JP2010235532A - アンジオテンシン変換酵素阻害剤 - Google Patents

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幸雄 河村
Tatsuya Moriyama
達哉 森山
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Abstract

【課題】ACE阻害作用を有る剤を提供する。
【解決手段】ガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を含有することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤で血圧降下作用を有する。ガランガルは、ガランガルの根茎自体を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物などを含み、シタンは、シタンの心材自体を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物などを含み、ヘンナは、ヘンナの葉自体を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物などを含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する剤に関する。
高血圧症は現代成人病の最大疾患とも言われ、その治療あるいは予防は緊急かつ重大な課題となっている。
高血圧症には、本態性高血圧症と二次性高血圧症とがあり、アンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと略す)は、本態性高血圧症及び二次性高血圧症である腎性高血圧症あるいは内分泌性高血圧症などの疾患に大きな関わりを持っている。
生体の血圧上昇機構の一つであるレニン−アンジオテンシン系では、ACEが中心的な役割を果たしている。すなわち、血圧の上昇に不活性なアンジオテンシンIは、ACEにより血管の筋肉を収縮させる作用のあるアンジオテンシンIIへと変換され、血圧を上昇させる。一方、血管の筋肉を拡張させる作用があるブラジキニンは、ACEにより分解され、不活性化される。従って、このACEを阻害すれば、昇圧性ペプチドであるアンジオテンシンIIの生成を抑制し、降圧性ペプチドであるブラジキニンの分解も抑制して血圧を降下させる。
このACEの昇圧作用を阻害する治療薬として、例えば、カプトリル(D−2−メチル−3−メルカプトプロパノイル−L−プロリン)やエナラプリルなどの合成治療薬が多数知られているが、これらはアレルギー症状、頭痛、目眩、ふらつき等の副作用を起こす場合がある。
一方、病気(高血圧症)までには至らない状態の人が通常の生活をする上で血圧上昇に対する予防手段として服用できる安全性の高い血圧上昇抑制剤が求められており、漢方薬である地骨皮(ジコッピ)(特許文献1:特開昭62−164621号公報)、貝母(バイモ)(特許文献2:特開昭62−164622号公報)や牛乳カゼインをトリプシンで分解して得られるペプチド類(特許文献3:特開昭59−44323号公報、特許文献4:特開昭59−44324号公報、特許文献5:特開昭61−36226号公報、特許文献6:特開昭61−36227号公報)、茶ポリフェノール(特許文献7:特開昭63−214183号公報)、豆科植物種子の抽出物(特許文献8:特開平4−261122号公報)、米タンパク質中のペプタイド(特許文献9:特開平5−294844号公報)、そば脱穀種子及び/又はそば粉抽出物(特許文献10:特開平5−97798号公報)、ニンニク抽出液(特許文献11:特開平6−256387号公報)、ユーカリ属植物の抽出物(特許文献12:特開平6−199677号公報、特許文献13:特開平11−60498号公報)、果実ポリフェノール(特許文献14:特開平7−285876号公報、特許文献15:特開平8−259453号公報)、クロロゲン酸(食品研究成果情報,(9),20−21,1997)など、主にペプチド類、ポリフェノール類などが報告されているが、その効果は必ずしも満足できるものではない。
特開昭62−164621号公報 特開昭62−164622号公報 特開昭59−44323号公報 特開昭59−44324号公報 特開昭61−36226号公報 特開昭61−36227号公報 特開昭63−214183号公報 特開平4−261122号公報 特開平5−294844号公報 特開平5−97798号公報 特開平6−256387号公報 特開平6−199677号公報 特開平11−60498号公報 特開平7−285876号公報 特開平8−259453号公報
本発明の課題は、ACE阻害作用を有する剤を提供することである。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ガランガル、シタン、ヘンナに、ACE阻害作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
(1) ガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を含有することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
(2) ガランガル、シタン又はヘンナの抽出物がエタノール溶媒抽出物であることを特徴とする(1)記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
(3) 抽出物濃度は、15〜70質量%であることを特徴とする(1)又は(2)記載の剤。
(4) ガランガル抽出物が、濃度26〜100%のエタノール溶媒抽出物であることを特徴とする(2)又は(3)記載の剤。
(5) ガランガル抽出物が、濃度40〜75%のエタノール溶媒抽出物であることを特徴とする(4)記載の剤。
(6) シタン抽出物が濃度30〜60%のエタノール溶液抽出物であることを特徴とする(2)又は(3)記載の剤。
(7) (1)〜(6)のいずれか記載の剤を含む経口用又は非経口用剤。
(8) (1)〜(6)のいずれかに記載された剤を含む食品。
(9) 医薬である(7)記載の経口用又は非経口用剤。
(10) 医薬が血圧降下剤であることを特徴とする(9)記載の剤。
(11) 剤型が錠剤であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の剤。
ガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を用いたアンジオテンシン変換酵素阻害剤を提供することができる。特に、優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を示すエタノール溶媒抽出物を用いたアンジオテンシン変換酵素阻害剤を提供することができる。そして、ACE阻害作用剤は、血圧降下剤、それらを含有する経口用又は非経口用組成物、食品又は医薬として有用である。このような組成物は、長期間服用しても安全で、確実な治療を行うことができる。
ガランガルについて、サンプルの濃度に関するACE活性阻害率を示すグラフ。 シタンについて、サンプルの濃度に関するACE活性阻害率を示すグラフ。 ヘンナについて、サンプルの濃度に関するACE活性阻害率を示すグラフ。 ガランガルに関するエタノール溶媒濃度別抽出物を示すグラフ。 シタンに関するエタノール溶媒濃度別抽出物を示すグラフ。 ガランガルのエタノール溶媒濃度別抽出物が示すACE活性阻害活性を示すグラフ。 シタンのエタノール溶媒濃度別抽出物が示すACE活性阻害活性を示すグラフ。 ガランガル50%エタノール抽出物濃度が示すACE活性阻害活性を示すグラフ。 ガランガルエタノール抽出物分画が示すACE活性阻害活性を示すグラフ。 ガランガルエタノール抽出物第28分画濃度が示すACE活性阻害活性を示すグラフ。
本発明で使用するガランガルは、熱帯アジア原産、ショウガ科に属し、形も風味もショウガに似ている。インドネシア、その他東南アジア、中国南部に生育し、インドネシア、マレーシア、タイ、インドシナの料理に重要なスパイスとなっている。
別名ナンキョウ(和名)、カー(タイ語)と呼ばれる。
中国では、古くから胃炎によく効く薬として、あるいは口に切片を含んで口臭を消すのに使用されたほか、調味にも用いられている。かつては、ヨーロッパでも重要なスパイスの一つであったが、現在ではリキュールなどに使用される程度である。本出願人は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として特許第3768795号公報に提案した。
本発明におけるガランガルは、ガランガルの根茎自体を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
例えば、ガランガルの乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのまま使用しても良いし、各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
特に、エタノール溶媒抽出物に優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を見出すことができた。さらに、濃度26〜100%のエタノール溶媒抽出物において優れ、さらに好ましくは濃度40〜75%のエタノール溶媒抽出物が好適であることが判明した。特に、ガランガル抽出物は、濃度40〜75%のエタノール溶媒抽出物の第28分画成分である。
本発明で使用するシタン(紫檀)は、家具などの用材としても使用される香りの良い木で主にインド、スリランカ、フィリピンに分布している。食用としては香料に利用されている。俗に「胃腸によい」といわれている。
薬用部分は心材。木を切り倒し心材を採取して、適当な大きさにしたものを日干しする。
本発明におけるシタンは、シタンの心材自体を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
例えば、シタンの乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのまま使用しても良いし、各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
特に、エタノール溶媒抽出物に優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を見出すことができた。さらに、シタン抽出物は濃度30〜60%のエタノール溶液抽出物に優れた作用機序が認められた。
本発明におけるヘンナは、北アフリカ、インド、パキスタン、ネパール、スリランカ、中国南部など広く自生している低木で、古来よりヘンナの葉は、殺菌効果や体温を下げる効果があることが知られている。アーユルヴェーダでも皮膚病予防、止血、おでき、やけど、打撲傷、防腐剤、皮膚炎等との薬剤として使用されてきた実績がある。また、特開2005−60293号公報に開示されるように染毛料としても注目されている。
本発明におけるヘンナは、ヘンナの葉自体を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
例えば、ヘンナの葉の乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのまま使用しても良いし、各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
これら抽出された植物抽出物の溶液中の抽出物濃度は特に制限はないが、15〜70質量%、好ましくは20〜60質量%程度が好ましい。この濃度が15質量%未満では、乾燥時に多量のエタノールや水などの溶液を蒸発させる必要があり、70質量%を超えると溶液の粘度が高くなり過ぎ、加工適性が悪くなる恐れがある。
これらの本発明のガランガル、シタン、ヘンナによる植物抽出物に、ACE阻害作用を有することは、従来から全く知られておらず、本発明により得られた新知見である。
本発明によるガランガル、シタン、ヘンナは、卓越したACE阻害作用を有しており、血圧降下剤を目的とした食品又は医薬として使用可能である。特に、ガランガル及びシタンについては、特有のエタノール抽出物に優れたACE阻害作用が認められた。
すなわち、ACE阻害剤が臨床的に使用されている血圧降下の治療に使用できる。ACEを阻害すれば、昇圧性ペプチドであるアンジオテンシンIIの生成を抑制し、降圧性ペプチドであるブラジキニンの分解も抑制して高血圧の治療に有用である。
本発明のガランガル、シタン、ヘンナを、ACE阻害剤、血圧降下に対する治療剤含有食品又は医薬として製造することができる。
本発明のACE阻害剤、血圧降下に対する治療剤のような医薬の適用方法としては、経口投与あるいは非経口投与を採用することができる。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射などの投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。
上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤などの慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
食品としては、そのまま、又は種々の栄養成分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめて、ACE阻害剤、血圧の降下に対する治療剤に有用な保健用食品又は食品素材として食される。例えば、上述した適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して食用に供してもよく、また種々の食品、例えば、ハム、ソーセージなどの食肉加工食品、かまぼこ、ちくわなどの水産加工食品、パン、菓子、バター、粉乳、発酵乳製品に添加して使用したり、水、果汁、牛乳、茶、清涼飲料などの飲料に添加して使用してもよい。
特に、ガランガルやシタンのエタノール抽出物は、ACE阻害作用を示す有効成分を多く含んでおり、従来食用成分とは異なる特異成分ということができる。
本発明のガランガル、シタン、ヘンナの有効投与量は、患者の年齢、体重、症状、患者の程度、投与経路、投与スケジュール、製剤形態、素材の阻害活性の強さなどにより、適宜選択・決定されるが、例えば、経口投与の場合、一般に乾燥重量として1日当たり10〜500mg/kg体重程度、好ましくは、1日当たり150〜350mg/kg体重程度とされ、1日に数回に分けて投与してもよい。
以下に実施例を挙げて、具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
ガランガル抽出物の調製
ガランガル(ナンキョウ)300gに99.5%エタノール(和光純薬工業)1.5Lを加え、還流抽出(92℃、1時間)を2回行った後、メッシュスクリーンにて、固液を分離し、液体部分について減圧濃縮操作を行い乾燥して、9.0gのガランガル抽出物を得た。
シタン抽出物の調製
シタン200gに99.5%エタノール(和光純薬工業)1.0Lを加え、還流抽出(92℃、1時間)を2回行った後、メッシュスクリーンにて、固液を分離し、液体部分について減圧濃縮操作を行い乾燥して、17.0gのシタン抽出物を得た。
ヘンナ抽出物の調製
ヘンナ200gに99.5%エタノール(和光純薬工業)1.0Lを加え、還流抽出(92℃、1時間)を2回行った後、メッシュスクリーンにて、固液を分離し、液体部分について減圧濃縮操作を行い乾燥して、13.5gのヘンナ抽出物を得た。
1.ACE阻害活性試験
Benzoyl-Gly-His-Leu を基質とする Cushmann等の方法に準拠してアンギオテンシン変換酵素(ACE)活性を測定し、検試試料を共存させることによる酵素活性阻害を測定した。
エッペンドルフチューブに、0.1M NaCl を含む0.1M Na2B4O7 buffer(pH 8.3)で溶かしたBz-Gly-His-Leu基質(5.83mM)を正確に118.8μlとり、同buffer39.6μlと各サンプル2μl、ACE粗酵素液を39.6μl加え37℃で30分間反応させた。反応を停止させるために200μlの1N HClを加えた。さらに、正確に0.6mlの酢酸エチルを加えて十分に攪拌遠心分離し(10000rpm,2min)、分解物産物Bz−Gly−COOHを抽出した酢酸エチル層を正確に200μl回収した。遠心エバポレーターで酢酸エチルを蒸発除去後、200μl H2Oを加え良く攪拌した後、228nmの吸光度を測定した。
同じ手順で、サンプルごとにACE粗酵素液を加える前に200μlの1N HClを加えておき反応させないようにした対照も同時に測定した。両者の吸光度の差を活性値とした。また、同じ手順でサンプルの代わりに100%エタノールを2μl加えた対照も同時に測定した。サンプルの活性値と対照の活性値の差のパーセンテージをACE活性阻害率とした。すなわち、次式にてACE活性阻害率(%)を算出した。
(ACE活性阻害率%)=〔(サンプルの活性値−対照の活性値)/(サンプルの活性値)〕×100
前記のACE阻害活性の測定条件下では、実施例1、2、3のサンプル由来のエタノールが1%含まれる。そこで、本試験系におけるACE阻害活性に対する1%エタノールの影響を調べた。
本試験系においてACE阻害活性に、1%エタノールの影響はなかった。
表1から、本発明のガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物は強いACE阻害作用を有することがわかった。
2.ACE阻害活性試験(IC50)
次に、ガランガル、シタン、ヘンナについて、各サンプルの濃度を変えて前記1のACE阻害活性試験を行い、ACE活性阻害率が50%になる濃度、すなわち、IC50の値を求めた。
試験結果を図1〜3に示す。
図1から、実施例1のガランガルの抽出物のACE活性阻害のIC50は69μg/mlであることがわかった。
図2から、実施例2のシタンの抽出物のACE活性阻害のIC50は198μg/mlであることがわかった。
図3から、実施例3のヘンナの抽出物のACE活性阻害のIC50は292μg/mlであることがわかった。
3.エタノール濃度の違いによるACE阻害活性試験
次に、実施例1のガランガル抽出物、実施例2のシタン抽出物について、それぞれの抽出溶媒(エタノール)濃度を変えて溶かし、どの濃度にACE阻害活性の高い物質が溶けているかを調べた。
各サンプルは、1.5ml容エッペンドルフチューブに入れたシタン或いはナンキョウの99.5%エタノール抽出物0.1mgに、水を用いて各濃度に調製した含水エタノール1mlを加え、撹拌後、3,000rpmで5分間遠心分離を行い、得られた上清を別の1.5ml容エッペンドルフチューブに移し、これらの上清を遠心濃縮機(EC-57CS、佐久間製作所製を用いて凍結乾燥を行い、乾燥後、それぞれ得られた重量を測定した。
溶性試験結果を図4、5に示す。
ガランガルでは、殆どの成分が50.0%のエタノールに溶け、75.0%、25.0%エタノールには、50.0%の約1/3の成分が溶けた。(図4)
シタンでは、殆どの成分が100.0%のエタノールに溶け、75.0%、50.0%エタノールには、100%の約1/4の成分が溶けた。25.0%エタノールには溶けなかった(図5)
各サンプルのエタノール濃度の違いによるACE阻害活性の結果を図6、7に示す。
ガランガル抽出物のうち、50%エタノールに溶けた物質のACE活性阻害率は69.0%であった。75%エタノール、25%エタノールに溶けた物質のACE活性阻害率はそれぞれ16.0%、31.7%であったことから、50%エタノールに溶けた物質に、特に高いACE阻害活性があることがわかった。
シタン抽出物のうち、50%エタノールに溶けたもののACE活性阻害率は41.7%であった。100%エタノール、75%エタノールに溶けたもののACE活性阻害率はそれぞれ22.5%、6.7%であったことから、50%エタノールに溶けたものに、特に高いACE阻害活性があることがわかった。
ガランガル及びシタンでは、50%エタノールに溶けたものに、優れたACE阻害剤、血圧降下に対する治療剤含有食品又は医薬が特に期待できる。
4.ACE阻害活性試験(ガランガル抽出物のうち50%エタノールに溶けた物質のIC50)
次に、ガランガル抽出物のうち50%エタノールに溶けた物質について濃度を変えて前記1のACE阻害活性試験を行い、ACE活性阻害率が50%になる濃度、すなわち、IC50の値を求めた。その結果をグラフ化し図8に示す。
グラフからガランガル50%エタノール抽出物のIC50は47μg/mlである。実施例1のガランガルの抽出物のACE活性阻害のIC50は69μg/mlであることから、ガランガルでは、50%エタノールに溶けた物質に、優れたACE阻害剤、血圧降下に対する治療剤含有食品又は医薬が特に期待できる。
5.ACE阻害活性試験(ガランガル抽出物の画分について)
実施例1のガランガル抽出物について、画分ごとのACE阻害活性を前記1の方法で調べた。
尚、サンプル(画分)の調製は下記のとおり行った。結果を図9に示す。
実施例1のガランガル抽出物について、Sephadex LH-20ゲルろ過クロマトグラフィーを行い240画分回収した。実施例1のガランガル抽出物240画分の中で第28画分に最も高いACE阻害活性がみられた。この第28画分の吸収極大は220nmでありIC50は26μg/mlであった。結果を図10に示す
さらに標準物質をカラムにかけて、第28画分の分子量を推定した。
ブロモフェノールブルー(B.P.B)(C19H10Br4O5S=669.96)0を1ml同じ流速で流し、250nmで吸収により溶出位置を測ったところ、第26画分付近に高い吸収があった。従って、ナンキョウの有効成分の分子量はBPBの分子量より少し小さい約500〜600Daと推定された。
ガランガル抽出物のうち、28画分に優れたACE阻害活性が認められ、この画分に優れたACE阻害剤、血圧降下に対する治療剤含有食品又は医薬が特に期待できる。
以下に処方例を示す。

処方例1
[錠剤の製造]
(組成) (配合;重量%)
ガランガル抽出物 40
乳糖 32
コーンスターチ 27
グァーガム 1
処方例2
[錠剤の製造]
(組成) (配合;重量%)
シタン抽出物 40
乳糖 32
コーンスターチ 27
グァーガム 1
処方例3
[錠剤の製造]
(組成) (配合;重量%)
ヘンナ抽出物 40
乳糖 32
コーンスターチ 27
グァーガム 1
処方例4
[飲料の製造]
製造例で得られたガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成の飲料を製造した。

(組成) (配合;重量%)
果糖ブトウ糖液糖 15.00
クエン酸 10.40
L−アスコルビン酸 0.50
香料 0.02
色素 0.10
ガランガル抽出物 10.00
精製水 63.98
処方例5
[飲料の製造]
製造例で得られたガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成の飲料を製造した。

(組成) (配合;重量%)
果糖ブトウ糖液糖 15.00
クエン酸 10.40
L−アスコルビン酸 0.50
香料 0.02
色素 0.10
シタン抽出物 10.00
精製水 63.98
処方例6
[飲料の製造]
製造例で得られたガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成の飲料を製造した。

(組成) (配合;重量%)
果糖ブトウ糖液糖 15.00
クエン酸 10.40
L−アスコルビン酸 0.50
香料 0.02
色素 0.10
ヘンナ抽出物 10.00
精製水 63.98

Claims (11)

  1. ガランガル、シタン、ヘンナ又はそれらの抽出物を含有することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  2. ガランガル、シタン又はヘンナの抽出物がエタノール溶媒抽出物であることを特徴とする請求項1記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  3. 抽出物濃度は、15〜70質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の剤。
  4. ガランガル抽出物が、濃度26〜100%のエタノール溶媒抽出物であることを特徴とする請求項2又は3記載の剤。
  5. ガランガル抽出物が、濃度40〜75%のエタノール溶媒抽出物であることを特徴とする請求項4記載の剤。
  6. シタン抽出物が濃度30〜60%のエタノール溶液抽出物であることを特徴とする請求項2又は3記載の剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の剤を含む経口用又は非経口用剤。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載された剤を含む食品。
  9. 医薬である請求項7記載の経口用又は非経口用剤。
  10. 医薬が血圧降下剤であることを特徴とする請求項9記載の剤。
  11. 剤型が錠剤であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の剤。
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