JP5654290B2 - アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド及びその製造方法。 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド及びその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明はアンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと略す。)の働きを阻害する作用を有するACE阻害ペプチド及びそれを含有する食品、医薬品および飼料並びにその製造方法に関する。
代表的な生活習慣病の一つとされている高血圧症の患者数は年々増加している。高血圧症は、それ自体自覚症状のない疾病であるが、放置すると、心臓病や脳血管障害といった合併症を引き起こすため、その治療あるいは予防は重大な課題となっている。
血圧の調節には、レニン・アンジオテンシン系と呼ばれる昇圧酵素系とカリクレイン・キニン系と呼ばれる降圧酵素系が関与している。アンジオテンシンIはACEによりアンジオテンシンIIに変換され、アンジオテンシンIIは血管収縮やアルドステロン分泌などを通して血圧上昇を引き起こす。また、ACEは、降圧作用を持つブラジキニンを分解し、不活性化する作用を有する。したがって、ACEの働きを阻害することにより、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、また、ブラジキニンの分解も抑制されて血圧の降下が可能となる。
ACEを阻害することによる高血圧治療薬として、例えば、カプトプリルなどの合成治療薬が多数知られているが、空咳などの副作用を起こす場合がある。高血圧を予防または治療するためには、ACE阻害作用を有する化合物を長期間服用する必要があり、ACE阻害作用を有しながらも副作用が低いことが重要となる。
一方、上述のような副作用のない天然物またはその分解物を用いる試みもなされ、ACE阻害活性を有する種々のペプチドが報告されている(例えば、特許文献1〜8参照)。これらのペプチドは、作用が穏やかであることから安全性が高いと期待される一方、有効量を摂取するためには、ACE阻害作用を有するペプチドを大量に摂取する必要性があり、高コストとなる問題点があった。
特開平3−11097号公報 特開平4−144696号公報 特開平7−188282号公報 特開平10−175997号公報 特開2002−145899号公報 特開2002−338594号公報 特開2005−255670号公報 特開2007−261999号公報
本発明の目的は、少量の摂取でACEを有効に阻害し、かつ副作用の心配が少ない安全なアンジオテンシン変換酵素阻害剤、ならびにそれを配合した食品、医薬品および飼料並びにその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、植物素材組織や動物素材組織のプロテアーゼ分解物は、従来知られているペプチドとは異なるアミノ酸配列を有する新規ペプチドを含み、これら新規ペプチドは高いACE阻害活性を有することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)Ala−Gly−Tyr−Glu、Thr−Ala−Tyr、Val−Lys−Ala−Pro、Gly−Glu−Tyrで表されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド。
(2)(1)のペプチドの少なくとも1種を含有するアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
(3)(1)のペプチドの少なくとも1種を含有する食品。
(4)(1)のペプチドの少なくとも1種を含有する医薬品。
(5)(1)のペプチドの少なくとも1種を含有する飼料。
(6)(1)のアミノ酸配列を含む植物素材組織若しくは動物素材組織又は前記植物素材組織若しくは動物素材組織から抽出された蛋白質にプロテアーゼを作用させることを特徴とする(1)のペプチドの製造方法。
本発明のACE阻害剤は、アンジオテンシンIIの生成を抑制することにより、降圧作用を示すことから、血圧降下剤として有用である。また、植物素材組織若しくは動物素材組織又は該蛋白質にプロテアーゼを作用させることにより効率よく得られ、さらに天然物由来であり安全性に優れている。
本発明のペプチドは、Ala−Gly−Tyr−Glu、Thr−Ala−Tyr、Val−Lys−Ala−Pro又はGly−Glu−Tyrで表されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドであることが必要である。
本発明のACE阻害剤とは、前記4種のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドのうち、少なくとも1種を含有することが必要である。
本発明のACE阻害剤は、前記ペプチド以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、植物抽出エキス類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、アルコール、多価アルコール、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等の成分を、必要に応じて含有していてもよい。
本発明のACE阻害剤は、後述するように、前記アミノ酸配列を含む植物素材組織若しくは動物素材組織にプロテアーゼを作用させることにより得られる天然物由来であり、安全性に優れていることから、高血圧症の予防、高血圧傾向の緩和または血圧調節を目的として、継続的に摂取することが可能であり、血圧が正常高値(収縮期血圧が130〜139mmHg、拡張期血圧が85〜89mmHg)及び軽症高血圧(収縮期血圧140〜159mmHgないし拡張期血圧90〜99mmHg)の両方のヒトに対して好適に用いることができる。
本発明におけるACE阻害剤は、高血圧を予防する目的で用いる場合、年齢、性別、体重、症状等によっても異なるが、前記ペプチドとして成人1日あたりの摂取量が0.1〜1000mgとなるように摂取することが好ましく、さらに1〜100mgが好ましく、5〜50mgがいっそう好ましい。また、1日2〜4回程度に分けて摂取することもできる。なお、成人1日あたりの摂取量が0.1mg未満であると、前記のACE阻害効果などの前記ペプチドが本来有している効果が低くなる場合がある。一方、成人1日あたりの摂取量が1000mgを超えると、ACE阻害効果に対して原料コストが高くなる場合がある。
本発明におけるACE阻害剤中、前記ペプチドの含有量は特に限定されないが、ACE阻害効果との関係から、乾燥固形分として0.01〜100質量%であることが好ましく、0.5〜100質量%であることがより好ましく、1〜100質量%であることがいっそう好ましい。前記ペプチドの含有量が多いほど、単位乾燥固形分当たりのACE阻害効果が高くなり、好ましい。なお、ACE阻害作用は、後述する実施例1に記載する方法によって評価することができる。
また、本発明のペプチド又はACE阻害剤を、既存の飲料、食品に含有させることにより飲食品とし、経口投与に付してもよい。また、本発明のペプチド又はACE阻害剤は、ヒトに対してだけではなく、動物に対しても、高いACE阻害剤効果を発現しうるものであるため、本発明のペプチド又はACE阻害剤は動物の飼料に含有され、経口投与に付してもよい。
前記ペプチド又はACE阻害剤を飲料、食品に添加する場合においては、その配合量は、前記ペプチドとして成人1日あたりの摂取量が0.1〜1000mgとなるように飲料、食品に対して添加するのが好ましく、さらに1〜100mgが好ましく、5〜50mgが一層好ましい。前記ペプチドは、飲料、食品中に、0.0005〜100質量%という割合で添加するのが好ましく、さらに0.005〜50質量%という割合で添加するのが好ましく、0.025〜25質量%という割合で添加するのが一層好ましい。なお、成人1日あたりの摂取量が0.1mg未満であると、前記のACE阻害効果などの前記ペプチドが本来有している効果が低くなる場合がある。一方、成人1日あたりの摂取量が1000mgを超えると、ACE阻害効果に対して原料コストが高くなる場合がある。
前記ペプチド又はACE阻害剤を飼料に添加する場合においては、その配合量は、前記ペプチドとして動物の体重1kgあたりの1日の摂取量が0.1〜100mgとなるように飼料に対して添加するのが好ましく、さらに0.5〜50mgが好ましく、1〜10mgが一層好ましい。前記ペプチドは、飼料中に、0.0005〜100質量%という割合で添加するのが好ましく、さらに0.0025〜50質量%という割合で添加するのがより好ましく、0.005〜25質量%という割合で添加するのが一層好ましい。なお、動物の体重1kgあたりの1日の摂取量が0.1mg未満であると、前記のACE阻害効果などの前記ペプチドが本来有している効果が低くなる場合がある。一方、動物の体重1kgあたりの1日の摂取量が100mgを超えると、ACE阻害効果に対して原料コストが高くなる場合がある。
本発明における食品(飲料を含む)の形態としては固形状、半流動状、流動状等を挙げることができる。固形状食品としては、ビスケット状、シート状、タブレットやカプセル等の錠剤、顆粒粉末等の形態、半流動状食品としては、ペースト状、ゼリー状、ゲル状等の形態、また、流動状食品としては、ジュース、清涼飲料、茶飲料、ドリンク剤等の形態が挙げられる。
具体的には、次のものを挙げることができる。例えば、グレープフルーツ、オレンジ、レモン等の柑橘類及びこれらを含む果汁、トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス等の野菜及びこれらを含む野菜汁及び野菜ジュース、ソース、醤油、味噌、うま味調味料及び唐辛子等の調味料;豆乳、豆乳などの大豆食品、クリーム、ドレッシング、マヨネーズ及びマーガリン等の乳化食品;魚肉、すり身及び魚卵等の水産加工食品、ピーナツ等のナッツ類、納豆等の発酵商品、肉類及び食肉加工品、ビール、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶、発酵茶、半発酵茶、清涼飲料、及び機能性飲料等の飲料、漬物類、めん類、粉末スープを含むスープ類;チーズ、牛乳等の乳製品類、パン・ケーキ類、スナック菓子、チューインガム、チョコレートなどの菓子類、キャンディー類、美容飲食品を含む健康食品等が挙げられる。
本発明の飼料としては、例えば、牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。尚、飼料を製造する場合には、ペプチドの他に、食肉、穀物類、ぬか類、粕類、野菜、糖類、油脂、ビタミン類、アミノ酸類、微量無機塩類等の一般に用いられる飼料原料を適宜混合し、常法により加工製造することができる。
本発明のペプチド又はACE阻害剤を含む食品又は飼料には、味質の改善を目的として、本発明の効果を損なわない範囲で糖類、糖アルコール類、塩類、油脂類、アミノ酸類、有機酸類、果汁、野菜汁、香料、アルコール類、グリセリン等を含有することができる。なお、食品として生理学的に許容されるイオンとの塩であっても、同様の効果が期待できる。
本発明における医薬品を摂取する方法としては、特に限定されないが、経口投与により摂取することが好ましい。経口投与するためには、例えば、本発明のペプチド又はACE阻害剤を添加した後、公知慣用の方法により、丸剤、散剤、顆粒状、細粒剤、粒状、錠剤、カプセル、ゲル状、ペースト状、シロップ、乳状、懸濁状、液状等の経口投与に適した形態に成形すればよい。また、坐剤、注射剤、舌下錠、皮膚外用剤(軟膏やハップ剤を含む)等としても好適に使用できる。
本発明の医薬品として前記ペプチドを添加する場合には、その含有量は、摂取する対象者の年齢、体重などにより変わり得るが、前記ペプチド換算で成人1日あたり、0.1〜1000mg服用できるように含有するものが好ましく、さらに1〜100mgが好ましく、5〜50mgが一層好ましい。
次に、本発明のペプチドの製造方法について説明する。
本発明のペプチドは、前記アミノ酸配列を含む植物素材組織又は動物素材組織にプロテアーゼを作用させることにより調製することができる。
本発明における植物素材組織又は動物素材組織とは、前記アミノ酸配列を含む植物素材組織又は動物素材組織であれば、その取得の由来や取得方法によって特に限定されるものではないが、安全かつACE阻害作用が強いことから、こんにゃく芋が好ましい。例えば、こんにゃく芋を抽出原料として使用する場合には、そのまま用いても良いし、乾燥、すりつぶし、粉砕、加熱などの操作によって加工されたこんにゃく芋を用いてもよい。また、こんにゃく精粉、こんにゃく荒粉、こんにゃくトビ粉や食用として市販されているこんにゃくを用いても良い。その中でもペプチドの含有量が多いこんにゃくトビ粉が好ましい。
本発明の製造方法においては、植物素材組織又は動物素材組織にプロテアーゼをそのまま作用させても良いが、ペプチド分解効率の観点から、植物素材組織又は動物素材組織からいったん蛋白質を抽出して、その蛋白質にプロテアーゼを作用させることが好ましい。蛋白質を抽出する際には、水や有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒としては、本発明の効果を損なうものでなければ、いかなるものを用いても良い。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、ピリジン類等が挙げられる。これらは、単独でもしくは二種以上を組み合わせて用いることができる。また、抽出は複数回行ってもよい。
植物素材組織若しくは動物素材組織又は該蛋白質に作用させるプロテアーゼとしては特に限定されないが、動物由来のプロテアーゼ、植物由来のプロテアーゼ、微生物由来のプロテアーゼが好ましい。動物由来のプロテアーゼとしては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼが好ましく、植物由来のプロテアーゼとしては、パパイン、ブロメレイン、フィシンが好ましく、微生物由来のプロテアーゼとしては、ズブチリシン、サーモライシンが好ましい。それらの中でも、本発明のACE阻害ペプチドを効率良く得るために、特にサーモライシンが好ましい。これらのプロテアーゼは精製されていてもされていなくてもよい。
プロテアーゼを作用させる場合、酵素反応は一般的な反応条件で行なうことができる。
例えば、プロテアーゼとしてサーモライシンを用いる場合、緩衝液(例えばリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液)中で行い、反応溶液中の基質濃度は、反応時に十分攪拌できる濃度であれば特に限定されず、例えば攪拌が容易な2〜20%(w/v)の範囲で行なうのが好ましい。サーモライシンの添加量は、その力価により異なるが、通常は蛋白質あたり0.01重量%以上、好ましくは0.1〜10重量%が適当である。反応時の温度、pHはサーモライシンの至適温度、至適pH付近を用いればよく、温度は30〜80℃、好ましくは60〜70℃、pHはpH6〜10、好ましくはpH7〜8が適当である。反応時間は酵素の添加量や反応温度、反応pHによって異なるが、1〜50時間程度である。反応の停止は、加熱や塩酸等の酸の添加によるpH変化により酵素を失活させることにより行なうことができる。
上記のプロテアーゼによる加水分解物は、本発明のペプチドを含む組成物としてそのまま食品、飼料に用いても十分なACE阻害活性を得ることができる。また、必要により、ペプチドを高濃度に精製しても良い。精製する場合は、ゲルろ過、膜ろ過等の分子量で分画する手法や、吸着樹脂やイオン交換樹脂などの吸着特性を利用した分画手法により分画、精製することができる。さらに、苦味やえぐみ、悪臭の改善のために、活性炭処理を行なってもよい。これらの精製方法は単独あるいは任意の順序に組み合わせ、また、反復して適用することができる。
また、本発明のペプチドは、液相法または固相法等の通常の合成方法によっても得ることができる。例えば、アミノ末端側のアミノ酸のアミノ基をベンジルオキシカルボニル基で保護し、カルボキシル基をp−ニトロフェニルエステル基で活性化し、カルボキシル末端側のアミノ酸とトリエチルアミン存在下で縮合させた後、接触還元やトリフルオロ酢酸により保護基を除去する液相法や、ポリマー性の固相支持体にカルボキシル末端側のアミノ酸を結合し、アミノ基の保護とカルボキシル基の活性化を施したアミノ酸を順次ペプチド結合により結合した後、トリフルオロ酢酸やフッ化水素などを用いて固相支持体から切断し、アミノ酸側鎖の保護基を除去する固相法によって得られる。合成によって得られた本発明のペプチドは逆相高速液体クロマトグラフィー等を用いた通常の精製法により精製することができる。
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(調製例1)
ペプチドの分画、同定
こんにゃくトビ粉10gに水200mlを加え、室温で16時間攪拌後、濾過、濃縮してこんにゃくとび粉抽出蛋白質(1.8g)を得た。得られたこんにゃくとび粉抽出蛋白質1gに水30mlを加え、水酸化ナトリウムでpHを7.5に調整し、サーモライシン1mg(ナカライテスク社製)を添加して、65℃で6時間攪拌した。反応後に塩酸を加えてpHを4.0に調整し、90℃、10分間加温してサーモライシンを失活させた。加温後、遠心分離し、上清を濾過、濃縮し、0.4gのペプチド画分を得た。このペプチド画分0.3gをゲル濾過カラムクロマトグラフィーに付した。以下に条件を記す。
カラム:Sephadex G−25(2.5×70cm、GE Healthcare社製)
溶出液:精製水
流 速:0.5ml/min
検 出:UV215nm
カラムからの溶出液はフラクションコレクターにより5mlずつ採集し、後述する実施例1の方法によって、各フラクションのACE阻害活性を測定した。その結果、フラクション20および30に強いACE阻害活性が認められた。
LC−MS/MS解析(API2000)により、このフラクションに含まれているペプチドの同定を行なったところ、フラクション20には、Ala−Gly−Tyr−Glu、Thr−Ala−Tyr、Val−Lys−Ala−Pro、フラクション30には、Gly−Glu−Tyrのアミノ酸配列を有するペプチドが主要成分として含まれていることが確認された。以下に同定条件を記す。
<LC−MS/MS分析条件>
カラム:Unison UK−C18(2mmφ×50mm、3μm)
移動相:(A液)水(0.1%ギ酸含有)
(B液)アセトニトリル
A/B=100/0(0min)、A/B=50/50(10min)のグラジ エント
流速:200μl/min
カラム温度:40℃
IonSpray Voltage:5500V
イオン化温度:500℃
得られたLC−MS/MS分析結果を表1に示す。
ACE阻害活性の測定
(実施例1)
前述の固相法及び同定方法により合成・同定した合成ペプチドAla−Gly−Tyr−Gluの水溶液100μlを試験管にとり、これにウサギ肺由来の25mU/mlACE(シグマ社製)・ホウ酸緩衝溶液(pH8.3)100μlを加え、37℃で5分間インキュベートした。基質として12.5mMのhippuryl−L−histidyl−L−leucine(シグマ社製)・ホウ酸緩衝溶液(pH8.3)100μlを加え、37℃で30分間インキュベートした。1M塩酸溶液250μlを加えて反応を停止した後、酢酸エチル1.5mlを加えてボルテックスミキサーにより攪拌、遠心分離(3000rpm、10分)した。その酢酸エチル層1mlを採取し、減圧下で蒸発乾固し、残留物を1mlの精製水に溶解し、228nmの吸光度により抽出された馬尿酸の量を測定して酵素活性とした。ACE阻害活性は次式により算出した。
ACE阻害活性(%)={1−(ODs−ODsb)/(ODc−ODcb)}×100
ODs :試料を添加して反応させた時の吸光度
ODsb:あらかじめ塩酸を入れて反応させた時の吸光度
ODc :試料の代わりに緩衝液を添加して反応させた時の吸光度
ODcb:試料の代わりに緩衝液を添加し、かつあらかじめ塩酸を入れて反応させた時の吸光度
(実施例2)
Ala−Gly−Tyr−GluをThr−Ala−Tyrに変更した以外は、実施例1と同様にしてACE阻害活性を測定した。
(実施例3)
Ala−Gly−Tyr−GluをVal−Lys−Ala−Proに変更した以外は、実施例1と同様にしてACE阻害活性を測定した。
(実施例4)
Ala−Gly−Tyr−GluをGly−Glu−Tyrに変更した以外は、実施例1と同様にしてACE阻害活性を測定した。
得られた結果を表2に示す。なお、ACE阻害活性は、IC50(阻害率50%の時の試料濃度)で示した。
通常、ACE阻害剤として効果ありとされているIC50値は30〜50μMであるが、表2に挙げた実施例のペプチドのACE阻害活性は、いずれもこの値よりもはるかに小さく、ACE阻害剤として優れたものであった。このことから、抗高血圧症剤、すなわち、高血圧症の治療または予防剤の有効成分として有用であると考えられる。
以下に、本発明のペプチドを含む処方例を示す。
(実施例5)
ドリンクの製造
下記の原料を混合し、ドリンクとした。
(1本分の組成)
実施例1〜4のいずれかのペプチド 3mg
エリスリトール 6.0g
クエン酸 0.2g
香料 0.4g
水 残量
合 計 100ml
(実施例6)
錠剤の製造
下記の原料を混合し、打錠機で成型して錠剤とした。
(1粒当たりの組成)
実施例1〜4のいずれかのペプチド 3mg
ショ糖脂肪酸エステル 10mg
結晶セルロース 45mg
乳糖 70mg
デキストリン 70mg
甘味料 2mg
合 計 200mg

Claims (6)

  1. 下記の構造式(1)〜(4)で表されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド。
    (1)Ala−Gly−Tyr−Glu、(2)Thr−Ala−Tyr、(3)Val−Lys−Ala−Pro、(4)Gly−Glu−Tyr
  2. 請求項1記載のペプチドの少なくとも1種を含有するアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  3. 請求項1記載のペプチドの少なくとも1種を含有する食品。
  4. 請求項1記載のペプチドの少なくとも1種を含有する医薬品。
  5. 請求項1記載のペプチドの少なくとも1種を含有する飼料。
  6. 請求項1記載のアミノ酸配列を含む植物素材組織若しくは動物素材組織又は前記植物素材組織若しくは動物素材組織から抽出された蛋白質にプロテアーゼを作用させることを特徴とする請求項1記載のペプチドの製造方法。
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