JP2002087989A - コラーゲンを主成分とする新陳代謝促進剤、免疫強化剤、生体諸機能低下予防改善剤及びこれらを含有する機能食品 - Google Patents

コラーゲンを主成分とする新陳代謝促進剤、免疫強化剤、生体諸機能低下予防改善剤及びこれらを含有する機能食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】コラーゲンを大量に摂取しなくとも生体内で高
濃度を維持でき、コラーゲンとの相乗作用により、新陳
代謝機能の低下、免疫機能の低下を予防・改善する新陳
代謝機能促進剤、免疫強化剤、生体諸機能低下予防改善
剤剤及びこれらを含有する機能食品を提供すること。 【解決手段】コラーゲン及び/又はコラーゲンの加水分
解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミ
ンを組み合わせて添加してなる組成物を有効成分とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コラーゲン及び/
又はコラーゲンの加水分解物を主成分とする新陳代謝促
進剤、免疫強化剤、生体諸機能低下予防改善剤及びこれ
らを含有する機能食品に関し、詳しくは、コラーゲン及
び/又はコラーゲンの加水分解物にセラミド、イソマル
トオリゴ糖及び脂溶性ビタミンを組み合わせて添加した
組成物を有効成分とする新陳代謝促進剤、免疫強化剤、
生体諸機能低下予防改善剤及びこれらを含有する機能食
品に関する。
【0002】
【従来の技術】超高度高齢化社会を迎えつつある今日、
加齢変化に伴って生じ易くなる生活習慣病等の様々な疾
患は医療費を増大させ、また今後の介護に与える影響も
大きく重大な問題であり、また、若年層の日常の不規則
な食生活から生じる免疫機能低下症、若年性痴呆症やア
レルギー性疾患などの発症率の上昇も同様に重大な問題
である。このようなことから、医療技術の更なる向上と
共に、食生活(介護食を含む)の見直しと改善が早急に
要求されている。
【0003】ところで、加齢変化とは、時間の経過と共
に身体に起こるすべての形態的・生理的変化をいい、年
齢と共に生体恒常性の低下、特に新陳代謝機能や免疫機
能が低下し、その結果、すべての器官と組織中の細胞の
萎縮・消失の増大、脂肪酸酸化の亢進、感染症の発症率
の上昇などを招き、各種の疾患に罹り易くなると共に、
これら疾患からの回復が遅れ、場合によっては死へ転帰
することもある。
【0004】そのため、従来よりこれら加齢変化に伴う
各種疾患に対し、諸種の植物や動物に由来する乾燥粉末
・抽出物、ホルモン剤、抗酸化剤、DHA等の高級不飽
和脂肪酸などに関する研究開発が盛んに行われてきてい
る。一方、ヒトの総蛋白質の約30%を占めるコラーゲ
ンは、近年の結合組織に関する生化学的研究の著しい進
歩によって、単に生体組織の骨格構造の形成のみでな
く、細胞の接着、細胞の増殖や分化などに特異的な作用
を示す重要な機能因子であることも解明されてきてお
り、さらに加齢と共に新陳代謝機能が低下していくの
は、コラーゲン蛋白の新陳代謝機能の低下が引き金とな
るとの報告もある。このように、コラーゲンは量的にも
質的にも生体にとって重要な成分であるにも拘わらず、
これまでのコラーゲンの使用法は皮膚への塗布、すなわ
ち化粧品や軟膏剤への使用が大半であり、経口摂取用で
は健康食品として僅かに使用されるのみで、中高年者の
生体内コラーゲン合成系を高めるためにコラーゲンを経
口摂取させ高濃度のコラーゲンを生体内で維持させると
いう発想は極めて少なく2、3の報告がされているにす
ぎない。例えば特開平7−278012号公報には、コ
ラーゲン蛋白もしくはその加水分解物を必須成分とした
新陳代謝促進剤及びこれに杜中葉等の抽出物等を配合し
た食品が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記植
物由来や動物由来の乾燥粉末・抽出物やホルモン剤等か
らは、加齢変化に対し十分な効果が得られていない。ま
た、特開平7−278012号公報の発明のコラーゲン
では、摂取されたコラーゲンが生体内でコラーゲン本来
の機能発現と共に生体内のコラーゲン分解酵素であるコ
ラゲナーゼによるコラーゲン分解機構が作動することへ
の防御・制御が加味された成分が添加されていないた
め、摂取されたコラーゲンの酵素的分解による消失分を
大量摂取で補わなければならないという問題点があっ
た。さらに、コラーゲンに杜中葉等の抽出物等を配合し
た食品においても、コラーゲンの大量摂取を前提とする
ものであり、また抽出物等とコラーゲンとの相乗作用や
増強作用のメカニズムについて生化学的、生理学的ある
いは免疫学的根拠に基づく解明が何らなされていない。
【0006】そこで、本発明は従来の加齢変化に特徴的
な新陳代謝機能の低下や免疫機能の低下に対する対応策
の問題点を解決するためになされたものであり、コラー
ゲンを大量に摂取しなくとも生体内で高濃度に維持で
き、コラーゲンとの相乗作用により、新陳代謝機能の低
下、免疫機能の低下を予防・改善する新陳代謝機能促進
剤、免疫強化剤、生体諸機能低下予防改善剤剤及びこれ
らを含有する機能食品を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、(1)経口的に摂取されたコラーゲン
に対する酵素学的分解抑制方法の検討(2)新生細胞群
に対する活性酸素による破壊阻止方法の検討(3)免疫
担当細胞群の標的部位への遊走を促進させることによる
新生細胞群に対する不測の感染防御方法の検討などを主
眼として、鋭意これらを十分に満足させる天然成分の探
索を進めた。
【0008】すなわち、本発明者らは、コラーゲン分解
酵素のコラゲナーゼ、繊維質エラスチンの分解酵素のエ
ラスターゼあるいは中性脂肪分解酵素のリパーゼなどの
酵素作用を阻止することが報告されている(Lati,
E.FragranceJ;23;81−89,199
5)セラミドに着目した。セラミドは六単糖(特にガラ
クトース)とスフィンゴシンがエーテル結合し、さらに
数種の脂肪酸とアミド結合した糖脂質を約50%含有す
る脂質で小麦や米ぬかなどに含まれている。フランスを
中心とした近郊欧州諸国では小麦由来のセラミドが化粧
品や健康食品の素材として用いられているが、日本国内
では化学的合成セラミドが主に化粧品の材料として用い
られているにすぎず、天然セラミドを食品素材として経
口摂取する利用法は殆ど行われていないのが現状であ
り、また経口摂取されたコラーゲンとの併用についての
相互作用は十分に解明されていない。なお、セラミドの
その他の生理作用としては、主に血圧上昇抑制剤(特開
昭60−183955号公報参照)、免疫機能活性化剤
(特開平3−218466号公報参照)、癌細胞増殖抑
制剤(特開平7−258100号公報参照)等が挙げら
れる。
【0009】また、本発明者らは生体が感染した場合に
特異性免疫系が作動するまでの繋ぎの生体防御機構とし
て非特異性免疫系が作動するに際し多糖体が関与してい
るとのこれまでの報告に基づき、イソマルトオリゴ糖に
着目した。イソマルトオリゴ糖はα−1,4を有するマ
ルトースやマルトースオリゴマーとは異なるα−1,6
からなる分子構造を有しており、糖分解酵素群(α−ア
ミラーゼ、α−グルコシダーゼ等)の作用を受けない非
発酵性である点に特徴があり、イソマルトース、パノー
ス、イソマルトトリ・テトラオースなどを約40%含有
する熱安定性で吸収性に優れたイソオリゴ糖である。な
お、イソマルトオリゴ糖は甘味性が砂糖(スクロース)
の約50%で、保湿性や吸湿性に優れているため食品の
食感、品質面での食材として幅広く利用されている。
【0010】さらに、抗酸化作用を有するビタミンに着
目し、コラーゲンにセラミド、イソマルトオリゴ糖の他
脂溶性ビタミンを添加することを検討した。脂溶性ビタ
ミンは、生体の成長と正常な機能維持に不可欠なビタミ
ンで、ビタミンA、D、E、Kがあり、さらにビタミン
DにはDとDがある。
【0011】本発明者らは、以上説明したセラミド、イ
ソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミンを組み合わせてコ
ラーゲンに添加することによる効果を生化学的、生理学
的及び免疫学的な見地から研究を重ねた結果、顕著な新
陳代謝促進効果、免疫強化効果及び生体諸機能低下予防
改善効果を相乗的に発揮することに想到し本発明を完成
した。すなわち、本発明は、コラーゲン及び/又はコラ
ーゲンの加水分解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及
び脂溶性ビタミンから選ばれる1種又は2種以上を添加
してなる組成物を有効成分とする新陳代謝促進剤、コラ
ーゲン及び/又はコラーゲンの加水分解物にセラミド、
イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミンから選ばれる1
種又は2種以上を添加してなる組成物を有効成分とする
免疫強化剤、コラーゲン及び/又はコラーゲンの加水分
解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミ
ンから選ばれる1種又は2種以上を添加してなる組成物
を有効成分とする生体諸機能低下予防改善剤、コラーゲ
ン及び/又はコラーゲンの加水分解物にセラミド、イソ
マルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミンから選ばれる1種又
は2種以上を添加してなる組成物を含有する機能食品に
関する。なお、新陳代謝促進剤とは、生体内の諸物質の
同化・異化などにより主として生体組織の再生・形成な
どを促進する製剤をいい、生体諸機能低下予防改善剤と
は、新陳代謝機能の低下、免疫機能の低下など生体恒常
性の低下により惹起される各種疾患を予防・改善する製
剤をいう。
【0012】
【発明の実施の形態】コラーゲンは種々の動物の皮膚、
骨、血管、靱帯、腱等の種々の組織から得られるが、本
発明では由来動物の種類の如何を問わず、また取得され
た組織の如何を問わず広く用いることができる。また、
コラーゲンをアルカリ、酸、加圧により、あるいは酵素
により加水分解することで得られるコラーゲンの加水分
解物を用いることもでき、コラーゲンと併用することも
できる。さらに、コラーゲンの熱変性物であるゼラチン
を用いることもできる。
【0013】セラミドは小麦、米ぬか、麹などに多量に
含まれ、また動物細胞にも含まれている。また、セラミ
ドは化学的合成によっても製造される。本発明では天然
物由来のセラミドを好適に用いることができ、天然物に
由来する限りいずれに由来するセラミドをも用いること
ができる。なお、天然物由来セラミドは市販品を容易に
入手することができる。
【0014】イソマルトオリゴ糖はイモ、米、麦芽など
のデンプンに特殊な糖転移酵素を作用させて製造され、
市販品を容易に入手できる。
【0015】脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D及び
Eを併用することが好ましく、ビタミンA、D、Eは
各々の単品を用いてもよいが、以下に述べるビタミンM
Vを用いることがさらに好ましい。すなわち、ビタミン
MVとは3種の脂溶性ビタミンA、D、Eを含む複合
ビタミンで、特殊な可溶化液で粒子内に封入(粒径:平
均0.01μm)し、水に容易に溶解でき(可溶化油溶
性ビタミン)、しかもドライ脂溶性ビタミン類よりも自
然酸化に対する安定性に優れ、加熱滅菌や長期保存でも
ビタミン残有率に優れている。また、ビタミンMVはビ
タミンA、D、Eを各々3000IU/g、250I
U/g、13.5mg/g含み、例えば、1日当たり
0.6gのビタミンMVを摂取すれば、第5次日本人の
栄養所要量(ビタミンA:1800IU/日、ビタミン
D3:150IU/日、ビタミンE:8mg/日)に十
分に達することになる。そこで、以下の説明における脂
溶性ビタミンはビタミンMVにより行うこととする。
【0016】コラーゲンにセラミド、イソマルトオリゴ
糖及びビタミンMVを組み合わせ添加されてなる組成物
を有効成分とする本発明の新陳代謝促進剤、免疫強化剤
及び生体諸機能低下予防改善剤の投与形態は、経口投与
が一般的であるがこれに限定されない。また、剤型も用
途に応じて適宜選択でき、薬学的に許容される賦形剤、
結合剤、崩壊剤、軟膏基剤などを用いて散剤、顆粒剤、
錠剤、カプセル剤、座剤、軟膏剤などの剤型とできる。
さらに、本発明の新陳代謝促進剤、免疫強化剤及び生体
諸機能低下予防改善剤はそれらの薬効を失わない限り他
の薬効を有する製剤(動植物由来を含む)を配合して医
療用製剤として供することができる。例えば、本発明の
免疫強化剤に抗菌剤、制癌剤あるいはサイトカイン類を
配合したり、また、本発明の新陳代謝促進剤に動物由来
コンドロイチンを添加して皮膚のシミ・シワ形成予防・
消去促進軟膏剤や化粧品として供することができる。ま
た、植物性抗菌成分や抗生剤を添加した軟膏剤や湿布剤
を床ずれ、皮膚炎、外傷治療剤として供することもでき
る。
【0017】また、本発明の新陳代謝促進剤、免疫強化
剤及び生体諸機能低下予防改善剤の有効成分を含有させ
て機能食品を供することができる。これらの機能食品を
摂取することにより新陳代謝機能が促進され、また免疫
機能の強化が図られると共に、特に加齢変化に顕著な生
体恒常性の低下を予防・改善でき、介護食や栄養補給食
・補給液に配合してもよい。また、ゼリー、キャンディ
ー、ビスケット、チョコレートなどに添加することもで
き、さらにこれらにL−酒石酸、結晶クエン酸、クエン
酸ナトリウム、ソルビット、果実香料、麦芽水飴などを
適宜添加することもでき、また飲料として供することも
できる。
【0018】本発明のコラーゲンにセラミド、イソマル
トオリゴ糖及びビタミンMVの3種が添加された組成物
における各成分の配合割合は、コラーゲン及び/又はコ
ラーゲンの加水分解物100重量部に対し、セラミド
0.2〜0.6重量部、イソマルトオリゴ糖20〜60
重量部、ビタミンMV2〜6重量部が好ましく、コラー
ゲン及び/又はコラーゲンの加水分解物100重量部に
対し、セラミド0.3〜0.5重量部、イソマルトオリ
ゴ糖30〜50重量部、ビタミンMV3〜5重量部がさ
らに好ましい。各成分が下限を下回ればコラーゲン及び
/又はコラーゲンの加水分解物との十分な相乗性が得ら
れないことがあり、また上限を上回れば抗原が飽和状態
になりマクロファージが十分に機能しなくなる虞がある
からである。コラーゲンは必須アミノ酸のトリプトファ
ンを殆ど含んでいないため、過剰に摂取すると必須アミ
ノ酸のバランスを崩す虞がある。そこで、このことを勘
案した上、本発明が新陳代謝促進剤、免疫強化剤及び生
体諸機能低下予防改善剤として所期の効果を十分に発揮
し得るためには、コラーゲン及び/又はコラーゲンの加
水分解物の摂取量は1日当たり5〜10gが好ましい
が、もちろん適用される患者の病状や剤型などに応じ適
宜増減でき、例えば熱傷患者であれば大用量を摂取させ
ることができる。また、上記ではコラーゲンにセラミ
ド、イソマルトオリゴ糖及びビタミンMVの3種を添加
する場合の配合割合について説明したが、コラーゲンに
セラミド、イソマルトオリゴ糖、ビタミンMVの1種又
は2種を添加する各組成物においても、コラーゲンに対
する各成分の配合割合は上記の配合割合が好適である。
なお、脂溶性ビタミンを各々単品で添加する場合には、
既述のビタミンMVの含有単位から換算して計算量を添
加する。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】参考例1(熱傷マウス創傷部位の作製法と
熱傷創傷面積の測定法)7週齢の正常ddY系雌マウス
(平均体重:30g)の腹腔内に、チオペンタールナト
リウム麻酔剤(ラボナール、万有製薬社製)の0.1m
l(24mg/ml)を投与した後、電気バリカンにて
背部の毛を剃り、電気ゴテ(2cm×3cm、100V
/100W)を除毛表皮面に3秒間当て、熱傷創傷部位
(6cm 、10%/体表面積)を作製した。この熱創
傷はヒトでの生存限界である3度熱傷に相当する。熱傷
直後及び熱傷後7日毎、28日間に亘り、麻酔下のマウ
ス背部創傷面にセロファン紙を当てて、セロファン紙上
に創傷面をマーカーでトレースした後、画像解析装置
(Modulator System、MOP−AM0
3、コントロン社製、ドイツ)にて創傷面積を計測し
た。
【0021】実施例1(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
(以下、MRSA菌)の熱傷創傷面における生菌数の推
移と感染抵抗性増強作用) MRSA菌感染実験系は、(1)非摂取対照群(純水摂
取群)(2)コラーゲン(Gelatin Fabri
ken社製)(以下、CPHと略すこと有り)単独摂取
群(3)CPH+セラミド(日本油脂社製)(以下、S
GLと略すこと有り)摂取群(4)CPH+イソマルト
オリゴ糖(三重化糧社製)(以下、IMOと略すこと有
り)摂取群(5)CPH+SGL+IMO+ビタミンM
V(日本油脂社製)(以下、FSMVと略すこと有り)
摂取群の計5群(各群3匹宛)を準備し、以下の実験的
MRSA菌の感染実験を行った。マウスに摂取させる摂
取量は、マウスにヒトでの熱傷生存限界度数である3度
に相当する熱傷を付加させたことを考慮し、ヒトの体重
当たりの摂取量の10倍量にてCPH(30mg/マウ
ス/日)、SGL(108μg/マウス/日)、IMO
(10.8mg/マウス/日)及びFSMV(1.08
mg/マウス/日)の各々を調合することとし、熱傷1
日前から熱傷後21日間(計22日間)に亘って吸水瓶
からの吸水(10〜15ml/マウス/日)により摂取
させた。なお、この摂取量は以下の各実施例においても
同様である。
【0022】熱傷24時間後に熱傷創傷壊死表皮部分を
剥離し、剥離した創傷面にMRSA菌液0.1ml(1
生菌単位=CFU/ml)を滅菌綿棒で塗布感染さ
せた後、感染直後、7、14、21及び28日目に滅菌
生理食塩水を浸した綿棒にて感染創傷面を拭き取り、綿
棒を0.5mlの滅菌生理食塩水加試験管に移し、創傷
面積当たりの還元生菌数(CFU/cm)をスタフィ
ロコッカスNo.110寒天培地にて定量した。
【0023】その結果、図1に示すように、CPH単独
摂取群におけるMRSA菌感染創傷面からの還元生菌数
(CFU/cm)の減少を非摂取対照群のそれと比較
した場合、感染後7〜28日間に亘って有意差(検定
法:Studentt−test法)は全く認められな
かった。これに対して、CPH+SGLあるいはCPH
+IMOの摂取群でのMRSA菌の還元生菌数の減少推
移は、非摂取対照群よりも良好であり、感染14日目以
降では有意差のある減少推移が認められた。また、14
日目におけるCPH+SGL摂取群の非摂取対照群に対
する有意差(危険率1%以下)は、CPH+IMO摂取
群の有意差(危険率5%以下)よりも顕著であった。一
方、CPH+SGL+IMO+FSMV摂取群と非摂取
対照群間におけるMRSA菌の還元生菌数の有意差は、
感染後7日目からみられ(危険率5%以下)、感染後2
1日目における両者間の有意差は、極めて顕著であった
(危険率0.1%以下)。以上の結果より、創傷面から
のMRSA菌排除促進効果を示さなかったコラーゲン
に、セラミド、イソマルトオリゴ糖及びビタミンMVを
組み合わせて添加することにより、免疫強化によって熱
傷皮下組織のMRSA菌排除促進効果が促進され、特に
コラーゲンにセラミド、イソマルトオリゴ糖及びビタミ
ンMVの3種を添加する組成物では極めて顕著な相乗的
作用を示すことが明らかとなった。
【0024】実施例2(MRSA菌感染創傷面の真皮層
・皮下組織層内の浸潤細胞数と細胞分類) 実施例1に記載した感染実験系5群(非摂取対照群及び
摂取4群)の感染7日目における創傷面の真皮層と皮下
組織層間に10%胎児牛血清添加イーグルMEM培養液
(ヘパリン:4単位/ml)5mlを注入し、背部を十
分に揉みほぐした後、注入培養液を注射器で回収し、そ
の1mlをプラスチックマイクロプレート(6ウエル:
直径30mm)に移した。マイクロプレートを2時間保
温後(37℃、5%CO下)、培養液を静かに除去
し、メタノール固定、ギムザ染色後マイクロプレートの
ウエル上の浸潤細胞分類を顕微鏡下で算定した。
【0025】表1に示すように、非摂取対照群の浸潤総
細胞数に比べて、摂取4群の浸潤総細胞数はいずれも高
い有意性が観察され、中でもCPH+SGL+IMO+
FSMV摂取群と共に、CPH+IMO摂取群における
有意性(危険率0.1%以下)が極めて著しかったこと
から、イソマルトオリゴ糖による結合組織の再生への寄
与が示唆された。なお、非摂取対照群に対するCPH単
独摂取群の危険率は5%以下で、CPH+SGL摂取群
の危険率は1%以下であった。
【0026】
【表1】
【0027】また、これら浸潤細胞の細胞分類を行った
ところ、表2に示すように非摂取対照群ではリンパ系細
胞の比率が最も高く(平均90.5%)、マクロファー
ジ等の網内系細胞は6.1%、上皮性及び繊維芽細胞群
は3.4%にすぎなかった。これに対して、CPH単独
摂取群では網内系細胞(マクロファージ様)が約10%
に増加していたものの、全般的に非摂取対照群の細胞分
類と大差がなかった。他方、CPH+IMO摂取群にお
ける網内系細胞とリンパ系細胞の比率は、それぞれ約4
6%、49%を示し、これら細胞の著しい上昇がみられ
た。特に、マクロファージ様網内系細胞の増加は、CP
H+SGL摂取群のそれ(約25%)よりも極めて顕著
であった。これらの結果は、実施例1で得られたCPH
+IMO摂取群の14日目以降にみられた有意性のある
MRSA菌排除促進作用の結果とよく一致していたこと
から、イソマルトオリゴ糖には免疫担当細胞群(マクロ
ファージ等の網内系、リンパ球、NK細胞等のリンパ
系、好中球等の顆粒球系細胞)の損傷部位や患部への遊
走促進作用、ひいてはこれら細胞群に対する機能増強能
(免疫強化能)を有することが示唆された。他方、CP
H+SGL+IMO+FSMV摂取群で観察されたこれ
ら細胞の分類比率は、正常皮膚組織の有する自然的再生
機構の第一次機転システムにみられる浸潤細胞群の比率
に極めて近い値であったことから、熱傷によって損傷を
受けた皮下組織の再生準備機構はコラーゲンの投与によ
って促進されると共に、コラーゲンにセラミド、イソマ
ルトオリゴ糖及びビタミンMVを組み合わせて添加する
ことにより、再生準備機構は相乗的に亢進されることが
細胞学的実験結果から確認された。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3(熱傷創傷面治癒実験系における
熱傷創傷面積の縮小推移及び創傷面の治癒経過) 熱傷マウスにおける熱傷創傷面治癒実験系は、実施例1
に記載したのと同様の5群のマウス(各群:10匹)を
準備し、熱傷直後、熱傷後7、14、21、及び28日
目の創傷面積を参考例1の方法で計測した。その結果、
表3に示すように、熱傷直後の創傷面積は6.23±
0.36cmで電気ゴテの面積(6cm )に近い創
傷面が得られた。CPH単独摂取群における7、14、
21及び28日目の創傷面積は各々平均5.98、4.
93、2.53及び0.77cmであり、日数と共に
縮小し、非摂取対照群の7〜28日目の平均創傷面積よ
りも低い値を示したものの、有意性は実験期間中全く認
められなかった。これに対して、CPH+SGL摂取群
では熱傷後7日目(5.61±0.42cm)に有意
差(危険率5%以下)が認められ、CPH +IMO摂
取群においても熱傷後14日目(4.69±0.64c
)に有意差(危険率5%以下)が認められた。一
方、CPH+SGL+IMO+FSMV摂取群における
創傷面積の縮小推移は、他の摂取群よりも著しく、熱傷
後7日目での創傷面積は5.01±0.45cm(危
険率1%以下)であり、14日目ですでに高い有意性
(危険率0.1%以下)のある創傷面の縮小(2.43
±0.84cm)がみられた。なお、CPH+SGL
摂取群の上記以外の有意差における危険率は、14日で
1%以下、21日で0.1%以下であり、CPH+IM
O摂取群では、21日で5%以下、28日で1%以下で
あった。
【0030】
【表3】
【0031】これらの結果から、コラーゲンにコラゲナ
ーゼやエラスターゼ等の酵素活性阻止作用を有するセラ
ミドを添加したことによって、生体内に摂取されたコラ
ーゲンの酵素的分解が抑制され、さらには免疫担当細胞
群の熱傷創傷面皮下組織への浸潤を促進させたイソマル
トオリゴ糖の添加、あるいは活性酸素消去作用を有する
ビタミンMVの添加により熱傷創傷面の治癒促進が極め
て効率良く、かつ速やかに行われたものと考えられる。
【0032】実施例4(創傷皮下組織の病理組織学的検
討) 上記実施例3で述べた推論を立証するために、以下の検
討を行った。実施例3に記載した5群の実験中、CPH
+IMO摂取群を除く4群の14日目における平均創傷
面積値に最も近いマウス創傷面の皮膚組織を切除し、常
法に準じて処理した。すなわち、脱水(アルコールシリ
ーズ)、固定(1%グルタルアルデヒド、1%パラホル
ムアルデヒド)、パラフィン包理した後、組織切片を作
製した。さらに、スライドグラスに標簿切片を付着・固
定させた後、結合組織繊維を特異的に染め分けられるエ
ラスチカ ファンギーソン染色液にて染色し、皮下組織
内の結合組織(膠原繊維、弾力繊維、その他エラスチン
等の繊維質)の再生・形成の程度を顕微鏡下で観察し
た。
【0033】その結果は図2に示す通りで、熱傷直後の
皮下組織切片を結合組織の状態、存在部位及び質量につ
いての顕微鏡的観察が可能なエラスチカ ファンギーソ
ン染色液で染色したところ、桃紅色に染色されている層
は全くみられず、組織そのもが壊死状態に陥っており、
ヒトの3度の熱傷に相当する熱傷の影響が真皮層のみな
らず皮下組織層にまで達していた。これに対して、熱傷
14日目における非摂取対照群の皮下組織切片像では、
繊維芽細胞や上皮性(円形)細胞の真皮層内への浸潤が
著しく、桃紅色に染まった膠原繊維、弾力繊維も僅かで
はあるが認められたが、表皮層再生の進展は殆どみられ
なかった。熱傷14日目のCPH単独摂取群では、皮下
組織層の桃紅色に染色された結合組織繊維分は極めて少
量であるものの、非摂取対照群の皮下組織層の染色性よ
りも僅かながら優れており、表皮層の再生も順調である
ものの、なお繊維芽細胞や上皮性細胞の浸潤は皮下組織
全体に認められ、皮下組織再生の初期段階であることが
観察された。これに対して、CPH+SGL摂取群での
皮下組織切片を観察したところ、表皮層の再生はほぼ完
了しており、鮮やかな桃紅色に染色された染色部位は表
皮層から皮下組織層に全体的にみられ、繊維芽細胞や上
皮性細胞も僅かであったが、染色された皮下組織層は網
目状が目立っており、皮下組織の完全な再生には至って
いなかった。一方、CPH+SGL+IMO+FSMV
摂取群での皮下組織像を観察したところ、真皮層と皮下
組織層の前面が濃桃紅色に染色されており、しかも染色
された膠原繊維の緻密性は、CPH+SGL摂取群のそ
れよりも顕著であった。以上のことから、コラーゲンに
セラミド、イソマルトオリゴ糖及びビタミンMVを組み
合わせて添加することにより結合組織の再生、ひいては
生体組織の新陳代謝が相乗的に促進されることが病理組
織学的にも明らかになった。
【0034】実施例5(熱傷創傷面の完全治癒マウス百
分率の推移) 実施例3に記載した5群の熱傷後21及び28日目にお
けるマウスの創傷面が完全に治癒した匹数から、完全治
癒マウス百分率の推移を調べた。その結果、表4に示す
ように、CPH単独摂取群での熱傷創傷面の完全治癒は
熱傷後(摂取後)28日目にみられたものの、僅かに1
0%にすぎなかった。これに対して、CPH+IMO摂
取群、CPH+SGL摂取群及びCPH+SGL+IM
O+FSMV摂取群の21日目における創傷面完全治癒
率は、各々20%、40%及び60%であり、実施例3
と実施例4の実験結果と極めて一致した傾向がみられ
た。また、28日目のCPH+SGL摂取群あるいはC
PH+SGL+IMO+FSMV摂取群における完全治
癒率は、50%及び70%にまで達した。この実験系か
らも、コラーゲンにセラミド、イソマルトオリゴ糖及び
ビタミンMVを組み合わせて添加することにより結合組
織の再生が確実かつ迅速に行われ、生体組織の新陳代謝
が相乗的に促進されることが明らかとなった。
【0035】
【表4】
【0036】実施例6(ヒト由来正常皮膚上皮細胞・皮
膚繊維芽細胞の増殖促進作用) 表皮層、真皮層及び皮下組織内の主要細胞である上皮性
細胞や繊維芽細胞の分裂と増殖を亢進させることは、シ
ミ、シワあるいは老化細胞等に対する皮膚・皮下組織の
新陳代謝の促進や細胞の再生・新生の亢進につながるこ
とは容易に考えられる。そこで、以下の実験系によりヒ
ト由来正常皮膚上皮細胞・皮膚繊維芽細胞の増殖促進作
用について検討した。
【0037】10%胎児牛血清(以下、FBSと略すこ
と有り)添加イーグルMEM培養液にヒト由来正常皮膚
上皮細胞(NCTC2544株)及びヒト由来正常皮膚
繊維芽細胞(CRL−2090株)の1×10コ/m
lを浮遊させ、これら細胞浮遊液の各2mlをプラスチ
ックマイクロプレート(6ウエル:30mm)に移した
後、2時間保温(37℃、5%CO下)した。保温
後、ウエル内をリン酸生食緩衝液(PBS)で洗浄し、
ミリポアーフイルターにより滅菌済の(1)CPH(2
50μg/ml)単独添加(FBS無添加)イーグルM
EM液(2)CPH+SGL+IMO+FSMV(CP
H:250μg/ml、SGL:0.9μg/ml、I
MO:90μg/ml、FSMV:9μg/ml)添加
イーグルMEM液(FBS無添加)(3)5%FBS添
加イーグルMEM液(実験対照群)の各4mlを各々ウ
エルに加え、37℃(5%CO下)で14日間培養し
た。培養直後、培養後3、7、10及び14日目に
(1)、(2)の実験群及び(3)の実験対照群のウエ
ル上の培養細胞を0.2%エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム液で剥離し、ウエル当たりの細胞数を顕微鏡下で
計測した。また、ウエル上の7日間培養細胞をメタノー
ル固定、ギムザ染色した後、培養細胞の増殖状態と細胞
形態を顕微鏡下で観察した。
【0038】その結果、図3に示すように実験対照群に
おける上皮細胞及び繊維芽細胞の増殖推移は、いずれも
培養後3日目からみられ、培養後7日目にほぼ最高閾値
に達した。これに対して、CPH単独添加イーグルME
M液での上皮細胞の増殖は、培養14日間を通して殆ど
みられず、繊維芽細胞で培養7〜10日目に僅かな増殖
がみられたにすぎなかった。一方、CPH+SGL+I
MO+FSMV添加イーグルMEM液での上皮細胞と繊
維芽細胞の増殖の程度は実験対象群でのそれよりも多少
とも劣るものの、細胞増殖の推移パターンは殆ど同様で
あった。このように、コラーゲンのみを水溶性ビタミン
類、アミノ酸類、ブドウ糖及び数種のトリカルボン酸を
含むイーグルEME液に加えた場合には、上皮細胞や繊
維芽細胞の崩壊や壊死こそみられなかったものの、これ
ら細胞の分裂・増殖過程にまで至らすことは不可能であ
った。この結果から、コラーゲンそのものは複数の増殖
因子を多量に含有している胎児牛血清の代用にはならな
いこと、そしてコラーゲンはこれら細胞に対して、単な
る蛋白源あるいは細胞形態維持等の機能のみ有すること
が示された。これに対して、コラーゲンにセラミド、イ
ソマルトオリゴ糖及びビタミンMVをイーグルMEM液
に添加することによって、培養細胞の増殖は胎児牛血清
添加イーグルMEM液での増殖とほぼ同様の結果が得ら
れたことから、(a)セラミドは全ての生体細胞の細胞
膜上に存在する増殖因子受容体(成分:ホスファチジル
イノシトールリン脂質)に何らかの作用、例えば拮抗的
受容体成分として作用し、コラーゲンの細胞への働きを
何らかの形で促進させる、(b)細胞増殖因子の多くは
糖蛋白であることから、イソマルトオリゴ糖とコラーゲ
ン間で増殖因子的構造成分として細胞膜受容体に作用す
る、(c)脂溶性ビタミン類が含まれていないイーグル
MEM液にビタミンMVを加えることにより、細胞増殖
機構に何らかの影響を及ぼす、ことが推測された。
【0039】実施例7(毒性試験・抗原性試験) ddY系雌及び雄マウス(5週齢)を1群5匹宛準備
し、コラーゲンにセラミド、イソマルトオリゴ糖及びビ
タミンMVを添加した製剤(2倍段階希釈)の経口投
与、皮下投与及び腹腔内投与によりマウスの死亡数を5
日間に亘り記録し、これら投与法における製剤のLD
50値をベーレンス・カーバー法に従って求めた。経口
投与及び皮下投与によるLD50値は雌雄共に同じ値を
示し、4200mg/kg以上及び6700mg/kg
以上であった。一方、腹腔内投与によるLD50値は、
経口投与あるいは皮下投与のそれらよりも4〜6倍も低
い値を示し、雌に対しては1180mg/kg、雄に対
しては1042mg/kgであった。
【0040】ddY系雌マウス(5週齢)を1群3匹宛
準備し、マウス1匹当たり、上記製剤100mg/マウ
ス(約3330mg/kg)を腹腔内に1回接種した
後、14日目に血液を眼球摘出によって採取分離し、血
清中の製剤(抗原)に対する抗体産生の有無について、
沈降凝集包(抗原抗体反応)にて調べた結果、沈降線と
抗原抗体反応凝集像は、寒天ゲル、ゼラチンゲル層のい
ずれにおいても認められず、抗体の産生は陰性であっ
た。
【0041】実施例8(軟膏剤) コラーゲン 12g セラミド 60mg イソマルトオリゴ糖 4.5g ビタミンMV 500mg に適量の白色ワセリンを加えて全量100gのシミ・シ
ワ形成予防・消去促進軟膏剤を製した。
【0042】実施例9(機能食品) コラーゲン 5g セラミド 20mg イソマルトオリゴ糖 2g ビタミンMV 200mg に果糖ブドウ糖液糖及び香料を加え精製水にて100m
lの飲料を製した。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、摂取されたコラーゲン
は生体内で高濃度を維持すると共に、コラーゲンとセラ
ミドなどの添加物が相乗的に作用して、顕著に新陳代謝
機能の促進と免疫機能の強化ができるので、熱傷患者の
皮膚組織の再生、シミ・シワの予防・改善などの他、加
齢変化に伴い発症し易くなる生活習慣病や感染症などの
疾患の予防と改善を図ることができる。また、本発明の
コラーゲンにセラミドなどを添加した組成物は安全性に
優れるので、機能食品として日常的に摂取することがで
き、加齢変化に伴う生体恒常性の低下を未然に予防する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の熱傷創傷面に
おける生菌数の推移及び感染抵抗性増強作用を示すグラ
フである。 ●印実験系の危険率(7日目:5%以下、14日目:1
%以下、21日、28日:0.1%以下の有意差あり) △印実験系の危険率(14日、21日目:5%以下、2
8日目1%以下の有意差あり) ▲印実験系の危険率(14日、21日目:1%以下、2
8日目:0.1%以下の有意差あり) ◆印実験系の危険率(7〜28日目:有意差なし)
【図2】創傷皮下組織の切片像を示す。 1:非摂取対照群 2:CPH単独摂取群 3:CPH+SGL摂取群 4:CPH+SGL+IMO+FSMV摂取群
【図3】ヒト由来正常皮膚上皮細胞及び皮膚繊維芽細胞
の増殖促進作用を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/164 A61K 31/355 31/355 31/593 31/593 31/702 31/702 A61P 3/02 102 38/00 37/04 A61P 3/02 102 43/00 107 37/04 A23L 2/38 D 43/00 107 A61K 37/12 // A23L 2/52 37/18 2/38 A23L 2/00 F Fターム(参考) 4B017 LC03 LK11 LK15 LK16 LL09 4B018 MD20 MD22 MD23 MD27 MD31 ME07 4C084 AA02 BA01 BA08 BA22 CA25 MA02 MA52 NA05 NA06 ZA892 ZB092 ZB222 ZC232 ZC751 4C086 AA01 AA02 EA01 MA03 MA04 NA05 NA06 ZB09 ZB22 ZC23 ZC78 4C206 AA01 AA02 CA08 GA03 GA25 MA03 MA04 MA72 NA05 NA06 ZB09 ZB22 ZC23 ZC75

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コラーゲン及び/又はコラーゲンの加水分
    解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミ
    ンから選ばれる1種又は2種以上を添加してなる組成物
    を有効成分とする新陳代謝促進剤。
  2. 【請求項2】コラーゲン及び/又はコラーゲンの加水分
    解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミ
    ンから選ばれる1種又は2種以上を添加してなる組成物
    を有効成分とする免疫強化剤。
  3. 【請求項3】コラーゲン及び/又はコラーゲンの加水分
    解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミ
    ンから選ばれる1種又は2種以上を添加してなる組成物
    を有効成分とする生体諸機能低下予防改善剤。
  4. 【請求項4】コラーゲン及び/又はコラーゲンの加水分
    解物にセラミド、イソマルトオリゴ糖及び脂溶性ビタミ
    ンから選ばれる1種又は2種以上を添加してなる組成物
    を含有する機能食品。
JP2000273222A 2000-09-08 2000-09-08 コラーゲンを主成分とする創傷の皮膚繊維芽細胞遊走・増殖促進剤及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に作用する抗菌剤 Expired - Fee Related JP3962538B2 (ja)

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