JP3523220B2 - 皮膚塗布剤 - Google Patents

皮膚塗布剤

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JP3523220B2
JP3523220B2 JP2001143895A JP2001143895A JP3523220B2 JP 3523220 B2 JP3523220 B2 JP 3523220B2 JP 2001143895 A JP2001143895 A JP 2001143895A JP 2001143895 A JP2001143895 A JP 2001143895A JP 3523220 B2 JP3523220 B2 JP 3523220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−1,3−1,
6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェノール
を含有する組成物からなる皮膚塗布剤に関する。
【0002】
【従来の技術】β−1,3−1,6−グルカンは、β−
1,3グルコース結合及びβ−1,6グルコース結合に
よって多数のグルコースが相互に結合してなる多糖類で
ある。以下のような多様な効能を有する物質であること
が知られており、人体の健康の保持、増進に役立つ物質
である。 (1)免疫増強作用:リンパ球の働きを強化し免疫機能を
向上させる。 (2)抗腫瘍活性:ガン細胞がすでに発生し、発病してし
まった後にそのガン細胞を攻撃する。 (3)ガン細胞増殖抑制作用:ガン細胞が発生した後、そ
の増殖を抑え込む。 (4)抗アレルギー作用:アトピー性皮膚炎等のI型アレ
ルギーを抑制する。 (5)抗炎症作用:免疫系の改善による防御機能を増進す
る。 (6)コレステロール低下作用:血中のコレステロールを
低下させる。 (7)食物繊維効果:発ガン物質等を吸着して体外に排出
する。 (8)抗血栓作用:血管内部が狭くなったり詰まったりす
ることを阻止する。 (9)血圧降下作用:心臓から送り出された血液が動脈壁
に加える圧力によって異常をきたした時に正常な状態に
戻す。 (10)血糖降下作用:血液中の過剰なブドウ糖を下げる。 (11)肝機能亢進:肝機能に対する解毒能力を向上させ
る。
【0003】β−1,3−1,6−グルカンは、例えば
カワラタケ、シイタケやスエヒロタケ等のキノコ類に含
まれており、これらを食することで摂取することも可能
であるし、これらから抽出したものを摂取することも可
能である。しかしながら、そのまま食するのではβ−
1,3−1,6−グルカンの体内への吸収が不十分であ
るし、保存も容易ではない。またこれらのキノコ類か
ら、β−1,3−1,6−グルカンを抽出することもで
きるが、大量のキノコからの長時間の煮出し作業が必要
であり、煮出した後も冷蔵庫等に保管する必要がある。
【0004】特開昭57−149301号公報には、不
完全菌黒色菌科アウレオバシジウム(Aureobacidium)属
の微生物が、グルコースがβ−1,3グルコース結合し
た主鎖から非還元性末端がβ−1,6グルコース結合で
分岐した構造を有し、リン酸基がグルコースに結合して
いる高分子多糖を産生する旨が記載されている。ここで
用いられている微生物は微工研寄託番号4257号(F
ERM−P.4257)の菌である。
【0005】また、特開平6−340701号公報に
は、オウレオバシディウム プルランス(Aureobacidium
pullulans)IFO4466菌株の培養によって、β−
1,3結合グルコース残基を主鎖として、これにβ−
1,6結合グルコース残基の分岐鎖を多数側鎖として有
するβ−グルカンが製造される旨が記載されている。
【0006】他にも、アウレオバシジウム属の微生物が
β−1,3−1,6−グルカンを産生することは、Acta
Chemical Scandinavia 17, 1351-1356(1963)、 Agri
c. Biol. Chem. 47(6),1167-1172(1983)、 Chem. Phar
m. Bull., 40, 2215(1992)等に記載されている通りであ
る。
【0007】このように、特定の微生物を培養すること
によって、効率的にβ−1,3−1,6−グルカンを得
る方法が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、β−
1,3−1,6−グルカンを含有する組成物を健康飲料
あるいは皮膚塗布剤など、一般消費者が直接使用する用
途に用いる場合、保存中に雑菌の繁殖によって腐敗しや
すいという問題があった。一般家庭においては、特別に
落下菌対策などは施されないので、いったん殺菌した組
成物であっても、使用中に菌が付着することが多い。特
に、アウレオバシジウムの培養液を含有する組成物を直
接飲用あるいは塗布するような場合には、そもそも微生
物の繁殖しやすい組成の液であることから、長期間にわ
たって腐敗を防止することは困難であった。だからとい
って、化学合成された制菌剤を使用したのでは、健康飲
料や皮膚塗布剤として使用するには、天然志向の消費者
の抵抗が大きい。
【0009】また、β−1,3−1,6−グルカンは酸
化を受けやすく、長期保存するためには酸化劣化も防止
する必要があった。しかしながら、化学合成された酸化
防止剤を使用したのでは、やはり天然志向の消費者の抵
抗が大きい。
【0010】本発明は、これらの課題を解決し、更に体
内での抗酸化性や抗アレルギー作用をも増強することの
可能な皮膚塗布剤を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題は、β−1,3
−1,6−グルカン及びリンゴから抽出されたポリフェ
ノールを含有する組成物からなる皮膚塗布剤を提供する
ことによって達成される。天然物であるリンゴ抽出物
が、β−1,3−1,6−グルカン含有組成物の腐敗や
酸化を防止し、更に体内での抗酸化性や抗アレルギー作
用を増強するものである。このとき、β−1,3−1,
6−グルカンがアウレオバシジウムを培養して得られた
ものである場合に、リンゴ抽出物配合の効果が顕著であ
る。また、リンゴ抽出物としては、リンゴの未熟果から
抽出されたものが好適である。当該組成物は医用組成物
あるいは薬用組成物として人体に対して適用される用途
に好適に使用される。
【0012】本発明の皮膚塗布剤は、皮膚に塗布するこ
とで、アトピー性皮膚炎の痒み止め効果等が得られる。
このとき、更に馬油を配合してなる皮膚塗布剤が好適で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の組成物はβ−1,3−
1,6−グルカンを含有する。ここで、β−1,3−
1,6−グルカンとは、β−1,3グルコース結合及び
β−1,6グルコース結合によって多数のグルコースが
相互に結合してなる多糖類である。グルコースがβ−
1,3結合した主鎖からβ−1,6結合でグルコースが
分岐した構造を有するもの(β−1,6−分枝−β−
1,3−グルカン)が好適である。かかる分岐構造を有
することで生理活性が増大する。
【0014】本発明のβ−1,3−1,6−グルカンは
グルコースを主成分とするが、それ以外の構成糖を少量
含んでいてもよい。全構成糖中のグルコースの割合は通
常90%以上であることが好ましい。また、本発明のβ−
1,3−1,6−グルカンは他の官能基を有していても
良い。特に、他の官能基として酸基を有することで生理
活性が増強される。含有する酸基としてはリン酸基が好
ましく、この場合のリン酸基の含有量はグルコース単位
に対して1モル%以上であることが好ましい。
【0015】本発明のβ−1,3−1,6−グルカンの
分子量は特に限定されず、通常100個以上のグルコース
の繰り返し構造を有する。好適には、浸透圧法による分
子量測定(Zimm-Myerson型浸透圧計を用い、セロファン
半透膜を用いて測定)での数平均分子量が50000〜500000
程度である。
【0016】本発明の組成物中のβ−1,3−1,6−
グルカンの含有量は、その使用目的によって適宜調整さ
れ、通常0.001〜5重量%の含有量が例示される。ただ
し製造コストと有効性のバランスを考慮すると、0.01〜
0.5重量%であることが好ましく、0.02〜0.3重量%であ
ることがより好ましい。
【0017】本発明に使用されるβ−1,3−1,6−
グルカンとしては、アウレオバシジウム(Aureobacidiu
m)属の微生物を培養して得られるものが好適である。使
用可能なアウレオバシジウム属の微生物は特に限定され
ないが、微工研寄託番号4257号(FERM−P.4
257)の菌や、IFO4466菌等が例示される。中
でも微工研寄託番号4257号(FERM−P.425
7)の菌が、生理活性の面から好適である。
【0018】培養液から抽出・精製したβ−1,3−
1,6−グルカンを使用することもできるが、培養液を
そのまま組成物に配合して用いるほうが、不必要に加工
処理を施さないものを求める自然派志向の消費者の要求
に合致する。また、精製に要するコストを節約できる点
からも好ましい。このときの組成物中の当該培養液の含
有量は10〜99.999重量%であることが好ましい。
【0019】また、本発明の組成物はリンゴ抽出物を含
有する。リンゴには、酸化防止効果、制菌効果、抗アレ
ルギー効果など様々な効果を奏する各種のポリフェノー
ルが含まれており、組成物の腐敗や酸化を防止し、更に
体内での抗酸化性や抗アレルギー作用を増強するもので
ある。
【0020】β−1,3−1,6−グルカンのみを含有
してリンゴ抽出物を含有しない組成物の場合には、一般
家庭においては、長期間にわたって腐敗を防止すること
は困難であった。これがリンゴ抽出物を更に含有するこ
とで大きく改善される。このことは、後述の参考例にお
いて、添加によってブドウ状球菌や大腸菌の増殖が抑え
られていることからも裏付けられているとおりである。
【0021】ポリフェノールを含有する食品としては茶
が良く知られているが、茶抽出物に比べて、リンゴ抽出
物のほうが水に対する溶解性が10倍以上も高いため、高
濃度に配合しても安定な水溶液を得ることができて好ま
しい。また、苦味が強い茶抽出物に比べて、リンゴ抽出
物のほうが呈味性に与える影響が小さく、飲食する用途
に向いている。また、茶抽出物は濃い茶色であり、製品
の色調が茶色となってしまうため、飲食あるいは塗布等
をする用途に用いる際に消費者が敬遠するおそれもあ
る。
【0022】使用するリンゴ抽出物が、リンゴの未熟果
から抽出されたものであることがより好ましい。ここ
で、未熟果とは1個あたりの重量が5〜20g程度の時期
に摘果されたもので、ポリフェノールが最も含有されて
いる時期に摘果されたものである。リンゴの未熟果に
は、成熟果の約10倍のポリフェノールが含まれている。
含まれているポリフェノールは、リンゴ縮合型タンニ
ン、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、クロロゲン
酸、ジヒドロカルコン類、ケルセチン配糖体、p−クマ
ル酸エステル等である。リンゴの未熟果の抽出物は、例
えばニッカウヰスキー株式会社から「アップルフェノン
(登録商標)」として入手可能である。
【0023】リンゴ抽出物の配合量は、その使用目的に
よって適宜調整され、通常水分を除いた状態で0.001〜
5重量%の含有量が例示される。ただし製造コストと有
効性のバランスを考慮すると、組成物重量に対して0.01
〜1重量%であることが好ましく、より好適には0.02〜
0.5重量%である。5重量%を超えると、飲料として用
いる際には苦味が激しくなるし、加熱殺菌を施す際に着
色しやすい。一方、0.001重量%未満の場合には、配合
の効果が十分でない場合が多い。
【0024】本発明の組成物は、上記β−1,3−1,
6−グルカンとリンゴ抽出物を必須成分とするものであ
り、通常水溶液あるいは含水ペーストとして用いられる
ものである。これに必要に応じて更に他の成分を配合し
ても良い。
【0025】配合される成分は特に限定されるものでは
ない。ビタミン、ミネラル、葉緑素及び蛋白などの主要
栄養素をバランスよく補完する目的で植物起源栄養物で
ある冬虫夏草、熊笹エキス、抹茶又は昆布等;神経伝達
物質増殖を補完する目的でビタミンB1またはビタミン
B6等;造血調節を補完する目的でグルコース、クロレ
ラ、スッポン原末、ビタミンB12又は葉酸等;抗ウイ
ルス機能を補完する目的でアルギン酸、カテキン、甘草
エキス、グリチルリチン、クロレラ、タンニン、ビタミ
ンC又はプロポリス等;過酸化脂質抑制機能を補完する
目的でイチョウ葉エキス、γ−オリザノール、カテキ
ン、セサミノール、大豆サポニン、タンニン、ビタミン
E、ビタミンB2又はビタミンC等;ビフィズス活性を
補完する目的でイソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ
糖、キシルシュクロース、キシロオリゴ糖、キトサン、
グリコマクロペプチド、小麦ファイバー、コーンファイ
バー、ダイズオリゴ糖、ヘミセルロース又は大豆ペプチ
ド等;カルシウム吸収促進を補完する目的でイノシトー
ル、カゼインホスペプチド又はビタミンD等;鉄の吸収
促進を補完する目的でスッポン原末、ビタミンC又はヘ
ム鉄等;消化器吸収調節を補完する目的でオピオイドペ
プチド、ギムネマ、小麦ファイバー、コーンファイバ
ー、タンニン、マルトオリゴ糖又はヘミセルロース等を
加えてもよい。
【0026】他にも、アロエ抽出液、アロエベラ抽出
液、バラ抽出液、アマチャ抽出液、エンメイソウ、エイ
ジツ、オウゴン、オウバク、オトギリソウ、海草、よも
ぎ、甘草、キキョウ、熊笹、黒砂糖、ゲンノショウコ
ウ、ごぼう、クロレラ、しいたけ、シコン、しそ、シャ
クヤク、ジュウヤク、菖蒲、センキョウ、センブリ、ソ
ウハクヒ、チンピ、人参、トウキ、びわ、ブクリュウ、
桃、ユキノシタ、柚子、レイシ、ローヤルゼリー、オレ
ンジ、カミツレ、白樺、パセリ、ふき、たんぽぽ、桑、
ウイキョウ、にんにく、レモン、杜仲茶等各抽出液、各
ビタミン群、イチョウ葉エキス、キトサン、ヘム鉄、ビ
タミンD、ブルーベリーエキス、ムコ多糖蛋白質、核酸
エキス、コラーゲン、コンニャク等を加えても良い。
【0027】本発明の組成物の使用方法は特に限定され
るものではないが、好適な用途として、飲食品の用途及
び外用剤の用途が挙げられる。
【0028】以下、まず、飲食品、特に飲料として用い
る場合について説明する。本発明の組成物を飲用するこ
とで、腫瘍抑制効果、I型アレルギー反応抑制の効果が
得られ、しかも保存性も向上しているので、健康飲料と
して好適である。
【0029】本発明の飲料は、β−1,3−1,6−グ
ルカン及びリンゴ抽出物を含有するものである。このと
き、β−1,3−1,6−グルカンを含有するだけでリ
ンゴ抽出物を含有しない場合には、保存性が十分でな
く、雑菌が繁殖して腐敗したり、変色したりしやすい。
しかも、飲用した場合に、アレルギー性の発疹が出た
り、嘔吐を催したりする等の副作用の発生割合が多い。
更に、飲用の効果が発現するまでの期間も長い傾向があ
る。
【0030】本発明のβ−1,3−1,6−グルカン及
びリンゴ抽出物を含有する組成物を飲料として使用する
際には、本発明の組成物に、更にビタミンCを配合する
ことが好適である。
【0031】ビタミンCは、L−アスコルビン酸ともい
われる水溶性ビタミンであるが、体内で合成することが
できず、毎日食品等から摂取する必要のあるものであ
る。抗酸化作用、抗ウイルス作用、解毒作用、抗癌作用
があるといわれているが、本発明では、β−1,3−
1,6−グルカンの腫瘍抑制作用を増強できる点や、リ
ンゴ抽出物の抗酸化作用を増強できる点から、特に配合
することが好ましいものである。ビタミンCは保存中に
酸化されやすいが、アップルフェノンを併用することで
ビタミンCの配合効果を持続させることが可能である。
ビタミンCの配合量は、好適には0.01〜5重量%であ
り、より好適には0.02〜2重量%である。
【0032】また、本発明の組成物を飲料として使用す
る際には、pHを3〜5に調整してなることが好適であ
る。より好適にはpH3.5〜4.8である。通常、アウレオ
バシジウム培養液のpHは5.2程度であるが、このまま
では保存性が劣る場合がある。若干酸性側にpHを調整
することで、保存性が改善される。また、そうすること
で適度な酸味を呈することができ、嗜好性の面からも飲
用に適したものとなる。このとき、前述のビタミンCの
添加によってpHを調整することが、ビタミンCの添加
効果も併せて得られることから特に好ましい。また、本
発明の飲料には、その他、甘味料、香料等を配合するこ
とも可能である。
【0033】本発明の飲料を健康飲料として使用する際
の摂取量は、健康状態や疾病の症状等によって適宜調整
されるべきものであるが、β−1,3−1,6−グルカ
ンを0.18重量%含有する飲料を飲用する場合、体重の3
/10000〜8/10000の重量を飲用するのが標準である。
すなわち60kgの体重の者で1日18〜42ml程度を飲用
するのが標準である。
【0034】本発明の飲料は、人間本来の持つ免疫力を
回復させ、調整する効果を有することから、多様な症状
に対してその症状を改善する効果を有することが期待さ
れる。そのような効果を列記すると以下のとおりであ
り、多岐に亘る効果が期待できる。 (1)アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息等の各種アレルギ
ー症状の低減効果。 (2)膠原病、リウマチ、HIV等の免疫異常疾患に対す
る改善効果。 (3)胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がん等各
種のがんに対する抑制効果。 (4)心筋梗塞、脳梗塞等の血管障害疾患に対する改善効
果。 (5)B型肝炎、C型肝炎等のウイルス性疾患に対する改
善効果。 (6)糖尿病、排尿障害等の泌尿器系疾患に対する改善効
果。 (7)便秘、下痢、口内炎、痔、食欲不振、二日酔い等の
消化器系疾患の改善効果。
【0035】次に、外用剤、特に皮膚塗布剤として用い
る場合について説明する。本発明のβ−1,3−1,6
−グルカン及びリンゴ抽出物を含有する組成物は、アト
ピー性皮膚炎、人工透析掻痒症、老人性掻痒症、乾皮症
等に対する痒み止め作用を有し、これらの症状を有する
者向けの皮膚塗布剤として有用である。
【0036】アトピー性皮膚炎は、近年、乳幼児から大
人まで広く罹患するようになり、大きな問題となってい
る。特に、激しい痒みに苦痛の日々を送っている患者が
多く、痒みを止める方法が切望されている状況にある。
アトピー性皮膚炎は、食生活、住宅、化学薬品、衣類、
ストレス等、その原因が多岐に渡っているため、専門家
もその原因を突き止め、決定的な解決策を施すのが容易
ではなく、止むを得ず、対症療法を行うのみとならざる
を得ないことが多い。
【0037】本発明者は、皮膚医学の観点から、誰でも
容易に皮膚に塗布することができ、しかもかぶれによる
痒みを発生しない皮膚塗布剤を得るべく、鋭意検討し
た。その結果、本発明のβ−1,3−1,6−グルカン
及びリンゴ抽出物を含有する組成物が、上記目的を達成
できることを見出したものである。すなわち本発明の組
成物からなる皮膚塗布剤を塗布することによって、患部
の皮膚に、一種の保護膜を形成し、その保護状態を長く
持続させることで、患部への雑菌の侵入や繁殖を防ぎ、
本来の再生力を促し、結果として痒みが軽減されるもの
である。
【0038】β−1,3−1,6−グルカンに加えて、
リンゴ抽出物を含有することで、前述のように保存時の
腐敗を防止することができ、長期保存が容易である。ま
た、リンゴ抽出物を含有せず、β−1,3−1,6−グ
ルカンのみを含有する場合には痒みの収まり具合が不十
分であった。
【0039】本発明の皮膚塗布剤は、更に馬油を含有す
ることが好ましい。馬油は、皮膚炎、火傷、切り傷、擦
り傷等の治療に有効であることが古くから知られてい
る。馬油は、馬の皮下脂肪から抽出・精製した成分であ
り、保湿効果、油分調整効果が得られ、痒み止めの効果
を増強することができる。また有効成分の吸収性を向上
させることもできる。好適な配合量は2〜20重量%であ
り、より好適には3〜15重量%である。20重量%を超え
ると使用後にベタツキを生じることがあり、2重量%未
満の場合には、配合の効果が不十分である。
【0040】本発明の皮膚塗布剤に配合される馬油は、
通常、除蛋白、除血、脱臭及び脱色されたものである。
なかでも、融点が室温以下、特に10℃以下であって、室
温において液状であるものが、皮膚への馬油の浸透性を
向上させることができて好適である。融点が10℃を超え
る場合には、保護剤が皮膚上で溶解するまでに時間を要
したり、皮膚に対する伸び等の使用感が低下したりする
場合がある。融点を調整する方法としては、水素添加す
る方法や蜜蝋等の高融点蝋分を配合する方法が挙げられ
る。
【0041】本発明の皮膚塗布剤が馬油を含有し、それ
を乳剤とする場合には、更に界面活性剤を含有すること
が好ましい。水分と、馬油由来の油分とが安定な乳化状
態を保持できるからである。界面活性剤の好適な含有量
は0.2〜15重量%である。
【0042】上記界面活性剤としては、ノニオン系界面
活性剤が好適であり、特にHLB8以上のノニオン系界
面活性剤と、HLB8未満のノニオン系界面活性剤の両
者を配合して用いることが好ましい。それらの好適な含
有割合は、前者が0.1〜10重量%、後者が0.1〜10重量%
である。
【0043】HLB8以上のノニオン系界面活性剤とH
LB8未満のノニオン系界面活性剤の両者が使用される
のはO/W型乳化とW/O型乳化のバランスをとるため
である。ノニオン系界面活性剤としては、多価アルコー
ルエステル、エチレン(プロピレン)オキシドブロック共
重合体などが挙げられる。HLB8以上のノニオン系界
面活性剤としてはモノステアリン酸ポリエチレングリコ
ールを例示することができ、一方HLB8未満のノニオ
ン系界面活性剤としてはモノステアリン酸グリセリルを
例示することができるが、両ノニオン系界面活性剤の少
なくとも一方は自己乳化型のものであることが好まし
い。なぜならば、両ノニオン系界面活性剤が共に自己乳
化型以外のものであると温度安定性が低下し、均質な皮
膚用保護剤の調製が困難となり、分離を生じる場合が多
いからである。
【0044】また、本発明の皮膚塗布剤は、水溶性ポリ
マーを含有することが好ましい。水溶性ポリマーはゲル
を形成するために配合されるものであり、多糖類系(グ
アーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ペクチン、
カラギーナン等)、セルロース系(メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、澱
粉系(可溶性澱粉等)、アルギン系(アルギン酸ナトリウ
ム等) 又は合成高分子系(ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等)
のものが例示される。この水溶性ポリマーは通常溶液の
形で配合されるが、皮膚用保護剤中においてポリマー自
体として占める量は0.1〜5重量%が例示され、0.2〜2
重量%が好適である。
【0045】本発明の皮膚塗布剤は、茶抽出物を含有す
ることが好ましい。茶抽出物を配合することで、抗アレ
ルギー作用、抗菌作用、活性酸素抑制作用等の作用を増
強することができる。茶抽出物中の主要成分としては緑
茶カテキン類が挙げられる。緑茶カテキンとしては、
(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテ
キン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガ
レート、(−)−エピガロカテキンガレートが例示され
る。茶抽出物の含有量は、好適には0.01〜1重量%であ
り、より好適には0.02〜0.5重量%である。
【0046】また、本発明の皮膚塗布剤は、甘草抽出物
を含有することが好ましい。甘草抽出物を配合すること
で、消炎効果が得られる。甘草抽出物の主要成分として
は、グリチルリチンが挙げられるが、これを加水分解し
て得られるグリチルリチン酸やその塩を用いることもで
きる。例えば、グリチルリチン酸ジカリウム等を使用す
ることもできる。甘草抽出物の含有量は、好適には0.01
〜1重量%であり、より好適には0.02〜0.5重量%であ
る。
【0047】更に、本発明の皮膚塗布剤が、アラントイ
ンを含有することも好ましい。アラントインを含有する
ことで、皮膚刺激の軽減や、アレルギー反応の軽減が可
能であり、皮膚の荒れや傷を治癒させる効果も有する。
アラントインの含有量は、好適には0.01〜1重量%であ
り、より好適には0.02〜0.5重量%である。
【0048】本発明の皮膚塗布剤が皮膚収斂性を有する
植物性エキスを含有していてもよい。植物エキスとして
はバラエキス、アロエエキス、アルニカエキス、セイヨ
ウキズタエキス、スギナエキス、オトギリソウエキス、
セージエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アルテア
エキス、カモミラエキス、トウキンセンカエキス等を例
示することができる。バラエキスを配合することが特に
好適であり、バラの花びらから抽出された水溶液を配合
することができる。
【0049】本発明の皮膚塗布剤のpHは5〜8である
ことが、敏感肌に対する皮膚刺激が少なくて好ましい。
より好適なpHは5.5〜7.5である。pHの調整は酸又は
アルカリを添加することによって行われるが、通常、ア
ウレオバシジウム培養液のpHは5.2程度であることか
ら、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリで
pHをアルカリ性側に調整することが多い。
【0050】
【実施例】以下、実施例によって本発明の組成物を具体
的に説明する。まず、本発明の組成物を健康飲料に用い
る例を説明する。
【0051】[参考例] 特開昭57−149301号公報に記載された方法に準
じて、不完全菌黒色菌科アウレオバシジウム(Aureobaci
dium)属の微生物[微工研寄託番号4257号(FERM
−P.4257)]を培養した。グルコースがβ−1,
3グルコース結合した主鎖から非還元性末端がβ−1,
6グルコース結合で分岐した構造を有し、リン酸基がグ
ルコースに結合している高分子多糖を0.18重量%含有す
る培養液を得た。本培養液のpHは5.2であった。
【0052】本培養液500kgに対して、リンゴ未熟果
の抽出物であるニッカウヰスキー株式会社製「アップル
フェノン(登録商標)」を500g、及びビタミンCを750g
配合し、練合釜で30分間攪拌した。得られた液体を充填
用タンクに移した後、容量500mlガラス製壜に注入
し、栓をしてから、30分間85℃でスチーム殺菌して健康
飲料を得た。本健康飲料中のβ−1,3−1,6−グル
カン、リンゴ抽出物及びビタミンCの含有量はそれぞれ
0.18重量%、0.1重量%及び0.15重量%であり、液のp
Hは4.2であった。
【0053】[腫瘍抑制試験1(マウスへの投与)] ・試料の調整法 上記参考例の健康飲料を超音波破砕機(Ultrasonic Disr
uptor UR-200P)を用い、sonication処理(200W/20min.)
後、超遠心操作(35000rpm/30min.)により上清を得、
これをHEPES Good buffer(ph7.4, μ0.15)にて10倍希釈
したものを被験材料とした。また、比較試料としてアガ
リクス茸の子実体を乾燥した粉末を10%(w/v)濃度とな
るようHEPES Good buffer(ph7.4, μ0.15)に懸濁し、更
に超音波破砕機(Ultrasonic Disruptor UR-200P)を用
い、sonication処理(200W/10min.)後、2時間熱水抽出
操作を行った。その後、超遠心操作(35000rpm/30mi
n.)により上清を得、これを出発材料重量より換算して
1%(w/v)濃度になるようにHEPES Good buffer(ph7.4,
μ0.15)にて希釈して被験材料とした。
【0054】・試験方法 (1)実験動物: BALB/cマウス(雌、6週齢)を1群5匹の系で使用し
た。 (2)Sarcoma180固形癌のマウスへの移植: Sarcoma(肉腫)180細胞株を37C/5%CO2インキュベータ
中、10%FCS/RPMI-1640培養液にて継代培養した。対数
増殖期(Full seat)にある同細胞をTrypsin-EDTAにより
培養フラスクより剥離した後、RPMI‐1640培養液で洗浄
し、細胞数を5,000,000cells/mLとなるように調整した
ものを使用した。この0.1mlをそれぞれの被験マウス背
部皮下に移植した。操作はすべて無菌的に行なった。 (3)抽出成分の投与方法 マウスにSarcoma180固形癌細胞を移植した24時間後よ
り、0.22μmフィルターにて無菌ろ過した前記被験材料
を、1日1回(0.1ml)ずつ、それぞれ14日間、腹腔内(ip)
投与した。
【0055】・試験結果 腫瘍細胞移植3週間後にマウスを屠殺し、移植後生着腫
瘍重量(g)を測定し、対照群(control)と比較して腫瘍抑
制率(%)を算出した結果を表1に示す。ここでの対象群
は、前記被験材料の代わりにNa-Phosphate Buffered Sa
line(PBS)を投与したものである。
【0056】
【表1】
【0057】結果から明らかなように、本発明に係る健
康食品を投与した場合、比較対照群と比べて、明らかに
腫瘍抑制率が高いことがわかる。また、本発明に係る健
康飲料を用いた場合、従来から抗腫瘍効果が認められて
いるアガリクス茸と比べて、少量(金額ベースになおす
と1/30程度の量)で同程度の腫瘍抑制効果が得られる
ことが判明した。
【0058】[腫瘍抑制試験2(血液腫瘍細胞増殖抑
制)] ・細胞の調製 下記(1)〜(6)の各細胞株を37C/5%CO2インキュベー
タ中で、10%FCSを含むRPMI1640培養液環境下、25cm2
養フラスク内で浮遊増殖培養を行った。各細胞とも対数
増殖期にある時点でRPMI1640培養液環境下に洗浄置換し
て、細胞数が400,000-800,000cells/mLとなるように調
整した。
【0059】(1)CCRF-CEM細胞: Acute lymphoblastic leukemia - T lymphocyte(Human
- lympoblast) (急性リンパ性白血病) (2)K562細胞: Chronic myelogenous leukemia - bone marrow(Human -
lymphoblast) (慢性骨髄炎) (3)MOLT-4CL#8細胞: Acute lymphoblastic leukemia - T lymphoblast(Human
- lymphoblast) (急性リンパ性白血病) (4)U937細胞: Histiocytic lymphoma - macrophage, histiocyte(Huma
n - monocyte) (組織リンパ腫) (5)Raji細胞: Burkitt lymphoma - EBV infected B lymphocyte(Human
- lymphoblast) (バーキットリンパ腫) (6)YAC-1細胞: Natural killer cell - sensitive lymphoma(Mouse - l
ymphoblast) (NK細胞)
【0060】・腫瘍細胞と被験材料との反応 前記マウスによる抗腫瘍実験で用いた上記参考例の健康
飲料から得られた被験材料を出発材料として、10倍希釈
溶液(原液の1%溶液)、20倍、100倍希釈溶液となるよう
にNa-Phosphate Buffered Saline(PBS)で希釈したもの
を作成し、これを0.22μmフィルターにて無菌ろ過し、
被験材料とした。更に、上記(1)〜(6)の調製培養細胞
浮遊液をそれぞれ96well cell culture plate中に100μ
リットルずつ分注し、この中に被験材料を等量添加し、
よく混和した後、再び37C/5%CO2インキュベータ中で3
6時間反応培養を行った。次に、これらの各培養細胞を
0.5%Trypan blueにて染色し、反応後の生細胞の数を計
測し、Control(PBS)と比較することで各腫瘍細胞に対す
る抗腫瘍(増殖抑制)活性として算出した。
【0061】・試験結果 各腫瘍細胞に対して、各濃度の被験材料ごとの生細胞数
及び生細胞比を、対照(Control)と比較した結果を表2
に示す。結果から明らかなように、本発明に係る健康食
品は、血液腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果を有している。
【0062】
【表2】
【0063】[I型アレルギー反応抑制試験] ・被験飼料上記参考例 で得られた健康飲料の、ヒトの1日あたりの
摂取量(60kgの体重で40ml)に相当する量を、ヒトとマウ
ス(約20g)の体重比から算出した。この算出量の約25〜3
0倍の量が摂取濃度(経口投与実験設定濃度)となるよう
に、通常のマウス飼育用紛餌の中に均等に混合した後、
固形型打ち及び放射線滅菌して、被験飼料として用い
た。マウス飼料中の実質濃度は約5%である。対照(con
trol)群は通常のマウス滅菌固形飼料のみを摂取した。
【0064】・実験動物 アトピー性皮膚炎自然発症マウス(NC/Nga mouse, clea
n, CV;生後4週齢のものを日本SLC株式会社より入手)
を用い、雌雄それぞれ1群10匹の系で行い、上記の被験
飼料投与群及び対照群の、計4群にて行った。上記実験
動物はすべて入荷後1週間の予備飼育をした後、第5週
齢より第16種齢に至るまでの間を観察期間とした。
【0065】・試験方法 飼育条件は24±1℃、相対湿度55±5%、明暗各12時間
(照明時間:午前7時〜午後7時)ヘパフィルターにより
除菌された新鮮空気による換気回数を1時間当たり12回
以上に設定されたバリアシステム動物飼育室(マウス、
ラット室)で飼育した。飼育には滅菌床敷を入れた滅菌
済みのプラスチック製ケージを用いて、4〜6匹飼いで
飼育した。ケージの交換は週1回とし、飼料は固形飼料
(オリエンタル酵母社製、CFR-1)を給餌器に入れ、飲料
水は水道水を滅菌給水瓶に入れてそれぞれ自由に摂取さ
せ飼育した。
【0066】血中IgE量の測定については、飼料摂取の
1週後(6週齢)、4週後(9週齢)、7週後(12週齢)及び
11週後(16週齢)の4回にわたり、マウス眼底静脈層より
採血を行い、得られた血清中のIgE総量の経時的変化を
マウスIgEに対する特異抗体を用いたサンドウィッチエ
ライサ法(酵素抗体法)により算出した。また、投与11週
後(16週齢)における肉眼的皮膚所見について比較観察し
た。
【0067】・試験結果 雄及び雌のマウスの、血中IgE濃度の加齢による変動に
ついて表3に示す。血中IgE濃度の総量は、固体の発育
とともに上昇傾向が認められたが、上記被験飼料摂取群
においては、対照群とを比較して優位に血中IgE産生の
抑制が認められる結果が得られた。特に、投与11週後(1
6週齢)における血中IgE値では、雌雄の両群において統
計学的にt検定を行ったところ、危険率p<0.05上での
有意な差異が認められた。
【0068】
【表3】
【0069】また、16週齢(通常のアレルギー自然発生
週齢)における肉眼的皮膚所見においては、対照群に皮
膚症状が外観上現れているのに対し、上記被験飼料投与
群は外観的に正常であり、対照群と比較し、被験飼料摂
取群において明らかに皮膚アレルギー症状の抑制傾向が
認められた。
【0070】この結果より、本発明の健康飲料はマウス
におけるI型アレルギー反応の発症抑制に有効であるこ
とが明らかにされ、同等成分のヒト摂取におけるアレル
ギー反応発症抑制にも有用であることが示唆された。本
結果は飲用した結果であるが、後述するような皮膚塗布
剤の用途においても、アレルギー反応発症抑制に有用で
あろうことも示唆される。
【0071】[抗菌力試験] ・検体 検体1;上記参考例 と同様に培養されたアウレオバシジウム培養
液にニッカウヰスキー株式会社製「アップルフェノン
(登録商標)」を0.1重量%配合したもの 検体2;上記参考例 と同様に培養されたアウレオバシジウム培養
液のみ
【0072】・試験菌 試験菌1; Staphylococcus aureus IFO 12732 試験菌2; Klebsiella pneumoniae IFO 13277
【0073】・試験方法 検体1及び2各10mlに、上記試験菌1及び2の菌液をそ
れぞれ100,000個/ml程度になるように添加して35℃で保
存し、開始時、保存開始6時間後及び24時間後に試験液
中の生菌数を測定した。また、対照として菌液のみを同
様に保存して生菌数を測定した。
【0074】・試験結果 試験結果を表4にまとめて示す。表から明らかなよう
に、β−1,3−1,6−グルカンを含有する検体1、
2ともに抗菌力を示しており、いずれの試験菌に対して
も抗菌効果を有することがわかる。しかも、更にリンゴ
抽出物を含有する含有する検体1の方がより強い抗菌力
を有することが、6時間後の段階での生菌数から明確で
ある。
【0075】
【表4】
【0076】以上のように、β−1,3−1,6−グル
カン含有組成物の雑菌の繁殖による腐敗を防止するの
に、リンゴ抽出物の配合が有効であることが裏付けられ
たものである。この結果から、飲料用途,皮膚塗布剤の
いずれの用途においてもリンゴ抽出物の配合による腐敗
防止効果が推認される。
【0077】[実施例] 次に、本発明の組成物を皮膚塗布剤に用いる例を説明す
る。配合した原料の割合は以下の通りである。
【0078】精製水に、上記参考例と同じ培養液、グリ
チルリチン酸ジカリウム、アラントイン、パラオキシ安
息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル及びグリセリ
ンを加えて、80℃まで加熱して溶解させた。これを一旦
冷却してからカルボキシビニルポリマーを加え、更に水
酸化カリウムを加えて攪拌してゲル化させた。次にリン
ゴ未熟果抽出物及び緑茶抽出物をバラ抽出液に溶解した
ものを添加して混合した。最後に馬油を加えて良く攪拌
してから、容器に充填した。得られた皮膚塗布剤のpH
は7であった。
【0079】[塗布試験] アトピー性皮膚炎の患者10名の協力によって、本発明の
皮膚塗布剤の塗布試験を行った。患者は軽度及び中度の
アトピー性皮膚炎患者で、後述する掻痒スコアが2(軽
度)以上の者である。
【0080】1日、1回〜数回程度、上記実施例の皮膚
塗布剤の適量を直接患部に塗擦した。このとき入浴後又
は寝る前の塗擦は必須とした。投与期間は4週間とし、
2週間毎に臨床症状と有害事象の有無を確認して評価を
行った。ただし、10名中3名については4週間後の評価
を行わなかった。臨床症状については、各項目につき、
以下の判断基準で5段階でスコア評価した。
【0081】・掻痒 患者の自己申告によって以下の基準で判断した。 0;日中、痒みはない。夜間、痒みはない。 1;日中、我慢でき掻かなくてもよい。夜間、よく眠れ
るがわずかに痒い。 2;日中、たまに掻くが気にならない。夜間、多少痒い
が掻けばおさまる。 3;日中、イライラして絶えず掻く。夜間、目が覚めた
り眠りながら掻いたりする。 4;日中、いても立ってもいられない。夜間、痒くて眠
れない。
【0082】・潮紅 0;なし 1;軽微(わずかな赤みのみ) 2;軽度(わずかな赤みを帯び、軽度の浮腫がある) 3;中等度(はっきりした赤みを帯び、軽度の浮腫があ
る) 4;高度(鮮紅色ないし紫紅色を呈し、浮腫が目立つ)
【0083】・丘疹 0;なし 1;軽微(丘疹がわずかにある) 2;軽度(丘疹が少数見られる) 3;中等度(軽度と高度の間) 4;高度(丘疹が多数存在するか、集簇する)
【0084】・乾燥粗そう化(毛穴性角化) 0;なし 1;軽微(なしと軽度の間) 2;軽度(皮膚がわずかに粗そう化し、軽度の毛穴一致
性角化あり) 3;中等度(軽度と高度の間) 4;高度(皮膚が非常に粗そう化し、毛穴一致性角化が
目立つ)
【0085】・表皮剥離(擦過、掻破痕) 0;なし 1;軽微 2;軽度 3;中等度 4;高度
【0086】・鱗屑 0;なし 1;軽微(わずかな鱗屑が認められる) 2;軽度(皮膚がわずかにカサカサし、病的角質が皮膚
面からわずかに平らに盛り上がる) 3;中等度(皮膚全体がかなりカサカサした状態) 4;高度(皮膚全体がカサカサし、病的角質が皮膚面か
ら盛り上がり、はがれ落ちかけた状態)
【0087】試験結果を表5に示す。試験結果から明ら
かなように、掻痒、潮紅、丘疹、乾燥粗そう化、鱗屑の
項目で評価スコアの点数が下がり、表皮剥離では横ばい
であった。有害事象としては、1名(C)が皮膚の乾燥感
を訴えたにとどまった。これにより、本発明の皮膚塗布
剤がアトピー性皮膚炎の各種症状の改善に有効であるこ
とが認められた。
【0088】
【表5】
【0089】[保存試験]上記実施例 で得られた皮膚塗布剤を、密封した状態で40
℃の恒温槽(暗所)に保存し、1ヶ月ごとに内容物の外観
性状を観察した。その結果、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ
月後のいずれにおいても外観性状に大きな変化はなく、
分離も認められなかった。40℃での保存試験は、1ヶ月
が常温の約3ヶ月に相当する。上記実施例で得られた皮
膚塗布剤が十分な保存安定性を有していることが判明し
た。
【0090】
【発明の効果】β−1,3−1,6−グルカンを含有す
る組成物にリンゴ抽出物を配合することで、保存中の腐
敗、酸化を防止できるとともに、体内での抗酸化性や抗
アレルギー作用をも増強することができる。飲料あるい
は皮膚塗布剤に有用な組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/30 A61K 35/78 A23L 2/00 - 2/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−1,3−1,6−グルカン及びリン
    ゴから抽出されたポリフェノールを含有する組成物から
    なる皮膚塗布剤
  2. 【請求項2】 β−1,3−1,6−グルカンがアウレ
    オバシジウム属の微生物を培養して得られたものである
    請求項1記載の皮膚塗布剤
  3. 【請求項3】 リンゴから抽出されたポリフェノール
    が、リンゴの未熟果から抽出されたものである請求項1
    又は2に記載の皮膚塗布剤
  4. 【請求項4】 更に馬油を含有する請求項1〜3のいず
    れか記載の皮膚塗布剤。
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