JP2021102587A - 認知機能改善用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】認知機能を維持、向上または改善する新規組成物の提供。【解決手段】本発明によれば、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物とを有効成分として含んでなる、認知機能の維持、向上または改善用組成物が提供される。認知機能としては記憶機能(例えば、空間記憶機能、作業記憶機能)が挙げられる。本発明の組成物は食品組成物として提供することができ、また、1食当たりの単位包装形態として提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、認知機能の維持、向上または改善に用いるための組成物に関する。
認知機能の維持、向上、改善は、若年層から老年層まで幅広い世代で求められている。記憶力や学習能力の維持、向上、改善は、受験、資格試験等に備えて勉強する学生や社会人だけではなく、日々の仕事や生活を行う上でも重要である。また、老年層では記憶力の低下、集中力の低下は生活の質に関わるため、認知機能の低下を予防し、これを維持、向上、改善させることが求められている。
これまでに認知機能改善作用を有する成分として特定のアミノ酸配列を有するペプチド(特許文献1)やホップ酸化反応産物(非特許文献1)が知られている。
国際公開第2015/194564号
T. Ayabe et al., Scientific Reports volume 8, Article number: 15372 (2018)
本発明は認知機能を維持、向上または改善する新規組成物および用剤を提供することを目的とする。
本発明者らは今般、動物モデルを用いた試験においてホエイタンパク質酵素分解物とホップ酸化反応産物とを併用投与したところ、単独投与と比べて顕著な認知機能改善効果があることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物とを有効成分として含んでなる、認知機能の維持、向上および/または改善用組成物(以下「本発明の組成物」ということがある)並びに認知機能の維持剤、向上剤および改善剤(以下「本発明の用剤」ということがある)。
[2]認知機能が記憶機能である、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[3]記憶機能が空間記憶機能および/または作業記憶機能である、上記[2]に記載の組成物および用剤。
[4]ホップ酸化反応産物が水性媒体抽出物である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[5]ホップ酸化反応産物が水抽出物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[6]ホップ酸化反応産物が、トリシクロオキシイソフムロン、トリシクロオキシイソコフムロン、スコルピオフムリノールおよびスコルピオコフムリノールを含むものである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[7]ホップ酸化反応産物中の苦味酸の濃度が1〜20質量%である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[8]ホエイタンパク質酵素分解物が、GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドおよびWYのアミノ酸配列を有するペプチドを含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[9]ホエイタンパク質酵素分解物中のGTWYの含有量(固形分換算)が全体量に対して0.01〜1質量%であり、ホエイタンパク質酵素分解物中のWYの含有量(固形分換算)が全体量に対して0.005〜0.5質量%である、上記[8]に記載の組成物および用剤。
[10]組成物中におけるホエイタンパク質酵素分解物に対するホップ酸化反応産物の比率(固形分換算質量比)が0.1〜2である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[11]食品組成物である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]1食当たりの単位包装形態である、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[13]ホップ酸化反応産物をヒト1食当たり10〜5000mg(固形分換算)で摂取させる、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[14]ホエイタンパク質酵素分解物をヒト1食当たり1〜50000mg(固形分換算)で摂取させる、上記[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[15]GTWYを0.01〜10mgおよび苦味酸を1〜100mg含むものである、上記[13]または[14]に記載の組成物および用剤。
本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物は、いずれもヒトが長年摂取してきた食品素材に由来する成分である。したがって、本発明の組成物および用剤は、認知機能を改善させる機能性食品として利用できるとともに、ヒトを含む哺乳類に安全な機能性食品として利用できる点で有利である。
図1は、参考例1におけるホップ酸化反応産物についてのHPLC分析結果(HPLCクロマトグラム)を示した図である。 図2は、参考例2においてホップ酸化反応産物由来苦味酸の面積算出時波形処理を示した図である。図中において、Aはカフェイン分析クロマトグラム、Bは溶出位置確認用分析クロマトグラム(a:trans-イソコフムロン(trans-isocohumulone)、b: trans-イソフムロン(trans-isohumulone)、c: trans-イソアドフムロン(trans-isoadhumulone))、Cは検体分析クロマトグラムをそれぞれ示す。Cの検体分析クロマトグラムにおいて、バックグラウンド補正後にカフェインからtrans-イソコフムロンの間を強度0でベースラインを引いてピークの底辺を規定し、当該区間の面積(グレーの部分)を算出する。 図3は、実施例3において各試料を経口投与したマウスのアームへの総進入数を示した図である。 図4は、実施例3において各試料を経口投与したマウスの自発的交替行動変動率を示した図である。*はp<0.05、**はp<0.01(Tukey-Kramer)検定を示す。
発明の具体的説明
<組成物および用剤>
本発明によればホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物とを含んでなる組成物および用剤が提供される。以下、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質分解物(以下、単に「ホエイ分解物」ということがある)について説明する。
ホップ酸化反応産物
本発明において、ホップ酸化反応産物とは、ホップまたはその加工物(ホップペレット、ホップエキス等)を酸化処理して得られるものをいう。本発明により提供されるホップ酸化反応産物は、例えば、ホップを空気中の酸素に接触させて酸化することにより得ることができる。
ホップ酸化反応産物は、例えば、国際公開第2012/081675号に記載の方法に従い、ホップを酸化処理することにより製造することができる。酸化処理は、好ましくはホップを空気中で加熱することにより行われる。加熱温度は特に限定されないが、好ましい上限は100℃であり、より好ましい上限は80℃である。加熱温度を100℃以下とする場合には異性化よりも酸化を優先的に進行させる上で有利である。また、好ましい加熱温度の下限は60℃である。加熱温度を60℃以上とする場合には酸化反応を効率的に進行させる上で有利である。また、反応期間も特に限定されるものではなく、ホップの品種や反応温度により適宜決定することができる。例えば、60℃であれば48〜120時間、80℃であれば8〜24時間が好ましい。酸化反応に付される際のホップの形態は空気中の酸素と接触できれば特に限定されるものではないが、好ましくは粉末状にすることにより、反応時間を短縮できる。
本発明においてホップは、ルプリン部を含有するものであれば任意の形態のものでよく、収穫して乾燥させる前のもの、収穫して乾燥したもの、圧縮したもの、粉砕したもの、またはペレット状に加工したもの等用いてもよいが、好ましくはホップペレットの形態である。ホップペレットは、市販品を使用してもよく、例えば、ホップ毬花を圧縮しペレット状にしたもの(Type90ペレット)、ルプリン部分が選択的に濃縮されたペレット(Type45ペレット)、または異性化処理したホップペレット(例えば、Isomerized Pellets (HopSteiner社))等が挙げられる。
ホップエキスを酸化処理に付すことにより生成したホップエキス酸化反応物を本発明におけるホップ酸化反応産物として提供してもよい。ホップエキス酸化反応物は、例えば、国際公開第2012/081675号に記載の方法に従い、ホップエキスを酸化処理することにより製造することができる。
本発明の組成物および用剤におけるホップ酸化反応産物の含有量(固形分換算)は、その目的、用途、形態、剤型などに応じて任意に定めることができ、本発明はこれに限定されないが、例えば、液体組成物の場合には、全体量に対して0.1〜50000mg/100mL(好ましくは1〜5000mg/100mL、より好ましくは10〜600mg/100mL)とすることができ、固体組成物の場合には、全体量に対して1〜99質量%(好ましくは10〜80質量%、より好ましくは40〜75質量%)とすることができる。
ホップには、α酸(フムロン類)、β酸(ルプロン類)、イソα酸(イソフムロン類)等の酸性樹脂成分が含まれている。本発明において「フムロン類」は、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン、およびプレフムロンを含む意味で用いられる。また、本発明において「ルプロン類」はルプロン、アドルプロン、コルプロン、ポストルプロンおよびプレルプロンを含む意味で用いられる。さらに、本発明において「イソフムロン類」は、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン、イソプレフムロン、Rho−イソフムロン、Rho−イソアドフムロン、Rho−イソコフムロン、Rho−イソポストフムロン、Rho−イソプレフムロン、テトラハイドロイソフムロン、テトラハイドロイソアドフムロン、テトラハイドロイソコフムロン、テトラハイドロイソプレフムロン、テトラハイドロイソポストフムロン、ヘキサハイドロイソフムロン、ヘキサハイドロイソアドフムロン、ヘキサハイドロイソコフムロン、ヘキサハイドロイソポストフムロン、ヘキサハイドロイソプレフムロンを含む意味で用いられる。なお、イソフムロン類にはシスおよびトランス立体異性体が存在するが、特に断りがない限りその両者を含む意味で用いられる。
ホップを酸化処理に付すことによりα酸、β酸、イソα酸の含有量が低減され、これら以外の成分の含有量が増加する。このようなホップ酸化反応産物の例としては、実施例1と同様のHPLC分析を実施した場合に、酸化反応産物のうちHPLC総ピーク面積に対するα酸、β酸およびイソα酸のピーク面積の割合が20%以下、好ましくは10%以下であるものが挙げられる。
本発明の酸化反応産物に含まれるα酸、β酸、イソα酸以外の成分は、HPLC等の周知の分析手段により容易に検出することができる。例えば、国際公開第2012/081675号の実施例1と同様の手順で調製されるホップ酸化反応産物には、α酸、β酸およびイソα酸以外の成分が含まれており、この成分に対応するピーク(本明細書において「S−フラクション(S−Fr)」ともいう)は生理活性を奏しうる。国際公開第2012/081675号の実施例1の図1Aにおいて矢印で示される範囲のピーク(α酸、β酸のピークを除く)がS−フラクションに該当する。
国際公開第2012/081675号に記載された条件と同様の条件で調製したホップ酸化反応産物について実施したHPLC分析とその結果(HPLCクロマトグラム)は本願明細書の参考例1および図1に示される通りである。矢印A1およびA2で示される範囲のピーク(α酸、β酸のピークを除く)がS−フラクションに該当する。ここで、図1において、矢印A1およびA2で分画される範囲のピーク面積値は、保持時間3分から25分までのA1のピーク面積値と、保持時間32分から39分までのA2のピーク面積値(α酸、β酸のピークを除く)との総和である。ここで、A1における「保持時間25分まで」とは、trans−イソコフムロンと同定されているピークの出現までを意味する。また、図1のA1で分画される範囲には、保持時間9.7分付近、保持時間11.8分付近、保持時間12.3分付近に特徴的なピークが認められた。また、図1のA2で分画される範囲には、ショルダーピークが認められ、その始点が保持時間32分付近、そのトップ点(α酸、β酸のピークを除く)は保持時間35分〜36分付近、終点は保持時間39分付近であった。
ホップ酸化反応産物は、好ましくはα酸酸化物、イソα酸酸化物およびβ酸酸化物を含有しており、このような酸化物として、例えば、「トリシクロオキシイソフムロン類」を含有する。ここで、「トリシクロオキシイソフムロン類」とは、トリシクロオキシイソコフムロン A(tricyclooxyisocohumulone A)(TCOIcoH A:下記式1参照、IUPAC名:(3aS,5aS,7S,8aS)-3,3a-dihydroxy-7-(1-hydroxy-1-methylethyl)-6,6-dimethyl-2-(2-methylpropanoyl)-5a,6,7,8-tetrahydro-3aH,5H-cyclopenta[c]pentalene-1,4-dione)、トリシクロオキシイソフムロン A(tricyclooxyisohumulone A)(TCOIH A:下記式2参照、IUPAC名:(3aS,5aS,7S,8aS)-3,3a-dihydroxy-7-(1-hydroxy-1-methylethyl)-6,6-dimethyl-2-(3-methylbutyryl)-5a,6,7,8-tetrahydro-3aH,5H-cyclopenta[c]pentalene-1,4-dione)、トリシクロオキシイソアドフムロン A(tricyclooxyisoadhumulone A)(TCOIadH A:下記式3参照、IUPAC名:(3aS,5aS,7S,8aS)-3,3a-dihydroxy-7-(1-hydroxy-1-methylethyl)-6,6-dimethyl-2-(2-methylbutanoyl)-5a,6,7,8-tetrahydro-3aH,5H-cyclopenta[c]pentalene-1,4-dione)を含む化合物群である。本明細書では、以下、TCOIcoH A、TCOIH AおよびTCOIadH AをまとめてTCOIHsAということがある。TCOIHsAの含有量は後記実施例1に記載の方法で測定する。
Figure 2021102587
Figure 2021102587
Figure 2021102587
ホップ酸化反応産物(好ましくはS−フラクション)に含まれる「トリシクロオキシイソフムロン類」以外の酸化物としては、スコルピオフムリノールAおよびスコルピオコフムリノールAが挙げられる。
本発明においては、ホップ酸化反応産物を水性媒体抽出物として提供してもよい。水性媒体は通常食品製造に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、水またはエタノールであり、より好ましくは水である(水による抽出物を特に水抽出物という。)。また、抽出温度は特に限定されないが、好ましくは60℃以下であり、抽出効率を勘案すれば、50〜60℃がより好ましい。
本発明に使用するホップ酸化反応産物(好ましくは、ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物)は、トリシクロオキシイソフムロンAおよびトリシクロオキシイソコフムロンAの合計量の、スコルピオフムリノールAおよびスコルピオコフムリノールAの合計量に対する比率(乾燥質量換算)で特徴付けることができ、例えば、この比率が1〜30の範囲であるホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物を、好ましくは、2〜20の範囲であるホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物を用いることができる。
また、本発明に使用するホップ酸化反応産物は、TCOIHsAの含有比率(乾燥質量換算)により特徴付けることができ、例えば、この含有比率が5〜15質量%、好ましくは5〜12質量%であるホップ酸化反応産物(好ましくは、ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物)を用いることができる。TCOIHsAは、Biosci.,Biotechnol.,Biochem.,2015 (79):1684-1694記載のmatured hop bitter acidsと同様の測定法により、その含有量を測定することができる。
ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物のBrix値は、特に制限されないが、例えば、3以下であり、好ましくは1.5〜3である。ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物は、デカンテーションまたはろ紙等により不溶性成分を除去してもよい。ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物はまた、活性炭処理を施してもよい。
また、ホップ酸化反応産物は、共通する構造として式4に示されるβトリカルボニル構造を有する化合物群(本明細書中「苦味酸」ということがある)の合計量で特徴づけることもできる。苦味酸の含有量は参考例2に記載する方法で測定する。ホップ酸化反応産物の水抽出物中に苦味酸は0.1〜90質量%(好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1〜20質量%)含有する。
Figure 2021102587
(上記式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキルを表す。R、R、RおよびRはそれぞれ任意の置換基を表し、それぞれが独立していても、互いが結合していてもよい。)
ホエイタンパク質酵素分解物
本発明において「ホエイ」とは、乳清、乳漿またはホエーともいい、乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液を意味する。ホエイはβ−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、血清アルブミン、免疫グロブリン等から構成される。本発明で使用するホエイの由来動植物は問わないが、牛乳由来ホエイを用いることが好ましい。本発明の組成物および用剤の有効成分であるホエイ分解物は、ホエイの酵素分解物である限り限定されない。
本発明の組成物および用剤におけるホエイ分解物の含有量(固形分換算)は、その目的、用途、形態、剤型などに応じて任意に定めることができ、本発明はこれに限定されないが、例えば、液体組成物の場合には、全体量に対して0.001〜100mg/100mL(好ましくは0.005〜50mg/100mL、より好ましくは0.01〜10mg/100mL)とすることができ、固体組成物の場合には、全体量に対して0.1〜90質量%(好ましくは0.5〜80質量%、より好ましくは1〜70質量%)とすることができる。
本発明のホエイ分解物は、好ましくはGTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドおよびWYのアミノ酸配列を有するペプチド(以下、これらを「本発明のペプチド」ということがある)を含有してなるものを使用することができる。ここで、「アミノ酸配列を有するペプチド」とは、前記アミノ酸配列により配列が特定されたペプチドを意味する。
本発明のホエイ分解物中のテトラペプチドGTWYの含有量(固形分換算)は、例えば、ホエイ分解物全体量に対して0.01〜1質量%(好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.2質量%)であり、ジペプチドWYの含有量(固形分換算)は、例えば、ホエイ分解物全体量に対して0.005〜0.5質量%(好ましくは0.01〜0.1質量%、より好ましくは0.03〜0.09質量%)である。
本発明のペプチドの含有量の測定は、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)を用い、後記実施例2に記載の方法により実施する。この場合において、測定の際に標準ペプチドとしてLC−MS/MS測定用の純度のものを使用することはいうまでもないが、例えば、SIGMA ALDRICH社製AQUAペプチドを使用することができる。
本発明のホエイ分解物(特に、本発明のペプチドを含有するホエイ分解物)の製造方法は公知であり、例えば、国際公開公報第2017/086303号の記載に従って製造することができる。あるいは、市販されているホエイ分解物(例えば、HW−3(雪印メグミルク)、HWP−205(Tatua)、Thermax690(Glanbia)、Protherma(Glanbia))をホエイ分解物として用いてもよい。
本発明のペプチドを含有するホエイ分解物は、例えば、ホエイタンパク質にホエイ分解酵素を含む酵素製剤を作用させることにより製造することができる。
酵素反応に供されるホエイタンパク質の濃度は、タンパク質が溶解し得る限り限定されないが、ゲル化や凝集を抑制し、濃縮の手間を省く観点から、1〜30w/v%とすることが好ましく、より好ましくは1〜20w/v%であり、さらに好ましくは5〜15w/v%である。
ホエイは、そのままで、あるいは濃縮または希釈して酵素反応に供すればよく、必要に応じpH調整等をすることができる。原料タンパク質が紛体等の固形物の場合、酵素反応が進行する限りいずれの水系溶媒に溶解させてもかまわないが、食品としての利用を考慮し、水または食品添加物グレードの緩衝液に溶解させることが好ましい。酵素反応で生じたアミノ酸により反応液のpHが変化しないようにするため緩衝液を使用することが好ましい。緩衝液の種類は任意であり、その後の利用や風味・味覚・ミネラル量を考慮して決定すればよいが、反応液のpHを4〜9、好ましくは5〜8、より好ましくは7〜8に維持できるような組成が好ましい。最も好ましくはリン酸カリウム緩衝液である。緩衝液の濃度は緩衝効果が得られる範囲であれば任意であるが、風味・味覚・ミネラル量を考慮すると、0.01〜0.5Mとすることができ、好ましくは0.05〜0.2Mであり、より好ましくは約0.1Mである。
酵素はタンパク質分解酵素を含む酵素剤であればいずれも使用できるが、中性プロテアーゼを含む酵素製剤であることが好ましく、1種類またはそれ以上を組合せて使用することができる。酵素製剤は、たとえばバチルス・サブティリス、アスペルギルス・オリゼ、アルペルギルス・メレウスなどの微生物を由来としたものを使用することができ、このうちアスペルギルス・オリゼ由来の酵素製剤とアルペルギルス・メレウス由来の酵素製剤が好ましく、より好ましくはアルペルギルス・メレウス由来の酵素製剤である。
本発明では市販の酵素製剤を使用することができ、例えば、天野エンザイム社、新日本化学工業社、DSM社、ダニスコ社、ノボザイム社、HBI社などから酵素製剤を入手可能である。酵素製剤の添加量は任意であるが、適度な加水分解反応速度と、コストを考慮すると、例えば、0.01〜5w/v%、好ましくは0.05〜4w/v%、より好ましくは0.1〜0.5w/v%とすることができる。
酵素反応温度と酵素反応時間は原料タンパク質の加水分解が十分になされ、酵素分解物の品質が保たれるように設定することができる。すなわち、酵素反応温度は、例えば、30〜70℃とすることができ、好ましくは40〜70℃であり、より好ましくは45〜65℃である。また、酵素反応時間は1〜12時間とすることができ、好ましくは2〜10時間であり、より好ましくは4〜5時間である。なお、反応温度と反応時間は本発明のペプチドの生成量を確認しながら適宜調整することができる。
酵素反応は温度を上昇させながら行うこともできる。例えば、30℃から75℃にまで4〜10時間かけて上昇させながら反応させることができる。好ましくは、35℃から75℃まで5〜8時間かけて上昇させながら反応させることができ、より好ましくは35℃から75℃まで6〜8時間かけて反応させることができる。温度上昇スピードは任意であるが、45℃から55℃の間での保持時間を長めにし(5〜7時間)、その後60℃まですみやかに上昇させた後に60℃から75℃の間で長めに(たとえば1〜3時間)保持することが好ましい。最も好ましいのは50℃で酵素を投入し、5〜7時間保持後、任意の速度で昇温させ、60〜65℃あるいは65〜75℃の目標温度で1〜3時間保持する方法である。
反応に際しては反応効率の観点から反応液を撹拌することが好ましい。基質が酵素とよく接するように、液撹拌速度は速い方がよいが、速すぎると反応液が飛び散る恐れがあるため、例えば、100〜500rpmとすることができ、好ましくは200〜400rpmであり、より好ましくは約250rpmである。
所望のペプチドが得られたら反応液は酵素反応を停止工程に付すことが好ましい。酵素反応停止工程では、反応液を高温にしたり、キレート剤を添加して酵素の化学構造を変化させたりする方法や、膜処理により酵素を除去する方法を採用することができる。好ましい手法は高温による失活処理である。該方法は80〜90℃で5〜30分、好ましくは80〜90℃で20〜30分間保持することで実施することができる。また、後述の濃縮工程で高温になる場合には、濃縮工程を兼ねて行うことができる。
酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(乳タンパク質分解物)は、さらに殺菌工程に付してもよい。殺菌工程としては、例えば、後述の膜処理工程や高温殺菌工程が挙げられる。加熱殺菌工程は酵素反応停止工程を兼ねることもでき、製造工程の簡略化の点で有利である。
酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(乳タンパク質分解物)は、さらに精製工程に付してもよい。精製工程としてはたとえば膜処理工程が挙げられ、好ましい膜処理は限外ろ過である。限外ろ過の分画分子量としては3〜100kDaのものが好ましく、5〜50kDaがより好ましい。精製工程を実施すると、実施しなかった場合と比較してペプチド組成物の風味を改善することができる点で有利である。また、精製工程は酵素反応停止工程および殺菌工程を兼ねることもでき、製造工程の簡略化の点でも有利である。
酵素反応工程および酵素反応停止工程を経た反応液(ホエイ分解物)は、保管や運搬の観点からさらに濃縮工程に付してもよい。濃縮工程は任意の方法を選択することができるが、減圧濃縮、凍結乾燥および噴霧乾燥(スプレードライ)、膜処理による濃縮(例えば、逆浸透膜を用いる方法)による方法が好ましく、より好ましくは凍結乾燥および噴霧乾燥である。濃縮を大量かつ効率的に実施する観点から噴霧乾燥が特に好ましい。
本発明の組成物および用剤は、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物とを特定の比率で含んでいてもよい。認知機能の維持、向上または改善をよりよく発揮させるためには、組成物および用剤中におけるホエイタンパク質酵素分解物に対するホップ酸化反応産物の比率(固形分換算質量比)は0.1〜2とすることができ、好ましくは0.5〜1.5である。
本発明の組成物および用剤にホップ酸化反応産物を含有させる場合、苦味酸を指標にして含有させることができ、1食あたり、苦味酸を0.1〜1000mg(好ましくは0.5〜500mg、より好ましくは1〜100mg)含有させることができる。また、ホエイタンパク質酵素分解物を含有させる場合、本発明のペプチドを指標に含有させることができ、1食あたりGTWYを0.001〜100mg(好ましくは0.005〜50mg、より好ましくは0.01〜10mg)およびWYを0.0001〜30(好ましくは0.005〜15mg、より好ましくは0.001〜3mg)含有させることができる。
<用途>
後記実施例に記載されるように、ホップ酸化反応産物およびホエイ分解物(以下、これらを「本発明の有効成分」ということがある)は記憶機能をはじめとする認知機能の維持、向上および/または改善効果を有する。従って、ホップ酸化反応産物およびホエイ分解物の組み合わせは認知機能の維持、向上および/または改善のための有効成分として使用することができるとともに、認知機能の維持方法、認知機能の向上方法および認知機能の改善方法の有効成分として使用することができる。ホップ酸化反応産物およびホエイ分解物の組み合わせはまた、認知機能の維持剤、認知機能の向上剤および認知機能の改善剤の有効成分として使用することができる。本発明において「認知機能」(cognitive function)とは、知覚から判断に至るすべての情報処理の過程を包括する概念であり、この過程には記憶機能(記憶獲得機能、記憶定着機能、記憶想起機能および記憶再生機能を含む)、注意機能および判断機能等の様々な高次脳機能が関与する。すなわち、本発明において「認知機能」はこれらの高次脳機能を含む意味で用いられる。
本発明において「認知機能の維持」とは、例えば、認知機能の低下を抑制または予防することを含む。また「認知機能の向上」とは、例えば、認知機能を現状より高めることを含む。さらに「認知機能の改善」とは、例えば、いったん低下した認知機能や低下の兆しがある症状を回復させることを含む。認知機能の維持、向上および/または改善は、認知機能の増強や、認知機能の低下抑制を含む意味で用いられる。
本発明において、認知機能の維持、向上および/または改善は、認知機能に関与する高次脳機能を指標にして評価することができる。認知機能に関与する高次脳機能を評価するモデル動物試験は公知であり、例えば短期記憶および空間記憶・作業記憶を評価するY字迷路試験(後記実施例3参照)により、認知機能の維持、向上および/または改善を評価することができる。
本発明において「記憶機能」とは、空間認知機能、作業記憶機能、ワーキングメモリー機能、エピソード記憶機能、視覚記憶機能、学習機能を含む機能をいい、中長期的な記憶機能を含む意味で用いられる。ワーキングメモリーには、言語のワーキングメモリー、作業のワーキングメモリーおよび空間のワーキングメモリーが含まれる。本発明において記憶機能は、好ましくは長期記憶機能である。
本発明において「記憶機能の維持」とは、例えば、記憶機能の低下を抑制または予防することを含む。また、「記憶機能の向上」とは、例えば、記憶機能を現状より高めることや、中長期的な記憶の定着を促進、ひいては脳の発育を促進させることを含む。さらに、「記憶機能の改善」とは、例えば、いったん低下した記憶機能や低下の兆しがある症状を回復させることを含む。記憶機能の維持、向上および/または改善としては、記憶機能の増強や、記憶機能の低下抑制が挙げられる。
本発明において「空間記憶機能」とは、目的のものを探す、目的地へ向かう、家に戻る等に必要な空間情報を記憶する機能である。
本発明において「空間記憶機能の維持」とは、例えば、空間記憶機能の低下を抑制または予防することを含む。また、「空間記憶機能の向上」とは、例えば、空間記憶機能を現状より高めることを含む。さらに、「空間記憶機能の改善」とは、例えば、いったん低下した空間記憶機能や低下の兆しがある症状を回復させることを含む。空間記憶機能の維持、向上および/または改善としては、空間記憶機能の増強や、空間記憶機能の低下抑制が挙げられる。
本発明において「作業記憶機能」とは、情報を一時的に保ちながら作業するための機能を意味する。
本発明において「作業記憶機能の維持」とは、例えば、作業記憶機能の低下を抑制または予防することを含む。また、「作業記憶機能の向上」とは、例えば、作業記憶機能を現状より高めることを含む。さらに、「作用記憶機能の改善」とは、例えば、いったん低下した作業記憶機能や低下の兆しがある症状を回復させることを含む。作業記憶機能の維持、向上および/または改善としては、作業記憶機能の増強や、作業記憶機能の低下抑制が挙げられる。
本発明の組成物および用剤は、医薬品(例えば、医薬組成物)、医薬部外品、食品(例えば、食品組成物)、飼料(ペットフード含む)等の形態で提供することができ、下記の記載に従って実施することができる。
本発明の有効成分は、ヒトおよび非ヒト動物に経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明の有効成分は、ヒトおよび非ヒト動物に経口摂取させることができ、代表的な摂取形態は食品である。本発明の有効成分を食品として提供する場合には、それを食品に含有させて提供することができる。このようにして提供された食品は本発明の有効成分を有効量含有した食品である。本明細書において、本発明の有効成分を「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に後述するような範囲で本発明の有効成分が摂取されるような含有量をいう。また「食品」とは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品(例えば、幼児用食品、妊産婦用食品、病者用食品)およびサプリメントを含む意味で用いられる。なお、本発明の有効成分をヒト以外の動物に摂取させる場合には、本発明でいう食品が飼料として使用されることはいうまでもない。
本発明の有効成分は、上記のような認知機能の改善効果を有するため、日常摂取する食品に含有させることができ、あるいは、サプリメントとして提供することができる。すなわち、本発明の組成物および用剤は食品の形態で提供することができる。この場合、本発明の組成物および用剤は1食当たりに摂取する量が予め定められた単位包装形態で提供することができる。1食当たりの単位包装形態としては、例えば、パック、包装、缶、ボトル等で一定量を規定する形態が挙げられる。本発明の組成物および用剤の各種作用をよりよく発揮させるためには、後述する、本発明の有効成分の1日当たりの摂取量に従って1食当たりの摂取量を決定できる。本発明の食品は、摂取量に関する説明事項が包装に表示されるか、あるいは説明事項が記載された文書等と一緒に提供されてもよい。
単位包装形態においてあらかじめ定められた1食当たりの摂取量は、1日当たりの有効摂取量であっても、1日当たりの有効摂取量を2回またはそれ以上(好ましくは2または3回)に分けた摂取量であってもよい。従って、本発明の組成物および用剤の単位包装形態には、後述のヒト1日当たりの摂取量で本発明の有効成分を含有させることができ、あるいは、後述のヒト1日当たりの摂取量の2分の1から20分の1の量で本発明の有効成分を含有させることができる。本発明の組成物および用剤は、摂取の便宜上、1食当たりの摂取量が1日当たりの有効摂取量である、「1食当たりの単位包装形態」で提供することが好ましい。
「食品」の形態は特に限定されるものではなく、例えば、飲料の形態であっても、半液体やゲル状の形態であっても、固形状や粉末状の形態であってもよい。また、「サプリメント」としては、本発明の有効成分に賦形剤、結合剤等を加え練り合わせた後に打錠することにより製造された錠剤や、カプセル等に封入されたカプセル剤が挙げられる。サプリメントとして提供するときは、上述の1食当たりの単位包装形態とするほか、1日当たり、1週間当たり、あるいは1月当たりの単位包装形態として提供することも好適である。
本発明で提供される食品は、本発明の有効成分を含有する限り、特に限定されるものではないが、例えば、清涼飲料水、炭酸飲料、果汁入り飲料、野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、牛乳等の畜乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、ドリンクタイプやスティックタイプのゼリー、コーヒー、ココア、茶飲料、栄養ドリンク、エナジー飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ニア・ウォーター、ノンアルコールのビールテイスト飲料等の非アルコール飲料;飯類、麺類、パン類およびパスタ類等炭水化物含有飲食品;チーズ類、ハードタイプまたはソフトタイプのヨーグルト、畜乳その他の油脂原料による生クリーム、アイスクリーム等の乳製品;クッキー、ケーキ、チョコレート等の洋菓子類、饅頭や羊羹等の和菓子類、ラムネ等のタブレット菓子(清涼菓子)、キャンディー類、ガム類、ゼリーやプリン等の冷菓や氷菓、スナック菓子等の各種菓子類;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、その他雑酒、酎ハイ等のアルコール飲料;卵を用いた加工品、魚介類や畜肉(レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味を含む)、味噌汁等のスープ類等の加工食品、みそ、しょうゆ、ふりかけ、その他シーズニング調味料等の調味料、濃厚流動食等の流動食等を例示することができる。なお、ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性のミネラルウォーターのいずれもが包含される。また、本発明で提供される食品には、食品製造原料および食品添加物のいずれもが含まれる。
茶飲料としては、発酵茶、半発酵茶および不発酵茶のいずれもが包含され、例えば、紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー、ローズ茶、キク茶、イチョウ葉茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)が挙げられる。
果汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、モモ、マンゴー、アサイー、ブルーベリーおよびウメが挙げられる。また、野菜汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる野菜としては、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、カボチャ、キュウリおよびスイカが挙げられる。
本発明の有効成分の摂取量は、受容者の性別、年齢および体重、症状、摂取時間、剤形、摂取経路並びに組み合わせる薬剤等に依存して決定できる。認知機能の維持、向上または改善を目的としたホップ酸化反応産物の成人1日当たりの摂取量(固形分換算)は、水抽出物として例えば、10〜5000mg(好ましくは50〜2000mg、より好ましくは100〜1000mg)であり、これを苦味酸に換算すると例えば、0.1〜1000mg(好ましくは1〜100mg、より好ましくは10〜60mg)である。また、認知機能の維持、向上または改善を目的としたホエイ分解物の成人1日当たりの摂取量(固形分換算)は、例えば、1〜50000mg(好ましくは10〜10000mg、より好ましくは100〜5000mg)であり、これをGTWYに換算すると例えば、0.1〜5000mg(好ましくは1〜1000mg、より好ましくは10〜500mg)であり、WYに換算すると例えば、0.01〜1000mg(好ましくは0.1〜300mg、より好ましくは3〜100mg)である。上記の本発明の有効成分の摂取量および下記摂取タイミングおよび摂取期間は、本発明の有効成分を非治療目的および治療目的のいずれで使用する場合にも適用があり、治療目的の場合には摂取は投与に読み替えることができる。なお、本発明の有効成分はヒト以外の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル、イルカ、アシカ等)に対しても摂取させることができ、摂取量、摂取タイミングおよび摂取期間はヒトに関する記載を参考にして決定することができる。
本発明の有効成分は、認知機能の維持、向上または改善作用を期待する期間内は摂取を継続することが好ましい。本発明の有効成分の摂取期間は、例えば、上記1日量での摂取を少なくとも1日間(好ましくは3日間、より好ましくは5日間)とすることができ、特に、認知機能の維持を期待する場合には1週間以上、好ましくは1カ月以上とすることができる。また、認知機能のうち特に記憶機能の維持、向上または改善を期待する場合には少なくとも1日間とすることができる。本発明の有効成分の摂取間隔は、上記1日量での摂取を3日に1回、2日に1回または1日1回とすることができる。
本発明の有効成分はまた、認知機能の維持、向上または改善作用を期待する日時よりも前に摂取を開始することができる。認知機能の維持、向上または改善作用を期待する日時よりも前の例としては、認知機能(特に記憶機能)の向上を期待したい試験勉強の前や、年齢的に認知機能の低下が起き始める前が挙げられる。
本発明の組成物および用剤並びに食品には、認知機能の維持、向上または改善効果を有する旨の表示が付されてもよい。この場合、消費者に理解しやすい表示とすることができる。
本発明の別の面によれば、認知機能の維持、向上および/または改善に用いるためのホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物との組み合わせが提供される。本発明の組み合わせとしては、例えば、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物とを別々の形態で(独立した物として)含んでなる、認知機能の維持、向上および/または改善に用いるためのキットが挙げられる。本発明の組み合わせは本発明の組成物および用剤並びに食品に関する記載に従って実施することができる。
本発明の別の面によれば、ホップ酸化反応産物を含んでなる、認知機能の維持、向上および/または改善用組成物並びに認知機能の維持剤、向上剤および改善剤であって、ホエイタンパク質酵素分解物と組み合わせて使用するための組成物および用剤が提供される。本発明の別の面によればまた、ホエイたんぱく質酵素分解物を含んでなる、認知機能の維持、向上および/または改善用組成物並びに認知機能の維持剤、向上剤および改善剤であって、ホップ酸化反応産物と組み合わせて使用するための組成物および用剤が提供される。上記の組成物および用剤は本発明の組成物および用剤並びに食品に関する記載に従って実施することができる。
本発明の別の面によれば、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物との組み合わせまたはそれらを含む組成物を、それを必要としている対象に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、認知機能の維持、向上または改善方法が提供される。本発明の方法は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。
本発明のさらに別の面によれば、認知機能の維持、向上または改善剤の製造のための、認知機能の維持、向上または改善剤としての、あるいは本発明の認知機能の維持、向上または改善方法における、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物との組み合わせまたはそれらを含む組成物の使用が提供される。本発明の使用は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。
本発明のさらにまた別の面によれば、認知機能の維持、向上または改善に用いるための、ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物との組み合わせが提供される。上記のホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物との組み合わせは、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。
本発明の方法および本発明の使用はヒトを含む哺乳動物における使用であってもよく、治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。本明細書において、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
参考例1:ホップペレット酸化反応産物の調製
ホップとしては、ペレット状のハラタウペルレ種(HPE種)を用いた。このホップをミルで粉砕し、80℃で24時間まで加熱反応時間を保持した。得られた生成物について以下のように前処理を実施した後、HPLC分析に供した。
[反応物分析前処理]
採取した生成物を10%w/vとなるようエタノールに添加し、50℃で1時間抽出を行った。得られた抽出液をエタノールで10倍に希釈した。
[HPLC構成装置]
ホンプ:LC-10ADvp×3(SHIMADZU)
デガッサー:DGU-20A5(SHIMADZU)
システムコントローラー:CBM-20A(SHIMADZU)
オートサンプラー:SIL-20ACHT(SHIMADZU)
カラムオーブン:CTO-20AC(SHIMADZU)
フォトダイオードアレー検出器:SPD-M20A(SHIMADZU)
波形解析ソフトウェア:LCSolution(SHIMADZU)
[HPLC条件]
カラム:Alltima C18 2.1mm I.D. x100mm 粒子径3μm
流速:0.6mL/分
溶出溶媒A:水/リン酸、1000/0.2, (v/v) + EDTA(free) 0.02%(w/v)
溶出溶媒B:アセトニトリル
溶出溶媒C:水
注入量:3μL
カラム温度:40℃
検出波長:270nm(酸化反応産物、イソα酸、α酸、β酸)
グラジエント条件:表1
Figure 2021102587
上記分析条件にて、検出波長270nmで検出される全ピークの合計面積値(mAU・min)中のα酸、β酸、イソα酸のピークの面積値の比率(%)を算出した。波形解析にあたって、溶媒ピークやインジェクションショックによる負ピークが生じる領域は解析除外領域とした。上記生成物の分析時のHPLCクロマトグラムは図1に示される通りであった。
参考例2:苦味酸の測定
(1) ホップ酸化反応産物中に含まれる苦味酸の測定
高速液体クロマトグラフを使用して測定する。詳細は、消費者庁機能性表示食品届において公開された方法に従う(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc04/bunsekihoho?bunsekihohoFile=E522%255CE522_bunsekihoho.pdf)。
(i)測定サンプルの調製
適量のホップ酸化反応産物を溶解した水を検体とする。検体にジクロロメタンと1N塩酸を加え攪拌後、遠心分離し、下層を採取、室温・チッソ気流下で蒸発乾固させる。これをエタノールに再溶解し、遠心濾過したものを測定サンプルとする。
(ii)高速液体クロマトグラフの条件
カラム:Alltima C18 2.1 mm I.D.×100mm 粒子径3μm
移動相A:水/リン酸 1000/0.2(v/v)、0.02%w/vEDTA
移動相B:アセトニトリル
移動相C:水
注入量:3μL
カラム温度:40℃
オートサンプラー温度:4℃
検出:270nm
グラジエント条件:表2
Figure 2021102587
(iii)波形処理
カフェインピーク(図2A)の終点の溶出時間を苦味酸の面積算出の開始時間とし、trans-isocohumuloneのピーク(図2Bのaピーク)を終了時間とする。必要に応じバックグラウンド処理を行い、苦味酸のピーク面積を算出する(図2C)。
(iv)苦味酸の量の算出
TCOIHA標準液で作成した検量線を用い、検体中の苦味酸の濃度を次式により、TCOIHA換算値として求める。
検体中苦味酸濃度(mg/100mL)=(ホップ酸化反応産物における苦味酸ピーク面積−TCOIHA標準溶液で作成する検量線の切片)/TCOIHA標準溶液で作成する検量線の傾き×1/5×100/1000
(2)ホップ酸化反応産物を含む組成物中の苦味酸の測定における検体の調製
上記(1)における検体を、固体組成物は(1)と同様の操作により調製し、液体組成物はそのまままたは適宜希釈して調製する。なお、苦味酸溶出領域で検出される化合物は全てβトリカルボニル骨格を有すると結論づけられている(Biosci.,Biotechnol.,Biochem.,2015 (79):1684-1694、J.,Agric.,Food Chem., 2015:63:10181-10191)。
実施例1:ホップ酸化反応産物の調製と成分分析
(1)ホップ酸化処理工程
ハラタウペルレ種(HPE種)のホップをペレットミルで粉砕し、得られたホップ粉砕物を大気下で攪拌しながら60℃で120時間程度加熱した。得られた加熱済みホップ(熟成ホップペレット:ホップ酸化反応産物の一態様)に、固形分濃度5w/v%となるように水に添加し、50℃で30分間抽出処理を行った。得られた抽出液をデカンテーションにより固液分離し、固液分離液(Brix 約2)を得た。
(2)活性炭処理工程
上記(1)で得られた固液分離液に、活性炭(Y180C、味の素ファインケミカル社製;対固液分離液0.5w/v%)およびポリビニルポリピロリドン(ポリクラール10、ISPジャパン社製;対固液分離液0.4w/v%)を添加して2時間静置した。得られた混合液に濾過助剤(珪藻土)を添加し、濾過処理を行い、濾液(Brix値約1.5)を得た。得られた濾液をホップ酸化反応産物水抽出物として以下の実施例で使用した。
(3)ホップ酸化反応産物の成分分析
上記(2)で得られた濾液(ホップ酸化反応産物水抽出液)について、以下の条件にてHPLC−MS/MS分析を行い、ホップ酸化反応産物に含まれる各種成分の含有量を測定した。なお、ホップ酸化反応産物には、α酸酸化物、イソα酸酸化物またはβ酸酸化物として、スコルピオフムリノールA、スコルピオコフムリノールA、トリシクロオキシイソフムロンA、トリシクロオキシイソコフムロンAが含まれることが知られている(Biosci.,Biotechnol.,Biochem.,2015 (79):1684-1694、J.,Agric.,Food Chem., 2015:63:10181-10191)。また、分析に際して使用した標準品はJ.,Agric.,Food Chem., 2015:63:10181-10191およびJ. Nat. Prod. 2014, 77, 1252-1261に記載の方法に準じて調製した。
[HPLC条件]
カラム:Unison UK−C18 100×2mm i.d. 粒子径3μm
流速:0.25mL/分
カラム温度:40℃
移動相A:1%ギ酸含有水
移動相B::1%ギ酸含有アセトニトリル
注入量:3μL
グラジエント条件:0→30分、15→31%B
30→40分、31→80%B
40→43分、80%B
以降は、洗浄および平衡化工程
[MSMS条件]
質量分析装置:AB SCIEX 4000Q Trap
イオンソース:ESI−ネガティブイオンモード
イオンスプレー電圧:−4500V
分析パラメータ:
Figure 2021102587
上記(1)および(2)を3回実施して濾液を得て、スコルピオフムリノールA、スコルピオコフムリノールA、トリシクロオキシイソフムロンAおよびトリシクロオキシイソコフムロンAの含有量を測定した結果、トリシクロオキシイソフムロンAおよびトリシクロオキシイソコフムロンAの合計量の、スコルピオフムリノールAおよびスコルピオコフムリノールAの合計量に対する比率((トリシクロオキシイソフムロンA+トリシクロオキシイソコフムロンA)/(スコルピオフムリノールA+スコルピオコフムリノールA))は以下の通りであった。
ロット1:3.2
ロット2:6.8
ロット3:12.1
以上の結果から、ホップ酸化反応産物においては、トリシクロオキシイソフムロンおよびトリシクロオキシイソコフムロンの合計量の、スコルピオフムリノールおよびスコルピオコフムリノールの合計量に対する比率は2〜20程度であることが分かった。
実施例2:ホエイ分解物中のテトラペプチドGTWYおよびジペプチドWYの含有量の測定
(1)分析試料の調製
ホエイ分解物(HW−3、雪印メグミルク)に滅菌水を加え適宜希釈・ろ過して測定試料とした。上記ホエイ分解物(HW−3)は、ホエイタンパク質にタンパク質分解酵素を含む酵素製剤を作用させ、次いで膜処理を行って未分解物を除去し、乾燥させて得られた製品であり、後述のようにテトラペプチドGTWYおよびジペプチドWYを含有するものである。
(2)分析方法
上記(1)で得られた測定試料中のテトラペプチドGTWYおよびジペプチドWYの濃度をLC−MS/MS法により下記の分析条件で定量した。なお、AQUA Peptide(Sigma Aldrich)を標準試料とする検量線法により測定試料のGTWY濃度、WY濃度を算出した。
<分析条件>
質量分析装置:4000Q TRAP(エービー・サイエックス)
HPLC装置:Agilent 1200 Series(アジレント・テクノロジー)
カラム:TSK gel ODS−100V 3μm 2.0mm I.D.×150mm(東ソー)
カラム温度:70℃
移動相A:0.1%ギ酸水溶液
移動相B:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
グラジエント条件:表4に示すグラジエント条件を適用した。
Figure 2021102587
流量:0.2mL/分
試料注入量:2μL
イオン化法:ESI(正イオン検出モード)
カーテンガス:40psi
ネブライザーガス:50psi
乾燥ガス:80psi
乾燥ガス温度:600℃
コリジョンガス:窒素
イオン化電圧:5000V
<テトラペプチドGTWYの分析条件>
設定質量数(m/z)/コリジョンエネルギー(eV):526.4→159.2/47、526.4→368.3/23
DP電圧(V):36
<ジペプチドWYの分析条件>
設定質量数(m/z)/コリジョンエネルギー(eV):368.2→351.1/19、368.2→159.2/33
DP電圧(V):51
(3)分析結果
ホエイ分解物(HW−3)1g中にテトラペプチドGTWYは1.62mg、ジペプチドWYは0.60mg、それぞれ含まれていることが確認された。
(4)ホエイ分解物を含有する組成物中の本発明のペプチドの測定
分析試料は、組成物が固体の場合、(1)のホエイ分解物に代えて該組成物から調製する。組成物が液体の場合、適宜希釈・ろ過をして調製する。
実施例3:ホップ酸化反応産物およびホエイ分解物の認知機能(特に短期記憶と空間記憶・作業記憶)に対する効果
(1)方法
ア 実験手順
6週齢の雄性CD−1マウス(日本オリエンタル酵母社)を1週間馴化し、粗精製飼料CE−2(日本クレア)で飼育し、偏りのないよう5群に分けた。各群において表5に示す試料を胃内強制投与した。サンプルは、投与直前にホップ酸化反応産物抽出物(実施例1で調製)の乾燥物、ホエイ分解物(実施例2で調製)、ドネペジル塩酸塩(富士フイルム和光純薬)のそれぞれに蒸留水を添加・溶解することにより調製した。サンプルの濃度は、ホエイ分解物、ホップ酸化反応産物は0.03mg/mL、ドネペジル塩酸塩は0.1mg/mLとした。投与40分後、記憶障害を誘発するために0.85mg/kg体重のスコポラミン塩酸塩(SCP)(Sigma)を腹腔内投与し、健忘モデルマウスを作成した。SCPの腹腔内投与20分後、後述のY字迷路試験を実施した。各群10匹で実験を行い、各群の平均、標準誤差を求めた。ドネペシル塩酸塩の投与量は、一例としてBehav Brain Res. 2009 Dec 1;204(1):217-25に記載の量とした。
Figure 2021102587
イ 認知機能評価
マウスをある空間に投入すると、直前に選択したルートを覚えている場合には、新奇探索欲求からその直前のルートとは異なるルートを選択する性質を有する。このため、幅、長さ等が等価の3本のアームのあるY字迷路にマウスを入れると、通常は直前に進入したアームとは異なるアームに進入する。Y字迷路試験は、マウスのこの性質を利用し、認知機能の指標となる短期記憶および空間記憶・作業記憶を評価する試験である。
Y字迷路装置としては、1本のアームの長さが25cm、壁の高さが20cm、床の幅が5cmの3本のアームが各々120度の角度で接続された装置を使用した。マウスをY字迷路のいずれかのアームの先端へ入れて自由に8分間探索させた際の移動したアームの順を記録した。ここで、3回連続で異なるアームを選択し、進入した場合を自発的交替行動と呼ぶ。時間内のアームへの総進入数および自発的交替行動数をカウントし、下記式(1)を用いて自発的交替行動変動率(%)を算出した。自発的交替行動変動率が高いほど、短期記憶および空間記憶・作業記憶が保持されていることを示す。
Figure 2021102587
(2)結果
結果は、図3(総進入数)および図4(自発的交替行動変動率)に示す通りであった。ホップ酸化反応産物またはホエイ分解物を単独投与した場合にも認知機能は改善されるが、ホップ酸化反応産物とホエイ分解物を併用投与した場合には、単独投与の場合よりも顕著な認知機能改善効果を奏することが確認された。

Claims (15)

  1. ホップ酸化反応産物とホエイタンパク質酵素分解物とを有効成分として含んでなる、認知機能の維持、向上および/または改善用組成物。
  2. 認知機能が記憶機能である、請求項1に記載の組成物。
  3. 記憶機能が空間記憶機能および/または作業記憶機能である、請求項2に記載の組成物。
  4. ホップ酸化反応産物が水性媒体抽出物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. ホップ酸化反応産物が水抽出物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. ホップ酸化反応産物が、トリシクロオキシイソフムロン、トリシクロオキシイソコフムロン、スコルピオフムリノールおよびスコルピオコフムリノールを含むものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. ホップ酸化反応産物中の苦味酸の濃度が1〜20質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. ホエイタンパク質酵素分解物が、GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドおよびWYのアミノ酸配列を有するペプチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. ホエイタンパク質酵素分解物中のGTWYの含有量(固形分換算)が全体量に対して0.01〜1質量%であり、ホエイタンパク質酵素分解物中のWYの含有量(固形分換算)が全体量に対して0.005〜0.5質量%である、請求項8に記載の組成物。
  10. 組成物中におけるホエイタンパク質酵素分解物に対するホップ酸化反応産物の比率(固形分換算質量比)が0.1〜2である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 食品組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 1食当たりの単位包装形態である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. ホップ酸化反応産物をヒト1食当たり10〜5000mg(固形分換算)で摂取させる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. ホエイタンパク質酵素分解物をヒト1食当たり1〜50000mg(固形分換算)で摂取させる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. GTWYを0.01〜10mgおよび苦味酸を1〜100mg含むものである、請求項13または14に記載の組成物。

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