるが、対象者によっては数回に分けて摂取させ、あるいは投与してもよい。
WY:160~4200μg(好ましくは500~3600μg)
WV:100~3600μg(好ましくは160~3300μg)
WL:100~3600μg(好ましくは160~3300μg)
GTWY:50~2400μg(好ましくは100~1800μg)
GYGGVSLP:50~3000μg(好ましくは160~2400μg)
KPTPEGDLEI:160~4200μg(好ましくは270~3600μg)
なお、本発明の第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物は本発明の6種のペプチドの一部または全部を含むものであることから、各ペプチドの1回当たりの摂取量および投与量に従って第一のペプチド組成物および第二のペプチド組成物の組成と摂取量または投与量を決定することができる。例えば、上記のような各ペプチドの1回当たりの摂取量および投与量を有するように、単位摂取形態または単位投与形態の第一のペプチド組成物や単位摂取形態または単位投与形態の第二のペプチド組成物を調製することができる。
実施例1:ホエイ分解物製造の条件の検討
(1)原料タンパクの選択
各種ホエイタンパク質を、タンパク質分解酵素を含む酵素製剤(アマノエンザイム社製プロテアーゼP「アマノ」3SDまたはサモアーゼC100)でそれぞれ酵素処理し、生成される脳機能活性ペプチドについて検討を行った。
具体的には、各ホエイタンパク質を0.05Mリン酸カリウム緩衝液に5w/v%となるように溶解させた溶解液に、各タンパク質分解酵素製剤の終濃度が0.125w/v%となるように酵素製剤を添加した。得られた溶液をpH7.0、50℃にて4時間反応させた後、90℃で20分保持して酵素を失活させ、酵素処理サンプルを得た。なお、酵素製剤を添加する以外は同様の処理をして得られたサンプルを対照サンプルとした。
得られたサンプルについて目視により観察した結果を以下の表1に示す。
Figure 0007179908000001
また、得られたサンプルを遠心分離し、上清を限外ろ過(10kDa)して得られた分析サンプルを適宜希釈し、以下の分析条件でLC/MS/MSにてペプチドの定量を行った。濃度換算は最少濃度を0.001ppmとする検量線法によった。
Figure 0007179908000002
表1および2の結果から、酵素反応や酵素失活などの熱処理によって、一部のホエイタンパク質(分離ホエイタンパクWP18855)においては凝集が生じたが(表1)、それ以外については沈殿が生じながらもペプチドは得られ、その収量はホエイタンパク質の違いによる大きな差は見られなかった(ペプチド収量のデータは省略)。
したがって、本発明のホエイ分解物の製造にあたっては、ほとんどすべてのホエイタンパク質を原料として使用できることがわかった。なかでも、検討した2種の酵素製剤に対して沈殿が少なかったフォンテラ社製WPC472が総合的に適していることがわかった。
(2)酵素製剤の検討
ホエイタンパク質(フォンテラ社製WPC472)を5w/v%含有する0.05Mのリン酸カリウム緩衝液に、表3に示す各種酵素製剤をタンパク質分解酵素製剤の終濃度が0.125w/v%となるように添加した。pH7.0、50℃にて4時間反応させた後、90℃で20分保持して酵素を失活させ、酵素処理サンプルを得た。なお、酵素製剤を添加する以外は同様の処理をして得られたサンプルを対照サンプルとした。
得られたサンプルを限外ろ過して得た分析サンプルを適宜希釈し、LC/MS/MSにてペプチドの定量を行った。このとき、市販のホエイ加水分解物についても10w/v%濃度となるよう水に溶解させ上記サンプルと同様の処理をしてペプチドの定量を行った。なお、分析条件は実施例1に示す条件に従った。その結果を以下の表4に示す。数値は、酵素製剤番号35(アスペルギルス・メレウス由来タンパク質分解酵素製剤)により得られた反応液中のWY濃度を100としたときの比で表示した(表示の値=実測濃度(ppm)/酵素製剤番号35により得られた反応液中のWY濃度(ppm)×100)。
Figure 0007179908000003
Figure 0007179908000004
Figure 0007179908000005
Figure 0007179908000006
Figure 0007179908000007
表4の結果から、アスペルギルス・オリゼ、バチルス・サブティリスまたはアスペルギルス・メレウス由来のタンパク質分解酵素を含む酵素製剤の使用により、脳機能活性ペプチドの収量が多くなる傾向があり、なかでもアスペルギルス・メレウス由来のタンパク質分解酵素を含む酵素製剤の使用によりGTWYなどの収量が多くなることが分かった。また、本発明のホエイ分解物は、市販のホエイ加水分解物と比較して本発明の6種のペプチド濃度が極めて高いことが分かった。
(3)酵素反応条件の検討
本発明者らは、各種ホエイタンパク質を5~20w/v%を含有する0.05~0.2M濃度の緩衝液に、プロテアーゼP「アマノ」3SDをタンパク質分解酵素製剤の終濃度が0.1~0.5w/v%となるように添加し、得られた溶液をpH7.0、50℃にて1~8時間反応させた後、80℃、30分で酵素を失活させる条件において、所望のペプチドが生成されることを確認した(データ省略)。また、250rpmで撹拌した場合に反応が適切に進行することも確認した(データ省略)。さらに、ホエイタンパク質(フォンテラ社製WPC472)を10w/v%含有する0.1Mリン酸カリウム緩衝液に、プロテアーゼP「アマノ」3SDをタンパク質分解酵素製剤の終濃度が0.2w/v%となるように添加し、得られた溶液をpH7.0、50℃にて5~8時間維持し、その後80℃で30分維持して酵素を失活させる方法が好ましいことも確認した(データ省略)。
そこで、さらにホエイ分解物に含まれる特定ペプチドの収量を増加させることを目的として酵素反応条件についてさらに検討を行った。具体的には、ホエイタンパク質(フォンテラ社製WPC472)を10w/v%含有する0.1Mリン酸カリウム緩衝液に、プロテアーゼP「アマノ」3SDをタンパク質分解酵素製剤の終濃度が0.2w/v%となるように添加し、反応条件を検討した。
50℃で6~8時間反応させた場合に得られたホエイ分解物のペプチド濃度を、50℃で6時間反応させたときのWY濃度を100としたときの比(表示の値=実測濃度(ppm)/50℃で6時間反応させたときのWY濃度(ppm)×100)として以下の表5に示す。
Figure 0007179908000008
表5の結果から、反応時間が7時間まではペプチド濃度が増加傾向にあるものの、8時間ではペプチド濃度が低減することが分かった。
次に、反応6時間目以降に温度を変更して維持した場合の結果を、50℃で5時間反応させたときのWY濃度を100としたときの比(表示の値=実測濃度(ppm)/50℃で5時間反応させたときのWY濃度(ppm)×100)として以下の表6に示す。
Figure 0007179908000009
表6の結果から、50℃で一定時間反応を行った後、60℃でさらに一定時間反応させ、その後80℃で酵素を失活させることにより、得られるペプチドの量が増加することが分かった。特に、WYについては、50℃で5時間反応させた後、60℃で1~3時間反応させることにより、ペプチド濃度が増加することが分かった。さらに、50℃から60℃へ反応温度を昇温させた場合は、総反応時間が8時間の場合であっても、ペプチドの合計量が維持されることが分かった。
実施例2:ペプチド分解物の製造
ホエイタンパク質(フォンテラ社製WPC472)を10w/v%含む0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)にプロテアーゼP「アマノ」3SDをタンパク質分解酵素製剤の終濃度が0.2w/v%となるように添加し、50℃で5時間維持し反応させた。その後、80℃にて30分間維持し酵素を失活させた。
得られたホエイ分解物含有反応液および該ホエイ分解物をEYELA社製凍結乾燥機 FDU‐2100を使用し反応液の入ったフラスコ外側を室温とした凍結乾燥を行った。粉末化したホエイ分解物粉末中のペプチド濃度を以下の表7および8に示す。
本試験ではホエイ500gを原料とし、約2gの粉末化したペプチド分解物が得られているところ、該ペプチド分解物のほとんどはペプチドであると考えられた。
Figure 0007179908000010
Figure 0007179908000011
なお、粉末化したホエイ分解物中のペプチドの含有比率は、表7に記載したホエイ分解物含有水溶液(反応液中のペプチド含有比率)に等しいとみなしている。
実施例3:記憶学習機能・認知機能に対するホエイ分解物摂取の効果
(1)記憶学習機能・認知機能の評価方法(Y字迷路試験)
マウスは本来、直前に選択したルートとは異なるルートを選択する性質がある。そのため、幅、長さ等が等価の3本のアームを持つY字迷路にマウスを入れた場合、通常は直前に進入したアームとは異なるアームに進入する。Y字迷路試験は、マウスのその性質を短期記憶の評価に利用する試験である。
本試験では、一本のアームの長さが25cm、壁の高さが20cm、床の幅が5cmの3本のアームが各々120度の角度で接続されたY字迷路をY字迷路試験のための装置として使用した。
マウスをY字迷路のいずれかのアームの先端へ入れて自由に8分間探索させた際の移動したアームの順を記録した。ここで、3回連続で異なるアームを選択し、進入した場合を自発的交替行動と呼ぶ。時間内のアームへの総進入数および自発的交替行動数をカウントし、下記式(1)を用いて自発的交替行動変動率(%)を算出した。
Figure 0007179908000012
自発的交替行動変動率が高いほど、短期記憶が保持されていることを示す。
(2)ホエイ分解物摂取の効果
6週齢雄のCD-1マウス(日本SLC社より入手)に、実施例2で得られたホエイ分解物粉末を0.3~3mg/kg体重の量で胃内へ強制経口投与し、その40分後、記憶障害を誘発するために0.80mg/kg体重のスコポラミン塩酸塩(SIGMA社製)を腹腔内投与した。スコポラミンの腹腔内投与20分後、Y字迷路試験を実施した(図1)。なお、各群10匹で実験を行い、平均、標準誤差を求めた。その結果を図2に示す。
図2の結果から、ホエイ分解物投与による総進入数の変動は認められず、すなわち、ホエイ分解物投与は行動量には影響を与えないが(図2B)、ホエイ分解物投与は摂取量依存的に自発的交替行動変動率を高めることが分かった(図2A)。このことは、ホエイ分解物により短期記憶が保持されることを意味する。
実施例4:記憶学習機能・認知機能に対する合成ペプチド摂取の効果
6週齢雄のCD-1マウス(日本SLC社より入手)に、6種の合成ペプチド:GTWY、GYGGVSLP、KPTPEGDLEI、WL、WV、WYを0.1~3μmol/kg体重の量で胃内へ強制経口投与し、その40分後、記憶障害を誘発するために0.80mg/kgのスコポラミン塩酸塩を腹腔内投与した。スコポラミンの腹腔内投与20分後、実施例3(1)に記載されるY字迷路試験を実施した。なお、各群10匹で実験を行い、平均、標準誤差を求めた。その結果を図3~7に示す。
図3~6の結果から、GTWYを摂取させたマウスは、摂取量0.1~1μmol/kg体重の範囲で非摂取群と比較して自発的交替行動変動率が高くなり、短期記憶が保持されたことがわかった。同様に、GYGGVSLP、KPTPEGDLEIでも摂取量0.1~1μmol/kg体重の範囲で非摂取群と比較して自発的交替行動変動率が高くなり、短期記憶が保持されたことがわかった。特に、GTWY、GYGGVSLP、KPTPEGDLEIによる自発的交替行動変動率の上昇はペプチド摂取量に依存する傾向が認められた。
図7の結果から、WL、WV、WYを摂取させたマウスでは、摂取量0.3~3μmol/kg体重の範囲で非摂取群と比較して摂取量に依存して自発的交替行動変動率が高くなり、短期記憶が保持されたことがわかった。
実施例5:ホエイ分解物を添加した飲料の評価
高甘味度甘味料であるアセスルファムカリウムやスクラロースはショ糖などと比較すると甘味に後引きが感じられることが知られている。そこで、高甘味度甘味料に起因する甘さの後引きに対するホエイ分解物の効果について検討した。
(1)サンプル飲料の調製
イオン交換水に高甘味度甘味料としてアセスルファムカリウム(MCフードスペシャリティーズ社製)またはスクラロース(三栄源エフエフアイ社製)を表9に示す含有量となるように添加した水溶液に、実施例2で得られたホエイ分解物粉末を表9に示す含有量となるように添加したものをサンプル飲料とした。
(2)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、高甘味度甘味料に起因する甘さの後引きを改善できるか否かについて、以下の評価基準に従って評価を行った。
4:甘さが極めてすっきりする
3:甘さがすっきりする
2:少し甘さがすっきりする
1:無添加のものと同じ甘さ
官能評価は訓練されたパネラー6名により実施した。各パネラーは0.5点刻みのスコアで評価し、パネラー6名の評価スコアの平均値を計算し、2.5以上を効果ありと判断した。
(3)評価結果
官能評価の結果を表9に示す。
Figure 0007179908000013
表9の結果から、アセスルファムK水溶液、スクラロース水溶液のいずれにおいても、ホエイ分解物濃度を1w/v%としたときに甘さの後引きが最も改善された。しかし、本サンプル飲料は高甘味度甘味料とホエイ分解物以外の原料を含有しないため、この濃度ではホエイ分解物由来の苦み・えぐみも感じられるようになることから、総合的な呈味は1w/v%よりも低い濃度のサンプル飲料の方が優れていた。
実施例7:風味が改善されたホエイ分解物の調製
本実施例では限外ろ過膜処理によるペプチド組成物の風味改善について検討した。
(1)サンプル飲料の調製
実施例2で得られたホエイ分解物粉末1gを500mLの蒸留水に溶解したサンプル飲料(サンプル水1)と、サンプル水1を限外ろ過膜(分画分子量10kDa、メルクミリポア社製)でろ過処理して得られたサンプル飲料(サンプル水2)を調製し、官能評価に供した。
(2)官能評価
各サンプル飲料を常温で官能評価に供した。具体的には、5つの評価項目:清澄度、渋味、苦味、異臭および嗜好度を改善できるか否かについて、それぞれ5段階で評価を行った。清澄度については清澄度が最も低い場合を1とし、最も高い場合を5とした。渋味については渋味が最も弱い場合を1とし、最も強い場合を5とした。苦味については苦味が最も弱い場合を1とし、最も強い場合を5とした。異臭については異臭が最も弱い場合を1とし、最も強い場合を5とした。嗜好度については嗜好度が最も低い場合を1とし、最も高い場合を5とした。
官能評価は訓練されたパネラー4名により実施した。各パネラーは1刻みのスコアで評価し、パネラー4名の評価スコアの平均値を計算した。
(3)評価結果
官能評価の結果を表10に示す。
Figure 0007179908000014
表10の結果から、ろ過膜処理を施すことにより、ホエイ分解物溶液の清澄度、渋味、苦味、異臭および嗜好度が改善できることが確認された。すなわち、ろ過膜処理により風味が改善されたペプチド組成物を調製できることが示された。
実施例8:保存安定性が改善されたホエイ分解物含有飲料の調製
本実施例ではホエイ分解物含有飲料の保存安定性について検討した。
(1)サンプル飲料の調製および保存
市販のスポーツドリンク飲料に、実施例2で得られたホエイ分解物粉末を濃度が2mg/mLとなるように添加し、さらにペプチドの劣化防止作用を有するフレーバー組成物として各種天然物由来組成物を表11に示す含有量となるように添加混合したものをサンプル飲料とした。調製した各サンプル飲料は195mL容PETボトルに充填し1週間保存のうえ評価に供した。保存条件は、表11に示す温度および照度の条件(保存条件Aおよび保存条件B)とした。なお、表中の照射とは、保存中の照度が3000ルクス(LX)であったことを指す。
Figure 0007179908000015
(2)ペプチドの含有量評価
上記(1)で調製し保存されたサンプル飲料中のペプチド濃度を実施例1に記載した方法に従って測定した。保存条件Aのサンプルについての測定結果を表12に、保存条件Bのサンプルについての測定結果を表13に示す。ペプチド濃度は、サンプル飲料1(フレーバー組成物非添加、暗所にて保存)の値を100としたときの比(表示の値=実測濃度(ppm)/サンプル飲料1の各ペプチド濃度(ppm)×100)として示した。
Figure 0007179908000016
Figure 0007179908000017
表12の結果から、フレーバー組成物を含有する飲料(サンプル飲料3、4、5、6、7)ではペプチドの光による減耗が抑制されることが確認された。また、表13の結果から、フレーバー組成物を含有する飲料(サンプル飲料3、4、5、6、7)ではペプチドの熱による減耗が抑制されることが確認された。すなわち、フレーバー組成物の添加により保存安定性が改善されたホエイ分解物含有飲料を調製できることが示された。

Claims (5)

  1. 全ペプチド含有量に対して0.00001~0.2質量%のWY、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.1質量%のWL、全ペプチド含有量に対して0.000001~0.1質量%のWVおよび全ペプチド含有量に対して0.000005~0.2質量%のGTWY(配列番号1)を含んでなる、脳機能の維持、向上および/または改善に用いるためのペプチド組成物であって、
    前記組成物が、KPTPEGDLEI(配列番号2)および/またはGYGGVSLP(配列番号3)をさらに含んでなり、かつ、前記組成物において、全ペプチド含有量に対してKPTPEGDLEI含有量が0.000001~0.05質量%であり、全ペプチド含有量に対してGYGGVSLP含有量が0.000005~0.2質量%であり、
    前記脳機能が、記憶学習機能および/または認知機能である、ペプチド組成物。
  2. 全ペプチド含有量に対して、WY、WL、WV、GTWY、KPTPEGDLEIおよびGYGGVSLPの合計含有量が0.3~0.6質量%である、請求項1に記載のペプチド組成物。
  3. 食品の形態である、請求項1または2に記載のペプチド組成物。
  4. 食品が飲料である、請求項3に記載の組成物。
  5. 機能性表示食品の機能性関与成分である、請求項1または2に記載のペプチド組成物。
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