JPWO2016185607A1 - プリント配線基板及びプリント配線基板の製造方法 - Google Patents

プリント配線基板及びプリント配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

半田を介して部品を実装するプリント配線基板(1)であって、基板材料層(5)及び前記基板材料層の表面上にパターニングされた導体層(6)を積層した積層構造を備える積層体(2)と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面を被覆する非導電性のコーティング層(3)と、を有し、前記コーティング層は、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように前記積層体の表面上に形成される下地部(11)、前記下地部上であって前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って形成される堰堤部(12)、及び前記下地部上に形成されて前記部品の所定情報を表すシンボル部(13)を備え、前記堰堤部及び前記シンボル部は、同一の絶縁材料から構成されていること。

Description

本発明は、コーティング層及びシンボルマークを備えるプリント配線基板及びその製造方法に関する。
半導体チップ、抵抗、及びコンデンサ等の電子部品を実装するものとしてプリント配線基板が使用されている。当該プリント配線基板の表面には、当該電子部品を実装するための導電性パッドや、当該電子部品と電気的な接続をなすための配線パターンが形成されている。また、当該導電性パッド及び配線パターンの腐食及び損傷を防ぎ、不要な部分に半田等の接合部材が付かないようにする観点から、プリント配線基板の表面であって導電性パッド及び配線パターンが形成されていない領域には、ソルダーレジストからなるコーティング層が形成されている。
プリント配線基板の表面にコーティング層を形成する方法としては、ソルダーレジストを全面に塗布した後に、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする方法が従来から知られていた。また、他の方法として、当該導電性パッド及び配線パターン以外の領域に開口パターンが形成された印刷版及びスキージを使用するスクリーン印刷方式も知られていた。
また、プリント配線基板には、実装される電子部品の位置、大きさ、極性の方向などを示す長方形、丸形の図形及び矢印、並びに当該電子部品の番号及び型格の略号を示すシンボルマークが形成されている。当該シンボルマークは、非導電性のインキをソルダーレジストからなる絶縁膜上に印刷することによって形成される。このようなシンボルマークを形成することにより、プリント配線基板への部品実装及び修理を容易に行うことが可能になる。
シンボルマークの形成に関する先行技術として、例えば、特許文献1及び特許文献2に、シンボルマークを備えるプリント配線基板が開示されている。特に、特許文献1には、吸湿の有無を目視により確認することができる吸湿識別機能付のシンボルマークを備えるプリント配線基板が開示されている。また、特許文献2には、シンボルマークの形成回数を配線パターン等の形成よりも多くしたプリント配線基板が開示されている。
特開2007−305639号公報 特開2008−135680号公報
しかしながら、コーティング層の形成には、露光処理及び現像処理が一般的に行われるため、端子間のピッチが狭い部品に対応した導電性パッド及び配線パターンの間に塗布することが困難である。また、このような狭いピッチの導電性パッド及び配線パターンの間では、半田の絶対量が多くなるため、コーティング層の通常の層厚では導電性パッド及び配線パターンの間を十分に保護することができないことがある。一方で、導電性パッド及び配線パターンの間を十分に保護しようとして、コーティング層の層厚を大きくすると、当該コーティング層上にシンボルマークが形成する場合に、プリント配線基板の薄型化が困難になる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、導電性パッド及び配線パターンの間における優れた保護を図り、且つ薄型化を図ることができるプリント配線基板及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のプリント配線基板は、半田を介して部品を実装するプリント配線基板であって、基板材料層及び前記基板材料層の表面上にパターニングされた導体層を積層した積層構造を備える積層体と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面を被覆する非導電性のコーティング層と、を有し、前記コーティング層は、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように前記積層体の表面上に形成される下地部、前記下地部上であって前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って形成される堰堤部、及び前記下地部上に形成されて前記部品の所定情報を表すシンボル部を備え、前記堰堤部及び前記シンボル部は、同一の絶縁材料から構成されている。
また、上記目的を達成するため、本発明のプリント配線基板の製造方法は、半田を介して部品を実装するためのプリント配線基板の製造方法であって、基板材料層の表面上にパターニングされた導体層が積層された構造を備える積層体を準備する準備工程と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面上に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように下地部を形成する第1インクジェット描画工程と、インクジェット方式によって前記下地部の表面上に絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って堰堤部を形成するとともに、前記部品の所定情報を表すシンボル部を形成する第2インクジェット描画工程と、を有し、前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部に対する1度の描画処理によって同一の絶縁材料からなる前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する。
本発明により、導電性パッド及び配線パターンの間における優れた保護を図り、且つ薄型化を図ることができるプリント配線基板、及び当該プリント配線基板の製造を可能とする製造方法を提供することができる。
本発明の実施例に係るプリント配線基板の部分拡大断面図である。 図1と同様にして示す、プリント配線基板の製造工程における部分拡大断面図である。 図1と同様にして示す、プリント配線基板の製造工程における部分拡大断面図である。 図1と同様にして示す、プリント配線基板の製造工程における部分拡大断面図である。 図1と同様にして示す、プリント配線基板の製造工程における部分拡大断面図である。 図1と同様にして示す、プリント配線基板の製造工程における部分拡大断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施例の説明に用いる図面は、いずれも本発明によるプリント配線基板及びその構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、プリント配線基板及びその構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。更に、実施例で用いる様々な数値は、一例を示す場合もあり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
<実施例>
(プリント配線基板の構造)
先ず、本発明の実施例に係るプリント配線基板の構造について、図1を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図1は、本実施例に係るプリント配線基板の部分拡大断面図である。
図1に示すように、本実施例に係るプリント配線基板1は、積層体2、積層体2の第1の面2a側に形成された非導電性の第1コーティング層3、及び積層体2の第2の面2b側に形成された非導電性の第2コーティング層4を有している。また、積層体2は、基板材料層5、基板材料層5の第1の面5aに形成された第1導体層6a、6b(以下において、いずれかを指定しない場合には、単に第1導体層6とも称する)、及び基板材料層5の第2の面5bに形成された第2導体層7から構成されている。更に、第1コーティング層3は、下地部11、堰堤部12、及びシンボル部13を備えている。そして、図1に示すように、第2コーティング層4は、下地部14、及びシンボル部15を備えている。
基板材料層5は、絶縁材料のみから構成される絶縁層であってもよく、或いは複数の絶縁層及び内層配線となる複数の導体層を積層し、ビアホール及びスルーホール等が形成されている基材であってもよい。また、第1導体層6及び第2導体層7にはパターニングが施されており、プリント配線基板1の外層配線及び実装するための部品の接続パッドとして機能する。本実施例において、第1導体層6及び第2導体層7の構成材料は銅を用いているが、金、銀等の他の金属材料を用いてもよい。
図1からわかるように、下地部11は、第1導体層6から所定距離だけ離間して第1導体層6の周囲を囲むように、積層体2の第1の面2aの一部を被覆している。また、堰堤部12は、下地部11上であって、第1導体層6の周囲を囲み且つ下地部11の縁部に沿って形成されている。更に、シンボル部13は、下地部11上であって堰堤部12が形成されていない領域に形成されている。すなわち、第1コーティング層3は、第1導体層6の周囲において、下地部11及び堰堤部12を積層した2層構造を有し、実装される部品の所定情報を示す部分において、下地部11及びシンボル部13を積層した2層構造を有している。これらのことを換言すると、第1コーティング層3は、第1導体層6から所定距離だけ離間して第1導体層6の周囲を囲むように、積層体2の第1の面2aの一部を被覆し、第1導体層6aを露出する開口16a及び第1導体層6bを露出する開口16bを有している。なお、開口16a及び開口16bのいずれかを指定しない場合には、単に開口16とも称する。ここで、第1コーティング層3は、部品を実装するために使用される半田が付けられる領域であり、第1コーティング層3が形成されている領域が半田を付ける必要がない領域となる。
上述したように、堰堤部12は下地部11の全面に形成されず、第1導体層6の周囲を囲み且つ下地部11の縁部に沿うように選択的に形成されている。これは、第1導体層6に付けられた半田が必要以上に広がらないようにするとともに、半田の広がりを防止することに不要な部分にまで堰堤部12を形成しないことによるコスト低減及びシンボル部13の形成領域の確保を図るためである。例えば、堰堤部12の幅を約0.03mmとすれば、半田の広がりを防ぎ且つコスト低減を良好に図ることができる。なお、第1導体層6の層厚及び形状や、プリント配線基板1に要求される特性等に応じて、堰堤部12の幅は適宜変更することができる。
上述したように、下地部11の所定領域上にはシンボル部13が形成されている。シンボル部13は、プリント配線基板1に実装される部品の位置、大きさ、極性、又は番号若しくは型格の略称等の所定情報を表す。従って、プリント配線基板1を平面視した場合におけるシンボル部13の平面形状は、当該所定情報を示す図形、矢印、記号、文字等になり、シンボル部13がシンボルマークとして機能することになる。
また、本実施例においては、堰堤部12とシンボル部13の厚みは同一である。これは、堰堤部12とシンボル部13とが後述するインクジェット方式による1度の描画処理によって形成されているためである。そして、このような厚みの設定により、第1コーティング層3の平坦性を向上することができる。なお、堰堤部12による半田の広がりの防止、及びシンボル部13による所定情報の表示を鑑みて、堰堤部12とシンボル部13の厚みを互いに異なるようにしてもよい。
一方、下地部11と堰堤部12との厚みは互いに異なっており、堰堤部12の厚みが下地部11の厚みよりも大きくなっている。例えば、下地部11の厚みは20μmであり、堰堤部12及びシンボル部13の厚みは40μmであり、堰堤部12及びシンボル部13は下地部11と比較して20μm厚く形成されている。このような厚みの差により、第1コーティング層3にコントラストをより良好につけることができ、シンボル部13によって表される所定情報をより視認しやすくすることができる。なお、下地部11と堰堤部12及びシンボル部13との厚みの差は必須ではなく、プリント配線基板1に要求される特性やコストに応じて、当該厚みの差をなくしたり、或いは下地部11を厚くするようにしてもよい。
更に、本実施例においては、下地部11、堰堤部12、及びシンボル部13は、同一の絶縁材料であるソルダーレジストから構成されている。このような材料選択を行うことにより、下地部11と堰堤部12との密着性、及び下地部11とシンボル部13の密着性を高めることができ、下地部11と堰堤部12及びシンボル部13との界面における剥離等の不具合を防止することができる。ただし、当該絶縁材料が完全に一致している必要性はなく、下地部11と堰堤部12及びシンボル部13との密着性を良好に保つことができれば、プリント配線基板1に要求される特性やコストに応じて、最適な絶縁材料を選択してもよい。
ここで、下地部11の厚みは、第1導体層6の厚みよりも一般的に大きくなるように設定される。ただし、第1導体層6が下地部11よりも厚くなること、或いは第1導体層6が開口16から突出することもある。
積層体2の第2の面2b側においては、図1に示すように、下地部14は、第2導体層7を覆うように、積層体2の第2の面2bを全体的に被覆している。また、シンボル部15は、下地部14上に形成されている。従って、第2導体層7は、第2コーティング層4内(すなわち、下地部14内)に埋設されている。このような第2コーティング層4の構造から、本実施例においては、第2導体層7には半田が付けられることがない。なお、第2導体層7、下地部14、及びシンボル部15との厚みの関係は、適宜調整することができるが、第2導体層7が露出しないように調整することが前提となる。
また、本実施例においては、シンボル部15も、シンボル部13と同様に、プリント配線基板1に実装される部品の位置、大きさ、極性、又は番号若しくは型格の略称等の所定情報を表し、シンボルマークとして機能する。
更に、下地部14とシンボル部15との厚みも異なっており、シンボル部15の膜厚が下地部14の膜厚よりも大きくなっている。例えば、下地部14の厚みは20μmであり、シンボル部15の厚みは40μmである。このような厚みの差により、第2コーティング層4にコントラストをより良好につけることができ、シンボル部15によって表される所定情報をより視認しやすくすることができる。なお、下地部14とシンボル部15との厚みの差も必須ではなく、プリント配線基板1に要求される特性やコストに応じて、当該厚みの差をなくしたり、或いは下地部14を厚くするようにしてもよい。
そして、下地部14とシンボル部15とも、同一の絶縁材料であるソルダーレジストから構成されている。このような材料選択を行うことにより、下地部14とシンボル部15との密着性を高めることができ、下地部14とシンボル部15との界面における剥離等の不具合を防止することができる。ただし、当該絶縁材料が完全に一致している必要性はなく、下地部14とシンボル部15との密着性を良好に保つことができれば、プリント配線基板1に要求される特性やコストに応じて、最適な絶縁材料を選択してもよい。なお、下地部11、堰堤部12、シンボル部13、下地部14、及びシンボル部15を同一の絶縁材料から構成することにより、製造コストの更なる低減を図るようにしてもよい。
本実施例に係るプリント配線基板1によれば、下地部11上であって第1導体層6の周囲の必要な領域のみに堰堤部12が形成されているため、第1コーティング層3の製造コストを低減しつつも、第1導体層6に付けられる半田の広がりを確実に防止することができる。また、下地部11上であって堰堤部12が形成されていない領域にシンボル部13が形成されているため、シンボルマークの形成のためだけにプリント配線基板1の厚みが増加することがなくなる。すなわち、導電性パッド及び配線パターンとなる第1導体層6a及び第1導体層6bの間における優れた保護を図り、且つプリント配線基板1自体の薄型化が図られている。
また、堰堤部12と同一の絶縁材料であるソルダーレジストからシンボル部13を形成するため、従来のような非導電性の特殊なインキをコーティング層上に塗布してシンボルマークを形成する必要がなくなる。このため、プリント配線基板1の低コスト化を図ることができる。
なお、図1においては、実施例の説明の便宜上のため、積層体2の第1の面2a側に露出した第1導体層6のみを図示されていたが、下地部11内に埋設される他の導電層が形成されていてもよい。同様に、積層体の第2の面2b側に、露出した他の導電層が形成されていてもよく、当該他の導体層に対応して下地部14が形成されるとともに、当該他の導体層を囲むように堰堤部が下地部14の縁部に形成されてもよい。当該導電層の形成については、プリント配線基板1に要求される特性及びパターン、並びに実装する部品の種類及び数量に応じて適宜変更されることになる。
(プリント配線基板の製造方法)
次に、本発明の実施例に係るプリント配線基板1の製造工程を図1乃至図6を参照しつつ、詳細に説明する。ここで、図2乃至図6は、図1と同様にして示す、プリント配線基板の製造工程における部分拡大断面図である。
先ず、図2に示すように、本実施例に係るプリント配線基板1の構成部材である積層体2を準備する(準備工程)。本実施例においては、積層体2として、基板材料層5、並びに基板材料層5の表面上に形成された第1導体層6及び第2導体層7が積層された構造を備える基材を用いた。ここで、第1導体層6及び第2導体層7には、プリント配線基板1に実装されることになる半導体チップ、抵抗、及びコンデンサ等の電子部品の接続端子に対応したパターニング、又は所望の電気的な配線を形成するパターニングが施されている。ここで、第1導体層6aと第1導体層6bとは、例えばその間隔が0.1mmのような狭いピッチで形成されていてもよい。
次に、図3及び図4に示すように、絶縁材料であるソルダーレジスト20を塗布するための塗布装置を用いて、インクジェット方式によるインクジェット描画を行い、下地部11を形成する(第1インクジェット描画工程)。本実施例において、図3に示すように、当該塗布装置は、インクジェットヘッド21、及び紫外線光源22からなる印刷ヘッド23を備えている。このような印刷ヘッド23の構成から、印刷ヘッド23を主走査方向してソルダーレジスト20の塗布を行うと、当該塗布の直後に紫外線照射を行うことができる。すなわち、印刷ヘッド23の主走査方向への1回の移動により、ソルダーレジスト20の塗布及び硬化を行うことができ、スクリーン印刷方式と比較して仮硬化の時間(例えば、約20分)を短縮することができる。また、本実施例におけるインクジェットヘッド21の解像度は、300dpiであるが、当該解像度は適宜変更することができる。
具体的な下地部11の形成工程として、基板材料層5の第1の面5a上であって、第1導体層6の形成領域を離間して囲むように、インクジェット方式によってソルダーレジスト20を塗布する。すなわち、ソルダーレジスト20は、積層体2の第1の面2aの全面を覆うことなく、第1導体層6を露出するように塗布されることになる。本実施例においては、1200dpiの解像度でインクジェット描画を行い、例えば厚さが20μmの下地部11を形成する。ここで、インクジェットヘッド21の解像度が300dpiであるため、インクジェットヘッド21を副走査方向に複数回移動させ、一定領域中のドット数を増加させることになる。
次に、図5に示すように、第1インクジェット描画工程の際に使用した塗布装置を用い、インクジェット方式によるインクジェット描画を行い、堰堤部12及びシンボル部13を1度の描画処理によって形成する(第2インクジェット描画工程)。具体的な堰堤部12及びシンボル部13の形成工程として、下地部11の表面上の所定の位置に、インクジェット方式によってソルダーレジスト20を塗布する。特に、第1導体層6の周囲を囲み且つ下地部11の縁部に沿うように堰堤部12を形成し、堰堤部12の形成されていない領域にシンボル部13を形成する。この際、第1導体層6にはソルダーレジスト20を塗布しないような描画を行い、開口16が形成することになる。なお、堰堤部12及びシンボル部13の厚みは、例えば40μmである。
本実施例においては、2400dpiの解像度でインクジェット描画を行い、堰堤部12及びシンボル部13を形成する。ここで、インクジェットヘッド21の解像度が300dpiであるため、インクジェットヘッド21を副走査方向に複数回移動させ、一定領域中のドット数を増加させることになる。
次に、図6に示すように、第1インクジェット描画工程の際に使用した塗布装置を用い、インクジェット方式によるインクジェット描画を行い、下地部14を形成する。具体的な下地部14の形成工程として、第2導体層7を埋設するように、基板材料層5の第2の面5b上に、インクジェット方式によってソルダーレジスト20を塗布する。本実施例においては、下地部14の形成に係る描画の解像度も1200dpiとするため、インクジェットヘッド21を副走査方向に複数回移動させ、一定領域中のドット数を増加させることになる。
次に、図1に示すように、第1インクジェット描画工程の際に使用した塗布装置を用い、インクジェット方式によるインクジェット描画を行い、シンボル部15を形成する。本実施例においては、シンボル部15の形成に係る描画の解像度も2400dpiとするため、インクジェットヘッド21を副走査方向に複数回移動させ、一定領域中のドット数を増加させることになる。
その後、加熱処理(ポストキュア)を施し、下地部11、堰堤部12、シンボル部13、下地部14、及びシンボル部15を完全に硬化する。これにより、下地部11、堰堤部12、及びシンボル部13からなる第1コーティング層3が形成され、下地部14及びシンボル部15からなる第2コーティング層4が形成され、プリント配線基板1の製造が完了する。
本実施例に係るプリント配線基板1の製造方法においては、下地部11上であって第1導体層6の周囲の必要な領域のみにインクジェット方式によって堰堤部12を形成するため、第1コーティング層3の製造コストを低減しつつも、第1導体層6に付けられる半田の広がりを確実に防止することができる。また、下地部11上であって堰堤部12が形成されていない領域に、インクジェット方式によってシンボル部13を形成するため、シンボルマークの形成のためだけにプリント配線基板1の厚みが増加することがなくなる。すなわち、本実施例に係るプリント配線基板1の製造方法によれば、導電性パッド及び配線パターンとなる第1導体層6a及び第1導体層6bの間における優れた保護を図り、且つプリント配線基板1自体の薄型化を図ることができる。特に、本実施例においては、インクジェット方式を用いるため、堰堤部12を所望の位置に対して正確に形成することができる。
また、本実施例に係るプリント配線基板1の製造方法においては、堰堤部12と同一の絶縁材料であるソルダーレジストからシンボル部13を形成するため、プリント配線基板1の低コスト化を図ることができる。更に、堰堤部12及びシンボル部13を1度の描画処理によって形成するため、従来のシンボルマーク作成に係る設備(印刷機、露光機、乾燥炉等)が不要となるとともに、製造工程に係る人員の削減を図ることができ、プリント配線基板1の製造コストを大幅に低減することが可能になる。
そして、下地部11、堰堤部12、シンボル部13、下地部14、及びシンボル部15を同一の装置を使用して同一の絶縁材料から形成するため、それぞれの形成位置の精度を向上することができ、プリント配線基板1の歩留まりの向上も図ることができる。これにより、廃却品を低減して、環境負荷の低減も図ることが可能になる。
<本発明の実施態様>
本発明の第1実施態様に係るプリント配線基板は、半田を介して部品を実装するプリント配線基板であって、基板材料層及び前記基板材料層の表面上にパターニングされた導体層を積層した積層構造を備える積層体と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面を被覆する非導電性のコーティング層と、を有し、前記コーティング層は、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように前記積層体の表面上に形成される下地部、前記下地部上であって前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って形成される堰堤部、及び前記下地部上に形成されて前記部品の所定情報を表すシンボル部を備え、前記堰堤部及び前記シンボル部は、同一の絶縁材料から構成されている。
第1実施態様においては、下地部上であって導体層の周囲の必要な領域のみに堰堤部が形成されているため、コーティング層の製造コストを低減しつつも、導体層に付けられる半田の広がりを確実に防止することができる。また、下地部上であって堰堤部が形成されていない領域にシンボル部が形成されているため、シンボルマークの形成のためだけにプリント配線基板の厚みが増加することがなくなる。すなわち、導電性パッド及び配線パターンとなる導体層間における優れた保護を図り、且つプリント配線基板自体の薄型化が図られている。
また、第1実施態様においては、堰堤部と同一の絶縁材料からシンボル部を形成するため、従来のような非導電性の特殊なインキをコーティング層上に塗布してシンボルマークを形成する必要がなくなる。このため、プリント配線基板の低コスト化を図ることができる。
本発明の第2実施態様に係るプリント配線基板は、上述した第1実施態様において、前記堰堤部及び前記シンボル部の厚みが同一である。これにより、コーティング層の平坦性を向上させることができる。
本発明の第3実施態様に係るプリント配線基板は、上述した第1又は第2実施態様において、前記第下地部及び前記シンボル部が互いに厚みが異なることである。これにより、コーティング層にコントラストをより良好につけることができ、シンボル部によって表される所定情報をより視認しやすくすることができる。
本発明の第4実施態様に係るプリント配線基板は、上述した第3実施態様において、前記堰堤部及び前記シンボル部の厚みが前記下地部の厚みよりも大きいことである。これにより、コーティング層にコントラストをより一層良好につけることができ、シンボル部によって表される所定情報をより一層視認しやすくすることができる。
本発明の第5実施態様に係るプリント配線基板は、上述した第1乃至4実施態様のいずれかにおいて、前記下地部が前記堰堤部及び前記シンボル部と同一の絶縁材料から構成されていることである。これにより、下地部と堰堤部及びシンボル部との界面における剥離を防止するとともに、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の第6実施態様に係るプリント配線基板の製造方法は、半田を介して部品を実装するためのプリント配線基板の製造方法であって、基板材料層の表面上にパターニングされた導体層が積層された構造を備える積層体を準備する準備工程と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面上に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように下地部を形成する第1インクジェット描画工程と、インクジェット方式によって前記下地部の表面上に絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って堰堤部を形成するとともに、前記部品の所定情報を表すシンボル部を形成する第2インクジェット描画工程と、を有し、前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部に対する1度の描画処理によって同一の絶縁材料からなる前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する。
第6実施態様においては、下地部上であって導体層の周囲の必要な領域のみにインクジェット方式によって堰堤部を形成するため、コーティング層の製造コストを低減しつつも、導体層に付けられる半田の広がりを確実に防止することができる。また、下地部上であって堰堤部が形成されていない領域に、インクジェット方式によってシンボル部を形成するため、シンボルマークの形成のためだけにプリント配線基板の厚みが増加することがなくなる。すなわち、導電性パッド及び配線パターンとなる導体層の間における優れた保護を図り、且つプリント配線基板自体の薄型化を図ることができる。
また、第6実施態様に係るプリント配線基板の製造方法においては、堰堤部と同一の絶縁材料からシンボル部を形成するため、プリント配線基板の低コスト化を図ることができる。更に、堰堤部及びシンボル部を1度の描画処理によって形成するため、従来のシンボルマーク作成に係る設備(印刷機、露光機、乾燥炉等)が不要となるとともに、製造工程
に係る人員の削減を図ることができ、プリント配線基板1の製造コストを大幅に低減することが可能になる。
本発明の第7実施態様に係るプリント配線基板の製造方法は、上述した第6実施態様において、前記第2インクジェット描画工程では、前記堰堤部及び前記シンボル部の厚みを同一にすることである。これにより、コーティング層の平坦性を向上させることができる。
本発明の第8実施態様に係るプリント配線基板の製造方法は、上述した第6又は7実施態様において、前記第2インクジェット描画工程では、前記下地部とは異なる厚みで前記堰堤部及び前記シンボル部を形成することである。これにより、コーティング層にコントラストをより良好につけることができ、シンボル部によって表される所定情報をより視認しやすくすることができる。
本発明の第9実施態様に係るプリント配線基板の製造方法は、上述した第8実施態様において、前記第2インクジェット描画工程では、前記下地部よりも厚く前記堰堤部及び前記シンボル部を形成することである。これにより、コーティング層にコントラストをより一層良好につけることができ、シンボル部によって表される所定情報をより一層視認しやすくすることができる。
本発明の第10実施態様に係るプリント配線基板の製造方法は、上述した第6乃至第9実施態様のいずれかにおいて、前記第2インクジェット描画工程では、前記第1インクジェット描画工程における解像度よりも高い解像度によってインクジェット描画を行うことである。これにより、コーティング層にコントラストをより一層良好につけることができ、シンボル部によって表される所定情報をより一層視認しやすくすることができる。
本発明の第11実施態様に係るプリント配線基板の製造方法は、上述した第6乃至第10実施態様のいずれかにおいて、前記第2インクジェット描画工程では、前記下地部と同一の絶縁材料によって前記堰堤部及び前記シンボル部を形成することである。これにより、下地部と堰堤部及びシンボル部との界面における剥離を防止するとともに、製造コストの低減を図ることができる。
1 プリント配線基板
2 積層体
2a 第1の面
2b 第2の面
3 第1コーティング層
4 第2コーティング層
5 基板材料層
5a 第1の面
5b 第2の面
6、6a、6b 第1導体層
7 第2導体層
11 下地部
12 堰堤部
13 シンボル部
14 下地部
15 シンボル部
16、16a、16b 開口
20 ソルダーレジスト
21 インクジェットヘッド
22 UV光源
23 印刷ヘッド
上記目的を達成するため、本発明のプリント配線基板は、半田を介して部品を実装するプリント配線基板であって、基板材料層及び前記基板材料層の表面上にパターニングされた導体層を積層した積層構造を備える積層体と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面を被覆する非導電性のコーティング層と、を有し、前記コーティング層は、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように前記積層体の表面上に形成される下地部、前記下地部上であって前記導体層の周囲のみを囲み且つ前記下地部の縁部に沿って形成される堰堤部、及び前記下地部上に形成されて前記部品の所定情報を表すシンボル部を備え、前記堰堤部及び前記シンボル部は、同一の絶縁材料から構成されている。
また、上記目的を達成するため、本発明のプリント配線基板の製造方法は、半田を介して部品を実装するためのプリント配線基板の製造方法であって、基板材料層の表面上にパターニングされた導体層が積層された構造を備える積層体を準備する準備工程と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面上に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように下地部を形成する第1インクジェット描画工程と、インクジェット方式によって前記下地部の表面上に絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲のみを囲み且つ前記下地部の縁部に沿って堰堤部を形成するとともに、前記部品の所定情報を表すシンボル部を形成する第2インクジェット描画工程と、を有し、前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部に対する1度の描画処理によって同一の絶縁材料からなる前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する。
上記目的を達成するため、本発明のプリント配線基板は、半田を介して部品を実装するプリント配線基板であって、基板材料層及び前記基板材料層の表面上にパターニングされた導体層を積層した積層構造を備える積層体と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面を被覆する非導電性のコーティング層と、を有し、前記コーティング層は、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように前記積層体の表面上に形成される下地部、前記下地部上であって前記導体層の周囲のみを囲み且つ前記下地部の縁部に沿って形成される半田の広がりを防止するための堰堤部、及び前記下地部上に形成されて前記部品の所定情報を表すシンボル部を備え、前記堰堤部及び前記シンボル部は、同一の絶縁材料から構成されている。
また、上記目的を達成するため、本発明のプリント配線基板の製造方法は、半田を介して部品を実装するためのプリント配線基板の製造方法であって、基板材料層の表面上にパターニングされた導体層が積層された構造を備える積層体を準備する準備工程と、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面上に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように下地部を形成する第1インクジェット描画工程と、インクジェット方式によって前記下地部の表面上に絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲のみを囲み且つ前記下地部の縁部に沿って半田の広がりを防止するための堰堤部を形成するとともに、前記部品の所定情報を表すシンボル部を形成する第2インクジェット描画工程と、を有し、前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部に対する1度の描画処理によって同一の絶縁材料からなる前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する。

Claims (11)

  1. 半田を介して部品を実装するプリント配線基板であって、
    基板材料層及び前記基板材料層の表面上にパターニングされた導体層を積層した積層構造を備える積層体と、
    前記半田を付ける以外の前記積層体の表面を被覆する非導電性のコーティング層と、を有し、
    前記コーティング層は、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように前記積層体の表面上に形成される下地部、前記下地部上であって前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って形成される堰堤部、及び前記下地部上に形成されて前記部品の所定情報を表すシンボル部を備え、
    前記堰堤部及び前記シンボル部は、同一の絶縁材料から構成されているプリント配線基板。
  2. 前記堰堤部及び前記シンボル部の厚みは、同一である請求項1に記載のプリント配線基板。
  3. 前記第下地部及び前記シンボル部は、互いに厚みが異なる請求項1又は2に記載のプリント配線基板。
  4. 前記堰堤部及び前記シンボル部の厚みは、前記下地部の厚みよりも大きい請求項3に記載のプリント配線基板。
  5. 前記下地部は、前記堰堤部及び前記シンボル部と同一の絶縁材料から構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線基板。
  6. 半田を介して部品を実装するためのプリント配線基板の製造方法であって、
    基板材料層の表面上にパターニングされた導体層が積層された構造を備える積層体を準備する準備工程と、
    前記半田を付ける以外の前記積層体の表面上に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を少なくとも囲むように下地部を形成する第1インクジェット描画工程と、
    インクジェット方式によって前記下地部の表面上に絶縁材料を塗布し、前記導体層の周囲を囲み且つ前記下地部の縁部に沿って堰堤部を形成するとともに、前記部品の所定情報を表すシンボル部を形成する第2インクジェット描画工程と、を有し、
    前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部に対する1度の描画処理によって同一の絶縁材料からなる前記堰堤部及び前記シンボル部を形成するプリント配線基板の製造方法。
  7. 前記第2インクジェット描画工程においては、前記堰堤部及び前記シンボル部の厚みを同一にする請求項6に記載のプリント配線基板の製造方法。
  8. 前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部とは異なる厚みで前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する請求項6又は7に記載のプリント配線基板の製造方法。
  9. 前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部よりも厚く前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法。
  10. 前記第2インクジェット描画工程においては、前記第1インクジェット描画工程における解像度よりも高い解像度によってインクジェット描画を行う請求項6乃至9のいずれか1項に記載のプリント配線基板の製造方法。
  11. 前記第2インクジェット描画工程においては、前記下地部と同一の絶縁材料によって前記堰堤部及び前記シンボル部を形成する請求項6乃至10のいずれか1項に記載のプリント配線基板の製造方法。
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